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2020年3月

2020年3月30日 (月)

自粛すれば確実にあるデメリット、それを上回るメリットとは?

世の中何でも自粛自粛と言うご時世の中で、先日プロ格闘技団体が大規模会場での試合を予定通り開催したことが各方面から(主に批判的に)報じられています。
ただ格闘技関係者が口をそろえて証言するように、開催をしないと直ちに潰れてしまうほど金銭的に逼迫した業界事情もあるようで、難しい問題提起となっています。

格闘技K-1が政府と埼玉県の自粛要請を拒否してイベント決行 専門家は「感染が全国に広がる」と批判するが...(2020年3月23日J-CASTニュース)

きのう22日(2020年3月)、さいたまスーパーアリーナで格闘技K-1のイベントが埼玉県と政府の数回にわたる自粛要請を振り切って開かれ、6500人がつめかけた。大野元裕知事も「心配だから」と会場に駆けつけたが、それを拒否する形で開催が強行された。
主催者は、入場時にマスクを配布、万一に備えて入場者全員にチケット半券の裏に氏名や連絡先を記入してもらった。当初は1万5000人の観客を見込んだが、間隔をあけるため客席を9000人分に減らした。

しかし、順天堂大学大学院の堀賢教授は「マスクがあれば十分というわけではない。大規模なイベントには全国から人が来るので、ウイルスを持ち帰り、感染が地方に飛び火する恐れがある。大きなイベントはそれだけでリスクと考えた方がいい。専門家会議の緊張感が伝わっていない。けっして楽観できない」と警告する。
橋本五郎(読売新聞特別編集委員)「6500人はいくらなんでもリスクが大きい。一方で開催しないと倒産するイベントもあるから自粛要請を受けた当事者は大変だ」
安倍晋三首相は20日「イベントは主催者がリスクを判断して慎重に」と求めたが、中止しても何かしら補償するわけではない
(略)

風邪でもひいたと言えば未だに何か罹患した人間が悪いと言う風潮があるように、日本社会では未だに感染症も自己責任であると言う考え方が少なからずあるようです。
個人としての罹患リスクを受け入れるかどうかはある程度自己責任の側面もあるかも知れませんし、実際今回の試合を観戦した人々の多くもそう言っているようです。
ただ他人にもうつす可能性のある感染症は生活習慣病などとは異なり、自分だけではなく周囲の人間に対しても一定の責任を負っていることは忘れてはならないでしょう。
ほぼ完全確実な予防策があるならともかく、現状でそれがない以上は自己責任と言うだけではすまないので、下手をすれば民事賠償責任くらいは問われかねませんね。

今回の件に関連して、諸外国では外出禁止令と言う罰則も伴った公的な命令の形で出されているものが、日本では自粛と言う曖昧な話で終わっていると言う指摘があります。
命令であればそれを出した側が責任を問われるし、場合によっては公的補償をする必要もあるはずですが、自粛であれば当事者が勝手にやったことと言えると言うことです。
自粛と言われれば素直に自粛してしまう国民性を利用した小狡いやり方だと言う批判もありますし、現実的に収入源などデメリットがある以上、出来ない人もいるでしょう。
この点は後日どのような手段や名目であれ、自粛を求める側が何かしらお金を出すべきだと言う意見には一理あるし、そうでなければ社会不安が大変なことになりそうです。

一連のコロナ騒動の中で、某プロスポーツ選手が非常に判りにくい初期症状の段階で自己申告し、コロナ陽性と診断されたことが勇気ある行為だと賞賛する声も出ていました。
もし感染していると確定すれば自分だけでなく周囲にもデメリットばかりが大きい状況で、自ら可能性ありと申告すると言うのはなかかな出来ないことではありますね。
お隣中国では感染が発覚すれば厳しい隔離をされる一方で、発熱があると自己申告し診断が確定すればお金が出るそうで、隠すよりも公表することが利益になると考えれば感染実態の把握もしやすい理屈です。
人間誰しも損得勘定で動く部分がありますから、不利益を強いるなら利益も用意しなければ行動をコントロール出来ず、結局社会全体の不利益につながるのは当然ですね。

自粛をいつまで続けるべきなのか、基本的には確実な予防法なり有効な治療法が確立し、社会がコロナに対応可能になるまでのいわば時間稼ぎの戦略と言えます。
ただ現状では個人にしろ企業や団体にしろコロナ感染が発覚すれば不利益はありますが、中にはコロナを恐れて営業自粛をするよりリスクを甘受して営業を続ける方が損が少ないと言う判断も出てくるはずです。
自粛すれば感染の不利益を避けられるだけでは不十分な動機付けにしかならないとすれば、今後はそれに変わるどんな動機付けを用意出来るかでしょう。
また自粛自粛で倒産続出ともなればコロナは抑制出来ても国民は食っていけないと言うもので、自粛させる側にも利益不利益の見極めをした上での判断が求められるのは当然ですね。

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2020年3月28日 (土)

今日のぐり:「リヨン」

せっかくの新説があまりにも瞬殺過ぎだと話題になっていたのがこちらのニュースです。

2次元でも生命は存在できる! 物理学者が新説を発表(2019年6月28日space)

Point
■私たちの宇宙は3次元(空間)+1次元(時間)で構成されているが、たとえば2次元+1次元でも生命は存在可能なのだろうか?
■基本的な議論では、2次元という制約下では神経ネットワークなど複雑な3次元のシステムを再現できないため不可能とされている
■そんな物理学の常識に対して、生命に必要な複雑な構造が2次元上でも構成可能だとする論文が発表された

え? 物理学者ってまだその段階なの? 俺(私)の彼女(彼氏)は10年前から2次元生命ですけど?
そんな未来に生きる人たちにとっては常識でいまさらな議論が、論文発表され、『MIT Technology Review』に掲載された。
(略)

まさに冒頭で瞬殺ですが、理論自体はそれなりに興味深いものではあるのでしょうけれどもね。
本日は出落ちと言うべきでしょうか、あまりに早すぎる決着が話題となった最近のニュースを紹介してみましょう。

“ハトのエサやり男”執行猶予期間中にまた暴行…懲役1年2カ月の実刑判決(2020年3月28日メーテレ)

 名古屋市内の公園でのハトの餌やりを巡ってトラブルになった男性を暴行してけがをさせた男に懲役1年2カ月の実刑判決が言い渡されました。
 
 判決などによりますと、名古屋市南区の無職、村永義雄被告(64)は去年11月、南区の公園でハトの餌やりを巡ってトラブルになった男性2人に暴行を加えて鼻の骨を折るなどのけがさせました。
 27日の判決で名古屋地裁は「地域住民は村永被告がまいた餌の片づけに苦慮していたが、一方的に怒りを募らせた身勝手な犯行」と指摘しました。
 また、村永被告は3年前にもハトの餌やりを巡る傷害事件を起こしていて、犯行はその執行猶予期間中のものだったとした上で「被害者らに責任転嫁するかのような供述に終始し、自身の問題性に十分に向き合えているとはいえない」として懲役1年2カ月の実刑判決を言い渡しました。

 弁護側は控訴について「被告と相談して決める」としています。

まだ控訴する気があるのであれば、その前にもう少し改めるべき点もあるのではないかと思うのですがどうでしょうね。
こちらも昨今何かとトラブルが報じられることの多い行政絡みの話題ですが、それにしても早すぎると言う気がします。

新設の橋、低すぎた? 横浜・みなとみらいで観光船くぐれず(2020年3月24日カナロコ)

横浜・みなとみらい21(MM21)地区の運河に横浜市が建設している歩行者デッキ「女神橋」の高さが低く架設され、これまで航行していた船舶が通れなくなっていることが、23日分かった。本格的な行楽シーズンを前に観光船が営業できない事態に直面。一般のプレジャーボートの安全航行にも支障が生じる恐れがあるが、発注元の市は設計に問題はなかったとの立場を示している。

 女神橋は、横浜港の臨港パークとカップヌードルミュージアムパーク(新港パーク)を海沿いで結ぶ歩行者デッキ。延長は約75メートル、幅員は6・8メートルで、今年7月の完成を予定している。計画時の事業費は4億円で、国と市が負担する。
 市によると、女神橋の水面からの桁下高は、運河の約100メートル上流に架かる「国際橋」を基準に設計。同橋橋桁に記された「桁下高3・5メートル」との表示や、市の港湾計画や海図を根拠に、女神橋の桁下高を3・5メートルとして発注した。
 架設した今月18日、横浜港内の周遊クルーズなどを手掛ける観光船の運航会社が「女神橋をくぐれない」と市に連絡。翌19日に市が調べたところ、女神橋の桁下高はほぼ設計通りの約3・6メートルだったが、基準とした国際橋は実際には約4・2メートルで、女神橋が約60センチ低かったことが分かった。
 市港湾局の成田公誠政策調整課長は、国際橋を実測しないまま発注したことを認めた上で、「女神橋の桁下高を3・5メートルとした設計の考え方に問題はなかった。高さ3・5メートルよりも大きな観光船が通航していることは把握していなかった」と説明。「現状では架け替えは考えておらず、運航会社とは今後個別に協議する」とした。
(略)

