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2017年7月26日 (水)

歩きスマホ行為に対する、奇妙な攻撃的行動が拡大中

俗に言うところの歩きスマホなる行為の危険性は改めて周知徹底されるべきものですが、先日こんな一件が報じられていたのをご存知でしょうか。

歩きスマホの女性に体当たり 傷害容疑で男逮捕(2017年7月22日神戸新聞)

 歩きながらスマートフォンを操作していた女性に体当たりをして重傷を負わせたとして、兵庫県警葺合署は22日までに、傷害の疑いで、神戸市内の自称作家兼ミュージシャンの男(63)を逮捕、送検した。女性は頭を打って一時意識不明の重体となっていた。

 送検容疑は、19日午後7時半ごろ、神戸市中央区のJR三ノ宮駅のホーム上で、スマホを操作しながら歩いている同市内の無職女性(55)に、正面から体当たりして転倒させ、重傷を負わせた疑い。同署の調べに「歩いていたらぶつかった」と容疑を否認している。

 同署によると、男がスマホ操作中の女性をめがけて歩いて行き、体当たりした様子がホームの防犯カメラに写っていたという。女性は後ろに倒れて後頭部を打ち、意識なしの重体で搬送された。その後、意識は戻ったという。男は「相手がスマホをしているのが悪い」と供述しているという。

 同駅では19日、ホームでスマホ操作中の乗客が何者かにぶつかられた事案があったほか、20日には、男と別の乗客がトラブルとなり、同駅から通報を受けた同署員が駆け付ける事案があった。その際、男は「相手にスマホを当てられた」と話していたという。

昨年1年間で歩きスマホを含めたながらスマホ行為でほぼ2000件にも及ぶ事故があり、死亡事故すら27件発生していると言う警察疔の発表もあり、全国的にも今後取り締まりの強化を行っていくそうですから、市民としても早めに対応しておいた方がよさそうです。
とは言え今回の件で興味深いのはわざわざ「正面から体当たり」したと報じられていると言うことで、当事者は否定していると言うことですがどうもたまたま歩いていてぶつかったと言ったケースとは違うのではないかと言う印象であり、実際他にもスマホ絡みのトラブルを起こしていたようですね。
特に今回の相手に重傷を負わせた事件の翌日にもまたトラブルを起こしていたようですが、実はたまたまこの男が例外的に特殊な行動を行っていると言うだけではなく、全国的に歩きスマホに対する攻撃的な行動が増えてきているのだそうで、こんな記事を紹介してみましょう。

歩きスマホの人を狙う「当たり屋」 都市部でトラブル続出(2017年7月25日NEWSポストセブン)

 兵庫県神戸市JR三ノ宮駅のホームで、歩きながらスマートフォンを操作していた女性に体当たりし転倒させ重傷を負わせたとして、60代の作家兼ミュージシャンの男性が22日までに逮捕、送検された。このニュースが報じられると、SNS上では「やはり歩きスマホは危ない」といった声とともに、「スマホを見ている人にわざとぶつかってくる人がいて怖い」という声も多くあがった。
 事件が起きた地元の神戸新聞が報じた内容をみると、この60代男性は、SNS上で「怖い」と言われている、スマホを操作している人にわざとぶつかる行為を繰り返していた疑いがある。
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 この男のように、わざとぶつかる人は都市部を中心に一定数、存在している。北陸地方在住の30代女性は、出張で東京に来た折、わざとぶつかられてとても怖い思いをしたと話す。
「新幹線から乗り換え改札を出て、行き先を確かめようとスマホを見ていたら、ものすごい勢いで歩いてきた男性にぶつかられました。ぶつかってきた男性は何も言わず、振り返りもせずに去って行ったので、尻もちをついたまま後ろ姿を呆然と見るしかありませんでした。通る人がいても5メートル前くらいに気づいて移動できるだろう間隔を見計らった場所を選んで立っていたから、普通のスピードで来られればよけられたのに、無理な速さでした」

 都内で働く40代男性も、初めて降りた駅でスマホの地図アプリを見ていたところ、どう考えても「わざと」ぶつかられる体験をした。
「改札を出て少し歩いてから、地図アプリを見ていたら、自分よりも少し年上の男性にぶつかられました。すごく不自然にこちらに向かってきて歩き去ったので、わざとだと思うんです。付近には、他にもスマホを見ている人はいました。そのなかで、それほど体が大きくなくて、強く反発しそうにない見た目の自分を選んでぶつかったんだと思います」

 彼のように、人を選んでぶつかられたと話す人は少なくない。東京近郊に住む女子大学生は、「露骨に相手を選んでますよ」と苦笑いする。
「ターミナル駅付近で、スマホを見ている人にぶつかるのを繰り返すおじさんがいます。狙うのは主に一人でいる女性。男性と一緒だったり、服装が派手で気が強そうな人には絶対に近寄らない。私も友だちと待ち合わせ中にスマホを見ていたら、不自然に向かってきたおじさんにぶつかられて転びました。ちょうどやってきた友だちがものすごい剣幕で怒鳴ったら、すごい勢いで逃げられました」

 少数だが、自分も歩きスマホにはわざとぶつかっているとSNSで発言する人たちがいる。一年前にアプリゲーム『ポケモンGO』が大流行し、歩きスマホしながらゲームをする人が増えた頃から「わざとぶつかりにいってる」「わざと体寄せてぶつかってる」「注意喚起のためにわざとぶつかってる」とSNSで誇らしげに宣言する匿名アカウントが続出した。
 スマホ当たり屋と呼ばれることもある彼らは、自分がSNSで宣言している内容が傷害罪につながる可能性はあまり考えていない。流行に流されない自分たちは他とは違うと主張し、ネットでウケる「ネタ」のひとつを提示しているにすぎない。彼らなりの正義を叫ぶ言葉の強さとはうらはらに、実行しない人も多い。ところが、ネタの発言数が増えると、それを現実にしても許されると思い込む人があらわれる現象が近年、目に見えて増えている。
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いわゆる当たり屋と言うのは金銭的な目的を持って事故をわざと起こす人々のことでしょうが、こちらの場合特にそうしたわけでもなくひたすら体当たりを繰り返すのだそうで、どうも第三者的に見てみると間抜けな行為としか思えないのですがその理由が何なのかです。
記事の後段では正義感的なものが背景にあると言うことですが、相手が反撃をしてこない確率が高いことを前提にした自己満足を得るための行為とも感じられ、今回たまたま相手が重傷を負ったからこそ逮捕されたとは言え、ほとんどの場合事故と言い張れるのでしょうね。
ちなみに今回の場合冒頭の神戸の容疑者氏の周囲が取材に応じているのですが、「やっぱりなぁと」「だんだん乱暴になってきて声が大きくなって怖いよねって感じ」と言ったコメントがあり、他人に対して攻撃的になってきていることを感じていたのだそうです。
何かしらのストレス発散的な行動の一環として、仮にトラブルになっても相手に道義的責任を負わせやすい歩きスマホ相手への攻撃を繰り返しているのだとすればいい迷惑としか言いようがありませんが、とは言え歩きスマホ自体にも加害者となるリスクがあることは大前提とすべきでしょうね。

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2017年7月14日 (金)

過度な他人への攻撃性は匿名だからこそ発揮される?

ところ変われば何もかも違っている可能性があるとはついつい忘れてしまいがちなことですが、先日パキスタンでこうした判決が出たと話題になっていました。

ネット上の侮辱で死刑判決(2017年6月12日産経新聞)

 ロイター通信などによると、パキスタン中部パンジャブ州バハワルプルの法廷は11日までに、フェイスブック上でイスラム教の預言者ムハンマドを侮辱したとして、冒涜罪に問われた男性(30)に死刑判決を言い渡した。検察当局が明らかにした。

 パキスタン政府はソーシャルメディアの取り締まりを厳格化しており、検察当局はソーシャルメディア上での冒涜罪に対する初の死刑判決としている。判決は10日付。男性は上訴できるという。

 冒涜罪は少数派弾圧の手段に使われているとして、人権団体が批判している。男性は同国で少数派のイスラム教シーア派に属しているという。

近年ではイスラム世界の法体系に関してどちらかと言えば批判的に取り上げられることが多く、一部の方々は熱心な反対運動までやっているとも聞くのですが、この件に関してはやり過ぎだと言う意見以外に「ネットなら何でもありではない」と一定の評価をする声も少なくないようです。
今回の場合は宗教的な権威に対するそれですが、個人や団体に対する誹謗中傷は何処の国でもありふれた話となっており、多くの場合ネットの匿名性を盾に好き放題言っていると言う反発が大きいせいか、韓国のようにネット実名性を取り入れたり中国のように人肉捜索などと言われる私的なつるし上げが行われる場合もあるようです。
日本においては匿名性の保持に関しては根強い支持があるものの、行き過ぎた個人攻撃や誹謗中傷などに対しては発信者の個人情報開示も行われるようになってきていて、大阪などは開示義務を示した条例まで作ったものの、必ずしも情報が明らかになるケースばかりでもないようですね。
いずれにせよ実社会で考えてみれば一方的に他人を集団で袋だたきにする行為と言うものは当事者はもちろん、周囲の第三者に取っても必ずしも楽しいものではない場合も多いのですが、先日こんなCMが登場したことが注目されているのもネット上ではこの種の行為が行き過ぎる嫌いがあると言うことへの問題提起と言うことでしょう。

