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2018年10月

2018年10月31日 (水)

救急医療のより円滑な運用に向けた工夫

命にも関わりかねない救命救急の現場では時に迷うことも多いわけではありますが、こちら迷った時の窓口が徐々に広まっていると言うニュースを紹介してみましょう

救急車呼ぶか相談できる「#7119」 全国の40%が利用可能に(2018年10月20日NHK)

マンガ家のツイートをきっかけに、救急車を呼ぶかどうか相談できたり開いている病院を紹介したりする電話番号「#7119」がネット上で話題になっています。#7119を運用する自治体は少しずつ増えていて、利用できる人は今、全国のおよそ40%となっています。

#7119は具合が悪くなったりけがをしたりして救急車を呼ぶかどうか迷った場合などにアドバイスを受けられる専用回線です。

看護師などが電話を受けていて、救急車を呼ぶ必要があるかどうかや開いている病院はどこなのか、また応急処置の方法などを相談できます

具合の悪くなった女性のマンガ家が今月、#7119を利用して手当てを受けた経験をツイートしたところ6万回以上リツイートされるなどネット上で話題になり、「知らなかった」とか「番号を覚えておこう」などといった声が上がっていて、まだ番号が広く知られていない実態もうかがえます。

#7119は東京都が平成19年に最初に導入し、これまでに大阪府や福岡県、埼玉県など9の都府県が全域で導入していて、利用できるのは一部で実施している県なども含めて国の人口データをもとに計算すると、全国の約40%の人となっています。

導入の背景には、救急車を呼ぶかどうか事前に相談することで不要な119番通報を減らし救急医療の体制を充実させたいという狙いがあり、国は全国的な普及を目指して自治体や各地の消防本部に導入を働きかけています。

元ネタになっているマンガ家氏のつぶやきについてはこちらの記事を参照いただきたいのですが、今回は大事に至らず良かったと言うものの、この種の判断に迷う状況は全国どこででも日常的にあり得る話です。
一部には迷うくらいなら遠慮せず救急車を呼べば良いんだと言う意見もありますが、さすがに昨今の救急需給バランス崩壊や救急搬送の逼迫ぶりを見るに付け、何でもかんでも119番と言うのも困るでしょう。
自分で病院を探し受診の段取りをつける手間を惜しんだり、夜間救急で少しでも早く診てもらいたいだけのために救急車を呼ぶのもどうかですが、大多数の普通の利用者にとっても判断の基準は欲しいところです。
今はまだ十分に周知徹底が進んでいない段階ですが、今後こうしたサービスが直接病院や救急隊と緊密に連携出来るようになれば利便性も増すはずで、自治体主導での体制整備が望まれるところですね。
さて、素人が医学的な判断に迷うことは当たり前なのですが、医療関係者であっても当然判断を誤ることはあり得るはずで、それも構造的な問題として考えるべきではないかと言うのがこちらのニュースです。

「被災し病院搬送も放置、死亡」 遺族、石巻赤十字提訴へ(2018年10月26日河北新報)

 東日本大震災で被災した宮城県石巻市の女性=当時(95)=が市内の石巻赤十字病院で必要な介助を受けられずに死亡し、精神的苦痛を受けたとして、遺族が近く同病院に慰謝料など約3220万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こすことが25日、遺族側への取材で分かった。

 遺族側によると、女性は震災前に同病院に通院し、日常生活に全面的な介助が必要とされる要介護5の認定を受けていた。2011年3月14日、自宅周辺が水没して孤立していたところを自衛隊に救助され、同病院に搬送された。

 同病院は治療の優先順位を決めるトリアージで、女性を「自力で歩ける軽症の患者」を意味する「緑」と判定。女性は飲食介助や点滴といった医療行為を受けられず、搬送から3日後の同17日に脱水症で死亡した。

 遺族は「介護状態の認定に必要な主治医意見書は同病院から発行されており、女性が自力で飲食できないことを同病院は震災前から把握していた」と指摘。同病院は搬送を受け入れた時点で必要な保護措置を講じる義務を負ったにもかかわらず、漫然と女性を放置して死亡させたと主張している。

