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2019年6月

2019年6月29日 (土)

今日のぐり:「ヴェルデュ都」

多くの人々が経験的に感じていることかも知れませんが、先日こんな面白い記事が出ていました。

巧みに人を操る「子犬の目」の進化、オオカミにはできない表情 研究(2019年6月18日AFP)

 【6月18日 AFP】犬が人間を自分の意思に従わせるために「子犬のような目」を使うのを、どうやって身に付けたか考えたことがあるだろうか。
 17日の米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された最新の研究論文によると、飼い犬は人間に似た眉の筋肉を進化させており、それによって人の心をとろけさせるあの悲しげな顔の表情を作れることが明らかになったという。

 今回の研究では、死んだ飼い犬を解剖し、飼い犬の祖先である野生のオオカミと比較した。飼い犬とオオカミは約3万3000年前に分岐した。
 今回の研究の別のパートでは、犬と見知らぬ人間との2分間の交流の様子を録画し、眉頭を上げる、目の周りの特定の筋肉がどれくらい使われているかを詳細に記録した。さらにオオカミでも同じ実験を行った。
 その結果、飼い犬の場合は目の周囲に二つの筋肉が必ず存在し、十分に形成されているが、オオカミではそうではないことが判明した。また、人をじっと見詰めている間に眉を激しく動かすのも犬だけであることが分かった。

 論文の共同執筆者の一人で、米デュケイン大学(Duquesne University)のアン・バロウズ(Anne Burrows)教授は、AFPの取材に「これによって目がより大きく見えるようになり、人間の幼児に似た状態になる」「それにより、世話をしたいという気持ちが引き起こされる」と説明した。
 さらに、眉の筋肉は犬では力強いがオオカミではそうではないため、「眉の筋肉とその機能が自然選択されていることが分かる」と、バロウズ教授は指摘した。
(略)
 興味深いことに、今回解剖された犬の中のシベリアンハスキーは、他の犬種には二つある筋肉のうちの一つで、まぶたの角を耳の方に引っ張る筋肉がなかった。
 その理由は、ハスキーが古い犬種であり、犬とオオカミとの関連性がどのようなものだった可能性があるかを最もよく表す現存種だからかもしれない。

 バロウズ教授は「ハスキーで今回確認された興味深い変化についてさらに掘り下げる予定だ」として「マラミュートやサモエドなどのさらなる古代犬種を調査し、その結果をチワワやヨークシャーテリアなどの小型犬種と比較したいと考えている」と述べた。
 さらには猫や、犬と同様の動きを作り出すとみられる馬など、人間との親密な関係にあるその他の動物にも、今回の研究を広げられるかもしれない。

顔芸がコミュニケーション能力の向上に結びつくのは理解出来るところですが、飼育動物が人間とのコミュニケーション能力を向上させてきたとすれば興味深いですね。
本日は生き物と人間との関わり方に注目して、人間に多大な影響を与える生き物のニュースを取り上げてみましょう。

机の上で猫がゴロ~ンする会社 4割が猫にひかれて入社(2019年6月26日sippo)

 五反田駅から程近くに本社を置く「みんなのマーケット株式会社」。オフィス入口の呼び出しタッチパネルを触ると、「ニャ~ン♪」と猫のなき声! 初訪問の緊張もすっかり解けていきます。こちらは、ハウスクリーニングや引っ越し、家のリフォームを始めとする生活関連の出張・訪問サービスに特化したインターネット商店街「くらしのマーケット」を運営する会社。

 社員60人程がいる開放的な東京オフィス。猫はというと…… ある男性社員のデスクの上。見ると、猫のためにホットカーペットが置かれています。シーを独り占めしていたのは、元々は犬派だったMisoさん(32歳)。おやつをあげているうちに、徐々に心の距離が縮まって、どんどん猫好きになったそうです。今や、シーを抱っこできるのはMisoさんくらいだね、と言われるまでに。

 ジャンゴを抱っこしていたのは広報担当・小滝さん。「猫がいる会社」を調べて、入社を志望したそうです。子どもの頃から猫と暮らしており、大学進学のため上京して猫ロスに。一日の長い時間を過ごすオフィスに猫がいるのは魅力的と話します。猫が理由で入社したという人が4割弱もいるというから、2匹のリクルート力は凄いものです。今春もまた、猫が大好きな有能な人材が集まってくることでしょう。

昨今何処の業界でも人手不足だそうですが、こうした絡めてからの攻略も解決の糸口になるものなのかも知れませんね。
まさに冒頭の記事とも関連するような話なのですが、こういう記事も出ていました。

親とはぐれた?「うり坊」を飼い犬が救出 かわいらしい姿、人気者に(2019年6月20日西日本新聞)

 福岡県八女市黒木町笠原の自営業吉田雄一さん(42)が、親とはぐれた雄の赤ちゃんイノシシの世話を始めた。毎日、夕暮れ時に吉田さんと自宅近くを散歩し、すぐ後をトコトコと追い掛ける「うり坊」のかわいらしい姿が近所で評判になっている。

 うり坊は今月1日夕、飼い犬のタロが散歩中に山からくわえてきた。生後数日とみられ、寒さのためか震えていた。「親に置いていかれたのだろう」と吉田さん。「タロはニワトリに餌を分けてあげるほど優しい性格。『この子の面倒を見てやってくれ』という目を向けられ、山に返すわけにもいかなかった」
 自宅に連れ帰り、飼育する子ヤギ用に冷凍していた牛の初乳を与え、ホットカーペットの上で温めると、うり坊は次第に回復。近隣住民から借りた哺乳瓶でミルクを飲ませるなどすると、パンやうどんを勢いよく食べるまでに元気を取り戻した。「襲われた」と思ったのか、最初はあまり近づかなかったタロとも、今ではじゃれあう仲だ。

 吉田さんは、うり坊の餌にするため休耕田でサツマイモの栽培も始めた。「イノシシは害獣といわれているが、それは人間側の都合。亥(い)年でもあり、何かの縁。なんといってもかわいいでしょ」と頬を緩める。
 イノシシは数年で100キロほどに成長する。手に負えなくなる前に、動物園など引き取り手を見つけるつもりというが、吉田さんは「しばらくは“子離れ”できません」。

イノシシも大きくなると大変ですが、飼育に当たっては家畜保健所への届け出は必要なのだそうです。
こちらは豚の話題ですが、何とも残念極まるとしか言いようが無いニュースです。

人気の「セラピー豚」2頭、何者かに殴られ死ぬ 米ケンタッキー州(2019年6月12日CNN)

 (CNN)米ケンタッキー州で病院や施設を訪れて患者と触れ合い、「セラピー豚」として親しまれていた2頭の豚が、何者かに殴り殺されているのが見つかった。

 3頭のミニブタを飼育するサニー・ハウェルさんは、豚を連れて病院や介護施設を訪れ、患者や入所者を精神面で支える活動を続けていた。ところが6日夜、夕食の残りを与えに行ったところ、3頭のうち2頭が死んでいた。
 ハウェルさんはCNN系列局WLKYの取材に対し、殴り殺されたのは間違いないと話している。1頭は目を強く殴られた痕があり、耳から血を流していた。もう1頭も顔面を強く殴られて血まみれだった。
 「豚たちは決して抵抗しない」「もし抵抗すれば、セラピー活動に参加できなくなる。だから抵抗しなかったと信じている」。ハウェルさんはCNNにそう語った。
(略)

何ともひどいことをする人間もいたものですが、凶行に及んだ犯人が早急に捕まることを願うばかりです。
最後に取り上げますのもこれまた取りようによってはひどい話なのですが、まずは記事から紹介してみましょう。

「愛犬と一緒に埋葬を」 元気だった犬、遺言に従って安楽死 米(2019年5月23日CNN)

(CNN) 米バージニア州で、自分が死んだら愛犬を一緒に埋葬してほしいという故人の遺言に従って、元気だった飼い犬が安楽死させられた。

シーズーのミックス犬「エマ」は、飼い主の女性が死去したことを受けて3月8日に同州チェスターフィールドの保護施設に預けられた。
同施設はそれから2週間の間、遺言執行者と交渉を続け、エマを譲り受けて里親を探したいと申し出ていた。この犬であれば里親は簡単に見つかると判断していたという。
しかしチェスターフィールド警察によると、遺言執行者が3月22日にエマを引き取るため同施設を訪れた。施設側は、エマを譲渡してほしいと再度持ちかけたが、遺言執行者は応じなかった。
エマは地元の動物病院へ連れて行かれて安楽死させる処置が行われ、バージニア州の施設で火葬された。骨壺(こつつぼ)に収められた遺灰は遺産管理人に返還された。

飼い主とペットを一緒に埋葬することが認められるかどうかは、州によって異なる。バージニア州では2014年に合法化され、人とペットの合同埋葬区画を設けることが可能になった。
ただし、合同埋葬区画は明示が義務付けられ、同じ空間に人とペットを埋葬することは認められていない。
州によっては、飼い主の遺骨をペットの墓に埋葬することや、ペットを飼い主と一緒に家族の墓に埋葬することを認めている。
米獣医師協会によれば、バージニア州の法律では、資格を持った獣医師などが動物を安楽死させることを認めている。ただし、健康に問題のないペットの安楽死に応じる獣医を見つけることは難しいかもしれない。

元記事の可愛らしい画像を見るのもつらいと言う声も多かったこの事件ですが、施設に引き取られたくらいですから飼い主には親族はいなかったのでしょう。
飼い主として最後まで責任を持って面倒を見たと言う解釈も可能ではありますが、現地でも様々な意見があるだろうことは容易に想像出来ますね。

今日のぐり:「ヴェルデュ都」


福山市内で都と言えばステーキの名店として知られていますが、郊外の高台に位置するこちらはその関連店舗で、結婚式などイベントも手がけていらっしゃるそうです。
それだけにフレンチを中心としたディナーのコースが充実していて、なおかつリーズナブルなお値段から楽しめるのがありがたいですね。

今回は比較的ベーシックなシーズナルコースをいただいてみましたが、これもなかなか充実したもので、季節の前菜から始まってかぶのスープ、鮮魚のポワレといずれも見応え食べ応えのあるものです。
メインはヒレ肉のステーキを選んでみましたが、本家に比べればさすがに肉は小ぶりなものの、デザートまで含めてコース全体のボリュームとしてはかなりのものがありました。
全体にどの料理もこれは外れと言うことがなく、程よく季節の食材も取り入れてあって安心して楽しめるものですが、イベント会場にも使われるだけに見た目のインパクトがありますよね。

こちらでは各種記念日などに当たりますと様々なサプライズが用意されているようですが、お店からの夜景の眺めもよくカップル客に人気があるのも理解出来ます。
個人的にはお店のキャパが大きいので、不意の飛び込みでも入りやすいのもありがたいですが、やはりおしゃれに利用するためにも訪店前には一報しておきたいところですかね。

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2019年6月26日 (水)

インドで大々的な医師のストライキ発生

日本とは医療体制も違う異国での話ですが、先日こういう興味深い事件が報じられていました。

インドで医師数十万人スト=患者家族の襲撃に抗議(2019年6月17日時事通信)

 【ニューデリー時事】インド全土で17日、医師数十万人がストライキを決行した。
 死亡した患者の家族に医師が襲撃された事件を受け、職場での安全確保を求めている。在留邦人にも、治療や検査を受けられないといった影響が及んだ。

 発端は10日、東部の西ベンガル州の病院に運び込まれた重体患者が死亡し、医療ミスがあったとして家族が病院内で複数の医師を暴行し、重傷を負わせた事件。地元医師組織が州に処遇改善を呼び掛けたが、事態が好転しなかったため、ストを決めた。医師30万人以上が加盟する全国組織も連帯を呼び掛けた。
 スト参加者は18日早朝(日本時間同日午前)まで手術を含め、不急の治療は行わないという。 

インドで17日に医療従事者の全国スト、患者遺族からの暴行事件受け(2019年6月15日AFP)

【6月15日 AFP】インド東部・西ベンガル(West Bengal)州の病院で、治療中に死亡した患者の遺族が、適切な治療を怠ったとして医師3人に暴行を加える事件が起きたことを受け、インドの医療従事者は来週17日に全国でストライキを実施する予定だ。関係者が14日、明らかにした。
 インド医師会(Indian Medical Association)によると、適切な治療を怠ったとして患者の家族から頻繁に暴行を受けている医療従事者への法的な保護を求めるため、数万人の医療従事者が17日にストライキを行う予定だという。

 インド医師会の事務局長はAFPに対し、同会の会員30万人以上が14日から3日間の抗議行動をしていると明らかにした。一部の州では、職場でいかに危険な目に遭っているかをアピールするため医師らがヘルメットをかぶったという。事務局長は、17日のストライキで救急医療に影響が出ることはないとしている。
 西ベンガル州の州都コルカタ(Kolkata)の医療従事者らは、すでに10日からストライキを実施している。同州の州立病院で、治療中に死亡した患者の遺族が医師3人に暴行を加え、うち2人が重傷を負う事件が起きていた。警察はこの事件で4人を逮捕し、捜査を進めている。

