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2019年6月26日 (水)

インドで大々的な医師のストライキ発生

日本とは医療体制も違う異国での話ですが、先日こういう興味深い事件が報じられていました。

インドで医師数十万人スト=患者家族の襲撃に抗議(2019年6月17日時事通信)

 【ニューデリー時事】インド全土で17日、医師数十万人がストライキを決行した。
 死亡した患者の家族に医師が襲撃された事件を受け、職場での安全確保を求めている。在留邦人にも、治療や検査を受けられないといった影響が及んだ。

 発端は10日、東部の西ベンガル州の病院に運び込まれた重体患者が死亡し、医療ミスがあったとして家族が病院内で複数の医師を暴行し、重傷を負わせた事件。地元医師組織が州に処遇改善を呼び掛けたが、事態が好転しなかったため、ストを決めた。医師30万人以上が加盟する全国組織も連帯を呼び掛けた。
 スト参加者は18日早朝(日本時間同日午前)まで手術を含め、不急の治療は行わないという。 

インドで17日に医療従事者の全国スト、患者遺族からの暴行事件受け(2019年6月15日AFP)

【6月15日 AFP】インド東部・西ベンガル(West Bengal)州の病院で、治療中に死亡した患者の遺族が、適切な治療を怠ったとして医師3人に暴行を加える事件が起きたことを受け、インドの医療従事者は来週17日に全国でストライキを実施する予定だ。関係者が14日、明らかにした。
 インド医師会(Indian Medical Association)によると、適切な治療を怠ったとして患者の家族から頻繁に暴行を受けている医療従事者への法的な保護を求めるため、数万人の医療従事者が17日にストライキを行う予定だという。

 インド医師会の事務局長はAFPに対し、同会の会員30万人以上が14日から3日間の抗議行動をしていると明らかにした。一部の州では、職場でいかに危険な目に遭っているかをアピールするため医師らがヘルメットをかぶったという。事務局長は、17日のストライキで救急医療に影響が出ることはないとしている。
 西ベンガル州の州都コルカタ(Kolkata)の医療従事者らは、すでに10日からストライキを実施している。同州の州立病院で、治療中に死亡した患者の遺族が医師3人に暴行を加え、うち2人が重傷を負う事件が起きていた。警察はこの事件で4人を逮捕し、捜査を進めている。

 インドの医療費は国内総生産(GDP)の2%未満で世界的に見ても最低レベル。世界保健機関(WHO)はインドをイラクやベネズエラよりも下に位置づけている。インドは不十分なインフラや医師の不足に悩まされており、非都市部ほど状況は深刻だという。(c)AFP

この医師が患者や家族などに襲撃されると言う事例、お隣中国などでも控えめに言っても決して珍しい話ではないのだそうで、その背景事情として最大のものに受けた医療の結果に対する不満があるようです。
健康保険制度の未整備な中国では支払い困難事例が珍しくないからでしょう、いちいち先に治療費を支払わなければ何もしてくれないのが当たり前だそうで、その分結果が悪ければ不満も爆発しやすいのでしょう。
日本でも結果が悪ければ患者家族から何かと言われたり、場合によっては裁判沙汰になったりはあり得る話で、ひと頃はJBM防衛医療などと騒がれましたが、今や全く当たり前の常識として定着した感があります。
医療は不確実なことが当然なものであるからこそ、結果で判断されるのは不本意であるとは多くの医療従事者が考えたのは当然ですが、ただ今回のインドの事例ほど大々的な集団行動は日本にはありませんでした。
この点は立ち去り型サポタージュなどに代表されるように、日本の医療現場ではあるべき姿に改めようと奮闘するよりも、さっさと辞めて逃げ出した方が話が早いと言う現実があったからだとも言えるでしょうか。


ちなみに全国全ての職場環境が悪いとすれば、辞めて逃げ出す先が存在しないことになりますので、一部の先生方は国外に脱出したとしても、大多数の先生方は不平不満を抱えつつ働くしかない道理です。
実際にこうした考えからか、医師間の業務分担をなるべく公平平等にすることで医療崩壊を乗り切ろうと言う主張も一部から為されていましたが、さてこういう発想も実際にやるとなると必ずしも嬉しくない気もします。
いざとなれば逃げられる先があるからこそ耐えられると言う側面もあるので、平日が幾ら激務でも休日があればリフレッシュ出来るものを、24時間365日同じようにそこそこ忙しい生活と言うのはちょっと嫌かも知れませんね。
何にしろ逃げるばかりではなく、いざとなれば正面切って戦えると言う選択肢も持つことも有力な交渉材料になるでしょうが、日本の場合誰が音頭をとって団結するかと言う点が最大の課題になるのでしょうか。

 

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コメント

>全国全ての職場環境が悪いとすれば、辞めて逃げ出す先が存在しないことになりますので、
旧共産圏でもあるまいし、相対的にマシな所を探せばよいのですよ。
皆がそのように行動すれば、全体的にマシになっていきます。

>医師間の業務分担をなるべく公平平等にすることで医療崩壊を乗り切ろうと言う主張
北朝鮮じゃあるまいし、そんな寝言言っている人ほんまにいるのですか?

投稿: 麻酔フリーター | 2019年6月27日 (木) 17時10分

>皆がそのように行動すれば

やはり奴隷医を縛り首にしなきゃ!(使命感

投稿: 10年前にドロッポしました | 2019年6月28日 (金) 13時25分

最近話題の無給医問題について、医師はバイトで生活が出来るから本業では無給でもいいと言う考え方はさすがにいささかどうなのかとは感じました。

投稿: 管理人nobu | 2019年6月29日 (土) 17時14分

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