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2019年2月

2019年2月25日 (月)

医師の働き方改革検討会、副座長の渋谷氏が辞意を表明

このところ続いている医師の働き方改革に関する検討会で、医師に限って時間外労働の上限を年2000時間まで認めようとしていると報じられ、医療業界外からも強い批判の声が上がっています。

こうした各方面からの懸念の声を勘案してか、先日の検討会では厚労省から年2000時間が長いなら1860時間ではどうかと再提案が為されたそうですが、働かされる側の現場医師としてはハイそうですかと首肯しがたいのも事実でしょう。

検討会メンバーが各種医療系団体や施設管理者側など、医師を際限なく働かせることで利益を得ていた方々ばかりなのも問題ですが、この中で最近異端ぶりが注目されているのが東大の渋谷健司教授です。

「働き方改革」への姿勢で激論、厚労省検討会 「上限引き下げ反対」「現状維持と経営者の視点ばかり」(2019年2月21日医療維新)

 厚生労働省は2月20日の第19回「医師の働き方改革に関する検討会」に、地域医療を適切に確保するための「地域医療確保暫定特例水準」を「年1860時間、月100時間(例外あり)」として再提案し、構成員の一人が「非現実的な労働時間上限設定」などとして引き下げに反対。これをきっかけに激論となった。(資料は、厚労省のホームページ。提案の詳細は『時間外上限「年1860時間」で再提案』を参照)。

 社会医療法人ペガサス理事長で日本医療法人協会副会長の馬場武彦氏は参考資料として、医法協を含む四病院団体協議会が大阪府内の会員病院を対象に実施したアンケートの結果を提出。回答した26の医療機関で1カ月の当直のうち平均約39.5%、延べ人数ベースでは約28.9%を大学病院からの非常勤医師に頼っているとして、「比較的医師の数が恵まれていると思われている大阪府でさえ、夜間の救急は多くの部分を大学病院からの非常勤医師で支えている。非現実的な労働時間上限設定は即、非常勤医師派遣の大幅な縮小を招き、患者の生命に直接関わる。当初の事務局案通り1900~2000時間でお願いしたい」と主張した。
 これに対し、東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授の渋谷健司氏は、「頑張る人が頑張れるようにするためには適切な労務管理が必要で、本来は医療界自らが対策をしなければならなかったにもかかわらず、できていない現状がある。だからこそ刑事罰で抑止しようという方向になっている」との認識を示した。その上で馬場氏の主張に対し、医療機関が24時間365日患者のために使命を全うする特殊性と、医師に過重労働させることを「同じ状況で議論すること自体が間違っている。医療機関のキャパシティーを超えて医療ニーズが発生しているのならそれは地域医療計画の話だ。むしろ単独の施設に責任を負わせるのは先生方が強く反対しなければいけない。患者の命を人質にして神風特攻隊的な話ばかり、現状維持と経営者の視点ばかりで、そこには医師や患者の姿がない」と厳しく指摘した。
(略)
 馬場氏は勤務間インターバルや連続勤務時間制限、医師による面談などの健康確保措置については「かなり厳しい条件だが、受け入れなければいけない」とした上で、「1900~2000時間でも絶対大丈夫とは言えないが、実現可能でかつ国民が死なないラインと思っている。絶対に医療が守られるという根拠なしに引き下げるのはおかしい。施行後に検討するべきだ。兼業も考えると、かなり高い水準が必要だ」と反論した。
 日本医師会常任理事の城守国斗氏は「今までやってこなかったから強制的にという意見も分からなくはないが、現場の人間からすると医療提供体制が一度壊れると数十年以上かかるという不可逆性がある。やってみればいいじゃないかという問題ではない」と発言。これに対し渋谷氏が、「やってみればいいなどと無責任なことは一言も言っていない。崩壊するかもしれないし、しないかもしれない。分からないので、神学論争にしかならない。どうなるか根拠が知りたいということだ。そこは誤解を解いておきたい」と述べると、城守氏は即座に「お言葉だが、全く分からないということではない。非常に過酷な労働条件の人が最大限カバーしようという割合が一定程度いて、その中で10%だと思う。決して生ぬるい改革案だとは私は思わない」と反論した。
 日本医師会副会長の今村聡氏は「何時間なら大丈夫だ、何時間なら医療崩壊するのかというエビデンスもない中の議論なので、まずは少しずつ上限を設定して、特例は必ずなくなるので、スタートの時点では余裕を持った方がいいのではないか」と長めの設定にする方がいいと提案。
 ハイズ株式会社代表取締役社長の裴英洙氏は「これまで無制限に強制労働させていた実態にメスを入れる。メスを強く入れすぎると当然出血多量になるが、何もせず放置するのが医療界をますます悪化させるのは間違いない」と述べた。渋谷氏は「960時間がゴールだというのは総意だと思う。1860時間に納得できるロジックがあるわけではないので、前に進めるのならば僕ではない人を副座長に選んでまとめていただきたいと思っている」と辞意を示した。
(略)

副座長、辞める覚悟で会議に臨んだ - 渋谷健司・厚労省「医師の働き方改革に関する検討会」副座長(2019年2月22日医療維新)

(略)
――次回会議はどうされるのでしょうか。副座長を辞めるのは本当なのですか。
 そうです。その覚悟で会議に臨み、議論の最後に決意しました。誤解していただきたくないのは、検討会の議論を止めるために辞めるのではありません。むしろ議論は進めてほしい。時間が限られているからこそ、徹底的に議論を尽くし、現場の医師たちに丁寧に説明をする責任があると思います。自分が辞めることでさらなる一石を投じたいと考えました。
(略)
――医師の働き方改革を軸に、これまで進まなかった医療機関の再編などにつながると期待されている。
 取りまとめ骨子にも書かれているように「まず、長時間労働の医師の自己犠牲に支えられている我が国の医療は、危機的な状況にあるという現状認識を共有することが必要」です。そこが全ての出発点なのです。そして、「時短は目的ではなく、結果である」と言われますが、逆に時間外労働の目標を設定することで、いろいろな改革が動く可能性があるのではないか、と考えています。

――昨日(2月20日)の検討会では、(医師の時間外労働の特例として認められる上限として)「年1860時間」という数値が提案されました。
 上限を超える多くが大学病院、地域の救急医療を担う病院などの勤務医であり、時間外労働を「年1860時間」以内に短縮すること自体が大改革、それ以上厳しくすると大学病院からのアルバイトに頼っている地域の医療が成り立たなくなると、(経営者の立場の構成員などは)主張されています。しかし、それは5年後から適用される上限であり、5年後も「年1860時間」だったら、現状からほとんど変わらないと言えるのではないでしょうか。
 私は「年1860時間」という、自分が考えるよりもはるかに高い数字が提案されたから辞めるわけではありません。どんな数字が出てきても、全ての医師を納得させることはできませんし、最後は決断が必要であることは十分理解しています。
(略)
 その一方で、私はさまざまな立場の医師、特に若手の医師たちに働き方に関する意見を聞いてきました。地域の病院での講演に呼ばれれば、可能な限り引き受けました。私は立場上、「自分では声を上げられない医師」に、(時間外労働の上限等について)自分自身が納得した説明をする義務があると思っています。だからこそ、そのためのロジックや考え方を繰り返し検討会の場で求めてきたのです。

――厚労省は、「病院勤務医の週勤務時間の区分別割合」で、「上位10%」に相当する時間を、時間外労働の特例の上限としています。
 「なぜ上位10%なのか」については、納得できる説明がありません。20日の会議は、第19回でした。過去の資料や議事録を全て読み返しましたが、自分なりに納得して、現場で疲弊している医師たちに説明できるロジックがいまだにありません
 過重労働で疲弊している医師がいる限り、医療は持続不可能ですし、患者の命は守れません。「時間外労働規制で地域の医療が崩壊したら患者の命を守ることができない」と言われますが、医師としての使命を全うするためには適切な労務管理が必要です。頑張れなくなるまで放っておくのは、その医師の思いや使命感を無にすることになるのです。
 昨日の検討会でも言いましたが、「神風特攻隊のように、患者の命を守るために頑張れ」では、現場の医師に説明ができないのです。「医師としての使命を全うすること」と、「長時間労働を放置すること」とは全く異なる次元の話です。
 政治家であれば自分の政策について、選挙で有権者に信を問うことができます。選挙で負けたらそれで終わり。政治家はそれだけのリスクを負っています。しかし、今回の場合、一番の当事者である現場の医師たちが、「年1860時間」の可否を投票することはできません。ある意味、しがらみや組織を背負っているわけではないフリーな自分だからこそ、副座長を辞めることでこの議論に改めて一石を投じられたらと考えました。
(略)

この医師に限って桁外れに長い労働時間を認めようと言う検討会の議論の方向性については、過労死した医師遺族らからも強い反発の声が上がっていることは当然と言えるでしょう。
その錦の御旗となっているのが医療を守ると言う魔法の言葉ですが、では医療現場において医師が医師にしか出来ない業務に専念出来ているかと言えば、はなはだ疑問の余地が残る部分があります。
特に大学病院や一部公立病院では労組のない医師の立場は比較的弱く、特に若手医師は給与面でも冷遇されている現実があり、それが為に安上がりな労働力として無制限に酷使されてきたのが現実です。
医師の働き方改革に伴い適切な労働管理が必須条件に挙げられていますが、これら医師が労働量に見合った適正な報酬を得ることも、働き方改革の大きな推進力になる可能性があると思いますね。

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2019年2月23日 (土)

今日のぐり:「牡蠣屋」

先日当事者が亡くなったと報じられたばかりの有名な写真に関連して、こんなニュースが出ていました。

「勝利のキス」像に「MeToo」の落書き(2019年2月20日CNN)

(CNN)第2次世界大戦の勝利を喜ぶ米水兵が女性にキスをする有名な写真を模して、フロリダ州サラソタ市内に建てられた像に、セクハラ告発運動の合言葉となっている「#MeToo(私も)」の落書きが見つかった。
落書きは19日午前、警察が発見した。キスされている女性の脚の部分に、赤いスプレー塗料で文字が書かれていた。何者かが18日午後から夜にかけての時間帯に吹き付けたとみられる。
周辺に証拠や防犯カメラの映像は残っていなかった。警察は、落書きの範囲が広いことなどから損害額は1000ドル(約11万円)を超えるとの見方を示した。
落書きはすでに消されたが、警察は目撃情報などの提供を呼び掛けている。

「勝利のキス」の写真は終戦の瞬間、ニューヨークのタイムズスクエアで撮影された。キスをしている水兵として一躍有名になったジョージ・メンドンサさんは17日、96歳の誕生日を目前に死去していた。
メンドンサさんは生前、当時を振り返って、何杯か酒を飲んだ後で見知らぬ看護師が目に入り、とっさに捕まえてキスをしたと話していた。
キスされた女性のグレタ・フリードマンさんも、後になって「水兵に突然捕まえられた」「相手の男性は恋愛感情と無関係に、ただ戦争が終わってよかったと大喜びの様子だった」と語っている。

公共物に落書きも如何なものかですが、事情を聞けばそれまもう御説ごもっともとしか言いようが無い話ではありますね。
本日は思わぬ歴史的騒動に巻き込まれる形となったグレタさんを慰撫する意味で、世界中からそれはごもっともであると言うしかないニュースを取り上げてみましょう。

