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2019年5月

2019年5月27日 (月)

給料が安い人ほど多く働かされるのは経済原則の上では当然で

医師の働き方改革を巡る議論を通じて、そもそも議論の前提となるはずの医師の労働の現状に関するデータにろくなものがないことも明らかになってきましたが、先日興味深い数字が示されていました。

時間外「960時間超」6.8%、「1860時間超」0.1%、全自病調査(2019年5月23日医療維新)

 全国自治体病院協議会は5月23日の記者会見で、会員病院を対象に実施した「医師の働き方改革に関するアンケート調査結果」を公表、時間外労働が「年960時間超」の医師は、2018年は6.8%で、2017年の7.7%から0.9ポイント減少していることが明らかになった。「年1860時間超」は、2017年0.2%から、2018年は0.1%に減った
 2018年の結果を見ると、初期・後期研修医は9.5%、非管理職医師7.8%、管理職医師2.2%と職位による差があった。診療科別では、救急科が9.9%で最も多く、次いで外科系8.0%。一方、最少は精神科1.2%であり、診療科による開きも大きい。

 調査では、厚生労働省が2018年2月に打ち出した「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」の進捗状況も尋ねた。2024年度から医師に適用される時間外労働の上限規制で、努力義務あるいは義務となる「連続勤務時間制限(28時間以内)」や「勤務間インターバル(9時間)」は、「実施済」が1割程度、「検討中」が約5割で、「対応不可」が「連続勤務時間制限」25.6%、「勤務間インターバル」31.9%を占めた。一方、「客観的な在院時間管理方法等の導入」「在院時間の実態把握」「労働時間短縮に向けた取組」「36協定の締結・届出」などは、「実施済」と「検討中」の合計で9割以上だった。
 「年960時間超」になる要因としては医師不足等が挙がり、医師の働き方改革に関する課題・要望は、「医師不足、地域・診療科偏在の解消」が最多で、54.0%と半数を超えた。次が「交代制勤務の推進には、経費増が避けられず、診療報酬での対応または補助金制度が必要」と「コンビニ受診の抑制等、国民の理解が必要」が各10.0%だった。
 全自病会長の小熊豊氏は、「年960時間超の医師が年々減っている。医師自体が、時間をいかに上手に使うかを考えるようになったのだろう。意識を変えることでも、労働時間は減る。また個々の病院がマネジメントを改善した結果とも言える」と語り、「医師の働き方改革は、やはり医師不足が最大のネック。次は経費の問題になる」と対策の必要性を訴えた。
(略)

数字の読み方にも色々な考え方があると思うのですが、特に見ていて興味深いと思ったのが研修医から次第にステップアップし、管理職になるほど労働時間は短くなっていると言う点です。
過去の厚労省の調査でも20代、30代で最も労働時間が長く、そこから年齢が上がるほど労働時間は短くなると言う傾向が見て取れますが、今回の調査でもこれを裏付けられた形ですね。
技量未熟な若手であれば、同じことをやってもベテランよりずっと手間暇が余計にかかると言う意見もあって、特に大学など高度医療を行い教育も同時に進めている施設ではそうした傾向が強いのも事実でしょう。
とは言え一般の職場環境から考えると、やはり労働において裁量権の強い上級職に比べて、職場内ヒエラルキーの下位に位置するスタッフほど様々な仕事を押しつけられやすいのではないかと言う推測も成り立ちます。

この点で思い出すのが医師の働き方改革を巡る議論の中で、働かせる側の管理職などエラい先生ほど労働時間制限への反対意見が強く、その理由として医師は働きたいから働いている云々の意見があったことです。
無論何の仕事であれ働きたいから働いていると言う人間は一定数いるでしょうが、多くの医師がやり甲斐を感じるからこそ働いているのであれば、長年医師を続けているベテランほど労働時間が長くなりそうなものです。
特に若手医師はもっと働きたがっているのだと、その労働時間を無制限に延長させようとしている先生方などは自らも寝る間も惜しんで働いていて当然だと思いますが、この辺りの数字を調べて見ても面白そうですよね。
ともかく年1860時間に達するような医師の多くは現状の労働量は過大だと考えているのだとすれば、それを引き下げるためには当事者に働くなと言っても無駄で、働かせる側に規制をかける必要があることになります。

一連の議論を通じて見えてきたことは、一つには働き方改革を推進しようとすれば現状の医療需要に応えることは難しく、いずれにせよ何らかの形で需要の抑制が必要になりそうだと言うことだと思われます。
そしてこれと表裏一体の関係なのですが、労働時間短縮にせよ需要抑制にせよ医師一人当たりの稼ぎも減るはずであり、病院の経営上収入減少に対する何らかの対策が必須であると言うことも自明でしょう。
議論の経過を見ているとほとんどの医療側関係者は働き方改革とセットで診療報酬上の手当を期待しており、そして支払い側はそんなことは出来ないしやるつもりもないと考えているらしいと言うことも見えてきます。
ただ多くの医療側も敢えて言及せずにいることですが、労働時間短縮によって当然ながら医師の収入も減るだろうことも予想されますが、その受け止め方については現場の医師各人でもっとも意見が分かれそうですね。

現在でもより多くの収入を求めて、常勤先以外にアルバイトをかけ持ちしている先生は少なくないと思いますが、生活に困るレベルの低給与の若手だけでなく、収入を多く得ているベテランの先生も珍しくないようです。
この辺りは労働量とその対価のバランスと言うこともあるでしょうが、例えば寝当直で支払いが良ければアルバイトで行きたいと言う先生は多いでしょうし、条件の悪い場合には人集めにも苦労するのは当然でしょう。
医師の働き方改革が進むと言うことは、こうした労働条件の善し悪しと人材が集まるかどうかの関係がよりシビアに問われることでもありますが、今後どんな職場が生き残っていくものかには注目しておくべきですね。
多忙で給料が安くても人が集まる職場や、仕事は楽で支払いもいいのに人が集まらない職場など、全国各地の求人求職状況を調べてみれば現場の医師の本音が最も明確に現れてくる気がします。

 

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2019年5月25日 (土)

今日のぐり:「天満屋」

先日ちょっとした話題になっていたのがこちらの事件です。

小1男児連れ去った容疑 男逮捕(2019年5月19日NHK)

茨城県龍ケ崎市に住む小学1年生の男の子を「おもちゃを買ってあげる」などと声をかけて車に乗せ、近くの量販店へ連れ去ったとして35歳の男が未成年者誘拐の疑いで逮捕されました。

逮捕されたのは茨城県阿見町の自称アルバイト従業員、茂垣真也容疑者(35)です。
茂垣容疑者は18日午前10時ごろ、龍ケ崎市内の公園で、近くに住む小学1年生の6歳の男の子に「おもちゃを買ってあげる」などと声をかけ、軽乗用車に乗せて市内の量販店に連れ去ったとして未成年者誘拐の疑いがもたれています。
警察によりますと男の子は、自宅近くの公園で1人で遊んでいましたが、男の子の母親が午前11時半ごろ公園に男の子を迎えに行ったところ、おもちゃを買い与えられた男の子が車に乗せられ、戻ってきたということです。
男の子にけがなどはありませんでした。
母親から届け出を受けた警察が現場から立ち去った車のナンバーなどをもとに捜査を進めた結果19日、市内で茂垣容疑者を見つけ、話を聞いたところ容疑を認めたということです。
茂垣容疑者と男の子の家族に面識はないということで、警察は詳しいいきさつや動機を調べています。

他人を騙す人間ばかりと言う世の中に、珍しく正直な男であると言う評価もあったようですが、結果的にはやはり不審者案件となってしまったと言うことですね。
本日はおもちゃを買ってもらった小学生の将来に幸い多かれと祈念して、世界中からちょっと状況が理解し難いニュースの数々を取り上げてみましょう。

街中に次々現れる“謎のマッシュポテト”事件(2019年4月18日ナリナリドットコム)

米ミシシッピ州の街に“謎のマッシュポテト”出現し、住民たちを悩ませているようだ。
同州ジャクソンの街中では、車や軒先、郵便受けなどにマッシュポテトが突然現れる事態が続いているという。