実際のところどのような扱いであったのかは記事だけでは何とも言えないのですが、本当に3日で脱水症で亡くなったとすればかなり急な経過で、当時の院内の混乱ぶりが忍ばれる話でもありますね。
ただ記事を一読して盲点であったと言う気がするのですが、救急医療のトリアージと言えば一般に処置を急ぐ優先順位をつけるもので、現場の先生もその後の介護のことまで考えてタグ付けしているわけではないと思うのです。
しかし要介護度の高い高齢者などが被災した場合、外傷等で直ちに緊急の処置は必要としなくても、その後の介護の必要性は高いと言うケースも多いはずですが、さてこうした場合に何色のタグをつけるべきかです。
救急医療についてなら軽症扱いで良いとして、緑タグを付けられたことでその後の必要なケアが後回しにされ重大な結果を招きかねないのだとすれば、現在のタグの付け方に問題があるとは言えるのかも知れません。

ただ一方でこうしたトリアージが行われるような状況であれば、当然周囲にはより重症の患者も大勢いたはずで、そちらへの対処や処置に追われこうした軽症者へのケアが十分なされないのも当然と言えば当然です。
その場合重症者を放り出して高齢者の面倒ばかりみていればそれはそれで問題化していたはずなので、結局のところは医療リソースの不足によりどこかでこうした問題は出てくるしかなかったと言うことですね。
今後の教訓にするとすれば、こうした大規模災害では周辺地域でなるべく早急に現地の患者を引き受けるべきだと言うことになりそうですが、どんな患者を送り出すべきかと言う点でも一悶着ありそうです。
今回のような高齢者は長年のかかりつけを離れたがらないだろうし、家族の付き添い等の都合もあるだろうしで、この辺りの調整も円滑に進められるような組織なり仕組みなりがあれば何かと助かるのでしょうね。

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2018年10月29日 (月)

意外と差はないのか、差はあっても構わないのか

印象レベルでは多くの方々が見解をお持ちだと思いますが、先日こんなレポートが出ていたそうです。

医療費や死亡率に出身大学による差はない(2018年9月26日BMJ電子版)

 大学医学部や医科大学の評判は、出身医師の医療の質やコストに関係するのか? 米California大学Los Angeles校の津川友介氏らは、メディケア患者の診療データを用いて、US News & World Report(USNWR)誌の大学医学部/医科大学ランキングの順位と、それらの大学を卒業した医師が担当した患者の30日死亡率、30日再入院率、医療費の関係を調べ、ランキングトップ10大学出身者と50位以下の大学の出身者の間に、ほとんど差はなかったと報告した。結果は、BMJ誌電子版に2018年9月26日に掲載された。
(略)
 分析の対象にする診療データは、年齢65歳以上のメディケア受給者が2011年1月1日から2015年12月31日までに内科系疾患で入院した事例で、担当医のデータをマッチさせることができたケースから20%を抽出することにした。診療科による違いを避けるために、一般内科医の治療を受けたケースを選ぶことにした。また、患者と医師の親しさの影響を受けないように、急性期病院に救急入院した事例から選ぶようにした。こうして99万6212件の入院データを選び出した。そして、医師の出身大学のUSNWR誌ランキング別に、30日死亡率、30日再入院率、パートB医療費請求額を調べることにした。再入院率については、確定できない2015年12月分のデータを除くことにした。
 医師のプロフィールは、米国最大の医療従事者のソーシャルネットワークであるDoximityを用いて、年齢、性別、出身大学、卒業年度、診療科目などを照合した。メディケア患者の担当医のうち、約8割について出身大学を特定できた。米国以外の国で医学を学んだ医師は分析から除外した。出身大学のランキングは、1~10位、11~20位、21~30位、31~40位、41~50位、50位以上の6カテゴリーに分類した。