FPSゲームのアクセス記録も確認。良心的兵役拒否をめぐって韓国検察(2019年1月11日ハフポスト)

済州地方検察庁は現在、兵役法違反の疑いで裁判を受けている済州地域の宗教上の理由での兵役拒否者12人に対し、国内の有名ゲーム会社の会員加入の有無を確認しているという。

2018年11月1日、韓国・最高裁判所は「良心による兵役拒否者」に無罪判決を下した。これにより、刑務所に収監されていた兵役拒否者58人が仮釈放された。
しかし、すでに兵役拒否者と関連して930件ほどの裁判が進行している状況だ。このため検察は18年12月、「信念の信憑性」を把握するための10の判断指針を設けた。
このうち、兵役拒否者の信憑性を把握するための具体的な指針は、■被告が教理を熟知し、徹底的に従っているか、■被告人の信仰期間と実際の宗教的活動、■被告人の家庭環境、成長過程、学校生活、社会経験など全般的な生活の様子などだ。

しかし、この部分をどのように把握すれば良いのか。
1月10日の報道によると、検察は兵役拒否者の「FPS(First-personshooter)ゲームへのアクセスの有無」まで確認しているという。
News1によると、済州地方検察庁は現在、兵役法違反の疑いで裁判を受けている済州地域の宗教的兵役拒否者12人に対し、国内の有名ゲーム会社の会員加入の有無を確認しているという。

FPSゲームは、一人称の視点で銃器を利用して戦闘を繰り広げる形のゲームだ。1990年代「Rainbow Six」、2000年代には「Counter-Strike」と「Special Forces」を経て、現在は「PUBG」と「Overwatch」のようなゲームがFPSゲームマニアたちから愛されている。
検察は、拒否者の相当数が「執銃拒否」という教理に従うために兵役を拒否しているだけに、これらがFPSゲームをしたというのは教理に従わなかったものと判断する。
済州地方検察庁の関係者はインタビューで「国内ゲーム会社いくつかを選び、裁判所に事実照会申請を送った」「もし確認されて、PUBGなどを毎晩楽しんでいるとするならば、良心の信憑性が認められないと見なければならない」と述べた。

なるほど確かにと納得するしかない話ですが、これもいずれうまい抜け穴的主張が登場することになるのでしょうかね。
アメリカと言えば昨今航空会社絡みのトラブルが相次いで報じられていますが、その中でこんなニュースが注目されていました。

ユナイテッド航空、肥満の乗客に挟まれ苦情を言った女性客を降機させる(2019年2月4日テックインサイト)

狭い機内のエコノミークラス座席で両脇を肥満の乗客に挟まれたとなると、長時間でなくともフライト中は窮屈な思いをし、不快感やストレスが溜まることだろう。このほどユナイテッド航空便の機内で、肥満カップルの真ん中に座っていたことで「窮屈」と文句を言った女性が、降機させられる出来事が起こっていたことを『New York Post』『Metro』などが伝えている。

1月2日、米ネバダ州ラスベガスからニュージャージー州のニューアークへ向けて飛ぶ予定のユナイテッド航空1583便の機内から、白人女性が降ろされる出来事が起こった。
この白人女性は3列ある並びの中央の座席に座っており、両脇にはプラスサイズの乗客が乗っていた。窓側に座っていたのはニュージャージー州に住む看護師ノーマ・ロジャーズさんで、通路側はノーマさんのパートナーである男性マッキンリー・マック・フリンクさんが座っていた。白人女性は離陸前に誰かと携帯電話で通話しており、その会話の内容が自分たち対する文句であることに気付いたノーマさんは、自身の携帯電話でその様子を録画し始めた。撮影されたその動画では、白人女性がこのように話していた。
「ちょっと、これから4時間のフライトにどうやって耐えたらいいのかわからないんだけど。両脇から押し潰されそうなのよ。信じられない。右も左も肥満の乗客なのよ。座ってられないわ。まぁでも、少なくとも2人に挟まれて暖かさは保てるとは思うけど。」
(略)
ノーマさんは同日、自身のFacebookに「2019年最初のフライトはラスベガスからニューアーク行きのUA1583便だったんだけど、女がプラスサイズの私とマックに挟まれてると暴言を吐きだしたのよ。昔の私なら、女の尻でも引っ叩いてやるところだけど、フライト管理責任者に女を降機させるように頼んだの。女は機内から降ろされたけど、嫌な気分は続いているわ。2002年から仕事で定期的に飛行機を利用しているけど、こんな不快な思いをしたのは初めて」という怒りを露わにした投稿をしながらも、「CAやフライト管理責任者、ゲート職員のみなさんは問題をエスカレートさせることなく、迅速かつ穏やかに対応してくれたことに感謝したい」とも綴っている。
この件について、ユナイテッド航空スポークスマンは「全てのお客様の安全と満足のケアに努める当社の客室乗務員は、混乱を生じさせたこの女性客のために別の座席を見つけるよう迅速に対応しました。しかし、この乗客の態度が機内で問題になり得る可能性が高いということが明確になったため、降機を命じ、翌朝の代替え便を手配いたしました」と述べている。

このニュースを知った人からは、「悪いけど、やっぱりオーバーサイズの乗客は2席分払って席を取るべきだと思う。肥満の2人に挟まれるのは誰だって窮屈でしょ。ただ、この女性も普通にCAに席を移動したいって言えばよかったんだよね」「確かにこの女性の態度は大げさだけど、同情する気持ちはある。ましてこの肥満客がカップルなら、座席をもう1つ余分に取ってくっついて座ればよかったのでは?」「女性の態度もダメだけど、なにも降ろさなくてもいいと思う」「失礼な人は嫌いだけど、この肥満のカップルも真ん中に関係のない乗客を挟んで離れて座るっておかしいだろ」「この白人、黒人にやり込められて警察を呼ばなかったのが驚きだ」「降機させるなんて、女性には不公平すぎるでしょ」「航空会社も肥満客からは倍の料金を取るべき」といった声があがっている。

動画を見ますと確かにそれはちょっと…と言いたくなる状況なのですが、アメリカ的な様々な事情が絡み合った事件ではあると言えますね。
テロとの戦いが世界的に続いている中で、これはやむなきと言うニュースが出ていました。

過激派組織IS参加のイギリス出身の少女 国籍剥奪か(2019年2月21日NHK)

4年前、中東のシリアに渡り、過激派組織IS=イスラミックステートに加わっていた19歳のイギリス出身の少女が帰国を望んでいた問題で、イギリスのメディアは、政府が少女の国籍の剥奪を決定したと伝えました。

イギリス出身で19歳のシャミマ・ベガムさんは、4年前、シリアにわたって過激派組織ISに参加していましたが、今月になって、シリア北部の避難民キャンプにいるのが確認されました。
ベガムさんは、キャンプで産んだ息子とともにイギリスへの帰国を望んでいましたが、イギリスでは、みずから過激派組織に参加したことを危険視する意見もあり、帰国を受け入れるべきか意見が分かれていました。
こうした中、イギリスの民放「ITV」は、イギリスの内務省がベガムさんの国籍剥奪を決定した文書が家族のもとに届いたと伝えました。

イギリス政府の公式な発表はありませんが、メイ首相は、「テロに加担した人物を見逃さないという政府の姿勢を示すことは重要だ」と述べ、帰国を受け入れない考えを示しました。
これに対して、ベガムさんの家族は、弁護士を通じて、「非常に残念だ。異議を申し立てるため、あらゆる法的な手段を考えている」とコメントしていますが、ベガムさんのイギリスへの帰国が実現する見通しはたっていません。
(略)

世界的に同種のケースは多発しているそうで、これは自らの選択の結果に責任を取るしかないのでしょうか。
最後に取り上げますのも同じくブリからのニュースなのですが、まずは記事から紹介してみましょう。

オーウェル、英国料理酷評=70年前にエッセーの出版拒否-英文化機関(2019年2月9日時事通信)

【2月9日 時事通信社】「1984年」「動物農場」などの作品で知られる英作家ジョージ・オーウェル(1903~50年)が46年に書いた英国料理を酷評したエッセーの出版を、執筆を依頼した英公的文化機関ブリティッシュ・カウンシルが見送っていたことが分かった。
 カウンシルは公式に謝罪し、経緯とエッセー全文を7日に公表して「償い」の姿勢を表明。「最良の作家も掲載拒否に遭うことはあるが、70年以上たってから謝罪を受けるのは珍しい」(BBC放送)と話題を呼んでいる。

 カウンシルは当時、英国文化の普及活動の一環で英国料理について執筆するようオーウェルに要請。オーウェルは、英国料理を「単純かつ濃厚、そして少々野蛮な食事」と紹介し、「英国の安いレストランは必ずと言っていいほどまずく、高いレストランで出されるものは大抵フランス料理だ」などとつづった。
 カウンシル側は出版中止を本人に伝えた手紙の中で、「幾つかの小さな問題はさておき、素晴らしいものだ」と一応は内容を評価。一方で、「(欧州)大陸の読者に読ませるのは得策でない」と出版取りやめの理由を説明していた。
 カウンシルは「当時は形式張ったリスク回避型だった」とし、第2次世界大戦の食糧難の記憶が新しい時期に、料理に関する文章を世に出すのを避けようとしたと分析した。

この件で恐ろしいのは現状においても恐らく、戦中戦後の食糧難時代とさして変わらぬ状況が残っているのではないかと言う疑念があることでしょうか。
しかしさすがに事実に反していると言う理由で掲載拒否をされたのではないと言う点で、辛うじてブリ的良心が発揮されたおではないかとも思えます。

今日のぐり:「牡蠣屋」

広島湾に浮かぶ宮島と言えばこの時期牡蠣料理は欠かせませんが、数ある牡蠣料理屋の中でも近年評価が高いのがこちらのお店です。
営業時間が来ればすぐ満席になってしまうのでなかなか利用しにくいところがあるのですが、この日は幸い待たずに入ることが出来ました。

主な料理が一通り揃った特選牡蠣屋定食を頼んで見ましたが、ノーマルの牡蠣屋定食と比べても粒選りの牡蠣を選んでいるとのことです。
まず出てきたのが焼き牡蠣ですが、これが素晴らしい牡蠣で、大ぶりで立派な身は味も濃く、うまいと言うしかありません。
牡蠣フライもジューシーで揚がり加減もバッチリですし、牡蠣飯も味のバランスがちょうど良く、味噌汁から小鉢に至るまでどれも満足出来る味です。
全ての料理に気を使われていて完成度が高いなと言う印象ですが、これがこの値段で頂けるのですからなかないいお店ですね。

ノーマルの牡蠣屋定食も十分満足出来る味ですが、数百円の違いではっきり判るほど味が変わってきますので、特選を選ぶ価値は十分あります。
こちらのオペレーションはシステマチックで効率がよいからお店も回っているのですが、しかしトイレだけは明らかにキャパ不足に思えるのですが如何なものでしょうね。

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2019年2月20日 (水)

医師不足対策から医師偏在対策へ

医師不足ならぬ医師偏在であるとの意見はすでに久しく以前から根強く支持されているようですが、先日厚労省が医師偏在の実態を公表したと報じられていました。

「医師少数」16県を公表=偏在是正を促進-厚労省(2019年2月18日時事通信)

