« 最近目についた興味深いニュース三題 | トップページ | 今日のぐり:「インディアンレストラン アラティ 倉敷中庄店」 »

2019年7月17日 (水)

どこかで見たようなコメントが、全く畑違いの業界から

このところ反社会的勢力との関係など何かと話題になる事の多い某芸能関連大手の運営の在り方に関して、先日こんなニュースが話題になっていました。

闇営業、契約書なし、安いギャラ、宮迫の今後…吉本・大﨑会長が答えた60分(2019年7月13日BUSINESS INSIDER JAPAN)

振り込め詐欺グループの宴会に参加して金を受け取ったとして、「雨上がり決死隊」の宮迫博之さんや「ロンドンブーツ1号2号」の田村亮さんらが謹慎処分を受けた「闇営業」をめぐる問題。
吉本興業ホールディングスの大﨑洋会長が、Business Insider Japanの取材に応じた。
(略)
BI:闇営業の背景には、芸人たちの報酬が安いことがあるのではと指摘されています。
大﨑:ギャラが安いことと、犯罪を起こすことはなんの関係もない。お金持ちは、犯罪を犯さないのかというとそんなことはない。
吉本としては基本、ギャラはちゃんと払っているつもりです。

「最初のギャラが250円だった」と芸人がテレビで発言してますよね。
イベントをすれば場所代、賃料のほか大道具さん、衣装さんの経費も必要。黒字が出るときも、赤字のときもある。赤字だったとしても、プロとして吉本の舞台に立ったのだから、ギャラは払ってあげないといけない
10組の漫才師が出て、上の3組の名前で800人がいっぱいになったとする。若い子の名前でイベントに来た客はいなくても、プロとして舞台に立ったんだから、1円でも払ってあげようという意味での250円。250円もらえてよかったなと、ぼくは思う
その状況がきちんと理解できていなかったり、テレビで話を振られた時に笑いを取ろうとして、「250円」と言ってしまったのかもしれません。
交通費が500円かかって、250円では赤字だったとしても、800人の前で自分たちの漫才を3分できれば、たとえ1回も笑いが取れなくても今後の芸の役には立つでしょう。

芸は、人生をかけて何十年も積み重ねて完成するもの。修行時代に、先輩のおかげで舞台に立つ経験をしてもらう。ギャラの額の問題ではないと思ってます。
歌手でもカメラマンでもライターでも、売れないころ若いころは食べられません
だから芸人は居酒屋でバイトをし、いつの日か芸を磨いてスターになって、世の中の人を感動させたい、喜んでもらいたいと下積みをする。
吉本の芸人としてデビューしたんだから、だれも笑ってくれなくても、月に30万円払ってやるからがんばれよ、というやり方は、本当の芸人を育てるやり方とは思えない。吉本のいまのやり方を、変えるつもりはありません。
(略)
BI:芸人と契約書は交わしていないのですか。
大﨑:芸人、アーティスト、タレントとの契約は専属実演家契約。それを吉本の場合は口頭でやっている。民法上も、口頭で成立します。タレントが出版社から本を出す、映画に出るというときは、これは別途、吉本興業と出版社や映画会社が契約書を交わしています。
芸人が「契約書ないねん」と言っているのは、書面で交わしていないということだと思う。その子が理解不足なのか、笑いをとろうとして言ったのかはわからない。ただ、いまの形がぼくは吉本らしいし、いいと思ってます。
(略)
BI:役員を含めた責任のとり方について議論はされていますか。
大﨑:まったくない。社内の構造に問題があったとは理解していない。道半ばなので、やり遂げる道をぼくは選ぶ。

BI:6000人の芸人を抱えるのは、さまざまなリスクを抱えることの裏返しにも見えます。
大﨑:吉本に入ってお笑いやりたいんです、吉本しか行くところがないんです、という子たちに、来るなとは言えません。
縁あって吉本の門をくぐった以上、本業で月に2000円しか稼げなくても、がんばって居酒屋のアルバイトであとの12万円を稼ぎなさいね、ということだと思う。
それは、どの世界でも同じ。本業でいきなり食っていけるわけではない。十分な給料をあげて安心して暮らしながら修行しなさいというのが、本当の愛情なのか
なにかのきっかけですごくいい仕事が、すごくいい漫才のネタができるかもしれない。吉本しか居場所がない人においでよ、と言うのは、まちがったことではないと信じている。
(略)

近藤春菜、吉本会長「今後も書面での契約しない」に「口頭でも聞いた覚えない」(2019年7月15日サンスポ)

 お笑いコンビ、ハリセンボンの近藤春菜(36)が15日、MCを務める日本テレビ系「スッキリ」(月~金曜前8・0)に生出演。お笑い芸人らが会社を通さない“闇営業”で反社会勢力の集まりに出席した問題に言及した。
(略)
 また、吉本興業の大崎会長が「今後も書面で契約を交わすことはない。口頭の契約を変えない」としている点について「口頭だったとしても、芸人も納得してお互い同意しないと契約って結ばれないと思うんですよね。私は吉本から口頭でも聞いた覚えはないですし。『会社にいくら入ってあなたの取り分はこうです』とか、他の問題に関しても何もないですよね。会長のおっしゃっていることと芸人の間での相違がすごくて、これで納得している芸人っていないと思います」と苦言を呈した。

反社会的勢力との関係云々については芸人の皆さんも飯の種、商売でやっているわけですから、そうと知らず意図せざるものまで含めれば相応の数がこれまでにもあったのではないかとは想像出来るところです。
その点についてはこの機会に検討いただくとして、ここで注目したいのは業界最大手の大手企業が契約書もなく、ただ口頭での口約束だけで支払いなどを決めていると言う点で、ちょっと驚くような現状ですよね。
無論一般のサラリーマンと違って様々な不定期収入も多いだろうとは思うのですが、少なくとも外部と契約をする際にはきちんと条件を交渉し文書も交わすでしょうに、内部に限ってずいぶんといい加減なものに見えます。
特に注目したいのが所属する芸人のコメントとして会長の言に反し、口頭であれ何であれ契約に関して全く聞いたことがないと言っている点ですが、事実であるとすると内部の決算処理などどうしているのかとも思います。

世間的にもちょっとした話題になっていたこの記事ですが、個人的に感じたのが会長のコメントや労働契約の実態など、最近何かと話題になることの多い無給医問題と妙に相似形に見えると言うことでしょうか。
技能は苦労してこそ身につくものだとか、修行中なのだから給料が出なくて当たり前だとか、将来のために若い頃は苦労はしておくべきだとか、どこかの病院の経営者側のコメントとしても違和感を覚えないフレーズです。
どこの業界でも大なり小なりこうした事例はあるのでしょうし、特定の業界だけが特殊だから起こる問題でもないのでしょうが、それだけに世間的にこうしたコメントがどう受け止められるか当事者は知るべきでしょうね。

|

« 最近目についた興味深いニュース三題 | トップページ | 今日のぐり:「インディアンレストラン アラティ 倉敷中庄店」 »

心と体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 最近目についた興味深いニュース三題 | トップページ | 今日のぐり:「インディアンレストラン アラティ 倉敷中庄店」 »