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2019年4月29日 (月)

今日のぐり:「たくみや」

今年の入試シーズンにちょっとした話題になっていたのがこちらのニュースです。

名門麻布が"コーヒーの淹れ方"を問う理由(2019年4月10日プレジデントオンライン)


東京・広尾の名門校、麻布中学校が理科の入試問題で「エスプレッソの作り方」を出した。問題文には「みなさんも大人の味覚がわかるようになったら、楽しんでみてください」というメッセージまであった。学校や塾では絶対に教えないことを問題にする狙いとは――。
(略)
麻布の理科入試は、毎年、目新しいテーマが出題されることで有名だ。今年はなんと「エスプレッソの作り方」が出題されたのだ。問題文はコーヒーの豆の話から始まり、焙煎機の使い方、コーヒーミルの使い方、お湯の注ぎ方と濃さの関係、エスプレッソの豆の挽き方、エスプレッソを入れる器具の扱い方などを問う問題が続く。
苦味や酸味といった成分の特徴や濃度を求める問題は、化学分野とも言えるが、はたしてこれが中学受験の理科入試と言えるのだろうか。こんな知識は、学校はもちろん、塾のテキストにも載っていない。
それこそが麻布の理科なのだ。麻布の理科入試は、中学受験で求められる一般的な知識はさほど求めていない。知りたいのは、「知識の有無」ではなく、「好奇心の有無」だからだ。

麻布の理科は、とにかく問題文が長い。たった40分の制限時間内にB5中とじ10ページ分の文章を読み進めていかなければならない。大人でもひるむ文字量だ。しかも、問題文の素材は、学校や塾では触れることのない内容ばかり。2017年度は巨大昆虫と恐竜を素材にした「進化」の話、2018年にはヤンバルクイナの生態や探査機カッシーニの活躍が取り上げられた。そして、今年は「エスプレッソの作り方」である。
しかし、文章こそ長いものの、言葉使いや説明は丁寧でやさしく、12歳の男の子が読める内容になっている。文字量の多さや初見の問題を前に、「こんな長い文章はとても読めないよ……」「あれ? 塾でやっていない問題が出ている」と逃げ腰になってしまう子は、とても太刀打ちできない。一方、「どれどれ、何について書かれているのだろう?」「なんだか面白そうだな」と好奇心を持って読み進めていける子なら、麻布の素質は十分にある。

「難問」と言われる麻布の理科入試だが、作問者は意地悪でこんな問題を出しているわけではない。むしろ、受験勉強を通じて学んできたであろう「12歳なりの知性や教養」を十分理解した上で、持っている知識や思考方法を総動員すれば答えを見つけることができる問題に仕上げている。そのスタイルは何十年も変わらない。そして、これからも変わらないはずだ。
(略)
「君たち、世の中にはね、こんな不思議なことがあるんだよ。その理由はね……」、麻布の理科入試は常にこんな感じで始まる。麻布では、教師は指定の教科書を使わず、自分で作成した手刷りのプリントを使って授業を進める。授業は生徒と教師が対話を楽しむアクティブ・ラーニングだ。基礎は教えるけれど、「1」から「10」まで教師が教えることはない。教師が質問を投げかけて、生徒たちで思考を広げていく。麻布の授業は、1つの答えを求めない。1つの現象をさまざまな角度から見て考える。
こうした授業で求められるのが「好奇心」だ。麻布の理科入試では、こうした授業を楽しめる素質があるかを見極めるために存在するのだ。
(略)


中学入試と言うものも昨今難しいものなのでしょうが、こちらのように単純に詰め込み勉強をしただけでは対応出来ない入試と言うのも面白そうですね。
本日は無事入試の難関を突破し春から進学先で活躍しているだろう全国の学生に敬意を表して、そこはよ~く考えてみようと言いたくなる最近のニュースを紹介してみましょう。