 インドの医療費は国内総生産(GDP)の2%未満で世界的に見ても最低レベル。世界保健機関(WHO)はインドをイラクやベネズエラよりも下に位置づけている。インドは不十分なインフラや医師の不足に悩まされており、非都市部ほど状況は深刻だという。(c)AFP

この医師が患者や家族などに襲撃されると言う事例、お隣中国などでも控えめに言っても決して珍しい話ではないのだそうで、その背景事情として最大のものに受けた医療の結果に対する不満があるようです。
健康保険制度の未整備な中国では支払い困難事例が珍しくないからでしょう、いちいち先に治療費を支払わなければ何もしてくれないのが当たり前だそうで、その分結果が悪ければ不満も爆発しやすいのでしょう。
日本でも結果が悪ければ患者家族から何かと言われたり、場合によっては裁判沙汰になったりはあり得る話で、ひと頃はJBM防衛医療などと騒がれましたが、今や全く当たり前の常識として定着した感があります。
医療は不確実なことが当然なものであるからこそ、結果で判断されるのは不本意であるとは多くの医療従事者が考えたのは当然ですが、ただ今回のインドの事例ほど大々的な集団行動は日本にはありませんでした。
この点は立ち去り型サポタージュなどに代表されるように、日本の医療現場ではあるべき姿に改めようと奮闘するよりも、さっさと辞めて逃げ出した方が話が早いと言う現実があったからだとも言えるでしょうか。


ちなみに全国全ての職場環境が悪いとすれば、辞めて逃げ出す先が存在しないことになりますので、一部の先生方は国外に脱出したとしても、大多数の先生方は不平不満を抱えつつ働くしかない道理です。
実際にこうした考えからか、医師間の業務分担をなるべく公平平等にすることで医療崩壊を乗り切ろうと言う主張も一部から為されていましたが、さてこういう発想も実際にやるとなると必ずしも嬉しくない気もします。
いざとなれば逃げられる先があるからこそ耐えられると言う側面もあるので、平日が幾ら激務でも休日があればリフレッシュ出来るものを、24時間365日同じようにそこそこ忙しい生活と言うのはちょっと嫌かも知れませんね。
何にしろ逃げるばかりではなく、いざとなれば正面切って戦えると言う選択肢も持つことも有力な交渉材料になるでしょうが、日本の場合誰が音頭をとって団結するかと言う点が最大の課題になるのでしょうか。

 

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2019年6月24日 (月)

働きにくい職場の原因はやはり○○だった

医師の働き方改革を巡っては今後5年間で多くの市中病院で「月100時間未満・年960時間以下」の基準達成が求められることになり、2035年には全ての病院でこの水準が適用される予定です。
全国救急医療機関への調査では5-7割の施設が今後5年間でこの基準を達成出来る見込みと答えたものの、3割程度の施設では部分的にしか達成出来ない見込みだそうで、さて5年後にはどうなるのかです。
おそらく喫緊の課題となっているのがワークシェア、業務分担と言うことだと思うのですが、興味深いのは働き方改革達成が求められているのは医療以外の全職場での話であり、他業界でも四苦八苦している点です。

特に社畜的感覚の薄い若い世代の業務分担が問題で、下手に仕事を押しつければ辞められるだけでなく労基署に告発ともなりかねませんから、その上の中堅世代の負担が増すことが予想されているそうですね。
この辺りは新臨床研修制度開始に伴い研修医がお客サマ扱いされることが増え、結果としてその上のレジデント、平医員クラスの負担が増加した医療業界の過去の事例ともかぶっているようで興味深い話です。
逆に言えば働き方改革を巡る諸議論は医療業界内部の特殊事情と考えるべきではなく、他業界の事例も参考にすべき点が多々ありそうですが、先日産業医の立場からこんな記事が出ていました。

◆「うつ病」社員が頻発する会社の共通点は?産業医から見た実態(2019年6月6日ダイヤモンドオンライン)

(略)
 数年前の電通の若い社員の自殺事件や4月からの働き方改革で、労働(残業)時間や違法残業という言葉に、社会的な注目が集まっています。
 しかし私はそれよりも、この疲労を生み出している労働環境こそ、就職転職の際にぜひ注目していただきたい点だと思っています。
 私は、働き方とは、やりがいと裁量権(コントロール度)に左右されるものと考えます。
 この2つの要素の大きさ重さにより、具体的な労働時間や勤務方法による疲労度は個々人でだいぶ変わってきます。

 1つめの要素である「やりがい」とは、個々の社員が仕事における自己成長を感じることができているか、職場からの評価を感じているか、そして時にはどうして自分がその職場で働いているのか、その意味意義を認識しているかということです。
 私の見る限り、新人や転職して間もない人たちは、新しい仕事における自分の成長を実感できている間は、同じ時間働いても、つぶれるほど疲労がたまることはあまりありません。ベテランになって自分で成長を実感できずとも、周囲からの評価でそれを感じることができる限り大丈夫な人もそれなりにいます。
 逆説的ですが、とてもがんばったのに評価されないことで、ガクッとへこんで不調に陥るパターンは、どなたも見聞きしたことがあるのではないでしょうか。
(略)
 2つめの要素である「裁量権」とは、職場において自分が持つコントロールの度合いのことです。自分で物事を決めたり、選ぶことができる範囲が大きい人ほど、疲労度は少ない傾向にあります。
 どのような優先順位で行うかだけでなく、どのような仕事は同僚や部下に任せて自分は何に集中するかを選択できる人ほど、それができない人に比べて明らかに疲労は少ないです。
 また、仕事そのものではなくても、働く時間の自己決定権が大きい人は、普段は遅くまで働いても、予定のあるときは早く帰ることができるのでストレス度は少ない傾向にあります。
 同様に職場の人間関係においても、誰と関わるか・関わらないかを自ら選べる人、フリーデスク制で苦手な人からは離れて座ることのできる人の方が、職場における心の疲労度は少ないです。

 こう考えてみると、あなたの働き方、つまりやりがいと裁量度に大きな影響があるのは、やはり職場の上司になります。
(略)
 大切なのは、上司が期待を示したとき、相手(部下)がその期待に応えたいと思ってくれるかどうかです。
 誰でも知らない人や好きでもない人から期待を示されてもわずらわしいだけですが、尊敬している上司から期待を示されたら、人は自発的に期待に応えようと思うものです。
 メンタルヘルス不調者を出さない会社の人々は、このことを知っています。なので、日頃から良好な人間関係を築いておき、そこに期待を示すだけなのです。
 すると部下は、自主的にその期待に応えようとしますので、「やらされ感」ではなく「やりがい」を持って働きます。結果、メンタルヘルス不調者が出にくいのです。
(略)
 メンタルヘルス不調者を出さない上司たちは、そのコミュニケーションの焦点は「相手」にあります。そして、相手を「承認」しています。承認した上で、怒ったり、ほめたりして、接しているのです。
 上司が部下を承認しているか否か、実は上司が部下にかける言葉、つまり、「話し言葉」に注意するとわかることもあります。
 例えば、上司が部下にかける言葉で考えると、部下を承認していない上司は、「がんばってね」と言います。部下を承認している上司は部下に「がんばっているね」と言います
(略)
 うつ社員を出さない会社において、上長たちに共通するのは、この「承認」という気持ちだと思います。
 ぜひ会話の中に「承認」があるか、意識してみてください。
 相手の会社の上長や役員たちと話すとき、彼や彼女らが部下を、あなたを承認してくれているか。その点に注意していただくと、良い判断ができるようになると思います。

職場におけるやりがいと言えば昨今「やりがい搾取」などと言う言葉もあるくらいで、あまり良いイメージを持たれていない部分もありますが、同じ労働量ならやりがいがある方が疲れにくいと言うのは理解出来る話です。
無論やりがい搾取よろしく、相手のやりがいに甘えて過剰な労働を押しつけるのは問題外ですが、医療業界のように需要と供給の裁量権が少ない業界の場合、どうしても仕事は減らせないと言う局面もあるでしょう。
その場合にどうせなら少しでもストレスを軽減出来る働き方を考えることは重要ですが、この場合大きなポイントになるのは上司であると言うのはまあ、どこの業界でも経験則として納得出来るのではないかと思います。

とある調査によれば勤務医の主たるストレスの原因として労働時間の長さや休日の少なさが4割程度と最多なのは当然ですが、上司や同僚、患者などとの人間関係を挙げた先生は3割前後にも及んでいたそうです。
患者との関係などは如何ともしがたい部分も多いでしょうが、職場内での人間関係は改善の余地があり、特に上司と部下の関係は今の時代パワハラなどとも関係して難しいところがあるだろうと思いますね。
管理職ともなれば医師が足りない、スタッフが定着しないと悩んでいる場合も多いでしょうが、こうした人間関係を改善することで働きやすい職場に出来るのであれば、コスト面でもお得な対策になると言えるでしょう。
特に診療科をまたいで逃散が多発しているような施設では病院トップの責任は重大で、自らが良い上司となっているかどうかと言う自省なくして職場環境の改善は一歩も進まないことを知るべきですね。

 

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2019年6月22日 (土)

今日のぐり:「香川製麺てまり」

昨今運転マナーの悪化が言われていますが、先日話題になっていたのがこちらの事件です。

タンクローリー強奪「俺の道で何してくれるんや!」(2019年6月20日テレ朝news)

 兵庫県の高速道路上でタンクローリーが別の車を運転していた男に奪われました。タンクローリーはその後に見つかりましたが、男は逃げています。

 警察によりますと、20日午前1時10分ごろ、兵庫県佐用町の中国自動車道で大阪方面に走っていたタンクローリーが前を走る自動車に車線をふさがれて停車しました。自動車を運転していた男がタンクローリーの運転手(50)を外に連れ出し、「俺の道で何してくれるんや」と顔を殴りました。運転手は軽傷です。男はタンクローリーを奪って走り去りましたが、その後、現場から7キロ先のトンネル内でタンクローリーが見つかりました。男は30歳くらいで身長約170センチ、黒の上着を着ていたということで、現場には男が乗ってきた岡山ナンバーの白の四輪駆動車が乗り捨てられていました。警察は強盗致傷事件として男の行方を追っています。

その後大阪市内で同日暴行容疑で容疑者らしき人物が逮捕されたそうですが、当然ながら中国自動車道はこの男の道などではないでしょう。
本日は思わぬ事件に巻き込まれたタンクローリー運転手を励ます意味で、世界中からちょっと意味不明なほど奇想天外な事件の数々を紹介してみましょう。

電車で寝過ごした学生 慌てて『駅名』を確認した瞬間、衝撃が走る(2019年6月3日grape)

三重県で学生時代を過ごした、カルマ(@inakamusume)さん。
通学中はよく寝ていて、目的の駅に降りそびれることがあったといいます。

いつものように寝過ごしてしまい、あわてて飛び起きた日のこと。自分がいる駅を確認するため、車窓から駅名標を確認したカルマさんは、ドキッとします。
「寝ている間に、私は異世界に迷い込んでしまったのか…?」
(略)

確かに、寝ぼけている時にこんな駅名標が目に飛び込んできたら、勘違いしてしまうのも無理はありませんね。
ドキッとする反面、ワクワクとした心地を味わえそうです!

