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2020年5月26日 (火)

コロナ騒動で医療の世界も収入源の問題が

コロナ騒動で医療現場も受診抑制が起こっている中、先日こんなニュースが出ていました。

コロナ重症者の受け入れ、診療報酬3倍に 厚労省方針(2020年5月24日朝日新聞)

 厚生労働省は、新型コロナウイルスの重症者の入院治療をした病院を対象に、収入となる診療報酬を通常時の3倍にする方向で調整に入った。新型コロナ感染者を受け入れた病院の経営が急激に悪化しているため、4月に報酬を倍増させた特別対応を強化して感染の再拡大に備える。

 新型コロナは指定感染症のため、入院料について患者の自己負担は発生しない。厚労省は月内に中央社会保険医療協議会を開き、重症者を受け入れる集中治療室(ICU)の入院料を通常時の3倍となる1日24万~42万円に引き上げるといった案を示すことを検討している。

 すでに4月18日からICU入院料を通常時の2倍にするとともに、重症者以外の新型コロナ患者を治療した病院への報酬も上積みする対応をとった。ただ、今月に入り、病院団体がコロナ感染者を受け入れる病院の4月の平均利益率が10%を超える赤字に転落したとの調査結果を発表。重症患者の治療に人手がかかるうえ、院内感染を防ぐために受け入れ患者の数を減らしたことが収入減につながっており、報酬をさらに上乗せすることにした。(久永隆一)

患者側の自粛と医療機関側の受診抑制の双方が相まって、昨今どこの医療機関でも収入が大幅に落ち込んでいると聞きますが、これに対して感染防御対策などでコストは今まで以上にかかっていると言えます。
コロナ患者を診療しているか否かに関わらずこれらの問題は共通で起こっていることで、今回のようにICU入院料だけを引き上げても意味がないと言う指摘も少なからず出ているのは当然と言えば当然でしょう。
ただ世間的にはコロナ騒動の影響で収入が激減した、職を失ったと言う人も全く珍しくない中で、医療現場にだけ無制限に公費を投入できる状況にもないこともまた認めるしかないところではありますね。
国が意図的に残したい医療を重点的に救済しているのか、それとも単にイメージだけで適当に対策を講じているのか現時点では不明ですが、その影響はコロナ以降に顕在化するだろうと言う予測もあります。

コロナの影響と言えば医療現場の人材流動性が非常に活発化しているとも言えますが、早い話が感染リスクが高いのに待遇面で報われることが少ないと言った、割に合わない現場からの逃散だとも言えますね。
ただ前述のようにコロナ騒動でどこの医療機関でも収入激減に見舞われており、今の段階で転職先を探そうとしてもなかなか好物件が見当たらない可能性が高く、悩みながら勤務を続けている人も多いようです。
他方で非常に弱い立場であるが故に過度のリスクを背負い込まされながら働かされている人達もいて、その代表格として昨今取り上げられるのが大学院生などいわゆる無給医の立場にある方々です。

大学院生医師、動員に困惑 不安定な立場、収入ゼロも コロナの医療従事者(2020年5月18日共同通信)

 感染したら無収入になってしまうのでは―。大学病院で新型コロナウイルスと闘う大学院生の医師たちが、不安を抱えながら最前線に動員されている。現場を支える一員でありながら、都合の良い労働力として扱われることもある不安定な立場。労災が認められるかどうかも分からず、支援を訴える声が上がる。

 ▽「非常時だから」

 院生の多くは研修医を経て博士課程に進んだ30代。学費を支払い大学院に通いつつ、複数の病院でのパート勤務やアルバイトで生計を立てており、感染すれば収入が一気に絶たれる可能性がある。
 大阪大病院でパート医師として勤務する30代男性の院生によると、院生たちは発熱がある患者の診察や、PCR検査の検体採取に駆り出されており、感染リスクは高い。子育て中の人もいて「家族への感染や一家の大黒柱としての収入がなくなることに危機感を持つ同僚は多い」と話す。

 厚生労働省は4月下旬、業務中に感染した医療従事者については原則、労災を認定する方針を明らかにした。だが男性は「複数の病院で勤務しており、どこで感染したか特定できないのではないか。仮に労災が認められても、一つ一つの病院からの収入は少ないため、生活の足しにはならない」と悲観的だ。
 懸念を抱えたまま、男性らは病院から新型コロナ患者専用の病棟勤務を求められている。男性によると、院生の大半は週5~20時間労働で契約しているため、病棟勤務となれば契約を大幅に超過する見込みだ。
 残業代を申請しても無給の時間が発生する恐れがあり、他の院生と共に契約時間の拡大などを病院側に求めたが「非常時だから」と断られたという。