ガスト「24日で全国1361店舗まわれば1000万円山分け」企画を中止して謝罪 「事実上不可能」と批判の声(2019年4月24日ねとらば)


 すかいらーくレストランツは4月24日、ファミリーレストラン「ガスト」が始めたキャンペーンを中止したと発表しました。「24日間で全国のガスト1361店舗で飲食すれば食事券1000万円を山分けプレゼントする」という内容でしたが、単純計算でも1日当たり57店舗を訪問し続ける必要があり、事実上達成不可能な条件になっているという声が相次いでいました。
(略)
 ガストが4月22日に始めた「御朱飲食帳キャンペーン」は、5月15日までの期間中にガスト全店(1361店舗)をまわり、飲食すると、ガストの食事券1000万円分を先着50人で“山分け”(1人当たり最高20万円)するというものでした。
 具体的には、各都道府県別の「御朱飲食帳」をWebサイトからダウンロードし、製本したものに各店舗で飲食した証拠となるレシート(税込1000円以上)を貼り付け、東京都武蔵野市のすかいらーくホールディングス本社に持参する──という内容。「御朱飲食帳」は47都道府県の分を全て製本すると厚さ15.5センチ、重さ3.1キロになるということでした。

 この企画に対し、ネットでは疑問の声が相次ぎました。達成するためには単純計算でも1日当たり57店舗、1時間当たり2.4店をまわり、各店舗で1000円以上を支払ってレシートをもらう──という作業を25日間続ける必要があります(店舗ごとの営業時間を考えると1時間当たり2.4店では足りません)。
 Twitterなどでは「これは絶対無理なのでは」「実質的に不可能な条件のキャンペーンで来店を促すのは景品表示法に触れたりはしないのだろうか」といった疑問が噴出。指摘が相次いだためか、23日夜になってキャンペーンのページは削除されていました。
(略)


単純計算すると仮にこの条件を達成し、さらに運良く食事券に当たったとしても大赤字になる計算ですが、企画する側も応募する側も算数の初歩的能力が問われそうな課題でした。
日本でも大規模災害に備えての備蓄がようやく注目される時代ですが、かねてこうした面での最先進国と言われたスイスではこういうニュースが出ていました。

コーヒーは人類の生存に「不可欠ではない」 スイス、食料備蓄から除外へ(2019年04月12日BBCニュース)


スイス政府は10日、コーヒーは人類の生存において「不可欠ではない」との見解を示し、2022年内に国の食料備蓄からコーヒーを除外する案を公表した。
食料の多くを輸入に頼るスイスは、第1次世界大戦や第2次世界大戦の間、万が一に備えて食料やコーヒーなどの備蓄を開始した。
備蓄はその後も、戦争や自然災害、伝染病による食料不足に対処するため数十年にわたって続けられてきた。

スイス政府は2022年内にコーヒーの備蓄を終了したい考えだが、反対の声が高まっている。
現在備蓄されているコーヒーの量は、全国民の3カ月分にあたる1万5300トンに上る。
スイス政府は、コーヒーは「人命にとって不可欠ではない」ため、緊急時のための備蓄に含む必要がないと説明している。
連邦経済供給庁は声明で、「コーヒーはほぼゼロカロリーであり、生理学的見地から言って栄養確保に貢献しない」と述べた。

コーヒーを備蓄から除外する案の結論は今年11月に下されるというが、誰もがこの案を喜んでいるわけではない。
スイス国内の食糧備蓄を監督する「Reservesuisse」は、コーヒーの備蓄を担う15社のうち12社が備蓄の継続を希望していると話す。
ロイター通信が入手した企業側の書簡には、「生命維持に必要な食材をカロリー重視で判断するのは、コーヒーにとっては公正なやり方ではない」と書かれている。
(略)