住民の1人は「誰かがイタズラでやっているのか、かなり余ってしまった人がいるのか分からないんです」と話している。
しかし、悪意のある行動という見方もあるようで、別の住民は「動物を殺すために毒が入っているのではないかと考えている人たちもいます。私は食べたりはしてませんがね」と話した。
現在のところ、警察による捜査などは行われていないそうだ。

どのような理由から行われているのかは何とも言えませんが、しかしマッシュポテトを置く場所には注意いただきたいところです。
同じくアメリカからの話題ですが、こちらも一体何がどうなっているのかと言うニュースです。

見知らぬ家に忍び込んだ女、犬を可愛がり皿洗いまでしてその場を去る(2019年5月12日テックインサイト)

このほどアメリカで、他人の家に勝手に忍び込んだ女が住居侵入容疑で逮捕された。ところがこの女は何も盗らなかったばかりか、ペットシッター兼家政婦のような仕事をしてからその家を去っていった。不可解な行動を取った女のことを『New York Post』『WSAZ NewsChannel 3』などが伝えている。

今月6日午前9時頃、米オハイオ州ハンデンのある家から警察に通報が入った。通報を受けたヴィントン郡保安官事務所によると、通報者宅に見知らぬ女が裏口から侵入しリビングルームのソファーで寛いでいたことが発覚したという。
女はその後、予想外の行動に出た。ソファーで寛いでいる間にその家で飼われている犬を可愛がり、しかもキッチンに移動すると住人が食べたものだろうと思われる食器を綺麗に洗い始めたのだ。
そして一仕事終えた後、何も盗らずにその場を後にした。『New York Post』では「通常であれば報酬を貰うようなことを女は無料で行い、その場を去った」と伝えているが、女はシャイアン・ユーイング(Cheyenne Ewing)と特定され後に住居侵入容疑で逮捕された。
逮捕時のシャイアンは、他の住居のドアをノックしていたとのことだ。逮捕した警察官によると「麻薬を使用しているかのようだった」と話している。また、シャイアンはここ2日間ほど寝ていないと供述しており、当初偽名を使っていたそうだ。

シャイアンが逮捕された場所の隣に住むケビン・ジョーダンさん(Kevin Jordan)は、シャイアンとは長年の知り合いだが、彼女についてこのように語っている。
「少なくとも彼女はフレンドリーな泥棒と言えるんじゃないでしょうか。逮捕時にも、抵抗することなく手錠をかけられていましたよ。逆に逮捕されて彼女のためにも良かったのではないかと思います。でも、なぜ彼女がこんなことをしたのか全く見当もつきません。」
現在のシャイアンは住居侵入の罪でオハイオ州南東地区刑務所に拘留されており、今月7日には保釈についての公聴会が行われている。

どのような理由からこうした行動に及んだにせよ、誰も被害を被っていない様子なのは幸いでした。
色々と考えさせられる事件なのですが、まずはこちらのニュースから経緯を紹介してみましょう。

”市長を襲撃する猫”メキシコの猫が怖すぎる!(2019年5月7日リファイル)

メキシコ北西部にあるシナロア州クリアカンで、クリアカンの市長が野良猫に突然襲われる事故が起きた。

Mayor of Culiac*n is attacked by a cat
市長は足と腕に2センチほどの深さの傷を負い病院で手当てを受けた。
なぜ猫に襲われたのかはわからないという。

動画を見るとネコの行動も謎ですが、どう見ても市長を殴っているようにしか見えないともっぱらの評判なのですが、まあ職場の人間関係と言うものは色々とあるのでしょう。
最後に取り上げますのはこちらも謎ニュースの多いインドから、それは何故そうなったと話題のニュースです。

謎の勃起が2日間収まらず…インド人男性がペニスを切断!(2019年5月8日トカナ)

 インド北部の都市ラクナウで、ペニスが2日間も勃起したまま収まらず、病院で治療を受けたところ、ペニスの先っぽが壊疽を起こし、部分的な切断手術を迫られるという出来事が起こった。
 このケースを報告した医学専門誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」によると、男性は持続勃起症を起こしていた。これはペニスが勃起したままの症状が2時間以上続く症状のことで、通常は痛みを伴う。特に、ペニスの海綿体に流入した血液が戻らず虚血状態になった持続勃起症の場合、海綿体が壊疽を起こすため、緊急の手術が必要になる。
 男性が持続勃起症を起こした理由は明らかにはならなかったが、血液中の赤血球の異常か、または違法・合法に限らずなんらかの薬物の摂取によるもの、またはバイアグラのような勃起を促す薬品を摂取したことが理由と考えられた。

 治療に当たった医師らは、穿刺による除圧で勃起を収め、カテーテルを尿道に残したままペニスに包帯を巻き、男性を帰宅させたという。
 ところが翌日、ペニスの先が黒く変色し始め、4日後に男性が再び病院を訪れた時にはすでに壊疽を起こしていたため、その部分を切除するしかない状態になっていた。尿道のカテーテルと、きつく巻いた包帯が原因となった可能性が高い。
 人生を変えるかもしれない手術だったが、それから3週間後には、普通に排尿もできるようにまで回復したという。
(略)

世の中には常時臨戦態勢にあるのであればこれ幸いだと言う声もあるようですが、記事にもある通り大変危険な状態であるようです。
本人にとっては大変な悲劇と言うしかありませんが、しかし望まずこんな状況に至れば男なら誰しも平常心ではいられないことでしょう。

今日のぐり:「天満屋」

福岡県は太宰府天満宮と言えば学問の神様で有名ですが、人で賑わう参道に位置するのがこちらのお店です。
もともと地元名物の梅ヶ枝餅を売るお店だそうですが、中に入ると昔ながらの食堂にもなっているのですね。

メニューはラーメン各種と焼き飯だけと極めてシンプルですが、もっともベーシックなあっさり味トンコツラーメンを頼んで見ました。
見た目はまさに昔ながらの博多ラーメンと言う風情ですが、とんこつラーメンも全国的に普及した現在、こういう昔ながらのあっさりスープ今はむしろ珍しい気がします。
麺は芯を残した硬めの茹で加減で、全体に九州地方で有名な某袋入り即席麺を思い出す味わいですが、店の雰囲気に合った素朴な味と言うところでしょうか。

観光地だけにお客の回転も速いのでしょう、お客と目線を合わせない絶妙な距離感での接遇は手間れたものを感じさせます。
設備面などは全く昭和時代から変わりなさそうな歴史と伝統を感じさせますが、エアコンの効きが悪いのだけはこれからの時期少しつらいものがありますね。

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2019年5月22日 (水)

国家公務員は労基法適用外だそうですが、医師はそうではないはずなので

中央省庁の官僚が多忙だとはかねて聞くところですが、先日こんな気になる記事が出ていました。

厚労省で妊婦が深夜3時まで残業!働き方改革はどこに…(2019年5月16日NHK)

霞が関の働き方について取材を続ける私たちに、ある省庁で「妊娠中の職員が深夜3時まで残業している」という情報が。その職場を調べてみて、驚きました。(霞が関のリアル取材班記者 松尾恵輔 福田和郎)
妊娠中の職員が深夜まで働いていたのは、厚生労働省でした。
(略)
実際、省内の取材を進めると、驚きの実態が明らかに。
ある課では、妊娠中の女性職員が午前3時を過ぎても働いていました。彼女は国会待機や法案の対応をしていました。
そのため月の半分以上、午後10時以降まで仕事をし、タクシーで帰宅する日が続いたといいます。
女性も、「妊娠しているため勤務を配慮してほしい」と訴え上司も人事課に増員を求めていました。
しかし、「不祥事の対応などに人を割いているため増員はできない」として、改善はみられなかったといいます。
女性を知る40代の職員は「少子化対策をしている厚生労働省で妊婦を守れないのはシャレにならない。もし体に影響があったら、どうやって責任を取るんだ」と憤りをあらわにしていました。
(略)
そこで人事院にも取材しました。すると、こんな回答でした。
国家公務員には、労働基準法は適用されていません。つまり民間と同様の長時間労働の規制はあてはまりません」
国家公務員の働き方を規定しているのは、人事院規則です。
この規則は、新年度の働き方改革のスタートにあわせて見直され、残業の上限も原則月45時間と明記されました。
しかし、民間企業と違って罰則はありません。しかも、他律的な業務の比重の高い部署は月100時間未満の超過勤務が行えるという例外規定もあります。その部署をどこに定めるかも各省庁に委ねられているため、過度な勤務をどこまで規制できるのか、疑問が残ります。
(略)