何がどのように異世界だったのかは元記事の画像を参照いただきたいのですが、確かに寝ぼけ眼でなくともこれは誤認しますね。
日本でも起こりそうな話ではあるのですが、こちらお堅いはずのお役人が肝心なところでやらかしてしまったと言う残念なニュースです。

パキスタンの州閣僚が“ネコ耳”に--記者会見のライブ配信で珍事(2019年6月18日CNET)

 何とも間抜けな話だ。記者会見がソーシャルメディアでライブ配信される中、パキスタンのカイバル・パクトゥンクワ(KP)州のYousuf Shaukat Zai情報相は、職員が誤って漫画風のフィルターをかけたため猫の耳、ひげ、鼻を付けたかわいい姿に変身してしまった。

 同氏の惨事はそれだけに留まらなかった。この映像は所属政党の公式ページからすぐに削除されたが、同氏のスクリーンショットがソーシャルメディアに拡散された。

 「KP州政府のソーシャルメディアチームによると、閣僚の中に猫がいるようだ」とジャーナリストのMansoor Ali Khan氏はツイート。
(略)

その何とも…な状況は元記事の画像を参照いただきたいところですが、せめて発表内容が笑われなかったことを記念いたします。
ポーランドと言えば欧州では必ずしも知的なイメージで知られる国民性ではないそうですが、こちらその印象を増強しかねないびっくりニュースです。

嘘のような本当の話 ポーランドで酔っぱらいが市街地を戦車「T-55」で暴走、49歳の男を飲酒運転の容疑で逮捕(2019年6月17日ねとらば)

 2019年6月13日、ポーランド中部に位置するパイェンチュノで、夜の市街地を戦車が走り回るという事件が発生しました。

 地元メディア「Twoje Pajeczno」によると、事件があったのは市内の主要道路の1つであるミツキェヴィチ通り。21時40分ごろに地元警察へ通報があったそうです。
 現地に駆けつけた警官の目に飛び込んで来たのは旧ソ(ロシア)戦車「T-55」の姿。道路の真ん中に駐車してあったそうです。
 すぐ近くにいた男に警察が職務質問をすると、戦車の持ち主であることがわかり、不審に思った警察が男に検査をすると体内からアルコールが検出されたそうです。男は飲酒運転の容疑で逮捕されました。
(略)

どこから突っ込むべきか判らない不思議な状況はこれまた元記事の画像を参照いただきたいのですが、ポーランドでは市民が戦車を乗り回しているのでしょうかね。
中国と言えば昨今少々のびっくりニュースでは驚きませんが、こちら当事者としてはびっくりでは済まないだろうと言うニュースを紹介してみましょう。

320万円で購入した地下駐車場、壁に囲まれサンルーフからしか乗降できず(2019年5月28日レコードチャイナ)

2019年5月26日、新浪新聞の微博アカウント・頭条新聞は、サンルーフからしか乗降できない地下駐車場があると伝えた。
記事によると、広西チワン族自治区南寧市内のマンション地下にある駐車場に、停車すると4つのドアがいずれも壁に阻まれて開くことができず、サンルーフからしか乗降できない駐車位置があるという。

この駐車位置は、マンションの住民が20万元(約320万円)あまりを支払って購入したもので、持ち主の住民は開発業者に駐車位置を変えるよう要求したが、すでに手続きは終了しており税金も支払い済みであるため、交換はできず、転売するようにと言われたという。持ち主の住民は、法的手段で問題解決を図るつもりとのこと。
(略)

日本でも古い駐車場では車輛の大型化で似たような状況を強いられている方もいらっしゃるかと思うのですが、こちらはかなり悪質性の高そうな商売ですね。
最後に取り上げますのがご存知おそロシアの話題ですが、ロシアと言えばあの生き物と言うニュースです。

ロシア人男性がクマに襲われ、クマの舌に噛みつく(2019年6月10日スプートニク)

ロシアのトゥヴァ共和国に住む男性が2日、クマに襲われた。男性はクマの舌に噛みつき、逃れることができた。トゥヴァ共和国内務省が発表した。

男性3人が森に集まり、焚火で食事を作った後、鹿の角を集めるため、それぞれ別の方向に出かけた。
タイガの中で1人の男性がクマに出会い、男性はクマを驚かせようと大きな声で叫んだが、クマは男性に襲い掛かった。男性はクマを撃退しながらクマの舌を噛んだ。その後、クマは逃げていったという。
仲間の男性たちが救急車を呼び、男性は病院に搬送された。男性は顔、頭部、腕、腹部に傷を負い、入院した。

モスクワ・ボリショイ・サーカスの調教師、アスコルド・ザパシニィイ氏は「危機的状況における動物の反応は、人間と同じように予測不可能だ」と述べ、「人間が命をかけて戦い、動物的本能を発揮して逃げることができたというこの絶体絶命の出来事についてだが、このような状況を滑稽に感じる人もいるかもしれないが、私はこの出来事のすべての危険度を理解できる。実際の状況は恐ろしいものだ」と指摘した。

これまた突っ込みどころの多いニュースなのですが、取りあえず良い子の皆さんは間違ってもこうした行為を真似しないようにお願いします。
しかしロシアではクマが日常的に出没していると思わせる話が多いのですが、一歩間違えばこうした危険と背中合わせであるだけに恐ろしいことですね。

今日のぐり:「香川製麺てまり」

倉敷市の西部、新倉敷駅前界隈にいいうどん屋があると噂には聞いていたのですが、今回初めてお邪魔してみました。
福祉の店と言う看板が掲げてあるのですが、作りとしては食券制の一般店スタイルで、さほど広くもない店内は満席と繁盛していらっしゃるようです。

メニューを見てみますと倉敷界隈の店には珍しくぶっかけうどんが見当たらないもので、無難にざるうどんにしてみました。
たまたま繁盛時だったからそうだったのか、普段から全部そうなのかは判りませんが、この日はちょうど茹でたてのうどんを出していただきました。
近隣の傾向と比べるとやや硬め、腰も強めのなかなかいいうどんですが、特筆すべきは表面の滑らかさで、見た目の色艶からして違うのは丁寧な仕事がうかがえます。
汁は出汁が立った甘口系のもので、好みの問題ですが生姜を大目に入れるといい感じになるのはこの界隈では比較的多いタイプでしょうかね。
トッピングにげそ天ぷらを頼んで見ましたが、別皿に載って出てきた天ぷらは単品メニューレベルのサイズ感で、大きいものをハサミで切って食べるようです。
天ぷらとしてはクリスピーな揚げ上がりで、下味はや弱めですがこれもなかなかうまい味の加減でした。

最近何軒か美味しいうどん屋さんにお邪魔しましたが、こちらもなかなかの水準ですし、何よりお安いのがありがたいですね。
強いて言えば券売機はボタンの並びの問題なのでしょうか、配列の法則性が読めない感じでちょっとメニューを把握しずらく感じました。

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2019年6月19日 (水)

大津市民病院で連鎖的逃散発生中

先日話題になっていたのがこちらのニュースですが、興味深く感じたのが記事を読んだ一般市民の方々が非常に生暖かく事態の推移を見守っていらっしゃる点でした。

市民病院で救急医が一斉退職へ 診療体制の維持に危機(2019年6月8日朝日新聞)

 大津市の地方独立行政法人・市立大津市民病院で、救急医療に携わる医師の大半が一斉に退職することが、滋賀県幹部らへの取材でわかった。院内の救急以外の医師で対応する一方、近接する複数の病院に応援を打診している。しかし医師不足を解消し、診療体制を維持できるかは不透明な状況だ。

 市民病院は、救急外来「ERおおつ」が24時間態勢で、休まずに救急患者を受け入れている。集中治療室(ICU)に8床あり、屋上のヘリポートではドクターヘリが離着陸できる。

 市消防局によると、昨年1年間に救急搬送した約1万6千人のうち、24・7%にあたる4044人は市民病院が受け入れたという。

救急担当医の大半が退職へ 大津市民病院(2019年6月11日中日新聞)

 大津市の地方独立行政法人・市立大津市民病院で、救急医療に携わる医師の大半が、今月末で退職することが分かった。同院は、県内外の医療機関に応援を依頼しており、「今後も救急体制を維持できる」と説明している。

 同院によると、同院は二十四時間体制で救急患者を受け入れている。救急診療と集中治療室については医師七人が担当しているが、うち六人が今月末で退職するという。診療部長の医師が退職するのに伴い、指導を受けていた若手医師らが退職することになった。
 同院は「県内外の大学と病院に医師の派遣を打診して、非常勤で来ていただけることになった。院内のほかの医師も救急を担当することにし、来月以降も救急の受け入れを維持できる」としている。

 同院ではこの春、産婦人科で医師の退職が相次ぎ、六月から分娩(ぶんべん)の受け入れを休止する問題も生じていた。

記事にもあるように同院では今春の段階で産科医退職が相次ぎ分娩取り扱い休止も発表していて、典型的な連鎖崩壊の様相を呈していますが、驚くのはこの状況で救急体制を維持できると公言していることです。
もともと救急は常勤3人+後期研修医4人で回していたそうですが、それで年間4千件ですから決して暇であるとは思えず、その担当医が一斉退職した以上どうしたって体制縮小が必須ではないかと思われます。
病院長としては全く縮小の意図はなく今まで通り回すと言う固い決意でいらっしゃるそうで、その辺りも今回の一連の事態に至った理由の一つかとも愚考するのですが、非常勤の先生が頑張ってくれるといいですね。
ともあれ、いきなり救急を担当させられることになった院内他科の先生方も暇ではなかろうですから、今後も逃散が相次ぐのではないかと言う印象を受けるのですが、しかしそもそも何故こうなるまで放置していたのかです。

風の噂には色々と聞くところもあるのですが、話題になっていたのが独法化に伴い赤字山積する経営面の改善を迫られ、より多くの患者受け入れと人件費削減を推進した点に根本的な原因があると言う声です。
時間外勤務手当縮減などにより人件費率を5年間で62.6%から55%以下に引き下げると言うのですから、仕事が増える一方で報われるところが少ない以上よほどトップに求心力がなければ破綻は目に見えています。
何ら経営改善をせず赤字垂れ流しでは病院の存続自体が危ういと考えたのでしょうが、地域医療構想に伴う病院再編が喫緊の課題となっている時代に、赤字病院は優先して潰すべきと言う意見も少なくありません。
全てを守ろうとして結局全てを失うよりは、医療リソースの集中と集約化で強みを特化した方が生き残る可能性が高そうに思いますし、こうした都市部の病院でこそそうした取捨選択は容易なはずですけれどもね。

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2019年6月16日 (日)

国がようやく無給医の存在を公的に認定

今さら感のある話題ではあるのですが、医師の働き方改革と関連してこのところにわかに世間的にも注目を集めているのがこちらのニュースです。

ある無給医の死(2019年6月4日NHK)

白衣で笑顔を見せる若手医師。大学病院で徹夜で緊急手術にあたった後、アルバイト先の病院に向かう途中に交通事故を起こして亡くなりました。この医師、「無給医」でした。(社会部記者 小林さやか)
無給医とは、大学病院などで無報酬で診療にあたっている若手医師のことです。取材した当事者たちは、生計を立てるため、病院のアルバイトを掛け持ちし、疲弊し切っていました。
「うつになった」「心身共に限界」「いつか死ぬのではないか」
そんな悲痛な声も数多く聞きました。そこで、無給医が過去に最悪の事態に至ったケースはなかったか取材したところ、今から16年前の前田伴幸さんという若手医師の死にたどりついたのです。
(略)
そんな伴幸さんが交通事故を起こしたのは医学博士の学位取得も決まり、大学院の卒業を目前に控えた2003年3月8日のことでした。
午前8時ごろ、伴幸さんが運転する車は鳥取県倉吉市の道路で、対向車線にはみだし、トラックと正面衝突。事故で車は大破し、伴幸さんは命を落としました。
当時、遠く離れたアルバイト先の病院に向かう途中だった伴幸さん。警察の調べで、現場にはブレーキ痕はなく、伴幸さんの居眠り運転が原因とされました。

なぜ息子は事故を起こしたのか。三女子さんの脳裏をよぎったのが生前の伴幸さんの異常なまでの働きぶりです。
実家には、弟の結婚式と父親の還暦祝いの時しか顔を出しませんでした。その式でさえ、途中で帰っていました。
気になって訪れた下宿の部屋は散らかり放題だったといいます。

そんな生前の息子の様子を聞こうと、三女子さんは夫とともに、事故後、医局の教授に面会を求めました。そこで教授の態度に大きな衝撃を覚えます。
 あまりにショックで何を言われたか覚えていません…。
こう話す三女子さん。記憶にあるのは若い医師を医局の駒としか見ていないかのような教授の態度だったといいます。
こんなところで息子は働いていたのかと本当にショックを受けました。このピラミッド構造の中、誰も何も言うことができず、息子も限界を超えて働いていたのではないかと直感的に感じたんです。
(略)
私は裁判を担当した松丸正弁護士に当時の話を伺いました。
判決から10年。しかし松丸弁護士は法廷で明らかにされた事実を鮮明に覚えていました。
 伴幸さんは、大学院での『演習』として無報酬で診療行為を行っていました。しかし『演習』といってもそれは名目で、実態的には勤務ですよ。しかも、尋常じゃない長時間労働だったのです。
松丸弁護士らは、勤務記録すら存在しない中、大学から電子カルテの記録などを取り寄せ、実態を明らかにしました。
時間外勤務は月に200時間。一般に過労死ラインと呼ばれる月100時間の2倍を超えていました。
さらに事故前の1週間は、徹夜勤務を4日間こなし、そのまま通常勤務を行っていたことも分かりました。
亡くなる直前も、徹夜で緊急手術にあたり、そのまま仮眠さえとらずにアルバイト先に運転して向かおうとしていたのです。

この異常な勤務を伴幸さんが働いていた大学側はどのように裁判で説明したのか。
以下が大学側の主張の概要です。
▽診療行為はあくまでも院生だった本人が選択した「演習」であり勤務ではない
▽アルバイトは、本人が希望し、自ら進んで行っていた。大学の業務とは関係がない。事故について大学には責任がない。
▽アルバイト先への移動は公共交通機関を使うように指導していた。車で移動したのは自己責任だ。
 これを聞いて、私自身強い憤りが湧いてくるのを抑えることができませんでした。それは大学の主張に対してでもあり、16年もたった今でも、無給医たちが私に訴える状況と、あまりにも似通っていたからです。