 ▽行政に支援要請を

 労働実態がありながら給料が支払われない「無給医」問題に詳しい荒木優子(あらき・ゆうこ)弁護士(第二東京弁護士会)は、大学病院では院生の診療が労働と扱われず給与や補償が不十分な場合があると指摘。感染拡大防止のため、大学病院からバイトを禁止されて新型コロナの診療に専従させられるケースも出ているという。
 「特別手当を支給しなければ、生活不安から大学を辞めてしまう院生も出てくる。そうなれば、病院の医療態勢にも影響する」と話す。
 大阪大病院は、院生を含め新型コロナの診療従事者に1日当たり4千円の特別手当の新設を急いでいるが、一般患者の受け入れや手術数を制限したため病院全体の収入が減っており、総務課の担当者は「不安解消に対応しきれていない面はある」と認める。
 荒木弁護士は「労働実態に見合った補償を受けられるようにするのは、病院として最低限の措置だ。予算面で難しい場合は行政に積極的に支援を求める必要がある」としている。

しかし1日4000円とはふざけているのかと思うような話ですが、それすらも支払われない方々も大勢いらっしゃるようで、「非常時だから」などと言う言い訳に至っては意味不明としか言い様がありません。
嫌なら辞めろと言うご意見も少なくないのですが、そもそも無給医などが発生する理由として学位などをネタに弱い立場を強いられていると言う前提があるので、これもパワハラ、アカハラの類とも言えるかも知れません。
問題なのは国としては先の記事のように診療報酬などで一定の手当をする意思はあるのでしょうが、それはあくまでも施設に対して支払われるもので、現場で苦労しているスタッフの手に渡る保証がないと言うことです。
特に医療の場合ガチガチの皆保険制度に縛られている以上この根管部分を易々と改めることは出来ず、実質タダで使いつぶせる労働力を手に入れられるのですから病院としても止められないのは当然ですね。

こうした状況を打開する方法論として何があるのかで、一例としてはスタッフにきちんと還元された場合のみ施設に割り増し報酬を支払うと言うシステムですが、確認がきちんと出来るのかどうかです。
医師の場合はドクターフィーを認めて働いた分だけ収入も得られるようにする方法もありますが、日医あたりが断固ドクターフィー導入に反対していることを考えると、何かしら名目は改める必要があるでしょうね。
金銭的な見返りもさることながら、こうした強制的動員によって感染した場合収入の道を絶たれいることが最大の問題で、万一の感染時の保証制度こそ最も急ぐべき対策と言えるかも知れません。
とは言えこうした保証なども含めてきちんとシステムを整備してくれるような施設なら最初から問題は少ないはずなので、こうした逆境でこそ勤務先としての各施設の信頼性があからさまになっているとも言えますね。

 

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コメント

そもそもPCR検査の検体採取については、点滴や注射などの処置と同様で
医師の指示の下で看護師や検査技師が行ってもよいとされているのに、なぜ周知されていないのでしょうかね?
それに唾液検体でもできるはずなのに、なぜ厚労省はいつまでも認可しないのでしょうか?
PCRセンターへ開業医が出動できる日時は限られてますし、
そもそも医者がやらなくていい仕事をリスクを冒して強要させられている事に疑義を感じます。

投稿: アンチ厚労省 | 2020年5月28日 (木) 17時38分

>一例としてはスタッフにきちんと還元された場合のみ施設に割り増し報酬を支払うと言うシステムですが、確認がきちんと出来るのかどうかです。

鳥取大学みたいに大学院生は労働者では無いから労災の対象では無いなんてことにして裁判起こされるケースもありますからね。
そもそもスタッフ扱いしていないのでは・・・

投稿: クマ | 2020年5月29日 (金) 07時39分

そこまでバカにされても大学にしがみつきたいのかな?

投稿: | 2020年5月29日 (金) 08時48分

大学で出世を目指す先生だけでなく、数年間大学院生として頑張ってきた先生方にもこの種の要求は拒否しづらいのではないかと思います。

投稿: 管理人nobu | 2020年5月30日 (土) 16時34分

>収入となる診療報酬を通常時の3倍

赤くなって 地に墜ちる未来しか見えません

投稿: | 2020年6月 1日 (月) 23時44分

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