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2020年2月17日 (月)

全国自治体がいよいよ医師の確保と管理に乗り出す

地域医療計画に基づき今後国から自治体へ大きく医療整備の主体が移り変わっていくことになりますが、先日こんな記事が出ていました。

「地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会」、岩手、新潟など6県で発足(2020年2月1日医療維新)

 青森、岩手、福島、新潟、長野、静岡の6県知事が発起人となり、「地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会」が1月31日に発足、医師不足と地域偏在の解決に向けた設立記念シンポジウムと記者会見を都内で開催した。6月には各県の医師確保計画を踏まえ、共同で政府に対して予算要望する方針。
 岩手県知事の達増拓也氏は記者会見で、発起人を代表して、「国の医療政策は、三位一体改革と言われているが、地域医療構想・働き方改革の推進のためには、医師の確保が大前提。医師不足を解消しないまま働き方改革を続けると、地域医療は崩壊する」と知事の会設立の背景を説明。医師不足県が連携して、全国の医療関係者や行政関係者への理解促進、国民の機運醸成、国への政策提言という3つの柱で活動する方針を表明した。

 医師確保計画は、2019年度中に各都道府県で策定を終える。6月上旬に開催予定の全国知事会の辺りで6県の知事が集まり、各計画の内容を踏まえ、提言、決議を行い、共同で政府へ予算要望するほか、8月には全国病院事業管理者・事務責任者会議でも提言内容を説明するなどの活動を予定している。
 新潟県知事の花角英世氏は記者会見で、「医師不足に悩む県として意義のある会だと思っている。医師を確保するため、これまでもいろいろな努力をしてきたが、県の努力には限界がある。国でなければできないことがたくさんある。共通の危機感を持つ県が連携して、共同して行動することで、影響を及ぼすことができるのではないか」とあいさつ。

 達増知事は、6県でスタートする経緯への質問に、「まず(医師少数の)全国47位から46位の県に声をかけた。賛同いただいた6県でスタートとなった。こうした取り組みが広がればいい、という思いはある」と回答。厚生労働省がまとめた都道府県別の「医師偏在指標」は、47位が岩手県、46位が新潟県(厚労省の資料を参照)。
記者会見には、岩手県知事の達増拓也氏と新潟県知事の花角英世氏が、他の4県は知事の代理がそれぞれ参加。
(略)
 達増知事と鈴木氏は、岩手県や新潟県での医師偏在対策などを紹介。「地域の取り組みのみでは偏在解消は難しいのではないか。『どの地域で何をやってもいい』ということでは、医学部定員を増やしても医師は足りなくなる。(医師の何らかの)地方病院勤務の義務化は必要ではないか」(達増知事)。

 田村氏は、読売新聞が2008年に公表した医療改革提言で「医師を全国に計画配置」を打ち出したことを紹介。同提言の基盤にあるものは、「医療は公共財」の視点であるとした。
 医師確保・偏在解消には、一定の強制力を持った施策が必要だとするパネリストの発言を受け、小熊氏は「プロフェッショナル・オートノミーではもはや解決しない。(地方勤務の)“義務化”という言葉が悪ければ、“必修化”とすればいい」と述べ、地域に医師が循環するシステムを構築する必要性を指摘した。

達増知事と言えば数年前に岩手県内の公立病院再編計画を強力に推進した経緯でも知られている方で、今回も主導的にこうした会の発足に尽力されたようです。
医学部は全国各都道府県に最低1つずつはありますが、医師免許は全国共通の1種類だけであり、卒業後の勤務地などをどうするかも一部の例外を除いて自由に選択出来る建前となっています。
この点では実質的にほとんどの医師が卒業後は大学医局に所属し、強力な大学の権限のもとに各地域に派遣されてきた二昔前とは大きく変わっている点で、医師の側からすると自由度が高まっていると言えますね。
ただその結果地域医療の破綻や崩壊が言われるようになったのも一面の事実で、かつて白い巨塔などと大学医局を批判してきた進歩的なメディアですら、かつてのような大学批判はしなくなってきています。