 厚生労働省は18日、都道府県や各地域の医師数の偏りの度合いを示す「医師偏在指標」について、現時点の推計を公表した。

 都道府県別では下位の岩手や新潟など16県を「医師少数3次医療圏(都道府県)」として、重点的に医師不足解消を促進する方針。同日開いた医師需給に関する有識者検討会の分科会で示した。
 推計によると、16県は岩手、新潟、青森、福島、埼玉、茨城、秋田、山形、静岡、長野、千葉、岐阜、群馬、三重、山口、宮崎。

 厚労省は2036年度の医師偏在解消を目指している。19年4月施行の改正医療法では、都道府県が複数の市区町村などで設定する「2次医療圏」ごとに、医師数や人口などを基に算出する医師偏在指標に応じ、医師少数区域・多数区域を指定。少数区域の医師確保のため重点的に対策を進める。 

36年の医師不足、5千人超 厚労省推計、増える恐れ 都市圏からの配分、急務(2019年2月18日共同通信)

 厚生労働省が2036年時点で各都道府県で必要とされる医師数を推計すると、最も医師の確保が進んだ場合でも、12道県で計5323人の不足が見込まれることが17日、関係者への取材で分かった。医師確保が進まない場合、必要な人数を満たせない34道県の不足分を積み上げると、3万人超となる。東京や大阪など13都府県では、その場合でも必要人数を上回る医師が確保できると予測されており、大都市圏から不足地域に医師を配分する施策が急務となる。
(略)
今回の推計は、患者の年齢や性別による受診率や、配置されている医師の性や年齢、将来の人口変化などを考慮し、36年時点で必要とされる医師数を算出。2次医療圏ごとでは、全国335カ所のうち約220カ所で医師が不足する結果となった。
 都道府県ごとの推計をみると、医師確保が最も進んだ場合でも、新潟で1534人、埼玉で1044人、福島で804人の不足が生じる。
 医師確保が進まなかった場合は、埼玉で5040人、福島で3500人、茨城で2376人と不足人員がさらに増えると推計。必要人数を満たせなかった34道県の不足分を、他の都道府県からの流入を考慮せず、単純に積み上げると、3万4911人となる。一方、その場合でも、東京で1万3295人、大阪で4393人、福岡で2684人が必要な医師数を上回ることが見込まれている。

何事も全く均質均等と言うことがない以上、相対的に医師が多い地域もいれば少ない地域もいるのは当然ですが、問題は相対的多寡ではなく絶対値として医師が各地域で不足しているのかどうかです。
同じ数の医師がいても勤務医と開業医では役割も異なり、医師自体は多数いるのに入院出来る病院は不足していると言った場合もあるはずで、この辺りは地域の医療需要との兼ね合いもありますよね。
医療の医療供給体制を単純に医師の数や病床数だけで語ると誤解や勘違いを招くのと同様、地域の医療需要についても本来地域差はあるはずですが、この点はあまり議論されてこなかった部分でもあります。

すでに都道府県毎に診療報酬点数の平均値もずいぶんと差がある事実も知られているように、地域それぞれで異なった医療が行われている事実があり、地域なりの医療需要に応えてきた結果とも言えます。
例えば高齢富裕層の済む地域と若年労働者の済む地域では求める医療、必要とされる医療の内容に違いがある道理ですが、全国一律公定価格の皆保険医療としては個別の要求には応えにくいところです。
個別化医療に関しては本来混合診療を認め自己負担でどうぞと言えれば良いのですが、一部医療系団体が断固反対の立場を崩しておらず、場合によっては医療リソースを無駄に遊ばせている場合もあるでしょう。
また需要と供給の釣り合いと言うこと関連して言えば、むしろ単純な数よりも重要かつ解消が難しいのが診療科の偏在ではないかとも思うのですが、こちらも先日合わせて厚労省から発表が行われています。

内科、外科など10科は必要数増、精神科など8科は減(2019年2月18日医療維新)

 厚生労働省は2月18日の「医療従事者の需給に関する検討会」の第28回医師需給分科会(座長:片峰茂・長崎大学前学長)で、新専門医制度における18の基本領域(総合診療を除く)について、2036年の必要医師数と2016年の医師数などを比較した「診療科ごとの将来必要な医師数の見通し(たたき台)について」を提示した。診療科別の将来推計を示したのは、初めて。

 最も増員が必要なのは内科で1万4189人分、以下、外科4363人分、脳神経外科は2523人分と続き、計10領域は必要医師数が増加。一方、今よりも必要医師数が減少するのは、精神科1688人分、次いで皮膚科1414人分、耳鼻咽喉科1229人分など8領域(資料は、厚労省のホームページ)。
 都道府県がこの4月から策定する医師確保計画は、地域別の医師偏在解消が主たる目的だが、診療科別の偏在是正に今後取り組むための「たたき台」として提示したのが、今回の推計。皮膚科、精神科、眼科、耳鼻咽喉科の4科は現時点でも過剰という結果だ。
 厚労省は、推計の提示により、診療科の偏在解消につながることを期待するが、十分な効果が生じない場合には、「診療科ごとに都道府県別の定員を設定するなど、さらなる医師偏在対策について、早急に検討を加えていくこととしてはどうか」と提案している。

 推計対象は、新専門医制度のうち、総合診療を除く18の基本領域。2018年度から養成が始まった総合診療領域は含まれておらず、「総合的な診療の領域の役割などについて別途検討を行う必要がある」としている。
 17の基本領域ではDPCデータを、精神科のみDPCの対象外であることから患者調査をそれぞれ使用。各疾患をどの基本領域の医師が診ているかなどを算出、勤務時間の短縮、将来の患者数の変化などを加味し、必要医師数を推計。患者数の変化以上に、必要医師数の増減に影響するのは、医師一人当たりの平均勤務時間だという。働き方改革が進められる中、必要医師数は現時点で平均勤務時間が長い領域ほど増える一方、短い領域では減る
 この推計の活用法として、厚労省は(1) 医師が、適切に診療科を選択することで診療科偏在の是正につながる、(2)各都道府県において、県外からの適切な医師派遣調整等や地域枠医師が適切に診療科選択できるような取り組みを行っていく、(3)専門医制度におけるシーリング設定等にあたり、エビデンスとして活用される――を挙げる。

 日本精神科病院協会常務理事の平川淳一氏は、精神科の必要医師数が最も減少することを踏まえ、「DPCデータがベースになっているが、精神科はDPCから外れている。圧倒的に減らすとなっている。この推計を全国的に使うと混乱を招く。生活保護を受けている患者も多い」などと述べ、「精神科については、この流れでないことを明確にしてもらいたい」と主張。厚労省医政局医事課は、「なかなかいいデータはない」と返した。計算方法をより精緻にしていくとともに、都道府県別の診療科別必要医師数数を出すことが今後の課題であるとした。
 聖路加国際大学学長の福井次矢氏は、「総合診療専門医をどのくらい養成するかによっても随分違う。国の方針として、プライマリケアを専門とする医師を養成していくという意思表示をしてもらった方が、若手に安心感が生じる。ビジョンをぜひ作っていただきたい」と要望。国立がん研究センター中央病院呼吸器内科病棟医長の堀之内秀仁氏も、総合診療専門医をはじめ診療領域が幅広く、医師の偏在対策に有効な診療科の取り扱いの検討を求めた。厚労省医政局医事課はあくまで現在の診療科がどの疾病に対応しているかをベースに推計したものであり、総合診療専門医などの在り方は並行して議論をしていくことが必要だとした。

(略)
精神科の需要などは正直読みにくい部分もあるかと思うのですが、いきなり1000人以上も過剰だと言われては面白くないのは当然ですし、今後の学生の進路選択にも影響を与えそうな話ですよね。
個人的に身体診療科研修を経験した世代が精神科領域でも主流になっていくと、診療のあり方も変わってくるものかどうかは興味があるのですが、ともあれ過剰を指摘された診療科が今後どうなるのかです。
診療科毎の地域定員制導入などは開業の多いマイナー診療科にとっては大変な影響がありそうな話で、当然ながら一部医療団体の激しい反発が予想されますが、実際に導入された場合の影響がどうなのかですね。

すでにその診療科でやっている先生が規制導入で転科するとも思えず、学生の進路選択に影響するとしてもその結果は10年、20年後に出る話で、長期的に正確な予測が出来なければ後々困大いにることでしょう。
また日本ではそもそも標榜診療科の自由があり、外科と名乗っていても実際にやっている仕事は内科であると言ったことは全く珍しくありませんが、規制逃れに意図的な標榜診療科騙りが横行する可能性もあります。
養成数を大幅に増やした弁護士などは弁護士不在地域は一向に解消せず、ワープア化が進んでも都市部に集中しているそうですが、何事も商売にならないのであれば人材が来ないのは当然ではありますね。
偏在解消には規制強化などムチの部分だけでなく、不足している地域や診療科で働くことのメリットと言うアメを幾ら用意出来るかにかかっていると思うのですが、医療費抑制政策を考えると期待は出来そうにないでしょうか。

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2019年2月18日 (月)

ますます重くなる都道府県主体の医療行政の位置づけ

2020年度から始まる地域医療構想とも関連して、今後医療行政における自治体の役割が極めて重くなりますが、さらに医師の働き方改革成就への責任も伴うと言うニュースが出ていました。

地域医療構想、医師確保計画、働き方改革は「一体的に」(2019年2月15日医療維新)

 厚生労働省は2月15日、2018年度の第3回医療政策研修会と第2回地域医療構想アドバイザー会議を、47の都道府県担当者、医師会、医療関係団体を集めて都内で開催した。
 厚労省医政局地域医療計画課長の鈴木健彦氏は、現在進めている地域医療構想、この4月から始まる医師確保計画、医師の働き方改革という3つの施策は密接に連動しており、一体のものとして取り組む必要性があると説明した。2020年度からは、臨床研修病院の指定などの事務は厚労省から都道府県に移管され、地域医療における都道府県が担う役割は、今まで以上に高まる。鈴木課長は、各種施策の実施に当たって、都道府県が医師会や大学と広く連携していく必要性も指摘した。

 鈴木課長は、地域医療構想については、公的・公的医療機関等の役割の明確化する必要性を強調した。公的・公的医療機関等については、「新公立病院改革プラン」「公的医療機関等2025プラン」を策定、地域医療構想調整会議に諮り、関係者の間で合意形成することが求められる。2018年12月末までに、合意形成に至ったのは50%強にとどまることから、2019年3月までに全てのプランについて合意形成に至るよう、鈴木課長は協議の徹底を求めた。
 その際の注意点として、「具体的な対応方針の協議に当たっては、現状追認の機械的な合意にならないように」と釘を刺した。「公立・公的医療機関等でないと担えない分野に重点化をおいたプランが練られているかどうか、といった点も確認し、協議をすることが必要」(鈴木課長)。
(略)
 医師偏在対策については、厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」の医師需給分科会で現在、取りまとめに向けた議論を進めている(『「医師少数区域」は「下位33.3%」、111の2次医療圏』を参照)。鈴木課長は、「今年度末までに、医師偏在指標も含む医師確保計画、外来医療計画、および外来医療に関する協議の場の方針を示すこととしている」と述べ、次回2月18日の会議に、地域ごとの医師偏在指標、それに基づく「医師少数区域」「医師多数区域」の結果を示す予定であるとした。