いやそこは最悪架け替えも考えておけよと思うのですが、こうした場合行政は橋の高さを担保する責任があるのかどうかでしょうね。
こちらお隣中国から、やはり日本人はそう来たかと話題になっていたニュースです。

中国の新空母が就役、すぐに日本人に萌え擬人化される=中国ネット「草(日本語)」「伝統芸能」(2019年12月18日Record China)

中国で2隻目、国産空母としては初めてとなる空母「山東」が17日、就役した。これに関連し、中国版ツイッターの微博(ウェイボー)では、「山東が引き渡されると早速、日本人によって萌(も)え擬人化された」とする投稿が注目を集めている。

山東は17日午後、中国南部にある海南島の三亜で、人民解放軍の海軍に引き渡され、就役した。
投稿主は、「山東」と命名された新空母就役のニュースが伝わると、日本のツイッターに早速、兵器擬人化少女イラストを得意とするイラストレーターのくーろくろ氏によって擬人化された山東のイラストを紹介する投稿があったことを取り上げた。

このイラストについて、コメント欄には「萌える」「草(日本語)」「日本の伝統芸能」「ネギは?」「扇子は諸葛亮のイメージ?」「諸葛亮は山東出身だからかな」「日本人は三国志詳しすぎ」「大丈夫萌大奶(大丈夫だ、問題ない)」などの声が寄せられている。(翻訳・編集/柳川)

まあ確かに伝統芸能とも言うべきものかも知れませんが、よく色々と考えつくものだなとも思いますね。
最後に取り上げるのは身内の犯罪被害に対しての早すぎる解決が話題になっていたニュースです。

娘を盗撮された母親 犯人をボコボコにして警察に突き出す(2020年3月11日にこにこニュース)

メキシコにて14歳の少女が盗撮され、その盗撮行為を母親が目撃し犯人をとっ捕まえるという事件が起きた。メキシコの中部グアナフアト州セラヤのマーケットにてつい最近起きた事件だ。

母親は14歳の娘をつれてマーケットに買い物に来た。いろんな商品の棚を見ていると振り返った際に偶然スマートフォンを持っている男性を目撃した。
マーケットでスマートフォンを持っている人は多いが、この男性のスマートフォンの持ち方と姿勢が異常で、更にレンズは娘の方向を向いていた、。いわゆる盗撮だ。

母親は男性のところに向かって男性の胸ぐらを掴み、もう片方の手で男性の後頭部を掴んだ。すると母親は警察のように取り調べを開始した。母親は名前や職業を尋ねだしたのだ。
男性は働いている場所を答えるも母親は握っていた手に力を加えると男性は詳細な仕事内容まで答えた。男性に名前を言う様に尋ねると、男性は自分の名前を答えた。
母親は「変態行為がしたくて生まれてきたの?」と聞き、男性は警察が到着するまで抵抗できずにいた。警察が確認したところ、男性のスマートフォンには子供の女性を撮影した盗撮写真が多数保存されていた。また中には男の子の写真もあったという。男性は緊急逮捕された。

事件は娘が撮影した動画を、母親がSNSに投稿し世間に広まった。

まさにその画像を参照頂ければ一目瞭然ですが、しかし良いお母さんとは言えるのでしょうね。
もっとも相手によっては物騒なこともありますので、まずは周囲の人に助けを求めることを考えた方がよさそうです。

今日のぐり:「リヨン」

倉敷市南部の工業地帯の一角に位置するのがこちらのお店ですが、以前にお邪魔した時と同様に相変わらず(失礼)お客はいらっしゃらないようです。
老舗感漂う店内を見ても歴史と伝統を感じさせますが、親父さん一人でやっている小さなお店で穴場感はありますね。

昭和のフレンチと題して幾つかセットメニューが出ていましたので、カキフライのセットを頼んで見ました。
スープは前回同様見た目ごく普通のポタージュですが、チーズなのかやはり独特の酸味ある味が特徴で、結構うまいですね。
メインのカキフライは盛り付けもさすがに洋食屋とは違いますが、大ぶりなカキのデリケートな揚げ加減も特筆ものです。
それでいてボリュームは洋食屋並みにがっつりあり、食後のドリンクにオプションのデザートプレートでもつけたらもう大満足ですね。

しかしこの内容でこのお値段はお値打ちと言いますが、コスパ最強と言っていいと思いますが、その割に客足が振るわないようです。
想像するに一番の要因はやはり知らないと来られない立地の悪さではないかと思いますが、このまま穴場でもよいお店にも感じます。

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2020年3月23日 (月)

なくなることで不要であることがはっきりするもの

このところのコロナ騒動の影響は全世界的に広がっていますが、先日イタリアでは医師国試を省略し医学生全員を半年以上前倒しで現場に投入すると言う「学徒動員」の方針が報じられ話題になっていました。
引退した医師にも復帰を呼びかけているそうで、それだけ根こそぎ動員が必要な情勢だと言うことですが、振り返って我が国では国試合格率が過去10年で最高であったと報じられていたのも出来すぎた偶然でしょうか。
転売禁止など世間を賑わせているマスク不足もますます深刻化し、神戸大では大学病院のマスクが枯渇し各人3日に1枚だけ配給されている状況だそうで、消毒薬不足なども含めて早く解消を願いたいものです。
そんな中で今回のコロナ騒動が思わぬ方向に影響していると言う事例があちこちで見られていますが、中にはむしろ歓迎すべき変化ではないかと言う話もあるようです。

ファイザー日本法人、MRら2000人が病院訪問自粛(2020年2月28日日本経済新聞)

米製薬大手ファイザーの日本法人は28日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎ社員の安全を確保するため、医薬情報担当者(MR)を含む全ての外勤社員約2000人が医療機関への訪問を自粛し、原則、在宅勤務に移行すると発表した。

ファイザー日本法人は肺炎球菌ワクチンや疼痛(とうつう)治療薬などを販売。外勤社員のうちMRは1971人と外資系製薬の中では大所帯だ。これまでは医師らに対面して医薬品情報を提供してきた。今後はメールやウェブ会議システムを活用して対応していく。
外勤社員以外にも内勤社員も含めた全社員(4513人)が基本的に在宅勤務に移行するといい、全社的な対応となる。期間は3月13日までの2週間だが、場合によっては延期も検討する。ただし医療機関から要請を受けた場合や緊急性がある場合には訪問する。

新型コロナの感染拡大は製薬大手にとって、製造や臨床試験などへのマイナス要因となり得る。今後の製薬事業への影響が不透明な中で、MRによる営業への制限を強いられている状況だ。
米アッヴィの日本法人も一部地域で在宅勤務を実施。米メルクの日本法人であるMSDも医療機関から訪問自粛の要請があれば従うとしており、柔軟に対応する。
国内製薬企業では、武田薬品工業が約2100人いるMRに対して在宅勤務を推奨。医療機関や特約店への訪問を控えるように呼びかけている。

製薬会社側が自粛すると言うケースもあれば、医療機関側から訪問自粛を要請している事例もあると言い、個別に見れば対応は様々ですが、総じて院内でMRを見なくなったと言う状況が広まっているようです。
表向きの理由としては各地を広範囲に飛び回っているMRがコロナウイルスを媒介し、医療機関内に広めてしまうリスクを懸念してと言うことですが、当然社内の感染防止対策なども考慮してのことでしょう。
病院側としてもせっかくウイルス持ち込み防止に四苦八苦しているところに、無遠慮に土足で入り込まれても迷惑でしょうが、MR側としては当然ながら商売あがったりであるとも言えますね。
結果的にMRから医師へのメールが通常の3倍にまで急増しているそうですが、これを機会に従来の足を使った売り込みからネット主体の宣伝広報戦略に移行していきたいと考える製薬会社もあるそうです。

今回の騒動でMRを見かけなくなった結果、改めてMRなど必要なかった、いない方がよほどすっきりすると考えている先生方も少なくないようですが、製薬会社の側としてもMR不要論はあるとのことです。
以前から治験などにおいて医師と製薬会社との不適切な関係が問題視され、ガイドラインに基づき商品説明会と称する接待や学会での飲食の提供などが次々と制限、廃止されてきたことは知られるところですね。
製薬業界としても広告宣伝コストの削減は課題であり、こうした一連の流れはコスト削減の観点からも歓迎すべき面もあることから、各社横並びであれば推進したいと言う思いが前提にあったと聞きます。
今回のコロナ騒動によるMRの訪問自粛も、MRの待機、移動のコストや人件費などを考えると歓迎すべき側面も少なくないと言えますから、一過性で終わらない可能性も少なからずありそうです。