「窃盗だろw」「桃の気持ち考えろ」…桃太郎で“ネット炎上”描く広告、狙いは? ACジャパンに聞く(2017年7月5日産経新聞)

 「窃盗だろw」「早く謝ってください」「桃の気持ち考えたことがあるのか!
 桃太郎を題材に「ネット炎上」の惨状を描いた公共広告「苦情殺到!桃太郎」を、ACジャパンがこのほど公開した。「(第三者の)悪意ある言葉が、当事者や家族の心を傷つけるトラブルも多い」として「おおらかな心の大切さを訴える」としている。

 動画広告は、おばあさんが川上から流れてきた桃を拾ったところ、匿名の苦情が殺到するというストーリー。「窃盗だろw」「泥棒ワロタ」「炎上案件キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!」「ていうか、川で洗濯するなよ」「旦那は山で柴刈りしている人らしいよ」「背景から住所分かるかも」などのコメントが画面を埋め尽くし、おばあさんが涙ぐむ様子が収められている。
 ACジャパンが毎年7月に実施している広告キャンペーンの一環。動画をテレビCMとして流すほか、ラジオ広告、新聞広告も展開する。

■なぜ、桃太郎を題材に?

 「いつの時代も、分かりやすく伝えようとすると、広告コミュニケーションは難しい」--今回のキャンペーンを手掛けたACジャパンの担当者はそう話す。
 個人ユーザーのSNSや企業広告など、さまざまな内容が炎上する中、「子どもから高齢者まで幅広い世代が知っている『桃太郎』を選ぶことで、意図を伝えたかった」という。
 画面を埋め尽くす苦情コメントは、マイルドな表現にすることも考えたが、「リアリティーを追求し、実際に使われるネットスラングを取り入れた」(担当者)
 「ACジャパンは、こうした公共広告でしかメッセージを伝えられない。今回の取り組みを通じて、いま一度ネットモラルを考えてもらう機会になればと考えている」


ACが「苦情殺到!桃太郎」のCMで炎上に苦言 専門家は「普通の人がうっ憤を晴らそうとして起きる」と指摘(2017年7月5日キャリコね)

公益社団法人ACジャパンがネットモラルの向上を目指して作成したテレビCMが話題だ。7月1日に公開されたCMは、昔話の桃太郎をアレンジし、ネットで批判が殺到する「炎上」で傷つく人がいることを訴えるものになっている。
炎上はどういった人々が、どのような理由で引き起こしているのか。専門家は「炎上の背景にはネットの『共感の文化』がある」と指摘する。
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2015年度版の情報通信白書によると、SNS炎上に関する新聞記事は2013年を境に大幅に増加している。炎上そのものが増加し、新聞社がそれを取り上げる頻度も増えていることがわかる。炎上しても仕方がないような事例も中にはあるが、批判が過度に殺到したり、理不尽な「クソリプ」が大量に送り付けられたりすることの背景には何があるのだろうか。
ソーシャルメディア活用を専門とするネットメディア攻略研究所代表の落合正和さんは、「炎上が発生するのはインターネットが匿名で利用されているから」だという。
    「ツイッターの利用者は5000万人に上りますが、匿名で利用している人が多い。日頃のうっ憤を晴らすため、顔の見えない相手を攻撃する人が多いのでしょう。クソリプを送ったり、炎上させたりしている人は、憂さ晴らしをしたいだけのごくごく普通の人だと思います」
2014年度の情報通信白書によると、日本では匿名でSNSを利用する人の割合が他国よりも高い。フェイスブックでは実名利用する人が匿名利用する人の割合を上回っているが、ツイッターでは匿名利用が7割を超えている。アメリカやフランス、韓国ではツイッターでも実名利用の方が多いこととは対照的だ。

落合さんは、ネット独自の「共感の文化」も炎上を引き起こす一因だという。
    「ネットには元々、気に入った投稿に『いいね!』を押す共感の文化があります。共感できるかどうかが1つの基準になっているんです。それが『同じ意見じゃないと認めない』『共感できないものは排除する』という姿勢につながってしまうのかもしれません」
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件の動画はこちらなどから参照頂ければと思いますが、個人的にはツッコミを入れるなら竹取物語などの方がよほど突っ込み甲斐があるのではとも思うのですが、今回のCMがシリーズの第一弾で引き続き様々な古典が題材として取り上げられることもあるのでしょうかね。
注意していただきたいのは何であれ他人の行為に対して様々な感想を抱くのが人間と言う存在であり、同じ行為に対しても好感情もあれば悪感情もあり得るのが当然ですが、雑多な個人の感情も一定数集まるとそれは世論と呼ばれる一つの権威になるわけです。
こうした現象が極大化すると炎上と言われる現象となりますが、もともと一方的な他者へのバッシングを繰り返し、世論の誘導喚起によって社会的炎上を発生させることを生業としてきたのが新聞やテレビなど既存のマスメディアであり、言ってみれば炎上させるプロとも言えます。
社会の木鐸を自称する朝日新聞などが実名主義を掲げている点を見ても、この種の現象に匿名性などは本質的に無関係であることが容易に想像出来そうに思うのですが、業務として行うのであれば炎上させるだけでなく鎮火の方法まで用意してから行って頂きたい気がします。

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2017年7月 7日 (金)

子供を殴り倒す母親の暴力行為が話題に

全国的に体罰は絶対悪と言う価値観が正義とされて久しいですが、こちら一つの体罰動画が国内のみならず国内までも拡散し話題になっています。

自動車の前に飛び出した幼児を母親が激しくビンタ これは「教育」なのか?「体罰」なのか?大論争(2017年6月30日J-CASTニュース)

   ツイッターにアップされた動画にある母親の行動がネット上で物議を醸している。3歳くらいの子供に対し、吹っ飛ぶほどの平手打ちをかましているのだ。
   乗用車の車内カメラで撮影されたその動画は、乗用車が走行中、目の前に子供用自転車が突然現れて、あわやというシーンになる。乗用車の急ブレーキで難を逃れたが、子供の後を追っていた母親が追い付き激しい平手打ちをしたため、ネット上では「これは教育ではなく虐待だ!」「母親として当然の行為」といった論争が起きている。

   問題の動画は2017年6月28日にアップされた。ツイートは、
    「今日の会社帰り子供飛び出してきてほんと焦った、たまたま踏切の遮断機下がっててブレーキに足かけて減速しようとしてたから間に合ったって思った安全運転でこれからも行こうと思った。てかお母さんの平手打ちに強さにもびびった」(原文ママ)
となっている。
   動画は車内カメラで撮影されていて、乗用車が運行中に左側に駐車していたワゴン車の陰から3歳くらいの子供が子供用自転車で飛び出して来る。急ブレーキをかけた乗用車の前を自転車は通過する。後ろから走って追いかけてきた母親は運転席に、「申し訳ありません」といった表情を浮かべ頭を下げたあと、子供の顏のあたりを激しく平手打ちし、子供は吹っ飛ぶように尻もちをついた。この動画を見た人たちは、
    「何はともあれ無事で良かった...」
などといった感想を漏らし安堵したのだが、母親の取った行動に「体罰ではないのか?」「虐待だ!」などといった批判が向けられることになり、
    「こんなのは教育ではありません 暴力で子どもをしつけようとする人間は頭が悪い人です 貴方に子どもさんがいらっしゃいましたらこんなことはしないであげてください」
    「子どもが真っ先に親の顔を見ている+あの母親のどつき...黒に近い虐待サインですね」
    「悪気はないのだろうけど子供がケガしそうな勢いで叩いてるからなぁ... ケガをしない力加減で叩けなかったら、それはもう暴力と呼ばれても仕方ないのかと思います」
などといったリプライがこのツイッターの動画に寄せられることになった。

   母親批判に対する反論も相次ぎ、
    「お母様も心臓が飛び出る勢いでお子さんに平手打ちしたんだと思います...。きっと私もそうなると思います。 子供にはまだ解らなくとも」
        「親として本当に心配してる証拠ですね。体罰いけないとか言うけど、危険に関わることは体に覚えさせる必要あるから」
        「法的には平手打ちしたお母さんの行動は虐待に当たりますが、一歩間違えれば生命を失っていたかも知れない事なので、個人的には愛情、教育として間違っていない行動だと思います」
などといったリプライが寄せられ、全面対決の様相となったが、「母親としての立派な行為だ」という母親擁護の意見の方が圧倒的に多い
   このツイートは17年6月30日昼までに6万近いリツイートがあり、あまりの反響の大きさに驚いたツイート主は一時鍵を掛け閲覧できないようにした。30日に再開し、この母親の行為は体罰なのか、躾なのかのアンケートを取ったりしていたが、30日午後4時には再び「非公開」にし現在は閲覧できないようになっている。

