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2018年10月22日 (月)

医学部入試不正問題、絶讚炎上中

当然ながら予想された展開と言うべきなのですが、大学入試不正問題が大幅な拡大を見ているようです。

医学部入試、複数大不正か 女子や浪人の扱い不利に 文科省調査、説明求め(2018年10月12日共同通信)

 柴山昌彦文部科学相は12日の閣議後記者会見で、東京医科大の不正入試を受けて医学部医学科を置く全国の81大学の入試状況を緊急調査したところ、複数の大学で女子や浪人の受験生を不利とするなどの扱いをしていたことが判明し、不正入試が「強く疑われる」と明らかにした。各大学はこれまで不正はないとしており、説明責任が求められそうだ。

 過去6年間の入試で男女別の合格率の差が大きかった大学を中心に約30校への訪問調査をした結果、募集要項などで受験生に事前に知らせることなく、性別や浪人の期間により扱いに差をつけたり、特定の受験生を有利にしたりしたと客観的に判断できる資料などが確認された。
 柴山氏は「公正に実施されるべき大学入試で、このような事態に至っていることは問題だ」と強調。取り扱いに差を設けたことに合理的な理由があるのかどうかは、まだ不明だとして、大学名や校数は公表しなかった。不正が疑われる大学に対しては「理由、背景と合わせ、しかるべきタイミングで自主的な発表をしてほしい」と求めた。
 文科省は、さらに事実関係の確認を進め、10月中に中間報告を実施。訪問調査の対象を、東京医科大を除いた医学部医学科を置く全大学に拡大し、年内に最終結果をまとめる。

 文科省は9月、81校のうち78%に当たる63校で過去6年間の入試における女子の合格率が男子を下回っていたとの緊急調査速報を発表。全国で見ると、男子と女子の合格率には1・18倍の差があった。
 一方で各大学は文科省の書面調査に対し、女子らを不利にする得点操作などはないとの回答をしていた。
 東京医科大では既に、特定の受験生への不正加点や、女子や3浪以上の人を合格しにくくする得点操作が行われていたことが発覚している。

医学部入試、別大学も男子優遇の合格基準か 文科省調査(2018年10月17日朝日新聞

 文部科学省が、東京医科大の入試不正をきっかけに全国81大学の医学部医学科の入試を対象に実施している調査で、男女によって異なる合格基準を設定している疑いのある私立大学が出ていることが、関係者の話で分かった。追加合格者らの決定が学長や医学部長に一任されていた例もあったという。文科省は各大学に説明を求め、不正があった場合は自主的に発表するよう呼びかけている。
(略)
 ある大学では男女で異なる合格基準を設け、男子を優遇していた疑いがあるという。この大学では1次試験(学科)の結果と、2次試験(小論文・面接)を数値化し、0・5点刻みで評価した結果を組み合わせて合否判定をしているが、女子は常に男子より1レベル下に置かれていた。1次試験がトップレベルの受験生の場合、男子は2次試験の結果が2・5点以上で合格か最優先の補欠だったが、女子は3・0点以上を取らないと同じレベルにならず、2・5点であれば2番手扱いの補欠だった。
 また、追加合格の決定が学長や医学部長に一任され、面接では「不適格」とされるような点数の受験生が合格している大学もあった。年齢によって受験生に差をつけている大学や、2次試験で「同窓」「教職員」と記載のある受験生を優遇している大学もあったという。
(略)

「やはり疑わしいことが」 他大に拡大、受験控え懸念 医学部入試疑惑(2018年10月15日共同通信)

 東京医科大で発覚した女子や多浪生への入試差別が、医学部医学科を置く複数の大学でも行われてきた疑惑が新たに浮上した。多くの大学で女子の合格率が男子を下回ることが既に判明しており「やはり疑わしいことが」といぶかる声が上がる。文部科学省は調査の強化を決定。受験シーズンの到来を控え、予備校関係者は受験生への影響を懸念する。

 「各大学から『不適切な操作はない』との回答を得ていたのに、このような事態に至ったのは問題だ」。柴山昌彦文科相は12日午前の閣議後記者会見の冒頭、そう言って怒りをにじませた。
(略)
 アンケートでは、全体の78%に当たる63校で過去6年間の入試における女子の合格率が男子を下回っていたことが判明している。文科省はこれまで、女子の合格率が低い大学を中心に約30校を訪問調査。当初、調査結果を10月中にまとめる方針だったが、新疑惑の発覚を受けて調査対象を広げるため、「大車輪で」(担当者)取り組んでも最終報告には年内いっぱいかかる見通しとなった。

 大学入試は本来「公正かつ妥当に実施される」(柴山氏)のが前提。しかし、医学部専門予備校「メディカルラボ」の可児良友(かに・よしとも)・本部教務統括は「女子や多浪生に厳しい医学部があるのは常識だ」と明言する。
 同予備校では受験生の入試データを収集し、同程度の成績にもかかわらず性別や浪人回数の違いで合格率に差がある大学を分析。出願校を決める際の参考にしている。
 今後、不正入試をしていた大学名が明らかになれば、受験校を変える動きが広がる可能性もある。10月は通常、出願先を絞り込む時期だといい「入試日が近づいてきて、ただでさえ神経質になっている子も多いのに...」と懸念する。