医師の側からすれば尋ねたいことがあればその都度薬剤師なりに問い合わせればすむことであり、医局の外などで立ち待ちされても鬱陶しいだけであるとMR不在を歓迎する向きが少なくないようです。
無論MRに様々な便宜を図ってもらっていた先生などがもし存在するとすればまた別な意見もあるでしょうが、今の時代そうした先生方が決して多数派ではないでしょうし、社会的にも聞こえは悪い話でしょう。
そもそもMR最大の役割とは薬剤がらみで緊急性のある情報を確実に医師に届けることとされているそうですが、今の時代個別に訪問して伝えるよりも他の手段の方がよほど迅速性がありそうだとは思えます。
それだけに医療現場でMRの不在を嘆く声はほとんど聞こえてこないのも当然と言えば当然ですが、いずれにせよMRの役割も20世紀の頃とは変わって行かざるを得ないのだろうとは思いますね。

 

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2020年3月21日 (土)

今日のぐり:「割烹バル 京ひろ」

このところのコロナウイルス騒動が各方面に波及する中で、思いがけない話題となっているのがこちらのニュースです。

疫病の流行防ぐ?妖怪「アマビエ」 「守って」…ツイッターで話題に(2020年3月12日西日本新聞)

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、熊本ゆかりの妖怪「アマビエ」がツイッターで話題だ。姿を描いたイラストの投稿が相次ぎ、関連するツイートは10日間で200倍超に膨らんだ。アマビエって何者?
(略)
 アマビエは、江戸末期の弘化3(1846)年、肥後(現在の熊本県)に現れたとされる妖怪。京都大所蔵の江戸時代の瓦版によると、同年4月中旬、肥後の海中に光るものが毎晩のように出現。役人が向かうとアマビエがおり、今後6年の豊穣(ほうじょう)を予言し、「もし疫病が流行したら、私の絵を描いて皆に見せよ」と言い残したという。瓦版に描かれた姿は、地面に着くほどの長髪で、体は人魚のようにうろこで覆われ、くちばしがあり、足は3本ある。

 同大付属図書館が6日、瓦版の画像を添付してツイートしたところ、瞬く間に拡散。「コピーがほしい」という問い合わせが相次いだほか、「私も描いてみた」「グッズを作った」「アマビエちゃん、疫病から守って」などのツイートが急増した。
 同館は現在、新型コロナの感染予防のため、学外からの利用を制限している。司書の梶山暢子さんは「暗いニュースが多い中、少しでもみなさんに楽しんでもらえればと思いツイートした。ここまでの反響は予想外」と話した。 (長田健吾)

その正体は謎に満ちているこのアマビエなる妖怪ですが、ひとまずは流行収束を祈念して不肖当「ぐり研」でもその絵姿を拝借させていただきました。
本日はアマビエの働きにお願いかたがた、世界中から思わず拝みたくなるような称讚すべき行為と話題になっていた人々のニュースを紹介してみましょう。

「ぬいぐるみがケガを」6歳女児の緊急通報に警察が神対応(2020年3月3日日刊ゲンダイ)

 6歳の女の子からかかってきた緊急通報に対する警察の対応が大絶賛されている。

 米FOX系の地方テレビ局KDVR(2月26日付電子版)などによると、コロラド州フォートコリンズで、小さな女の子から911番緊急通報があった。しかし、女の子は、緊急車両の派遣担当者と話す前に電話を切ってしまった。
 フォートコリンズ市警は電話の発信元がブリタニー・コールターさんの家であることを突き止めた。とりあえず状況確認のためにデーン・ストラットン巡査ともう1人の警察官を現場に急派した。
 2人が訪れると、家にはブリタニーさん、娘のナタリーちゃん(6)、それに祖母の3人がいて、全員無事。何の問題もなかった。

 事情を聴いているうちに、緊急通報したのはナタリーちゃんであることが判明。ブリタニーさんは、数年前に使用していたスマホをナタリーちゃんに渡して遊ばせていた。
 ブリタニーさんは通話サービスを停止していたので、安心して電話ごっこをさせていたが、緊急通報だけは使える仕組みであることを知らなかった。ナタリーちゃんはこれを使って通報したのだ。
 ストラットン巡査が通報の理由を聞くと、ナタリーちゃんはこう答えた。
「ぬいぐるみのバニー(うさぎ)がケガしちゃったの」
 この答えを聞いても、ストラットン巡査は怒ったり、バカにすることなく、ナタリーちゃんと話をし、バニーの〝傷口〟にバンドエイドを貼った後、最後にこう言い聞かせた。
「それじゃあ、君が必要とする時は、私たちがいつでも助けに来るってことは分かったよね?」
「でもね、ナタリー、バニーがケガをした時は911番しなくていいんだ。だけど、君がけがをしたり、ママがけがをした時には、絶対に私たちに電話しなくちゃいけないよ。いいね?」
「ママやおばあちゃんが病気になって911番する場合は、相手がいることを確認してから、なにが起きているかを説明するんだ。OK?」

 この時のやり取りは、録音されていた。
 フォートコリンズ市警は、小さな子供に911番緊急通報を教えるいい素材になると判断し、2月26日、フェイスブックに字幕を付けた音声データを公開した。
 この音声は市民の圧倒的な共感を得て拡散。4日間で2万4000回以上、再生されている。
 ストラットン巡査は、ナタリーちゃんに対する“神対応”についてKDVRにこう語った。
「子どもたちが警察を、私たちの任務を怖がって、助けが必要な時、警察を頼らない。これだけは絶対に起きてはならないのです」

なにやら昨今の日本でも是非見習いたいニュースですが、子供絡みとなると何かと厳格厳重な対応をするアメリカらしいとも言えますね。
同じくアメリカからこれも子供がらみの話なのですが、事情を知って全世界が絶讚したと言うニュースを紹介してみましょう。

昼寝をしながら4人の子供の遊び相手をするパパのアイデアに称賛の声(2020年1月2日テックインサイト)

(略)
12月23日にFacebookページ「Love What Matters」に投稿された1枚の写真が注目を集めている。写真を投稿したのは米コロラド州ラリマー郡フォート・コリンズに住むモニカ・ウェーバーさん(Monica Weber)で、そこには夫マイケル・ウェーバー・ジュニアさん(Michael Weber Jr)がソファーで昼寝をしている前で、4人の子供達が集まってスケッチをしている姿があった。

この写真には次のようなストーリーがあった。この日、モニカさんは食料品店に行きたかったが、大雪で子供達を連れて出かけるのは難しいと思ったようだ。そこで夫のマイケルさんがモニカさんを気遣って「4人の子供達の面倒を見る」と提案し、モニカさんは一人で買い物に行くことができた。
20分ほどして自宅に戻ったモニカさんは、家の中が散らかっていることもなく騒ぎ声すらしないことを不思議に思ったが、部屋の中を見るとソファーで眠るマイケルさんを取り囲むように子供達が彼の寝姿をスケッチしていたのだ。マイケルさんは子供達に自分の眠る姿を絵に描かせて、「一番優れた絵を書いた人にはチョコレートをあげる」という遊びをしていたようだ。

実はマイケルさんは看護師として働いており、12時間の夜勤シフトを終えて帰宅したばかりだった。しかしせっかくの休みの日も子供達の相手をしなければならず、仮眠もままならないはずだったが、彼は見事昼寝をしながら子供達の遊び相手をやってのけたのだ。
モニカさんはFacebookに「私が知る限りではマイケルはもっとも素晴らしい男性だと確信しています。彼は子供達に写生大会をさせていました。その間に彼はモデルとなってポーズを取っていたんです。絵の題名は“昼寝”です。優勝者にはチョコレートが贈られますが、今回の優勝者は間違いなくマイケルあなたです」と綴っている。このモニカさんの投稿には、6万件超の「いいね!」とこのようなコメントが3千件以上も寄せられた。
(略)
モニカさんは自身のFacebookに「私達の子供達は完璧ではありません。私達は仕事、家族、生活のバランスを取ろうとして大きな課題に直面することが日々たくさんあります。だから、この(課題をクリアした)小さな瞬間は祝う価値があるのです」とも記している。

子育てをした家庭であれば誰しも共感できる話でしょうが、しかしこれも昨今の日本では是非とも見習いたいニュースですね。
家族への思いやりと言うことでこちらお隣中国から、これまた大きな称讚の寄せられたニュースです。