 医師の働き方改革についての議論の場は、厚労省の「医師の働き方改革に関する検討会」(『医師の健康確保措置、実施しなければ「暫定特例解除」も』を参照)。鈴木課長は、2024年4月から、医師にも時間外労働の上限規制が適用されることから、同検討会で3月までに結論を取りまとめる予定であると説明。また医師以外の医療関係者については、この4月から時時間外労働の上限規制が適用されることから、働き方改革を進めるよう求めた。「医師が仕事と家庭を両立し、健康に働き続けることができるよう、関係団体とも協力しながら着実に改革を進めていきたい」(鈴木課長)。

 臨床研修事務については、2020年度から、都道府県が地域医療対策協議会の意見を聞いた上で、臨床研修病院の指定、定員設定等を行う仕組みが導入される。「地域の実情を把握している都道府県が事務を行うことにより、県内の医師不足と言われる地域における臨床研修医の増加など、きめ細やかな対応が可能になると考えている。今後、都道府県向けの事務説明会の開催のほか、事務処理マニュアルについても提供する予定」(鈴木課長)。

地域医療構想と医師確保計画、医師の働き方改革が互いに連動していると言うのはその通りで、当然労働量に見合ったリソース配分がなければ働き方改革など達成し得ない道理ですよね。
その配分の主体となるのが今後都道府県になってくると言うのが地域医療構想の要ですが、国政レベルと異なり医療行政のノウハウも十分だとは言い切れない現状で、果たして適切なリソース管理が出来るのかです。
特に自治体首長や議員らが民意尊重と言う名の下に選挙対策を行ってしまった結果、求められるべき適正な配置からかけ離れたものになっては仕方がないので、当面は国による添削は必要となりそうです。

ちなみに記事にもありますように、先日の医療従事者の需給に関する検討会において医師少数区域の定義について、全国二次医療圏の下位1/3を基準とする旨の提案があったそうです。
下位1/3に含まれるのが人口で約12%、医師数で約7%なのだと言い、今後いかにしてリソース再配分を進めるかが課題になりますが、一つには医師少数区域での勤務歴を施設管理者の要件とするアイデアです。
勤務年数やどの程度の規模の施設の管理者までの要件にするかなど、条件の細部については未だ検討中とのことですが、基本的には導入は規定の路線となっているようで、医師のキャリア形成にも関わる話です。

この「認定医師」精度なるもの、大学医局に所属していれば一定期間のドサ回りの経験などもあるでしょうし、少なくとも非常勤の派遣といった形で僻地にも行った経験がある先生が多数派ではないでしょうか。
その意味で医局人事に関係なく動いているフリーの医師にとってより意味合いが重い制度になるのかとも思うのですが、将来の出世を目指すなら時期を見て田舎病院勤務も経験しておくべきと言うことですね。
ただ交通の便がよいなど、時間的距離的に大都市部に近いにも関わらず医師少数区域扱いになるおいしい二次医療圏も出てくるはずで、そうした地域は今後狙い目として医師が集まることになるかも知れません。
この辺りの算段も含めて都道府県は地域内の医療構想をまとめる必要があるわけですが、見解に偏りのある医療系団体の言うことばかりではなく、現場医師の意見も聞きながら計画を立てていただきたいものですね。



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2019年2月16日 (土)

今日のぐり:「かいだ屋」

先日のバレンタインに関連して、こんな記事が話題になっていました。

バレンタインに56回オナニーして死んだ“テクノブレイク少年”の最期がヤバすぎる!(2019年2月13日トカナ)

(略)
 孤独なバレンタインを過ごすと人はどうなるのか? 自由に過ごせる独りの時間だからといって、“一人遊び”が過ぎるのは考え物であるようだ。バレンタインの日に少年の身に起きた“悲劇”が話題になっている。

 数年前、米・オレゴン州ポートランドの10代の少年が、バレンタインデーの日に亡くなるという痛ましい出来事が起きた。死因は心臓発作なのだが、それを招いたのは56回も連続して行ったオナニーであったというのだ。
 もともと少年はうつの傾向があり、部屋に引きこもりがちだったのだが、バレンタイン当日にはこれまでにも増して極端な孤独感にさいなまれていたようだ。そこでついつい“熱中”してしまったのがマスターベーションということになる。
 少年の母親はその日、昼食を食べに1階に下りてくるようにと少年に呼びかけたのだが、1時間ほどしても少年はまったく来る気配がなかった。少年は親の目を盗んで食べ物を持っていくこともよくあったのだが、この日はキッチンのテーブルに用意した料理は何ひとつとして減っていなかった。
 不審に思った母親は息子の部屋の様子を見に行き、この悲劇を目の当たりにすることになったのだ。
(略)
「息子は人目を盗んで食べ物を持っていくような子でしたけど、私がお昼ごはんができたと呼びかけてから1時間がたって、何か良くないことが起こっていることに気づきました」と母親は涙ながらに地元メディアに語ったという。
 家にやってきた地元の警官も少年の部屋に立ち入った時の模様を地元メディアに話している。
「若い男がベッドで倒れていました。千切れた彼のペニスは左手にしっかりと固く握られていて、我々はその場では彼の手からペニスを外すことはできませんでした。きわめて痛ましい現場でした」(地元警察官)
(略)

一部ではよくある都市伝説の類ではないかと言う説もあるようですが、いずれにせよ過ぎたるは及ばざるがごとしと教訓にすべき話ではありますね。
本日は亡くなった少年に哀悼の意を表して、世界中から少しばかりヤり過ぎてしまった方々のニュースをお伝えしてみましょう。

顔につまようじボーガン 傷害容疑で焼き肉店主逮捕(2018年1月10日共同通信)

 焼き肉店の男性店員(35)の顔に小型のボーガン状の玩具でつまようじを数十本撃つなど暴行を繰り返したとして、大阪府警捜査1課は10日までに、傷害や暴行の疑いで同府泉大津市の焼き肉店経営者向井正男容疑者(42)=同市=と、店長御園生裕貴容疑者(25)=同市=ら男女3人を逮捕した。

 捜査1課などによると、玩具はインターネット上で「つまようじボーガン」と呼ばれ、観賞用などとして売られており、向井容疑者らは「スマートフォンの通販サイトで買った」と供述。
 同容疑者らのスマホには、店員の顔中に複数のつまようじが刺さっている画像や動画が保存されていた。

それがどのようなものであるかは画像を検索いただきたいのですが、しかしこんな精巧なものを何に使うものなのでしょうね?
昨今では突然キレる人のニュースは珍しくありませんが、こちら何が何やら?と多くの方を困惑させたニュースです。

女子高生を警棒で殴る、男を逮捕(2019年2月12日日テレNEWS24)

11日夜、栃木県の宇都宮駅前で、女子高校生を警棒で殴りケガをさせたとして、24歳の男が現行犯逮捕された。
警察によると、現行犯逮捕された自称・会社員の田口裕太容疑者は、11日午後7時頃、宇都宮駅前のバスロータリーで、持っていた特殊警棒で女子高校生を殴り、ケガをさせた疑いが持たれている。女子高校生は額を数センチ切ったが、命に別条はないという。

田口容疑者と女子高校生は直前までバスに乗っていて、バスの車内で気分が悪くなった別の女子生徒が吐いたものが田口容疑者の服にかかったという。
田口容疑者は、この生徒を介抱していた女子高校生にバスを降りた後に襲いかかったということで、調べに対し「優しく介抱していたことが頭にきて殴った」と容疑を認めているという。

吐物をかけられて当の相手に逆上するならまだしも、何故介抱している別の人間に当たるかですが、同容疑者なりの理由があったのでしょうかね。
海外でもキレる大人は珍しくないようで、まずはこちら少しばかり短気すぎる方のニュースを紹介してみましょう。

ミートパイ待ちきれず…激怒のワケ(2019年2月11日FNN)

アメリカ・ニューヨークで、野球のバットを振り上げ、店のウインドーをたたき割る女。
実は「ミートパイ」が売り切れだったことに激怒し、このような行動をとったとみられていて、店内の防犯カメラには、興奮した様子で話をする姿が収められていた。

店のオーナーによると、女は常連客で、普段はフレンドリーな印象だったという。
被害額は20万円余りで、地元警察は、この動画を公開して、女の行方を追っている。

売り切れだったために怒りの発端となったミートパイは、現地のレストラン口コミサイトでも、高い評価を得ている。
店の人は「10分待ってくれれば提供できたのに、このようなことになってしまって悲しい」と話している。

正気を失っているとしか思えない状況は元記事の動画を参照いただきたいのですが、それは悲しいと言うしかない状況でしたね。
最後に取り上げますのはインドからの話題ですが、肉屋だけにシャレにならない事態になってしまったようです。

ポルノを見た息子に激怒し父親が息子のアレを切断!(2019年2月10日ゴゴ通信)

ポルノをコッソリ見ていた10代の息子。それに激怒した45歳の父親が激怒しとんでもない行動に出たという。

インド南部のテランガーナ州で肉屋を営んでいるモハマドは、息子がスマートフォンで毎日のようにポルノを閲覧して困っていたという。しかも何度も父親にバレて怒られていたにも関わらず見るのをやめなかった息子にとうとう怒りが頂点に。
そんな父親は息子と口論になり最終的に息子に対して「家から出て行け」と言い放った。息子は家から出て行きその日の夜遅くに帰ってきた。
翌朝も口論は続き「ポルノを見るのを辞めろ」と怒り、父親は肉屋のナタを持ってきて息子の右手に振り下ろした。
息子はその場で悲鳴をあげて倒れ、息子の右手はかなりの部分が切断されてしまい大出血。家族は慌てて息子を病院に搬送したが、切断の具合が酷く、手術も不可能な状態であった。

父親は警察に自分の罪を認めており、殺人未遂の疑いで起訴され、裁判を受けているという。

息子の息子を切り落としてしまうとは早まったものですが、しかし手術不可能とは悲劇的と言うしかないですね。
まずは息子の快癒を祈るばかりですが、今後この親子の将来が心配になるところです。

今日のぐり:「かいだ屋」

高知県は坂本龍馬空港にほど近いこちらのうなぎ屋、看板代わりに掲げられた軽飛行機が非常に目立つランドマークになっています。
店構えはごく庶民的な雰囲気で敷居も低そうなのですが、以前にお邪魔して良いうなぎをいただいたことから再訪してみました。

しらやきとうな重並を頼んで見ましたが、しらやきは香ばしい焼き加減と頃合いの脂、身のうまみがなかなかいいバランスです。
うな重並はなかなか立派なうなぎですが、関西風の気持ちの良い焼きにタレの具合もちょうどよい塩梅で、ボリューム感も含め満足いくうな重ですね。
こちら食感からすると天然うなぎのようにも感じたのですが、さすがにうなぎも値は上がっているものの、これだけの味なら納得出来ると言うものです。

この内容ならお客の入りにも納得出来ると言うものですが、中に入ると相当な広さがあり回転も速いので待ち時間は思ったより短く助かります。
設備や接遇も含め近所の定食屋的な来やすい雰囲気がありますが、それだけにトイレなども昭和を思わせる昔懐かしいスタイルなのは唯一残念ですね。

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2019年2月14日 (木)

インフルエンザ蔓延する中でもマスクをしないことが顧客サービス?

