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2017年11月 3日 (金)

通販の配達料金はいくらが妥当か

このところ宅配便業界では増え続ける荷物取り扱いに悲鳴を上げていて、その大きな理由の一つに増え続けるネット通販配送業務があると言いますが、今春には大手宅配便会社が大手ネット通販会社の取引を縮小する方針と伝えられたのは記憶に新しいところです。
通販の場合受け取りの不確実性から何度も再配達を強いられるなどの問題もありますが、大きな問題の一つに配達の料金をどのくらいに設定すべきかと言う点が有り、当然ながら通販会社とすれば少しでも安くしたい、出来れば文字通り送料無料が望ましいわけです。
ついつい送料無料の通販を選んでしまうと言うユーザー側にもこうした点への反省もあって、たびたび妥当な料金とはどの程度なのかと言う議論が行われてきましたが、先日とある業者が非常に興味深い社会実験とも言えることをやったと話題になっています。

「ゾゾタウン」の“送料自由”、0円を選んだユーザーは全体の35%(2017年10月3日WWD)

 ファッションEC「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するスタートトゥデイが1日に発表した“送料自由”サービスについて、0円(送料無料)を選択したユーザーが全体の35%だったことを前澤友作・社長が自身のツイッターで明かした。この結果は2日12〜19時の平均値という。同時に前澤社長は、ユーザーの設定した金額が宅配業者への実質の支払い金額を超えた注文の割合は、同じ時間帯で全体の0.2%だったと投稿。上回った金額(スタートトゥデイのもうけ)は今後の物流サービス拡充の資金にあてるとした。

 “送料自由”は1日に試験導入したサービスで、ユーザーが商品購入後の画面から自由に送料を決めることができるもの。0〜3000円で自由な金額を決められるが、初期設定は400円になっている。発表後にはネットでも賛否が分かれたが、「多く払った分はきちんと宅配業者に支払われるのか」という疑問の声も多く見られた。

「ゾゾタウン」“送料自由”の平均は96円、都道府県別では近畿2府3県がワーストに(2017年10月24日WWD)

 「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するスタートトゥデイが10月1日に開始した“送料自由”サービスの利用データを公表した。集計期間は10月1日正午~23日午前0時。この期間の平均送料は96円(税込)で、送料0円を選択した注文は全体の43%だった。

 また、都道府県別の平均指定送料も公表。1位は福島県の111.73円で最下位の47位は奈良県の86.05円。ワースト5を京都府、滋賀県、兵庫県、大阪府、奈良県と近畿地方が占める結果となった。

「送料自由」関西人は安く設定…下位5位を独占(2017年10月28日読売新聞)

 ファッション通販サイト「ゾゾタウン」で1日から、購入客に送料を決めてもらう取り組みを試行したところ、都道府県別ランキングで金額の安い下位5番目までを、奈良県や大阪府など近畿5府県が独占した。

 送料を0円から自由に設定できる仕組みで、現在も続けている。サイト運営会社のスタートトゥデイが23日までの状況を調べた結果、平均額は奈良県が86・05円で最下位の47位。46~43位は大阪府、兵庫県、滋賀県、京都府の順だった。和歌山県は40位。1位は福島県の111・73円で、2位に岩手県、3位に青森県が入るなど、東北地方の金額が高かった。全体の平均額は96円で、0円と設定した人が43%を占めたという。

 関西人は倹約意識が高い一方で、大事な場面では大盤振る舞いする人も多いとされる。「関西人の正体」などの著書がある国際日本文化研究センターの井上章一教授(風俗史)は「面白いデータだが、婚礼や誕生日など贈答関係の支出では、違った結果になるかもしれない」としている。

都道府県毎に支払い額がかなり違うと言うのも興味深い話で、特に関西地区が下位を独占していることに関しては様々な意見を持つ方々も多かったようですが、送料自由化と言っても通販業者に支払う料金での話で、宅配業者には規定の料金が払われているようです。
逆に言えば規定の料金だけしか払わなかったとなると、仮に実際の送料よりも高い平均値がついた場合どうするのかですが、この場合通販会社の儲けにすると言うことですから、配達を行う宅配業者としてはひとまず定額の料金だけで我慢するしかないと言うことですね。
この料金負担の方法も例えば宅配便の受け渡し時での支払いと言ったことであれば、より高い値付けが多くなった可能性もありそうですが、その場合タダでさえ忙しい宅配便スタッフに余計な仕事を増やすことになりますから、この辺りが妥当な対応なのかも知れません。

この結果をどう考えるかですが、宅配便や郵便小包の最も小さい60cm角のサイズで送料がおおむね600円台だそうですから、平均で100円そこそこと言うのはやはり相場と比べるとずいぶんと安く見られているとは言える金額ですよね。
送料0円を選んだツワモノも相当数いたと言う事で、一体他人の労働への対価をどう考えているのか云々と言う意見も少なからずだったようですが、多くの通販業者が一定金額以上で送料無料とやっていることから、同じ感覚だったのかも知れません。
なおこの会社ではその後、送料を一律200円に設定したと言うことですが、価格競争の激しい通販業界で誰がどの程度の送料を負担するのかと言う問題に対しての、一つの問題提起になったと評価するべきなのでしょう。

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2017年10月20日 (金)

あの絵本は復活するまで17年かかったそうです

別に珍しくもないことなのですが、先日こんな放送事故?があったと報じられていました。

小林旭が「放送禁止用語」、フジテレビが謝罪 ネットでは「正しい表現なんだから謝る必要ない」の声(2017年10月7日J-CASTニュース)

 昭和の大スター、小林旭さん(78)がフジテレビ系情報番組「バイキング」にコメンテーターとして登場し、アメリカのラスベガスで起きた銃乱射事件に関し「キ×××」という言葉を発したためアナウンサーが神妙な面持ちで謝罪した。
 ネット上では小林さん批判が相次いだが、「言葉狩りだ!」「ほかに思いつく言葉はない」などと小林さんを擁護し、「放送禁止用語」に首を傾げる人が結構多い。

■「無抵抗の人間だけを狙う奴は、バカかキ×××しかいない」

 番組では現地時間1日に起きたラスベガスでの銃乱射事件を取り上げた。犯人はホテルの32階から窓ガラスを割り、2万人が集まったコンサート会場に9分から11分間ほど改造銃で乱射、58人が死亡し489人の負傷者を出した。「米史上最悪」とされるこの事件の感想を聞かれた小林さんは、
  「酷いよね、そりゃぁ赤ん坊をこう捻ってやるのと同じことで、無抵抗の人間だけを狙ってああゆうことをする奴ってのは、バカかキ×××しかいない
とコメントした。犯人は狩りをする感覚で撃っていて、頭の中には人間としての意識が無い。人間としての意識があったら躊躇して撃てない、とし、自身が撮影の時に本物の銃を使った時のエピソードを話した。そしてCM明けに榎並大二郎アナ(32)が、神妙な面持ちで、
  「先ほどの議論の中で、ですね、精神障害の方に対する差別を助長する発言がございました。お詫びして取り消させていただきます」
と深く頭を下げた。

 この言葉はテレビ側が自主規制している「放送禁止用語」の一つだ。かつては自由に使われていたのだが、現在は当時のドラマやアニメがDVDなどで発売される場合など、その音声部分はカットされている。小林さんの発言にネット上では当初、「小林旭が放送事故!」「老人に発言させるな!」などと激しい批判が出たのだが、途中から議論は一変する。
  「TV事業者が独自の倫理規定で自主規制しているだけなのに、視聴者がここまで『守らなければならないルール』と認識しているとは、TVは見事なまでの洗脳マシーンだと思った」
などといった意見が出て、「何が悪い?」「マスゴミは言葉狩りやめろ!」などという、フジテレビに対する疑問の声が目立つようになった。
(略)
また、謝罪に「精神障害の方に対する差別」という言葉があることに首を傾げる人が続出していて、
  「頭のおかしいやつって認識だったけど、精神障碍者のことだったのか?
  「犯罪思考の屑と精神病患者を分ける為の言葉なのにな。精神病と犯罪者が同じとでもおもってるのかウジテレビは」
などといった議論も起こっている。