「こんないい夫をどこで?」身重の妻を自らの背中に座らせる男性に称賛の声(2019年12月14日テックインサイト)

中国・黒龍江省鶴崗市公安局が、SNSに投稿した動画が感動的だと話題になっている。動画には、ある産婦人科で大きなお腹を抱える妻を自分の背中に座らせる夫が映っていた。『ETtoday新聞雲』『NOWnews』などが伝えている。

投稿されたのは動画アプリ「TikTok」だ。ある夫婦が妊婦健診に訪れたところ、診察室前の椅子は空いていなかった。大きなお腹で立ちっぱなしだった妻は足が疲れてしまったようで、見かねた夫はその場に座り込むと自分の背中に妻を座らせて飲み物を手渡した。
動画には「足が痺れて立っているのがつらくなった妊婦を自分の上に座らせる夫。しかし周囲は知らんぷり」とコメントが添えられており、妻思いの夫だけでなく、周囲の人々の冷たさも伝えたい意図があったようだ。
(略)

その献身ぶりは画像を参照いただきたいところですが、周囲の人々の冷たさと言うのは中国社会の暗部を反映しているのでしょうかね。
最後に取り上げますのはこちらブリからのニュースですが、昨今何かと物騒な世の中だけに身につまされるような話でもあります。

ロンドン橋殺傷 「ピンボール爆弾とナイフ」の相手に消火器で戦った(2019年12月2日BBC)

英ロンドン中心部で29日午後2時(日本時間同11時)ごろ、テムズ川にかかるロンドン橋のたもとで男が刃物で周囲に切りつけ、2人が死亡、3人が負傷した。

現場となった鮮魚販売業界団体の集会所「Fishmongers' Hall」では、元受刑者の社会復帰を支援する集会が開かれていた。ウスマン・カーン容疑者もこの集会に出ており、集会所内でナイフを取り出して攻撃を始めた後、外のロンドン橋上で取り押さえられ、到着した警官に射殺された。

集会所を運営する鮮魚販売業者の業界団体「フィッシュモンガーズ・カンパニー」の責任者、トビー・ウィリアムソン退役准将は、突然の非常事態にもかかわらず、集会所の職員などが椅子や壁にかかっていたイッカクの角、さらには消火器で、爆弾を身につけていると思われていた実行犯とどう戦ったかを話した。

イッカクの角で抵抗されるとはまさか犯人も思わなかったでしょうが、悲惨な事件の犠牲となられた方々に哀悼の意を表したいと思います。
これも日本でもいつ起こっても不思議ではない事件と言えますが、もはや安全は黙っていても手に入るものではないと言うことでしょうかね。

今日のぐり:「割烹バル 京ひろ」

岡山県倉敷市西部の玉島地区、湖岸の一角と言うなかなか眺めの良い一角にあるのがこちらのお店で、そのためか店外の席も広く取られているのが特徴ですね。
基本的には和食の割烹ですが洋食の手法や食材も柔軟に取り入れていて、特にパンケーキなど甘いものに関して評価が高いと言う噂を聞いています。

今回セットメニューを中心に頼んで見ましたが、単品で追加した藁焼き三種もりはサワラにサーモン、鰹と土地柄季節柄も感じられる選択です。
岡山名物と言うサワラちょいと焼きが強いですがうまいものですし、鰹もこの界隈でこの水準の味はなかなか食べられないと思います。
いずれも醤油やタレではなく塩でいただくと言うのは好き好きですが、この時期の脂がさほどのっていない鰹などはさっぱり塩が合うように思いますね。
セットメニューではチキン南蛮御膳を頼んで見ましたが、片栗粉を使ったチキン南蛮の衣はなかなかクリスピーで肉の味もよかったです。
サイドメニューのタイのカルパッチョは少し酢がきついかなと感じましたが、タケノコご飯はいい味加減でうまかったですね。

和食の店だが洋食系もいけると言うのは噂通りですが、全体としてこの値段でこの内容なら十分お値打ちではないかと感じました。
ただ時期にもよるのでしょうが基本的に予約客だけで一杯なのでしょう、飛び込みで入るとメニューなどかなり制約がある様子でした。
また接遇面ではお世辞にも上等とは言えないものですが、最低限の基本はお店の責任できちんと教えるべきかなと感じます。

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2020年3月19日 (木)

グルメサイト、公取委からイエローカード

以前から問題視されていた問題で、先日公取委がこんな報告書を公表したと報じられていました。

公取委、グルメサイトの実態調査報告書 11%が一方的な契約変更を経験(2020年3月18日産経新聞)

 公正取引委員会は18日、消費者がインターネット上で飲食店の情報を検索したり、感想や口コミを投稿できる「グルメサイト」の実態調査報告書を公表した。加盟する11・4%の飲食店が、グルメサイトから一方的な契約内容の変更を受けた経験があると回答。このうち68・8%が変更で不利益益を被ったとした。公取委は「独占禁止法に違反する行為には、厳正・的確に対処する」としている。
 変更の中身次第では、飲食店の収益に打撃を与えかねない。公取委は、グルメサイトが飲食店との協議を重ねずに一方的に契約内容を変更し飲食店に不当に不利益を与えれば、独禁法上の「優越的地位の乱用」にあたる恐れがあると指摘。変更の根拠を示しつつ、期間を十分にとるなどの対応が望ましいと提言した。
 また、検索時の表示順位をめぐっては、自店の情報が消費者の目につきやすくなるとして、92%の飲食店が表示順位を上げたいと回答。だが、31・5%の飲食店は表示順位などに不満や疑問を感じたとした。公取委は、グルメサイトは表示順位に関する重要な要素を可能な限り明らかにするとともに、飲食店間で公平に扱うなどの対応も必要とした。点数や星の数など飲食店の評点も同様とした。

 グルメサイトに書き込まれる飲食店の情報や口コミは、90・1%の消費者が店を選ぶ上で参考になっているとしたが、29・2%の飲食店が不利益を被ったことがあると回答。このうち53・6%がグルメサイトに削除や修正を求めたとした。
 公取委は、グルメサイトは客観的に情報が不正確と判断できる場合は削除や修正に応じるなど、掲載情報の正確性を高めていくことが望ましいとした。
 実態調査は昨年4月から今年3月にかけてアンケートと聞き取りで実施し、グルメサイトや飲食店、消費者などが任意で応じた。
 公取委の担当者は「独禁法違反の未然防止を目的としており、競争政策上の望ましい対応を示すことで事業者の自主的な改善を促していきたい」と話した。

グルメサイト、点数操作は独禁法違反 公取委が調査(2020年3月18日日本経済新聞)

公正取引委員会は18日、17社の飲食店予約サイトの実態を調査した結果を発表した。飲食店などがグルメサイトの評価点数や掲載順が不透明と訴えており、運営会社側が恣意的に操作すれば独占禁止法違反にあたる恐れがあるとした。公取委は違反事例をまとめ、自主的な改善を求める。便利さの裏側で、飲食店や消費者が知らぬ間に不都合を押しつけられている状況が浮かび上がった。

公取委は2019年4月から20年3月にかけて予約サイトや飲食店、消費者を対象にアンケートや聞き取りなどで調査した。社名は明らかにしていないが、カカクコムの「食べログ」や「ぐるなび」など主要社は含まれるとみられる。
公取委が目をつけたのは、グルメサイトで表示する点数や掲載順の決め方だ。例えば、あるエリアで飲食店を検索した場合、多くのサイトでは高額の手数料を支払うプランで契約している飲食店ほどサイトの上の方に表示されることが判明した。無料や低額のプランで契約している飲食店は、掲載順位が低いので検索しても消費者の目にとまりにくい。
公取委によると、運営会社側は飲食店が支払う手数料に加え、残席数や予約実績の多さなどの要素を加えて掲載順位を決めていると主張した。消費者の9割がこうした評価のしくみを知らずに使っており、公取委はサイト側に透明性の向上を求めた。ある特定の店の点数や表示順位を落とすことで高額プランに変更させるなどの行為があれば独禁法上の「優越的地位の乱用」にあたる恐れがあるとした。
この他にも競合他社のサイトで500円引きのクーポンを配信している飲食店に対して、それ以上の割引率のクーポン掲載を強制した疑いも見つかった。競合サイトに予約席の在庫を渡さないよう制限するケースもあり、いずれも独禁法に違反する恐れがあるとした。