ある方面では好評であったと言うのですが、多方面からは批判が殺到したと言うのがこちらのニュースです。

窓口の“マスクなし対応”むつ市に批判の声 「職員を感染の危険にさらす」「マスクしてると失礼は時代遅れ」(2019年2月6日BIGLOBEニュース)

不快な印象を与えかねない」などの理由から窓口応対の職員に対しマスクをつけないよう求めていると報じられた青森県むつ市に、ネットでは批判や疑問の声が多く寄せられている。
朝日新聞デジタルによると、“ノーマスク”での窓口応対は、「表情が見えづらく不快な印象を与えかねない」「会話が聞き取りづらくなって説明の内容が十分に伝わらない恐れがある」との理由から、マナー講師とも相談し昨年12月中旬から開始したという。一律にマスク着用を禁止しているわけではなく、アレルギーなど健康上の理由や業務上必要な場合、抵抗力の弱い小さな子どもが家庭にいる職員は例外としているとのこと。また、市民からは評価する声が寄せられていると伝えている。

報道を受けてネットでは、マスクを禁止する理由に不快感を挙げていることに疑問を呈する声や、職員の健康を気遣う声が相次いでいる。
「マスクが失礼の意味が分からない」
「マスクするもしないも個人の自由だし、別に不快な印象なんて感じたこともない」
「『マスクしてると失礼』という風潮をまず変えてかないと。時代遅れ」
インフルが流行ってるこの時期にわざわざ?
「マスクなし対応のほうが今の時期逆にやめて欲しい
体調不良の職員を休ませるなんて事は当たり前。その上で、職員・来庁者双方がマスクを着用するべき」
職員の人を感染の危険にさらす
「好評、不評関係なく、まずは人を守ることが大事
「役所の窓口はきちんと仕事をしてくれるのが第一で表情は三の次四の次レベルでは」
「市役所にこういう対応されると民間もこれと同じノーマスクにしないといけなくなる」
一方では、「マスクが失礼なのは分からなくはない」と一定の理解を示す声も寄せられている。

失礼かどうかは人それぞれの価値観も絡む問題で一概には言いにくいのですが、インフルエンザを始め感染症の蔓延する時期にこうした対応を職員に強いることに、少なからず批判が寄せられているようです。
この場合二通りの意味合いがあり、一つには不特定多数と接する職員がインフルエンザ等への感染防御を徹底することで、間接的に職員を経由しての市民への感染蔓延が防げると言う意味合いがあるでしょう。
他方で職員自身がすでに罹患していた場合、市民への暴露を防ぐと言う観点もありますが、本来的にこちらの目的であればマスクで誤魔化すのではなく、職場として休養を命じる等の対応が本筋であると言えます。
とは言え人手不足の時代に風邪でなかなか休めるものではないと言う事情もごもっともなのですが、それを職場の側からスタッフに強要するとなると問題で、こんなびっくりニュースも報じられていました。

インフルエンザでも出社を強要するブラック上司。感染拡大でひどいトラブルに…(2019年2月8日女子SPA!)

(略)
 体調管理に人一倍気を使い、ここ数年はカゼすらひいたことすらなかったという竹村晴美さん(仮名・28歳/ゲーム制作会社)ですが、昨年インフルエンザに感染。これも同僚にうつされたことが原因だったといいます。
(略)
 昨冬のある日、制作部門の20代半ばの男性社員Mさんが顔色も悪く、激しく咳き込むなど見るからに体調が悪そうでしたが、心配して声をかける同僚もいたものの、チーフは見て見ぬフリ
 実は、このとき納期が複数重なっていつも以上に忙しかったうえ、作業も予定より遅れていたため、制作チームは連日の深夜残業を余儀なくされていたそうです。
「翌朝、Mさんから病院に寄ってから出社するとの連絡があり、私が対応したのですが電話越しにも体調が悪いのが伝わってきました、本来は上司であるチーフに直接連絡するのですが、まだ会社に来てなかったので出社後に伝えると、表情はみるみるうちに険しくなりました
 その後、診察を終えたMさんから連絡が入りますが、今から出社するという内容ではなく、インフルエンザと診断されたことによる欠勤の申し出。それに対してチーフの口からは部下の体調を案じる言葉は一切出ず、「作業はどうするの?」、「このままじゃ間に合わないよ?」と納期のことばかりを気にしてばかり。しかも、作業の引き継ぎを行うためにMさんに出社を命じます
「それを聞き、社内で感染が広がる恐れがあるからMさんに自宅に帰るように伝えたほうがいいとチーフを説得しました。ですが『すぐに帰すし、ウチらも全員マスクをするから』と聞き入れてもらえませんでした
(略)
 そんな彼女の懸念は、残念ながら的中することに。そこから社内ではインフルエンザにかかる社員が続出。20人程度の小さな会社ですが、6人が感染してダウン。そのほとんどはチーフを含む制作チームのスタッフでしたが、晴美さんも感染してしまったそう。
(略)
 ちなみに納期はすべて間に合わず、営業担当でもあった社長が先方に頭を下げて事なきを得たそうですが、Mさんの一件を聞いて激怒。チーフは復帰初日、社長から「社内でインフルエンザが流行した原因の一端は君にある」とガチ説教を食らって涙目に。
 相変わらず欠勤の連絡があるとムスッとした表情を見せるそうですが、以前と違って休みが取りやすくなったとのこと。
(略)

結果的に上司の判断は大いに間違っていたと言うことになるのでしょうが、しかし程度の差はあれ同様の事態は全国どこの職場でも発生していることでしょうし、仕事の都合上休みにくい局面も幾らでもあるでしょう。
人員やスケジュールに余裕を持って仕事をしろと言われればその通りなのですが、現実的にそこまで余裕が持てない職場である場合がほとんどでしょうから、さてこうしたリスク管理を職場としてどう行うべきかでしょうね。

この種のエピソードはブラック企業の実例として定期的に取り上げられますが、当事者であるスタッフのみならず顧客にも直接間接の影響がある話で、特に接客担当が顧客にうつしてしまうことはあってはならないことです。
ちなみに医療機関の場合顧客として病弱な患者さんが相手ですから、感染症の蔓延は時として致命的な結果を招きかねないこともあり、職場管理者もよほど神経質な対応をしなければならないのは当然ですね。
この辺りは医師の過労問題とも通じるものですが、誰しもふらふらになった過労医師に命を預けたくはない以上、顧客である患者・市民の側からそれはNOであると言うことを訴え続けなければならないはずです。
昨今の医師の働き方改革の議論の場においても、一部に診療への責任のあり方を勘違いしたかのような主張が見られますが、世間の多数派が求めているのは疲れ果ててふらふらになりながら超勤2000時間をこなす医師なのかです。

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2019年2月12日 (火)

舞台裏の話よりも、今後どうするかの方が重要なのですが

「残業2000時間」のキャッチーな見出しで各方面で絶讚炎上中の医師働き方改革を巡る厚労省での議論ですが、検討会副座長の渋谷健司東大国際保健政策学教授が改めて釈明しています。

「医師は死ねと?」 炎上した残業上限2000時間案が出てきた舞台裏(2019年2月5日Buzzfeed Japan)

厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」が取りまとめに向けて佳境を迎えています。
ところが、地域医療を守る病院などに対する特例として、時間外労働の上限が一般労働者の過労死ラインの2倍以上となる「1900~2000時間」とする案が提示されたことに、医師たちから批判の声が殺到しています。
(略)
ーー懇談会では、医師の過酷な労働環境をこれ以上放置してはいけないという姿勢を明確に打ち出したはずです。渋谷先生をはじめ懇談会のメンバーが4人も入っているこの働き方改革検討会で、なぜ時間外労働の上限1900~2000時間なんて案が出てくるんですか? 過労死ラインの2倍ですよ。

これは事務局案ですから、これでいいなんて全く思っていません。まず誤解してほしくないのは、あくまでも目指す目標は960時間なんです。検討会でも審議官に国としてどこを目指すのか確認する質問をしましたが、目標は960時間と明言しました。
(略)
まず、伝えたいのは、全員が2000時間働くわけではないし、そこまで働かせて良いということでもないということです。労働者の視点に立つ社会保険労務士の委員、福島通子さんも『2000時間の労働を容認するかのように報道されていますが、36協定(法定労働時間を超えて働く場合に労働側と使用者側で締結する協定)で違反とされないための上限時間』だということを強調しています。

そもそも36協定を結んでいない病院はたくさんあります。これまではどこまで働かせてもいいのか基準さえなかったんです。
これでは、医師の労働時間に歯止めが効きません。医療は特殊だからという論理で、長時間労働が当たり前だという風潮がそもそもおかしいのです。疲弊している現場の先生方に訴えたいのは、全く労務管理をしない病院はあり得ない、今までのいい加減な労務管理は通用しないということです。
36協定を結んだ上で、どうしても特別な事情があって、労使が合意した場合に、刑事上の責任は問わないという基準であって、決してここまで働かせていいと言っているわけではないんです。
(略)
ーー一番長時間働く世代は、20代、30代の若手ですね。労使の合意があった場合と言いますが、実際に働く人は組織の中で強制があった場合、嫌だと言える発言権もないでしょう。

確かに大学病院で若い医師が教授に指示されてNOと言えるかというと無理でしょうね。社労士の方も、「労働時間を短くする努力を全力で行わなければいけないのは当然だが、絵に描いた餅にならないような計画を出させてモニタリングしていくのが必要だ」と話しています。現実的な案ですし、その通りだと思います。
(略)
ーーしかし、今回の数字を出した根拠となったのは、実態調査から出てきた1920時間という数字なんですよね?

そうです。一つ重要なのは、この実態調査の時点から、医師の労働環境はかなり変化しているということです。2016年には聖路加国際病院に労基署が調査に入って、是正勧告を受けました。土曜日の外来を廃止し、今まで若手ばかり行なっていた当直を40、50代も担うなど大きく診療体制を変えざるを得なくなりました。
あの有名病院の働き方にメスが入ったことで、他にも労基署が入ったと聞いています。あの時とは労基署の考え方も、病院経営側の意識もかなり変わったはずです。 1920時間という数字は2年前の数字ですし、労基署が入る前の数字です。その時の時流と今の時流は違うので、時間外労働は減っているはずです。
(略)
今のままでは、目標の2035年度末まで17年間先延ばしにしておいて、とりあえず混乱を避け、後の人に引き継ぐという姿勢がありあり見えます。医師の働き方改革は医療の大きなターニングポイントです。現場からの声を取り入れ、もっと議論を尽くし、前向きに将来を考えてやるべきです。そうでないと大きな禍根を残します。
(略)
もう一つ言いたいのは、病院経営者の方からすれば、できるだけゆるいほうが良いという発想で、2000時間でも仕方ないじゃないかと考えていると思います。でも、そうした病院は、本当に特例に当てはまるんですかとまず問いたい。思うに多くの病院は特例にならないし、そもそも36協定をちゃんと結んでいない病院が多い。
特別な事情があって、36協定では運営できないということになれば特例に認定されるかもしれないですが、そもそも36協定も結んでいない病院でその上を認めることは難しいと思うんですよ。
2000時間など、時間外労働の上限設定を維持するために抵抗する、あるいは特例を例外規定で骨抜きにすることを考えるよりは、もっと自分たちの病院の経営をどうしていくかを考えて、前向きに働き方を変えていかなければ。そうしなければ、そもそもその病院は生き残れなくなるのではないかと思いますよ。
(略)
昔は聖職者と医者と弁護士が、プロフェッショナルであって、神へ誓いをたてる存在だとされてきました。プロフェッショナルとは、今は社会に誓う存在だと思います。時代は変わりましたし、プロだからこそ、彼らの健康を無視していいという議論にはならないと思います。

