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2019年7月15日 (月)

最近目についた興味深いニュース三題

先日こんなニュースが話題になっていました。

北大が名和学長の解任申し出へ。職員へのパワハラ認定、国立大では全国初になる見通し(2019年7月5日ハフポスト)

北海道大学の名和豊春学長(総長)について、同大が解任の申し入れをする方針であることが7月5日、関係者への取材で分かった。
名和学長は北大職員に対するパワーハラスメントをしていた疑いがあるとして、学長選考会議2018年11月から調査をしていた。学長選公会議は学長のパワハラを認定。学長を続けることは不適切であるとして近く文部科学相へ解任の申し出をするという。
名和学長は、2018年12月10日から体調不良を訴え休職しており、2019年3月の卒業式や、4月の入学式も欠席した。現在は笠原正典副学長が職務代理を務めている。
北大広報課は「現時点ではコメントを差し控えたい」としているが、この問題について「世間的に大きな注目を集めているので、解任の申し出などがある場合はしかるべきタイミングで公表する」と説明した。
(略)
国立大学の学長任命手続きをする文部科学省人事課によると、2004年に国立大学が法人化してから、学長が解任された例は今までにないという。
国立大学法人法によると、国立大学の学長の任命や解任の手続きは、学内外のメンバーで構成する選考会議の申し出を受けた後、内容を精査して文部科学相が可否を決定する。
担当者は「正式な申し出は現時点では来ていない。このような例は過去にないため、一般的にどう対応するかということについても説明しにくい」と話している。

未だ事実関係が争われている中ですから断定できるものではないものの、近頃ではアカハラと言う言葉もあるくらいで、学閥内のヒエラルキーに基づくハラスメント自体はどこの大学でも全く珍しくはないでしょう。
ただ今回国立大学のトップである学長が、いわば部下からの謀反によって職を追われると言う前代未聞の事態であることが珍しく、こういうことが可能であると言うことを世に知らしめる意味でも重要な事例になりそうです。
今後はこれならうちの教授も…と全国各地で内部告発が続くことになるのかどうかですが、学問的業績だけではなく人並みの常識を持ち合わせているかどうか、教授選考の過程から問われる時代になるのでしょうか。
続いてこちらも言われてみればありそうな話でもあるのですが、先日出ていた珍しいニュースを紹介してみましょう。

救急隊員、待たされ「分娩後に要請を」消防謝罪(2019年7月10日読売新聞)

 横浜市消防局の救急隊員が、低体重児の救急搬送要請で出向いた産婦人科医院で、分娩で待たされたことに対し、「救急車を長く拘束することはできかねる」と発言するなど不適切な言動をしたとして、消防が医院側に謝罪していたことが、関係者への取材で分かった。

 市消防局などによると、医院は今年春頃、母親の周産期異常で予定日より早い低体重児の緊急分娩の必要があるとして、新生児の専門病院への搬送を要請した。帝王切開後の心肺蘇生などに時間がかかり、救急車は30分ほど待機した。
 救急隊員3人は待機中、感染防止のため着用が規定されているマスクを外し、廊下のソファに足を投げ出して座り、さらに、関係者以外は立ち入り禁止の場所で新生児たちを眺めるなどした。さらに、40歳代の救急隊長は搬送後、付き添いの医師に「30分ほど救急車が待った。分娩後に要請してください」などと発言した。

 市消防局は「緊張感に欠く行動や不見識な発言」として医院側に謝罪した。同局は取材に対し、「周産期医療に関する知識と経験が不足し、緊急であることを理解していなかった。救急隊員の指導育成に努める」と話している。

医学的な状況の詳細は記事からは少しわかりにくいところもあるのですが、緊急搬送の必要がある場合は往々にしてあり、また一段落してから救急車を呼んだのでは遅いと言う場合も当然ながらあるでしょう。
結果的に30分待たされた救急隊としても不本意だったのは理解できるところですが、少なくとも現場でこうした態度や言動に出ることは不適切と言うべきで、後日検証なりするのが妥当ではなかったかと思いますね。
ただ医療機関でこうしたトラブルがあった場合、病院当局がどこまでスタッフを守るために行動するだろうかと考えると、個人ではなく組織として責任を負う消防救急の体制は見習うべき点が多々あるように感じます。
もう一つ取り上げますのはこちらのニュースなのですが、おそらく多くの医療関係者がびっくりされたのではないでしょうか。

加古川中央市民病院 黒字が過去最大、21億円超(2019年7月9日神戸新聞)

 加古川中央市民病院(兵庫県加古川市加古川町本町)を運営する地方独立行政法人「加古川市民病院機構」は9日、2018年度の決算を公表した。経常収支は21億7千万円の黒字で、過去最大の黒字額だった17年度をさらに約2億円上回った。今月で開院から丸3年となる新病院は、年々経営の安定化が進む

 同日にあった、外部の有識者らでつくる評価委員会で報告した。経常収支の黒字は6年連続。17年度に引き続き、設立者である市の一般会計から繰り入れる運営費負担金(16・6億円)を除いた収支でも黒字を達成した。

2016年に開院した同病院は600床クラスの地域基幹病院で、高度急性期を中心とする入院医療の収益改善がこの結果を招いていると言うことですが、そうは言ってもなかなかこのご時世に出来ないことです。
スタッフの労働環境は果たしてどうなのかと気になる先生も多いと思いますが、個人的に注目したいのは昨年初めて黒字を達成した時点で入院、外来患者数の大幅な増加を認めていた、その結果です。
加古川市民病院機構の患者アンケートでは黒字化と平行して入院・外来患者の満足度が大きく低下しており、接遇や応対の満足度や外来の待ち時間などで顕著な悪化が見られたと言います。
経営至上主義で顧客をより多く集めれば当然そうなるだろうことは予想出来るのですが、医療の場合基本的にはこうした接遇面が多少悪くとも、顧客は医療そのものへの期待感で集客出来るともいえますね。
診療報酬改定が厳しさを増す中でなかなか教訓的な話だと思うのですが、やはりこれからの時代国民としても医療の質、コストおよびアクセスのいずれを重視するか、選択していく必要がありそうに思います。

 

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