飲食店の情報を掲載するサイトは、効率的に全国さまざまな店を探せる便利さから消費者に欠かせない存在になっている。調査では消費者の54%が飲食店を探す際に飲食店サイトを「必ず」または「大体」利用すると回答した。「ある程度」利用するとの回答を含めると9割を超えた。
飲食店にとってサイトからの予約は売り上げの大半を占めるため、不都合があってもサイトへの掲載をやめたり、対等に契約条件の交渉をしたりしにくい。公取委は違反例を具体的に示すことでまず業界の自主改善を促す。改善しない場合は、法執行も視野に入れる。

このグルメサイト問題、グルメサイトが一般化した頃から久しく話題になっていましたが、一つには一般利用者にとってその情報の信頼性がどうなのかと言う疑問が常に挙げられていました。
いわゆるネガキャンと言った意図的低評価やサクラによる不当な高評価などの問題もあり、昨今ではコメント掲載に様々なルールもあるようですが、ルールに沿って書かれたコメントなら信頼出来るのかどうかです。
またよく言われることとしてお金を沢山支払った飲食店ほど掲載順位が高くなるだとか、都合の悪いコメントは削除されると言った話があるそうで、高評価を求めて「上納金」を差し出さざるを得ないと言う声もあります。
店舗側としても例えば常連相手の商売で新規顧客を広く求める必要がない場合でも勝手に掲載されるなどトラブルが相次ぎ、グルメサイト側と紛争にまで発展した事例もたびたび報じられるところですね。

グルメサイトが一般化した頃はネットで検索すると言う行為が広く世間に普及していた時期で、まずは何でも検索してみると言うことが当たり前になったからこそ利用者が爆発的に増加したと言えます。
ただ昨今では別にグルメサイトに頼る必要はなくなっているのではないかと言う店舗側の意見も増えてきていて、実際に有料プラン解約など脱グルメサイトの動きがかなり広がってきているとも報じられています。
お金を出して掲載してもらうなら広告料であり、出費に見合う利益が上がらなければ掲載を打ち切ると言うのはグルメ情報誌など従来メディアでも全く同様の話で、ネット媒体だけ特殊と言うことではないと思います。

利用者側にしてもグルメ雑誌などで良いことばかり書かれていても額面通り受け取ることはないのに、グルメサイトは口コミだから本音が書かれているはずだと信じ込んでしまうきらいがあったようには感じます。
初期の頃には確かにそうした目的をうたっていたサイトもあるにせよ、現在はいずれも商売として運営されているものであり、グルメサイトの意向に沿ったコメントしか掲載されず、点数も恣意的に集計されているわけです。
実際の利用にあたってはコメント内容からどれだけ的確な評価がされているのか見抜く力も必要になりますが、それもあくまでも参考にしか過ぎず、実際に自分で食べて見ないことには判らないものですよね。
グルメサイトはせいぜい店の雰囲気を知るだとか、営業時間や平均単価などの情報しか利用していないと言う人も増えているそうですが、利用法として他媒体と同様に成熟してきているのではないかと感じます。

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2020年3月16日 (月)

疲れていればミスも増える、何の不思議もない話です

極めて当たり前と言えば当たり前の話なのですが、先日こんなレポートが出ていたことを紹介してみましょう。

研修1年目の勤務時間制限で医師の安全性を改善(2020年3月13日専門誌ピックアップ)

 米国で2002-07年または2014-17年の1年目研修医1万5276人を対象に、研修1年目の連続勤務時間を16時間に制限する2011年米国卒後医学教育認定評議会(ACGME)勤務時間規定による医師の安全性向上効果を前向きコホート研究で検討した。

 その結果、規定施行後に1カ月当たり24時間以上のシフト勤務の平均回数は施行前の3.9回から0.2回に低下した。自動車事故リスクは24%(相対リスク0.76)、経皮的損傷リスクは40%(同0.54)、注意力散漫の発生率は18%(発生率比 0.82)低下した。シフト勤務時間延長および週当たりの勤務時間延長は、2002-07年群と2014-17年群ともに有害安全性リスクと関連を示した。

どのような職業であれ16時間以上の連続勤務を強いられれば集中力も落ち、ミスも頻発するだろうとは容易に想像出来ますが、医師の場合その結果が問題です。
患者とすれば疲れ果ててふらふらの医師に自分の命を預けたくないだろうし、ましてミスが増えると判っていればなおさらで、頼むからしっかり休んでくれでしょう。
無論ごく一部のモンスターと言われる患者や家族のように、24時間365日いつでも医師は働いていて当たり前と言う心得違いをしている方々もいないではありません。
ただ特に日本の場合、ともすれば同業の先輩であるベテラン医師を中心に、若いうちは疲れ果てるほど働いて当然と言う考えが未だに蔓延して見えるのが問題です。

例えばスポーツの世界では、かつてはスポ根と言う言葉もあったように、ひたすら厳しいトレーニングを精神力でこなすことが良い成績をあげる道だと信じられていました。
無論スポーツも科学的に解析された結果、間違った方法や過度に過酷なトレーニングは成績を引き上げるどころか成長を阻害し、故障のリスクを高めるだけと判っています。
今時試合に負けたらウサギ跳びでグラウンド10周などと言うコーチもいないでしょうし、仮にいたとしても誰の支持も得らず指導者を続けられないだろうと思います。
ところが医療業界ではそれに類することを、未だに医療は特殊だから、自分たちがそうだったからと、後進に強いようとする先達が生き残っていると言うことですね。

医療の世界も久しく以前からエビデンスを重視する科学として発展している以上、若いうちの激務を推奨する人々はそれが何故優れているか根拠を示す必要があります。
現実的にはその真逆のエヴィデンスが数多いと言えますが、必死に新しいことを覚えようと頭が混乱しているのに、体まで疲弊していて学習効率が高まるはずがありません。
そんな当たり前のことが当たり前に通用しないのは、医療の場合若い先生方を研修の名の下にただ同然でこき使うことで成立している部分が少なからずあるからでしょう。
今後医療の世界も働き方改革を進めていかなければならないところですが、一部の人々の犠牲を前提にしなければ成り立たない医療はそろそろ終わらせるべきでしょう。

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2020年3月14日 (土)

今日のぐり:「百万両」

先日話題になっていたのがこちらのニュースです。

「ママ、意味が分からない…」 小2の息子が持ってきた問題に7万人の大人が『?』(2020年1月31日grape)

子供が成長すると日常生活の中で不思議と思う出来事から、学校の宿題まで知らない知識や分からないものを親に尋ねてくることがあるでしょう。
柑橘系生卵(@syina_namamono)さんも、ドリルの問題を解いていた小学2年生の息子さんから「ママ、意味が分からないから教えて!」と声をかけられたそうです。
その時のエピソードをTwitterに投稿すると、ネット上ではたくさんの大人が頭を悩ませる事態となりました。

投稿者さんの息子さんが「教えてほしい」と持ってきたのは、算数の文章題。
問題の文章を読んでみると…。
(略)
小学2年生の質問に多くの大人が頭を悩ませ、投稿には大喜利のようなコメントがたくさん寄せられていました。
(略)

どのような問題だったのかは元記事を参照いただきたいところですが、これは確かに二度見しても判りませんね。
今日は息子さんを慰労する意味で、世界中からなるほどそう来たかと想定の斜め上を逝く着想を紹介してみましょう。

外国人観光客が激減している京都の開き直りポスターがたくましすぎると話題に(2020年2月23日秒刊SUNDAY)

恐ろしい速さで拡大する新型コロナウイルスの影響で日本全体の観光地が閑散としており、どこもかしこも大打撃を喰らっています。どうしたものか...と頭を悩ませる人達が沢山いる中、開き直りともとれるたくましい(?)宣伝ポスターがSNSで話題になっておりました。

それぞれ、モンキーパークのサルが入ったポスターは「人間よりサルの方が多いとか久しぶり」。2018年台風で一部損壊し、復旧した渡月橋のポスターには「すいすい渡れてなんか、、、すいません。。。」いつも混んでいる保津川の川下りのポスターでは「今なら待ち時間なしで下り放題」という自虐的ボディコピーが何故か逆に清々しいというか、何だか痛快です。
こちらの投稿者さんは職場の方に京都旅行を進言した結果、同僚の方は本当にその気になっていたそう。すいているという事は、旅行費用も安くなっているので本当に今がチャンスなのかもしれません。

たしかに、行ってあげたくなる気持ちはかなりかき立てられます。実際ゆっくりとまわれる分いつもより楽しめてしまうかもしれませんし、行ってみたら楽しいかも!