裁判では「実態としては勤務医に近く、自由意志で業務を辞めることができたとはいえず雇用契約がなかったとしても、大学側には安全に配慮する義務があった」として、大学側の責任を認め、損害賠償の支払いを命じる判決が出されました。
しかし、この裁判で私にはどうしても引っかかる点がありました。
それは大学での診療が無給で行われていたことが裁判では一切争われていなかったからでした。大学で生活できるだけの給料が支払われていれば、伴幸さんもアルバイトに行く必要はなく、事故を起こすこともなかったのではないかと感じたからです。
この疑問を松丸弁護士にぶつけてみました。すると、少し考え込んだあと、こんな言葉を口にしました。
 確かに、『演習』だから無報酬というのは違和感はありました。しかし、当時はそういうものだと思っていて、そこに問題があるということを私たちも気付くことができなかった。今思えば、きちんと裁判で争い判例を作るべきでした。
(略)
松丸弁護士も「今の社会情勢であれば、無給であることを裁判で争えば違法だと認められると思います。誰かが勇気を出して声を上げ、裁判を起こせば確実に世の中が動くと思うし、そうした支援をしたいです」と話しています。

「無給医」少なくとも2000人 国が初めて存在を認める(2019年6月7日ライブドアニュース)

大学病院などで無給で診療にあたっている「無給医」について、国は長年その存在を否定してきたが、全国の大学病院を調査した結果、少なくともおよそ50の大学病院に2000人を超える無給医の存在が確認できたとして、近く明らかにする方針だ。NHKニュースが報じた。

医局は教授を頂点とし、准教授、講師、助教と連なるピラミッドのような構造となっていて、最も下に位置する大学院生や医局員などは、医師として診療にあたっていても無給だったり、わずかな給与だったりすることがあるという。

2003年と言えばちょうど現行の臨床研修制度がスタートする直前だと思いますが、当時はまだ大学医局に所属してのストレート研修の時代であり、まだまだ大学医局の権威が強かった時代です。
翌2004年春からの卒業生は自ら勤務先を探して現在の研修を行うスタイルとなり、その後は各病院間での研修医の奪い合いを通じてずいぶんと待遇も改善され、また大学医局の力も弱まっていった経緯があります。
その意味では16年前だったからこそ起こった不幸な事故とも言えますが、しかし現代においても程度の差はあれ同様の状況はある一方で、国もつい最近まで無給医など存在しませんが何か?と言う態度でした。
ともあれ、こうした話を聞けばそもそも論として何故ただ働きをしているのか?と言う疑問も湧くところなのですが、外科医である中山裕次郎先生からかつての当事者からの見解としてこんな記事が出ていました。

なぜタダで働くのか?「無給医」たちの現実 ~医師の視点~(2018年10月28日yahooニュース)

(略)
 ここで3タイプの無給医を紹介しましょう。順に説明します。
1. 「勉強したいから無給」医
2. 「大学院生で無給」医
3. 「医局の都合で無給」医

1. 「勉強したいから無給」医
 「勉強したいから無給」医は、言葉のとおり「この病院で働きつつ高度なスキルを勉強したいから、無給で働かせて下さい」というもの。実は私も若い頃、月15日の給料のみという契約でしたが勉強したかったので月22日勤務していたことがあります。事務方からは、「その7日は趣味で来ているということにして下さい」と言われていました。私の先輩医師には、完全フルタイムで働きつつ無給で勤務した医師も数人います。
 この「勉強したいから無給」というスタイルは、医師の世界ではそれほど特殊なことではありません。なぜなら後述するように、医師は超長時間労働さえ覚悟すればアルバイトで生計を立てられるからです。

2. 「大学院生で無給」医
 次に、大学院生で無給というスタイルがあります。医局に入局した医師の多くは、だいたい卒業まで最短で4年かかる大学院に入学します。そこで大学院生として講義に出たり研究をしたりしながら、その4年のうち1、2年は大学病院で給与は出ないまま医師の仕事をするパターンが非常に多いのです。
 調査したわけではありませんが、耳に入ってくる医師の大学院生は8割以上がこれに当たります。下手をすると、「人手が足りないから」という理由で大学院に進学したが研究をする時間を与えてもらえず、ずっとタダ働きをしていたなんてこともあるのです。その結果研究が進まず論文が完成しないため、大学院には行ったが卒業できなかった、又は博士号が取得できなかったというケースも存在します。

3. 「医局の都合で無給」医
 最後は医局の都合で無給医をやっている医師です。このタイプが人数としては一番多いかもしれません。こちらは、医局が「大学病院に有給職として雇えるのは○人」と決まっており、しかしそれでは人手が足りないため無給医として大学病院に勤務させるというもの。
 そんなひどい話があるのか、それなら医局を辞めればいいのでは、という声も聞こえてきそうです。が、やはりアルバイトで生計がある程度立ってしまうのと、医局をやめることは大学病院医師としてのキャリアを失うことになります。さらには医局の人間のつながりがあり、「人助け」が信条の医師はついその立場に甘んじてしまうこともあるでしょう。また、大学病院でしかできない病気の治療や高度な治療、そして稀な病気の治療や研究に携わりたい人もいます。
(略)
 この無給医、なぜ今まで問題にならなかったのでしょうか。重要なポイントは2つあります。
 1点目は「医師はアルバイトで食っていける」という点です。医師には、アルバイトというシステムがあります。医師がするアルバイトは、普通のアルバイトと同じで時給か日給で一日~数日間など病院で働いてアルバイト代をもらうもの。中には金曜日の朝から日曜日の夜までぶっ通しで働くものがあり、割がいいのです。これだけ毎週やっていれば、年収は800万円を超えます。詳しくは日経ビジネスオンラインの記事にも書きましたが、アルバイトだけで生計が立つのです。ですから、本業(フルタイムの仕事)は無給でもやっていけるという事情があります。もちろん、労働時間は超長時間にはなりますが
 もちろん、「食っていけるからフルタイムは無給でいいだろう」という論理は誤りですが、場合によっては無給医みずからがそう考えていることもあります。

 2点目として、私は労働体制に文句が言えない業界体質を指摘します。医師の大多数は大学医学部の医局という組織に所属し、基本的にその医局の人事で動いています。医局とは教授をトップとするピラミッド型の構造で、多くの場合給与や階級(職位)はおおむね年功序列です。
 私は大学病院と無縁に働いているためこういった発言ができますが、大学病院勤務、あるいは医局に所属する医師にはまず不可能でしょう。大学病院を辞めても他の病院で働けばいい、という話はありますが、大学病院は多くの都道府県では1つしかなく、県内じゅうの大きな病院は医局が強い影響力を持っています。医局との関係が悪くなれば、そのエリアでは働きづらいという状況に陥る可能性もあるのです。
(略)

文字通りの無給となると大学病院以外の市中病院ではまず考えにくく、医局に所属せず大学と関わりのない医師には無縁な話かも知れませんが、逆に今の時代であれ大学で出世したい先生もいるはずです。
組織の中で這い上がっていこうとすれば、どれだけ組織に貢献し目上の覚えがめでたいかが問われることは医療の世界に限らない話で、逆に言えばギブアンドテイクの関係として成立する余地もあることなのでしょう。
ただ大学教授を目指すわけでもなく、ただたまたま学位取得を目指しているだけの大学院生が無給医として動員されている事例が多いなら問題で、得られる利益に対して代償が大きすぎると言えそうです。
臨床研修制度が変わって以来、大学など関係なく病院を渡り歩く先生も増えていて、こうした無給の兵隊候補も減っているはずですが、それだけに残る少数の医師が以前以上に酷使されかねません。
大学病院で医師の待遇改善が進まない最大の理由に医師の給料が最も安上がりで、だからこそ雑用に酷使されると言う説がありますが、医師の働き方改革を考える上でも放置は出来ない問題と言えますね。

個人的には冒頭の記事とも関連して、大学当局が雇用契約を締結しておらず労働者ではないから無給であると言うのであれば、この方々の診療行為に関連した報酬なりはどう扱われているのかが気になります。
大学病院であれば電子カルテが当然で、何をするにも誰がやったかの電子的記録が残るはずですが、存在していないはずの医師が何かしら行った場合に診療報酬を請求するなら、下手すれば詐欺行為ですよね。
そうでなくともこうした医師の診療行為で何かしらトラブルがあった場合、話が非常にややこしいことになると思いますが、それもあってか完全な無給ではなく限りなく無給に近い薄給と言う扱いの場合もあるようです。
大学の偉い先生方の中には医師の働き方改革に抵抗されている方もいらっしゃるようで、その背景にはこうした事情もあるのかと思えば納得はするのですが、世間的に受け入れられる話とは思えません。
百万歩譲って地域医療崩壊を避けるためだとか医師技能向上のためだとかで労基法無視の長時間労働をさせたとしても、だからといって医師をただ働きさせていい理由には全くならないはずです。

 

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2019年6月15日 (土)

今日のぐり:「香徳園」

年号が変わって早々暑い日が続きましたが、そんな中で話題になっていたのがこちらのニュースです。

「まだまだ赤ちゃんだもんな…」酷暑は”令和ちゃん”が原因?擬人化イラストに反響(2019年6月1日オリコンニュース)

 30度を超える猛暑日が続いた先月。その原因を、「元号が変わったことで、まだいろいろなことに不慣れな“令和”が温度設定を間違えたせいだ」とする考え方がTwitterで広まり、“令和ちゃん”がトレンド入り。擬人化された令和ちゃんがリモコンを持ち、ピッピッピッ…とものすごい勢いで温度設定を上げていくイラストから、温度を上げすぎた令和ちゃんを優しく諭す平成や昭和のお兄さんたちを描くものまで多数投稿され話題となった。
(略)
 SNSではこれらの”令和ちゃんイラスト”が拡散され、「酷暑でも許す」「令和ちゃんの為にしっかり熱中症予防しまっす」「これが日本だ…」など、様々な反響が寄せられた。改元から1カ月が経ち、今後も様々なことが起こりうるであろう令和の時代。そのようななかでも、今回の一件のように日本人としての“あたたかさ”や“優しさ”をいつまでも忘れないでいたい。

数々のイラストを見るだけでも思わずにんまりですが、しかしかつてのアナログマだとか日本鬼子だとか、ネット社会のこういうノリは好きですね。
本日は新任早々忙しい令和ちゃんを激励する意味で、世界中からまあそれは仕方ないか…と納得せざるを得ないニュースの数々を紹介してみましょう。

「歯医者の予約が…」巡査が一般道で145キロ(2019年2月19日産経新聞)

 千葉県警千葉中央署地域課の20代の男性巡査がスポーツカーで法定速度60キロの一般道を145キロで走行し、道交法違反(速度超過)の疑いで書類送検されていたことが19日、県警への取材で分かった。巡査は14日付で減給10分の1(1カ月)の懲戒処分を受けた。

 書類送検容疑は1月10日午後1時ごろ、千葉市稲毛区黒砂の市道で速度超過したとしている。交通取り締まりで摘発された。巡査は署での勤務を終えて市内の寮に戻る途中で、「歯医者の予約があり、急いでいた」と話したという。

 県警監察官室は「誠に遺憾で、深くおわびする。指導、教養を再徹底して信頼回復に努める」としている。

もちろん歯医者の予約があったのでは仕方がないですが、しかし寮に戻らず直接行けば良かったのではないかと言う気もします。
子が親を訴えると言うのはなかなかあることではありませんが、こちら一部の方々から共感を呼んでいたニュースです。

40歳の男性が親を訴え 理由は「ポルノコレクションの廃棄」(2019年04月18日スプートニク)

40歳の米国人男性が、ミシガン州の連邦裁判所に、自分の両親を相手取る訴訟を起こした。英紙「ガーディアン」が報じた。原告の名前はチャーリー氏。訴えの理由は両親に自分のポルノ映画のコレクションを捨てられたこと。原告は廃棄されたコレクションの額を2万9千ドル相当とし、賠償金としてその3倍の8万7千ドルを要求している。

チャーリー氏は2016年に離婚した後、ミシガン州で両親と同居 していた。10ヶ月過ぎたころ、彼はインディアナ州のマンシーに 新居に引越し、両親に彼の私物を運んでくれるように頼んだ。とこ ろが、ポルノビデオと雑誌が一杯のダンボール箱12個が持ち主の 手元に届くことはなかった。
裁判資料としてチャーリー氏は父親の電子メールを提出した。そこ には、「このがらくたから解放される大きな恩恵をあなたに与えよ う」と記されていた。
チャーリー氏はすぐに警察に申し出たが、オタワ管区の検察はチャ ーリー氏の訴えの受理を拒否した。

ポルノに限りませんが、貴重かつ入手困難なコレクションを勝手に破棄されると言うのは、どんな人間にとっても嬉しいことではないと思いますね。
昨今議員さんと言えばどこの国でもあまり良いイメージは持たれていないようですが、こちら正当防衛が成立した暴行事件が報じられていました。

「卵少年」を殴った上院議員、豪警察は「正当防衛」と判断(2019年04月9日CNN)

オーストラリアのフレイザー・アニング上院議員が17歳の少年に卵をぶつけられた後、この少年を殴った事件で、同国の警察は9日、アニング上院議員の行為は正当防衛だったと判断した。