子どもが吹っ飛ぶほどひっぱたいた日本のママを、中国ネットユーザーが称賛(2017年7月1日レコードチャイナ)

日本でも中国でも、子どもの教育をめぐってはさまざまな論争がある。中でも体罰の可否については、その程度なども含めて意見が分かれるところだ。30日、日本のある映像が中国の動画サイトに投稿され、ネットユーザーの注目を集めている。
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この動画に対して、中国のネットユーザーからは「どうやら、(こういう状況で子どもをたたくのは)世界中どこでも同じようだ」「ひっぱたくべきだ。でないと次は命がなくなるかもしれないからな」といった声や、「俺のおじさんもそうだった。川で泳いで遊んでいたら、おじさんが棒を持ってやってきた。川の真ん中の方に逃げる俺を見て『たたかないから、こっちおいで』って言うので岸に上がったら、めちゃめちゃたたかれた。それから川では二度と遊ばなくなったよ」といった体験談を語るユーザーもいた。

また、母親の対応について、「中国のママならまずドライバーを責めるだろうね」「たたく親の子どもは将来それをしなくなる。ドライバーを罵倒する親の子どもは将来はねられる」「30数年前は中国もこうだったんだけどなあ。昔は子どもがけんかしてるのを見たら、まず自分の子どもをたたいたもんだ。でも、今は一緒になってけんかする」と、最近の過保護すぎる中国の保護者を皮肉ったコメントも少なくない。

このほか、「なんと、先にドライバーに頭を下げるとは。この民度よ」「(これが)素養教育。まずドライバーに謝ってから子どもをしかる」「日本の文明レベルはアジア最強」と母親がすぐにドライバーに謝罪の意思を示したことを称賛するコメントも寄せられた。

日本では昨今、教育現場などでの体罰への批判が高まっている。中国でも以前に比べて体罰に批判的な声が増えてきているものの、「たたかなければ一人前にならない」と言われるように、日本と比べると容認派が多い印象だ。

ちなみにまさに当事者目線と言える問題のドライブレコーダーの映像はこちらから参照いただければと思うのですが、動画を見ながらひとまず誰しもが「よくぶつからずに済んだな」と思うような状況でしょうし、ドライバー本人も偶然と幸運に恵まれた結果であるとは感じているようです。
この母親の行動について特に進歩的な方々からは評判が極めて悪いようですし、自分なら別な行動を取った、これを当然の行為だと思って欲しくないと言う人も多いでしょうが、直ちに命に関わり二度と繰り返してはならない行為であって、絶対確実な教育を行うべき状況であることに異論のある人はいないのではないでしょうか。
となるとその方法論はと言うことになりますが、多くの方々が指摘しているように子供にとっては良くも悪くも非常に大きな衝撃を与えただろう出来事だと想像出来るだけに、末永くこの時の記憶は残るだろうとは言えるでしょうし、まさにそれが目的の行為ではあったわけです。
体罰によって教育を受けた者は自らも体罰に頼るようになると言う説もあり、実際何にでも体罰でしか教育を行えないと言うのは問題外でしょうし、行う場合も自らもいずれ誰かから同様の暴力を振るわれる可能性を理解した上での最終手段であって欲しいと言う気がしますが、皆さんはどうお感じになったでしょうか。

ちなみに今回の場合こうした行為は駄目だと言う教育効果はあったと思いますから、この行為にダメ出しする場合には同等以上の効果が期待出来る代案を提示すべきかとも思うのですが、その点に言及する意見が少ない様子なのは少しばかり残念ですよね。
個人的には車に比較的よく乗っている方ですのでドライバー目線で見てしまいがちで、こうした場合にドライバーの反射神経にしか頼るものがないと言う状況を何とかすべきだなと改めて感じたのですが、まさに今現在行われている自動運転など運転補助技術の類はこうした局面で活躍してもらいたいものでしょう。
特に最近信じられないような事故のニュースも多く、とっさの行動が遅れがちな高齢ドライバーこそ安全サポート技術の完備された車に乗せるべきだと言う声も増えているのですが、先日政府の有識者会議で自動ブレーキ装備の車であることなどの条件をつけた高齢者限定免許の導入が提言されていたのは興味深いことだと思いますね。
もちろん若い人であっても危険な暴走行為などは論外で、今回の現場のような狭い裏通りを平気で爆走している車などは何とかならないものかと常々思うのですが、運転行為そのものに制約を加える類の装置はそうした行為をしがちなユーザーほど無効化してしまうでしょうし、そんな制約の多い車に乗りたい人がどれだけいるのかと考えると悩ましいところですよね。

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2017年6月 9日 (金)

常態化する労基法違反に意外なところから反撃ののろし上がる

最近では何かと独創的な発言で話題になることも多いこちらの方ですが、先日のこちらのコメントも賛否両論で話題になっているようです。

「子供がいるから夫を早く帰させて」 くわばたりえ「あさイチ」涙発言に賛否(2017年6月7日J-CASTニュース)

   お笑いコンビ「クワバタオハラ」のくわばたりえさん(41)が、NHKの情報番組「あさイチ」に出演中に突然泣き出し、ツイッター上などでその言い分が論議になっている。

   2017年6月7日に生放送されたあさイチでは、「大丈夫? あなたや夫の働き方」がテーマになった。
   ゲスト出演したくわばたさんは、家族で働き方などを話し合ったことがあるかと問われ、自らの夫のことについて口を開いた。くわばたさんは、子供ができたとき、夫には、「早く帰って来られへんの?」と懇願した。しかし、夫は、会社では、子供がいても誰も帰っておらず、上司も残っているのにそんなことは言えない、と説明したという。
   そこで、くわばたさんも 「お互い帰れるようになったら、周りも帰れるようになるんちゃう?」 と反論すると、ケンカ状態になり、くわばたさんは、 「じゃあ、もういいわ」 と、以後、早く帰ることは口にしなくなったと明かした。

   くわばたさんには、現在3人の子供がおり、番組では、
    「なんで3人増えたときに会社の人が『お前ちょっと早く帰れ』って誰か言うてくれへんねんかなって、テレビを通じて会社の人に言っています」
とカメラに向かって呼びかけた。
(略)
   さらに、「ほんで、みんなでご飯食べて...」と話したところで、突然くわばたさんの目に涙があふれてきた。
   「もう泣いちゃうけど、本当に。みんなでご飯食べて、お風呂入りたいんだもん」と言って、ハンカチを取り出して涙を拭いた。これに対し、同じゲストの石田ひかりさん(45)は、くわばたさんに「がんばってるんですよ」と声をかけた。

   くわばたさんの発言と涙が放送されると、ツイッター上などでは、「涙された気持ちがよく分かります」などとファンらから励ましの声が寄せられた一方、くわばたさんの言い分は現実離れしているとの指摘も相次いでいる。
    「職場の人だって子どもが3人いるかもしれないし、自分だけ大変みたいに思わない方がいい
    「子供がいるから、を理由にするのは何か違うのでは?単身者、子供のいない世帯ならいいのか?という話」
   自分の夫が早く帰れるよう会社に呼びかけたことについても、
    「テレビで会社の事を悪く言われて旦那が可哀想だ」
    「夫の立場悪くなると思う」
などと夫を心配する声も出ていた。

ここでは反論する声として興味深いのが、こんなことを言ってしまうと夫の職場内での立場が悪くなると言う懸念が非常に多いと言う点なのですが、この点からも未だ職場で長時間労働を強いられている人が非常に多いと言うこと、そして当の本人や家族はそれを望んでいるわけではないと言うことがうかがえるような気がします。
まあ子供がいるから早く帰してと言われると少子化も進行する今の時代、色々な方面から反発を招きかねないところではあるのでしょうが、家庭生活を犠牲にして企業戦士(と言う言葉もすでに死語ですが…)としての活動に専念すると言うライフスタイルが今の時代、どれほど広汎に受け入れられているものなのか?と言う疑問は改めて考えてみてもいいように思いますね。
医療の世界でも特にメジャー診療科の医師などは昔から家庭生活崩壊が当たり前と言う空気がありましたが、学生や若手医師のマイナー診療科志向の高まりも今さらの話題となっていて、ほとんど院内で生活しているような人生を当たり前に許容する人ばかりでもなくなってきていると言うことでしょうし、少なくとも過労死しかねないような労働環境を大好きだと言う医師はそうそうはいないでしょう。
幸いにも医師の労基法違反であっても労基署がきちんと動いてくれるようになったとは最近しばしば聞く話ですが、世間的にはすでにもう少し先のところまで事態が進んでいるのだそうで、先日はこんなケースが紹介されていました。

「夫が言えぬなら私が言う」労基署に行く妻たち 子供のサービス残業を告発する親も(2017年6月7日日経ビジネス)