精神障碍者と言う言葉自体も「言葉狩り」の結果用いられるようになったものと言う気がしますが、いずれにせよ放送中に出演者が何かしら言葉を吐いた場合、関係者が不適切でしたと頭を下げると言うのはよく見る光景ですよね。
凶悪犯罪事件に何故昭和の大スターがコメントするのかと言う疑問もあって、日本のこの種の番組のコメンテーターなる存在自体に疑問を感じる人も少なくないようですが、近ごろでは不適切発言を期待されている?コメンテーターもいらっしゃるようです。
以前から犯罪者の精神鑑定と絡めて、凶悪犯罪を起こすような人は普通の精神構造ではないと言う議論がありましたが、しかし明らかに考え方が普通ではないが責任能力があると認定されるような人をどう呼ぶべきなのかは迷うところですね。
何にしろこの種のケースは今や見慣れたものであることは確かなのですが、こうしたいわゆる放送禁止用語なるものについて、最近ずいぶんとその範囲が拡大してきていることがたびたび問題視されています。

苦情殺到で「老人」が放送禁止用語に!? 最近追加された“クレーム対象ワード3”をTV関係者が暴露(2017年10月2日トカナ)

 以前、「頑張れ」というワードが放送禁止用語に加わりそうな勢いだとの事実をお伝えし、ネットなどで議論になった。正しくは放送注意用語と呼ばれるこれらの用語は、今現在も増え続けている。そんな放送禁止の対象に最近追加されたワードがあるという。

■1、標準語

「最近も放送上NGなワードが増え続けています。最近よくいわれるのは『標準語』というワードです。いわゆる東京で使われる言葉を意味する『標準語』ですが、これを『共通語』と表現するようになっています」(放送関係者)
 共通語とは聞きなれない言葉だが、今後はこちらに切り替わっていく可能性が高いという。
「東京の言葉を『標準』とする考え方に関西など他の地域の視聴者から苦情が多いんです。そのため、言い方を変えて『共通語』としています。しかし、苦情の内容からすれば言葉を言い換えただけでは解決になっていないという意見もあり、定着するかどうかは微妙です。いっそのこと『東京語』にすればいいなどの意見もありますね」(同)
(略)
■2、ハーフ

「ハーフタレントなどで使われる『ハーフ』という言葉ですね。こちらは最近になってというより、数年前からジワジワと知らされていました。『半分』という意味が失礼に当たるということのようです。しかし、徹底されていないということで改めて『ハーフNG』というお達しがあったと聞きます」(番組制作スタッフ)
 ハーフタレントが出演する番組では当人を含め当たり前のようにハーフという言葉を使っているが、これがNGならば一体どうすればいいのか。
「テレビ局の識者は『ミックス』という言葉に言い換えることを推奨しています。しかしながら、ハーフよりもミックスのほうが余計に差別になる、生々しい言葉に聞こえるなどという意見もあるんです。そのため、この一件は数年来放置されています。ハーフタレント自身が嫌がっているわけでもないのに、言い換える必要があるのか疑問ですね」(同)
(略)
■3、老人

 また、かなり頻繁に使用されるあの単語もNGになりつつあるらしい。
「『老人』です。お年寄りを意味する『老人』という言葉が『老いた人とは何事だ』と苦情が来るんです。しかし、これまで普通に使われてきた単語まで狩るのはどうなのでしょうね」(同)
 過去の例に目を向ければ、「外人」や「黒人」などもNGな上に、魚屋や床屋は「鮮魚店」や「理髪店」と表現するなど、テレビの世界では言い換えが多い。しかし、これらの単語は辞書にも記載された日本語だ。そんな言葉を苦情がくるからと狩っていたら、使える単語はどんどん少なくなってしまうはずだ。

このところLGBTの権利拡大に関連して色々な現象が見られると話題になっていて、先日は「王さまと王さま」と言うそのものズバリな絵本があると興味深く拝見したのですが、一方で考え方の相違から様々な社会的軋轢も発生しているようですよね。
放送禁止用語が次から次へと増えて行くのもクレームを入れる人がいるからなのでしょうが、世の中様々な考え方の人もいるわけで、テレビのように不特定多数向けの放送で全ての人に不満が出ないようにと考えれば、表現の幅に大きな制限が出るのはやむなきことかも知れません。
ただしテレビ局側が言葉に注意し、不適切発言があったとわびを入れるところまでは理解出来るのですが、ゲスト出演者にまでそれらの自己規制表現を使うなと強要するならこれは問題で、むしろ言葉狩りや表現の自由の侵害と言った弊害の方が大きくなるでしょう。
ひと頃古典的な文学作品に用いられる各種表現が、現代の視点で見ると差別的であるから出版禁止、回収すべきだと言う動きがあって話題になりましたが、「今日の社会通念上時代劇は大量殺人だケシカラン」と放送禁止になるような世の中は御免被りたいものです。


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2017年9月29日 (金)

これからの時代入れ墨は医師の仕事に!?

すでに各方面で報じられているところですが、先日こんな判決が出たと言います。

「入れ墨は医療行為」彫り師に罰金15万円判決(2017年09月27日読売新聞)

 客にタトゥー(入れ墨)を施すのが医療行為に当たるかどうかが争われた医師法違反事件で、大阪地裁(長瀬敬昭裁判長)は27日、「医療行為に当たる」との判断を示し、医師法違反に問われた大阪府吹田市の彫り師・増田太輝被告(29)に罰金15万円(求刑・罰金30万円)の有罪判決を言い渡した。
 判決によると、増田被告は2014~15年、吹田市内のタトゥー施術店で女性客3人にタトゥーを施した。

 増田被告は15年9月、吹田簡裁で罰金30万円の略式命令を受けたが、「医師免許が必要とされるのは納得できない」として正式裁判を求めていた
 医師法は医師以外が医療行為を行うことを禁じているが、何が「医療行為」に当たるかは明示していない。


医師免許なしで客にタトゥー入れた墨彫師に有罪判決 違憲の主張退け「医業に該当」 大阪地裁(2017年9月27日産経新聞)

 医師免許なしに客にタトゥー(入れ墨)を入れたとして、医師法違反の罪に問われた彫師、増田太輝(たいき)被告(29)の判決公判が27日、大阪地裁で開かれた。長瀬敬昭裁判長は、入れ墨は医療行為に当たり、「医師が行うのでなければ保健衛生上の危害が生じる恐れがある」と述べ、罰金15万円(求刑罰金30万円)を言い渡した。
 増田被告は「彫師の仕事が、医師でなければできないとされることに納得できない」と無罪を主張。弁護側は職業選択や表現の自由の侵害だと訴えていた。

 判決理由で長瀬裁判長は、真皮に針を刺すことで必然的に出血が伴う入れ墨について「感染症の拡大など、保健衛生上の危害が生じる恐れがあることは明らかだ」と指摘。「施術の危険性を十分に理解し、適切な判断や対応を行うには、医学的知識、技能が必要不可欠だ」とした。
 そのうえで、入れ墨の施術に医師免許を要求することについて「保健衛生上の危害を防止するという重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置だ」と判示。身体に入れ墨を入れる自由が憲法上保障されるとしながらも「公共の福祉のために必要かつ合理的な制限を受ける」として、医師法に基づく規制は妥当だと結論づけた。
 弁護側は、入れ墨が医師免許のない彫師の手で長年にわたって行われ、摘発例もほとんどないため「実質的な違法性がない」と主張したが、判決はそうした現状があるとしても「違法性がないといえるほどの社会的正当性を有しているとは評価できない」と退けた。
 一方で、被告が施術の際に器具を滅菌するなど衛生管理に努め、客に健康被害が生じていないことを量刑の上で考慮した。

 判決によると、増田被告は平成26~27年、大阪府吹田市の自宅兼スタジオで医師免許を持たずに、女性客3人の腕や背中などに入れ墨を施した。
 増田被告は当初、書面審理のみで罰金刑を言い渡す略式手続きに付されたが、それを拒否して公開法廷での裁判を請求していた。