万が一の非常事態に備えるならストレス軽減につながるこの種の食品は重要なはずですが、やはり経費削減が優先されたと言うことでしょうかね。
先日大火災で尖塔が焼け落ちたと報じられたパリの大聖堂に絡んで、こんな愉快なやり取りがあったそうです。

ノートルダム大聖堂火災で十字架が無傷 「これは神の御業、なぜ神を信じないか説明して」→的確な回答が現れて世界が絶賛(2019年4月19日ねとらば)


 仏パリのノートルダム大聖堂で現地時間4月15日に発生した火災を受けて(関連記事)、Twitterでは火事現場の写真から、思わぬ論争が発生しました。ある宗教的な投稿への、冷静で論理的なツッコミが話題となっています。

 全世界に驚きと悲しみを与えた、ノートルダム大聖堂の火災。鎮火後のある画像をもとに、Twitterにある文章が投稿されます。
「After all the aftermath and destruction of the Notre Dame fire, the alter and cross remained untouched. Please explain to me how you don’t believe in God after seeing this.(延焼と破壊をつくしたノートルダム大聖堂の火災ですが、祭壇と十字架は無傷で残りました。これを見てもなお、神を信じない理由を説明してみてください)」
「火事によって大きく破損したノートルダム大聖堂の中で、十字架が無傷のまま残ったのは神様が起こした奇跡である」という趣旨の、信仰深いお言葉。しかしそこに、的確な回答が現れるのでした。
「Because the melting point of gold is 1064°C and a wood fire burns at around 600°C(それは金の融点が1064度であるのに対して、木が燃えるときは600度程度だから)」
 「神の奇跡である」という発言を、融点(固体が液体になりはじめる温度)という科学的事実であっさりと説明したのは、Dan Broadbentさん。Twitterのアカウントプロフィールに「科学オタク」とあるのにふさわしく、冷静かつばっさりと簡潔に議論が終了してしまいました。これはぐうの音も出ない。

 世界中の人たちがこのやりとりに反応し、Dan Broadbentさんの引用リプライは19日時点で20万2000RTを突破。そのリプ欄は、Dan Broadbentさんと同様の無神論者による「なぜ十字架が燃えずに残ったのか」の大喜利大会のような様相をていしています。
「それに、その部分はそもそも火が出ていなかったからね」
「つべこべうるせえな、神さまが守ってくれたおかげなんだよ」(皮肉を込めたなりきり有神論者による投稿)
「もう全部十字架から作って、永遠に燃えないようにしちゃえばいいんじゃね?」
 ちなみにDan Broadbentさん、4匹の猫と一緒に暮らしているそうで、彼らがとてもかわいいのです! 無神論者も有神論者も、猫ちゃんのかわいさに負けてしまうのは皆同じはず。みんな、猫ちゃんを愛でて仲良くしようぜ!

元記事の写真を見ても大変印象的な光景ではあるのですが、何にしろ少しでも被害が抑えられたのならお金をかけた金の十字架も意味があったと言うことでしょうか。
最後に取り上げますのは世界中で多くの人々を嘆かせ、失望させてきたとも言うあの事実に対して意外な歴史があったと言う話題です。

英国料理が美味しくないわけ(2019年4月20日Japan in-depth)