 広告代理店最大手、電通の社員自殺事件を機に、国を挙げて働き方改革が加速している。それに伴い、かつてなく強化され始めたのが、過重労働を放置する企業への取り締まりだ。
 労働基準監督署は労働者からの情報提供によって、違法残業している事業場を特定していく。2015年に労働基準監督署が全国で立ち入り検査した事業場は15万5428件に達する。その約7割で違反が発覚し、1348社が総額99億9423万円の未払い残業代を支払う結果になった。
 労基署に情報提供するにはどうすれば良いのか。直接労基署を訪問したり、電話相談したりする方法がある。電話や窓口による相談は年間約120万件にもなる。このほか、労基署のウェブサイトに届く情報も大量にある。多くは社員や元社員など関係者からによるものだ。ある監督官は「会社に不満を抱えていて我々に相談しにくるケースもある。捜査対象の見極めがとても大事」と打ち明ける。同じ事業場から同様の相談がきたり、過労死の危険性が高そうな事案が優先的に立ち入り検査の対象となる。

 実は労基署への通報者は本人だけではない。最近増えているのが家族からの通報だ。本人が望まない形で労基署が立ち入り検査のきっかけとなる通報もある。
 「息子の帰りが遅くて心配です。調べて頂けませんか」。中堅広告代理店に勤める若手社員の親が、息子の帰りが遅いと心配になって通報してきたケースだ。たしかにその息子の会社は残業時間が長い職場だったが、本人はその働き方に満足していた。
 この親の通報が功を奏したのか、ある日労基署から会社の代表電話に連絡があった。社長は残業代を全て払っていたので、思い当たる節はない。特に対応する必要性を見いだせず、無視することにした。すると、また2週間後に連絡がきた。
 この時点でやっと人事担当役員が弁護士に相談した。その弁護士が「放っておくと、役員が送検される可能性がある」とアドバイスされた。自分の身に危険があると分かった役員は慌てて、社長に報告し、労基署へ連絡した。
 数日後、労基署がやってきた。出勤簿を確認すると、長時間残業がひと目で分かる。労働基準法は全ての事業所に対し、従業員の所定労働時間は「1人当たり週40時間」までとするよう定めている。もっとも、現実問題としてこれで仕事が終わる企業は少ないので、そうした事業所は「時間外・休日労働に関する協定届(通称:36協定)」を労基署へ提出することで、「1人当たり月45時間」までの残業が認められる仕組みになっている。これでも足りない企業は「36協定の特別条項」により、年に6カ月間に限り、労使間で自由に残業時間を設定することが可能だ。この会社は特別条項は結んでいなかった
 だが社長は「残業代払っているのに何が悪い」と開き直った。あっさりとクロが確定してしまったため、労働基準監督官から是正勧告書が手渡された。
 勧告署に従って、改善することになったのだが、社員にとって喜ばしいものではなかった。社長は社員に対し21時以降の残業を禁止した。そのため残業代が支払われなくなり、社員の月給が15万ほど下がった。残業代を見込んで生活設計していた人も多く、稼ぎたい人を中心に辞めてしまった。社員同士で飲みに行くことも減り、コミュニケーションも悪くなった。中堅広告代理店の社長は「社員が望んでいないし、もう少し柔軟な働き方を認めてくれたら」と愚痴をこぼす
(略)
 こうした家族からの通報が増える要因のひとつとして、過労死予防に対する世間の関心の高まりがある。インターネットで検索すると労働基準監督署への情報提供方法を指南するサイトもある。弁護士が「相談、着手金無料で残業代を取り返します」といった宣伝文句で社員や家族を煽る例もある。社員の満足度を高めるだけでは足らず、家族までもケアしなければない。企業にとっては大きな課題だ。

いやまあ、21時以降も当たり前に残業している体制を柔軟な働き方と言っていいのかどうか、むしろ仕事以外何もない日常で生活が硬直しまくっているのではないかと言う素朴な疑問もあるのですが、記事にもあるように当事者はしばしば問題意識が乏しいものであり、そうであるからこそ雇用主にとっては長時間労働の利便性が高かったとも言えるのかも知れません。
残業問題で常に話題になるのが一つには記事にもあるように残業代が減ることでむしろ嫌がる労働者もいると言う点、そしてもう一つが単に仕事が遅いだけでダラダラと居残っている人の方が多くの残業代を稼ぐのはおかしいと言う点ですが、この辺りは労働報酬体系の問題であったり、そもそも人生における家庭生活の位置づけの問題であったりだとも言える話で単純明快な答えはないものなのだろうとも思います。
ただ一方で雇用主から望まない長時間労働をを強いられ、過労死にまで追い込まれてしまう方々も現実にいらっしゃるわけで、近ごろ多いセクハラ訴訟にしばしば見られるように「嫌がっているとは思わなかった」と言う認識のズレを改めるにはどうしたらいいのか、嫌がっている人に過重な時間外労働を強いずにすむ体制になっているのかと言ったことも検証しておくべきなのでしょうね。

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2017年6月 7日 (水)

やれる状況になくやってもいないはずの犯罪行為で連行される事件が発生

このところ世間を大いに賑わせているのが、都内の電車で発生したこちらの事件です。

「何を言っても女の意見だけで痴漢が成立する」 平井駅で痴漢冤罪? Twitterで多数の無罪証言も男性は警察に連行(2017年6月5日ねとらば)

 6月3日0時10分ごろ、総武線平井駅で客同士のトラブルが発生し、最大22分の遅延が発生しました。外国人とみられる女性が痴漢被害を訴えたことが原因とされていますが、現場を見ていた人からは「痴漢冤罪だ」「男性は無実」とする多数の証言が寄せられています。
 Twitterの情報によると、乗車当時この男性は片手でスマートフォンを使用しながら、もう片方の手で吊革をつかんでおり、両手がふさがった状態でした。一方、女性は男性に痴漢されたことを主張して殴る蹴るの暴行を加え、非常停止ボタンを押し通報。周囲の乗客は男性が無実であることを主張したものの、到着した警察は男性を電車から下ろし連行したそうです。
 実際にこの男性が痴漢を行ったのか、女性の勘違い(または故意)によるぬれぎぬなのかは不明。警視庁と平井駅を管轄する小松川署にも取材しましたが、回答は得られませんでした。

 この件についてTwitterでは、一部始終を見ていたユーザーから「見てて気分が悪かった」「(証人をにらむ)警察の目が忘れられない」「警察はどんなに無罪主張が多くても、疑われた人を逮捕する」といった声が挙がるとともに、広く拡散。また、痴漢を疑われた人が線路に逃げる事件が多発していることを踏まえ「そりゃ線路にも逃げたくなる」という声も。また、“女性を罰するべき”とする意見も多数挙がっているようです。
 電車内の痴漢は、5月15日に痴漢の疑いをかけられた男性が電車にひかれて死亡し、逮捕までの流れを問題視する声が挙がるなど、社会問題になりつつあります。また、根本原因ともいえる満員電車の解消や、男性専用車両導入なども望まれ続けています。


東京・江戸川区で「痴漢騒ぎ」により電車停止、視聴者撮影(2017年6月5日TBSニュース)

 怒号が飛び交う、駅のホーム。この映像は、3日午前0時すぎ、東京・江戸川区のJR総武線・平井駅で撮影されたものです。この騒動の発端となったのは、ある「痴漢騒ぎ」でした。
 警視庁などによりますと、総武線・津田沼行きの車内で、中国籍の20代の女性が「30代の男性に触られた」と痴漢の被害を訴えました。居合わせた人が非常停止ボタンを押したため、電車はおよそ20分にわたり、平井駅で停車したのでした。

 「被害に遭われた方いらっしゃいますか?」(警察官)
 「全員被害者だよ!みんなだよ!みんな!」

 その後、警察官が男性から事情を聴くため任意同行を求めますが、男性は興奮している様子。それもそのはず、この騒動の直前、被害を訴えた女性が「自分の顔にこの男性の肘が当たった」と主張し、男性の腹部を蹴ろうするなどのトラブルがあったのです。そして突然、女性が「男性は痴漢です」と叫んだのでした。
 しかし、この一部始終は近くにいた複数の人が見ていました。
 「『この人やってないんだからいいじゃん、もう終わらせろよ』という怒号も聞こえた。証人と思われる人たちも1、2人ついていった感じです」(近くの車両に乗っていた人)
 目撃者たちが男性とともに任意同行に応じ、「男性の無実」を証言。彼らの証言が決め手となって痴漢の疑いは晴れ、男性は帰宅したということです。