大学の医局人事と言うシステムを旧弊と取るか必要悪と取るかは人それぞれ意見もあるでしょうが、自治体にすれば医師を集めたい際にどこに頼めば良いのか判らないと言うのは苦労する点だろうなとは思います。
地道に公立病院の医師待遇を改善したり、各種医師発掘策を用意する自治体も無論あるのでしょうが、失礼ながら今回のような最下位水準の医師過疎県には少々のことでは医師が来るようにはならないでしょう。
そのため国に強制力を発揮してもらい、各地域に医師強制配置をと言う声が未だ根強いのですが、ただ各県に医師を一定数配分されたとしてそれをうまく管理、活用出来る力量が自治体にあるのかも問題です。
医療政策は国任せでろくにノウハウも持っていないだろう各地の自治体が今後どんな独自性ある方針を打ち出してくるのかも要注目ですが、一部自治体からはすでに興味深いアイデアも登場しているようですね。

【岡山】外来医療の課題解決へ県が素案 新規開業医に在宅医療など求める(2020年2月4日山陽新聞)

 岡山県は診療所を新たに開業する医師に対し、地域で不足している在宅医療や夜間・休日診療の機能などを担うよう求める「外来医療に係る医療提供体制計画」の素案をまとめた。それらを開業時に掲げない場合、ペナルティーとして診療所名などを含め、その旨を公表する。7日までパブリックコメント(意見公募)を受け付けている。

 素案では、県南東部、県南西部、高梁・新見、真庭、津山・英田の五つの二次保健医療圏域のうち、真庭圏域以外は国の基準で外来医師の多数区域とされていることを説明。多数区域での新規開業者には、在宅医療▽夜間や休日診療▽学校医や予防接種、乳幼児検診▽介護保険認定審査―などを求めるとした。
 これらの業務を全て拒否する場合、各圏域の病院や自治体関係者らによる地域医療構想調整会議で聞き取りや協議を行い、やむを得ない事情がない場合は各保健所のホームページで公表する。
(略)

新規の開業に際して一定の規制を設けると言うのは、不足がちな勤務医確保策としても検討される方法ですが、今回は開業するなら一定の義務を果たせと言う話です。
一般論として新規開業を締め付けると新規参入が減り、年々施設もスタッフも老朽化していく既存施設がいつまでも淘汰されないなど、問題も多いかとも思いますね。
ただ岡山県の場合人口200万弱の中規模県でありながら医学部を2つ持つなど、もともと医師のマンパワーに関してはかなり恵まれた環境であったと言えます。
要するに前述の医師過疎県などに比べれば、まだしも人材を選択出来るだけの余地があると言うことで、ある程度強気な方針を掲げられると言うことなのかも知れません。

今回求める義務的業務の範囲が妥当なのかどうかは今後現場の意見も聞いて判断することになるかと思いますが、気になるのは既存の開業医に対してもこれら業務を義務として求めていくのかです。
無論多くのクリニックでは地域の医師会などを通じて従来からこうした業務も行ってきたのでしょうが、夜間休日診療などはマンパワーの限界などもあり、現実的に出来ないと辞退するクリニックも多いと聞きますね。
罰則として保健所のホームページで公表すると言うのも微妙なペナルティですが、これに関しても今後実際に運用されることになれば現場の意見等も聞きながら、より強い罰則もあり得るのではないかと思います。
今後各地域で様々なアイデアが登場してくるはずで、うまくいくものもあればそうでないものもあるはずですが、あまりやり過ぎると現場の反発を招くもので、現場との意思疎通をしながらの微妙なさじ加減が重要ですね。

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コメント

>医師の確保
相変わらず犯人扱いでお医者かわいそうw
為政者側はもっと本心を率直に表現して『捕縛』とか『お縄』とか言えば良いのに

投稿: kawa | 2020年2月17日 (月) 15時02分

たかだか30万人の医師のさらに一部が少しわがままを我慢さえすれば国民みんなが幸せになれるのに

投稿: | 2020年2月20日 (木) 07時49分

労働環境や待遇を良くして人員を確保すると言うならまだしもですが、労働環境も待遇も悪く人が来ない職場に強制配置せよと言うのであれば人権問題だと思いますね。

投稿: 管理人nobu | 2020年2月21日 (金) 16時15分

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