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2020年6月 9日 (火)

コロナ感染症においても再燃する陰性証明・治癒証明問題

コロナウイルス感染症について、先日は厚労省からようやく唾液でのPCR検査を容認するとの発表があり、今後はPCRの検体採取もずいぶんと安全かつ簡便に行えるようになるのではないかと期待されるところです。
その一方で岐阜県では県内医師の7割以上が保健所に検査を断られたことがあるとの調査結果が公表されていて、「医師が必要と思ったら全て検査をしている」との従来の県の発表と食い違いが注目されています。
ともかくも国としても検査自体は増やしていく方針と伝えられていますが、このところPCR検査の限界を思い知らされる報道も相次いでいるようです。

新型コロナ:新型コロナ 無症状でPCR「非効率」 発症前日、陽性的中33% 米チーム研究(2020年6月1日毎日新聞)

 新型コロナウイルスの感染者が、発症する前日にPCR検査(遺伝子検査)を受けても、「陽性(感染者)」と判定されたのは3人に1人にとどまるとの分析を、米ジョンズ・ホプキンズ大のチームがまとめた。発症4日前では皆無だった。新型コロナは発症前でも感染力が強く、症状のない人も広く検査すべきだとの声もあるが、PCR検査だけでは感染者の特定に非効率で、今後、慎重論も出そうだ。

 チームは、欧米や韓国などで行われた7研究(患者数計1330人分)のPCR検査データを基に、発症前後で感染者を陽性と判定できるかどうかを分析した。
 その結果、発症4日前に陽性だったのは0%で、前日でも33%にとどまることが分かった。発症日でも62%で、3人に1人は陽性と判定されなかった。的中率が最も高くなったのは発症3日目の80%で、それ以降は低くなった。
 理由について、ウイルス量の変化や検体の採取方法上の課題が考えられるという。チームは「PCR検査だけに頼らず、医師の判断や濃厚接触の有無などを総合的に検討することが重要ではないか」としている。
 成果は5月13日付の米内科学会誌(電子版)に掲載された。【渡辺諒】

 ◇検査拡大に慎重論も 専門家「高額費用無駄の恐れ」

 発症前にPCR検査を受けても感染者の特定が難しいことが明らかになった。感染対策を目的に症状がなくてもPCR検査をすべきだとの声が医療機関などから上がり、検査を広げようとする動きがある。だが、発症前に感染者が「陽性」と判定される割合は少なく、「陰性」でも感染者が紛れ込む可能性も大きく、感染していないことの証明にならない。専門家は「検査をするなら、せめて精度が高まる発症者に行うべきだ」と指摘する。
(略)
 1回当たりの検査費は1万3500~1万8000円。感染症に詳しい大阪大病院の森井大一医師は「発症前にPCR検査をしても、患者を効率よく見つけられない可能性が高い。無駄に終わるかもしれない検査が、税金や保険料で賄われることは問題だ」と指摘する。【渡辺諒、河内敏康】

PCR陰性の感染者から広がった院内感染 精度に限界(2020年6月2日朝日新聞)

 PCR検査で新型コロナウイルス感染は「陰性」と判定された入院患者が実は感染しており、相部屋に移って集団感染につながった。そんな事例が神奈川県で起きた。PCR検査は拡充が求められている一方、精度には限界がある。感染を把握する確実な手段がない中、医療機関は院内感染が起きないよう、対応を模索している。

 救命救急センターを構え、地域医療の中核を担う小田原市立病院(神奈川県)。4月12日、発熱があった患者に医師の判断でPCR検査をした。新型コロナとは違う病気で入院予定だった。結果は陰性。念のために個室に入り、CT検査もしたが肺炎の疑いはみられなかった
 検査から1週間後、患者は他の患者もいる大部屋に移り、数日過ごして退院した。しかし、発熱が続いて再入院すると、PCR検査で陽性と出た。病院は翌日、前回の入院で患者が過ごした大部屋にいた患者や担当の職員を検査。計7人の感染が判明した。

 同様のことは後日、別の大部屋でも起きた。5月2日に新型コロナの感染疑いで入院した患者は、PCR検査で陰性。CT検査も異常はみられなかった。2日後に大部屋に移り、その後、この部屋の患者で発熱が相次いだ。大部屋に移った患者を含め、患者計7人の感染が確認された。
 感染拡大の詳しい経緯はわかっていない。ただ、病院側は、感染しているのに検査で「陰性」と出た偽陰性の患者が、個室から大部屋に移って感染を広げたとみている。
(略)

今も一部メディアなどではとにかくPCRをと言う主張を繰り返しているようですが、PCRに限らず何の検査であれ限界と言うものはあり、それを超えた部分では検査をすることの弊害も出てくるものです。
特にインフルエンザなどにおいても見られることですが、コロナウイルスに関しても感染していないことを証明するために検査をしてくれと言う受容は一定数あり、それを請け負っている医療機関もあるのだそうです。
そもそも論としては非科学的な陰性証明を求める職場などが非常識と言うことなのですが、流行前にたまたま国外に出ていた方々が陰性証明がないと再入国出来ないと言った事例もあると言いますね。
検査の限界を知っていれば陰性証明など無意味だと理解できる話ですし、むしろ危険な免罪符を与えかねないリスクすらある話で、せめて国内においては公的に禁止していただきたいものです。

この点でコロナウイルスの場合、流行の初期段階で感染者の隔離の様子が全国的に日々報じられ、最終的にPCRで陰性を確認すれば隔離解除と言う流れが知れ渡っていることが混乱の原因でもあります。
この場合はあくまでも感染者を対象とした話であり、なおかつ現在では隔離解除に当たっても必ずしもPCRでの確認を行わない場合もあると言うことで、いずれにせよ専門家による判断に基づくものですよね。
なお厚労省としては感染者の場合も治癒証明の類いは出さないし、請求させないと言う通達を出していますが、興味深いのは大学など公式サイトで堂々と治癒証明書を出せと言っている事例も多いことです。
医療現場としては証明書は出さない、職場等から求められた場合は保健所等に相談をと言う病院が増えているようですが、場合によっては出すと言う施設もありで、対応にも迷いがあるようですね。

インフルエンザの場合ですが厚労省の通達もあり、各地の自治体で公立学校での登校再開にあたって治癒証明の要求は止めにしようではないかと言う話は、すでに以前からあったと言います。
興味深いのはこれに反対したのが地域の医師会であったと言う説があることですが、地域の開業医にとっては流行期の証明書発行も立派な手間賃であり、一定の収入源であったと言う側面もあるでしょう。
これに対してコロナの場合はそもそも地域の開業医が扱う状況にはなく、大規模基幹病院に患者が集まっている関係上、いわば医療機関側が強い立場で主張出来るとも言えます。
ただでさえコロナ対応で忙しいのに、厚労省がいらないと言っている治癒証明まで書けるかと言えばそれが通る状況ではあるでしょうが、板挟みになった学生さんなどは困る状況でもありますね。

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