アニング議員は、3月にニュージーランド南島のクライストチャーチで起こったモスク(イスラム教の礼拝所)銃撃事件はムスリムの移民が原因だと発言し、非難の声が挙がっていた。
その後テレビ中継されていた記者会見で、17歳のウィル・コノリーさんがアニング議員に近付き、頭に生卵を押し付けた。
この少年はアニング議員に殴られた後、議員の支持者に取り押さえられた。

アニング議員の発言については4月3日、「恐ろしい犯罪の犠牲者に非難の矛先を向け、宗教に基づいて中傷した」としてオーストラリア上院から公式にけん責を受けている。
クライストチャーチの銃撃事件ではムスリム50人が死亡した。

オーストラリアのヴィクトリア州警察は、アニング議員を「訴追しない」との決定を下した。
警察は声明で、「あらゆる状況を評価した結果、アニング氏の行いは正当防衛であり、訴追に値するものではない」と説明した。
一方、コノリーさんも訴追を免れたが、「厳重注意」を受けることになるという。
(略)

意見が違うからと暴力行為に及ぶのは感心しないことですが、訴追を免れたコノリー氏は自らの訴訟費用として集まった寄付金を事件被害者に送ったそうです。
最後に取り上げますのは最近何かと強面の態度が話題になるあの大統領も、意外な弱点があったらしいと言うニュースです。

米大統領車、猫で立ち往生=英首相官邸の人気者(2019年6月5日時事ドットコム)

 【ロンドン時事】英首相官邸に住む猫のラリーが4日、米英首脳会談のため官邸を訪れたトランプ米大統領の専用車の下に潜り込むハプニングがあった。
 「ビースト(野獣)」と呼ばれる専用車は、分厚い防弾装甲で爆発物や化学兵器による攻撃にも耐えられる特別仕様のリムジンだが、一時立ち往生した。

 米英メディアが報じた。12歳の雄猫ラリーは「内閣ネズミ捕獲長」の肩書を持ち、官邸のマスコット的存在。欧州連合(EU)離脱の迷走で低支持率にあえぎ、辞意表明に追い込まれたメイ首相とは対照的に、「官邸で一番の人気者」(英政府関係者)として知られる。
 ラリーが専用車の下に潜り込んだのはトランプ氏が降りた後だった。雨宿りのためかラリーがしばらく動かなかったため、トランプ氏の保安担当者らは頭を抱えたという。 

ビーストもネコにはかなわなかったと言うのは意外な顛末ですが、こうしたハプニングにもブリ一流の何かしらの策略が隠されているとも勘ぐれます。
しかし先の大戦中を始め人類の歴史上動物を兵器に使う構想はたびたび登場していますが、こうした実例を見てまたぞろ何か考える人も出るでしょうかね。

今日のぐり:「香徳園」

岡山市内のやや裏通りに位置するこちらのお店、以前は地味な町の中華料理屋ながら安くて食わせると人気の店でした。
しばらく前に新築され小綺麗な店舗になったようですが、久しぶりにお邪魔してもやはり人気のお店であるようですね。

同行者と適当につまんで見ましたが、春巻きは香ばしい揚げ上がりですし、焼きビーフンも何と言うことはないのに地味にうまいですね。
個人的にこちらの一押しだと思っている豚肉とレタスの炒め(豚野菜)はやはり飯にも合うし単品でもうまいと、おすすめ出来るメニューです。
特製唐揚げ(油淋鶏)はカリカリと言うよりサクサク系ですが、肉のジューシーさもしっかりあり、薄味の下味にソースが合っていました。

メニューは以前と大きく変わらないようで、このお値段でこの内容であればお値打ちですし、実際大勢のお客で賑わっているようです。
新築の恩恵でトイレも広々綺麗なものですし、フロアにしろ厨房にしろスタッフの士気も高そうなのが何しろ好印象でした。

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2019年6月10日 (月)

結局のところは医療の沙汰も金次第と言う現実

傍目に感じる素朴な疑問と言うことでしょうか、先日こんな記事が出ていました。

なぜ?医師数は過去最多32万人でも“医師不足” 「地域医療が成り立たぬ」現場の声(2019年6月2日FNN)

全国各地で医師不足が深刻化している。
(略)
厚生労働省のデータによると、全国で医師の数は過去最多となる約32万人。その一方で、専門家は問題を指摘する。

医療ジャーナリスト油井香代子氏:
医師の数は地域によって違いがあり、医師が集中するのは大都市です。
最先端の医療技術があり、情報が多くあるので都会に集中する傾向があります。
その影響で人口の少ない過疎地には、どうしても医師が不足するということになります。

医師不足 の背景に“県内格差”
人口10万人に対する医師の増減データをみると、「大都市医療圏」にくらべると、「過疎地域医療圏」では医師の数が減少している地域が多いことがわかる。
(略)
医師不足が更に深刻な地域では、自治体が主体となって非常勤の医師を雇っているという。
ある女性医師は、住居のある埼玉県や東京都内の医療機関に勤務しながら、定期的に北海道などで非常勤で勤務しているという。
(略)
そんな中、秋田県湯沢市唯一となる市立の診療所・皆瀬診療所で、3年以上にわたる常勤医師不在が解消され、ついに常勤の医師による診療が始まった。
岩手から赴任した55歳の男性医師は内科と外科が専門で、傷の縫合手術や胃の内視鏡検査も可能に。今後、湯沢市は必要な設備を充実させていくという。
湯沢市福祉保健部の佐藤恒雄部長は「お医者さんがいなくなってからの3年間で6割程度患者さんが減少し、少ない時で10人というような状態になっていた。人口も減っていて、これから医療は少しずつ変わっていくと考えているが、地域の住民が安心して生活できるような医療を目指し、医師と一緒に市全体の医療を作っていきたい。」と話す。

総務省と厚労省は今後、医師の確保が困難な地域の公立病院に対して、財政措置を拡充していくということだ。
(略)

お金を出せば集まるうちはまだしもですが、歴史的に見れば医師不足とは医療需要の増加、多様化と言う需要増大の要因と、医療の提供側の要因とに大別出来ると思います。
前者については数十年前であればまだ全国で医者の顔を見るなど死亡宣告の時だけと言った地域もありましたが、今やどんな僻地のお年寄りでもその気になれば定期的に医療機関を受診出来る時代です。
それもかかりつけの町医者で何でも診てもらうと言うのではなく、耳が悪ければ耳鼻科専門医、白内障なら眼科専門医と専門分化も進んでいるのですから、多様な需要に応えようと思えば医師数は幾らでも必要です。

他方で医療を提供する側でも年々医療を行うこと自体が手間暇かかるようになっていて、昔なら簡単な説明で即治療だったものが、今は何度も丁寧な説明を繰り返し理解と了承を得る必要があります。
手術にしても昔ながらの開腹手術なら1時間で済むものを内視鏡で何時間もかけて切ったりするのですから、治療そのものも高度化・複雑化して一件当たりの手間暇がかかるようになっているとは言えますね。
さらに言えば結局不足しているのは内科や外科で年中休みなく働く医師ですが、かつて何も考えずに大部分が内科外科に進んでいた学生達が、今はQOMLも考慮しながら多様な進路を選択する時代です。
診療科別の医師数推移を見てみれば判りますが、医師総数は増えていると言っても内科、外科、産婦人科、小児科のいわゆるメジャー診療科はむしろ年々減少を続けていると言うのが現実ですよね。


いずれにせよこうした時代にあって医師を集めることも一苦労で、各地の病院ではそれぞれに工夫したやり方で医師集めを行っていますが、話として判りやすいのは労働環境改善と金銭的待遇の改善でしょう。
メディカルクラークを導入するなど、医師の労働環境改善は今の働き方改革推進の議論の中でも当然話題になってきたものですが、医師が増えれば仕事も楽になる好循環も期待出来るでしょう。
他方でその医師集めの有力な手段ともなり得る金銭的待遇改善はどうしても先立つものが必要ですが、先日こんなニュースが話題になっていました。

救命救急センターが医師不足解消のためクラウドファンディング 2000万円調達へ(2019年6月5日MBS)

 大阪府高槻市の三島救命救急センターが医師不足を解消するため、クラウドファンディングを使って資金調達を行うと発表しました。クラウドファンディングで病院が運営資金を募るのは全国初だということです。

 大阪府三島救命救急センターは緊急性の高い患者を24時間体制で受け入れていますが、10年前と比べると医師の数が半減するなど近年医師不足が深刻で、患者の受け入れを制限せざるを得ない状況が続いています。
 「さらに離職者が増えて、培ってきた救命救急の知識や技術がこれから先につなぐことができなくなってしまう」(大阪府三島救命救急センター 福田真樹子副所長)

 収益が大幅に減る中、病院としては全国で初めてクラウドファンディングを使って運営資金2000万円を募る計画で、集まった資金は人材募集の費用などに充てる方針です。

医師人件費をクラウドファンディング 大阪の救急病院(2019年6月5日朝日新聞)

 深刻な医師不足を解消しようと、大阪府三島救命救急センター(同府高槻市)がクラウドファンディング(CF)で医師らの人件費を集める試みを始める。センターとCFサイト運営会社「レディーフォー」(東京)が5日発表した。同社によると病院が人件費を募るCFは全国的に珍しいという。センターは「病院だけではもう限界」と協力を呼びかけている。

 センター(41床)は公益財団法人が運営。命に関わる重篤な患者を24時間態勢で受け入れている。だが近年は慢性的な医師不足に陥り、2010年度の27人から今年度は14人とほぼ半減。17年度は院内感染で1カ月間、患者の受け入れを停止したほか、整形外科医の不在で3カ月間、外傷患者の受け入れを止めた
 その結果、財源の6割超を占める医療収入が大幅減に。10年度の13億8400万円から17年度には9億5900万円に落ち込んだ。人件費も削減され、離職者が相次いだ。

 施設の老朽化の問題もあり、22年度に市内の大阪医科大学内に移転する予定。それまで安定運営を続けるため、CFの活用を決めたという。センターの福田真樹子副所長は「悪循環に陥り、病院だけではもう限界。安全に患者の治療、看護を続けるために応援をお願いしたい」と話した。

記事を見れば全国どこでもありがちな激務の救急医療機関で医師の逃散が起こっている状況とも受け取れるのですが、病院側としてはこうした状況に対応すべくある程度の診療制限なども行っていたようです。
その結果収入が大幅に減り人件費も削減され、さらに離職者が相次ぐ事態になっていると言うのですから悪循環そのものですが、そもそも論として地域で必要な施設であるから整備されたのではないかと言うことです。
地域住民が必要だと思うリソースの整備には本来地域住民がお金を出すべきだと思いますが、言ってみればそれを可能にする手段としてクラウドファンディングと言う手法は合法的な抜け道にはなり得るものでしょう。
公的病院が多く、地域性を無視した全国一律の公定価格を強いられ、営利目的での運営も禁じられた日本の病院では、まずは経営的自由度を高めるための努力と工夫から始めなければならないのでしょうね。

ただ現実的にこれだけ収益も減り人員もさらに減少を続ける中で、たかだか2000万円で何が出来るのかと言う疑問は誰しも抱くところでしょうが、2000万円で人材を募集してもしょせん一時的なものにしかなりません。
安定的な経営を続けるとなれば固定的な収入を確保しなければなりませんが、判りやすいのは公的資金の導入で、全国各地の公立病院は自治体からの支援がなければ運営が出来ない状況です。
ただ自治体の財政問題を抜きにしても、医療機関の場合高齢者の利用が最も多く、働いて税金や保険料を払っている現役世代は利用が少ないと言う点で、過度の公費投入も世代間の不公平感につながります。
今後医療の規制緩和なりで安定的な収入を確保出来たとしても、経営的観点から現場に介入されることを喜ぶ医師も少ないはずですが、病院毎に受け入れ可能なやり方を個別に工夫するしかないのでしょうか。

 

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2019年6月 8日 (土)

今日のぐり:「リヨン」

昨今謎めいた事件には事欠きませんが、多くの人々が首を捻ったのがこちらの事件です。

「専用のハローワークに」 スプレー噴射し職員けが(2019年4月17日テレビ朝日)

神奈川県大和市のハローワークで男がスプレーを吹き付け、職員ら6人がけがをしました。

目撃者の女性:「女性の職員がハンカチで口元を押さえてるのは見えました。せき込んでいたりとか」
 
17日午前9時すぎ、大和市深見にある「ハローワーク大和」で相談に訪れていた20代の男が職員の女性に突然、スプレーを吹き付けました。
スプレーの中身は分かっていませんが、その場にいた男女6人が喉や目の痛みを訴えて病院に運ばれました。いずれも軽傷だということです。

ハローワークによりますと、男は以前から相談に訪れていて、「自分専用のハローワークにしてほしい」などと訴えていたということです。
男は警察官に現行犯逮捕され、取り調べに対して容疑を認めているということです。

