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2019年4月17日 (水)

アメリカでは歯科医は高収入だそうです

他人の懐具合が気になる人も少なくないようですが、先日こんな記事が出ていました。

医師の年収、最も高いのは何科?(2019年4月9日ビジネスインサイダー)


医師は高収入。実際、診療科によって、どれくらい違うのだろうか。
アメリカ合衆国労働省労働統計局の職業雇用統計(Occupational Employment Statistics)は、約800もの職業の給与と雇用数の年間指標を公表している。そのデータを使い、11の診療科の医師の平均年収を比較してみた。
ランキングで見てみよう。平均年収と雇用数は2018年5月現在の最新データによる。

11位 足治療医、14万8220ドル(約1630万円)雇用数:9500
10位 歯科医、17万5840 ドル(約1934万円)雇用数:11万3000
9位 小児科医、18万3240ドル(約2016万円)雇用数:2万8490
8位 内科医、19万6490 ドル(約2161万円)雇用数:3万7820
7位 その他の専門医、20万3880 ドル(約2243万円)雇用数:38万9180※免疫科医、神経科医、病理医、放射線科医など。
6位 家庭医・一般開業医、21万1780 ドル(約2330万円)雇用数:11万4130
5位 精神科医、22万380ドル(約2424万円)雇用数:2万5630
4位 産科医・婦人科医、23万8320ドル(約2622万円)雇用数:1万8590
3位 口腔顎顔面外科医、24万2370ドル(約2660万円)雇用数:4830
2位 外科医、25万5110ドル(約2806万円)雇用数:3万4390
1位 麻酔科医、26万7020ドル(約2937万円)雇用数: 3万1060

収入額を見るだけでも日本とはずいぶんと状況が違うのだろうなと思わせる数字なのですが、アメリカの場合ここから数千、数万ドル単位の保険料を差し引かれていると考えると、まあこんなものなのでしょうか。
ドクターフィーのあるアメリカの場合、収入の多寡は需要と供給の関係に左右される部分が大きそうですが、その点で現時点でのトップが麻酔科医であると言うのは納得出来るものがあります。
ただここで注目いただきたいのは、数としては相当に多い歯科医が高収入であることで、口腔外科も含めてランキング上位に顔を出している点が興味深いところですね。
ひるがえって日本の場合、すでに歯科クリニックがコンビニよりも多いと言われ、需給バランスは完全に供給過多に傾いているのが現状ですが、先日の歯科国試でもこんな状況であったそうです。

3人に1人が不合格 「歯科医師国家試験」が医師国家試験よりも“狭き門”になった事情(2019年4月9日文春オンライン)


 先日、第112回「歯科医師国家試験」の結果が発表されました。
 同日に発表された医師国家試験の全体の合格率は89.0%と約9割。この割合は毎年変わりません。では、歯科医師国家試験の合格率はどれくらいでしょう。なんと63.7%。10人受けると3~4人落ちるという厳しさでした。
 なぜ、医師の国家試験に比べ、歯科医師の国家試験はこんなにも厳しいのでしょうか。それは、歯医者さんが「多すぎる」とされているからです。
(略)
 歯科医師国家試験の合格率も03年までは医師国家試験と同様に、ほぼ8~9割で推移していました。しかし、このままでは、ますます歯科医師数が過剰になると推計されたことから、06年に文部科学大臣と厚生労働大臣が「歯科医師の養成数の削減等に関する確認書」を取り交わし、歯学部の定員削減を各大学に要請するとともに、「歯科医師国家試験の合格基準を引き上げる」、つまり合格率を低くすることにしたのです。
(略)
 実は、予備校などによって違いますが、私立大歯学部の偏差値はいくつかの伝統校を除き、真ん中の50を切っているところが多く、中には30台という信じられない数字がついている大学もあります。偏差値だけで人を判断してはいけないかもしれませんが、歯科医師国家試験を突破できるだけの基礎的な学力が足りない学生も多いのではないでしょうか。
 なぜ、私立大学の歯学部が、こんな目も当てられない状況に陥っているのか。それは、高い入学金や授業料を払って私立に入ったとしても国試に合格できるとは限らないうえに、歯科医師になれたとしても安泰とは言えないことを、受験生も保護者もよく知っているからでしょう。
(略)
 それに、歯学部の偏差値の低さや国試合格率の低さは、患者側からしても心配になります。国試に合格することで一定以上の知識や技術が担保されるとはいえ、歯科医師になってからも知識や技術を磨き続け、高いモラルを保った歯科医療を提供してもらえるのか
 実際、歯科医院が多くなって過当競争になった結果、診療報酬が低く抑えられている虫歯や歯周病、入れ歯、歯根治療などの保険診療よりも、高い売上が期待できる保険外診療のインプラント(人工歯根)、ホワイトニングなど審美歯科、矯正歯科などに力を入れる歯科医院が増えていると言います。
 そうした中には、高い技術力で良心的な治療を提供している歯科医院がある一方で、技術が未熟なのに保険外診療に手を出して、高い治療費を取るところもあると言われています。実際、この3月14日にも、独立行政法人国民生活センターが、「あなたの歯科インプラントは大丈夫ですか-なくならない歯科インプラントにかかわる相談-」という注意喚起を行っています。
 歯科医療業界がこんな状態に陥ってしまったのは、文部科学省と厚生労働省の怠慢・無策と、既得権益にしがみつく大学関係者の責任が大きいのではないでしょうか。
(略)


すでに数年前から国は歯科医抑制を検討していると報じられ、今回数字の上でも実際の抑制に移行したことが裏付けられた形ですが、構図としては弁護士過剰などと同じ国策の失敗と言えるでしょう。
国家資格の場合それを所持していれば独占的に仕事が出来るメリットがある反面、国の政策に需要や供給を左右されると言うデメリットもありますが、今後同様の道を辿るか注目されているのが医師の世界です。
久しく以前からいずれは維持過剰になると言われてきた一方、現時点で医師不足問題が喧伝されていて、将来的にいつどんな基準で医師抑制に踏み切るべきなのか、関係者の間でも意見の一致を見ていません。
他の国家資格職の経緯を見ると、完全に相場が崩壊するまでは抑制に舵を切ることはなさそうだと判断せざるを得ませんが、その頃の医療は果たしてどんなことになっているものでしょうか。

 

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