この官僚の長時間労働問題、国会議員の答弁の準備が一番大変だとも聞くのですが、遅い時間まで質問が出なければ資料集め等の準備も遅れるのは当然で、優秀なはずの官僚なのに質の低い仕事をせざるを得ない理屈です。
そもそも質問を出す時間をもっと早くするようルールを決めるなりすればよさそうなものですが、官僚の都合で政治がどうこうされるのはケシカランとでも考えているのか、そうした動きはあまり表立ってこないようですね。
結果的に掘り下げの足りない国会論戦を見せられる国民が一番迷惑していると言うことですが、どうもこの辺りの話を聞くと残業夜勤当直と過重労働で疲れた医師と、その医師に診療される患者の構図と似ています。
こちらも結果的に迷惑を被るのは国民である患者と言うことなのですが、その医師の働き方改革に関して最も遅れていると言われる大学病院について、先日の外科学会でこんな正論が出ていたそうです。

「外科医こそ率先して働き方改革を」、迫井厚労省審議官(2019年4月22日医療維新)

 厚生労働省大臣官房審議官の迫井正深氏は4月19日、大阪市で開催された第119回日本外科学会定期学術集会の特別企画「国民が期待する外科医療―行政の視点も考慮して―」に登壇、外科は産婦人科、救急と並んで長時間労働の“御三家”であり、外科医不足の中核要因は「変わらない職務環境」であるとし、外科医が率先して「働き方改革」に取り組む必要性を訴えた。
(略)
 「大学病院の外科医は、術後の患者管理、教育、研究もやっている。もう少し大学に対する手当てが必要」という要望には、迫井氏は「そんなに予算が増えるわけではない。まして人口は今後、増えるどころか、足りなくなる。やり方を変えよう、という話だ。そこを変えてもらわないと、若い人達が来てくれないのではないか」と回答。

 フロアからは、民間病院と異なり、大学病院でタスク・シフティングが進まないのは、「給与体系の問題だと思う。民間病院では医師の給与が一番高いので、安い給料の人達をたくさん雇用してカバーする。一方、大学病院では、看護師などの給与は結構いいが、医師の給与はそれほど高くはない」との意見も挙がった。迫井氏は、「働き方改革を進めるには、時間管理をしていくことになる。長い目で見ていくと、今の給与体系がフィックスされるとは、私は考えていない」と答え、時間管理を実施し、全ての職種で労働時間と仕事の内容の把握ができれば、給与体系の変更にもつながり得るとした。

 さらに、「しらばくれていれば、何とかなると考えている管理者が多い」など、働き方改革に消極的な病院を問題視する意見も出た。迫井氏は、「今までは、(未払いの時間外手当を支払うなど)お金で済んでいたが、労働基準法に違反すれば、5年後には刑事罰の対象になる」と、今回の労基法改正の内容を説明した。
(略)

大学病院では医師の給料が安いから過剰労働をさせられていると言うのは非常に実感のある先生も多いと思いますが、実際看護師らコメディカルなどは労働環境改善について熱心な印象があります。
とある大学病院では夕方定時を過ぎると手術中だろうが何だろうが手術場の看護師らが帰ってしまうので、医局や病棟から手の空いている医師を呼んできて道具出しをさせる、などと言う話もあるとかないとか。
当然ながらそんな贅沢な使い方をしていれば医師が何人いても足りませんが、大学病院の内部に限って言えばタダ働きの医師など幾らでもいるが、看護師を時間外に働かせると高い超勤代がかかると言う理屈です。
当然ながら経営的視点から考える病院幹部のエラい先生方もそこは承知しているわけですから、これではいつまでたっても医師の労働時間を短縮しようと言う動きにつながらないのは当然ですよね。

今回の医師の働き方改革を巡る議論において、まずは医師の労働時間をきちんと把握することが大前提だとは何度も言われてきたところですが、誰であれ働かせればそこに給与が発生するのは当然のことです。
医師もタダ働きではなくコストがかかる労働力であると経営側に認識されれば、そこで始めて労働時間短縮の動機付けが出来る理屈ですが、実際のところこの辺りが非常に不明瞭だったのが医師の世界です。
例えば実際にはフルタイムで働いているにも関わらず、週20時間未満の非常勤扱いの先生なども未だにいらっしゃると思いますが、働かせていないはずの時間に何かあった場合は一体誰が責任を取るのかですね。
今後実際の労働時間を元に働き方改革の議論がさらに深まっていくことを期待したいところですが、最終的には医療も経済原則に従って、経営上もっとも安上がりになる方向に現場改革が進んでいくはずです。

 

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2019年5月20日 (月)

医療費は思ったほど増えないと言う意見が次第に優勢に

国として医療のどこにどの程度のお金を投じるかは永遠の課題で、国が豊かになるほど医療費も増える傾向があるとも言いますが、日本でもこんな議論が出ているそうです。

財政審、増加医療費の半分「政策的に対応可能」保険給付範囲の見直し、医療体制改革案におおむね同意(2019年4月24日医療維新)

 財政制度等審議会(会長:榊原定征・経団連元会長、東レ相談役)は4月23日、分科会で社会保障改革について議論し、財政審が近く取りまとめる建議(意見書)の方向性に関して委員からおおむね賛同を得た(資料は、財務省ホームぺ―ジ)。医療分野では、高額医療に対する保険給付範囲の見直しや、地域医療構想の推進に伴う医療提供体制の適正化などが重点項目に掲げられた。

 同省が提出した資料では、現在の社会保障制度に対して「給付と負担のバランスが不均衡の状態に陥っており、制度の持続性を確保するための改革が急務」と警鐘を鳴らした。医療費に関しては、「高齢化と高度化等で国庫負担が急増」し、「医療費・介護費の伸びを放置すれば、雇用者の実質賃金の伸びは抑制される」と指摘している。
 医療費の増加の理由として同省は、高齢化の影響は「半分程度」だと説明。残り半分の要因としては、「新規医薬品等の保険収載」、「医師数、医療機関数の増加」、「診療報酬改定」、「高額な医療へのシフト」──などが考えられ、「政策的に対応できる余地がある」として、要検討を求めた。

 財政審は、今後の医療改革の方針として(1)保険給付範囲の在り方の見直し、(2)保険給付の効率的な提供、(3)高齢化・人口減少下での負担の公平化──の3つの視点で進める方針を打ち出した。
 (1)では、「大きなリスクは共助、小さなリスクは自助」の原則を徹底し、有用性の低い医薬品の自己負担率の引き上げや受診時定額負担の導入、高額な医療や医薬品への公的保険の在り方の検討などを盛り込んだ。
 (2)では、地域医療構想を巡って、病床数の再検討や、同構想の実現と診療報酬の適正化に向けた「都道府県に転換命令などの実効的な手段・権限を付与」、「結果に応じた強力なインセンティブ」などを示した他、薬価制度や調剤報酬の抜本改革を求めている。
 (3)では、75歳以上の高齢者に対して負担能力に応じた窓口負担の引き上げ実施などを掲げた。
(2019年4月23日「財政制度審議会財政制度分科会」資料)
 委員からは「地域医療構想の県単位の計画が進んでおらず、政府からの対策が必要」、「医療のダウンサイジングの議論が十分に進んでいない。供給体制が変わらないと他の改革が進まない」などの意見が出たという。
(略)

第30回日本医学会総会 2019 中部「医療を守るには、そんなにお金のかかることではない」財源確保で議論(2019年5月7日医療維新)

 第30回日本医学会総会で4月27日、学術プログラム「超少子高齢社会を乗り切る医療制度改革と財源選択」が企画され、医療費の財源確保について議論した。座長の二木立氏(日本福祉大学名誉教授)は「医療費は対GDP比で見るのが適切であり、今後漸増するが、急騰はしない」と強調した。
 二木氏は冒頭に「医療費・社会保障給付費の規模は対GDP比で見るのが適切であり、政府の公式推計では、この比率は今後漸増するが、急騰はしない。そのため、医療費の抑制ありきの行き過ぎた改革は避け、国民皆保険制度を堅持しつつ、良質で公平な医療を効率的に提供するための改革を着実に進める必要がある」と強調した。