混雑する電車が長時間の停車を強いられるなど多くの人に少なからぬ影響もあったこの騒動ですが、幸いにも痴漢の疑いは晴れ無事に帰宅出来たのはよかったとして、そもそも多数の目撃者も存在し物理的にも痴漢など行えそうにない状況である中で、何故こんな大騒動になったのかと誰しも疑問に感じますよね。
痴漢を巡る冤罪騒動と言えば2009年に新宿駅で発生した痴漢騒動に絡んで暴行事件があり、被疑者の自殺と言う悲劇的な結末を迎えた一件が有名ですが、今回もこうした騒動が発生したと言うことで改めて痴漢冤罪の恐さを再認識したと言う人が多いのも当然と言えば当然でしょう。
ちなみに今回の事件で大勢の人々がこれだけ長時間不本意な拘束を強いられたのですから、損害賠償請求なりをすれば総額ではそれなりの金額になるのではないかとも思うのですが、この場合誰を対象に損害賠償請求をすべきなのかで意見が分かれるかも知れませんね。

このところ痴漢騒動と言うものが妙な形で話題になることが多いと言うのも先日以来紹介している通りなのですが、警視庁や鉄道会社もとうとう痴漢対策に乗り出していると報じられているものの、では一連の痴漢騒動のどの部分に力点を置いて対策するのかと言う点が問題ですよね。
例えば痴漢防止対策として完全に車輛を男女別に分けた方がいいのではないかと言う意見が根強いのですが、ではその区分を間違って(あるいは無視して)乗り込んでいた人が痴漢だ痴漢だと大騒ぎし始めた場合にどうなるのかで、まさか車輛を間違えたから痴漢されても仕方がないとも言えず難しいところだと思います。
このところようやく電車内への防犯カメラ設置の動きが出てきていて、表向きは痴漢など迷惑行為の抑制やテロ行為の防止などを目的としているとのことですが、当然ながら痴漢冤罪と呼ばれるものへの対策にもなる可能性も高く、その利用に当たって先に挙げた新宿でのケースでは防犯カメラの映像が適切に取り扱われなかったことも大いに教訓とすべきですよね。

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2017年6月 2日 (金)

うっかりボタンを押してしまうと契約成立に

未だにこういうものに引っかかる人も少なくないのでしょう、先日こんなニュースが出ていました。

金払わぬと中国に連れて行く…青森の40代女性被害(2017年5月29日毎日新聞)

 青森県警五所川原署は29日、津軽地方の40代女性が「有料サイトの登録料を払わなければ、中国に連れて行く」などと脅され、8回にわたって計816万円をだまし取られたと発表した。女性は、中国の国営新華社通信と同じ呼称の会社に未納料金があるとも言われたといい、県警は新たな手口の詐欺事件とみて警戒を呼びかける。

 女性の携帯電話に今月、「有料サイトに登録されている」と男の声で複数回連絡があった。女性は東京都内の住所などに計506万円を送金。その後「シンカシャツウシン」に電話するよう言われ、かけると片言の日本語を話す男から「310万円を払わなければ中国に連れて行く」とだまされた。知人に相談し、被害が発覚した。【一宮俊介】

しかし今さら紳士録商法に引っかかる人もそうそういないのでしょうが、こういった有料サイト云々と言われると良く判らないまま言いなりに支払ってしまう人も多いのはやはりネットが未だ身近でないと言うことなのか、年代別でこうしたものの被害の会いやすさを調べて見ると面白いかも知れませんね。
管理人などは風の噂として伝え聞くのみですけれども、怪しげなサイトでうっかりリンクを踏んでしまったところ入会に同意したものと見なされ高額な入会金を請求されと言ったワンクリック詐欺の被害者も未だ少なくないようで、こうした一方的な契約(とも言えないものですが)はそもそも無効であり、頭から無視して構わないと言うことになっています。
ところが先日報じられた民法改正に関連して、よくよく見てみるとこんな気になる話も出ていたことを御覧になった方もいらっしゃると思いますが、まずは記事から紹介してみましょう。

「同意ボタン」で契約成立、敷金は原則返還……120年ぶり民法改正で変わる“ルール”(2017年5月29日産経新聞)

 契約のルールを明確化する改正民法が26日、参院本会議で可決、成立した。取引条件を示した「約款(やっかん)」に関する規定の新設などが柱。契約に関する規定の大半は明治29(1896)年の民法制定から変わっておらず、約120年ぶりの抜本改正となる。
 周知のため施行は約3年後となる見通し。改正法では、約款が消費者が一方的に不利になる内容であれば無効となる。また、第三者の個人が企業向け融資の保証人になる際、公証人による意思確認を義務付けた。
 未払い金の消滅時効を原則「請求できると知ったときから5年」に統一することや、認知症の高齢者など判断能力がない人が結んだ契約は無効と明記することなども盛り込まれている。

 契約のルールが大きく変わることになった。今回の改正は、インターネット取引の普及といった社会の変化に対応しつつ、判例などで定着したルールを条文に明記し、国民に分かりやすい法律にするのが狙いだ。(滝口亜希)
 改正の柱の一つが、約款に関するルールの新設だ。
 「お試し価格500円の健康食品を注文したら定期購入になっていた」。国民生活センターにはネット取引をめぐる相談が多数寄せられている。商品を購入する際などに表示される取引条件が約款だが、小さな文字で書かれていて「注文時に気付かなかった」という声も少なくない

 これまでの民法には約款に関する規定がなかった。改正法では、ネット取引の「同意する」ボタンを押すなどして消費者が合意した場合や、契約内容として事前に約款が示されていた場合には、消費者が内容を理解していなくても約款が有効であると明確化する。
 ただし、消費者に一方的に不利な契約内容は無効となることも明記し、消費者保護にも配慮した形だ。
(略)

世間では簡潔に「同意ボタンを押すだけで契約成立」と報じられているこのニュース、考えてみるといわゆるワンクリック詐欺などもちょいと済みの方に約款を掲示するなどサイトの体裁を整えるだけで、形の上では契約成立の条件を整えられてしまうと言うことになってしまいそうですよね。
ここで問題になるのは「消費者に一方的に不利な契約内容」とはそもそもどのようなものなのかですが、世間一般には流通していない成人向けのケシカラヌ内容の画像や動画などを一定程度の料金で提供すると言う契約が「消費者に一方的に不利」なものと認識されるものかどうか、これはなかなか微妙なところであるような気がします。
当然ながらそうしたサイトにアクセスする時点でそうした目的を持って自ら能動的に契約締結を求めていると判断されるでしょうし、また画像の内容が料金と照らし合わせて妥当かどうかの判断も難しいところで、例えば市販されている写真集程度の健全かつ合法的な画像ばかりでも、それが何千枚とあれば市価に照らし合わせて数万、数十万程度の料金は妥当と考えられるのかも知れませんね。
実際にところは現時点でワンクリック詐欺などを展開しているサイトはこうした条件を満たしているとは到底思えませんが、詐欺と言うものの性質上法律の抜け道を突いてくるように臨機応変に変化していくはずですから、近い将来ワンクリック詐欺としても機能し、あわよくば合法的とも認定されるような体裁を整えたサイトが続々と登場してくるのかも知れませんね。

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2017年5月31日 (水)

未だ根本的解決策のないあの問題からさらにトラブルが派生中

このところ電車内で痴漢と疑われ、線路を走って逃げると言うケースが全国各地で発生していて、当然ながら極めて危険な行為であり中には死亡例まで出ているのですが、その背景には痴漢と疑われたら絶対に言いなりになってついていくな、逃げろと言う情報が広く拡散している背景があるようです。
もちろん実際に不届きな行為を行っている場合は論外ですが、先日テレビ番組が行った調査では床に置かれたカバンを持ち上げる行為を女性の実に4割が痴漢に疑われる行為と認定したと言う衝撃的結果も報じられていて、実際に捜査に当たっている警察官もこんな物騒なコメントを出しているようです。

【緊急取材】痴漢疑われた男性死亡~刑事に聞く、痴漢捜査の裏側(2017年5月16日TBSニュース)

■死者が相次ぐ

 また痴漢事件をめぐって死者が出た。15日午後8時過ぎ、帰宅ラッシュの田園都市線青葉台駅で、痴漢を疑われた男性が線路に飛び降り、電車に轢かれて死亡したのである。今月12日にもJR上野駅で痴漢を疑われた男性が逃走、近くのビルから転落して死亡している。線路を逃走するケースもあとを絶たない。彼らが本当に痴漢をしたのかどうかは分からない。だが、毎日朝晩、満員列車に揉まれるサラリーマンたちの間で、「逃走こそが冤罪防止の最善の策」という情報が広まっているのが現実だ。痴漢を疑われたら即逮捕――。これは本当なのか。現職の刑事たちに捜査の実態を聞いてみた。

■逮捕のカギを握るのは?

【竹内】痴漢容疑事案で逮捕するかどうか、どう判断するのですか?

