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2020年4月27日 (月)

利益と不利益のバランスが崩れると、人は割に合わないと感じる

医療関係者のみならず話題になっていたのが、先日発生したこちらの事件です。

【独自】妻「たらい回しを懸念した」…男性がPCR検査隠して外科受診、医院は外来休止に(2020年4月22日読売新聞)

 新型コロナウイルスの感染の有無を調べるPCR検査を受けた事実を隠して受診した患者がいたため、茨城県古河市の松永外科医院が、14日から外来診療を休止していることが分かった。患者は翌15日に陽性と判明。たらい回しを懸念したといい、同医院の松永弘之院長(59)は「医療崩壊につながりかねない。感染が疑われているのに、連絡なしに来るのはやめてほしい」と訴える。

 患者は埼玉県の初診の男性。松永院長によると、足首の痛みなどを訴え、14日夕、妻に付き添われて訪れた。他の疾患は「ない」と回答したが、医院を出た後、妻から「実は今日PCR検査を受けた。たらい回しになると思い黙っていた」と電話があった。

 院長は埼玉県内の保健所に確認し、外来診療を取りやめた。ほかの患者はいなかったが、院長は濃厚接触者とされた。感染している可能性があるとは思わず、不足するマスクを使えなかったという。特段の症状はないが、一部の患者に電話診療で対応している。

昨今ピロリ感染疑いの患者が肩身が狭いのは事実で、救急搬送なども各地で受け入れ不能と断られた事例が報じられているだけに、心情的には理解出来る行動と感じます。
一部では患者が出た家庭に投石されると言った論外の事件も発生しているそうで、一昔前のエイズ差別などに通じる感染症絡みの差別が久しぶりに顕在化した印象ですね。
ただ今回の場合医院としては非常に大きな損害を受け、下手をすれば閉院ですから損害賠償ものですし、これが大病院であれば閉鎖で地域医療に多大な影響もあるでしょう。
このところ医療現場の混乱が報じられることで各地でサポートの動きも出ている一方で、現場スタッフに少なからず影響を及ぼすこんな困った風潮も出ているそうです。

医療従事者や家族へ差別か 「子どもの登園拒否された」(2020年4月26日朝日新聞)

 静岡市内の医療従事者とその家族らが、保育施設への登園を拒否されたり、タクシーの配車を断られたり、差別的な取り扱いを受けたとする複数の報告が市に寄せられていることが分かった。いずれも新型コロナウイルスの感染が拡大した4月以降の事例だという。

 市によると、市内の複数の医療機関から「医療従事者の子どもの登園を拒否された」や、夜勤後に病院にタクシーを呼ぼうとしたが「配車を拒否された」などの訴えがあった。病院職員の同居家族が会社から休むことやテレワークを指示された事例もあったという。

 市はHPを通じて偏見防止の啓発を行う一方、保育施設には差別防止を促す通知を出す予定だ。(中村純)

別に静岡だけではなく全国的に同様な風潮が少なからず見られるようで、先日も東京都知事がわざわざ懸念を表明したように決して軽視できる状況ではないようです。
明確な比較データはまだ出ていないと思いますが、海外ではすでに医療従事者の感染率が高いと言う話が報じられていて、患者に多く触れるのですから当然ではありますね。
ただ世間一般から見れば、医療関係者と言えばそれだけでコロナ感染のハイリスクとも言え、可能な限り接触を避けたいと考えるのもこれまた当然とは言えるでしょう。
この辺り人間心理としては当たり前の行動ですが、当然医療従事者へのサポートが減れば現場での仕事に支障を来し、事実離職者が急増しているとも報じられています。

コロナ疑い患者の救急搬送困難事例なども同様ですが、現状ではハイリスクの人間を受け入れることの利益に対して、ほとんどの場合不利益が大きすぎると言えます。
先日軽症患者も宿泊施設に収容するとした埼玉県で、当の宿泊施設業界から受け入れられないとのコメントが出たのも、利益と不利益のバランスがとれないからでしょう。
医療業界としてもこれだけリスクをとって患者の診療に当たっているのに、マスクやガウンなど満足な防御装備すら整わないと言うのでは、全く割に合わない話ですよね。
この辺りは国や自治体がある程度強制力を持って、各方面のバランスを調整していくしかないと思いますが、国内生産分のマスクくらいは流通完全管理でよいかと思います。

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