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2019年12月 9日 (月)

今の時代危ないことは一定確率で起こると言う前提での対策が必須

身につまされる人も多いのではないかと思うのですが、先日こんな記事が話題になっていました。

ダイアモンド ユカイが母親の免許返納体験を語り称賛の声が続々(2019年12月6日アサゲイビズ)

 ダイアモンド ユカイが実力行使で85歳だった母親に運転免許を返納させたことが反響を呼んでいる。
「婦人公論.jp」によると、ユカイの母は2年前に90歳で亡くなったそうだが、免許返納は説得を始めてからおよそ5年もかかったという。それを踏まえて、「親が自分の衰えを自覚し自ら返納してくれる」と夢を見てはいけないと警鐘を鳴らしている。

 ユカイは免許返納を納得してくれない母親の車が、何度か損傷していることを見ていたため、数回目のキズを発見した時に「目立つから修理に出す」と言って車を持ち出して処分。母が新車を買うために連絡しそうな近所のディーラーに事情を話し、車を売らないよう頼み込んだという。さらに親戚や友人など、母親の手助けをしてくれそうな人に手を回して協力を仰いだそうだ。
「ネット上では『この人の発信力って地味にすごい。高齢者に免許返納させるための具体的なアドバイスは絶対に役に立つ』『何年か前に男性不妊治療の体験談もすごいためになったし、今回の高齢ドライバーに免許返納させる方法もすごく参考になる』『この人の勇気は本当に愉快』など、称賛の声が相次いでいます」(女性誌記者)

 高齢ドライバーの自主的な免許返納が難しいことを教えてくれたユカイ。彼の体験を知り、自身の親と向き合う決意をした人も多いのではないだろうか。

近年危険運転行為に対する社会的対応の重要性が話題になることが多く、先日も危険運転動画の通報を開始し初の検挙につなげた岡山県警の取り組みを紹介したところです。
また認知症や身体能力の低下などによる高齢ドライバーの危険運転に関しては、特に逆走や暴走など危険性の高い事故がたびたび報じられたこともあって注目されているところですね。
他方で以前から持病を持っている方々による事故のリスクも注目されていて、特にてんかんなど意識消失を来す可能性のある疾患に関しては、社会的にも厳しい目線が向けられるようになってきています。
ただ意識消失を来す疾患とは別にてんかんに限らず、糖尿病や高血圧などでも意識朦朧とする可能性があるのですが、先日こうした誰にでも起こり得る事故の恐さを知らしめるニュースがありました。

死亡事故起こした「はとバス」運転手はインフルエンザで高熱(2019年12月5日NHK)

東京 新宿区で4日夜、観光バスの「はとバス」が停車していたハイヤーに追突し、ハイヤーの運転手が死亡しました。バスのドライバーはインフルエンザにかかっていて、事故当時、高熱があったということで、警視庁は詳しい状況を調べています。
(略)
バスを運転していた37歳のドライバーはその場で逮捕されましたが、いったん釈放され、病院に入院して検査を受けました。
警視庁によりますと、検査の結果、ドライバーはインフルエンザにかかっていて事故当時は38度を超える高熱があったとみられることがわかりました。
バスのドライブレコーダーには、事故が起きる数秒前からドライバーの頭が前後にゆっくりと揺れている様子が写っていたということです。
(略)
「はとバス」によりますと、事故を起こした37歳のドライバーは、4日午前6時半すぎに出勤し、同7時前に出庫前の点呼を受けたということです。
この点呼では、アルコールの呼気の検査や、本人からの健康状態の申告のほか、チェック役の担当者が対面でドライバーの様子を確認することになっていますが、本人から体調不良に関する申告はなく、対面の確認でも異常は見られませんでした
(略)
はとバスによると、事故を起こした運転手は会社の聞き取り調査の中で、自身の体調について「事故の前日、少しかぜ気味だったため、漢方のかぜ薬を服用して午後8時に寝た。事故の当日は午前5時に起床し念のため再度、漢方のかぜ薬を服用して出勤した。その後も若干、かぜ気味だと感じていたが、それ以上の症状だとは思わず、警察病院での検査で初めてインフルエンザに感染している事が分かった」と話しているということです。
そして、事故については、「事故を起こす前後の記憶がなく、気が付いた時には街路灯に激突していた」と話しているということです。
(略)

事故により亡くなられたドライバーのご冥福をお祈りしますが、インフルエンザの場合この時期誰にでも発症し得るもので、また今回のように短時間に急速に悪化することも全く珍しくはないものです。
もちろん早期から軽い症状が出ている場合もあるでしょうが、どこの業界でも人手不足と言われ代替人員の確保もままならぬ中で、軽い風邪かな?程度でインフルエンザを疑って休養と言うのも難しいでしょう。
その意味では今回の事件、どこの業界でも一定の確率で起こり得る事故が起こるべくして起こってしまったと言うべきものですが、ではこうした事故をどうしたら防ぐことが出来たのかと言うことですね。

誰しも思いつくのは自動ブレーキ装置などの装着で、特に大型車両や業務用車輛には早急に強制化すべきだと言う意見もあり、また高齢者など運転スキルに問題のある人々にも装着させろと言う声もあります。
ただ工事現場で活躍する特殊車両や列車、航空機なども同様のリスクはあり、また特殊な業界であるほど代替要員の確保にも困難があるはずで、ついつい無理をしてしまいがちなものですよね。
医療現場の場合ちょっとしたミスが文字通り命取りになる場合もあり、またインフルエンザなどは職場に広げてしまう方がよほど痛手になるものですので、体調不良を推しての出勤など本来あってはならないはずです。
職場の状況から1人欠けても回らないと言うのであれば、それは突発事態に対応出来ない危険な職場環境であると言うしかなく、働き方改革が推進される中でこうした面も併せて見直したいものですね。

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コメント

インフルエンザに罹患しても仕事に来る医師がいました。手術などは中止できないと。はたらき方改革で医師の待遇面が話題ですが、急な休みにも対応できるようにして欲しい。

投稿: oldDr | 2019年12月 9日 (月) 09時49分

↑何で受け身なんです?必要なら断固として休むのが本邦最強労働者たる医師の義務ですよw?

投稿: 10年前にドロッポしました | 2019年12月 9日 (月) 12時22分

全くおっしゃるとおりなのですが、周囲の人間関係のしがらみもありますので難しいところもあるでしょう。
ただ組織としては働き方改革も叫ばれるこれからの時代、急に一人欠けても残りが頑張ればなんとかなる程度の業務量に留めて置く必要があるとは思います。

投稿: 管理人nobu | 2019年12月 9日 (月) 18時25分

インフルエンザに感染していても働く医者は20年前にいた病院だとなぜか賞賛されていました。私は批判してましたが・・・
今働いている病院なら、5日間出てくんなって確実に言われます。
だいぶん時代が良くなりました。

oldDrさまへ
>インフルエンザに罹患しても仕事に来る医師がいました。手術などは中止できないと
それでプ○ドニン飲みながら手術していたと武勇伝がごとく語る外科医も昔居ましたね。まだご存命だといいのですが。

投稿: クマ | 2019年12月10日 (火) 07時40分

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