【刑事】痴漢が発生したら、まず目撃者の有無を確認する。目撃者がいて被害者の証言と一致すれば現行犯逮捕する。いなければ被害状況の再現をして、被疑者が触れることが出来る場所に居たのか、被害者が触っている手や腕を見たのかを確認する。手を見たというのなら、腕時計とか、ワイシャツの袖の色を被害者に確認する。さらに手を辿って被疑者の顔を見たのかも確認する。
(略)
 警察が逮捕するかどうかは、「被害状況の再現」がカギを握る。このとき被害者の証言がブレたり、触った腕などを視認していなければ、微物鑑定を行うことになるようだ。微物鑑定とは、被疑者の手のひらについている繊維を鑑定して、被害者の服や下着の繊維と照合する科学捜査だ。手に被害者の体液が付着していないかも調べ、DNA鑑定を行うこともあるという。こうした鑑定を行う場合は、現行犯逮捕ではなく、いったん家に返され、鑑定結果でクロとなれば通常逮捕されるという。

■被害申告の常習者も

【刑事】女性の主張を吟味もせずに丸呑みしてしまう警察官が多いのも問題。中には示談金目当てで被害を申告する常習者もいるからね。俺が取り扱った事件でも危ないのがあった。被害者は大手企業勤務の女性だったのだけど、被害にあったのが帰宅ルートとはまったく逆の電車、しかも痴漢列車として有名な車両に乗っていた。被疑者は否認しているし、女性の説明もあやふやだったから、念のために他の署に照会したら、その女性はあちこちで痴漢被害を訴えていて、合計数百万の示談金をとっていることがわかった。一件につき、五十万から百万円とっていた。だからといって、実際に複数回被害にあう女性もいるわけだから、警察が被害申告常習者のリストを作るわけにもいかない。難しいところだ。
(略)
■どうやって冤罪を防ぐ?

【刑事】俺は満員電車には乗らない。朝は五時半くらいに家を出ているし、酒飲んで遅くなったら職場に泊る。酒を飲んでいれば、抑制が効かないと判断されて、不利になるからね。

【竹内】やっていないのに痴漢を疑われたらどうすればいい?

【刑事】俺だったら、被害者に対して「私はやっていません。一緒に警察に行きましょう。もし私がやっていないことが証明されれば、損害賠償を求めて提訴します。それでもいいのですね」という。線路に飛び降りて逃げようとすれば、痴漢の嫌疑が深まるばかりか、鉄道会社に損害賠償を求められるし、鉄道営業法にも問われる。通行人にぶつかって怪我をさせれば傷害罪に問われる。まったくいいことはないよ。

【竹内】堂々と合理的に説明して、逮捕されてしまえば裁判で争うしかないのですね。痴漢被害者を守りながら、冤罪を防ぐ根本的な解決策はないのですか?

【刑事】電車内のいたるところに防犯カメラをつけるか、電車の車両を完全に男女別に分けるしかない。痴漢被害に泣いている女性もいるわけだから、警察が捜査の手を緩めることはない。鉄道会社の努力も大事だと思う。

記事には犯罪的な意図で痴漢冤罪を産みだす女性もいると言うことが証言されていて、実際に金品目的あるいは愉快犯的にそうした行為を組織的に行う方々と言うのもいらっしゃるそうなのですが、もちろん大多数の被害女性は誰かの手によって被害にあっている不幸な犠牲者であろうと思います。
その意味で色々と言われる事も多い女性専用車両であるとか、最近話題の指定席通勤列車と言うものも意味があるのかと言うことですが、しかしさすがに満員電車には乗らない、酒を飲んだら乗らないと言うのでは世の大多数の人間にとっては根本的解決策にはなりそうにありません。
冤罪リスクを下げるため誤認の場合申告した女性にも罰則をと言う意見もあれば、いやそれでは泣き寝入りが増えるだけと言う意見もありで世間でも明確な結論は未だ出ていませんが、最近ではスマホアプリでボタンを押すだけで近くの弁護士が駆けつけてくれる痴漢冤罪保険などと言うものも登場していて、さすがに線路を走って逃げるのもどうよ?と言う方々には大いに人気なのだそうですね。
ちなみに女性の権利意識も強い海外ではこの問題はどうなのか?と言う素朴な疑問もあるのですが、そもそも日本のように日常的に満員電車に押し込まれる機会のない海外では他人に触るだけで満足感を得ると言う性癖自体が一般的ではないと言い、日本人がこれほど痴漢問題に悩まされている現状をあまり理解出来ないでいるようです。

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2017年5月26日 (金)

主義主張に忠実に生きる人々

動物愛護団体と言うとテロリスト化している一部の過激な集団のイメージが強いせいか、ついつい色眼鏡で見てしまうところもあるのですが、先日こんな動物保護団体が話題になっていました。

犬“殺処分ゼロ”を掲げるNPO、保護犬に不妊・去勢手術せず 杉本彩も「動物愛護ではない」(2017年5月25日週刊新潮)

■犬「殺処分ゼロ」でふるさと納税をかき集める「NPO」偽善の履歴書(下)

 広島県神石高原町に所在地を置くNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」が始めた「ピースワンコ・ジャパン」は、“県内の犬の殺処分ゼロ”を看板に掲げる団体である。その活動は日本テレビ系「天才!志村どうぶつ園」などメディアでも取り上げられ、人気バンドSEKAI NO OWARIは支援ソングを発表。神石高原町へのふるさと納税の形でもPWは活動資金を得ている
 ところが、今年3月に30を超える動物愛護や福祉関係の団体がピースワンコの代表者ら宛てに公開質問状を提出。その内容は、「ゼロ」と謳っていながら52頭が殺処分されている点や、保護犬に不妊去勢手術を行わずに譲渡を行っている現状について質すものである。

 質問状への回答によれば、ピースワンコの施設が収容する犬は1166頭で、不妊・去勢手術を施したのは27頭。また、施設での犬たちの暮らしぶりについて「犬の頭数に対してスタッフが少なすぎる」とピースワンコでのインターンを経験した女性は指摘する。
 調布市のつつじヶ丘動物病院の菅井龍院長は、
「一般論ですが、不妊手術をしていない1000頭以上の犬に対し、数十人で繁殖制限をするのは非常に難しいと思います」
 と、こう続ける。
「動物病院と愛護団体は一概に比較できませんが、目安にはなると思う。私たちの病院では獣医師や看護師以下、常時10〜12人で診療に当たっていますが、預かっている動物は多い時でも40匹を超えません。それでも日々の世話は大忙しです。1000頭もの施設をどんな体制で運営しているのか、興味深いですね」

 収容所の生き地獄が想像されるが、すでに別の問題も生じているそうで、横浜市のニュータウン動物愛護会の日向千絵代表が言う。
「ピースワンコには野犬だった犬が多く、すると脱走の危険があるのに、里親に譲渡するときも不妊・去勢手術をしません。ピースワンコは神奈川にも譲渡センターを設けましたが、私の耳に入っているだけでも東京と神奈川で計5匹、ピースワンコからの犬が脱走し、2匹は捜索願いが出されたまま。あそこの事業はどんどん施設を作り、広島の犬の置き場を全国に移しているだけだと思います」
 ちなみに、扱いきれない犬をピースワンコに戻すときには、15万円を添える必要があるのだそうだ。
(略)
 ピースワンコ・ジャパンの大西純子プロジェクトリーダーの話を聞こう。
「不妊・去勢手術にはメリットもあればデメリットもあって、メスは女性ホルモンの分泌が減って、筋肉や骨が弱ってしまう。オスはもともと“ビビリ”の子が多いのが、さらに臆病になってしまう。避妊は手術以外の方法でもできるし、私はそのほうが望ましいと考えています。健康な子にわざわざ手術を施す必要はないと思うんです」
(略)
「ペットショップだって不妊・去勢の判断は飼い主に委ねていますよね。ペットショップの犬だって、保護犬だって、同じ犬じゃないですか。いったいなにが違うって言うんです? だから私たちは、具体的には生理がきたメスを隔離することで、繁殖が起きないようにしているんです」
(略)
「現在、譲渡率は30%ほどで、施設がパンクしないよう、岡山県にも新しい犬舎を作っています」
 ふるさと納税を使い、収容数を際限なく増やしているだけのような。だが、話を戻し、発情期の犬が凶暴になったりしないのかと問うと、大西氏は、
「普段からメスに接する機会が多いオスは、メスに生理が来たって急に暴れたりしません。人間だって共学の男子生徒と男子校の生徒では、男子校のほうが女子に会ったときドキドキしてしまうじゃないですか。それと一緒です。うちのオスたちは、生理のメスがいるからって、ストレスを感じている様子はないし、“ふーん、生理なんだ、でも僕はお散歩のほうが好きだもん”というオスは、たくさんいるんですよ」
 野犬あがりにしては、立派な御犬さまが多いらしい。ところで大西氏、
「殺処分ゼロを継続し、いまに至るのです」
 と言うので、その定義について尋ねると、
殺処分器を使っての殺処分がゼロということ
(略)

