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2020年2月10日 (月)

2020年度診療報酬改定の目玉は働き方改革に

2020年度診療報酬改定内容が決まったと報じられていますが、その内容がかなり特徴的なものであるようでうs。

救急医療の診療報酬手厚く(2020年2月7日共同通信)

 厚生労働省は7日、治療や薬ごとの価格である診療報酬について、2020年度の改定内容を決めた。医師らの働き方改革推進が柱。特に勤務が過酷な救急医療で、患者受け入れ実績の高い病院への報酬を手厚くし、労働環境の改善を後押しする。その分、患者の負担は上乗せされる。大病院とかかりつけの診療所との役割分担を強化し、症状に応じた受診を患者に促す。4月から実施する。

 働き方改革では、地域の救急医療を担う病院に限り、患者の入院時に5200円を上乗せする。患者の窓口負担はそのうち1~3割。救急車とドクターヘリによる患者搬送件数年2千件以上が条件で、対象は最大約900病院。

2020年度診療報酬改定、加藤厚労相に答申(2020年2月7日医療維新)

 中医協総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は2月7日、2020年度診療報酬改定を加藤勝信厚労相に答申した(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 病院勤務医の負担軽減策の一環として新設される、今改定の注目点数である「地域医療体制確保加算」は、入院初日に520点。医師事務作業補助体制加算も、加算1と2ともに一律50点アップするなど、今改定の「重点課題」となった「医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進」関係の点数に手厚い改定となった。
 一方で、初再診料は点数据え置き。かかりつけ医機能を評価する機能強化加算、地域包括診療加算も、要件見直しはあったものの、点数はやはり据え置き。診療所にとっては、目を引く増点に欠ける。
(略)
 今改定の改定率は、2020年度予算編成の段階で2019年末に決定していた。診療報酬本体部分は0.55%の引き上げ、薬価は0.99%、材料価格を0.02%それぞれ引き下げ、全体では、0.46%のマイナス改定(『2020年度診療報酬改定、全体で0.46%マイナス』を参照)。

 今改定の特徴は、本体部分の0.55%のうち、0.08%が「消費税財源を活用した救急病院における勤務医の働き方改革への特例的な対応」として充当される点。改定の基本方針でも、(1)医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進、(2)患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現、(3)医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進、(4)効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上――の4項目のうち、(1)を「重点課題」とした(『「医師等の働き方改革」が重点課題、2020年度改定の基本方針案了承』などを参照)。

 「救急病院における勤務医の働き方改革への特例的な対応」として新設されるのが、「地域医療体制確保加算」。年間2000件以上の救急搬送件数などが施設基準で、入院初日に520点を加算できる(『救急搬送「年2000件以上」で加算新設、働き方改革で』を参照)。その他、働き方改革への対応として、医師等の従事者の常勤配置や専従要件に関する要件の緩和、医師事務作業補助体制加算の評価の充実などを行う。

【働き方改革】医師・看護師からのタスクシフトを強力に推進(2020年2月7日日経メディカル)

 2月7日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、2020年度診療報酬改定案の答申が行われ、詳細項目が明らかになった。医師の働き方改革に関しては、2024年4月から始まる時間外労働の上限規制適用を見据え、医師の労働時間短縮への取り組みを評価する項目が盛り込まれた。

 この分野における報酬改定の目玉になるのが、院内のタスクシフト・シェアを評価する各種項目。看護職員夜間配置加算(一律10点引き上げ)や急性期看護補助体制加算(一律30点引き上げ、表1)、夜間急性期看護補助体制加算(一律30点引き上げ)、看護補助加算など、コメディカルを手厚く配置すれば算定できる報酬を引き上げる
 入院後14日まで算定できる「急性期看護補助体制加算」と「夜間急性期看護補助体制加算」をともに算定していれば、一律で60点の引き上げと病院経営への影響は大きい。例えば300床の急性期病院で、病床稼働率が80%、平均在院日数が12日で入院14日目までの患者が全体の8割を占めると仮定すると、人員構成を変えずに約4200万円の増収になる。この財源で新たな看護補助者を雇用し、体制を充実させる病院も出てきそうだ。
 メディカルクラークなどの配置を評価する医師事務作業補助体制加算は、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、結核病棟、有床診療所、精神科急性期治療・療養病棟、認知症治療病棟など算定できる病棟を一気に拡大した上で、報酬も一律で50点引き上げる(表2)。
(略)
 救急医療体制の充実を図る観点では、年間2000件以上の搬送受け入れをする病院に地域医療体制確保加算(520点、入院初日)が新設。算定要件として、(1)タスクシフト・シェア、(2)連続当直の防止、(3)勤務間インターバル、(4)予定手術前日の当直・夜勤に対する配慮、(5)複数主治医制──などの導入を検討する「病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善に資する計画」を作成することなどが盛り込まれる。「300床、平均在院日数12日、病床稼働率80%」の病院では、約3800万円の増収だ。なお、報酬の対象とならない受け入れ件数1000~1999件の医療機関や、離島・へき地の病院も地域医療介護総合確保基金で支援する旨が示されている。

 高度な急性期医療を提供する病院を評価する総合入院体制加算の算定要件の1つである「多職種による役割分担(タスクシフト・シェア)を推進する会議」には、年1回、必ず院長(管理者)が出席することとする。また、勤務医の業務負担軽減を行うための体制として、現行では5項目中2項目を満たせばよいが、改定後は「特定行為研修を終えた看護師の複数名の配置」「院内助産または助産師外来の開設」を含めた7項目中3項目を満たすことを要件にする。