本人としても色々と思うところもあったのでしょうが、しかし有り体に言って何を言っているのか判らないと言う話ですね。
本日は思わぬ災難に巻き込まれたハローワークスタッフを労う意味で、世界中からちょっとよく判らないニュースの数々を取り上げてみましょう。

鍬や鎌3本持つ男「強盗に行こうと」…署員発見(2019年6月1日読売新聞)

兵庫県警福崎署は31日、刃物を用意して金融機関に強盗に入ろうとしていたとして、市川町小谷、無職男(73)を強盗予備の疑いで逮捕した。
発表では、男は31日午前8時5分頃、市川町甘地の駐車場で鍬くわや草刈り鎌など刃物3本を持ち、近くの金融機関で金を奪う機会をうかがっていた疑い。

川崎市で起きた児童らの殺傷事件後、通学時間帯の巡回を強化していた署員が鍬などを手にしている男を発見。
職務質問に「金融機関が開いたら強盗に行くつもりだった」と答えたことから、任意同行を求めて事情を聞いた。

こうした凶悪犯罪を未然に防いだわけですから、ある意味では助かると言うケースなのですが、しかしどうなんでしょうねえ…?
昨今日本ではあまり見かけなくなったとも聞く質屋ですが、アメリカでは妙な利用者がいらっしゃるようです。

質店で赤ちゃん「いくらになる?」お騒がせ父親に警察出動(2019年5月11日AFP)

【5月11日 AFP】米フロリダ州湾岸のサラソタ(Sarasota)で、質店を訪れた男性が赤ちゃんを見せ、いくらになるかと尋ねる出来事があった。地元警察が明らかにした。

 シングルファーザーのリチャード・スローカム(Richard Slocum)氏は、質店の主人の前でカウンターに赤ちゃんを乗せ、「これが私の質草だ」と話し、「ほぼ未使用に近く、生後7か月半。いくらになりそう?」と尋ねた。
 質店の経営者、リチャード・ジョーダン(Richard Jordan)氏は地元テレビ局のニュース番組に対し、「かなり本気に見えた」として、「赤ちゃんをぐるっと回転させ、質に入れられるか? と聞いてきた」と話した。
 ジョーダン氏は、スローカム氏が店を出るとすぐに警察に通報。子どもの健康状態が気掛かりだと訴えた。
 スローカム氏はその後、この人物を特定しようという動きがあることをソーシャルメディア(SNS)で知り、自ら警察に連絡。警察官や地元当局者が多数、自宅に押し掛けて来たとして、「面白い、笑えるとは警察官は全く思ってくれず、この件に多くの人員と時間と金がつぎ込まれた」と述べている。

 警察発表によれば、スローカム氏は、質店での出来事は単なるいたずらで、SNSにその動画を投稿しようと考えていたと主張しているという。同氏は、面白動画──少なくとも本人は面白いと思っている動画──を作成し、写真・動画共有アプリ「スナップチャット(Snapchat)」に投稿している。
 警察は、捜査官らが子どもの無事を確認し、社会福祉課に連絡したことを明らかにした上で、「今回の捜査に関しては、現時点では刑事責任を追及していない」と話している。

何を面白いと思うかは人それぞれですが、児童虐待には厳しいアメリカでさて事件の落としどころがどうなるのかです。
同じくアメリカから、こちら誰もが一度くらいは考えてみたことがあるかも知れませんが、残念な結果となったようです。

可動橋を飛び越そうとした車、水中に転落 男性2人死亡(2019年5月27日CNN)

(CNN) 米ルイジアナ州で、可動橋の開口部を飛び越して渡ろうとした車が水中に転落し、乗っていた男性2人が死亡する事故があった。州警察がフェイスブックで明らかにした。

州警察によると、事故は24日午前2時ごろに発生。同州レイクチャールズ近郊の幹線道路に架かるブラックバイユー橋で、車1台が川に転落したとの通報があり、警察が現場に出動した。
転落した車は2016年モデルのシボレー・クルーズ。現場の橋は船舶を通過させるために車両通行止めとなり、橋桁の約50メートルの区画が移動させてあった。

目撃者が警察に語ったところによると、車は橋の前でいったん停止したが、助手席の男性が車から降りてゲートを押しやり、通行できるようにした。車はそのまま橋を進み、バックして停止した後に、加速して橋の跳ね上がった部分へ乗り上げた。
しかし車はそのまま川に転落して、運転していた男性を中に閉じ込めたまま、水の底に沈んだ。もう1人の男性は車から脱出したが、川の中で死亡した。

運転していたのはアレハンドロ・カザレスさん(23)、助手席にいたのはロベルト・アレハンドロ・モレノさん(32)。2人ともテキサス州から来ていた。
捜査当局は、飲酒や薬物が絡んでいた可能性について調べている。

傍目には何をやっていたのかと言う話ですが、自分達なりに勝算があると思っていたのでしょうか。
同じくこちらも酒に酔った勢いと言うことでしょうか、まさしく公然わいせつと言うしかない不埒な事件であったそうです。

泥酔20代、夜明け路上で結ばれた珍島犬の淫乱行為...「後遺症深海」(2019年5月19日朝鮮ドットコム)

夜明け路上に縛られていた犬にエッチな行為をした20代の男性が警察に捕まった。試合利川警察署は公演淫乱と動物保護法違反の疑いでA(27)を書類送検したと19日明らかにした。

警察によると、Aは去る17日午前0時20分ごろ、利川市ブバルウプの食堂の前に縛られていた生後3ヶ月の珍島犬に体の一部を接触するなどわいせつな行為をした疑いを受けている。Aは、日雇い労働者であり、事件当時、泥酔状態だった。
当時下を下げ主要部位を露出しているAを通りすがりの市民が申告した。現場に出動した警察は、Aをすぐに現行犯逮捕した。

Aは警察の調査の過程で、「酒に酔って、当時の状況を覚えていない」と述べながらも、閉鎖回路(CC)TVに撮影されたシーンと市民の情報提供写真などの証拠資料が出てき犯行を認めたものと伝えられた。
先に動物保護団体である動物虐待防止協会は17日、公式インスタグラムのアカウントを使用して被害を受けた子供の珍島犬の姿とした男性が道端に伏せ不適切な行動をする場面などをモザイクして公開した。
この団体は、当初、「警察では、動物台以外の公演淫乱疑いだけで事件を処理しようとする情報提供があり、団体名義で告発することを決めた」とした。
警察の関係者はこれについて、「逮捕当時から公演淫乱と動物保護法違反の疑い両方を適用した」と述べた。現行法上の動物を対象とした性行為の直接処罰規定はない。

性暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律によると、「被害者」は、「性暴力により直接被害を受けた人」と規定される。一部では、意思表現をすることができない弱い動物にこのような行為を犯したある人々にも同じ行為を犯す可能性が高いため、処罰することができなければならないと主張する。
この犬は、レストランのオーナーが飼っていた珍島犬に、外傷はなく、生命にも支障がないものと伝えられた。ただし排泄を正しくできず人をひどく警戒するなどの後遺症を患っていることが分かった。

法的な扱いはなかなか難しそうな事件なのですが、今の時代ですからA氏の正体探しなども過熱していることでしょうね。
最後に取り上げますのは思いがけない結婚生活の、思いがけない破綻を伝えるニュースです。

300年前の海賊の幽霊と結婚した女性がスピード離婚を発表 原因は“恐怖の結婚生活”?(2019年6月2日リアルライブ)

北アイルランド出身の女性がハイチの海賊の幽霊と結婚した結果、恐ろしい目に遭い離婚したと、ニュースサイト「METRO」が26日に伝えた。
 北アイルランドに住む47歳のアマンダさんは、1700年代に窃盗の罪で処刑されたと言われている海賊・ジャックと離婚したと発表した。離婚自体は3月にアマンダさんはTwitterに投稿していたが、今回は離婚原因を同記事に語ったという。

 アマンダさんに運命の出会いが訪れたのは2014年のこと。霊媒師の紹介で、今から300年ほど前にカリブ海で海賊をしていたハイチ出身の幽霊と知り合ったという。アマンダさんたちは2018年の1月に船上結婚式を開催したことを、2018年の「METRO」の別の記事で報じられている。
 しかし、アマンダさんの幸せは長くは続かなかった。結婚2週間後から、死にかけるほどの大病を患ったというのだ。病気を患っても、ジャックとの結婚生活を続けたと語るアマンダさん。どんどん病状が悪化し、敗血症で罹患し、手術を受けることになったそうだ。手術の際にジャックとの結婚指輪を外さなければならなかったが、外した途端に、「今までとは全く違う(楽な)気分になった」と感じたそうだ。

 指輪の件をきっかけに、ジャックと一方的に「離婚」したアマンダさん。病状は回復に向かったが、まだアマンダさんはジャックに取り憑かれている可能性があると感じ、自身の持つ霊能力によって、ジャックと話し合いをしたそうだ。アマンダさんによると、ジャックは「関係を完全に断ち切るならば、お前を殺す」と脅してきたという。危険を感じたアマンダさんは訓練を積んだ祈祷師に依頼し、「悪魔払い」を決行した。
 すると、アマンダさんの体調は劇的に改善。アマンダさんはジャックとの霊的なコンタクトについて、「怖いので全て止めた」と同記事の取材に対し、話しているそうだ。

 この報道を受け、ネット上では「彼女に必要なのは精神科医」「話がよくわからないけど、妄想じゃないんだよね?」「まず、幽霊と結婚できることに驚いた」「今後取り憑かれたりしないか心配」など、様々な声が寄せられた。
(略)

どこから突っ込んだらよいものか迷うような事件ではあるのですが、精神医学領域から見ると興味深い症例ではあるのでしょうか。
それはまあ何をどうしようが人それぞれの価値観次第ではあるのですが、正直一番迷惑を被っているのは海賊の幽霊だったかも知れませんね。

今日のぐり:「リヨン」


倉敷市南部の水島工業地帯の一角、いわく言いがたい場所にあるのがこちらのお店ですが、かなり老舗の洋食屋だそうですね。
見た目は内外装共にかなり年季が入っているのですが、メニューを見るとなかなか本格的なもので、ランチからディナーまで楽しめそうです。

今回は今月のコースを頼んで見ましたが、コーンスープがかなり酸味が立った独特の味でしたが、サラダのドレッシングなどは逆に昔ながらの味わいですね。
パンと付け合わせのバターはいずれも市販品のようなのですが、きちんとパン酵母の風味のするパンですし、メインの和牛フィレ肉のパン粉焼きも見事な焼き加減でした。
デザートなどもそうなのですが、見た目は昭和っぽいクラシカルな洋食屋風ですが、盛り付けも味わいもなかなか本格的なもので感心しました。

価格帯を見ても素材は特にお金がかかっているようではないのですが、こうおう店はきちんとお金を掛けた料理を作らせるとうまいものを出すのでしょうね。
地味にメニューを1人ずつ渡してくれるのもありがたいもので、目立つお店ではないですが今度は改めて予約して訪れてみたいところです。

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2019年6月 5日 (水)

昨今何かとテレビCMが不評なのだそうで

テレビで見ていた多くの人々が心の中で「なんでやねん!?」と突っ込んだとも噂されているのが、先日発生したこちらの放送事故です。

天心ダウン場面がCM突入で映らず非難、苦情殺到のフジRIZIN生放送不手際はなぜ起きたのか?(2019年6月3日ザ・ページ)

 総合格闘技イベントの「RIZIN.16」が2日、神戸ワールド記念ホールで行われ、メインのISKA世界フェザー級タイトルマッチでは、那須川天心(20、TARGET/Cygames)が、同フリースタイル世界バンタム級王者、マーティン・ブランコ(30、アルゼンチン)に2回2分19秒にKO勝利したが、生中継したフジテレビの放送中にCMが入り最初のダウンシーンや試合のハイライトシーンが視聴者に届かないという前代未聞の不手際があった。
 ネット上では肝心の場面を見れなかった視聴者からの非難と苦情が殺到した。「ライブの意味が全くない放送内容だった」「一番のハイライトでCM入れるとは前代未聞です」「本当に最低としか言いようがない」「CMが終わったと思ったら勝負も終わっていた。楽しみもそこで終わり」と、直接的な不満、怒りをぶつけるものから、「フジは何をやっても3流バラエティに持って行こうとするから、スポーツやニュースなどの専門番組が育たない」「こういう視聴者無視の手法がますますテレビ離れの原因になる」というフジテレビの局の体質に関する批判の声まであった。

 なぜファンが“放送事故”とまで評した不手際は起きたのか。
 試合後の大会総括会見で榊原信行実行委員長は、自らこの問題に触れて謝罪すると同時に不手際が起きた背景を説明した。
「今回、初の3試合生中継というチャレンジをしたが、(ネット上で)大炎上になっていると聞いている。CMが入って最初のダウンシーンが入っていないことが大問題になっている。地上波の環境の中で(3試合生中継の)経験がなく、前向きなチャレンジをして起きた残念な事象。(目付近の)カットやアクシデントがあれば必ずCMに行く決め事を作っていた。その1分間の尺でドラマチックなことが起きた。本当に申し訳ない。生で流したことに意味はあるが、今後、こういうことがないように整えていきたい」