ーーその通りですね。専門性を社会のために発揮してもらうには、疲れ果ててもらっては困るし、睡眠不足でも困るし、本人がまず健康であってほしいです。

そうです。聖職だから、何時間働いてもいい、こき使ってもいいとしたら、医師の専門性を損なうことになる。日本の場合、いつでもどこにでも受診できるフリーアクセスはいいことなんですが、それが専門家としての医師の力を弱めていることに気づいてほしいのです。そして、それは国民の側に不利益として返ってきます。
患者も自分の健康や体のことを一人一人が理解しないといけないし、かかり方も考えてほしい。医師の働き方改革には、医療側だけでなく、患者側の意識改革も必要です。

一連の議論を見ていて、とかくまず現状維持ありきが大前提に聞こえるのですが、他業界で過労死レベルの労働環境がある場合、経営者がいくら「顧客に迷惑がかかるから」と言い張ろうが現状容認はあり得ない話です。
その意味では経営者側の視点ばかりで議論されていること自体おかしな話ですが、実際に長時間労働を強いられている現場労働者の声をどう取り上げるのか、本来厚生省より労働省の管轄になるべき問題です。
医師の労働時間を制限すれば地域医療が崩壊すると言いますが、患者の命が大切なのと同様医師の命も大切なのであり、患者のために医師は犠牲になるのが当然と言う前提で議論されるのはおかしなことですね。
そんな労働環境ではまともな仕事は出来ないと言うエヴィデンスが各方面から出ているにも関わらず、未だに労働時間の長さでしか評価軸がないのがおかしい話で、本来患者こそ医師長時間労働の犠牲者と言えるでしょう。

こうした点から渋谷氏らが主張するべきなのは観念論的な釈明ではなく、上限規制をどう遵守させるかと言う方法論であろうかと思うのですが、まさにこの点で何らの罰則もない努力義務になりかねない懸念があります。
先日の検討会では厚労省側から、特例医療機関において医師の健康確保措置を実施しない場合、特例の対象外とする案が出されたそうですが、当然ながら医師会などは特例解除に反対する姿勢です。
なおこの検討会の場において働き方改革について病院経営者に説明をすると「勤務医の労働者性などの話はなかなか分かっていただけないが、院長たちは応召義務になると食いついてくる」と言う話も出たそうです。
黒澤一東北大教授からは「管理者、経営層に対する教育も必要」と言う意見が出たそうですが、検討会の場でそうした層を代表している医療系諸団体幹部らの理解もどの程度あるのかが議論からも透けて見えますね。

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2019年2月10日 (日)

今日のぐり:「トラットリアはしまや」

日本でも近年悲惨な虐待事件が報じられることが少なくありませんが、先日出たこちらのニュースも悲惨さでは勝るとも劣りません。

聖書を暗記できない少年、顔を水につけた状態で肋骨が折れるまで百叩き、丸太をつけて歩かされ雪の中に生き埋めにされて死亡(2019年2月2日ニューズウィーク)

米ウィスコンシン州で去年4月、7歳少年が虐待を受けた末に死亡する事件が発生。
死因は「雪に埋められたことによる低体温症」とされていますが、遺体は肋骨を骨折している他、全身にいくつもの殴打の痕が残っていたことも明らかになっています。

ティモシー・ハウスシュルツ容疑者(48)、及びその妻のティナ(35)、息子のダミアン(15)らは、いずれもイーサン君を虐待の末に死亡させた罪で逮捕されました。供述によれば、彼らは日頃からイーサン君を虐待していたとのことです。
聖書の一部を暗唱するように強要し、それができないと「およそ20kgの丸太を引きずりながら、毎日2時間も歩かされる」などのペナルティを課していました。
イーサン君が死亡した当日も、ダミアン容疑者によって手酷い虐待が行われていました。
「100回以上も殴る蹴るの暴行を加える」「水たまりに顔をつけた状態で何度も頭や身体を踏みつける」「重たい丸太を転がして、胸などを轢く」などした後に、防寒着もないまま雪の中に生き埋めにしたとのことです。

ティモシー・ティナの両容疑者は、共にイーサン君の後見人であったことが報じられていますが、親族であったのか、養子であったのかなど、具体的な関係については今のところ分かっていないようです。
イーサン君の実親であるアンドレア・エバレット氏は、以下のようにコメントしました。
「イーサンの元に辿り着いたときにはもう、彼の体温は23℃にまで下がり、息もしていませんでした。5時間以上も心肺蘇生を試みてくれたけれど、心臓も脳も停止していたんです。厳正な裁判を希望します。可能な限り長く求刑してほしい」

家族関係がどのようなものであったのか何とも判らないのですが、いずれにせよ児童虐待に厳しいアメリカでここまでやった以上覚悟はしてもらうべきでしょう。
本日は不幸にして亡くなったイーサン君の冥福を祈って、世界中から不当な攻撃には倍返しでやり返した方々のニュースをお伝えしてみましょう。

男性がピューマを素手で絞殺、ランニング中に襲われ 米コロラド州(2019年2月6日CNN)

(CNN)米コロラド州で、トレイルランナーの男性が野生のピューマに襲われて重傷を負った。男性は命がけでピューマを振りほどき、素手で首を絞めて殺したと話している。コロラド州公園野生生物局が5日に明らかにした。

同局によると、男性は4日、1人でトレイルを走っていた際に物音を聞いて振り返ったところ、1頭のピューマが襲いかかってきた。
男性はピューマに顔と手首を噛まれながらも、自分の命を守るために絞殺したという。
検視の結果、ピューマが窒息死していたことが確認された。生後1年未満で体重は約36キロ。狂犬病検査の結果は陰性だった。
男性は重傷を負って病院に運ばれ、手当てを受けて退院した。

現場のトレイルにはほかにもピューマがいる形跡があったことから、5日から一般の立ち入りが禁止された。レンジャーらが8日に安全性を検証する。
公園野生生物局の担当官は、「コロラド州でピューマに襲われることは滅多にない。運悪く、ピューマの狩猟本能がランナーによって刺激された」と話している。
北米でピューマに襲われて死亡した人は、この100年あまりの間で20人に満たない。
コロラド州では1990年以来、ピューマに襲われて3人が死亡、16人が負傷している。公園野生生物局によれば、ピューマには人を避ける習性がある。
コロラド州のポリス知事はフェイスブックへの投稿で、たとえピューマに遭遇しても、できる限り近付かず、可能であればゆっくりと後ずさりするよう促している。

ネコ科の36kgと言えばなかなか人間のかなう相手ではなさそうですが、経験値の浅かったことがチャンスを生んだと言うことでしょうか、何にしろ大変なものですね。
日本においてもストーカー被害は後を絶ちませんが、こちら女性差別的事件の少なくないインドでこんな事件があったそうです。

インド人の女、ストーカー行為繰り返した男の性器切り落とす(2018年12月28日AFP) 

【12月28日 AFP】インド・ムンバイで、執拗(しつよう)なストーカー行為に悩んでいた女が、ストーカーの性器を切り落とす事件があった。警察が28日、明らかにした。女は犯行直後に男を病院に連れて行き、男の命に別条はないという。

 警察幹部がAFPに語ったところによれば、2児の母親とされるこの女(47)に対し、近所の男(27)が繰り返し性的関係を求めた上、女の夫に対して女に恋愛感情があると公言。これを受けて夫婦の間にいさかいが生じていたという。
 女は近所の若い男2人に依頼し、3人でストーカーの男を人けのない場所に誘い出して犯行に及んだ。性器を切り落とす行為を主導したのは女だったという。女は度重なる嫌がらせに悩んだ末、男の性器を切り落とす計画を立てたのは自分だと認めている。
 警察は凶器の刃物と切り落とされた性器を回収。女と共犯の男2人は留置されており、捜査が行われているという。

状況的には全く同情の余地はなさそうなのですが、むしろインドでこの女性がどのような罪に問われるものなのかが注目でしょうか。
同様に強い女を報じるニュースですが、これがおそロシアともなるとまた少し状況が変わってくるようです。

おばあちゃん、アル中で暴れる息子(42)をフライパンで撲殺し70個以上のピースに切り刻む(2018年12月29日ミラー)

英ミラー紙によると、ロシアで63歳の女性が42歳の息子の頭をフライパンで殴って殺し、肉切り機で70個以上の肉片に切り刻む事件が起こった。

女性は有罪を言い渡されたものの禁錮はされなかった。42歳の息子はアルコール中毒で妻に離婚された後、母親と同居して暴力を振るっていたためである。

状況的にはこれも大いに同情の余地がありそうですが、しかし殺すまではともかくもその後がやはりロシア的激情と言うものの発露なのでしょうか。
最後に取り上げますのも女性のニュースですが、世界的にも大きな反響を呼んでいるニュースです。

襲う相手間違えた―UFC女性ファイターがリオで強盗を返り討ち(2019年1月8日AFP)

【1月8日 AFP】ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)で若い女性から携帯電話を盗もうとした強盗が返り討ちに遭い、「鉄の女」の愛称を持つ総合格闘技家から金品を奪おうとすることは得策ではないと思い知る羽目になった。

 総合格闘技大会「UFC(Ultimate Fighting Championship)」のストロー級ファイター、ポリアナ・ヴィアナ(Polyana Viana)は、5日深夜に自宅アパートの外で米配車サービス「ウーバー(Uber)」を待っていたところ強盗に遭遇した。
 ヴィアナがUFCのウェブサイトMMA Junkieに明かした内容によると、同選手は犯人に2発のパンチを食らわせて「裸締め(RNC、リアネイキッドチョーク)」で押さえ込むと、この不運な男を座らせて警察が到着するまで待機した。
 犯人は銃を持っていると脅したが、それが本物ではないと推測したヴィアナは、自分が行動を起こす前に「男が引き抜く時間はない」と判断。強盗を押さえ込んだ後、実際に武器がボール紙で作られたピストルであることが分かったという。

 ヴィアナがSNSに投稿した写真では、犯人と思われるタンクトップ姿の男が傷を負って血だらけになり、警察が到着するまで腕がらみで押さえ込まれて落胆している様子が確認された。
「男はあっという間にパンチを食らってから、恐怖を感じていたと思う」と話したヴィアナは、容疑者が警察に連行されてけがの治療を受けた後、自宅に戻って夕食を作ったと明かした。翌日になって少し手に痛みを感じたものの、深刻な状態ではなく他にけがはなかったという。
 リオ以外の都市でも路上強盗が横行しているブラジルでは、犯罪撲滅を公約に掲げたジャイル・ボウソナロ(Jair Bolsonaro)氏が新大統領に選出された。

服を着ていれば普通の可愛らしいお嬢さんですから相手も油断したのでしょうが、何にしろ無事で何よりでした。
しかしネット上にはすでに彼女にボコられた男の写真が出回っていますが、どう見てもパンチ2発でこうまでには…

今日のぐり:「トラットリアはしまや」

観光地として有名な岡山県は倉敷美観地区の一角にある、こちら古い商家を改装したと言うなかなかいい雰囲気のイタリア料理店です。
手軽に楽しめるランチもよさそうなのですが、なかなか予約も取れないことがある人気店だそうで、今回はディナーコースをいただいてみました。

