« 今日のぐり:「東珍康(とんちんかん)」 | トップページ | 今日のぐり:「かすうどんKASUYA 倉敷店」 »

2020年4月13日 (月)

新型コロナが当たり前の感染症になりつつある結果

まあそうなんだろうなと思うのですが、先日救急系学会が合同でこんな文書を公開したそうです。

2学会「感冒・肺炎患者受け入れ増で救急崩壊」日本救急医学会・日本臨床救急医学会(2020年4月10日臨床ニュース)

 日本救急医学会と日本臨床救急医学会は4月9日、学会員や救急医療関係者に向け、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する文書を公開した。救命救急センターでは肺炎疑い患者の受け入れ増加に伴い、本来の重症救急患者の診療が不可能になる「救急崩壊」も起きていると説明。一方で、救急患者は全て、COVID-19患者として対応するよう求めている。
 「学会員からの救急医療体制の崩壊に伴う窮状を訴える声が寄せられている」と両学会。文書で、学会員ならびに行政関係者らにCOVID-19に関わる救急医療の現状と課題を整理している。また、学会員に対し、院内や自身の家族への二次感染リスクを減少させるため、全ての救急患者は発熱などの症状がない場合でもCOVID-19患者として対応するよう求めた。

発熱や呼吸器症状のある患者は、一般診療所等での診療を断わられることが多くなったため、救急医療機関とくに初期救急医療施設や ER 型救急施設では、COVID-19 疑いの外来患者への対応の負担が著しく増加している(COVID-19 の影響)
救急隊からの搬送依頼の中で、発熱や呼吸器症状を訴える患者を受入れる病院が少なくなっており、救急搬送困難事例が増加している(救急搬送困難)
その結果、肺炎疑いの患者等は、ほとんどの場合救命救急センターで受入れざるを得ない状況となっており、本来の重症救急患者の受入れができなくなっている(救急崩壊)


特に、心筋梗塞、脳卒中、多発外傷などの緊急を要する疾患においては、治療のタイミングを逸することが危惧される(救急崩壊)
その一方で、無症状、あるいは COVID-19 ではない疾患や外傷として受入れた救急患者が、後にCOVID-19 であったと判明する事例も増えつつあり、迅速検査の必要性が強調されている(迅速コロナ検査の必要性)
このような現状のなかで、救急医は外来診療から集中治療室での重症コロナ肺炎治療まで、初期、二次、三次救急のいずれの場面においても最前線に立って COVID-19 に立ち向かいつつ、救急医療体制を維持するために日夜奮闘している(救急医療体制の維持)
しかしながら、陰圧室の数は十分でなく、サージカルマスク、N95 マスク、ガウンなどの個人防護具は圧倒的に不足しており、救急医療に携わる医療者の安全が確保できないため、COVID-19患者への対応が極めて困難な段階に至っている。これは救急崩壊を加速しかねない重大な懸念事項である(個人防護具の不足)
(略)

関連各学会も相次いで類似のコメントを打ち出しているそうですが、これだけ患者数が増えてくれば医療現場のマンパワーに大きな負担がかかるのは当然です。
すでに海外では人工呼吸器を誰に使うかなど、限られた医療リソースをどう使うかに関してトリアージがなされており、患者の選別が行われている状況です。
これに対し日本では検査の段階で一定の選別が行われていて、先日もさいたま市の保健所長が軽症者で病床が埋まらないよう意図的に検査を控えていたと公表していました。
これも新型コロナを指定感染症とした結果、感染していると確認されれば入院隔離を行う原則があったからですが、今後はこの原則が順次改められることになりそうです。

東京 軽症患者などのホテルへの移送始まる 新型コロナ(2020年4月7日NHK)

東京では新型コロナウイルスに感染して入院している人のうち、軽症の患者や症状のない人の宿泊施設への移送が7日から始まり、都が借り上げたホテルに11人が入りました。
(略)
今後は、都の職員と看護師が24時間態勢で対応するほか、日中は医師も常駐し、毎日検温や健康状態の観察を行います。

滞在する人たちは基本的に客室の中で過ごし、食事の際は1階のフロントに置かれた弁当を自分で取りに行く形になるということで、午前中報道陣に公開された客室の内部はふだんと変わらず、廊下には「居室内でお過ごしいただき、出歩かないようお願いします」と書かれた紙が貼られていました。
費用は全額公費で賄い、24時間間隔を空けて2回検査を行い、いずれも陰性なら自宅に戻れるということで、滞在期間は平均で1週間程度になる見込みです。

東京都感染症対策課の岡本香織担当課長は「このホテルでノウハウを確立して取り組みを拡大し、重症の患者がきちんと医療を受けられる体制を作りたい」と話していました。

軽傷者を病院で受け入れずとも良くなったことで、病院の病床管理としては楽になると思いますが、その結果検査数を制限する方針がどう変わっていくのかです。
感染者であっても軽症であれば入院させずともよく、自宅なりホテルなりで隔離しておけば良いとなると、今後は検査件数を増やし積極的に感染者を把握するべきでしょう。
この辺りは従来の季節性インフルエンザなどと同様の方針と言えますが、そうであっても従来になく多くの感染症患者が医療現場に押し寄せてくることになります。
すでに各施設でも不要不急の検査や手術などを先送りする対応を取っていると思いますが、こうした動きが今後の働き方改革にどう影響するかも注目されますね。

すでに他の業界でも在宅勤務の推進に伴い、従来のような就労時間や残業代の計算方法では対応出来ないなど、数多くの課題が明らかになってきています。
医療現場の場合でも何が不要不急の医療行為か考える習慣を身につけた上で、従来少し無理をして行っていた行為も不要不急なら先送りする習慣が定着するかどうかですね。
日本同様国民皆保険制度を持つイギリスでは、一頃予定手術は数ヶ月待ちが当たり前だったそうですが、数ヶ月待てる手術であれば実際のところ急ぐ必要はないわけです。
診療ガイドラインなども今後は実際的なマンパワーの限界を加味した上で、無理なく現場で受け入れ可能な医療水準と言うものを見直す必要が出てくるかも知れませんね。

|

« 今日のぐり:「東珍康(とんちんかん)」 | トップページ | 今日のぐり:「かすうどんKASUYA 倉敷店」 »

心と体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 今日のぐり:「東珍康(とんちんかん)」 | トップページ | 今日のぐり:「かすうどんKASUYA 倉敷店」 »