 午後7時から9時まで2時間の枠で放映された「RIZIN.16」では、浅倉カンナ対山本美憂、浜崎朱加対ジン・ユ・フレイ、そして、メインの天心戦の3試合が生中継され、問題の“CMぶっこみ事故”は、午後8時20分過ぎから始まった、その天心の世界戦の2ラウンドに起きた。天心のパンチによりブランコが右目の上をカット。流血が激しかったため、残り1分50秒でレフェリーが傷の様子をドクターにチェックさせるため試合をストップした。
 ここで榊原実行委員長が明らかにした「カットやアクシデントがあればCMに行く」という事前の約束事が断行されてCMに突入した。だが、CMが明ける前に、試合が再開し、生中継が再開した画面には、いきなりブランコがダウンしている様子が映し出されたのである。しかも、それは2度目のダウンシーン。天心は、この試合で3度ダウンを奪ったが、「終わったかな」と確信したほどの会心の左のミドルキックが炸裂した最初のダウンシーンも、その直後に見せた、この試合のハイライトとも言える“ドロップキック”も、そして2度目のダウンを奪った膝蹴りも割愛されていたのだ。緊迫感を味わえる格闘技の生放送の最重要場面を見れなかったファンの声でネット炎上するのも当然である。
(略)
 そもそも3分×5ラウンドルールの天心の試合で、いくらアクシデントがあったとは言えラウンド間のインターバル以外にCMを入れるという約束事があったこと事態が間違っていたのだろう。
 榊原実行委員長は「まだオンエアを見ていないので、これから確認をしてフジテレビと話をしていきたい。このことは地上波のスポーツ中継での命題だが、誰が(CMを入れるタイミングの)判断をするのかなどの問題はある。例えば、放送の前半にCMを集中させて試合中はなるべく流さない(ノーカット放映)などのよりよい対策をしていく」と主催者の代表としてフジテレビ側との連携を深め、放送不手際を繰り返さないことを約束した。

テレビ放送を見ていた人にとっては何が何だかと言うシーンだったと思いますが、幾らドクターチェックが入っているとは言えラウンドの最中にCMを挟むと言う事前約束があったこと自体どうなのかと言う声が多いようです。
民放各局が放送が出来るのもCMを入れるスポンサーがあってのことで、何よりもCMを流すことを優先するのは仕方ないとも言えますが、この種の強引なCMを挟むことでむしろスポンサーに批判が向きかねません。
昨今ではネット動画などいつでも好きな時に好きなものを視聴できることの反映でしょうか、見たいときに見られないと言うストレスを感じる人が増えているようで、このところ話題になっているのがCMのありかたです。

不愉快な「CMまたぎ」が今も流行 それでも止めない民放テレビ局の見識(2019年5月28日デイリー新潮)

(略)
 新聞や雑誌の記事データベース「G-Search」に「CMまたぎ」を入力してみると、1998年5月23日に産経新聞の朝刊に掲載されたコラム「【CMルックLOOK】『第一生命』気になる凸形の箱の中身」が初出としてヒットした。署名原稿で、「フリーライター前田浩子」と記されている。
《“CMまたぎ”って業界用語があるんですって。例えばクイズ番組だとすれば「答えはCMのあとで…」と振っといて、正解をCMタイムが終わってから見る、という手法なのね》
 この「CMまたぎ」を“開発”したと言われているのが、日本テレビで“視聴率男”の名をほしいままにした五味一男氏(62)だ。
(略)
 だが最近、元祖・本家の日テレでさえも「あまりにあざとい『CMまたぎ』はよくない」と、封印の傾向が出ているという。
「原因はもちろん、視聴者の反感です。例えば4月6日、テレビ朝日はプライムタイムにあたる20時から『10万円でできるかな』を放送しました。スクラッチクジを10万円分購入するという回で、内容は面白かった。ところが、当選か否かを見せる際、相当に露骨な『CMまたぎ』を行い、不満の声が上がりました。日刊ゲンダイも批判記事を5月12日に電子版でアップしたほどです」(同・関係者)

 榊博文・慶応義塾大教授(社会心理学)は、こうした演出を「山場CM」とネーミング。テレビ局側が「CMを見てもらい、視聴率も落ちない一石二鳥」と喜ぶ中、視聴者は「CMまたぎ」に怒りを覚え、紹介される商品にも嫌悪感を抱くと分析した。
 朝日新聞が2007年11月6日に掲載した「山場でCM、逆効果 TV視聴者86%『不愉快』慶大研究室調査」のポイントを引用させていただく。
《榊研究室は、慶大通信教育部、文学部の727人を対象にアンケートを02年に実施。調査対象の半数近くが20代で、次いで30代が多かった。
 調査では、視聴者をCM明けまで引っ張ろうとする山場CMに対する印象として、強い肯定から強い否定まで9つの尺度で聞いた。「不愉快」について86%が肯定。CM明けのシーンの繰り返しには、74%が「イライラする」と回答した。
 山場CMを含む番組については、84%が「好感が持てない」。山場CMの商品について42%が「好感が持てない」、34%が「買いたくない」と回答。それぞれ60%前後あった「どちらともいえない」を除けば大半がマイナスの評価だった。
 話の流れが落ち着いたところで出る「一段落CM」と比較すると、山場CMが「商品を買いたくない」で3・8倍、「商品を覚えていない」も2倍と本来の効果をうち消していた
 また、日本と欧米のテレビ番組の山場CMを02~03年に比較した。ニュース、ドキュメンタリー、ドラマなど7分野で各国の代表的な3番組ずつを録画して比率を調べた。その結果は、日本の40%に対し米国は14%で、CMのタイミングが法律で規定されている英国は6%、フランスにいたってはゼロだった》
(略)
 民放キー局の関係者(前出)も、「CMまたぎ」、「山場CM」には批判的だ。
「結局、視聴者の皆さんが“見たい!”と思ってくださる気持ちに、私たちがわざわざケンカを売っているのが『CMまたぎ』でしょう。私だって『衝撃映像』の引っ張りや、顔に『マル秘』のモザイクをかけてCMに入るのを見ると、反射的にイラッとします。ところが、民放全体で見ると、『CMまたぎ』は封印の傾向どころか、むしろ増えている気がしますね」
 ひどい例になると、CM前にネタを振り、CMが終わったにもかかわらず、そのネタに触れない番組すらある。そのネタは次のCM明けだったり、最悪のケースでは番組の最後だったりする。関係者は「私も『CMまたぎ』がテレビの視聴者離れの原因になっていると思います」と頷く。
(略)

アメリカでの調査ではCMが全くなくても視聴者は不快感が増すのだそうで、ある程度節度を保ったCMはあってもいいのだろうし、海外から帰国した人などもしばしば番組よりCMを見たがる傾向があるようにも感じます。
ただこれだけどこの局でも似たようなCMを同じようなやり方で挟んでくれば工夫がないと言われるのは当然で、登場した当初は斬新だった手法ももはや完全に賞味期限切れであるとは言えるのでしょう。
CM自体も決まり切った内容のものが多く退屈との声もありますが、アメリカにおけるスバルのCMなどは定評があり、日本国内でもたびたび評判になる傑作CMもありと、見られる努力を講じる余地はありそうにも思います。

他方ではそもそも今どきの若い世代はテレビなど観ないと言う話もあり、前述の記事の調査でも学生を中心とした若い世代が対象ですが、普段テレビを見ない人を対象にテレビの調査をする意味はないとも言えます。
またドラマなど定期的にテレビを見る人であっても録画視聴が中心になり、この場合当然ながらCMなどは片っ端らからスキップされているわけですから、どれほどの宣伝効果があるのかと言う疑問もあるでしょう。
ただし現在の主たるテレビ視聴者、特にリアルタイムで視聴をしているのはほぼ高齢者だけだとも言われますから、こうした方々をターゲットに考えるのであればまた違った評価も出てくる可能性はあるのかも知れません。
そう考えるとCM内容も有名人の出演するおしゃれなものばかりでなく、もう少し高齢者を意識したベタなものに振ってみても良さそうにも思いますが、その場合一番のキーワードは健康と言うことになるのでしょうか。

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2019年6月 3日 (月)

医師の働き方改革、診療報酬上の手当はなく自助努力が求められる方向に

長崎の病院で33歳の勤務医が2014年に死亡した件に関して先日過労死と認められ、病院側に1億6千万円余の支払いが命じられた判決が出ていました。
亡くなる直前1カ月の残業は159時間だったそうですが、単純計算で12倍すると年1908時間と、このところ話題の年1860時間と言う数字にほぼ相当する時間なのが気になるところですよね。
いずれにせよこの働き方改革と言うもの、実現に向けては資格専門職である故に数が限られた医療のマンパワーの問題に加え、金銭的な負担増加が懸念されるところですが、このところ気になるニュースが出ています。

医師の働き方改革、診療報酬上の扱いは?(2019年5月29日医療維新)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は5月29日、次期診療報酬改定のテーマの一つとして「働き方改革と医療の在り方について」を取り上げた。診療側からは働き方改革に必要な財源を診療報酬で手当てすることを求める声が上がったが、支払側が反論し、激しいやりとりになった(資料は厚生労働省のホームページ)。

 医師の働き方改革に関するこれまでの議論の経過や政策的な対応について、104ページに及ぶ資料について約1時間にわたって厚労省保険局医療課長の森光敬子氏が説明した後、議論に入った。
 全日本病院協会会長の猪口雄二氏は、医師に先立ってそれ以外の職種では今年の4月から働き方改革関連法が施行されたことで、これまで当直として扱ってきたものを夜勤として時間外手当を支払わなければならなくなるなど、「医師以外は働き方改革で勤務体系が変わってきている。夜勤を置かなければいけないため、明らかに人件費が増えている」と指摘。病院運営が厳しくなるとして、「入院基本料がどうあるべきかを議論しないといけない」と求めた。
 これに対し、健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は「基本料にまで言及されたが、これは誰が負担するのかを考えていただきたい。医師の働き方改革を患者が負担することには違和感を覚える。全く違う論理だ。全ての企業で働き方改革が行われており、経営トップがマネジメント改革をするところから始まる。基本料や加算を拡大するのは働き方改革とは違う方向だ」と反論した。

 医師の働き方改革と診療報酬の関係については、2017年11月8日にも幸野氏と日本医師会副会長の今村聡氏との間で議論が繰り広げられた経緯がある(『診療側、働き方改革で診療報酬上の対応求める』を参照)。このときも幸野氏は「働き方改革のために診療報酬上の対応をするのは違うのではないか」と反対を表明していた。
 今村氏は今回、マネジメントの改善がこれまで十分でなかったことは同意しながらも、「医師の働き方は医療を受ける国民の医療安全に資する話だ。それを支えるには一定の財源が必要で、どんなに改革をしてもコストはかかる」と指摘。日医常任理事の松本吉郎氏も「幸野氏には明確に反論する」と強い口調で表明。「中医協では医療技術の適正な評価をし、それに伴って患者は一定の負担をする。これは明確なルールだ。それを保険者から被保険者に説明する視点が欠けているのではないか。診療側も説明していくが、支払側も説明していってほしい」と求めた。幸野氏は「各論に入り、『これならば必要であろう』という加算は議論しなければいけないが、入院基本料という話が出て、それは違うのではないかということだ」と再度反論した。

「最初から診療報酬で手当て」は想定せず - 迫井正深・厚労省審議官に聞く(2019年5月29日医療維新)

――今後、労働時間管理、さらにはその縮減に向けてタスクシフティングをはじめ、さまざまな改革に医療現場が取り組む中で、行政としてどんな仕掛け、支援を想定しているのでしょうか。予算や診療報酬上での支援を求める声もあります。

 まずは各医療機関で、医師の働き方の実態と具体的な課題を個別に把握していただくことから始めないと、何をどう改善するのか、現場で対応すべき具体策が見えないのではないかと思います。そのためにも、まずは労働時間の管理を徹底していただく。その上で、地域のニーズや他の医療機関の状況も踏まえて、何を変えなければいけないのかなど、個別の課題に対応していただく。働き方改革は、マネジメント改革そのものです。行政による支援ツールはそう多くはありませんが、マネジメントに必要な専門的知識の提供、ノウハウや事例の紹介などが想定されます。
 また何をすべきかが整理できても、すぐにはできない場合があります。永続的な支援は難しいですが、将来の姿を目指していくに当たって、「どうしてもこの部分が不足している」などといった場合に、例えば、マンパワーの配置換えに伴う事業的な経費を支援することもあり得るでしょう。その場合、地域医療介護総合確保基金や各種補助金などの既存事業の活用も含めた対応を検討することになると思います。
 一方で、最初から診療報酬で全国一律に対応することは、「ちょっとないだろうな」と。個々の現場の状況があまりに異なるため、先ほど触れたような、まず着手すべきことをやっていただくことが先決でしょう。その上で、現場の動きを見ながら、「ここは全国共通で、何らかの手当てが必要」といったものが出てくれば、そこをどう支援するかを考えるという手順になると思います。
まず現場でできる範囲で、できることをまずやっていただく
(略)
――これまで医師の労働時間管理をしていなかった医療機関の中には、新たに時間外手当を支払わなければいけないケースもあると思います。それまで支払っていなかったこと自体問題ですが、経営的には難しいとの声も現場にはあります。