 入院患者の担当医3万322人のうち、4039人(13.3%)がプライマリケアランキングのトップ20大学出身者で、4071人(13.4%)がリサーチランキングのトップ20大学の出身者だった。両方のランキングでトップ20に入っていた大学は、7校に留まった。トップ20大学出身医師と、21位以下の大学出身医師で、担当した患者特性などに偏りはなかった。
 99万6212人の入院患者のうち10万6003人(10.6%)が30日以内に死亡していた。プライマリケアランキングと30日死亡率には、有意な関係が見られなかった。30日死亡率は5つのランキングカテゴリーで10.7%、50位以下だけが10.6%だった。ランキング1~10位を基準とし、患者特性や病院の違いを補正したリスク差は、50位以下でも-0.04%(95%信頼区間-0.4から0.3%)で有意差はなかった
 30日以内に再入院していたのは97万3484人中15万6057人(16.0%)だった。プライマリケアランキング1~10位の再入院率は15.7%、50位以下の再入院率は16.1%だった。ランキング1~10位を基準とし、患者特性や病院の違いを補正したリスク差は、50位以下で0.4%(0.1-0.8%)で、わずかだが有意になった。
 メディケアパートBの医療費は、プライマリケアランキング1~10位が1029ドル、11~20位が1062ドル、21~30位が1043ドル、31~40位が1054ドル、41~50位が1053ドル、50位以下が1066ドルだった。1~10位を基準とした補正後の50位以下の金額差は、36ドル(20-52ドル)だった。

 リサーチランキングを用いると、30日死亡率、30日再入院率、医療費とカテゴリーの関係は見られなかった。1~10位を基準とした50位以下の補正後の死亡率のリスク差は-0.3%(-0.7から0.1%)、30日再入院率のリスク差は0.05%(-0.4から0.5%)だった。医療費の差は17ドル(-5から39ドル)だった。
 これらの結果から著者らは、同じ病院で働いている医師の場合、出身大学のUSNWRランキングと、担当した患者の死亡率・再入院率・医療費の間の関係はほとんどなく、あるとしてもわずかだったと結論している。なお、この研究は米国National Institutes of Healthなどの支援を受けている。
(略)

要は同じ病院で働いている医師の間では出身大学によらずさほど差はないと言う結果ですが、個人的にも臨床能力に関しては卒業大学よりもその後の卒後教育の内容が重要ではないかと言う印象を持っています。
ただ今回の調査の場合同じ病院内ではと言うところがポイントで、当然ながら難しい症例ほど医師相互に相談をしたり、手助けをしてもらったりはあるはずですので、ある程度当然ではないかと言う気もしますね。
純粋に出身大学だけで能力を評価するにはもう少し別な指標が必要なのかも知れませんが、どんな大学出身の先生であれチーム内で働く限りきちんと人並みの水準の仕事をこなせているとも受け取れる結果です。
この辺り臨床上の経験から同意すべきか異を唱えるべきか各先生方の間でも意見は分かれるところでしょうが、能力差に関して先日以来世間を賑わせているあの問題についてもこんな意見が出ていました。

2浪以上を不利にした医学部不正入試。現役生の方が能力は上か?(2018年10月18日mag2ニュース)

東京医科大に続き、昭和大医学部でも明らかになった不正入試問題。女子や2浪以上の受験生が不利になるような得点操作が行われていたとあって、各所から批判の声が上がっています。この問題を取り上げているのは、健康社会学者の河合薫さん。河合さんは自身のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』で、「医師とは残された命に光を与えてくれる存在」とした上で、「人生は思いどおりならない」という経験を持つ2浪医師の言葉が必要になってくることもあるはず、という持論を記しています。

医学部の不正入試をめぐる問題で、昭和大学でも医学部の一般入試で、2浪以上の受験生が不利になるような得点操作を行っていたことがわかりました。
(略)
現役と1浪を優遇した理由について昭和大学は、「(現役・1浪は)活力があるとか、アクティブに動ける可能性が高いと判断していた」と説明しています。
(略)
でも、本音は「能力」。「(現役・1浪)の方が、能力が高い可能性があると判断していた」ということだったと思うのです。
実際、テレビなどのメディアで関係者は、「能力」という言葉を使っていましたし、「現役生より2浪生は時間をかけて勉強している→能力が低い」というコメントも少なくありませんでした。
要するに「コスパ」。労力と結果という視点で捉えれば、現役生の方が優秀。流行りの言葉でいえば、「生産性が高い」ということなのでしょう。