この裁判については以前にも取り上げたことがありますが、以前は黙認状態であったものが平成13年の医師法違反との厚労省通知を契機として、2010年頃から全国各地で摘発が報じられるようになってきたと言います。
とは言え一定の歴史的経緯もあることから、ほぼ例外なく罰金を支払えばそれで終わりと言う状況であったようですが、今回に関しては記事にもあるように被告側が敢えて裁判に持ち込んだ結果がこうなったと言うことで、恐らく被告側は上告することになるのでしょうか。
最終的にどのような判決として確定するかはまだ何とも言えませんが、記事からは珍しく裁判官の判決理由がそれなりに首肯できる論理の積み重ねに見える一方で、その結果出てきた結論については正直おいおい…と言いたくなる部分もあるように感じますね。
個人的には健康被害のリスクと言うことで言えば、入れ墨よりも怪しげな民間療法を取り扱う方々のほうがよほど危険性が高そうにも思うのですが、こちらに関しても彫り師と同等以上の熱意をもって取り締まりをいただければと思います。

実際に医師が施術するとなれば美容整形などで行うことになるのかですが、ざっくり検索した限りではタトゥー除去をうたう施設ばかりで、施術を行うと言う施設は見つけることが出来なかったのですが、もちろん探せば全国どこかに存在はしているのでしょう。
ただ施術希望者の件数から考えると現状ではとても手が足りないのではないかと思うのですが、今後こうした施術も美容系クリニックの大きな収入源となっていくものなのかどうか、彫り師の皆さんに何らかの救済が用意されるのかどうかも気になりますね。
ちなみに医療水準での施術を行おうとすれば既存の彫り師が手がけるよりも相当の高コストになり利用車の懐にもずいぶんと厳しくなると思うのですが、現実的な落としどころとしては滅菌など何らかの基準を整備した上での施術容認といったことになるのでしょうか。

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2017年8月 9日 (水)

関わりたくはないが見ている分には面白い進歩的な人々

今日はまたしょうもないニュースを取り上げてみようかと思うのですが、ひとまず本題に入る前に先日ちょっとした話題になっていたこちらの記事を紹介してみましょう。

サメ出没の原因は鯨増加?=豪環境相が調査指示(2017年8月2日時事ドットコム)

 【シドニー時事】反捕鯨国オーストラリアのフライデンバーグ環境相は政府系研究所の連邦科学産業研究機構(CSIRO)に対し、海岸でのサメ遭遇事故増加と鯨の生息数増加に因果関係がないか調査するよう指示した。オーストラリアン紙が2日までに報じた。

 環境相は西オーストラリア州で、サーフィン中にサメに襲われて死亡した若者の近親者と面会し、対策強化を約束した。同州内だけでも、2000年以降に15人が犠牲になっている。
 サメの襲撃が増えたのは、沿岸で鯨が増え過ぎた結果、鯨を捕食するホホジロザメも集まってきたのが一因との指摘があるという。厳格な鯨保護で生息数が増えたことが襲撃増加の遠因になった可能性があるようだ。
 対策として、「ホホジロザメを保護対象から外し、捕獲すべきだ」という声もある。豪州は鯨保護に熱心だが、生息数を調整するためとして、カンガルーやコアラの殺処分は行っている。

オーストラリアと言えばともすれば狂信的とも言える行動に走るほどの反捕鯨国として知られていますが、反捕鯨自体は国の方針でいいとして、その結果こうした事態が起こることも仕方がないことではありますが、さてこの場合サメも間引くべきなのかどうかです。
ちなみにホホジロザメも非常にその生存頭数の減少が危惧されているサメなのですが、残念ながら正確な数を示すデータがないのだそうで、直ちに絶滅を心配するような科学的な根拠がないのだから殺してもいい…と理屈は付けられるものなのかも知れませんけれどもね。
いずれにせよ特定の生き物を保護する一方で特定の生き物は殺してもいいと言った考えはレイシズムに直結するだけに、恣意的な理由によって行われる場合には特に注意が必要ですが、一部の方々はまさしくその恣意的な理由を振り回すことを得意としているようです。
日本でも近ごろでは一部地域を中心に話題になる方々がいらっしゃいますが、海外では時に考えられないような行動に出る手合いがいらっしゃるそうで、先日こんなびっくりニュースが報じられていました。

精肉店に「反肉食」の警告掲示、愛護団体抗議でやむなく 米加州(2017年08月07日AFP)

【8月7日 AFP】超進歩的な米カリフォルニア(California)州の都市では時間の問題だったのかもしれないが、ある高級精肉店が、肉を食べるのは残虐だと警告する張り紙を店頭に掲げ、常連客を驚かせている。

注意:動物には生きる権利がある。どのような方法であれ、動物を殺すことは暴力で不当だ

 こんな掲示を出したのは、進歩的な大学都市として知られるカリフォルニア州バークレー(Berkeley)の精肉店「ザ・ローカル・ブッチャー・ショップ(The Local Butcher Shop)」。店の窓に張られた掲示は、ここ4か月にわたって店先で抗議活動を展開してきた動物愛護活動家らとの「和平協定」の一環だという。

 この精肉店では毎週、日曜日に食肉処理の講習会を開いているが、動物愛護団体「ダイレクト・アクション・エブリウエア(DXE)」が店先を封鎖してこれに抗議。時には活動家が血のりをまとった裸体をラップで巻いてデモを行うこともあった。

 夫と共同で店を営むモニカ・ロッチーノ(Monica Rocchino)さんは途方に暮れ、DXEの活動家と話し合うことを決めた。「彼らはバークレーを『無肉都市』にしたいと主張し、私たちの店を閉店に追い込む用意があると言った」とモニカさん。どうすればいいのか尋ねると、検討すると答えたが、その後も抗議は続いた。

 迷惑した近隣住民も怒りを募らせ、付近の店から客足が遠のくなど影響が広がるに至って、「完全にベジタリアンの精肉店になるか、講習会をやめるか、動物には生きる権利があるという張り紙をするか、そのどれかを選ぶしかなかった」とモニカさんはAFPに語った。

 とはいえ、この張り紙では白黒をはっきりつけたがっているDXEをなだめることはできないだろうとモニカさんも分かっている。「彼らが問題にしているのは、動物を殺しているかどうか。その信念は理解できるが、考えを他人に押し付けるのは別問題だ」とモニカさんは話した。

 DXEのマット・ジョンソン(Matt Johnson)代表は「誰を敵視しているわけでも、精肉店を嫌悪しているわけでもない。動物を愛しているだけだ」と主張している。

完全にベジタリアンの精肉店なるものがどのようなものなのかは正直理解しかねるのですが、しかし幾ら進歩的(苦笑)なカリフォルニアだと言っても無肉都市などと言うことを言い出して社会的支持を得られるものなのかと言う疑問は抱くところでしょう。
この種の方々の考え方でよく理解できないのは、その保護対象となる生物が特定種に偏っていて、その他の生物に対しては全く保護する必要がないと言う考え方にどのような根拠があるのかと言う点ですが、実際のところ彼らは蚊やゴキブリに対してどんな態度で接するのでしょうね。
そもそも調理などで火を通したりするだけでも数限りない微生物の大量虐殺をその都度行っているわけで、日々生きていく上で保護すべき対象と保護しない対象を彼らがどのように決定しているのか、その法則性の一端なりと開陳して頂ければ主張に対する理解も進むのかも知れません。
しかしこうした生物種差別主義者が日本ではさほど大きな支持を得ていないらしいのは喜ぶべきことですが、時にはこうした方々が病院に乗り込んできて「アルコール消毒ハンタイ!抗生物質投与ハンタ-イ!」などと叫び回ってくれれば、野次馬的興味としては面白そうですけれどもね。

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2017年7月26日 (水)

歩きスマホ行為に対する、奇妙な攻撃的行動が拡大中

俗に言うところの歩きスマホなる行為の危険性は改めて周知徹底されるべきものですが、先日こんな一件が報じられていたのをご存知でしょうか。

歩きスマホの女性に体当たり 傷害容疑で男逮捕(2017年7月22日神戸新聞)

 歩きながらスマートフォンを操作していた女性に体当たりをして重傷を負わせたとして、兵庫県警葺合署は22日までに、傷害の疑いで、神戸市内の自称作家兼ミュージシャンの男(63)を逮捕、送検した。女性は頭を打って一時意識不明の重体となっていた。

 送検容疑は、19日午後7時半ごろ、神戸市中央区のJR三ノ宮駅のホーム上で、スマホを操作しながら歩いている同市内の無職女性(55)に、正面から体当たりして転倒させ、重傷を負わせた疑い。同署の調べに「歩いていたらぶつかった」と容疑を否認している。

