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2019年9月 9日 (月)

医師と検診、受ける側の立場と行う側の立場

先日週刊誌でこういう記事が掲載されていたそうです。

医師200人が回答、受けたくない検査は一体何なのか?(2019年9月3日週間ポスト)

 人間ドックなどで、さまざまな検査を受けている人が増えている。上皇后美智子さまが「定期検診」で胸に腫瘍が見つかったことからも明らかな通り、現代人が健康を維持するのに検査は欠かせないものとなっている。
 その一方で、専門家すら受けることに首をかしげる検査もある
 本紙・女性セブンは、医師200人を対象に、医師自身が「受けたい」「受けたくない」検診・検査は何なのかを徹底取材した。幅広い診療科の医師が匿名を条件に答えたアンケートを読み解くと、検診・検査における私たちがとるべき“最適解”が見えてくる──。

 調査の結果、「受けたい」検査1位は血液検査となった。2位以下のラインアップを見ると、「受けたい」「受けたくない」の両方にランクインしているものがいくつか存在する。特に「大腸内視鏡」をはじめとした内視鏡検査の名前が目に入ってくる。
 医療に詳しいジャーナリストの村上和巳さんは、こんな推察をする。
「内視鏡検査は、熟練の専門医が行えば短時間のうちにスムーズに終わり、苦痛もほとんどありません。しかし、医師の腕によっては苦しんだり、時間がかかってしまったりすることもある。“ピンキリ”だということを医師たちが知っているからこその結果だと思います」
 とはいえ内視鏡検査は、がんなどの病変があれば医師が直接見て発見できるうえ、小さいものならばその場で切除することもできる。毎年でなくとも受けておくべきだ。
「大腸内視鏡は40代後半になったら一度は受けてほしい。専門医が腸内を見ると、ポリープができやすいかどうかなど、その人の腸がどんな傾向を持っているか、ある程度わかります。ポリープができにくい人であれば、検査は2~3年に1度でいいといわれる場合もある。大腸がんは日本人の死亡原因の上位でもあるから、積極的に受けてほしい」(村上さん)

 一方で、「受けたくない」部門の1位にその名が挙がった腫瘍マーカーと胃バリウム検査には「あてにならない」「大変なわりに効果がない」といった辛辣な意見が多く見受けられた。
 村上さんも「バリウム検査は受けたくない」と声をそろえる。
「バリウムをのんだり、検査後に下剤で出すのは時間もかかるし、大変です。さらに、撮影した画像から病変がないかチェックする『読影』という作業は医師の腕に左右され、見落としの可能性があります。内視鏡も現在は医師の目による確認ですが、人工知能(AI)で解析する試みが行われており、近い将来に実用化される見込みです」
 つまり、今後さらにバリウムと胃内視鏡の精度の差は開いていくことが予想される。新潟大学名誉教授で医師の岡田正彦さんは被ばくリスクの有害性を指摘する。
「比較的被ばく量が少ない検査である胸部レントゲン検査すら、欧米の研究によれば『肺がん患者を減らすどころか1割増やしている』との報告があります。バリウム検査の被ばく量はなんとその100倍以上ともいわれており、メリットより害の方が大きくなると考えられます」
 胃がん検診を受ける際は、バリウムより胃内視鏡検査を選択した方がよさそうだ。
(略)

ちなみに検診と健診と言う言葉はやや違いが分かりにくいですが、検診は癌検診など特定の病気を見つけるのが目的であり、後者は健康診断の略で生活習慣病など全般的な健康状態の把握が目的です。
ただ設問を見て思うのですが受けたい、受けたくないと言う言葉の解釈が曖昧で、しんどいから受けたくないのと意味がないから受けたくないのでは全く意味が違ってくるはずですが、実際の文言はどうだったのかです。
コメントで見れば受けるべきか、受けるべきではない(受けても仕方がない)で回答をされているように思いますが、やはり患者の身としてはしんどい検査はたとえ有益であっても受けたくないのも本音でしょうからね。
また乳癌検診のマンモグラフィなども有益性からは受けるべき検査の部類だと思いますが、見ず知らずの男性に撮影されるのは嫌だと言う女性心理も当然あって、女性の検査技師が歓迎される所以です。

記事を見ていますと消化管検診の話題が大きく扱われていますが、内視鏡など有益であっても大変だとかしんどいと言った事情がある場合、医師の方がより積極的に検査を受けるものかも知れません。
一度内視鏡で見てみればある程度癌のなりやすさ、リスクが判ってきますから、癌年齢になれば一度は受けて損はない検査だと思いますが、ただ記事にあるようにバリウムを廃して内視鏡に切り替えるべきかどうかです。
検査技師が短時間に大量にこなせ、場合によっては検診車でも行えるバリウム検査と、医師が一人一人行う内視鏡検査では、行う医療機関の側からすると手間や大変さなどの負担感にずいぶんと差があります。
現時点では胃癌のリスクが高い人に内視鏡を行うABC検診などが行われていますが、将来的にはカプセル内視鏡とAIの組み合わせなどで、より簡単で高精度な消化管検診が可能になるかも知れませんね。


以前には胸部レントゲン検診は有害無益だと言う主張がありましたが、肺癌検診としてはさほど有用では無いとしても、結核や慢性呼吸器疾患などに対する健診の意味ではそれなりに有益ではないかと思います。
要は何を目的にするかで全く価値が変わってくるのが検査と言うもので、その意味では医師の判断の元で適切な検査を受けるのが最善であり、素人判断であれやこれやと受けても有害無益になりかねません。
この点で特に最近問題視されているのが人間ドック等で有料オプション扱いされている腫瘍マーカーなるもので、多くの医師から低評価だったのは当然ですが、ドック等では未だに一定の人気があるようですね。
将来的に少量の検体で早期の癌を発見出来る時代が来ればともかくですが、現時点ではいたずらに患者の不安を煽ったり、無駄な精密検査で医療機関のリソースや医療費を浪費する嫌われ者と言えそうです。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

>大腸内視鏡・・・・検査は2~3年に1度でいいといわれる場合もある。

ドックの時に、5年に1度くらいでいいと言われたけど。

投稿: | 2019年9月 9日 (月) 09時46分

そこはいまだに議論になるところかと

投稿: | 2019年9月 9日 (月) 21時23分

検査の間隔については個人個人の状況にもよるので一概には言いにくいのではないかと思いますが、大腸内視鏡などは国ごと医師ごとの考え方の違いが大きいかも知れませんね。

投稿: 管理人nobu | 2019年9月11日 (水) 08時20分

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