英国ロンドンで、現地発行日本語新聞の仕事をしていた話を、幾度かさせていただいたが、当時知り合ったSF作家の友成純一氏に、ロンドン暮らしをテーマとしたエッセイを連載していただいたことがある。後にその連載は『ローリング・ロンドン』というタイトルにて扶桑社より出版されたのだが、最初に英国料理を食べた感想は、「あまりにもまずかったので、なにを食べたか忘れた」という一節がある。
私自身、英国での生活を題材にしたエッセイはかなりの数を発表し、出版していただいているが、かの国の料理をほめたためしはない。そもそも英国内においてすら、自国の料理はあまり高く評価されていないのだ。
(略)
こんな按配だから、日本人と同じくらいか、それ以上に食にこだわりのあるフランス人が、英国料理をバカにすることと言ったら……「大英帝国は、まずい料理のたまもの」などと真面目に言う人までいるのだ。
フランス人は、たとえ海外に出ても、自国の料理が恋しくなるので永住はなかなか難しい。そこへ行くと英国人は、どこの国の料理を食べても,自国のそれよりはおいしいと感じるものだから、新たな領土に骨を埋めることができる。だから英国は、フランスよりもはるかに広大な植民地を得ることができたのだ、という理屈なのだとか。
(略)
たとえばスコットランドだが、たしかに北海からの冷たい風にさらされて気候は厳しく、荒涼たる風景が広がっている。しかし、この風のおかげで、塩分を豊富に含んだ牧草が育ち、これが結構な飼料となるので、おいしい牛肉や羊肉が得られる。
それに、メキシコ湾流のおかげで実は緯度が高い割には温暖だし、日本列島周辺と同様、ブリテン島を囲む海も、暖流と寒流がぶつかるので、良質の漁場だ。
つまり、食材の点でも、さほど条件は悪くないのである。そこで色々と調べてみたところ、やはり英国の農村では、貧しくはあったけれども、それなりに食事を楽しむ文化がちゃんとあったことが分かった。

ところが19世紀に入り、英国社会に大きな変化が訪れる。言わずと知れた産業革命だが、これが英国の都市部における食生活にも大いなる変化をもたらした。
多数の工場労働者に、重労働にも耐え得るだけの栄養を、手っ取り早く採らせねばということで、朝食にはベーコンエッグ、昼食にはフィッシュ・アンド・チップス、というのが英国料理のスタンダードになったのである。夜はと言えば、チーズなどを少しつまみながらぬるいビールで腹を満たすというもので、これは昔からそうであった。
(略)
この知識を得てから、私は英国料理を悪しざまに言うことに、ますます躊躇しなくなった。労働者を機械の部品と同様にしか考えないのと同根の思想によって定着した食べ物など、それこそ「人類の食い物として認めたくない」と言って、なにが悪いか。

まあしかしこの場合料理に手間暇をかけないことが問題なのではなく、敢えて不味くなるよう余計な手間暇をかけているように見えるのが問題ではないかと言う気もします。
どこから英国人がこのような料理を是とするようになったのかは興味深い課題ですが、重労働だからこそうまいものをしっかり食べておくべきだとは思うのですけれどもね。

今日のぐり:「たくみや」


兵庫県北部、豊岡市出石町の市街地の外れ近く、沢庵漬けの沢庵和尚で有名な宗鏡寺(すきょうじ)近くにあるのがこちらのお店です。
古民家を改装したなかなか風情のある店構えで、大抵は行列待ちの満席なのですが相席などさせずのんびり食事が出来るゆるさが特徴と言えますでしょうか。

メニューはほぼ定番のものだけですので迷わず名物の皿そばを頼んで見ましたが、辛口あっさりの蕎麦つゆは柔らかめの蕎麦にちょうどいい頃合いですね。
出石の皿そばと言えば卵や山芋など薬味が特徴ですが、蕎麦屋の蕎麦と比べて少し柔らか目の方が薬味とのマッチングは確かにいいように感じます。
個人的には蕎麦単独ならもう少し硬めの仕上がりが好みですが、これはこれで地元の習慣にマッチしていると言うことですね。
京都の名店「松葉」の名物でもあるにしんそばもたぐってみましたが、熱々のニシンは蕎麦の上にトッピングされていて、ここの蕎麦なら冷たいものが好ましく感じました。

こちら蕎麦もさることながらお店の雰囲気が良い感じなのですが、接遇面でもお姉さん方は慌てず騒がずで、これはなかなかいい雰囲気ですよね。
古民家改装のお店ですが暖房の準備やトイレ設備などはしっかりされていて、出石観光のついでに一度立ち寄ってみてもよいお店かと思います。

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