 慶応義塾大学商学部教授の権丈善一氏は「今後の日本を乗り切る医療制度改革と財源選択」として、自身が担当した2013年の社会保障制度改革国民会議の報告書や日本医師会・医療政策会議平成28・29年報告書『社会保障と国民経済』について解説した。「先入観を変えてもらわないといけない」と強調し、日本の生産年齢人口一人当たり実質GDPは世界的に見ても健闘していると説明。「デフレ下でも日本の経済はしっかり成長しており、日本はそんなに大きな病ではない」と述べた。
 2018年に公表された「2040年の社会保障給付は現状の1.6倍の190兆円」という内閣府の推計についても、「名目値で見ると1.6倍だが、GDP比で見ると1.1倍ぐらいにしかならない」と説明。医療に関しては1.2倍になる見込みとして、「なんとか財源確保していかなくてはいけない」とし、消費増税の必要性などを指摘した。国の債務が増加の一途にあることについては「孫、ひ孫にどのように素晴らしい社会保障を残していくか。もう守れなくなっている」とした上で、「医療を守っていくのはそんなにお金のかかることではない」として財源調達の議論の重要性を指摘した。
(略)
 高額薬剤の問題については、二木氏は「公的医療が多い国では、医療費は低い。(オプジーボ登場時のように)大騒ぎすることも医療のシステムであり、高額薬剤が個別に出てくることがあるが、いつの間にか公的医療保険が価格を調整する」と説明。迫井氏も「経験則だが、法外な値段をつけると売れない。インターフェロンや透析が出てきたときにも破綻すると言われたが、破綻していない」と述べた。

急激な医療費抑制策は「参院選で与党に厳しい審判」日医会長(2019年5月9日医療維新)

 日本医師会会長の横倉義武氏は5月8日の定例記者会見で、財務省が財政制度等審議会財政制度分科会で医療費抑制政策を打ち出していることについて「急激な制度変更による医療費抑制政策を取れば、国民の理解を得られず、社会保障制度改革への取り組み次第では7月の参院選で国民から与党が厳しい審判を突きつけられることになりかねない」とけん制した。

 横倉氏は、日本の財政が厳しいことは認識しているとした上で、「流動資産である金融資産を多く保有する方に応分の負担を求めることも必要だと考えている」と述べ、所得や金融資産の多寡に応じた応能負担導入を改めて求めた。これについては4月23日の財政審で財務省が提出した資料でも言及されている。
 従来から反対している外来受診時の定額負担については、「経済的な誘導を行うことは、経済格差が受療行動に影響を与えることにつながるので非常に大きな問題だ」と述べて改めて反対の意向を強調。定額負担を目指す理由として財務省が挙げているかかりつけ医への誘導については、研修制度を推し進めることや国民への教育・啓発によって促すことを主張した。

 紹介状なしで大病院を受診する場合に選定療養費を徴収できる制度については、財務省の資料で「全額病院独⾃の収⼊となるため、外来患者の増加が収⼊の増加につながる構造」という記述があるが、医療経済実態調査において損益差額に反映されることから、「結果として保険財政の負担軽減にもつながっていることになる」と指摘。あまり活用が進んでいないという点は認め、「対象の大病院の要件や負担額について現状を分析した上でさらに検討していくことも必要だ」と述べた。
(略)
 地域医療構想推進に関しては、財務省は「⾃主的な取り組みが進まない場合には、保険医療機関の指定等に当たり、⺠間医療機関に対する他の病床機能への転換命令に係る権限等を付与するなど都道府県の権限を⼀層強化すべき」と資料に記載。これについては、「知事の権限強化で強制的に機能分化を進めていくと、現場に混乱を招き、かえって医療提供体制を崩壊させかねない」と指摘。地方、特に公立病院で病床利用率が低調で、医療提供内容が民間医療機関と競合している場合があることも懸念されているとの認識を示し、「まずは確実に 公立病院の在り方について検討して、その地域にふさわしい病床数にしていくことが重要だ」と主張した。

それぞれの立場でそれぞれの考え方があるとは思いますが、しかし今さら日医あたりから「国民から厳しい審判をつきつけられる」などと凄まれても、与党としてもどうなんでしょうね。
ただ基本的な論点は幾つか共通認識が出来ていて、医療費増加の要因としておおまかに1)高齢化に伴う医療費増、2)高額な新薬の登場、3)非効率な医療提供体制が挙げられるかと思います。
このうち最も危惧されていた構造的要因が1)の人口高齢化ですが、これに関しては近年終末期医療の見直しなどが図られてきたこともあってか、かつて考えられていたほどではないとの認識が広まっているようです。
むしろマスコミなどで相次いで報じられているのが2)の超高額薬問題ですが、これらはほとんどが癌治療薬など人の生死に直結するものだけに、世間的にもこれ以上高い新薬を認めるなとは言いにくいものですよね。

今後財政上の理由から薬価決定の仕組みが見直される可能性がありそうですが、国際的相場に比べ国内価格が安すぎると海外の新薬が入ってこないことにもなりかねず、どこでバランスを取るかは重要です。
以前に高額な抗HIV薬を使えない発展途上国で売り出された無断コピー薬が、結局は国際社会から認められた経緯がありますが、この場合あくまで支払い能力のない低所得な国民が多い国々であったからこそです。
他方で先進医療として混合診療を認めても、超高額薬を自費で使える人もそう多くはなく、先発品の特許権が切れるまで使わせないと言ったことも無理となれば、適応を絞って使用を制限するのが現実的でしょう。
現時点でも多くの高額薬が在来薬の効果がない場合に限って使用が認められていますが、将来はまずは遺伝子検査などを行った上で有効性がありそうな場合にだけ使うと言うことになるのでしょうか。

医療給付の効率化については恐らく最も意見が分かれるところだと思いますが、地域医療構想に基づく医療機関の機能分化などは受診の自由絶対至上主義の日医などにとって、本来面白くない話でしょう。
地域医療構想に基づいて行政が強制力を発揮する機会も今後増えそうですが、最近ではまず公立病院が身を切るべきだと言った言い方をしていて、さすが業界利権団体らしく活発に活動されているようです。
この点は医療費負担の在り方についても同様に日医に取って重要な問題で、特に受診を減らすことになる窓口負担の引き上げなどは飲めない話でしょうが、多忙な病院勤務医などにとってはまた別な話でしょう。
医療費のどこを削ってどこに回すかと言う話は患者の受診行動にも直結し、多忙な医療現場の負担感を大きく左右しかねないだけに、医師の働き方改革の視点からも検討が必要な問題であるはずですね。

 

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2019年5月18日 (土)

今日のぐり:「ラーメン大和」

先日世の中の一部方面で話題になっていたのがこちらの一件です。

悪意を感じる漢字ドリルが話題、出版社は「意図したものではない」(2019年4月27日Jタウンネット)

子供の漢字ドリル、漢字の並び方に悪意を感じる――。そんなツイートが2019年4月24日に投稿され、話題となっている。

まずは下の画像をご覧いただきたい。
こちらはツイッターユーザーのひらり(@umeko_tuda3535)さんのツイート。小学校低学年の頃によくやった漢字ドリル、一瞬懐かしい思いになるが、紹介されている漢字の並びに注目してもらいたい。
(略)
これ、絶対に狙ったでしょ――。そう思ったJタウンネット記者が、出版元に取材すると...。
話題の漢字ドリルは、光村教育図書の「あかねこ漢字スキル」(光村教育図書)。Jタウンネット編集部が26日、同社編集部の担当者に話を聞くと、

「(あかねこ漢字スキルは)東京書籍さんの教科書に掲載されている説明文『たんぽぽ』で習う漢字の順番で掲載しているため、意図したものではございません」

との回答が。ネットで話題になっていることについて、感想を求めたが、「ノーコメント」とのことだった。
「たんぽぽ」は東京書籍の小学校2年生用の国語教科書に掲載されている説明文。たんぽぽの生態をわた「毛」を飛ばすなどの過程でわかりやすく説明している。偶然にしては、悲しすぎる。誰か、お父さんをはげましてあげて欲しい。

