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2019年6月19日 (水)

大津市民病院で連鎖的逃散発生中

先日話題になっていたのがこちらのニュースですが、興味深く感じたのが記事を読んだ一般市民の方々が非常に生暖かく事態の推移を見守っていらっしゃる点でした。

市民病院で救急医が一斉退職へ 診療体制の維持に危機(2019年6月8日朝日新聞)

 大津市の地方独立行政法人・市立大津市民病院で、救急医療に携わる医師の大半が一斉に退職することが、滋賀県幹部らへの取材でわかった。院内の救急以外の医師で対応する一方、近接する複数の病院に応援を打診している。しかし医師不足を解消し、診療体制を維持できるかは不透明な状況だ。

 市民病院は、救急外来「ERおおつ」が24時間態勢で、休まずに救急患者を受け入れている。集中治療室(ICU)に8床あり、屋上のヘリポートではドクターヘリが離着陸できる。

 市消防局によると、昨年1年間に救急搬送した約1万6千人のうち、24・7%にあたる4044人は市民病院が受け入れたという。

救急担当医の大半が退職へ 大津市民病院(2019年6月11日中日新聞)

 大津市の地方独立行政法人・市立大津市民病院で、救急医療に携わる医師の大半が、今月末で退職することが分かった。同院は、県内外の医療機関に応援を依頼しており、「今後も救急体制を維持できる」と説明している。

 同院によると、同院は二十四時間体制で救急患者を受け入れている。救急診療と集中治療室については医師七人が担当しているが、うち六人が今月末で退職するという。診療部長の医師が退職するのに伴い、指導を受けていた若手医師らが退職することになった。
 同院は「県内外の大学と病院に医師の派遣を打診して、非常勤で来ていただけることになった。院内のほかの医師も救急を担当することにし、来月以降も救急の受け入れを維持できる」としている。

 同院ではこの春、産婦人科で医師の退職が相次ぎ、六月から分娩(ぶんべん)の受け入れを休止する問題も生じていた。

記事にもあるように同院では今春の段階で産科医退職が相次ぎ分娩取り扱い休止も発表していて、典型的な連鎖崩壊の様相を呈していますが、驚くのはこの状況で救急体制を維持できると公言していることです。
もともと救急は常勤3人+後期研修医4人で回していたそうですが、それで年間4千件ですから決して暇であるとは思えず、その担当医が一斉退職した以上どうしたって体制縮小が必須ではないかと思われます。
病院長としては全く縮小の意図はなく今まで通り回すと言う固い決意でいらっしゃるそうで、その辺りも今回の一連の事態に至った理由の一つかとも愚考するのですが、非常勤の先生が頑張ってくれるといいですね。
ともあれ、いきなり救急を担当させられることになった院内他科の先生方も暇ではなかろうですから、今後も逃散が相次ぐのではないかと言う印象を受けるのですが、しかしそもそも何故こうなるまで放置していたのかです。

風の噂には色々と聞くところもあるのですが、話題になっていたのが独法化に伴い赤字山積する経営面の改善を迫られ、より多くの患者受け入れと人件費削減を推進した点に根本的な原因があると言う声です。
時間外勤務手当縮減などにより人件費率を5年間で62.6%から55%以下に引き下げると言うのですから、仕事が増える一方で報われるところが少ない以上よほどトップに求心力がなければ破綻は目に見えています。
何ら経営改善をせず赤字垂れ流しでは病院の存続自体が危ういと考えたのでしょうが、地域医療構想に伴う病院再編が喫緊の課題となっている時代に、赤字病院は優先して潰すべきと言う意見も少なくありません。
全てを守ろうとして結局全てを失うよりは、医療リソースの集中と集約化で強みを特化した方が生き残る可能性が高そうに思いますし、こうした都市部の病院でこそそうした取捨選択は容易なはずですけれどもね。

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コメント

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今年の4月就任ですから、こいつが無能でファイナルアンサーじゃないんでしょうか?
車で10分以内に、大津日赤もあるし、なくてもなんとかなるでしょう。
最悪、京都市内に患者送れば良いことです。

投稿: 麻酔フリーター | 2019年6月20日 (木) 19時02分

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