 麻酔科医師の業務負担軽減を図る目的では、麻酔管理料IIの要件を見直す。麻酔の維持や導入の際のライン確保など一部の行為に関しては、特定行為研修を修了した常勤看護師が行った場合にも算定できるようにする。ただし、同管理料IIの担当医の要件として「常態として週3日以上かつ週22時間以上の勤務を行っている医師」という文言が追加。複数の医療機関を渡り歩くいわゆる“フリーランス麻酔科医”が担当した場合は、同管理料IIを算定できない

 このほか、(1)医療安全管理の委員会を対面ではなく、テレビ会議で行ってよいとする、(2)抗菌薬適正使用支援加算に関する院内研修を院内感染対策の研修と一緒に行ってよいとする、(3)在宅療養指導料、糖尿病合併症管理料、糖尿病透析予防指導管理料について、医師が看護師などへの指示内容をカルテに記録することを算定要件から外す、(4)文書による患者同意を要件とする報酬について、電磁的記録でよいとする──など、診療行為以外の業務の軽減も図られる。

クローズアップ:診療報酬改定答申 勤務医の負担減なるか 人件費増・業務分担で(2020年2月8日毎日新聞)

 4月から行われる診療報酬の改定内容が固まった。救急や周産期医療で長時間の残業を余儀なくされる勤務医の労働環境改善のため、大病院への報酬を手厚く配分したのが大きな柱だ。一方、それ以外は小幅な改定にとどまり、医療費が急増する超高齢化社会を前に、給付と負担の本格的な見直し論議は、次回以降の改定に持ち越された。【原田啓之、阿部亮介】
(略)
 今回の診療報酬改定は残業時間を減らす内容が柱となる。この報酬とは、医療行為や薬の対価として医療機関が受け取るお金を指す。厚労省は、報酬の増額分を原資に新たに医師を配置し、仕事を分担できる看護師や補助者を雇う人件費にも充ててもらう方針だ。

 具体的には、救急搬送が年間2000件以上の病院を対象に、1回の入院で5200円(自己負担は3割で1560円)の報酬を加算する。対象は800~900病院で収入は計約400億円増える。事務補助の職員を雇う病院への加算を450~500円引き上げ、看護師が麻酔の一部を担っても収入が入るよう改めた。これらで医師の労働時間の短縮を図る構えだ。

 病院団体幹部は「一定の効果があるが、長時間労働を抜本的に解消する人件費としては額が少ない」と話す。特に地方では医師が集まらず、慢性的な人員不足に悩まされており、「焼け石に水」(ある県の医師会幹部)との声もある。
(略)

今回の改定最大の目玉が医療現場の働き方改革であることは諸方面の見方が一致しているところですが、そのために財源の手当を行ったと言う点が目新しいところですね。
メディカルクラークの手配などタスクシフトで専門職の業務量が減らせることに関しては、近年現場を中心に一定程度のコンセンサスが得られてきていると言えます。
その原資となる診療報酬上の手当がなかったことで導入に二の足を踏んできた施設も、今回幅広く加算が認められたことで導入に踏み切りやすくなったはずです。
医師の仕事が減らせる分を時間外の削減に回すか、別の稼げる仕事をしてもらうのかは各施設の状況次第ですが、医療行為以外の雑務が減るだけでも助かるでしょうね。

救急医療の充実に関しても相応の手当があるものの、こちらは急性期の看板を掲げていながら実際には救急をとらない、名ばかり急性期は減らす方向であるようです。
要は実際に多忙な急性期には手厚く、そうでない施設は慢性期に移行いただくか病床を削減していくと言うことで、医療の効率を引き上げるもくろみだと思われます。
ただそれが成立し機能するには医療スタッフの施設間移動がきちんと行われる必要がありますが、施設間でスタッフの多忙さや負担感に格差があることは事実ですよね。
忙しい施設にリソースを集約し業務負担を緩和すると言う理屈は正しいのですが、そうなると医療と言うものの位置づけをどう捉えるべきかと言う問題になりそうです。

いわゆる医師強制配置論などに代表されるように、医療は公共性の高い社会資本的性格を持つ以上、必要性に従って計画的に整備されるべきだと言う意見があります。
他方で病院の多くは民間経営であり、医師も公務員でも何でもない以上、どこでどう働くかは個人の自由であり制約されるいわれはないと言う意見も根強くありますね。
今後は都道府県が主導する地域医療構想に従い、少なくとも病床数など物理的な部分に関しては医療資源の計画的配置、再編が進んでいくものと思われます。
その中で今のままの方が楽だからいい、忙しい急性期になど今更行きたくないと言う方々もいるはずで、人員の再配置の方はどこまで進むのかは未知数と言えるでしょうか。

医療の逆説として知られることに、一般に多忙な急性期の施設ほど給料が安く、暇な施設の方が給料はいいと言うケースが珍しくないと言う伝統がありました。
それだけ働き者の先生方が多かったと言うことでしょうが、近年では医療の世界も多様な考え方が広まってきていて、暇で給料がいい施設は埋まってきたとも言いますね。
長期的に多忙な施設には診療報酬を手厚く、そうでない施設にはそれなりにと言う方針を進めていけば、より多く働いた人がより多くのお金を受け取る方向に進む道理です。
ただ多忙でないから仕事として重要ではないと言うことでも全くないので、今後もコンマ数パーセントの微妙な調整による緩徐な政策誘導が行われていくのでしょうね。

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