どのように狙ったものなのか、元記事の画像を参照いただきたいのですが、世のお父さん方にはあんまりだと言う話ですよね。
本日は思わぬところでディスられることになったお父さんたちをはげます意味で、世界中から狙ってやっているのならいささかどうよ?と思うニュースの数々を紹介してみましょう。

電車で電磁波チェッカーを取り出し「放射能が出てる」と叫ぶおばさん 駅員に宥められる(2019年4月19日ゴゴ通信)

電車内で電磁波チェッカーなるものを取り出し向かいの人をチェックし「放射する電磁波が~」と騒ぎ出す女性の動画がTwitterに投稿され話題になっている。

動画は駅員と女性が話ししている場面から始まり「こちらのお客様が放射しているとか本当失礼なのでやめた方が……」と女性を宥めると「失礼って現実に放射メーター出てますよ」と強気な女性。
最後にもう1人の駅員が帽子を取り撮影者の方に来て謝罪する瞬間で映像が終わっており。

女性が言う放射や電磁波とは何を指しているのか。そもそも電車の中なので多少の電磁波は出るはず。頑なに手前の乗客から電磁波が出てると言い出した女性に駅員が中に入ってなだめたようだ。
女性は撮影者に「暴行罪で被害届出しますよ!」とまで言い出すも実はこの女性毎度のことで鉄道会社も手を焼いているようだ。

その愉快な様子は元記事の動画を参照いただきたいのですが、しかし毎回これでは駅員さんも大変でしょうね。
お隣中国と言えばたびたび無法地帯化したニュースが報じられていますが、幾ら何でもこれはと思われるのがこちらの事件です。

重量オーバーがすご過ぎる!トレーラーが橋を破壊―中国(2019年5月13日レコードチャイナ)

中国浙江省嘉興市で9日午前4時半ごろ、長さ12メートルもの管を満載したセミトレーラーが橋を押しつぶす事故が起きた。看看新聞KNEWSが10日付で伝えた。

トレーラーの重みで水没してしまったのは住民らが日常的に使っている小さな橋。付近には「重量制限2トン」と書かれた看板が設置されているのだが、トレーラーの重さは積み荷を合わせると80トン以上になるとみられている。
事故発生当時、辺りはまだ暗く、「道がよく分からないからカーナビの言うままに…」とトレーラーを走らせた運転手には警告看板が見えなかったそうだ。車両は後ろが川に漬かったまま動けなくなってしまったが、運転手はすぐに逃げ出せたという。(翻訳・編集/野谷)

その状況は元記事の画像を参照いただければ一目瞭然ですが、そもそも80トンのトレーラーが走れる道など限られているように思います。
主義主張に基づいて何かをすると言うのも個人の自由ではあるのですが、自分以外にまでそれを及ぼすとなると時に大問題となるものです。

完全菜食主義者の子供、まったく成長せず歯もないことが判明! 現在は反動で激太り…ヴィーガンキッズの悲惨な現実!(2019年5月13日トカナ)

 生後20カ月の子供に野菜だけしか与えず、重篤な栄養失調を招いたオーストラリア人夫婦の裁判が世界中で話題になっている。

 豪紙「News.com.au」(5月9日付)によると、ヴィーガン(完全菜食主義者)であるこの両親は、女児に大麦、米ミルク、バナナなどしか与えず、十分な栄養を摂取させなかったという。そのため、女児の体重はわずか4.9kgしかなく、普通の半分以下だった。恐ろしいことにまだ歯も生えてなく、見た目は生後3カ月の赤ん坊のようだったそうだ。

 女児は昨年3月に痙攣を起こし、病院に運び込まれた。その時に栄養状態の悪さが露呈した。両親から引き離された後は、政府のケアセンターで育てられている。わずか2カ月で体重は6kgになり、自分で立ち上がることも可能になったそうだ。ただし、現在は低すぎる身長と体重が見合わず、肥満の状態になっているという。ケアセンターの職員は、「将来の飢餓に対して、体がカロリーを溜め込んでいるようだ」と語っている。

 また、その後の調査で、この女児にワクチンの接種履歴や出産後の通院歴がないことが発覚した。両親は出産後に一度も病院に女児を連れて行ったことがないようだ。両親には他にも6歳と4歳の男の子がいるが、彼らも政府のケアセンターに保護された。今後、両親は最大で5年の懲役刑を科されるとのことだ。
(略)

ここまで来ると完全に虐待ですが、意図的偏食を徹底するのであればきちんと栄養学的知識を持った上で行って欲しいものですね。
こちらも同じくオーストラリアからですが、ある意味で彼の国らしいと言うニュースをお伝えしてみましょう。

野良猫200万匹の駆除、オーストラリアが目指す理由(2019年4月29日CNN)

(CNN) オーストラリア政府が2020年までに野良猫200万匹を駆除する計画を打ち出している。同国の野良猫は、全土で推定200万~600万匹。北東部のクイーンズランド州では、1匹当たり10ドル(約800円)の報奨金を支払って野良猫の駆除を奨励している自治体もあり、動物愛護団体の反発を招いている。
問題はオーストラリアにとどまらず、隣国ニュージーランドでも、環境保護を訴える著名活動家が野良猫の管理や駆除を提言した。

オーストラリアに猫を初めて持ち込んだのは、17世紀の欧州からの入植者だったと思われる。以来、猫の数は激増し全土に広がっている。
飼い主のいない野良猫は野生生物を餌にして生き延びる。絶滅危惧種に詳しいグレゴリー・アンドルーズ氏が地元紙シドニー・モーニング・ヘラルドに語ったところによると、野良猫が一因となって、これまでに哺乳類20種が絶滅に追い込まれ、野良猫はオーストラリアの固有種を脅かす最大の脅威になっているという。

同国にとってこの意味は重大だ。オーストラリア大陸にしか生息しない固有種は、哺乳類の推定80%、鳥類の45%を占める。
しかしそうした固有種は野良猫にとって格好の獲物になる。同国環境エネルギー省は、科学的な根拠のある数字として、猫の獲物になる固有種の野鳥は全土で1日当たり100万羽以上、爬虫(はちゅう)類は170万匹以上と推計する。
哺乳類も、絶滅の恐れがある種に分類されたフサオネズミや、ネズミのような姿をしたキンコミミバンディクートなどの固有種が、猫によって脅かされている。
(略)
しかしこの計画には環境保護活動家などからも反対の声が上がった。ディーキン大学の環境保護エコロジスト、ティム・ドーティ氏は、駆除の根拠とされている数字は科学的根拠に乏しいと主張、「2015年に目標を打ち出した時点で、オーストラリア全土に野良猫が何匹いるのかさえ分かっていなかった」と指摘する。
猫を駆除しただけで鳥類や哺乳類が救われるとも限らない。確かに野良猫は大きな問題だが、都市化や森林伐採、鉱山開発による生息地の減少といった政治的にデリケートな問題もあるとドーティ氏は指摘、「猫がそうした問題からある程度目をそらす目的で利用されている可能性もある」との見方を示している。

オーストラリアと言えば定期的にカンガルーなど野生生物の大量駆除を行っているそうですが、人間の手で野生にどこまで介入すべきか難しい問題でしょうね。
最後に取り上げますのはアメリカから、多様性を誇る国らしいとも言えるニュースをお伝えしてみましょう。

米「悪魔寺院」、宗教団体として課税免除(2019年05月07日スプートニク)

米マサチューセッツ州セーレムに拠点を置く団体「悪魔寺院」がこのほど、米当局によって初めて公式に教会として認定され、今後の課税を免除された。同団体がウェブサイトで明らかにした。
宗教団体としての法的地位により、宗教的特徴に基づく差別を受けた場合に法廷で権利を主張することが可能になる。新たに認定された宗教の中心地となった寺院があるセーレムは、1692年の魔女狩りで有名。

同団体の教義は世俗的ヒューマニズムの考えに基づいて構築されており、この教義の信奉者にとって、悪魔は超自然的な生き物ではなく、文芸的イメージであるとともに、圧政と社会規範に対する敵としての「永遠の反乱者」の象徴であるとされる。
昨年、「悪魔寺院」は、ドラマでネットフリックスとワーナー・ブラザース・テレビジョンが同団体を殺人とカニバリズムと連想させ、評判を貶めていると主張した。