 同署によると、男がスマホ操作中の女性をめがけて歩いて行き、体当たりした様子がホームの防犯カメラに写っていたという。女性は後ろに倒れて後頭部を打ち、意識なしの重体で搬送された。その後、意識は戻ったという。男は「相手がスマホをしているのが悪い」と供述しているという。

 同駅では19日、ホームでスマホ操作中の乗客が何者かにぶつかられた事案があったほか、20日には、男と別の乗客がトラブルとなり、同駅から通報を受けた同署員が駆け付ける事案があった。その際、男は「相手にスマホを当てられた」と話していたという。

昨年1年間で歩きスマホを含めたながらスマホ行為でほぼ2000件にも及ぶ事故があり、死亡事故すら27件発生していると言う警察疔の発表もあり、全国的にも今後取り締まりの強化を行っていくそうですから、市民としても早めに対応しておいた方がよさそうです。
とは言え今回の件で興味深いのはわざわざ「正面から体当たり」したと報じられていると言うことで、当事者は否定していると言うことですがどうもたまたま歩いていてぶつかったと言ったケースとは違うのではないかと言う印象であり、実際他にもスマホ絡みのトラブルを起こしていたようですね。
特に今回の相手に重傷を負わせた事件の翌日にもまたトラブルを起こしていたようですが、実はたまたまこの男が例外的に特殊な行動を行っていると言うだけではなく、全国的に歩きスマホに対する攻撃的な行動が増えてきているのだそうで、こんな記事を紹介してみましょう。

歩きスマホの人を狙う「当たり屋」 都市部でトラブル続出(2017年7月25日NEWSポストセブン)

 兵庫県神戸市JR三ノ宮駅のホームで、歩きながらスマートフォンを操作していた女性に体当たりし転倒させ重傷を負わせたとして、60代の作家兼ミュージシャンの男性が22日までに逮捕、送検された。このニュースが報じられると、SNS上では「やはり歩きスマホは危ない」といった声とともに、「スマホを見ている人にわざとぶつかってくる人がいて怖い」という声も多くあがった。
 事件が起きた地元の神戸新聞が報じた内容をみると、この60代男性は、SNS上で「怖い」と言われている、スマホを操作している人にわざとぶつかる行為を繰り返していた疑いがある。
(略)
 この男のように、わざとぶつかる人は都市部を中心に一定数、存在している。北陸地方在住の30代女性は、出張で東京に来た折、わざとぶつかられてとても怖い思いをしたと話す。
「新幹線から乗り換え改札を出て、行き先を確かめようとスマホを見ていたら、ものすごい勢いで歩いてきた男性にぶつかられました。ぶつかってきた男性は何も言わず、振り返りもせずに去って行ったので、尻もちをついたまま後ろ姿を呆然と見るしかありませんでした。通る人がいても5メートル前くらいに気づいて移動できるだろう間隔を見計らった場所を選んで立っていたから、普通のスピードで来られればよけられたのに、無理な速さでした」

 都内で働く40代男性も、初めて降りた駅でスマホの地図アプリを見ていたところ、どう考えても「わざと」ぶつかられる体験をした。
「改札を出て少し歩いてから、地図アプリを見ていたら、自分よりも少し年上の男性にぶつかられました。すごく不自然にこちらに向かってきて歩き去ったので、わざとだと思うんです。付近には、他にもスマホを見ている人はいました。そのなかで、それほど体が大きくなくて、強く反発しそうにない見た目の自分を選んでぶつかったんだと思います」

 彼のように、人を選んでぶつかられたと話す人は少なくない。東京近郊に住む女子大学生は、「露骨に相手を選んでますよ」と苦笑いする。
「ターミナル駅付近で、スマホを見ている人にぶつかるのを繰り返すおじさんがいます。狙うのは主に一人でいる女性。男性と一緒だったり、服装が派手で気が強そうな人には絶対に近寄らない。私も友だちと待ち合わせ中にスマホを見ていたら、不自然に向かってきたおじさんにぶつかられて転びました。ちょうどやってきた友だちがものすごい剣幕で怒鳴ったら、すごい勢いで逃げられました」

 少数だが、自分も歩きスマホにはわざとぶつかっているとSNSで発言する人たちがいる。一年前にアプリゲーム『ポケモンGO』が大流行し、歩きスマホしながらゲームをする人が増えた頃から「わざとぶつかりにいってる」「わざと体寄せてぶつかってる」「注意喚起のためにわざとぶつかってる」とSNSで誇らしげに宣言する匿名アカウントが続出した。
 スマホ当たり屋と呼ばれることもある彼らは、自分がSNSで宣言している内容が傷害罪につながる可能性はあまり考えていない。流行に流されない自分たちは他とは違うと主張し、ネットでウケる「ネタ」のひとつを提示しているにすぎない。彼らなりの正義を叫ぶ言葉の強さとはうらはらに、実行しない人も多い。ところが、ネタの発言数が増えると、それを現実にしても許されると思い込む人があらわれる現象が近年、目に見えて増えている。
(略)

いわゆる当たり屋と言うのは金銭的な目的を持って事故をわざと起こす人々のことでしょうが、こちらの場合特にそうしたわけでもなくひたすら体当たりを繰り返すのだそうで、どうも第三者的に見てみると間抜けな行為としか思えないのですがその理由が何なのかです。
記事の後段では正義感的なものが背景にあると言うことですが、相手が反撃をしてこない確率が高いことを前提にした自己満足を得るための行為とも感じられ、今回たまたま相手が重傷を負ったからこそ逮捕されたとは言え、ほとんどの場合事故と言い張れるのでしょうね。
ちなみに今回の場合冒頭の神戸の容疑者氏の周囲が取材に応じているのですが、「やっぱりなぁと」「だんだん乱暴になってきて声が大きくなって怖いよねって感じ」と言ったコメントがあり、他人に対して攻撃的になってきていることを感じていたのだそうです。
何かしらのストレス発散的な行動の一環として、仮にトラブルになっても相手に道義的責任を負わせやすい歩きスマホ相手への攻撃を繰り返しているのだとすればいい迷惑としか言いようがありませんが、とは言え歩きスマホ自体にも加害者となるリスクがあることは大前提とすべきでしょうね。

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2017年7月14日 (金)

過度な他人への攻撃性は匿名だからこそ発揮される?

ところ変われば何もかも違っている可能性があるとはついつい忘れてしまいがちなことですが、先日パキスタンでこうした判決が出たと話題になっていました。

ネット上の侮辱で死刑判決(2017年6月12日産経新聞)

 ロイター通信などによると、パキスタン中部パンジャブ州バハワルプルの法廷は11日までに、フェイスブック上でイスラム教の預言者ムハンマドを侮辱したとして、冒涜罪に問われた男性(30)に死刑判決を言い渡した。検察当局が明らかにした。

 パキスタン政府はソーシャルメディアの取り締まりを厳格化しており、検察当局はソーシャルメディア上での冒涜罪に対する初の死刑判決としている。判決は10日付。男性は上訴できるという。

 冒涜罪は少数派弾圧の手段に使われているとして、人権団体が批判している。男性は同国で少数派のイスラム教シーア派に属しているという。

近年ではイスラム世界の法体系に関してどちらかと言えば批判的に取り上げられることが多く、一部の方々は熱心な反対運動までやっているとも聞くのですが、この件に関してはやり過ぎだと言う意見以外に「ネットなら何でもありではない」と一定の評価をする声も少なくないようです。
今回の場合は宗教的な権威に対するそれですが、個人や団体に対する誹謗中傷は何処の国でもありふれた話となっており、多くの場合ネットの匿名性を盾に好き放題言っていると言う反発が大きいせいか、韓国のようにネット実名性を取り入れたり中国のように人肉捜索などと言われる私的なつるし上げが行われる場合もあるようです。
日本においては匿名性の保持に関しては根強い支持があるものの、行き過ぎた個人攻撃や誹謗中傷などに対しては発信者の個人情報開示も行われるようになってきていて、大阪などは開示義務を示した条例まで作ったものの、必ずしも情報が明らかになるケースばかりでもないようですね。
いずれにせよ実社会で考えてみれば一方的に他人を集団で袋だたきにする行為と言うものは当事者はもちろん、周囲の第三者に取っても必ずしも楽しいものではない場合も多いのですが、先日こんなCMが登場したことが注目されているのもネット上ではこの種の行為が行き過ぎる嫌いがあると言うことへの問題提起と言うことでしょう。

「窃盗だろw」「桃の気持ち考えろ」…桃太郎で“ネット炎上”描く広告、狙いは? ACジャパンに聞く(2017年7月5日産経新聞)

 「窃盗だろw」「早く謝ってください」「桃の気持ち考えたことがあるのか!
 桃太郎を題材に「ネット炎上」の惨状を描いた公共広告「苦情殺到!桃太郎」を、ACジャパンがこのほど公開した。「(第三者の)悪意ある言葉が、当事者や家族の心を傷つけるトラブルも多い」として「おおらかな心の大切さを訴える」としている。

 動画広告は、おばあさんが川上から流れてきた桃を拾ったところ、匿名の苦情が殺到するというストーリー。「窃盗だろw」「泥棒ワロタ」「炎上案件キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!」「ていうか、川で洗濯するなよ」「旦那は山で柴刈りしている人らしいよ」「背景から住所分かるかも」などのコメントが画面を埋め尽くし、おばあさんが涙ぐむ様子が収められている。
 ACジャパンが毎年7月に実施している広告キャンペーンの一環。動画をテレビCMとして流すほか、ラジオ広告、新聞広告も展開する。

■なぜ、桃太郎を題材に?