近年京都も人が多すぎるともっぱらの評判でしたから、ある程度人が減った方がいいのかも知れませんね。
同じくコロナウイルス絡みの話題ですが、本場中国ではこんなアイデアがあるそうです。

新型コロナウイルスを撃退する「全身マスク」がやばいと話題!(2020年3月3日トカナ)

 新型コロナウイルスの流行に伴い世界中でマスクの品切れが続出している。中国では日用品を使った効果の怪しいオリジナルマスクを着用する人々も出現し、SNS上で話題になったが、現在、ウイルス感染を完璧に防ぐ「泡」が開発されているという。

 英紙「Daily Mail」(3月2日付)によると、中国人建築家Sun Dayongさんが、バットマンから着想を得た着用型のパーソナル・バブルを開発したという。
 泡の中に入ったように全身をすっぽり包むことから、パーソナル・バブルと呼ばれているが、なにも中が泡に満たされているわけではない。繊維フレームの外装に熱可塑性素材が使用されており、着用者とその周囲の空気を紫外線で十分に熱することでウイルスを死滅させるそうだ。

 とはいえ、新型コロナウイルスがコウモリ由来だとされている中、コウモリを連想させるようなデザインは縁起が悪いのではないだろうか? しかし、実はコウモリの体温は摂氏40度もあり、新型コロナウイルスに対して緩やかな免疫を持っているため、予防グッズとしてコウモリをモデルにするのは理に適っているという。
(略)

そのデザインは是非元記事で確認いただきたいですが、どのような環境で使用することを想定しているものなのでしょうね。
こちらも高温であるとは知られているものですが、その利用法は誰も知らなかったというニュースを紹介してみましょう。

CPUの熱で焼肉を楽しむ猛者現る(2020年3月2日Jネットタウン)

斬新すぎる場所で肉を焼く動画がツイッターで注目を集めている。

動画を投稿したのはツイッターユーザーのたれ(@Taremimi7710)さん。お肉がジューッと音を立てている場所は、フライパンではない。パソコンなどに使われる中央処理装置(CPU)の上なのだ。
どうやって...。どうして...。頭の中に様々な疑問が浮かんできてしまう。
(略)
CPUを冷やすための装置をあえて取ることで、肉を焼けるほどの温度になるというのだ。
ただしCPUの温度が上がりすぎると、自動的に電源が落ちてしまうという。そのため、こんな苦労話も。

「タイミングよく肉をひっくり返して、冷えた肉の面を下にして(CPUを)冷やすのが大変でした。
また、CPU自体の面積が小さいので、肉汁が落ちないようにするのが大変でした」
(略)
ちなみに焼いた肉は、フライパンで焼いたような肉になったらしい。しかし若干鉄臭い感じがしたとも...。なんだかアクセントが効いて美味しそうに見えてきたぞ。

それはあまり美味そうには思えないものですが、しかし案外と焼けるものなのですね。
最後に取り上げるのはご存じブリから、さすがにその発想はなかったと言うニュースです。

2週間以上寝かせた尿を毎日飲む男性、鬱を克服し若返りを果たす(2020年02月22日ユルクヤル)

英ハンプシャー州ファーンボロ在住のハリー・マタディーンさん(32)は、飲尿による健康へのすばらしい効果について語っています。

2016年に、激しい気分の落ち込みと、身体の健康状態がよくないことを感じていたハリーさん。飲尿に関する本を読み、実践してみたところ、それらの悩みがすっかり改善したそう。
それからの4年間、2週間から1ヶ月ほど寝かせた自分の尿を、毎日200ml飲み続けているとのこと。心身とも健康になっただけではなく、頭もすっきりと冴え、幸せな暮らしを送っているのだとか。
さらには、毎朝この尿を肌に塗り込むことで、若返り効果もあると主張。20代に間違えられることもあり、「これが一番いいアンチエイジング製品ですよ」とコメントしています。
(略)
最初は尿の味に苦戦していたものの、今ではその風味がすっかり気に入っているというハリーさん。
寝かせた尿を飲むという健康法について、既に2冊の書籍を執筆しており、もっと世間に飲尿の可能性を認めて欲しい、と語っています。
「この方法でなら、ガンや認知症、心臓病といったような恐ろしい病気を予防することができます。必要なものは、すべて私たちの体の中に元からあるんですよ。ぜひご自身で試してみてください。挑戦もせずに酷評する、というのはやめましょう」

飲尿健康法なるものは日本でも提唱する人があるそうですが、この場合あくまでも自分の尿である必要があるそうです。
いずれにせよこれを4年間も続けられたのですから、少なくとも鬱症状には効果があったのではないかと言う気はしますね。

今日のぐり:「百万両」

こちら倉敷市南部にあって、かつては日に千杯を売り上げたとも語られる老舗ラーメン屋ですが、その独特の会計システムでも知られています。
昨今ではラーメン以外のメニューもあるそうですが、それでも席につけば黙ってラーメンが出てくる伝統は変わらないようですね。

この日は製麺機の故障だそうで、いつもと違う市販品の麺を使っていたようですが、確かに普通の麺とは風味が全く違うのだなと改めて感じさせられます。
あまりに年季の入りすぎていた器もさすがに一部は更新されてきているのも気になりますが、これはデザインはなるべく似せてほしかったですかね。
メンマやチャーシューは今の時代にはちょっと厳しいレベルですし、スープもあっさり醤油とは言っても今となっては薄いなと思うのですが、こういうものでしょう。
こういう老舗はもはや美味いまずいで語るものではありませんが、まあしかし他にもよい店が増えただけにさすがにお客は減っているなと感じますね。

かつてはコスパの高さでも知られていた店ですが、相次ぐ値上げで正直今は近隣のお店と比べても特別割安感はないようで、事実お客は少なくなっているようです。
その分サイドメニューの追加で利益率を確保しようと言うことでしょうが、こういう老舗は今更普通のラーメン屋になってしまってほしくない気もしますね。

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2020年3月 9日 (月)

コロナウイルス、自ら拡散する人が話題に

コロナ騒動の最中、先日から主に否定的な意味で大いに話題になっているのがこちらのニュースです。

自宅待機を要請されたのに…「陽性」判明の男性、外出し飲食店へ(2020年3月6日読売新聞)

 愛知県蒲郡市は5日、県が4日に新型コロナウイルス感染を発表した三河地方の50歳代男性が市内在住で、検査の結果、陽性と判明し、自宅待機を要請されたにもかかわらず、飲食店に出かけていたと明らかにした。

 発表によると県が3~4日に三河地方の男女として発表した4人の感染者は市内在住の同居の家族で、50歳代男性と、その両親の80歳代男性と70歳代女性、息子の30歳代男性。80歳代男性に呼吸困難の症状があるが、他の3人は軽症。
 50歳代男性は、発熱などの症状はなかったが、先に陽性と判明した両親の濃厚接触者として、4日に医療機関を受診。同日夕に検査結果を伝えられ、自宅待機を求められていた。飲食店について同市は「様々な影響を考慮した」として店名を発表していない。
(略)

「ウイルスばらまいてやる」新型コロナ“陽性”知りながら居酒屋・パブに…男性の法的責任は?(2020年3月6日FNN)

各地で新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、陽性と確認された男性が自宅待機の要請を無視して外出したことが波紋を呼んでいる。

ウイルスをばらまいてやる」
感染確認後に家族そう言い残して自宅を出たのは愛知・蒲郡市(がまごおりし)内に住む50代の男性。
男性は3月4日に感染が確認され、受け入れ先の医療機関が見つかるまで自宅に待機するよう要請を受けたが…
(略)
市の関係者によると、男性はタクシーで自宅を出た後市内の居酒屋へ。
さらにその後歩いて女性が接待するパブへ。
その店内では、
「自分は陽性だ」と話したという。

この驚きの告白を受け、店に防護服を着た警察官が駆けつける騒ぎになったが、警察官が到着したのは男性がタクシーで帰宅した後だった。
地元保健所は男性が立ち寄った飲食店の消毒をするとともに営業の自粛を要請、また店内で男性と濃厚接触した店員と客には自宅待機を求めている
(略)
自分の感染を知りながら飲食店に行く行為の法的責任について専門家は…
山田・尾﨑法律事務所 今井靖博弁護士:
「ばらまいてやるぜ」という宣言自体が故意があるだろうというところになってくるので、お店の人やお客さんが実際に咳などを浴びて新型コロナウイルスに感染してしまった場合には、傷害罪に当たります。お店が休業をせざるをえなかったとか業務が妨害された場合には威力業務妨害罪に当たる可能性があります。

その後、男性は翌5日に愛知県内の医療機関に搬送された。愛知県警は男性の詳しい行動について確認を進めてる。

自ら状況を認識し故意に感染を広めようとしていたことが明らかですから、傷害罪など刑事罰はともかく少なくとも民事賠償には十分問われる事件でしょうね。
当然ながらお店の経営者は怒り心頭で言葉も出ないと言う状況だと言うことなのですが、法的には強制力がなくあくまで要請に過ぎないと言うことが原因だったと言えます。
この種の意図的に感染症を広める行為は一定程度起こりえることで、有名なところでは一時は死病と恐れられた性行為感染症などもたびたびニュースになっています
中には殺人のために手段として感染症を利用すると言う珍しい場合もあるようですが、多くは迷信や自暴自棄、個人的復讐などによって為されると言いますね。