悪魔と言うものが何を意味するのかですが、それが特定宗教の言う神に敵対する存在だとすれば、他の宗教から見れば必ずしも悪いものではないとも言えそうです。
実際に現実世界においても敵対勢力を悪魔呼ばわりすることは未だに珍しくありませんが、しかし画像を見る限り確かに世俗的と言う印象は受けるでしょうか。

今日のぐり:「ラーメン大和」

熊本県と言えば知る人ぞ知る日本一の石段(釈迦院御坂遊歩道)がある土地柄でもありますが、その石段にほど近い場所に位置するのがこちらのお店です。
かねて熊本ラーメンと言うものを一度食べて見たいと思っておりましたが、今回こちらにお邪魔してラーメンと焼き飯のセットを頼んで見ました。

こちらのラーメン、見た目もなかなか綺麗なものですが豚骨臭もほどよく抑えられていて、熊本ラーメンの特徴だと言う焦がしニンニクの風味が香ばしいですね。
このスープが濃すぎず薄すぎずバランスのいいもので、博多ラーメンなどと比べると太めの中太麺の茹で加減も頃合いと、これはなかなかいいラーメンです。
焼き飯の方はまさにチャーハンではなく焼き飯ですが、これも取り立てた特徴はないものの悪くない仕上がりで、全体的になかなか満足出来る味でした。

お店の方は郊外の幹線道路沿いですが、プレハブっぽい地味な建物でトイレなど設備面は見た目相応…と言う感じでしょうか。
熊本ラーメン全体の中での位置づけは何とも言えないのですが、石段の行き帰りに食べるお店に迷った時に立ち寄る価値は十分あるなと思いました。

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2019年5月13日 (月)

男女に差をつけるのはケシカランと言われがちな時代ですが

先日の連休中、こんな奇妙な事件が発生していたと報じられています。

トイレが「男性→赤」「女性→青」に 意図めぐり推理合戦、その真意を探ると...(2019年5月10日J-CASTニュース)

トイレ表示の色が逆――。男性用は青、女性用は赤に塗り分けられるのが一般的だが、その逆のトイレが見つかった。
SNS上で拡散され、さまざまな憶測が飛び交っているがその理由は?設置してある大学に聞くと...。

トイレは、九州産業大(福岡市)の芸術学部生らが利用する棟に設置されていた。なぜか男女の表示板とピクトグラム(絵文字)の色が通常と逆で、男性用は赤、女性用は青になっている。
一般のツイッターユーザーが2019年5月7日、困惑の声とともに写真を投稿すると、3700以上(10日現在)拡散され、驚きの声が相次いだ。推理合戦も過熱する。

「社会実験?」
「『先入観は危険!』の周知キャンペーンかな?」
「まさか、『赤が女性を表すなどという偏見を排除』なんて理由じゃないでしょうね」
「現代アート的なやつ?」

この中に答えはあるか。九産大の総合企画部広報課は10日、J-CASTニュースの取材に、「誰かが無断で塗り替えたものであり目的は不明です」と明かした。
ゴールデンウィーク(GW)中に被害があり、大学側は連休明けに発見した。現在は貼り紙を貼って間違いが起きないよう対応しており、5月中には原状回復する予定だ。
なお広報課によると、警察への被害届提出や、大学による調査は考えていないという。

元記事の画像を見ても判る通り相当な完成度で気合いの入った仕事ぶりですが、記号ではなく赤青の色の違いでトイレの男女別を認識していた方々なら間違っても全く不思議ではないですよね。
そもそも男が青で女が赤と決まったルールはなく、子供のランドセルの色など様々な方面で進歩的な方々を中心に従来の固定観念を打破すべきだと言う運動が繰り広げられてきた経緯があります。
従来暗黙の了解的に男女それぞれに割り振られてきた色や記号なども言い出せば切りがないのですが、このところその男女差と言うことを巡って大きな話題になっているのがこちらのニュースです。

女性だとAEDが使われない? 救命処置の男女差(2019年5月8日NHK)

心停止となった人の心臓の動きを正常に戻す医療機器AED。しかし、倒れた人が女性だと、男性よりAEDが使われにくい。そんな調査結果がまとまりました。ネットの声を探ると女性の服を脱がせてAEDを使うことに抵抗やおそれがあるようです。

調査結果をまとめたのは京都大学などの研究グループです。全国の学校の構内で心停止となった子ども232人について、救急隊が到着する前にAEDのパッドが装着されたかどうかを調べたのです。(2008年~2015年)
学校にはAEDの設置が進んでいて、もしもの時にはすぐに使えるケースがほとんど。小学生と中学生では男女に有意な差はありませんでしたが、高校生になると大きな男女差が出ていました。
AEDのパッドが貼られた割合は高校生・高専生で男子生徒83.2%、女子生徒55.6%とその差は30ポイント近くになります。
AEDのパッドは2枚あり、右胸の上と左の脇腹に直接、装着します。
「倒れた人が女性の場合、素肌を出してAEDを使うことに、一定の抵抗感があるのではないか」
研究グループはそう分析しています。このニュースが報道された後、ネット上でもそうした声があがっていました。

トラブルおそれる

「乳房があるので、正直どこへパッドを貼っていいか悩むし…服を脱がす事に抵抗がある
助けたいけれど、消極的になってしまうという声。
「どうせ助かってもセクハラとか言って訴えられる
社会的地位を失う可能性のデメリットの方がデカイ」
(略)
男性と比べて女性はAEDなどが使われにくいという研究はフランスにもあり、欧州心臓病学会が3年前の「国際女性デー」(3月8日)で発表しています。
2011年から2014年にパリ周辺で心停止となったおよそ1万1000人のうち、女性でAEDの使用や心臓マッサージといった救命措置がとられたのは60%。男性より10ポイント低い結果で、残念ながら救命の可能性に、男女差が出ているのが現状です。
“倒れた人が自分の家族だったらどうするのか”
もしもの場面に遭遇した時、助かる命を確実に助けるために、そんな想像力を働かせてみてください。

素人にも使える救命救急の手段であるこのAED、つい先日も医師である姫路市長が市中で活用し救命し得たケースが報じられていましたが、今や市中のみならず医療現場にも完全に定着しています。

当然ながらAEDを使う局面で躊躇している場合ではないのですが、特に素人の場合そもそもAEDを使うべき場合かどうかの判断が難しく、とりわけ女性の胸をはだけて装着するのに抵抗感があるのは理解出来ますね。
女性のために胸を隠す装具をセットで配備している場合もあるそうですが、特に今回気になるのが仮に救命し得たとして、後日セクハラだとして訴えられるリスクを当然視している声が想像以上にあると言う点です。

以前から女性にAEDを使ったところ警察を呼ばれたとか言った噂は聞くところですが、実際にはデマとして否定されているものがほとんどで、少なくとも訴訟沙汰になった事例は確認はされていないようです。
ただAEDの使用に当たっては女性の羞恥心にも配慮すべしと言うことも広く言われるようになっていて、特に周囲の目線の中で医師ら専門家が使用した場合、今後こうした点を突っ込まれる可能性はなしとしません。
そもそも日本においては緊急時の免責を認める善きサマリア人法がないことも以前から問題視されていますが、仮に法律なりで刑事免責を規定しても民事で訴えられるリスクは残るのは難しいところですよね。

 

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2019年5月11日 (土)

今日のぐり:「元祖瓦そば たかせ本館」

ちょうど年号の変わり目で平成最後だとか令和最初のと言ったフレーズが目立ちますが、こちら令和最初の事例を伝えるニュースです。

令和の性犯罪第1号は女湯のぞき?5メートルから転落で自業自得の腰椎骨折(2019年05月04日東スポ)

 令和になってもスケベ心から起こる犯罪はなくならない。千葉県警船橋東署は、建造物侵入の疑いで佐倉市の自称内装業金子賢克容疑者(54)を1日、現行犯逮捕した。容疑は同日午後8時5分ごろ、船橋市のスーパー銭湯「みどりの湯 田喜野井店」敷地内に正当な理由なく侵入した疑い。

