« 診療拒否のガイドライン、厚労省から通知 | トップページ | 今日のぐり:「かいだ屋」 »

2019年7月25日 (木)

高齢ドライバーの安全対策、運転を制限するだけでは難しそうだと言う認識が徐々に浸透

高齢ドライバーの起こす交通事故が注目を集める中で、全国的に対策グッズ導入が加速していると報じられています。

高齢ドライバーの運転事故対策、「お助け」グッズの費用と効果(2019年06月30日NEWSポストセブン)

 高齢ドライバーによる悲惨な交通事故が続発するなか、多くの「予防グッズ」が登場している。ここではそれらを5種紹介しよう。まず、年に7000件発生するブレーキとアクセルの踏み間違い事故を防止するのが「ペダルの見張り番」だ。
「アクセルを電子的に制御するシステムで、時速10km以下ならアクセルペダルを強く踏み込んでも急発進しなくなる。購入者の約8割が60代以上です」(開発したオートバックス社のIR・広報部)
 価格は工賃を含め3万2399円(税込、以下同)。今年5月の売り上げは前年同月比で26倍だという。

 同じく踏み間違い防止のためにナルセ機材が開発したのが、アクセル・ブレーキ一体型ペダルの「ワンペダル」。ペダルを踏むとブレーキ、足を右に傾けるとアクセルがかかる。特注品のため価格は18万3600円(+工賃)と値が張るものの、それでも半年待ちの人気だ。
「私自身の踏み間違い体験を元に、約30年前に開発しました。14年頃まで年数十台の売り上げだったが、ここ数年は年100台を超えています」(ナルセ機材の鳴瀬益幸・社長)
(略)
 高齢ドライバー向けの自動車保険が、三井住友海上の「GK見守るクルマの保険」だ。GPSで高速道路の逆走を察知して警報を出すほか、ドラレコを貸与し危険運転を家族に知らせる。発売4か月で契約件数は10万件を突破した。

 自動ブレーキ搭載車に買い替えるには時間も費用も要するが、「後付け」なら導入のハードルは高くない。

高齢者よりも初心者の方が危険だと言う意見もありますが、初心者は日々上達し事故率減少が期待出来るのに対して、高齢者は日々事故の不安が増していくと言う違いがある点は無視出来ません。
また事故内容も若年者とは傾向が違うことは感じられ、先日都心部で発生した暴走事故などは異様な様子がテレビでも流れましたが、他車や歩行者にとって行動が読めない怖さはあると思いますね。
自動車関連業界としても物理的対策を急ぐ必要は感じているようで、国としても将来的に安全対策装備車に限定した高齢者用免許などを考えているようですが、そうそう車を買い換えられない方も多いことでしょう。
ひとまずの対策として高齢者の免許返納・取り消し推進が挙げられますが、先日も免許返納後に車を乗り回して事故を起こした高齢者のように、当事者と周囲の認識はなかなか一致しないようです。

認知症届け出、医師の苦悩 患者は同意せず反発も(2019年7月23日西日本新聞)

 福岡市早良区で9人が死傷した多重事故など、全国各地で高齢ドライバーによる重大な交通事故が多発する中、認知症などを診断した医師が都道府県公安委員会に届け出たケースが年々増加し、届け出たうちの約4割が運転免許の取り消しや停止につながっていることが分かった。届け出は任意で、患者が運転をやめることに同意しないまま行う場合もあり、現場の医師の悩みは深い。専門医の不足もあって、医師の側からは届け出の詳しい基準作りを求める声も上がっている。

 届け出制度は2014年6月の改正道交法施行でスタート。認知症やてんかんなどが対象で、医師に課される守秘義務から除外される。警察庁によると、届け出件数は14年(6~12月)が119件、15年134件、16年144件と増え、18年は255件に。制度開始以来、計798件の届け出があり、うち約4割に当たる319件が免許の取り消しや停止などの処分に至っている。
 日本認知症学会など認知症に関係する五つの学会は制度開始に合わせ、ガイドラインを策定。届け出前に患者と家族の同意を得るよう求めているが、困難な場合は「状況を総合的に勘案し、医師が判断する」と記し、現場の裁量が大きい。「生活の足が奪われる」と届け出に反発する患者もおり、医師の側も二の足を踏むケースがあるという。

 地域のかかりつけ医が対応に迷ったとき、相談に乗り、研修や助言を行う「認知症サポート医」も全国的に不足している。厚生労働省は25年度までにサポート医を1万6千人にする目標を掲げるが、17年度末で約8千人にとどまっている。西日本地区のある医師は「専門外の医師が届け出の判断を迫られるケースもあり、よりきめ細かい基準がほしい」と訴える。
 高知大の上村直人講師(老年精神医学)は「制度を熟知していない医師もいる。都道府県警に専用ダイヤルを設置すれば、より使いやすい制度になる」と指摘している。

実は運転禁止は高齢者に限ったことではなく、医療の世界では疾患や治療内容によって若年者でも運転を禁じるべき時がありますが、そう簡単に禁止の徹底も出来なければ患者の了承も得がたいのが現実でしょう。
散瞳での眼底検査や鎮静下での内視鏡検査、アルコール含有製剤による抗癌剤治療や催眠鎮静作用のある薬剤投与時など、いずれも本来車の運転はやってはいけないはずですが、事実時に車に乗って事故を起こす事例もあるようです。
医療機関の集約化もあって大きな病気や希な病気になるほど遠方への通院が増える理屈ですが、こうした方々ほど体力的な不安も大きいだけに、1日数本のバスを待っての通院と言うのもきついだろうと思います。
ましてや高齢者ともなれば本来はより楽な自家用車での移動が望ましいはずで、長期的に考えると地方に限定したものでも自動運転装置など、高齢者でも車に乗れる技術の推進が望ましいところでしょう。

そもそも何故高齢者の運転禁止が言われるかと言えば事故が怖いからであり、その結果自分だけではなく他人にも危害を及ぼす可能性があるからですが、実はそうした懸念があるのは別に車の運転に限りません。
先日拝見したのですが医師として何歳まで働きたいかと言うアンケートがあり、70歳までが最多だったそうですが、一律に年齢で規定するのはおかしいだとか、高齢医師も働かせるべきと言う意見も多かったようです。
身体的にはもちろん、知的能力も年齢とともに衰えることが明確である以上、医師も高齢になるほど患者に危害を与えるリスクも高まるはずですが、危険性を知っているはずの医師ですら自分のこととなると簡単には辞められないのが実情のようですね。
不肖管理人も車の運転をする機会は日常的に多い方ですが、70歳になればきっぱり免許を返納するかと問われればさてどうなのかで、では何歳まで運転を続けるだろうかと考えると悩ましいものがあります。

 

|

« 診療拒否のガイドライン、厚労省から通知 | トップページ | 今日のぐり:「かいだ屋」 »

心と体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 診療拒否のガイドライン、厚労省から通知 | トップページ | 今日のぐり:「かいだ屋」 »