当然ながらこうした行為は社会的に迷惑と言うしかなく、進歩的な方々の懸念を振り払ってもある程度私権を制限し強制力ある対応が必要だと言う声も少なくありません。
結核など感染症については強制的な措置を執れる法的裏付けがあるのですが、問題となるのはコロナの感染力が非常に強い割に、重症化する事例は案外少ない点です。
軽い症状であるのに行動を制限される、それも少人数ではなく社会の相当多数がそうした制約を受けるとなると、実際問題困るのは感染者本人より周囲のほうでしょう。
その点で法的制約が強まるのかどうかは、今後短期間でコロナ感染症が社会にどの程度広がっていくかと言うこととも関連して論じられるべき問題と言えそうです。

もう一つ、法的制約以外に当然自粛や職場ルールに基づく休業や自宅待機が少なからず起こっている中で、その間の給与など収入確保をどうするかの問題があります。
会社員であれば様々な補償や手当の手段もあるようですが、自営業の場合休めば収入が減る上に、下手をすれば風評被害でその後の客足が途絶えることになりかねません。
それくらいならいっそ単なる風邪と言うことにして誤魔化しながらでも営業を続けよう、と考える人が増えるほど、社会的にコロナが蔓延していくことになります。
補償財源の確保など国にとっても頭が痛い問題であるはずですが、隠すのは損になると言う認識が広まらなければ感染拡大の防止など出来るはずはないことですね。

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2020年3月 8日 (日)

今日のぐり:「博多金龍 倉敷店」

先日惜しまれつつ亡くなったのがこちらの方ですが、名前は知らずとも業績は誰しも知っているのではないでしょうか。

「コピー&ペースト」を生み出したコンピューター科学者のラリー・テスラー氏死去(2020年2月20日GigaZiNE)

1980年から1997年にかけてAppleに勤め、今やコンピューター上で当たり前に行われている、データをクリップボードへいったん保存して別の場所に貼り付ける「カット」「コピー」「ペースト」を生み出したラリー・テスラー氏が2020年2月17日(月)に亡くなりました。74歳でした。

テスラー氏は1945年、ニューヨーク生まれ。スタンフォード大学でコンピューター科学を学び、卒業後はスタンフォード人工知能研究所を経て、1973年からはゼロックスのパロアルト研究所に勤務しました。
テスラー氏が取り組んだのは、とにかくコンピューターを使いやすいユーザーフレンドリーなものにするということ。パロアルト研究所時代には、アラン・ケイらとともに「GUI」を生み出しました。
また「モードレスデザイン」の実現にも熱心に取り組みました。「モード」とは、たとえばワープロソフトの「挿入」モードと「上書き」モードのようなものを指します。モードが異なるとユーザーの操作に対するソフトウェアの反応は異なりますが、テスラー氏は「ユーザーのアクションは一貫した効果を割り当てられるべき」と考え、「モードをなくす」ことを目指しました。この流れで生み出されたのが、モードを変更することなくテキストを挿入・上書きするための機能である「カット」「コピー」「ペースト」でした。

現代のコンピューターで、多くのソフトウェアや機能が「同じような操作をすると同じ反応をする」のは、テスラー氏の取り組みのおかげだといえます。テスラー氏の「モードレス」へのこだわりは、自分の車のナンバースレートを「NOMODES」にしたり、自分のウェブサイトのドメインを「nomodes.com」にしたり、Twitterのアカウント名をnomodesにしていたところからもうかがえます。
1979年にテスラー氏は、パロアルト研究所を見学に来たスティーブ・ジョブズと出会い、その頭の中にあるアイデアの数々に感銘を受けました。翌1980年、テスラー氏はゼロックスを辞め、まだスタートアップの段階だったAppleに入社。Apple製品として初めてマウスとGUIを備えた「Lisa」の開発に取り組みました。なお、「MacintoshのGUIの父」という認識をされることについては「違います」と否定した上で、「でも、親子鑑定をしたら、祖父母の1人ではあるかも」とコメントしています。
(略)

現在につながるPC創世記の偉人がまた一人世を去ったと言うことですが、功成り名を遂げた末であったと言うことでただご冥福を祈りたいと思いますね。
本日は当「ぐり研」も日々お世話になっているテスラー氏に哀悼の意を表して、世界中からもしかしてこれで歴史に名を残したかも知れないと思わされる偉業?の数々を紹介してみましょう。

25年間で自転車サドル5800個を盗んだ男が逮捕 異常な動機にドン引きと怒りの声(2020年3月3日リアルライブ)

 全国各地で自転車のサドルを盗んだとして、静岡県沼津市在住のトラック運転手(57)が窃盗容疑で逮捕されたことが判明。そのサドルへの歪んだ愛情に怒りの声が相次いでいる。
(略)
 人々を驚かせたのは、男の余罪。なんと警察の取り調べに対し、「約25年前に仕事のストレス解消で始めた」「収集がだんだん楽しくなった」などと語ったのだ。容疑者は保管用貸倉庫を6件借りており、なんと約5800個のサドルが押収された。
 なぜ、容疑者はサドルにこだわったのか。取り調べに対し、「軽い気持ちでサドルを盗んでいたが、だんだんサドルが好きでたまらなくなった」と供述。盗みを働くうちに歪んだ愛情を持ち、収集して行くようになった様子。ただし、「盗んでもなかなか捕まらず、スリルがたまらなかった」とも語っている。

 この迷惑すぎる犯罪に、「非常に迷惑。自分も盗まれたことがあるけど、この人にやられたのかもしれない」「俺のサドルを返してほしい」「どうやったらこういう人間になるのか。人格に問題がありすぎる」など、怒りの声が噴出することになった。
 一方で、「5800個も盗みを働いて、今までなぜ警察が逮捕できなかったのか」「サドルの窃盗だって立派な犯罪。警察がしっかりと向き合って来なかったのではないか」と、犯罪を野放しにした警察に苦言を呈する声も相次いだ。
 理解し難い「サドル専門泥棒」。25年間の「罰」はしっかりと受ける必要がある。

警察としても野放しにしていたわけでもないのでしょうが、しかしこの情熱をもっと有意義な方向に向けていれば…と思わずにはいられません。
海外に目を向けますとまずはこちら、現代のラスプーチンかとも思えるような運転手が話題になっていました。

ベルギーのバス運転手、10回刺された後に通常運行して車庫に戻る(2020年1月11日AFP)

【1月11日 AFP】ベルギーで公営バスの男性運転手が、首や腹などを刃物で10回も刺されて負傷したにもかかわらず、その後、自分が受け持つ路線を1時間も運転し続けて車庫まで戻っていたことが分かった。当局が10日、明らかにした。

 アントワープ(Antwerp)の検察当局によると、この運転手(58)は9日、コンティフ(Kontich)の町に予定より数分早く着いたため、一服しようと車から降りたところ、突然、何者かに「ナイフと思われるもの」で何度も刺された。犯人は現場から歩いて逃走したという。
「ショック状態にあったと思われる」運転手は、自分のバスに乗り込むと、そのまま自分が担当している路線をさらに15キロ走行してリール(Lierre)に向かい、終点からウィルブルック(Willebroek)の車庫に戻った。襲われたと思われるときから約1時間が過ぎてから、ようやく自分が負傷していることに気が付いたという。 その後、運転手は同僚らが呼んだ救急車で病院に搬送された。

 検察によると、運転手は上半身や首、両腕、右脚上部に命に関わるような傷を負っているという。現在、捜査が進められている。

何にしろ命が助かって良かったと言うことですが、ショック状態で意識朦朧としていたのだろうと思われますね。
小さなカケラくらいであれば誰しも一度はやったことがあるのだろうと思いますが、やり過ぎると大変だと言うニュースがこちらです。

プールにドライアイス30キロ投入、有名ロシア人女性の誕生日会で3人死亡(2020年3月1日AFP)

【3月1日 AFP】ロシアの首都モスクワで開かれた著名インスタグラマーの誕生日パーティーで、特殊効果を狙ってドライアイス約30キロがプールに投入されたところ、3人が死亡した。捜査当局とメディアが2月29日、伝えた。