 2階にある女性用露天風呂をのぞくため、施設裏手の外階段の手すりに立てかけた脚立を足場として、壁から頭を出していた。気づいた女性客が従業員に報告。従業員から声をかけられ、慌てて階段の手すりを飛び越えたが、約5メートルの高さから地面に転落した。
 それでも歩きだしたため、駆けつけた従業員が「なんで逃げるんですか。のぞいてましたよね」と取り押さえた。ダメージは隠しきれず、担ぎ込まれた病院で腰椎破裂骨折と診断された。釈放の上、入院している。

 調べに対し「トイレに行きたくなって、外階段でおしっこしていた」と話しているという。
 ケガは全治約1~2か月。すでに大きなバチが当たったが、同署では「もしかしたら令和元年の性犯罪事件の第1号ではないか。こんなことをして情けない…」とあきれている。回復を待って事情を聴く方針で、余罪も含めて捜査する。
(略)

何とも情けない顛末と言うしかないのですが、金子何某容疑者もまさかこんなことで自分が歴史に名を残すことになるとは思わなかったでしょうね。
本日は金子容疑者の更生を願って、世界中から当人としても思いがけず大事になってしまっただろうニュースの数々を紹介してみましょう。

地下鉄内でトラブルの男 「一杯おごったる」とたしなめ、立ち去ろうとした男性殴り逮捕(2019年3月24日神戸新聞)

地下鉄車内のトラブルから男性を殴ったとして、兵庫県警兵庫署は24日、傷害容疑で、神戸市須磨区のアルバイトの男(24)を現行犯逮捕した。署の調べに、容疑を認めているという。
逮捕容疑は、24日午前0時半ごろ、同市兵庫区の市営地下鉄湊川公園駅近くの路上で、30代の男性会社員の顔を殴るなどして軽傷を負わせた疑い。

署の調べに、殴られた会社員は「地下鉄の車内で男が別の乗客にからんでいたので、湊川公園駅で一緒に降りた」と説明。「一杯おごったるわ」とたしなめた後、おごらずに立ち去ろうとしたところ男が怒り、殴ってきたという。
男は酒に酔っていたといい、「最初にからんできたのは会社員の方です」などと供述しているという。

電車内の騒動をおさめたところまでは格好良かったのですが、その後の経緯が何だかなあ…と言う感じでしょうか。
日本でも昨今珍しくないと言うことなのですが、こちらロシアではこんな恐ろしい事件があったそうです。

デートで激怒して医師が交際相手を殺害 その“衝撃的な理由”に 批判の中、同情の声も(2019年4月28日リアルライブ)

 近年はLGBTへの理解も深まり、男性同士のカップルや女性同士のカップルも珍しくなくなった。しかし、異性愛者と元男性や元女性との交際がトラブルに発展した不幸な事件もあるようだ。

 海外ニュースサイト『METRO』は4月23日、27歳の医師の男が、女性だと思ってデートしていた25歳の相手が元男性だったと知って激怒し、殺害する事件がロシアで起きたと報じた。同記事によると、2人はそれまでに数回デートをしており、事件が起きた日、女性のアパートで初めて性行為に及んだそうだ。その際、男は女性だと思っていた相手が性転換済みの元男性だったと気づいたという。これまで何度かデートはしていたものの、男は相手が元男性だと疑うことはなかった。男は怒り、ベッドの上で女性の首を絞めて殺害した。

 その後、男は遺体を切り刻み、胴体をオーブンで焼いたりトイレに流したりして、証拠を隠滅。頭部と手足をスーツケースに入れて自宅に持ち帰り、何らかの方法で処理する予定だったそうだ。しかし、女性の両親が娘と連絡が取れないことを心配して警察に通報。警察の捜査により、男は逮捕された。男の自宅には持ち帰った頭部と手足がまだ残っており、これが決定的証拠になったという。男は有罪判決を受けた場合最高20年、刑務所に入る。
(略)

世界的に話題になったニュースですが、何かしら感情を害するところまでは理解出来ても、その後の経緯が異常と言う声は少なくないようで、被害者も全く想定しない結果だったでしょうね。
ガソリン価格も決して安いものではありませんが、可燃性だけにくれぐれも気をつけるべきだと思い知らされるのがこちらのニュースです。

タンクローリー爆発58人死亡 殺到した人々犠牲に(2019年5月7日テレ朝ニュース)

アフリカ西部のニジェールでタンクローリーが爆発し、これまでに少なくとも58人が死亡しました。犠牲者の多くは流出したガソリンを目当てに集まった人たちだということです。

ニジェールの首都ニアメー郊外で5日、タンクローリーが鉄道の線路上に横転する事故がありました。その後、タンクローリーから流出したガソリンをすくい集めようと大勢の人たちが集まっていたところ、突然、爆発が起きてこれまでに少なくとも58人が死亡、30人以上がけがをしています。
ニジェールの内相によりますと、集まった人たちの一部はバイクで来ていて、そのうちエンジンが掛かっていた1台から火花が飛んだことが爆発の原因とみられるということです。また、けが人のほとんどが重体であるとしていて、死者の数は今後、増える恐れがあります。

しかしガソリンスタンドで給油中にエンジンをかけっぱなしの人も時にいらっしゃいますが、くれぐれもこうしたリスクを知った上でエンジンは切っていただきたいものです。
最後に取り上げますのはこれも昨今世界的に増えてきている方々の話題ですが、大変に残念な結果に終わったようです。

ヴィーガンのカップル、生後5か月の我が子を餓死寸前に(2019年2月20日テックインサイト)

厳格な食生活を送るヴィーガニズム(絶対菜食主義)の親は、我が子にもその信念を通しヴィーガン(絶対菜食主義者)として生活させる家庭が少なくない。しかし、幼い子供に偏った食生活を強いると様々な面で健康被害を生じさせることもある。このほど米フロリダ州に住むヴィーガンのカップルが、生後5か月の息子に適切な食事を与えず、餓死寸前にまで追い込み逮捕されたニュースが『News 96.5 WDBO』『WFTV』などで報じられた。

フロリダ州タイタスビルで、餓死寸前の男児が保護された。逮捕された男児の親であるロバート・バスキー(31歳)とジュリア・フレンチ(20歳)は2人ともヴィーガンで、医師からは男児に粉ミルクを与えるようアドバイスを受けていたにもかかわらず、それを無視してネット上で見つけたレシピを参考にし、芋ペーストをベースにした離乳食を男児に与えていた。

2月13日、児童家庭サービスから通報を受けた警察が発見した男児は極度の栄養失調や脱水症に陥っており、目は窪み肌からは張りが失われ、肋骨が浮きあがっていた。さらに体温や糖分を維持することが困難で無気力になり、泣き声もあげず、動くことも不可能な状態だった。出生時の体重が約3,430グラムだった男児は生後5か月になったが、3,860グラムほどしかなかったという。

タイタスビル警察のローレン・ワトソン捜査官は、「男児は一時期オーガニックの粉ミルクを与えられており、その時は体重も増えて健康状態も良かったようです。ですが両親は調合乳を与えるようにという医師のアドバイスを無視して、勝手にヴィーガンの生活スタイルに合った食事内容に変えたのです。あそこまで酷い状態の子供は、私はこれまで見たこともありません。餓死寸前という感じでした」と話している。なお今回のことが原因で、男児は今後も長期にわたり医学的問題を抱えることになるだろうとされている。
(略)


両親は直ちに刑務所に収監されたそうですが、経済的余裕もありミルクを与えられないと言う状況ではなかったそうです。
子供は親を選べないとはよく言うことですが、日本でもこうした事例が起こり得ないことではないだけに、思いがけない子供の不幸は避けたいものですね。

