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2020年2月 5日 (水)

愛知県で高齢者の置き去り事件が発生した背景

先日来話題になっているのが愛知県で発生したこちらの事件ですが、まずはニュースから紹介してみましょう。

いったん保護した高齢男性を深夜、雨の公園に放置 愛知県職員 受け入れ先見つからず(2020年2月4日毎日新聞)

 愛知県の職員が身元不明の70代男性をいったん保護した後、管轄地域外へ連れて行き、深夜に公園に放置したまま立ち去っていたことが3日、関係者への取材で分かった。男性は脳梗塞(こうそく)を発症した疑いがあり、現在病院で治療を受けているという。

 県などによると、1月中旬の夕方、キャッシュカードを持たずに現金自動受払機(ATM)を操作していた男性を県警津島署が保護し、県海部福祉相談センター(同県津島市)が引き継いだ。当時、男性は筆談や会話ができない状態だったという。
 20~50代の男女3人のセンター職員が簡易宿泊所などの受け入れ先を探したが見つからず、地元消防などに病院への搬送を依頼したものの救急搬送の必要がないなどとして拒否されたという。

 対応に困った職員はこの日深夜、管轄外の名古屋市中村区の公園へ男性を連れて行き、公衆電話から偽名で119番をして、男性を公園に放置した。男性は駆けつけた市消防局の救急隊に保護されたという。名古屋地方気象台によると、当時の気温は6・4度で雨が降っていた。
 センターで保護したはずの男性が中村区にいたことを不審に思った県警がセンター側に指摘し、上司が担当者に真実を話すよう説得した結果、公園に放置して立ち去った事態が明らかになった。脳梗塞の発症時期は不明だが、家族の話では数日前には元気な状態だったという。

 県によると、身元不明の高齢者を保護した際は、各市町村の施設か医療機関などに滞在させることになっている。県地域福祉課の緒方武俊課長は「調査中でコメントできないが、事実だとしたらあってはならない対応だ」と話した。【高井瞳、竹田直人】

愛知県職員 保護された70代男性を公園に置き去りに 上司が指示(2020年2月4日NHK)

愛知県津島市にある県の福祉相談センターの職員2人が先月、警察が保護し引き渡しを受けた70代の男性を、管轄外の名古屋市の公園まで連れて行き、置き去りにしていたことが分かりました。県によりますと2人の上司が、管轄外の場所まで男性を連れていくよう指示していたということです。大村知事は「ゆゆしき事態で厳正に処分したい」としています。

愛知県によりますと先月17日、愛知県大治町でキャッシュカードを持たずにATMを操作していた70代の男性を警察が保護し、津島市にある県の海部福祉相談センターが引き渡しを受けました。
男性は身元が分からず会話などもできない状態で、センターの50代の男性職員と20代の女性職員の2人が、上司と相談しながら宿泊先などを探しましたが、見つからなかったということです。

このため職員2人は対応に困り、センターの車を使って深夜に管轄外の名古屋市中村区にある公園まで男性を連れて行き、置き去りにしたということです。
その際に偽名を使って公衆電話から119番通報し、その後、男性は警察に保護されました。
職員2人は警察に対し「男性を見失った」などと、うその説明をしましたが、その後、置き去りを認めたということです。

県によりますと2人の上司で福祉相談センターの50代の職員が、男性を管轄外の場所まで連れて行き、名前を名乗らずに消防に通報するよう指示していたということです。
さらに当初、男性を置き去りにしたことを隠すよう指示もしていたということです。
一方、70代の男性は体が衰弱しているため、現在も病院に入院し、治療を受けているということです。

大村知事は「ゆゆしき事態でおわびしたい。こうしたことは二度とあってはならず、関係の職員を厳正に処分したい」と話しています。

何にしろ無事に保護され良かったと言うことですが、こちらの事件があった2020年1月17日は金曜日で、同日深夜まで行き先を探していた時点で週末の休日期間に突入していたと言う点に留意頂きたいと思います。
知事はかなりご立腹の様子で関係職員の処分をと言っていますが、一見すると上司と部下が相談して組織的に行った行為のようにも見え、世間的にもあってはならないケシカラン行為であったとの声が多いようです。
無論御説ごもっともなのですが、すでに職場の人間も帰宅した週末深夜に誰に相談しどう対処するべきか決めかねた中で、最低限なんとかしようと言う努力を払った形跡は認められるようには思われました。

置き去り事件と言えば10年あまり前に、大阪で入院費用も支払わず長年病院内に居座り続けた全盲の高齢者を病院職員が公園に置き去りにした事件が報じられ、これも大きな話題になったことがありました。
この事件では自宅退院を拒否した上に保護者に相当する前妻と連絡がつかなかったこともあり、今後の行き先をどうするかと言う道筋が見えない中での置き去り行為であったと考えられています。
今回ルール上は医療機関への受け入れが出来なければ自治体施設で収容となっていたそうですが、当然こうした状態の高齢者を夜間休日引き受けると言うことは、誰かがつきっきりで世話をする必要があります。
その場合誰が世話をするのかの当番割や、食事や睡眠のための手配の段取りなども決まっていなければ現場は何も動けませんが、記事を見る限り少なくとも現場にはそうしたルールが周知されていなかったようですね。

高齢者の身元不明者は近年全国的に増加傾向で、結局身元がわからないままと言う事例も少なくないようですが、独居がこれだけ増えた時代身元がわかっても引取先がないと言うことは当然あるはずです。
今回も最終的に病院に収容されたと言うこともあり、こうした場合病院に連れて行けと言う声も多いようですが、身元不明者を引き取れと言うなら出口も用意してくれないなら、単なるババ抜きですよね。
どうしてもの場合は自治体病院が自治体とルールを決めた上で引き取るのが筋かも知れませんが、自治体病院も無期限に入院させるわけにもいかず、支払いや受け入れ先の問題が結局ついて回ります。
結局のところ生活保護制度などとも絡めて行政が能動的かつ迅速に動かなければどうしようもなさそうですが、家族としてはまだ元気なうちから高齢者の身元確認の手段を講じておくことも大事ではないかと思いますね。

 

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