 「いつの時代も、分かりやすく伝えようとすると、広告コミュニケーションは難しい」--今回のキャンペーンを手掛けたACジャパンの担当者はそう話す。
 個人ユーザーのSNSや企業広告など、さまざまな内容が炎上する中、「子どもから高齢者まで幅広い世代が知っている『桃太郎』を選ぶことで、意図を伝えたかった」という。
 画面を埋め尽くす苦情コメントは、マイルドな表現にすることも考えたが、「リアリティーを追求し、実際に使われるネットスラングを取り入れた」(担当者)
 「ACジャパンは、こうした公共広告でしかメッセージを伝えられない。今回の取り組みを通じて、いま一度ネットモラルを考えてもらう機会になればと考えている」


ACが「苦情殺到!桃太郎」のCMで炎上に苦言 専門家は「普通の人がうっ憤を晴らそうとして起きる」と指摘(2017年7月5日キャリコね)

公益社団法人ACジャパンがネットモラルの向上を目指して作成したテレビCMが話題だ。7月1日に公開されたCMは、昔話の桃太郎をアレンジし、ネットで批判が殺到する「炎上」で傷つく人がいることを訴えるものになっている。
炎上はどういった人々が、どのような理由で引き起こしているのか。専門家は「炎上の背景にはネットの『共感の文化』がある」と指摘する。
(略)
2015年度版の情報通信白書によると、SNS炎上に関する新聞記事は2013年を境に大幅に増加している。炎上そのものが増加し、新聞社がそれを取り上げる頻度も増えていることがわかる。炎上しても仕方がないような事例も中にはあるが、批判が過度に殺到したり、理不尽な「クソリプ」が大量に送り付けられたりすることの背景には何があるのだろうか。
ソーシャルメディア活用を専門とするネットメディア攻略研究所代表の落合正和さんは、「炎上が発生するのはインターネットが匿名で利用されているから」だという。
    「ツイッターの利用者は5000万人に上りますが、匿名で利用している人が多い。日頃のうっ憤を晴らすため、顔の見えない相手を攻撃する人が多いのでしょう。クソリプを送ったり、炎上させたりしている人は、憂さ晴らしをしたいだけのごくごく普通の人だと思います」
2014年度の情報通信白書によると、日本では匿名でSNSを利用する人の割合が他国よりも高い。フェイスブックでは実名利用する人が匿名利用する人の割合を上回っているが、ツイッターでは匿名利用が7割を超えている。アメリカやフランス、韓国ではツイッターでも実名利用の方が多いこととは対照的だ。

落合さんは、ネット独自の「共感の文化」も炎上を引き起こす一因だという。
    「ネットには元々、気に入った投稿に『いいね!』を押す共感の文化があります。共感できるかどうかが1つの基準になっているんです。それが『同じ意見じゃないと認めない』『共感できないものは排除する』という姿勢につながってしまうのかもしれません」
(略)

件の動画はこちらなどから参照頂ければと思いますが、個人的にはツッコミを入れるなら竹取物語などの方がよほど突っ込み甲斐があるのではとも思うのですが、今回のCMがシリーズの第一弾で引き続き様々な古典が題材として取り上げられることもあるのでしょうかね。
注意していただきたいのは何であれ他人の行為に対して様々な感想を抱くのが人間と言う存在であり、同じ行為に対しても好感情もあれば悪感情もあり得るのが当然ですが、雑多な個人の感情も一定数集まるとそれは世論と呼ばれる一つの権威になるわけです。
こうした現象が極大化すると炎上と言われる現象となりますが、もともと一方的な他者へのバッシングを繰り返し、世論の誘導喚起によって社会的炎上を発生させることを生業としてきたのが新聞やテレビなど既存のマスメディアであり、言ってみれば炎上させるプロとも言えます。
社会の木鐸を自称する朝日新聞などが実名主義を掲げている点を見ても、この種の現象に匿名性などは本質的に無関係であることが容易に想像出来そうに思うのですが、業務として行うのであれば炎上させるだけでなく鎮火の方法まで用意してから行って頂きたい気がします。

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2017年7月 7日 (金)

子供を殴り倒す母親の暴力行為が話題に

全国的に体罰は絶対悪と言う価値観が正義とされて久しいですが、こちら一つの体罰動画が国内のみならず国内までも拡散し話題になっています。

自動車の前に飛び出した幼児を母親が激しくビンタ これは「教育」なのか?「体罰」なのか?大論争(2017年6月30日J-CASTニュース)

   ツイッターにアップされた動画にある母親の行動がネット上で物議を醸している。3歳くらいの子供に対し、吹っ飛ぶほどの平手打ちをかましているのだ。
   乗用車の車内カメラで撮影されたその動画は、乗用車が走行中、目の前に子供用自転車が突然現れて、あわやというシーンになる。乗用車の急ブレーキで難を逃れたが、子供の後を追っていた母親が追い付き激しい平手打ちをしたため、ネット上では「これは教育ではなく虐待だ!」「母親として当然の行為」といった論争が起きている。

   問題の動画は2017年6月28日にアップされた。ツイートは、
    「今日の会社帰り子供飛び出してきてほんと焦った、たまたま踏切の遮断機下がっててブレーキに足かけて減速しようとしてたから間に合ったって思った安全運転でこれからも行こうと思った。てかお母さんの平手打ちに強さにもびびった」(原文ママ)
となっている。
   動画は車内カメラで撮影されていて、乗用車が運行中に左側に駐車していたワゴン車の陰から3歳くらいの子供が子供用自転車で飛び出して来る。急ブレーキをかけた乗用車の前を自転車は通過する。後ろから走って追いかけてきた母親は運転席に、「申し訳ありません」といった表情を浮かべ頭を下げたあと、子供の顏のあたりを激しく平手打ちし、子供は吹っ飛ぶように尻もちをついた。この動画を見た人たちは、
    「何はともあれ無事で良かった...」
などといった感想を漏らし安堵したのだが、母親の取った行動に「体罰ではないのか?」「虐待だ!」などといった批判が向けられることになり、
    「こんなのは教育ではありません 暴力で子どもをしつけようとする人間は頭が悪い人です 貴方に子どもさんがいらっしゃいましたらこんなことはしないであげてください」
    「子どもが真っ先に親の顔を見ている+あの母親のどつき...黒に近い虐待サインですね」
    「悪気はないのだろうけど子供がケガしそうな勢いで叩いてるからなぁ... ケガをしない力加減で叩けなかったら、それはもう暴力と呼ばれても仕方ないのかと思います」
などといったリプライがこのツイッターの動画に寄せられることになった。

   母親批判に対する反論も相次ぎ、
    「お母様も心臓が飛び出る勢いでお子さんに平手打ちしたんだと思います...。きっと私もそうなると思います。 子供にはまだ解らなくとも」
        「親として本当に心配してる証拠ですね。体罰いけないとか言うけど、危険に関わることは体に覚えさせる必要あるから」
        「法的には平手打ちしたお母さんの行動は虐待に当たりますが、一歩間違えれば生命を失っていたかも知れない事なので、個人的には愛情、教育として間違っていない行動だと思います」
などといったリプライが寄せられ、全面対決の様相となったが、「母親としての立派な行為だ」という母親擁護の意見の方が圧倒的に多い
   このツイートは17年6月30日昼までに6万近いリツイートがあり、あまりの反響の大きさに驚いたツイート主は一時鍵を掛け閲覧できないようにした。30日に再開し、この母親の行為は体罰なのか、躾なのかのアンケートを取ったりしていたが、30日午後4時には再び「非公開」にし現在は閲覧できないようになっている。