聞くところによるとテレビなどでも取り上げられることが多いそれなりに有名な団体なのだそうで、しかし殺処分器を使わなければ殺処分ではないと言う発想はなかなか斬新に感じられるのですが、各地の動物愛護団体も殺処分ゼロを目指して動物を引き取ってはいるものの、その管理に四苦八苦していると言う現実もあるようですね。
記事を見ていてイヌの繁殖がどのようなものなのか存じ上げないので何とも言いがたいのですが、「生理がきたメスを隔離することで、繁殖が起きないように」コントロール出来るというのはどの程度確実なやり方なのか、実際のところ1000頭以上のイヌできちんと管理出来ているものなのかは知りたいですね。
ともかくも動物愛護と言うことに関しては人それぞれの考え方があって、インフルエンザシーズンなど皆さんが気軽に使用しているうがい薬や手指消毒薬などは数限りないほどの微生物に対して全く愛護的ではないと思うのですが、過激な動物愛護団体の方々が病院に押しかけて消毒薬のボトルを叩き壊して回ったなどと言う話はあまり聞いた記憶がありません。
それでも自己責任で自らの思想信条に従って生きる自由は誰しも持っているはずだと思うのですが、それが自分自身だけの問題に留まらず周囲に悪い影響を与えるとなると批判の対象になってくることもあるもので、先日報じられていたこちらのニュースなども話題になっていました。

グルテンフリー食を強いられた生後7か月男児、栄養失調で死亡(ベルギー)(2017年5月22日ブレーキングニュース)

生後7か月の我が子にグルテンフリーの食生活を強要していた両親。しかも乳児の成長過程に必要不可欠な栄養を摂取させず、2014年6月にその乳児は死亡した。このたび第1回目の公判が行われたことを英紙『Metro』や『Independent』が伝えている。

ベルギーのベーフェレンで自然食品店を経営している父ピーターと母サンドリーナの間に生まれたルーカス君は、2014年6月6日にわずか7か月の生涯を閉じた。死因は激しい脱水症状と栄養失調による餓死であった。ルーカス君が亡くなった時の体重はわずか4.3kgで、同じ月齢の子の平均体重の半分以下だったという。
5月15日に行われた公判で、検察官は「ルーカス君の胃の中は完全に空っぽで脱水症状を起こしていた」と検死解剖の結果を述べ、ルーカス君の死因は両親にあると糾弾した。
ルーカス君は死の数日前に呼吸が苦しそうな状態であったものの、両親は医師の診断を仰ぐことを怠った。また、ルーカス君をグルテン不耐症で乳糖アレルギーがあると勝手に思い込んだ両親は、自身が行っていたグルテンフリーの食生活を強要したうえで乳児にとって不適切な食事を与えていたのだ。

ルーカス君が普通の粉ミルクを飲ませた時に痙攣を起こしたことから、両親はグルテンフリーのオートミルクやライスミルク、キヌアミルク、セモリナミルクなど自分たちの店で販売している商品を飲ませていた。法廷で弁護人は「両親は、ルーカス君が何らかの摂食障害を持っていると思い込んでいた」と明かしている。
しかも両親は近くの病院へ連れて行かず、遠く離れたホメオパシー療法をする医師のところでルーカス君を診てもらっていたという。ルーカス君が死亡した時は、おむつの中に祈りのメッセージが書かれたカードが入れられていたそうだ。ルーカス君の健康状態に関しての記録はどの医師も保管しておらず、児童保護サービスもこの両親のことを知らなかったもようだ。
裁判で父親のピーターは「息子の異変に気付かなかった」と話し、母のサンドリーナは「息子の体重は増えることもあれば減ることもあった。決して息子の死を望んでいたわけではない」と涙ながらに供述した。

もはやテンプレ化しているようなキーワードが多数ちりばめられて眩いばかりの記事なのですが、さすがに自分のことならともかく罪もない子供を巻き込むなと言う批判の声は多いものの、程度の差はあれ子育てだとか子供の教育と言ったものには似たような側面があるのかも知れないとも感じさせられます。
ちなみにグルテンと言えば小麦等の穀物に含まれる蛋白質のことで、食物アレルギーの人が小麦含有食品を回避して普通に生活していることからも判る通り別に必須栄養素と言うわけでもなく、実際にはグルテンフリー食の強要が死の原因であったと言うわけではなく、全般的な食生活に重大な問題があったのだろうと思います。
しかし構図としては日本でもしばしば話題になった宗教的信条からの輸血拒否のケースと似ている部分もあると思うのですが、命に関わるような局面であっても思想信条を優先させることの是非はとかくの議論はあっても個人の思想信条の自由として保障されるべきだと思うのですが、では親の意思が子供にどれだけ反映されるべきなのかです。
親子とは言っても別人格である子供の命を親がどの程度左右して良いものなのか、輸血拒否事例については現在命に関わるような局面では親権を停止してでも子供に輸血は行うと言うことになってきていますが、普通ではないことをやっている人々に対して公権力等外部からの強制力はどのレベルから介入すべきなのか、こうした事件が起こるたびにその線引きの難しさについても考えさせられますね。

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2017年5月19日 (金)

意外と安泰だった日本の病院

先日以来OSのセキュリティホールを狙ったサイバー攻撃が世界的に大問題になっていますが、見ていますとなかなか興味深い現象も起きているようです。

英病院にサイバー攻撃 病院業務に支障(2017nenn5月13日産経新聞)

 【ロンドン=岡部伸】英BBC放送によると、ロンドンを含む英イングランド各地の国営病院で12日、国営医療制度、国民保健サービス(NHS)関連施設のITシステムに大規模なサイバー攻撃があり、多数の病院でコンピューターが使えなくなるなど障害が発生した。
 診察の予約をキャンセルしたり、手書きで事務手続きを行ったり、救急患者を別の病院に搬送したりするなど病院業務に支障が生じた。患者の情報が盗まれた形跡はなかった。

 攻撃は、コンピューターをロックし、解除する代わりに金を要求する「ランサムウエア」(身代金要求型ウイルス)とみられる。何者による犯行かは明らかではない。ビットコイン(仮想通貨)で金銭を要求するメッセージも出ていた。
 BBC放送によると、NHSネットワークとつながる中部ヨーク、ブラックプールなどの16病院が被害を受けたが、ウェールズやスコットランドなどの病院に影響は出ていない。


「PC全滅、何もできない」英医療機関が大混乱(2017年05月13日読売新聞)

 【ロンドン=角谷志保美、ベルリン=井口馨】12日に起きた「ランサム(身代金)ウェア」によるサイバー攻撃で、被害は全世界に拡大した。

 最も深刻な被害を受けた英国の医療機関は大混乱。病院などのコンピューターが次々と使えなくなった。医療現場の様子はツイッターなどで生々しく伝えられた。専門家は「過去最大規模のサイバー攻撃だ」と警戒を呼びかけている。

 「事務室のパソコンが、一台また一台と全てダウンした」「パソコンが全く応答せず、何もできない。患者が気の毒だ」「処方箋が出せない!」。12日午後1時半(日本時間同日午後9時半)ごろから、英国の病院や診療所、医療関係事務所などで、パソコンが次々とウイルスに感染。現場の医師や医療スタッフがツイッターで現場の混乱を発信した。

茨城・日立の日立総合病院でメール不具合(2017nenn5月15日産経新聞)

 世界各地で大規模なサイバー攻撃の被害が報告される中、社内システムが攻撃を受けた大手電機メーカーの日立製作所が運営する「日立総合病院」(日立市城南町)でも、メールの送受信などに障害が生じていたことが15日、病院への取材で分かった。

 病院によると、13日から職員のメールが送受信できなくなったり、添付ファイルの閲覧ができなくなったりするなどのトラブルが続いている。ただ、診察業務に支障は生じていないという。15日も障害は続いており、病院は復旧作業を急いでいる。

 データを暗号化して読めなくし、復旧に必要として金銭を要求する「ランサムウエア」(身代金要求型ウイルス)による被害が世界各地で起きており、同病院総務グループの三浦正浩主任は「本社(日立製作所)の技術者などが確認している」と話した。

イギリスではNHSのシステム自体に攻撃が加えられていたようで、多数の病院において診療に支障が出たと言うことなのですが、幸いにも日本では今のところ医療業務自体に目立ったトラブルは発生していないようです。
もちろん病院レベルでいくら対策を講じてもネットワークシステム本体がやられたのでは意味がないとも言えるのですが、日本の一般的な病院では電子カルテに連結した院内医療業務と、外部に接続されたネットワークは完全に分断されているのが通常で、データなどの中から外への持ち出しに関しても非常に面倒な手続きや制限がありますよね。
時折患者情報を含んだUSBメディア等を紛失したと言ったニュースが流れ、医療関係者の情報管理体制の甘さを批判する記事も見かけますけれども、個人情報の持ち出しにより将来発生するかも知れない被害を批判するなら、外部からのウイルス等の持ち込みによる現在進行形の被害はもっと叩かれてしかるべきで、今回被害を出した企業や団体は同情よりもまずは大いに批判されるべきだとも言えるかも知れません。

