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2018年12月28日 (金)

日本、IWC脱退を公式発表

すでに各方面で大きく報じられている通り、日本がIWC脱退を公式表明したことについて各方面から多大な反響があるようです。

水産庁VS外務省、捕鯨めぐり攻防 最後は政治決着(2018年12月26日産経新聞)

 国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退決定をめぐり、日本は反捕鯨国との根深い対立に加え、政府内では捕鯨政策をつかさどる水産庁と、国際協調を重んじる外務省との間で激しい駆け引きがあった。「IWCは機能不全」と主張する水産庁に対し、「国際的信頼を失う恐れ」と抵抗する外務省。「IWC脱退を決め、捕鯨もやめるのはどうか」との外務省側の意見も飛び出したが、最後は政治決断での決着となった。

 IWC脱退への流れに大きな影響を与えたのは、2014年に南極海での調査捕鯨中止を命じた国際司法裁判所(ICJ)の判決だった。裁判で原告国のオーストラリアはIWCの目的が「捕鯨産業の秩序ある発展」ではなく、鯨類の保存に「進化した」と主張。日本が敗訴したことで、持続可能な捕鯨を求める針路に黄色信号がともった。
(略)
 商業捕鯨モラトリアム(一時停止)の解除は「ほぼ不可能」と判断した水産庁は今春ごろから、脱退を視野に入れた本格的な折衝を始める。(1)反捕鯨国は政治的立場からいかなる捕鯨にも反対(2)クジラを諦めればマグロなどの水産資源も同様の危機(3)調査捕鯨の継続は困難-などの理由を掲げ、脱退して、捕鯨推進国を中心に新たに「第2IWC」を作るべきと訴えた。
 外交交渉で矢面に立つ外務省はこの動きに抵抗し、官邸や与党議員への説得工作を本格化させた。真っ向から反対姿勢はとらないものの、(1)国際機関から脱退することは国際社会に背を向ける(2)東京五輪や即位の礼、(大阪開催の)20カ国・地域(G20)首脳会議へ影響をもたらす(3)国連海洋法条約違反で提訴されるリスクがある-などと訴え、IWC脱退後の否定的側面を強調した。
(略)
 今年9月、反捕鯨国と物別れに終わったIWC総会後、脱退方針は決定的になる。関係他省庁に対しても「箝口(かんこう)令」が敷かれたが、これは環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や日欧の経済連携協定(EPA)の発効を控え、反捕鯨国を刺激しないためだった。
 12月に入っても、「脱退の猶予期間をおくべき」などの意見も出た。しかし、最終的には、ほぼ水産庁側の主張通りに押し切られた。長らくIWC総会や政府内協議で交渉に携わってきた関係者は、「自民党の捕鯨推進派が決定打を与えた」と評した。(佐々木正明)


日本の「IWC脱退に失望」=反捕鯨の豪州とNZ(2018年12月26日時事通信)

 【シドニー時事】反捕鯨国のオーストラリアとニュージーランド(NZ)は26日、日本が商業捕鯨の再開に向けて国際捕鯨委員会(IWC)を脱退すると発表したことを受けて「失望した」と批判した。

 豪州のペイン外相とプライス環境相は連名で声明を発表し、「豪州はあらゆる形態の商業捕鯨やいわゆる『調査』捕鯨に断固として反対だ」と指摘し、IWC復帰を求めた。

 NZのピーターズ副首相兼外相も声明で、IWCでの日本の立場を河野太郎外相と協議したと説明。その上で「捕鯨は時代遅れで不必要な行為だ。日本が自身の立場を考え直して、海洋生態系保護の前進に向けて全ての捕鯨をやめると引き続き期待している」と述べた。 

この問題に関してはいくつかの視点があると思いますが、まず永続的な鯨資源の保護と言う点に関しては日本を始め捕鯨推進派の諸国も何ら異存がなく、むしろ捕鯨国にとってこそ資源保護は重要と言えます。
この点で長年捕鯨問題を追ってきた産経の佐々木記者の記事にもあるように、鯨資源の活用と保護を両立することを追及する新たな組織を結成し、国際協調の元に捕鯨継続を図るべきだと思いますね。
一般的には反捕鯨派に挙げられるアメリカなども原住民による沿岸捕鯨は継続していて、こうした観点からは共に議論する余地はあるかとも思うのですが、まずは初期メンバーは厳選するのが妥当でしょう。

他方でこうした立場と対立するのが資源保護の状況如何に関わらず、一切の捕鯨はまかりならんと主張するオーストラリアなど反捕鯨急進派諸国で、IWCが機能不全に陥っている主因であるとも言えます。
今後はノルウェーやアイスランドなど商業捕鯨を継続している国家との連携はもちろん重要ですが、捕鯨推進派諸国が脱退した後のIWCの行方も興味深く、そもそも存在意義があるのかとも感じますね。
また今回の脱退により反捕鯨活動を続ける環境テロリスト団体はさぞや頭にきているのではないかと思っていたのですが、正直その発想はなかったと言うしかないコメントを出しているようです。

反捕鯨団体「勝利」宣言(2018年12月27日共同通信)

 【ロサンゼルス共同】反捕鯨団体「シー・シェパード」は26日、日本政府が国際捕鯨委員会(IWC)側に脱退通告したことについて、日本は脱退に伴い加盟が条件となっている南極海での調査捕鯨ができなくなるため、歓迎する声明を出した。抗議活動の目的が実現したとして「勝利」を宣言した。

 シー・シェパードは南極海での捕鯨に反対し、2005年からこの海域で日本の調査捕鯨船への妨害活動を行った。声明では「南極海におけるクジラを巡る戦いが終わろうとしている」とし、今後は北極海で監視を強める必要性を強調した。

ええまあ…当事者がそれで納得出来るのであれば構わないとも言えますが、このコメントから見るとこのところ日本が展開していた封じ込め活動が奏功していると言う印象も受けるところです。
現実的な側面から考えれば、オーストラリアと言う主要なバックアップ先との連携も見込めず、いわば完全アウェーである日本近海で反対活動をすることはかなり困難であろうとは思いますね。
今後北極海での活動に軸足を移すと言うことで、北欧捕鯨諸国との対立が先鋭化するだろうと思いますが、彼ら北の漁師は日本人ほど優しくはないでしょうから、今後の展開が楽しみでもありますね。

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コメント

マジキチ
https://this.kiji.is/450846474058073185?c=39546741839462401

投稿: | 2018年12月28日 (金) 08時29分

>北欧捕鯨諸国との対立が先鋭化するだろうと思いますが
 先鋭化するかどうかで、彼らが人種差別主義者であったかどうか判るでしょう。
>資源保護の状況如何に関わらず、一切の捕鯨はまかりならんと主張するオーストラリアなど反捕鯨急進派諸国で、IWCが機能不全に陥っている 
 反省なく「脱退は残念だ」とは どの口が言ってるのでしょうか。
>捕鯨推進派諸国が脱退した後のIWCの行方も興味深く、そもそも存在意義があるのか
 脱退するのは日本だけかもしれませんがね。まぁ、それもふくめて、行方が興味深いです。 

投稿: | 2019年1月 4日 (金) 21時00分

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