子どもが吹っ飛ぶほどひっぱたいた日本のママを、中国ネットユーザーが称賛(2017年7月1日レコードチャイナ)

日本でも中国でも、子どもの教育をめぐってはさまざまな論争がある。中でも体罰の可否については、その程度なども含めて意見が分かれるところだ。30日、日本のある映像が中国の動画サイトに投稿され、ネットユーザーの注目を集めている。
(略)
この動画に対して、中国のネットユーザーからは「どうやら、(こういう状況で子どもをたたくのは)世界中どこでも同じようだ」「ひっぱたくべきだ。でないと次は命がなくなるかもしれないからな」といった声や、「俺のおじさんもそうだった。川で泳いで遊んでいたら、おじさんが棒を持ってやってきた。川の真ん中の方に逃げる俺を見て『たたかないから、こっちおいで』って言うので岸に上がったら、めちゃめちゃたたかれた。それから川では二度と遊ばなくなったよ」といった体験談を語るユーザーもいた。

また、母親の対応について、「中国のママならまずドライバーを責めるだろうね」「たたく親の子どもは将来それをしなくなる。ドライバーを罵倒する親の子どもは将来はねられる」「30数年前は中国もこうだったんだけどなあ。昔は子どもがけんかしてるのを見たら、まず自分の子どもをたたいたもんだ。でも、今は一緒になってけんかする」と、最近の過保護すぎる中国の保護者を皮肉ったコメントも少なくない。

このほか、「なんと、先にドライバーに頭を下げるとは。この民度よ」「(これが)素養教育。まずドライバーに謝ってから子どもをしかる」「日本の文明レベルはアジア最強」と母親がすぐにドライバーに謝罪の意思を示したことを称賛するコメントも寄せられた。

日本では昨今、教育現場などでの体罰への批判が高まっている。中国でも以前に比べて体罰に批判的な声が増えてきているものの、「たたかなければ一人前にならない」と言われるように、日本と比べると容認派が多い印象だ。

ちなみにまさに当事者目線と言える問題のドライブレコーダーの映像はこちらから参照いただければと思うのですが、動画を見ながらひとまず誰しもが「よくぶつからずに済んだな」と思うような状況でしょうし、ドライバー本人も偶然と幸運に恵まれた結果であるとは感じているようです。
この母親の行動について特に進歩的な方々からは評判が極めて悪いようですし、自分なら別な行動を取った、これを当然の行為だと思って欲しくないと言う人も多いでしょうが、直ちに命に関わり二度と繰り返してはならない行為であって、絶対確実な教育を行うべき状況であることに異論のある人はいないのではないでしょうか。
となるとその方法論はと言うことになりますが、多くの方々が指摘しているように子供にとっては良くも悪くも非常に大きな衝撃を与えただろう出来事だと想像出来るだけに、末永くこの時の記憶は残るだろうとは言えるでしょうし、まさにそれが目的の行為ではあったわけです。
体罰によって教育を受けた者は自らも体罰に頼るようになると言う説もあり、実際何にでも体罰でしか教育を行えないと言うのは問題外でしょうし、行う場合も自らもいずれ誰かから同様の暴力を振るわれる可能性を理解した上での最終手段であって欲しいと言う気がしますが、皆さんはどうお感じになったでしょうか。

ちなみに今回の場合こうした行為は駄目だと言う教育効果はあったと思いますから、この行為にダメ出しする場合には同等以上の効果が期待出来る代案を提示すべきかとも思うのですが、その点に言及する意見が少ない様子なのは少しばかり残念ですよね。
個人的には車に比較的よく乗っている方ですのでドライバー目線で見てしまいがちで、こうした場合にドライバーの反射神経にしか頼るものがないと言う状況を何とかすべきだなと改めて感じたのですが、まさに今現在行われている自動運転など運転補助技術の類はこうした局面で活躍してもらいたいものでしょう。
特に最近信じられないような事故のニュースも多く、とっさの行動が遅れがちな高齢ドライバーこそ安全サポート技術の完備された車に乗せるべきだと言う声も増えているのですが、先日政府の有識者会議で自動ブレーキ装備の車であることなどの条件をつけた高齢者限定免許の導入が提言されていたのは興味深いことだと思いますね。
もちろん若い人であっても危険な暴走行為などは論外で、今回の現場のような狭い裏通りを平気で爆走している車などは何とかならないものかと常々思うのですが、運転行為そのものに制約を加える類の装置はそうした行為をしがちなユーザーほど無効化してしまうでしょうし、そんな制約の多い車に乗りたい人がどれだけいるのかと考えると悩ましいところですよね。

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2017年6月 9日 (金)

常態化する労基法違反に意外なところから反撃ののろし上がる

最近では何かと独創的な発言で話題になることも多いこちらの方ですが、先日のこちらのコメントも賛否両論で話題になっているようです。

「子供がいるから夫を早く帰させて」 くわばたりえ「あさイチ」涙発言に賛否(2017年6月7日J-CASTニュース)

   お笑いコンビ「クワバタオハラ」のくわばたりえさん(41)が、NHKの情報番組「あさイチ」に出演中に突然泣き出し、ツイッター上などでその言い分が論議になっている。

   2017年6月7日に生放送されたあさイチでは、「大丈夫? あなたや夫の働き方」がテーマになった。
   ゲスト出演したくわばたさんは、家族で働き方などを話し合ったことがあるかと問われ、自らの夫のことについて口を開いた。くわばたさんは、子供ができたとき、夫には、「早く帰って来られへんの?」と懇願した。しかし、夫は、会社では、子供がいても誰も帰っておらず、上司も残っているのにそんなことは言えない、と説明したという。
   そこで、くわばたさんも 「お互い帰れるようになったら、周りも帰れるようになるんちゃう?」 と反論すると、ケンカ状態になり、くわばたさんは、 「じゃあ、もういいわ」 と、以後、早く帰ることは口にしなくなったと明かした。

   くわばたさんには、現在3人の子供がおり、番組では、
    「なんで3人増えたときに会社の人が『お前ちょっと早く帰れ』って誰か言うてくれへんねんかなって、テレビを通じて会社の人に言っています」
とカメラに向かって呼びかけた。
(略)
   さらに、「ほんで、みんなでご飯食べて...」と話したところで、突然くわばたさんの目に涙があふれてきた。
   「もう泣いちゃうけど、本当に。みんなでご飯食べて、お風呂入りたいんだもん」と言って、ハンカチを取り出して涙を拭いた。これに対し、同じゲストの石田ひかりさん(45)は、くわばたさんに「がんばってるんですよ」と声をかけた。

   くわばたさんの発言と涙が放送されると、ツイッター上などでは、「涙された気持ちがよく分かります」などとファンらから励ましの声が寄せられた一方、くわばたさんの言い分は現実離れしているとの指摘も相次いでいる。
    「職場の人だって子どもが3人いるかもしれないし、自分だけ大変みたいに思わない方がいい
    「子供がいるから、を理由にするのは何か違うのでは?単身者、子供のいない世帯ならいいのか?という話」
   自分の夫が早く帰れるよう会社に呼びかけたことについても、
    「テレビで会社の事を悪く言われて旦那が可哀想だ」
    「夫の立場悪くなると思う」
などと夫を心配する声も出ていた。