今日のぐり:「元祖瓦そば たかせ本館」

山口県の誇る郷土料理の一つに瓦そばと言うものがあると聞き、かねて一度食べて見たいものと思っていましたが、こちらその発祥の店だそうです。

しかし有名店だけに近隣に分散して何棟も別館が建っていると言うとんでもない大店ですが、各店舗とも行列待ちの大繁盛と言うのは驚くべき人気ですね。

名物の瓦そばは茶そばを使った和風の焼きそばとも言うべきもので、パリパリに焼いた茶そばに牛肉や錦糸卵をトッピングしてあり、温かい出汁つゆで食べると言うものです。
地元では家庭料理としても楽しまれているそうで、確かに食材や調理法自体は特別難しいものではないようですが、見た目にも何やら楽しめますよね。
蕎麦としては邪道な食べ方なのかも知れませんが、食べて見るとこれがなかなかいけるもので、特に付け合わせの薬味が地味に効いていて楽しめました。
もう一つの名物料理であるうなめしも試して見ましたが、こちら名古屋名物ひつまぶしそのもので、甘口のタレの味わいもあってこれまた薬味がいい仕事をしています。
締めは出汁茶漬けで最後まで美味しくいただきましたが、しかし郷土料理云々を抜きにしてもこの瓦そばとはなかなか面白いメニューですね。

歴史と伝統を感じさせる古い店構えのお店ですがトイレなど内装はきちんとリフォームはされていて、接遇も手馴れたもので安心感がありました。
割合に近い場所には風光明媚なことで有名な角島などもあり、観光がてら立ち寄るにはよい立地だと思いますね。

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2019年5月 7日 (火)

確実で失敗がないと言うことは一般には良いこととされています

10連休中は大きなトラブルがなかったのか、医療関連ではさほどに目立ったニュースはなかったようですが、本日まずは先日目にしたこんな記事を紹介してみましょう。

畳めなかったエアリズム 全自動折り畳み機、事業解散へ(2019年4月25日日経ビジネス)


 世界初の全自動衣類折り畳み機「ランドロイド」の事業化を目指してきたセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ(東京・港)が23日、東京地裁に自己破産を申請し、破産手続き開始決定を受けた。開発が難航し、資金繰りが行き詰まった。子会社と合わせ、負債総額は約31億8000万円に上る。同社の阪根信一社長はテック系ベンチャーの旗手と目されていただけに、衝撃が広がっている。

 ランドロイドは、AI(人工知能)や画像認識、ロボットアームの技術を駆使し、洗濯後の衣類を1枚ずつ「つかむ」「広げる」「折り畳む」「仕分ける」「収納する」といった工程を経て整理する機械だ。大型冷蔵庫ほどのサイズで、1台200万円ほどの価格を想定していた。
 以前は17年度中の発売を目指してきたが開発が難航し延期。続いて、18年度中の発売を目指してきたものの、それもかなわなかった。
 同社はこれまで、海外の投資家も含めて105億円余りの資金を調達しており、パナソニックと大和ハウス工業も出資してきた。阪根社長は両社に追加出資を要請してきたが、発売目標の期日を再三守れない状況下では追加出資を受けられず、ついに資金が底をついた。
(略)
 では、開発を難航させたものは何だったのか。
 「私はひとまず発売すればいいと思うんですが……」。1年余り前、阪根社長は日経ビジネスの取材に応じ、そう漏らした。ロボットアームの開発に苦戦しているという。アームは様々な種類の布を持ち上げられるが、どうしてもつかめない素材があるとのことだった。
 それが、カジュアル衣料品店「ユニクロ」の人気商品「AIRism(エアリズム)」だった。シルクのような肌触りが特徴だが、それだけにロボットアームが扱うのが難しかった。完全な製品を世に出したいと考えるパナソニックは、この点を重く受け止め、発売に難色を示したという。破産手続きの開始を受けて、「ランドロイドの事業は解散する」(セブン・ドリーマーズ広報)。
 新市場の創造に挑んだ著名なベンチャー起業家が倒産に追い込まれたことで、成長の可能性があるベンチャーに「リスクマネーを投じることを敬遠する投資家が増えかねない」(証券アナリスト)と、懸念の声も上がる。

以前に開発中と言うニュースを目にして、なかなか応用の利きそうな面白い機械だと言う印象を受けていたものなのですが、残念ながら開発中止に至ったのは仕方がないとして、問題はその理由です。
開発中の折りたたみ機はほぼ実用化の域に達していたように見えるのですが、唯一特定の衣料製品だけはうまくたためなかったと言うことで、スポンサーが発売に難色を示した結果事業自体が頓挫したと言うことです。
記事を見て海外なら絶対出すだろうし、国内でも作業効率次第で業務用の需要はあっただろうと思うのですが、話に聞く国内メーカーがロボット掃除機発売で出遅れた事情などとも何やら通じるものを感じます。
さて、話変わって医療の世界でも技術革新は非常に重要で、特に常に逼迫するマンパワー節約の意味でも自動化が今後の課題になりそうですが、先日こんなニュースが出ていました。

日本初、全身麻酔を自動制御 福井大学など開発、臨床試験開始(2019年4月17日福井新聞)


 福井大学などのチームは4月16日、外科手術などでの全身麻酔を自動制御する日本初の「ロボット麻酔システム」を共同開発し、臨床試験を始めたと発表した。麻酔薬の投与量を自動調節するシステムで、麻酔科医の負担軽減が期待される。同大学医学部の重見研司教授は会見で、自動車の速度を一定に保つ自動運転のように麻酔科医を支援するシステムと説明し「麻酔科医の働き方改革にもつながる」と述べた。

 麻酔科医は、呼吸や血圧など患者の全身状態を管理しながら麻酔薬の量を調整し、異常が見られれば適切な処置を行う。全身麻酔の手術件数が年々増加傾向にあり全国的に不足しているという。
 福井大学、国立国際医療研究センター、医用電子機器開発の日本光電工業の共同研究チームは2017年に開発に着手。18年度に日本医療研究開発機構の事業に採択された。
 同システムは手術中の患者血圧や脈拍などをモニターして、「意識レベルを下げる鎮静薬」「痛みを抑える鎮痛薬」「筋肉の収縮を止める筋弛緩薬」の3種類を状態に合わせて適切に投与する。麻酔科医の負担が軽減され患者の状態管理に集中でき、ヒューマンエラーの防止にも役立つ。麻酔薬の過剰、過小な投与を防ぎ、患者のリスク軽減にもつながるという。

 4月16日に厚生労働省で開かれた会見には、福井大学からは重見教授、松木悠佳助教が出席。松木助教がシステムの概要を説明。重見教授は「システムの最大の特徴は、患者の状態を監視して、状況に応じて調節する機能を持っていることだ」と強調した。
 3月に臨床試験に着手した。患者約60人を対象に行い、有効性と安全性を検証する。22年度の製品化を目指している。

一昔前なら外科医が自分で麻酔をかけていた施設も少なくなかったと思いますが、現在では真っ当な病院であれば麻酔の専門医が麻酔をかけるのが当然であり、手術件数も麻酔科医の数次第とも言えます。
それだけにこうした麻酔管理の自動化は大変にありがたい技術だと思うのですが、問題となりそうなのは麻酔科学会の「安全な麻酔のためのモニター指針」にこんな記載があると言う点です。

[麻酔中のモニター指針]
①現場に麻酔を担当する医師が居て、絶え間なく看視すること。

これ自体はまあ確かに御説ごもっともと言う話なのですが、文字通りに解釈すると手術室一つ一つに常時一人の麻酔科医が張り付いている必要があると言う話で、実際そうした対応を行っている施設が多いようです。
ただ大学病院など常勤麻酔科医が大勢いる施設ならともかく、市中の中小施設では選任の麻酔担当者を常時用意することは難しく、外科医の数は揃っていても手術が出来ない場合も少なくないと聞きます。
新しい児童麻酔制御のシステムが開発されても、指針がこのままであれば相変わらず麻酔科医が常時張り付いていなければならない理屈で、正直さほどに有り難みがなさそうには感じますね。

別に麻酔科に限らずこうした話は各診療科で幾らでもあるのでしょうが、学会のガイドラインなどは医療安全を第一に考えたものであっても、現場のリソースに関してはさほど配慮していない場合も少なくないようです。
かつて帝王切開のいわゆる30分ルールが医療訴訟とも絡んで大変問題視されたことがありますが、現実的にほぼ達成が不可能な目標だけが掲げられると、現場が大変な苦労をする羽目になるのは当然です。
無論学会なども個別の問題に関してはデータを元にルールを決めていることなのでしょうが、限られた医療リソースをどこにどう使えば国民の健康を最大限守れるのかは、かなり複雑で簡単には判断し難い課題なのだろうと思いますね。

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