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2020年3月23日 (月)

なくなることで不要であることがはっきりするもの

このところのコロナ騒動の影響は全世界的に広がっていますが、先日イタリアでは医師国試を省略し医学生全員を半年以上前倒しで現場に投入すると言う「学徒動員」の方針が報じられ話題になっていました。
引退した医師にも復帰を呼びかけているそうで、それだけ根こそぎ動員が必要な情勢だと言うことですが、振り返って我が国では国試合格率が過去10年で最高であったと報じられていたのも出来すぎた偶然でしょうか。
転売禁止など世間を賑わせているマスク不足もますます深刻化し、神戸大では大学病院のマスクが枯渇し各人3日に1枚だけ配給されている状況だそうで、消毒薬不足なども含めて早く解消を願いたいものです。
そんな中で今回のコロナ騒動が思わぬ方向に影響していると言う事例があちこちで見られていますが、中にはむしろ歓迎すべき変化ではないかと言う話もあるようです。

ファイザー日本法人、MRら2000人が病院訪問自粛(2020年2月28日日本経済新聞)

米製薬大手ファイザーの日本法人は28日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎ社員の安全を確保するため、医薬情報担当者(MR)を含む全ての外勤社員約2000人が医療機関への訪問を自粛し、原則、在宅勤務に移行すると発表した。

ファイザー日本法人は肺炎球菌ワクチンや疼痛(とうつう)治療薬などを販売。外勤社員のうちMRは1971人と外資系製薬の中では大所帯だ。これまでは医師らに対面して医薬品情報を提供してきた。今後はメールやウェブ会議システムを活用して対応していく。
外勤社員以外にも内勤社員も含めた全社員(4513人)が基本的に在宅勤務に移行するといい、全社的な対応となる。期間は3月13日までの2週間だが、場合によっては延期も検討する。ただし医療機関から要請を受けた場合や緊急性がある場合には訪問する。

新型コロナの感染拡大は製薬大手にとって、製造や臨床試験などへのマイナス要因となり得る。今後の製薬事業への影響が不透明な中で、MRによる営業への制限を強いられている状況だ。
米アッヴィの日本法人も一部地域で在宅勤務を実施。米メルクの日本法人であるMSDも医療機関から訪問自粛の要請があれば従うとしており、柔軟に対応する。
国内製薬企業では、武田薬品工業が約2100人いるMRに対して在宅勤務を推奨。医療機関や特約店への訪問を控えるように呼びかけている。

製薬会社側が自粛すると言うケースもあれば、医療機関側から訪問自粛を要請している事例もあると言い、個別に見れば対応は様々ですが、総じて院内でMRを見なくなったと言う状況が広まっているようです。
表向きの理由としては各地を広範囲に飛び回っているMRがコロナウイルスを媒介し、医療機関内に広めてしまうリスクを懸念してと言うことですが、当然社内の感染防止対策なども考慮してのことでしょう。
病院側としてもせっかくウイルス持ち込み防止に四苦八苦しているところに、無遠慮に土足で入り込まれても迷惑でしょうが、MR側としては当然ながら商売あがったりであるとも言えますね。
結果的にMRから医師へのメールが通常の3倍にまで急増しているそうですが、これを機会に従来の足を使った売り込みからネット主体の宣伝広報戦略に移行していきたいと考える製薬会社もあるそうです。

今回の騒動でMRを見かけなくなった結果、改めてMRなど必要なかった、いない方がよほどすっきりすると考えている先生方も少なくないようですが、製薬会社の側としてもMR不要論はあるとのことです。
以前から治験などにおいて医師と製薬会社との不適切な関係が問題視され、ガイドラインに基づき商品説明会と称する接待や学会での飲食の提供などが次々と制限、廃止されてきたことは知られるところですね。
製薬業界としても広告宣伝コストの削減は課題であり、こうした一連の流れはコスト削減の観点からも歓迎すべき面もあることから、各社横並びであれば推進したいと言う思いが前提にあったと聞きます。
今回のコロナ騒動によるMRの訪問自粛も、MRの待機、移動のコストや人件費などを考えると歓迎すべき側面も少なくないと言えますから、一過性で終わらない可能性も少なからずありそうです。

医師の側からすれば尋ねたいことがあればその都度薬剤師なりに問い合わせればすむことであり、医局の外などで立ち待ちされても鬱陶しいだけであるとMR不在を歓迎する向きが少なくないようです。
無論MRに様々な便宜を図ってもらっていた先生などがもし存在するとすればまた別な意見もあるでしょうが、今の時代そうした先生方が決して多数派ではないでしょうし、社会的にも聞こえは悪い話でしょう。
そもそもMR最大の役割とは薬剤がらみで緊急性のある情報を確実に医師に届けることとされているそうですが、今の時代個別に訪問して伝えるよりも他の手段の方がよほど迅速性がありそうだとは思えます。
それだけに医療現場でMRの不在を嘆く声はほとんど聞こえてこないのも当然と言えば当然ですが、いずれにせよMRの役割も20世紀の頃とは変わって行かざるを得ないのだろうとは思いますね。

 

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コメント

立ち待ちのMRはいらないと思う。必要なら呼び出せばいい。

投稿: | 2020年3月23日 (月) 18時32分

これからはアポをとってプロモーション活動する時代になるでしょうかね。
個人的にはあの立ち待ち、嫌いじゃないですが・・・

投稿: クマ | 2020年3月24日 (火) 15時40分

さすがにただ通りがかるのを待つと言うのは今の時代非効率に過ぎるので、いずれにせよ何らかの営業形態変更が必要かと思います。
製薬会社としてはMRの人件費削減を望んでいるとも側聞しますので、その場合効率化と人員削減が同時並行となるのでしょうか。

投稿: 管理人nobu | 2020年3月25日 (水) 12時55分

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