ここでは反論する声として興味深いのが、こんなことを言ってしまうと夫の職場内での立場が悪くなると言う懸念が非常に多いと言う点なのですが、この点からも未だ職場で長時間労働を強いられている人が非常に多いと言うこと、そして当の本人や家族はそれを望んでいるわけではないと言うことがうかがえるような気がします。
まあ子供がいるから早く帰してと言われると少子化も進行する今の時代、色々な方面から反発を招きかねないところではあるのでしょうが、家庭生活を犠牲にして企業戦士(と言う言葉もすでに死語ですが…)としての活動に専念すると言うライフスタイルが今の時代、どれほど広汎に受け入れられているものなのか?と言う疑問は改めて考えてみてもいいように思いますね。
医療の世界でも特にメジャー診療科の医師などは昔から家庭生活崩壊が当たり前と言う空気がありましたが、学生や若手医師のマイナー診療科志向の高まりも今さらの話題となっていて、ほとんど院内で生活しているような人生を当たり前に許容する人ばかりでもなくなってきていると言うことでしょうし、少なくとも過労死しかねないような労働環境を大好きだと言う医師はそうそうはいないでしょう。
幸いにも医師の労基法違反であっても労基署がきちんと動いてくれるようになったとは最近しばしば聞く話ですが、世間的にはすでにもう少し先のところまで事態が進んでいるのだそうで、先日はこんなケースが紹介されていました。

「夫が言えぬなら私が言う」労基署に行く妻たち 子供のサービス残業を告発する親も(2017年6月7日日経ビジネス)

 広告代理店最大手、電通の社員自殺事件を機に、国を挙げて働き方改革が加速している。それに伴い、かつてなく強化され始めたのが、過重労働を放置する企業への取り締まりだ。
 労働基準監督署は労働者からの情報提供によって、違法残業している事業場を特定していく。2015年に労働基準監督署が全国で立ち入り検査した事業場は15万5428件に達する。その約7割で違反が発覚し、1348社が総額99億9423万円の未払い残業代を支払う結果になった。
 労基署に情報提供するにはどうすれば良いのか。直接労基署を訪問したり、電話相談したりする方法がある。電話や窓口による相談は年間約120万件にもなる。このほか、労基署のウェブサイトに届く情報も大量にある。多くは社員や元社員など関係者からによるものだ。ある監督官は「会社に不満を抱えていて我々に相談しにくるケースもある。捜査対象の見極めがとても大事」と打ち明ける。同じ事業場から同様の相談がきたり、過労死の危険性が高そうな事案が優先的に立ち入り検査の対象となる。

 実は労基署への通報者は本人だけではない。最近増えているのが家族からの通報だ。本人が望まない形で労基署が立ち入り検査のきっかけとなる通報もある。
 「息子の帰りが遅くて心配です。調べて頂けませんか」。中堅広告代理店に勤める若手社員の親が、息子の帰りが遅いと心配になって通報してきたケースだ。たしかにその息子の会社は残業時間が長い職場だったが、本人はその働き方に満足していた。
 この親の通報が功を奏したのか、ある日労基署から会社の代表電話に連絡があった。社長は残業代を全て払っていたので、思い当たる節はない。特に対応する必要性を見いだせず、無視することにした。すると、また2週間後に連絡がきた。
 この時点でやっと人事担当役員が弁護士に相談した。その弁護士が「放っておくと、役員が送検される可能性がある」とアドバイスされた。自分の身に危険があると分かった役員は慌てて、社長に報告し、労基署へ連絡した。
 数日後、労基署がやってきた。出勤簿を確認すると、長時間残業がひと目で分かる。労働基準法は全ての事業所に対し、従業員の所定労働時間は「1人当たり週40時間」までとするよう定めている。もっとも、現実問題としてこれで仕事が終わる企業は少ないので、そうした事業所は「時間外・休日労働に関する協定届(通称:36協定)」を労基署へ提出することで、「1人当たり月45時間」までの残業が認められる仕組みになっている。これでも足りない企業は「36協定の特別条項」により、年に6カ月間に限り、労使間で自由に残業時間を設定することが可能だ。この会社は特別条項は結んでいなかった
 だが社長は「残業代払っているのに何が悪い」と開き直った。あっさりとクロが確定してしまったため、労働基準監督官から是正勧告書が手渡された。
 勧告署に従って、改善することになったのだが、社員にとって喜ばしいものではなかった。社長は社員に対し21時以降の残業を禁止した。そのため残業代が支払われなくなり、社員の月給が15万ほど下がった。残業代を見込んで生活設計していた人も多く、稼ぎたい人を中心に辞めてしまった。社員同士で飲みに行くことも減り、コミュニケーションも悪くなった。中堅広告代理店の社長は「社員が望んでいないし、もう少し柔軟な働き方を認めてくれたら」と愚痴をこぼす
(略)
 こうした家族からの通報が増える要因のひとつとして、過労死予防に対する世間の関心の高まりがある。インターネットで検索すると労働基準監督署への情報提供方法を指南するサイトもある。弁護士が「相談、着手金無料で残業代を取り返します」といった宣伝文句で社員や家族を煽る例もある。社員の満足度を高めるだけでは足らず、家族までもケアしなければない。企業にとっては大きな課題だ。

いやまあ、21時以降も当たり前に残業している体制を柔軟な働き方と言っていいのかどうか、むしろ仕事以外何もない日常で生活が硬直しまくっているのではないかと言う素朴な疑問もあるのですが、記事にもあるように当事者はしばしば問題意識が乏しいものであり、そうであるからこそ雇用主にとっては長時間労働の利便性が高かったとも言えるのかも知れません。
残業問題で常に話題になるのが一つには記事にもあるように残業代が減ることでむしろ嫌がる労働者もいると言う点、そしてもう一つが単に仕事が遅いだけでダラダラと居残っている人の方が多くの残業代を稼ぐのはおかしいと言う点ですが、この辺りは労働報酬体系の問題であったり、そもそも人生における家庭生活の位置づけの問題であったりだとも言える話で単純明快な答えはないものなのだろうとも思います。
ただ一方で雇用主から望まない長時間労働をを強いられ、過労死にまで追い込まれてしまう方々も現実にいらっしゃるわけで、近ごろ多いセクハラ訴訟にしばしば見られるように「嫌がっているとは思わなかった」と言う認識のズレを改めるにはどうしたらいいのか、嫌がっている人に過重な時間外労働を強いずにすむ体制になっているのかと言ったことも検証しておくべきなのでしょうね。

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2017年6月 7日 (水)

やれる状況になくやってもいないはずの犯罪行為で連行される事件が発生

このところ世間を大いに賑わせているのが、都内の電車で発生したこちらの事件です。

「何を言っても女の意見だけで痴漢が成立する」 平井駅で痴漢冤罪? Twitterで多数の無罪証言も男性は警察に連行(2017年6月5日ねとらば)

 6月3日0時10分ごろ、総武線平井駅で客同士のトラブルが発生し、最大22分の遅延が発生しました。外国人とみられる女性が痴漢被害を訴えたことが原因とされていますが、現場を見ていた人からは「痴漢冤罪だ」「男性は無実」とする多数の証言が寄せられています。
 Twitterの情報によると、乗車当時この男性は片手でスマートフォンを使用しながら、もう片方の手で吊革をつかんでおり、両手がふさがった状態でした。一方、女性は男性に痴漢されたことを主張して殴る蹴るの暴行を加え、非常停止ボタンを押し通報。周囲の乗客は男性が無実であることを主張したものの、到着した警察は男性を電車から下ろし連行したそうです。
 実際にこの男性が痴漢を行ったのか、女性の勘違い(または故意)によるぬれぎぬなのかは不明。警視庁と平井駅を管轄する小松川署にも取材しましたが、回答は得られませんでした。

 この件についてTwitterでは、一部始終を見ていたユーザーから「見てて気分が悪かった」「(証人をにらむ)警察の目が忘れられない」「警察はどんなに無罪主張が多くても、疑われた人を逮捕する」といった声が挙がるとともに、広く拡散。また、痴漢を疑われた人が線路に逃げる事件が多発していることを踏まえ「そりゃ線路にも逃げたくなる」という声も。また、“女性を罰するべき”とする意見も多数挙がっているようです。
 電車内の痴漢は、5月15日に痴漢の疑いをかけられた男性が電車にひかれて死亡し、逮捕までの流れを問題視する声が挙がるなど、社会問題になりつつあります。また、根本原因ともいえる満員電車の解消や、男性専用車両導入なども望まれ続けています。


東京・江戸川区で「痴漢騒ぎ」により電車停止、視聴者撮影(2017年6月5日TBSニュース)

 怒号が飛び交う、駅のホーム。この映像は、3日午前0時すぎ、東京・江戸川区のJR総武線・平井駅で撮影されたものです。この騒動の発端となったのは、ある「痴漢騒ぎ」でした。
 警視庁などによりますと、総武線・津田沼行きの車内で、中国籍の20代の女性が「30代の男性に触られた」と痴漢の被害を訴えました。居合わせた人が非常停止ボタンを押したため、電車はおよそ20分にわたり、平井駅で停車したのでした。