 インスタグラム(Instagram)に医薬品を中心とした投稿で100万人超のフォロワーを抱えるエカテリーナ・ディデンコ(Ekaterina Didenko)さんの誕生日パーティーは、モスクワにあるプールを備えた複合施設で28日夜、行われた。
 捜査当局によると、現場で2人が死亡し、1人が搬送先の病院で死亡した。
 国営タス(TASS)通信は、病院で死亡した男性がディデンコさんの夫だったと報じた。さらに4人が凍傷を負ったり、中毒症状をきたしたりしている。

 国営ロシア通信(RIA)によると、死傷者らはドライアイスの投入後にプールに飛び込んだ。
 メッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」上のニュースチャンネル「Mash」が、ディデンコさんのものとして投稿した動画では、ディデンコさんはまず病院で自身が助かったと話したものの、夫の死がその後確認されると、取り乱した様子で夫の死を涙ながらに悼んだ。
 ドライアイス約30キロは、プール上を覆う煙霧をつくるために使用されたという。二酸化炭素の固体であるドライアイスを水の中に入れると渦巻くような煙が現れるが、爆発を起こす恐れもある。

そもそも論として冬のモスクワでプールに飛び込む時点でどうなのかですが、くれぐれも良い子の皆さんはまねをしないようにお願いします。
最後に取り上げるのはこちらのニュースですが、まずは記事から紹介してみましょう。

ロシアン・ルーレットで死亡 仏(2020年02月28日AFP)

 【ボビニー(仏)AFP時事】パリ郊外ピエールフィットシュルセーヌの酒場で、拳銃を持ち出してロシアン・ルーレットに興じた店主(47)が死亡した。捜査関係者が27日、明らかにした。<下へ続く>

 店主について関係者は「目の前の女性に度胸のあるところを見せたかったようだ。回転式拳銃に弾を1発入れて、弾倉を回し、引き金を引いたら1発目で発射した」と語った。一部始終を目撃した女性は捜査員に対し、店主は酔っていて、コカインも吸引していたと述べている。

さすが恋愛に対しては情熱の不自由しない国だけのことはあると思いますが、目の前の女性こそ良い迷惑だったことでしょう。
ちなみに同種の行為は文字通りロシア発祥の伝統のようにも思えるのですが、実際にはフィクションが元ネタでロシアにもこうした習慣はないのだそうです。

今日のぐり:「博多金龍 倉敷店」

倉敷市内の一角に位置するこちらのお店、もともとシンプルな博多ラーメンを出すお店だったと記憶しています。
最近はメニューも色々と増えていて、ラーメン自体も各種の味で提供されているようですね。

味噌野菜ラーメンのセットを麺普通で頼んでみましたが、まずはこの味噌スープが濃いというより辛いものでした。
麺は中細で少しボソボソする食感、野菜はしゃっきりではないがグタグタでもないと、いずれも少し微妙な感じですね。
今日日珍しいほど丼が古ぼけているのはご愛敬ですが、おそらくこのラーメン単品なら特に感銘を受けない味と思います。
セットメニューなのですがラーメンを食べ終わる頃に半チャーハンと半餃子が順次到着しました。
チャーハンはなんでしょう、盛り付けの崩れ感がまさに半チャーハンという感じですが、味や炒め加減は及第点でしょうか。
餃子は博多に良くある小ぶりでなく普通サイズのもので、結構ジューシーでいけるのですが、少し焦げ臭いのが気になります。
全体として味はまあこんなものかと言う印象で、以前のシンプルなメニュー構成の時代の方が好印象だった気がします。

なお博多ラーメンと言えば回転の速さが売りと思っていたのですが、こちら店内に漫画本が完備されるなど長期滞在に対応しているのも特徴です。
そういえば博多金龍とは書いてあるが博多ラーメンとは書いてない気もしたのですが、そのせいかやたらと待ち時間が長い気がしますね。
カウンター席などはガラガラなのに長く待たされるのはテーブル席希望が多いかららしいのですが、もう少し案内に工夫があればとも思います。
調理場もかなり混乱した印象があり、単に調理が追いつかずわざと待たせているのかも知れませんが、当面食事時は避けた方がよさそうですね。

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2020年3月 2日 (月)

新型コロナウイルスの影響で早くも医療現場が破綻?

このところの新型コロナ騒動で各方面に影響が出ていて、先日の国からの学校休業要請で医療現場にも思いがけず間接的な影響が広がっていると報じられていました。

休校で看護師出勤できず 北海道帯広、外来診療縮小(2020年2月28日共同通信)

 北海道帯広市の帯広厚生病院は28日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために北海道内の小中学校で始まった臨時休校の影響で、自宅にいる子どもの世話などで看護師の一部が出勤できず、予約がない外来診療を取りやめた。当面の間、外来診療の縮小を続けるとしている。

 病院によると、看護師約750人のうち約170人が出勤できなくなった。外来の縮小は、限られた人手を他の診療に再配分するための措置。病院では1日に1600人前後が外来診療を受け、そのうち約200人が予約外の患者という。

 3月1日からは患者を空いている病床に移して集約し、入院病棟の一部の使用を取りやめるほか、症状が軽い患者に入院の延期を依頼する。また感染拡大防止のため、28日から見舞いなどの面会を全病棟で原則禁止とした。

 担当者は「外来の規模を縮小しないと十分な医療を継続できないと判断した」としている。

「学校休みで医療法、施設基準守れなくなる」日病協(2020年2月28日医療維新)

 日本病院団体協議会議長の長瀬輝諠氏(日本精神科病院協会副会長)は2月28日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染症対策として政府が全国の小学校、中学校、高校などに3月2日から春休みまで臨時休校とするよう要請したことについて「看護師が子どもの世話などのために休まなければいけなくなり、たちまち(診療報酬の)施設基準や医療法(の人員配置基準)も守れなくなる。大変なことだ」と述べた。同日の代表者会議でその旨の意見が一致し、厚生労働省には何らかの対応を求めたいとの考えを示した(『全国の小・中・高・特別支援学校に3月休校要請』を参照)。

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 休校に関し相澤氏は、これまでにも病院を感染者が受診した場合には濃厚接触者となった職員や、また感染が確認されていなくても発熱が続いているなどの職員を自宅待機としており人繰りに苦労していると説明。さらに学校が休みになると、15~20%程度の職員が出勤できなくなると推定しているとし、「病院は通常業務ができず、制限をかけないといけない事態が起こる。さまざまな施設基準が取れなくなる」と訴えた。これまでに基準をオーバーして患者を受けることは可とする通知が出ているが、人員が基準を下回った場合のものはないとして、「入院料が下がると収入ががくんと減って明日の運転資金にも困る状況になる」と述べた。

政府の出した学校休校の要請も様々な議論のあるところで、4月以降も新型コロナが広がり続けた場合いつまで休校を続けるのかなど、先の見通しが立たない状況です。
直接的な子供たちの学業への影響以外に、学童を学校に預けられなくなった親世代にも大きな影響があると言われ、今回まさにそれが病院現場に響いていると言うことです。
国としてもどこまで影響が広がるかを考えていたのかは判りませんが、医療現場以外にも同様の問題が広がっているとすれば、社会全体が麻痺する可能性もありますね。
当然いつまでも続けられることでもありませんが、休校の判断よりも再開の判断の方がよほど難しく、いずれ自治体や学校レベルで独自に再開を始める動きも出そうです。

この新型コロナ問題の影響は日々拡大していますが、例えば診断のための検査施行対象を拡大すべきかどうかについては世間的にも大きな話題になっているようです。
https://www.j-cast.com/2020/02/26380682.html?p=all
新型コロナがどうかさっさと検査してほしいと言う声がある一方で、診断がついても特別な治療法があるわけでもなく、検査の濫用は混乱を広げるだけとの意見もあります。
診断がついたとして治療法としては特別なことはないとしても、社会的には診断されることの影響が大きいため、むしろ診断されたくないと言う場合の方が多いでしょう。
感染を広げないためには感染を隠すよりも、堂々と診断された方がいろいろとメリットがあると言うようにしておかないと、社会的蔓延を防ぐことは難しいはずですよね。

新型コロナに対して厳しい対応をとるにせよ、現状明らかに社会が回っていないのですから、どこかで社会が持続的に受け入れ可能な対応に切り替える必要があります。
新型コロナを完全に抹殺出来れば言うことはありませんが、それが無理なら最終的には他の感染症と同様、社会の中に一定数ある病気として受け入れるしかないはずですね。
ただ感染の広がりが防げなくても、感染の広がる速度を緩めるだけでも社会の中で免疫獲得者が増え、結果的に事態を軟着陸させやすくはなると言う期待は出来るでしょう。
そのために計画的な社会機能の停止をどこまで受け入れるべきなのかと言う話ですが、さすがに4月以降もこの調子では続けられそうにないのではとも思いますね。

 

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