ディナーは前菜3種に続いてパスタとメインを選ぶのですが、猪や千屋牛など地元食材を積極的に使っていることに加え、その日その日の良い魚介が売りだそうです。
前菜の3品はいずれも見た目も味も水準以上の出来だと思いますが、特に最後に出てきた石鯛がなかなか良い味でした。
パスタはスペシャリテの溺れタコ(ポルポ・アッフォガート)のリングイーネを食べて見ましたが、シンプルながら奥深いソースもさることながら、このタコが素晴らしく柔らかですね。
メインは子羊のカツレツですが、中にチーズが仕込まれていて香ばしい焼き加減も頃合いで、デザートまでいただいてすっかりお腹一杯になりました。
しかし近年イタリア料理は世界的にも大人気なのだそうですが、魚介のうまみを大事にした料理は日本人には馴染みやすいですし、日本でも人気が高いのは納得ですね。

スタッフとも距離感が近いのも特徴で、シェフが気軽にフロアに出てきてくれますし、その日の食材について講釈を聞いているだけでも楽しいものです。
それだけ地元の食材にこだわりを感じますが、場所柄観光客も多いと思うのですが、やはり旅先ではこういうものを食べたい人も多かろうと思いますね。
店内外の雰囲気は土地柄にもマッチして落ち着いたものですが、設備面では唯一トイレは設備や広さはよいものの、離れ状態ですのでこの時期ちょっと不便ですかね。

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2019年2月 6日 (水)

働き方改革を巡る誤解に対して厚労省担当者も言及

働き方改革を巡る最近の議論について、厚労省側の担当者である迫井正深氏も「年2000時間の残業」は全くの誤解だと主張しているそうです。

「2000時間の残業を強要される」は全くの誤解だ 厚生労働省審議官の迫井正深氏に聞く(2019年2月4日日経メディカル)

――1月11日に労働時間上限に関する事務局案が提示された(関連記事:医師の時間外労働の上限規制案は「1900~2000時間」)。この案に対する不満の声も聞かれるが。
迫井 数字だけが大々的に報道され、一人歩きしてしまったことで、様々な誤解や不満を生んでしまったようだが、今回の提案で最も重要な点は、5年後の2024年には大多数の医療機関において時間外労働時間の上限を「年間960時間以内」にするということだ。
 数字だけではピンとこないかもしれないが、「時間外労働の年間上限960時間」の働き方というのは、毎日ほぼ定時に帰り、当直は週1回、月2回は週休2日を取得するペースの働き方だ。しかも、これは「上限」であり、これ以上働く医師が各医療機関に1人もいてはいけないということだ。
 一方で現状はどうなっているかというと、アルバイトを含め、時間外勤務時間が年間1900時間以上となっている医師が全国に1割ほど存在している。こうした医師が1人でもいる医療機関は大学病院の約9割、救急医療センターがある病院の約8割にも上る。ちなみに、時間外勤務時間が年間960時間を超える医師は4割を占め、3000時間以上の医師は数千人レベルで存在している。
 こうした現状をこの5年間をかけて、大多数の医療機関で「年間時間外労働時間が960時間以上の医師は一人もいないようにしていただく」という提案であり、かなりの大改革といえるはずだ。
(略)
 提案の背景には、医師10万人を対象にしたアルバイト込みの実態調査のデータで、約1割の医師が、時間外勤務時間が年間1900時間を超えていたという実態がある。
 そして、これはあくまで「経過措置」であって、一定期間後には「年間960時間以内」を目指すということに変わりはない
(略)
 今回、「例外」(暫定特例水準)が適用される医療機関で働く医師にも、上記のインターバル時間の確保と連続勤務時間規制については義務化するし、その実施状況は厳しく確認することで過労死を防ぐ仕組みを構築したい。

――「宿日直」はどのように管理するのか。
迫井 労働時間における「宿日直」という扱いは、労働基準法に基づく、いわゆる「寝当直」とも言われるような、労働時間に算入されない働き方のことで、労働基準監督署に申請して許可(宿日直許可)された場合だ。許可されれば一晩当たり数万円程度の宿直手当を払えばよいことになっている。
 一方で、宿日直許可が得られていない場合には、一晩に労働した時間、例えば15時間全てが「労働時間」となり、夜間勤務であることから「割増賃金」を支払う必要がある。
 現時点では、実態として労働密度が過密で、宿日直といえないようなケースでも「宿日直」扱いで一晩数万程度の手当てだけ支払われ、労働時間にカウントされていないケースもあることが指摘されており、是正する必要がある(関連記事:残業代が正しく支払われていない医師は26%)。
 宿日直は医療機関ごとの個別許可なので一概には言えないが、当直で患者対応が多い医療機関や、いつお産があるか分からない患者が多いような医療機関では、よほどタスクシフトしない限り、「寝当直」のような状態にはなり得ず、宿日直許可を得るのは難しいのではないか。検討会でも、そのような観点から基準を見直すよう2018年秋に提案し、その方向でまとまっている。
(略)
――働き方改革を進める上で、病院管理者に対する要望やメッセージはあるか。
迫井 大きく分けて2点ある。1つは、改めて「労務管理」の徹底を心して取り組んでいただきたい。残念ながら、きちんとした労働時間管理さえなされていない医療機関は多い。「客観的な在院時間管理方法の導入」や「在院時間の実態の把握」は、医師の労働時間短縮の土台となるものだが、実施率は約4割で、3~4割の病院が検討に着手さえしていない(1月11日の検討会資料)。また、いつも救急患者がひっきりなしにきているのに、時間外手当を払わず、宿日直手当しか払っていない例があると聞いている。宿日直基準については今回、明確化する予定で、今後はこのようなことは許されない
 もう1つはタスクシフトだ。いまだに大学病院を中心に、点滴や診断書の作成など、医師でなくてもできることを医師にやらせている例が見受けられる。厚生労働省の公表した緊急対策にもはっきり明示しているが(関連記事:医師の時短に向け直ちに実施すべき事項を明示)、長時間勤務で疲弊している医師にそのようなことを院内で押しつけるようなことはあってはならない。これについては今後も厚生労働省から注意喚起し、徹底する予定だ。
 今、2つのことを申し上げたが、これらは互いに絡み合っている。労務管理がなされていないから、残業代も払われない。残業代を払わなくても済んでいるから、仕事を効率化するインセンティブが働かず、本来医師にやらせなくても良いことをやらせる、という“悪循環”になっている。「労務管理」と「タスクシフト」、これが最大のテーマで改革の両輪だ。
(略)

正直前半部分は何がどう誤解されていると言うのかよく判らない話で、現状でも一部基幹施設などに極端な過重労働が蔓延している以上、大多数の医療機関では労働時間を短縮する見込みだと言われても有り難みのない話です。
こうした例外を是認し超過しても罰則も設けないとなると、やはり今後も末永く長時間の時間外労働も許容するとしか読めないのですが、後半部分はなかなか意味のある内容だと考えますね。

宿日直ついては時間外労働に算定するかどうかなどかねてからの課題ですが、これに関して少なくとも実労働が続く多忙な施設においては労働時間とし、宿直手当だけで済ますようなことは認めないと言うことです。
この点で一気に医師の労働時間が見かけ上増加する可能性もあると思いますが、ひとまず労働時間と認定されることで働いた分だけは支払いの義務も生じるわけで、正当な報酬が得られるようになればいいですね。

もう一つ、タスクシフトに関してもかなり突っ込んだ発言がありますが、特に大学病院等が追加支払いの必要ない医師に余計な仕事を押しつけている現実に関して、はっきり許容されない行為であると明言しています。
この点はまさに宿日直の扱いと同様、労働時間を正しく労働時間として扱うようになることで自然とコスト削減の意識が改善の動機になると思いますし、労基署などもさらに厳しく追及いただきたいものです。
いずれにせよ厚労省としてこうした認識を持っている以上、労働を所轄する省庁としてその実現努力を怠るようなことが責任を問われざるを得ませんから、今後数年間で何がどう変わるのかを拝見したいところです。

この問題に関して当の勤務医にはあまり発言機会はあまりないのも現状ですが、医師の労組的な活動を行っている全医連はたびたび独自の提言を行っており、先日は勤務医の一般外来廃止を主張していました。
過去にも病院での外来診療報酬を切り下げると言う患者誘導策がとられたこともありましたが、患者にとっては病院受診が安上がりになっただけでますます患者が病院に集中したと言う笑い話のような黒歴史があります。
応召義務の存在とフリーアクセスの保障が続く限りはどのような患者誘導策も限界があるもので、最終的にはイギリスのNHS式の受診制限導入しかないのかも知れないですが、医療系団体の反発は強そうですね。

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2019年2月 4日 (月)

開業医だって忙しい

医師の働き方改革が主に勤務医の労働環境を中心に議論される中で、先日個人事業主である開業医に関してもこんなニュースが出ていました。

4人に1人過労死ライン超 開業医の働き方調査(2019年1月28日共同通信)

 神奈川県保険医協会が県内の開業医(院長)に働き方のアンケートをした結果、4人に1人が、過労死ラインに相当する週60時間=月の時間外労働(残業)に換算すると80時間=を超えて働いていると回答したことが26日、分かった。休日は、3人に1人が「週1日以下」と答えた。

 病院勤務医に関しては「4割が週60時間以上働いている」という国の調査結果がある。診療に加え、保険請求など経営実務にも追われる開業医も長時間労働を余儀なくされる実態が浮かび上がった。

 厚生労働省は勤務医には残業規制などを検討しているが、事業主の開業医は対象外。協会は「地域医療の要となる開業医だけに早急な改善が必要だ」としている。

 調査は昨年10月、協会会員3364人を対象に郵送で実施、2割に当たる690人が回答した。

 週60時間を超えて働いていると答えた人は25・2%(174人)で、100時間超の人も8・6%(59人)いた。6割弱が夜間診療に従事し、4分の1が訪問診療に当たっている。半数以上が保険請求実務や患者情報の照会・応需(書類作成を含む)を行っている。

 労働時間について「かなり加重」「やや加重」と答えた人が計51・9%。27・1%が直近1年間に健康診断を受けていなかったという。自由意見として「まとまった休みが取れない」「代わりがいないのが一番きつい」との声も寄せられた。

6割は週60時間以下なのだから、やはり開業医とは楽な商売だと考える方もいらっしゃるでしょうが、開業する平均年齢が41歳、開業医全体の平均年齢が55歳と言いますから、高齢開業医には相応にきついでしょう。
ともかく勤務医の不足が言われる一方で開業医はすでに過剰傾向にあるとも言われ始めていて、実際ある調査では勤務医の65%が医師が足りないと回答している一方で、開業医の59%が足りていると答えたそうです。
単純に考えればひと頃の医療崩壊や逃散ブームの流れを受けて、過酷な勤務医稼業から開業に流れた医師が多いと言うことが考えられますが、開業医も決して楽を出来ているわけではないとも言えそうです。
この理由として一つには単純に競争が激化した結果より薄利多売に走らざるを得ないと言う現実もあるかと思いますが、実際今やよほどの軽装開業か親からの継承ででもなければ開業はペイしないとも言いますね。