 「被害に遭われた方いらっしゃいますか?」(警察官)
 「全員被害者だよ!みんなだよ!みんな!」

 その後、警察官が男性から事情を聴くため任意同行を求めますが、男性は興奮している様子。それもそのはず、この騒動の直前、被害を訴えた女性が「自分の顔にこの男性の肘が当たった」と主張し、男性の腹部を蹴ろうするなどのトラブルがあったのです。そして突然、女性が「男性は痴漢です」と叫んだのでした。
 しかし、この一部始終は近くにいた複数の人が見ていました。
 「『この人やってないんだからいいじゃん、もう終わらせろよ』という怒号も聞こえた。証人と思われる人たちも1、2人ついていった感じです」(近くの車両に乗っていた人)
 目撃者たちが男性とともに任意同行に応じ、「男性の無実」を証言。彼らの証言が決め手となって痴漢の疑いは晴れ、男性は帰宅したということです。

混雑する電車が長時間の停車を強いられるなど多くの人に少なからぬ影響もあったこの騒動ですが、幸いにも痴漢の疑いは晴れ無事に帰宅出来たのはよかったとして、そもそも多数の目撃者も存在し物理的にも痴漢など行えそうにない状況である中で、何故こんな大騒動になったのかと誰しも疑問に感じますよね。
痴漢を巡る冤罪騒動と言えば2009年に新宿駅で発生した痴漢騒動に絡んで暴行事件があり、被疑者の自殺と言う悲劇的な結末を迎えた一件が有名ですが、今回もこうした騒動が発生したと言うことで改めて痴漢冤罪の恐さを再認識したと言う人が多いのも当然と言えば当然でしょう。
ちなみに今回の事件で大勢の人々がこれだけ長時間不本意な拘束を強いられたのですから、損害賠償請求なりをすれば総額ではそれなりの金額になるのではないかとも思うのですが、この場合誰を対象に損害賠償請求をすべきなのかで意見が分かれるかも知れませんね。

このところ痴漢騒動と言うものが妙な形で話題になることが多いと言うのも先日以来紹介している通りなのですが、警視庁や鉄道会社もとうとう痴漢対策に乗り出していると報じられているものの、では一連の痴漢騒動のどの部分に力点を置いて対策するのかと言う点が問題ですよね。
例えば痴漢防止対策として完全に車輛を男女別に分けた方がいいのではないかと言う意見が根強いのですが、ではその区分を間違って(あるいは無視して)乗り込んでいた人が痴漢だ痴漢だと大騒ぎし始めた場合にどうなるのかで、まさか車輛を間違えたから痴漢されても仕方がないとも言えず難しいところだと思います。
このところようやく電車内への防犯カメラ設置の動きが出てきていて、表向きは痴漢など迷惑行為の抑制やテロ行為の防止などを目的としているとのことですが、当然ながら痴漢冤罪と呼ばれるものへの対策にもなる可能性も高く、その利用に当たって先に挙げた新宿でのケースでは防犯カメラの映像が適切に取り扱われなかったことも大いに教訓とすべきですよね。

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2017年6月 2日 (金)

うっかりボタンを押してしまうと契約成立に

未だにこういうものに引っかかる人も少なくないのでしょう、先日こんなニュースが出ていました。

金払わぬと中国に連れて行く…青森の40代女性被害(2017年5月29日毎日新聞)

 青森県警五所川原署は29日、津軽地方の40代女性が「有料サイトの登録料を払わなければ、中国に連れて行く」などと脅され、8回にわたって計816万円をだまし取られたと発表した。女性は、中国の国営新華社通信と同じ呼称の会社に未納料金があるとも言われたといい、県警は新たな手口の詐欺事件とみて警戒を呼びかける。

 女性の携帯電話に今月、「有料サイトに登録されている」と男の声で複数回連絡があった。女性は東京都内の住所などに計506万円を送金。その後「シンカシャツウシン」に電話するよう言われ、かけると片言の日本語を話す男から「310万円を払わなければ中国に連れて行く」とだまされた。知人に相談し、被害が発覚した。【一宮俊介】

しかし今さら紳士録商法に引っかかる人もそうそういないのでしょうが、こういった有料サイト云々と言われると良く判らないまま言いなりに支払ってしまう人も多いのはやはりネットが未だ身近でないと言うことなのか、年代別でこうしたものの被害の会いやすさを調べて見ると面白いかも知れませんね。
管理人などは風の噂として伝え聞くのみですけれども、怪しげなサイトでうっかりリンクを踏んでしまったところ入会に同意したものと見なされ高額な入会金を請求されと言ったワンクリック詐欺の被害者も未だ少なくないようで、こうした一方的な契約(とも言えないものですが)はそもそも無効であり、頭から無視して構わないと言うことになっています。
ところが先日報じられた民法改正に関連して、よくよく見てみるとこんな気になる話も出ていたことを御覧になった方もいらっしゃると思いますが、まずは記事から紹介してみましょう。

「同意ボタン」で契約成立、敷金は原則返還……120年ぶり民法改正で変わる“ルール”(2017年5月29日産経新聞)

 契約のルールを明確化する改正民法が26日、参院本会議で可決、成立した。取引条件を示した「約款(やっかん)」に関する規定の新設などが柱。契約に関する規定の大半は明治29(1896)年の民法制定から変わっておらず、約120年ぶりの抜本改正となる。
 周知のため施行は約3年後となる見通し。改正法では、約款が消費者が一方的に不利になる内容であれば無効となる。また、第三者の個人が企業向け融資の保証人になる際、公証人による意思確認を義務付けた。
 未払い金の消滅時効を原則「請求できると知ったときから5年」に統一することや、認知症の高齢者など判断能力がない人が結んだ契約は無効と明記することなども盛り込まれている。

 契約のルールが大きく変わることになった。今回の改正は、インターネット取引の普及といった社会の変化に対応しつつ、判例などで定着したルールを条文に明記し、国民に分かりやすい法律にするのが狙いだ。(滝口亜希)
 改正の柱の一つが、約款に関するルールの新設だ。
 「お試し価格500円の健康食品を注文したら定期購入になっていた」。国民生活センターにはネット取引をめぐる相談が多数寄せられている。商品を購入する際などに表示される取引条件が約款だが、小さな文字で書かれていて「注文時に気付かなかった」という声も少なくない

 これまでの民法には約款に関する規定がなかった。改正法では、ネット取引の「同意する」ボタンを押すなどして消費者が合意した場合や、契約内容として事前に約款が示されていた場合には、消費者が内容を理解していなくても約款が有効であると明確化する。
 ただし、消費者に一方的に不利な契約内容は無効となることも明記し、消費者保護にも配慮した形だ。
(略)

世間では簡潔に「同意ボタンを押すだけで契約成立」と報じられているこのニュース、考えてみるといわゆるワンクリック詐欺などもちょいと済みの方に約款を掲示するなどサイトの体裁を整えるだけで、形の上では契約成立の条件を整えられてしまうと言うことになってしまいそうですよね。
ここで問題になるのは「消費者に一方的に不利な契約内容」とはそもそもどのようなものなのかですが、世間一般には流通していない成人向けのケシカラヌ内容の画像や動画などを一定程度の料金で提供すると言う契約が「消費者に一方的に不利」なものと認識されるものかどうか、これはなかなか微妙なところであるような気がします。
当然ながらそうしたサイトにアクセスする時点でそうした目的を持って自ら能動的に契約締結を求めていると判断されるでしょうし、また画像の内容が料金と照らし合わせて妥当かどうかの判断も難しいところで、例えば市販されている写真集程度の健全かつ合法的な画像ばかりでも、それが何千枚とあれば市価に照らし合わせて数万、数十万程度の料金は妥当と考えられるのかも知れませんね。
実際にところは現時点でワンクリック詐欺などを展開しているサイトはこうした条件を満たしているとは到底思えませんが、詐欺と言うものの性質上法律の抜け道を突いてくるように臨機応変に変化していくはずですから、近い将来ワンクリック詐欺としても機能し、あわよくば合法的とも認定されるような体裁を整えたサイトが続々と登場してくるのかも知れませんね。

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