 医療サービスが改革により充実するなど、国民の皆様にプラスの負担をお願いするのに値するような見直しがあるなら、そうした相談があってもいいとは思います。でも、まずは「これは、本当に必要なサービスなのか、必要なら誰が担うべきか、効率化はできないか」など、医師の働き方、そして病院内のマネジメント全体を吟味してください、という話だと思います。
 金融業や製造業をはじめ、他のセクターはここ20、30年、サービス残業や無駄な作業をなくすなど、生産性を上げる努力を死に物狂いでされてきたのだろうと思います。その結果として、従業員の給与を引き上げた場合で、サービスや商品の価格を引き上げた企業もあるでしょう。ただそれは、さまざまな努力をまず行ったあと、やむを得ずの値上げに消費者が理解を示した場合でしょう。最初から値上げありきで対応したわけではありません
 まず現場でできる範囲で、できることをまずやっていただく。それでもなお、どうしても採算が取れないといった事態になれば、診療報酬上の手当てはあっていいと思います。しかし、最初からそれをしないで、国民の皆さんに負担をお願いするのは、理解が得られないでしょう。
(略)

支払い側が新たな医療費支出増加につながる診療報酬負担に拒否感を示すことはいわば当然で、他業界でやっているようにまずは効率化や経営改革を進めるべきだと言うのは予想された反応でしょう。
ただ診療報酬を決めている厚労省側もほぼ同じロジックで語っている点は気になるところで、少なくとも当面のところ診療報酬上の手当がなされる見込みはないと考えてよいでしょうね。
もちろん他の業界から見れば医療の世界は経営上の無駄が多いと言う指摘は過去にも繰り返されてきたことで、今後その辺りをどれだけ効率化出来るかは国民から業界全体に突きつけられた課題です。

医療の側から見れば当然反論の余地もあり、全国一律の公定価格で全てが縛られ、しかも広告規制など営利的運営は実質的に禁じられ、かつ混合診療と言う利益追求手段も断たれている状況です。
手足を縛られ活かさず殺さずの経営を強いられている中で、何でもフリーハンドで行える民間企業と同様の経営改善をやれと言うのは虫が良すぎると言うことですが、改革の余地自体はむしろ少なくなさそうです。
判りやすい例で言えば名ばかりの総合病院で、さして需要もない診療科でもとりあえず一通り取りそろえておく必要があるのかどうか、緊急性がないことであれば必要時に他の施設に紹介してもいいはずですよね。
この辺り、自治体病院などは町長や議員が集票対策の一環で医者を呼んできた面もありますが、医療は利益追求だけの話ではないとして敢えて医療側自ら赤字部門も抱え込んできた側面も少なくありませんでした。

このところ医療側から医師働き方改革の前提条件として、国民の受診行動変容が求められていますが、不要不急のコンビニ受診を控えろと言うことはすなわち、国民の利便性を犠牲にせよと言うことでもあるわけです。
医師が疲れるからコンビニ受診を控えろが通用するなら、医療リソースが無駄になるから無駄な赤字部門は削減しろも通用するはずですが、興味深いのは医療の側から後者の話はあまり主張されていないようです。
薄利多売を強いられる診療報酬制度下ではとりあえず患者を大勢集めろ、そのためにどんどん手を広げろと経営側が要求してきた経緯がありますが、儲けにならないことに幾ら手を広げても意味がないのは当然です。
医療リソースは無意味に薄く広く分散配置すると、肝心の中核的施設で医師不足から過労や医療事故の原因となりかねないことは自明の理ですが、医療側に求められているのはこうした面での意識改革でもあるのでしょうね。

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2019年6月 1日 (土)

今日のぐり:「さかえ枝 春日店」

先日ちょっとした話題になっていたのがこちらのニュースです。

捕鯨反対派に対する、水産庁の回答に称賛の声 「ぐうの音も出ない」「まさにそれ」(2019年5月25日グレイプ)

海で生活する代表的な哺乳類である、イルカとクジラ。水族館ではおなじみの生き物です。
広い海に囲まれた島国の日本では、古来からイルカやクジラを捕まえる捕鯨(ほげい)が行われてきました。
捕らえたクジラやイルカは食用としてだけでなく、油を採取したり、骨やヒゲを工芸品にしたりと、さまざまな分野で資源にされてきました。
しかし近年、捕鯨のぜひは国際的に問題になっています。捕鯨反対国から「捕鯨をやめるべき」と非難の声が上がっているのです。

ネット上で話題になっているのは、水産庁ウェブサイト内にある『鯨問題に関するよくある質問と答え』のページ。
捕鯨に関してよく寄せられる質問の中には、「クジラは特別な動物と思わないか?」という声があるといいます。
きっと、この質問をした人は「クジラは特別な動物であり、捕らえるべきではない」と思っているのでしょう。対する、水産庁の回答がこちらです。
(略)
ネット上で水産庁の回答は拡散され、多くの共感する声が上がっています。

・ぐうの音も出ない正論で脱帽した。
・クジラに限らず、どの国も独特の食文化があるから干渉し合わないのが一番だと思う。
・自分は犬や猫を食べたいとは思わないけど、食用とする文化圏の人を非難しないし否定もしない。
・「牛や豚、植物を食べるのと何が違うの?」ってなるもんな。
(略)

反響を呼んだ水産庁の回答は元記事を参照いただきたいのですが、まあ道理だと言うしかないところですね。
本日は水産庁の苦労を思い労う意味で、世界中から昨今称讚を集めたニュースの数々を取り上げてみましょう。

小学生9歳が最年少合格 IT技術者の国家試験(2019年5月22日日経新聞)

独立行政法人・情報処理推進機構(IPA)は22日、IT技術者向けの国家試験「基本情報技術者試験」に千葉県に住む9歳の小学4年生が合格し、これまでの最年少記録(10歳)を更新したと明らかにした。

同試験は企業などで働く高度IT人材になるために必要な基本知識・技能が問われる。企業の若手技術者や大学生の受験が多く、低年齢層には非常に難しいという。IPAの担当者は9歳の合格者について「あすからでも顧客企業のシステム開発に関われる水準」と話している。

試験は春と秋の年2回あり、今回は4月21日に実施した。約5万5千人が受験し約1万2千人が合格。合格者の平均年齢は25歳、合格率は22%だった。

しかし合格率22%と言うのも大変な難関ですが、こういうものは本来若い時期の方が頭に入りやすいのでしょうかね。
同じく天才系のニュースですが、こちらアメリカらしいニュースを紹介してみましょう。

米カンザスの天才少年、高校とハーバード大を同時に卒業(2019年5月22日CNN)

(CNN) 米カンザス州ユリシーズで19日に高校を卒業した少年が、30日には名門ハーバード大学の卒業式にも出席する。高校に通いながら大学の単位を取って学位取得を果たした。

ブラクストン・モラルさん(17)がCNNとのインタビューで語ったところによると、ハーバードの授業を受講し始めたのは11歳の時。「学校で退屈していることに両親が気付き、何か刺激が必要だということで生涯学習コースを見つけてくれた」という。
社会人などを対象としたコースで、ほとんどの授業はオンラインで受講できたが、学位取得にはマサチューセッツ州ケンブリッジのキャンパスで16単位を履修するという条件もあった。

モラルさんのハーバードでの専攻は公共政策の分野で、副専攻は英語。高校生活との両立は大変だったが、学校側の配慮で毎日2~3時間、大学の課題に取り組む時間を確保することができた。
法学や政治学に興味があり、卒業後はコロンビア大学法科大学院への進学を希望している。

モラルさんの姉(29)によると、小さいころからボキャブラリーが豊富で、見たことや読んだことを即座に覚え、決して忘れない記憶力の持ち主だった。「きょうだいにとっては都合の悪いこともあった」と、姉は笑う。
高校を卒業する前の週に母親が腎移植の手術を受けたため、両親は式に参列できなかったが、一家はハーバードの卒業式を楽しみにしているという。
モラルさんはまた、カンザスの小さな町で育った天才少年としての経験を本にまとめ、出版することになっている。

何事も一度見たものを覚えてしまう人がいるそうですが、しかし高校と同時並行ですからよほどの勉強家でもあるのでしょうね。
アメリカでの学位取得とは日本よりずっと厳しいと聞きますが、こちらそのうれしさが爆発した人のニュースです。

「みなさんの学生ローン肩代わりしてあげる」アメリカ大富豪 44億円の卒業プレゼント(2019年5月22日特ダネ)

アメリカの大富豪がジョージア州にあるモアハウス大学の卒業式(2019年5月19日)で、「とんでもないサプライスプレゼントを発表しました」とキャスターの山崎夕貴アナが伝えた。卒業生396人の学生ローン4000万ドル(44憶円)を全額肩代わりするという。
総資産5500憶円というバート・F・スミス氏は、卒業生を前に「みなさんのバスに燃料を入れる。みなさんが世の中に貢献すると信じている」とスピーチし、今後も寄付を続けることも約束した。

デーブ・スペクター(テレビプロデューサー)「すごい」
山崎「それだけ学生ローンが社会問題化しているということです」
全米で4400万人以上が学生ローンをかかえ、総額169兆円に達するという。
デーブ「選挙でも取り上げられるぐらいの問題です。アメリカで寄付は日常的でも、学生ローンでは聞いたことがありません」
オバマ前大統領はツイッターで「すばらしいニュースだ。大きな変化になる機会をもたらした」と称賛した。
(略)


日本でも学生ローンは問題化していますが、しかし1人当たり10万ドルの借金を負って卒業と言うのは穏やかではない金額ですね。
最後のニュースは全方面から絶讚と言うわけではないのでしょうが、一部方面から熱狂的支持を受けたと言うニュースです。

ペヤングでギネス認定 1500倍に超大盛り上がり(2019年5月5日日刊スポーツ)

「インスタントヌードルの最大の試食会」のギネス世界記録が5日、JR伊勢崎駅南口広場(群馬・伊勢崎市)で達成された。伊勢崎市と、同市で人気カップ麺「ペヤングソースやきそば」を製造販売する「まるか食品」が共催した無料イベントで、麺と具材だけで重さ約160キロの超特大やきそばを579人が約1時間で完食。ギネス新記録に認定された。

麺と具材が入った縦1・3メートル、横1・8メートル、高さ80センチの特製容器に、480リットルのお湯が投入されて総重量は約640キロ。これをクレーン車でつり上げて「湯切り」し、おなじみの粉末ソースを混ぜ合わせて完成した。「麺がお湯を吸って重量は300キロ以上あると思う。リハーサルなしの一発勝負」(担当者)に、約5000人で埋まった会場も「超大盛り」上がりだった。

提供されたのはペヤングシリーズの最大サイズ「超超超大盛」の約365倍、通常サイズの約1500倍で、カロリーは実に78万1830キロカロリー。この日は午前11時開場だったが、記録達成へ向けて午前7時前から行列が出来た。「これほど盛り上がったイベントは過去にはない」と、市の担当者も大成功を味わっていた。

元記事の画像を見るともはや何が何だか理解不能な状態なのですが、しかし大変な盛り上がりであったそうです。
かつて販売停止騒動の際にはファンを落胆させたそうですが、今後も末永く愛用されることになるとよろしいですね。

今日のぐり:「さかえ枝 春日店」


本場香川の讃岐うどんでどちらが一番うまいかと言われれば人様々でしょうが、恐らく多くの人に名が挙げられるだろうと言う名店がさかえ枝さんでしょう。
そのさかえ枝の支店の一つがこちらですが、郊外の幹線道路沿いに広い駐車場を持つセルフスタイルの店舗で、昨今すっかり見慣れたものです。

ベーシックな冷たいぶっかけを頼んでみましたが、香川では珍しいほど加水率高めのプルプル食感で、腰もしっかりあり喉越し滑らかとなかなか良いうどんです。
訪店時はちょうど茹でたてだったのはいいのですが、難点を言えば繁忙期に入ってきたせいか冷水での締めは不十分で、一部生暖かかったのは少し残念でした。
こちらも人気店だけに汁も香川スタイルながら美味しいのですが、サイドメニューとして取ったアジフライやナス天もクリスピーで水準の味でした。

ちなみに温かいうどんの場合は玉を自分で温めるのですが、出汁もひやあつ好みで選べるなど、他県では珍しい点はちゃんと説明してくれるので県外客にも安心です。
小綺麗な店内でトイレなども広さ設備とも整っていますし、朝早くから開店しているのも香川らしいですが、ネギのサジが小さいのはこのご時世仕方ないのでしょうかね。

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