 一方、4回目の医学部受験を控える都内の男性(24)は、自分より模試の成績が低い受験生が次々と合格し、多浪が理由ではないかと釈然としない思いを抱いてきた。「ここまで問題が広がれば、さすがに疑念を抱かれることはしないはずだ。東京医大以外にも広がり、正直ほっとした」と明かす。
 予備校の友人らとは以前から「この大学は浪人生は受けない方がいい」「あそこは女子への圧迫面接がひどい」といった情報交換をしてきた。本番まで数カ月。「公平な試験を徹底してもらい、その中で実力を出したい」と願った。

一連の入試不正問題では二つの論点があり、一つは入試要項で公表されていない選抜基準を設けることの是非、そしてもう一つは医学部学生の選抜基準としての妥当性が議論になっているわけです。
前者については知っていれば出願しなかったと言う声や堂々と公表すればよかったと言う声もあるものの、記事に見るとおり入試業界やOBらの間ではこうした選抜が行われていることは半ば常識だったとも言えます。
特に私学においては医学部に限らず、入試の点数だけで合否が決まるわけではないことは周知の事実でしょうし、受験生としてもそうした要素も込みで出願先を決めていると思いますがどうでしょうか。
面接点などは主観的な要素が極めて大きく、例えば面接での評価基準として当大学で学ぶにあたって妥当な人材かどうか云々と言った、どうとでも取れる記載をしておけば問題にならなかったのかも知れませんね。

後者については現実的に医療現場が労働環境として様々な問題を抱えているのは事実であり、若く従順で黙って奴隷労働に勤しむ人材を求めているのも事実でしょうが、それがいいのかどうかはまた別問題です。
大学としては関連病院から人材を求められる関係上、一人で二人分三人分も働く人材を揃えたいでしょうが、医師の働き方改革の観点から見るとそうした労働のあり方が正しいとは到底言えません。
むしろそうした無茶な働き方を前提として初めて成立するようなブラック名職場はどんどん潰すべきだと言う考えもあり、過剰労働をしない・出来ない人材こそそのために有用であると言う意見もあるようです。
この辺りはどこの業界でもある働く者と働かせる者との対立の構図が反映されているとも言えますが、いつまでも医師の過剰労働が必要悪だとして通用する時代ではなくなってきているとは言えると思いますね。

こうした一連の騒動を受けて全国医学部長病院長会議が先日会合を開き、公平公正な医学部入試のあり方をとりまとめる方針だそうですが、そもそも大学入試における公平公正とは何なのかです。
もっとも公平公正な入試として全国一律の試験を課し純粋に点数だけで競い合うべきでしょうが、そうした入試手法に批判的だった進歩的メディアの皆さんが今回の選抜法をどう考えるのかですよね。
性別や年齢での扱いの違い自体は珍しくないことであり、入試とは結局大学にとって有用な人材を選抜することが目的であると考えると、入試の多様性確保の観点から医学部選抜法を考えて見るのも一興でしょう。

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コメント

無茶な働き方を前提として初めて成立するようなブラック名職場に勤めちゃう労働ダンピング医師は全労働者の敵だからどんどん潰さなきゃ!(使命感

>そうした入試手法に批判的だった進歩的メディアの皆さんが今回の選抜法をどう考えるのかですよね。

マスゴミの戯言を真に受ける方が悪いw

投稿: 10年前にドロッポしました | 2018年10月22日 (月) 09時31分

いっそ地域枠2割に一芸枠8割くらいにしてみたら

投稿: 戯言 | 2018年10月22日 (月) 09時57分

補助金という名目の公金が投入されてないのであればなんでも可。それが私学だし。
学生の大半が外国人だろうが、大量に寄付した人が入学できるシステムだろうが問題ない。
いっそ募集要項に寄付10万円毎に1点加点しますとでも明記したらよろしい。
むしろそんな大学に公金を注入するのは正しいかどうかを考えるべきでは?

投稿: | 2018年10月22日 (月) 11時43分

入試問題の間違いですら大騒ぎになるのに、故意に得点調整して問題ないわけがありません。
個人的には私学が入学金で差別するのはありだと思いますけれども・・・もともとそういう大学ですし・・・
性別での差別はばれたらアウトです。

あと、この話をするのであれば、男性の合格者が一人もいない医学部の存在についても議論する必要が出てくると思います。

投稿: クマ | 2018年10月22日 (月) 13時16分

一連の騒動に関しては選別の正当性妥当性はともかくとして、方法論としてはいくらでもやりようはあっただろうにと言う印象は抱くところですが。
ただそれを抜きにして今さら私大の恣意的な入試制度を大騒ぎすると言うのは、かなり周回遅れと言う印象は受けます。

投稿: 管理人nobu | 2018年10月22日 (月) 15時32分

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