以前にネットワークセキュリティ対策として何が重要かと問われて素人の多くがウイルス対策ソフト等の使用と答えたのに対して、プロフェッショナルの多くは最新版へのアップデートだと答えた、と言う話を見たことがありますが、事実多くのサイバー攻撃がシステムをきちんと最新版にアップデートしておけば防げると言う声もあるようです。
ただ多くの企業では当然ながら業務内容に応じて独自に構築されたシステムを使用していて、アップデートしようにもまずは業務に支障が出ないかどうか確認してからでなければならず、そのためにかかる時間がタイムラグとなって攻撃を受けてしまうそうですから困ったものですよね。
日本の医療機関のように物理的に外部と遮断する方法などは原始的で余計な手間暇がかかるようにも見えるのですが、こうした攻撃に対してはそれなりに強固な防御力を発揮することを実証した形とも言え、各業界においても今回の騒動を検証した上でより強力な防御態勢を構築していただきたいものです。

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2017年5月 1日 (月)

日々信頼を失い続けていると言う自覚はあるらしい人々の弁

昨今テレビなどで活動されていると言う池上彰氏が先日、インタビューに答えてこんなことを言っています。

信頼失う新聞・テレビは滅ぶのか 池上彰さんが「楽観できない」と語る理由(2017年4月15日BuzzFeed Japan)

メディアの信頼性が下がり続けている。フェイクニュース(偽ニュース)や不正確な情報が、インターネットで急拡散する時代。私たちは何を信じ、どう対応すべきか。池上彰さんに聞いた。【BuzzFeed Japan / 古田大輔】
(略)
従来のメディアが信頼を失っているからこそ、フェイクが本当のニュースよりも広がる。池上さんは「アメリカで起こっていることは、日本でも起こる」と警鐘を鳴らす。
(略)
そもそもなぜ、メディアは信頼性を失っているのか。池上さんは、報道は本質的に危うさを抱えているものだという点から、話を始めた。
(略)
視聴者が見たいものを報じることが、業績を伸ばす近道。歴史的に見たメディアの現実であり、危うさだ。「ただし」と池上さんは付け加える。
ニュースに関しては、知りたくないことでも、伝えなければいけないことは伝えるという風にやってきた。そこが信用された」
その信頼性が、ネットの登場によって崩れたと見る。
ネットには新聞やテレビで報じられていないことが出る。『大新聞やテレビ局が報じない真実』という、昔の週刊誌のような見出しで。『ネットにしか出ていない。本当はこうだったんだ。新聞やテレビは隠している』という誤解が広がり、ネットの方が信頼できると感じる人が増える
週刊誌の影響力はそれを読んだ人に止まる。しかし、ネットでは「新聞やテレビは隠している」という記事に共感した人が、その思いをネット上に書き込み、不信感がシェアされる。他にも同じような不信感を抱いている人がいる、と可視化され、不信感は増幅していく
(略)
輪転機や販売店、電波などの情報の流通手段をメディアが独占し、何の情報を流すかを選別する「ゲートキーパー」の役割を果たすことは難しくなった
「まさに私も悩んでいます。自分で確認していないのに、ネットに情報を流す人がいる。それを見て『新聞やテレビが伝えないことをネットがいち早く伝えている』と捉える人がいる
ネットでスピードを競う。しかも、競争相手はかつてのようにメディア業界内だけではなく、ネットで発信するあらゆる組織や個人にまで広がった。
裏を取らずに書いてしまう危うさ。ウェブファースト、とにかくウェブを第一に急いで出せというのが背景にあるのではないかと思います」

もちろん、ネットは報道やメディアにとってマイナス作用しか持たない訳ではない。ごく限られたマスメディアだけではなく、あらゆる個人が情報発信できるようになったことで、マスメディアの情報を相対化し、検証もできる。「情報の民主化」とも言える。
問題は、それらの情報の中に不正確なものや嘘が大量に混じっていることだ。
(略)
「私たちのように常にニュースに接している人間であれば、これはおかしいとわかる。でも、みんながメディアリテラシーを持っている訳ではないところに恐ろしさがある。では、誰が対策を取るべきか。政府や公的機関が『これはフェイクニュースです』と言い出したら、これほど恐ろしいことはない」
そう、それは検閲の始まりを意味する。
(略)
報道の課題はファクト(事実)のチェックだけではない。論調にもあるという。元外交官で作家の佐藤優さんとの共著「僕らが毎日やっている最強の読み方」の中で、二人は新聞=客観報道の前提が崩れている、と指摘する。

“佐藤 顕著な例ではここ2~3年、慰安婦問題、歴史認識問題、集団的自衛権や安保法制の問題、憲法改正問題、原発問題、沖縄の問題などは、新聞ごとに報道のスタンスが大きく異なります。取り上げるニュースの切り口や論評が異なるだけでなく、「A新聞では大きく扱っている出来事を、B新聞は掲載すらしていない」というケースも珍しくありません。“

ネットはこの傾向に拍車をかけるのではないか、と池上さんは懸念する。ネットでは検索やリンクなどから、自分が見たい記事ばかりを見てしまうからだ。
(略)
「リベラルかコンサバティブか。自分の考えに近い論調の方を読んでいると快適です。それがずっと続くと、どんどんそっちに行ってしまう」
近年、注目を集めている現象だが、実は、新聞にも似たような作用があるのではないか。
「新聞は民間企業が自由に出せるから、いろんな新聞があっても悪いことではない。でも、一紙だけど読むと、結果的に、その考え方にどんどん進んでしまうという党派性がでますね」
「集団的自衛権を認めるかどうかというときに、読売だけ読んでいると反対運動があることがわからない。昔は、いろんな新聞がいろんな主張をすることは良いと思っていたけれど、結果的に世論が分断され、中身のある議論を交わすことが難しくなった。悲しい現実になっています」
(略)
分断された人々に対話をもたらし、社会課題の解決方法を共に考える。それが池上さんの考えるメディア、報道機関のあり方だという。
「アメリカのローカル紙の廃刊が続いています。なくなって初めて、読者は民主主義のインフラだったと気づく。そういうメディアがあるから、選挙報道があり、投票に行く。なくなってからでは遅い。民主主義を支えるインフラとわかってもらうだけの仕事をしないといけない」
(略)

引用部分には色々とキーワードがちりばめられていますが、結局のところ既存メディアが市民の支持を得られなくなったのはやはりその提供する情報の選別や記事の内容があまりに恣意的になっていること、より厳密に言えば元々極めて恣意的であったことは昔から変わらないのですが、それが恣意的であると言うことに多くの一般人が気付き始めたことが大きな理由であると感じています。
ただこの点に関しては池上氏らメディアリテラシーを持っている方々に限らず、普段から図書館などで複数紙に目を通す習慣を持っている人であれば誰でも知っていたことであり、むしろここ最近になってそんな当たり前の「偏向」がどうこうと大騒ぎし始めている人が増えたと言うことには何を今さらと言った感じではないでしょうか。
池上氏はネットニュースについては独自ソースを流すものを中心に考えているようですが、氏が考えているようなメディアリテラシーの欠けているライトユーザーこそ大手ニュースサイトで既存各メディアの報じるニュースを流し読みすると言う旧来の方法論に近いやり方をしているとも言え、この点ではむしろ既存メディアの発信するニュースが低レベル化しハッタリや騙しが効かなくなっていることを業界人は懸念すべきでしょうかね。
この点で既存メディアの中の人を見ていて感じるのが、どうも彼らは自分達は正しい報道を行っているのに世間から誤解されているのだと信じているのではないか?と言うことなのですが、この辺り池上氏のコメントを見てもどうも問題点の所在について認識がずれているのではないかと言う気がします。

そもそも池上氏にもその傾向があるようですが、既存メディアの中の人がしばしば口にするネット情報は検証が甘くいい加減であると言うのも典型的な誤解あるいは偏見で、もともとは専門知識もない既存メディアの記者が誤解と偏見に基づいていい加減な報道を繰り返している、その現実に憤りを感じた各界の専門家達がネットと言う手段を得て市民に直接事実を語りかけるようになったと言う側面も根強いわけです。
20世紀末頃から21世紀初め頃には特にその傾向が顕著となり、各種メディアから一斉にバッシングを受けた某業界なども自己防衛のために立ち上がった結果、既存メディアの報道が如何に現場の現実からかけ離れたフィクションそのものであるかと言うことを多くの市民に知らせる結果になったのは記憶に新しいところですよね(無論、ネットソースだから全て正しい、などと言う話ではありませんが)。
最近沖縄で唯一の保守系ローカル紙が本島に進出したことが報じられていて、それに対して二大地元紙と言われるリベラル系メディアが販売店に配達禁止を迫る通達を出していた、などと言うびっくりするようなニュースが出ていましたけれども、本質的なポイントとはそれが事実かフェイクかではなく、そんなことがあっても全くおかしくないとメディアリテラリーのある人々皆からも認識されてしまう状況の方ではないでしょうか?
そう考えると既存メディアが自主的に報道内容を検証するべきだと言う池上氏の考えも理念としてはいいのでしょうが、現状を考えると世間からは町の反社会的勢力に警察の役目をさせようとでも言うような斜め上のアイデアにしか見えていないのではないか、と言う気もするところでしょうかね。

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