病診連携が推進されている中では、各種検査などで多くの診療報酬を得られるような上顧客は病院に回りがちで、開業医に回ってくるのは定期的な投薬や風邪など日常診療の患者が中心になるでしょう。
一件当たりの売り上げが少なければより多くの患者を診るしかありませんが、最近ではこれに加えて地域の医師会などが主導して、開業医が持ち回りで夜間救急当番を担当する地域も増えています。
これも忙しい日中の診療に加え夜も働くとなると過酷なものですが、勤務医の先生であれば当たり前にやっている当直業務と同じことで、特記するような悪条件ではないと言う意見も根強くあります。
無論医師の感覚ではそうでしょうが、開業医の元で働いているスタッフにはまた別な感覚もあるはずで、夜間も開院するためにスタッフに手厚い報酬をとなれば下手すれば赤字にもなりかねません。

いずれにしてもトータルとしての医師数は今後もしばらくは増えていくものとされていますが、実際には長年のかかりつけだけを見ている高齢開業医などもいて、本来こうした方々はそろそろ引退も考える世代です。
厚労省データによれば医師全体の1/4は60歳以上の高齢医師ですが、当然ながら病院勤務医では同年代の比率は2割を下回る一方で、開業医では実に半数近くが同年代に属すると言うことです。
医師不足対策として勤務医から開業医への逃散ルートを縮小閉鎖させよと言う意見も根強くありますが、新規参入が引退を下回るようになれば町の開業医もあっと言うまに消えていく可能性もあると言うことですね。

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2019年2月 3日 (日)

今日のぐり:「なか勝」

多くの方々を失望させたのが、先日報じられたこちらのニュースです。

脳トレは知力低下に効果なし? 英研究(2018年12月11日BBC)

クロスワードや数独といったパズルを解いても知力低下は防げないかもしれないと、英国発の最新研究が示唆している。

加齢に伴う脳の働きについて「使わなければ失う」という考えは、これまで幅広く受け入れられてきた。
しかし、スコットランド・アバディーン王立病院のロジャー・スタッフ氏およびアバディーン大学の共同研究によると、パズルに知力低下を防ぐ効果はないという。
その一方で、人生を通じて日常的に知的活動を続ければ、知能が向上し、加齢などでいずれ知能が低下するにしても低下の出発点を高めに保てるかもしれないと、研究チームは提示している。

研究では1936年に生まれ、11歳で集団知能テストを受けた498人を対象にした。
対象者が64歳のころに調査を開始し、以後15年間、5回にわたって記憶力と処理能力のテストを重ねた。
その結果、パズル問題を解いていても個人の知力低下は防げないことが明らかになった。
しかし、知的刺激の高い活動を日常的に繰り返している人は、高齢者になってもある程度は知的に活発なことも分かった。
(略)
昨年には脳の健康に関する国際会議(GCBH)で、人生の後半期に脳の機能を助けるためには脳トレよりも楽器の演奏やキルトのデザイン、庭いじりといった刺激的な活動を行うべきだとの見解を示した。
それによると、若いうちにこうした活動を始めた人ほど、歳をとっても良い脳機能を保てるという。
英慈善団体「アルツハイマーズ・リサーチUK」のデイビッド・レノルズ博士は、今回発表された調査が「現在進行形の『使わなければ失う」』議論」を過熱させたと話す。
しかし、この研究は認知症患者を考慮に入れていないため、「この結果から、特定の脳トレが認知症の危険性のある人に効くかどうかは分からない」という。
「知的活動を続けるだけでなく、肉体的に健康なこと、健康的でバランスの取れた食事をとること、喫煙せず、アルコール摂取量を基準値以内に収め、体重とコレステロール値、血圧をチェックし続けることが、歳をとっても脳を健康に保つ秘訣だ」

まあそれは健康な生活が脳にもいいとはその通りなのでしょうが、しかしそれでは何も面白くない結論と言うことになってしまいますね。
本日は全国数千万の脳トレ愛好者を激励する意味で、世界中からその労力をもう少し有意義な方向に向けていればあるいは…と感じさせるニュースを紹介してみましょう。

「5階建てなら1分で登れる」と豪語 ビル侵入「忍者」男を窃盗容疑で逮捕(2019年1月24日毎日新聞)

 ビルに侵入するなどして盗みを繰り返したとして、大阪府警は23日、大阪市西区の無職、西村一紀容疑者(42)を窃盗などの疑いで逮捕したと発表した。非常階段の鉄柵などを伝い、短時間で屋上までよじ登る手口が特徴で、捜査員の間で「忍者」と呼ばれていた。

 容疑は2017年4月~18年10月、大阪市内のビルや飲食店に侵入し、バールで金庫をこじ開けて現金や商品券を盗んだ、などとしている。未遂も含めた計27件の被害総額は約945万円相当。「生活費のためにやった」と容疑を認めている。
 府警捜査3課によると、西村容疑者はビル外壁にある空調用のパイプなどを使ってよじ登り、屋上近くの窓ガラスを割るなどして侵入していた。

 捜査員は逮捕前、スポーツジムに通う西村容疑者を確認。取り調べでは「ベンチプレスで120キロは持ち上げられ、体力には自信がある。5階建てビルなら1分で登れる」と豪語している。【村田拓也、伊藤遥】

しかしベンチプレス120kgはなかなかだと思いますが、この体力があれば建設関係にでも就職していれば…と思うのですけれどもね。
こちらロシアらしい大胆不敵な犯罪なのですが、その結果が思いがけないことになっているようです。

白昼堂々“ATM破壊”も…盗んだものにトホホ(2018年11月24日テレビ朝日)

 必死にATMを壊して盗んでいったのは「まさかのもの」でした。

 ロシア西部のサマーラで、白昼に堂々とATMをこじ開けようとする男。なんとかカバーを開けた後は中の現金収納ボックスを取り出すために奮闘します。ケーブルで本体とつながっていて、なかなか取り出せずに苦労しますが、ケーブルを引きちぎってやっとボックスを取り出すことに成功しました。男は通行人に見られるのも気にせず、重たい現金ボックスを引きずって去っていきます。しかし、映像を公開したロシア内務省によりますと、男が持ち去ったのはなんと「偽札」だったということです。男はその後に逮捕され、窃盗の罪で起訴されました。

何故こうまで偽札が用意されているのかと言う疑問も残るところですが、しかし白昼堂々ご苦労様と言うしかありませんね。
酒の席での失敗は多くの方々が経験していることと思いますが、こちら幾ら何でもやり過ぎだった人物のニュースです。

酒に酔って1日に17回119番通報・・・「なぜ出動しない」~腹立ちまぎれに放火(2018年12月20日CBS)

酒に酔っ払った状態で119番(消防)に電話を掛け、消防士が出動しない事に腹立ちまぎれに火をつけた40代男が警察につかまった。

大邱(テグ)南部警察署は18日、現住建造物放火未遂の疑いでA容疑者(42歳)を拘束したと明らかにした。
警察によればA容疑者は去る6日、酒に酔って自宅のドアが開かないとし、119番に17回申告した。
消防当局はA容疑者が普段から酒に酔ってこのような申告を頻繁に行うため、消防士は単なるドアの開放では出動しないとA容疑者を説得して出動しなかった。
これに対して火が起きた(腹を立てた)A容疑者は自分が住む集合住宅に火をつけ、今回は火事が起きたと119番に申告した。
この火事で住宅の床の一部を焼いたが出動した消防当局によって消され、幸いにも大きな被害はなかった。

警察はA容疑者が自ら火をつけた状況を確認して、A容疑者を現行犯で逮捕した。
警察の調査の結果、以前からアルコール中毒を患っているA容疑者は、119番と112番(警察)に常習的に虚偽申告をしていた事が判明した。
A容疑者は去る9~10月の間に、112番だけで約1000件の虚偽申告の電話をした。
警察はこの件に関連して、A容疑者に公務執行妨害の容疑を適用する方針である。

しかし日常的にやっていたのでは言い訳のしようがありませんが、これにこりて酒を止めるわけにはいかないのでしょうか。
最後に取り上げますのは先日報じられたニュースですが、多くの人々が衝撃を感じたと言います。

すごく、大きいです...CIAのスパイがお尻に入れて隠し持っていた直腸挿入型の脱出用ツールキット(2019年01月21日カラパイア)

(略)
 これは、CIAのスパイが仕様していたツールの一つだ。カプセル型の容器には、ピンチに陥ったスパイがドアの鍵を開けたり、穴を開けたり、自力で脱出するのを補助する道具が入っている。
 で、この道具をどうやって隠し持っていたかって?なんとお尻の穴に入れていたのである。

 アメリカ、ワシントンにある国際スパイ博物館(International Spy Museum)の歴史家兼キュレーター、ビンス・ホートン博士がこの道具について詳しく説明してくれる動画があった。
 「この直腸ツールはスパイにとってスマートな解決策の好例だろう。 直面する危機を乗り越えられるように、きちんと設計されているのだ」国際スパイ博物館の歴史家兼キュレーターであるビンス・ホートン博士は語る。
  国際スパイ博物館は世界最大の歴史的諜報ツールの博物館だ。特に見学者の注目を集めるのは、「ピンチからの脱出道具」の中にある、このツールだ。
 見学者はこのツールの前でキョトンとなり、解説を読むと”冗談だろ?”って顔をするという。
 だがこれがまさに、冷戦中に考案された CIAの直腸ツールキットなのだ。
(略)
 CIAの開発者は 常に難題を命じられている。そして、 不可能を可能にすべく様々な問題に取り組んでいる。
 この直腸挿入型ツールキットがその例だ。
「仲間が囚われ 身体検査も受けた。どうやって 脱出の道具を手渡すか?」
 お尻からこれを取り出し「この脱出ツールをどうぞ」ってわけだ。

 事実それが生死を分けることもあったのだ。
 まるでスパイ映画にでてくるような話だが、実際にそういうことはあったのだ。

その実態は元記事の画像を参照いただきたいのですが、まあしかしスパイ稼業も大変なんだなと改めて感じますね。
このようなものが活躍せずとも済むことを願うばかりですが、しかし刑務所に入る際の身体検査にもそれなりに意味はあったわけです。

今日のぐり:「なか勝」

広島県は福山市南部に位置するこちらのお店、近隣にも名の知れた鰻屋と言って良いと思います。
しかし今回以前ほどの行列待ちではなかったのは時期的なものなのでしょうか、何にしろ入りやすいのは結構なことですね。

久しぶりの訪店ですが、まずやって来たうざくは何か味が変わっている気がしたのですが、別に悪いと言う味でもありません。
いつも頼むひつまぶしですが、相変わらず香ばしく焼き上げられたうなぎは脂ののりも十分ですが、心なしか味は以前ほどではないような気もします。
以前ならばお茶漬けのために少し残すのがもったいない感じだったのですが、今回半分ほど食べた時点で何か口が重くなってくる感じでした。
タレの量が少し多すぎるなど、以前から感じていた不満はほぼ解消されているのですけれども、まあうなぎも日により時期により当たり外れはあるでしょう。
なお以前は急須のお茶をかけるお茶漬けだったのですが、今回は出汁茶漬けになっていて、これは個人的にはうれしい変更でした。
また以前気になったネギの乾き具合も、今回はさすがに開店直後だったせいか問題なしで、総合的に見ればやはりうまい店だと思うのですけれどもね。

それにしてもうなぎ不足が慢性化しているのか、以前の値段にはもう戻らないのだろうかと思うのですが、全国同業者の方々には頭が痛いでしょうね。
ちなみにもはや名物とも言えるおばちゃんは今回何故かいなかったので、以前ほど混雑していないせいもあるのでしょうが接遇面はごく標準的なものでした。

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