ただ、医学生は将来の医師です。試験に合格する能力は、現役生の方が高いかもしれません。でも、だからといってそれは、医師に求められる能力なのでしょうか?
(略)
私の専門である健康社会学では、「医者と患者のコミュニケーション」も研究領域です。医療技術が発達し、「病とともに生きる」今の時代に、医師が患者さんといかに向き合うかは、患者のQOLを考える上で極めて大切です。
しかしながら、現実はどうでしょうか。医師は「患者」を看るより、パソコンの数値を見ています。
確かにさまざまな検査結果の数値をいかに読み解くか?ということは病気を治療する上では重要かもしれません。でも、私は…、医師というのは、医療現場が考えている以上に、患者や家族にとって、大きな存在だと思うのです。
(略)
医師とは「残された命」に、光を与えてくれる存在なのです。
そんなときに「人生は思いどおりならない」という経験をした2浪医師の言葉が、必要になってくることもあるのではないでしょうか。

(略)
まあしかしこの種の意見もよく見かけるものではあるのですが、不思議なことに直接現場を知る医療の当事者からはあまり聞かれることのないタイプの意見ではある気がしますけれどもね。

2浪くらいですと微妙なところですが、高校生気分を多分に残した現役・1浪と比べると多浪生や社会人経験者などは明らかに異質感があって、医療に限らず視点の違いと言うものは少なからずあるのだと思います。
そうした視点の違いが求められる局面ももちろんあるのでしょうが、一般的な医療現場に求められるスキルとはとにかく過酷な現場に耐えてひたすら奴隷労働が続けられる心身のタフネスさだったとは言えるでしょうね。
特に社会人入学組などは人生経験が豊かな分、より効率的な働き方や勝ち上がり方を追及する傾向がある印象ですが、それが良いのか悪いのか、良いとすれば誰にとって良いことなのかと言うことでしょうか。

昨今話題になっている医師の働き方改革に関わる議論などを見ても、今までの医療現場で常識的に行われてきたやり方が社会の非常識であることは明白ですが、ではいつまで現状路線を続けるのかです。
歳をとって体力が低下したり、子育てでフルタイムの労働が出来ないと言った場合でも出来る仕事は幾らでもあるわけで、そうした多様な働き方を肯定すると言うことがすなわち働き方改革であるとも言えますね。
この点で医療現場ではあの先生は夕方にさっさと帰る、あの先生は当直もしないと言った批判の声が上がりがちですが、その原因として医師に特有の給与体系が不公平感をもたらしている印象もあります。
働いた分だけ正当に報われると言うことになれば、人より余分に頑張っている先生方にとっても悪い話ではないと思いますが、この点では雇用者側にも被雇用者側にも意識改革が必要となりそうです。

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2018年10月28日 (日)

今日のぐり:「炭火焼き鳥 福」

世の中妙な新サービスは度々話題になるものですが、言われてみれば需要がありそうなのがこちらの商売です。

PTA出席代行サービスが人気 親たちのニーズつかむ(2018年8月23日毎日新聞)

 PTA行事や子どもの習い事で使う物品の製作などの代行サービスが人気を集めている。多少お金がかかっても代行に任せ、仕事やプライベートの時間を確保しようとする最近の母親たちのニーズを捉えているようだ。【松山文音】

 徳島や東京などで保育・代行サービスを手掛ける「クラッシー」(本社・徳島市)には、働く母親からの依頼が寄せられる。「仕事でPTAの会合に出られないので出席してほしい」。今春、小学2年男子の母親(30代)から依頼があった。教師から授業方針の説明を聞き、クラスのPTA委員決めに代理で出席。計90分で代金は8370円(資料送付代別)だった。

 昨年のPTA関連の依頼は約50件で、共働きのリピーターが多い。「代行サービスは富裕層が使用すると思われがちだが実際は違う」と同社の植田貴世子社長(63)。サービス料金は1時間4860円(徳島市外は交通費別)。決して安くはないが、お遊戯会の洋服やレッスンバッグといった原則手縫いが必要で時間を要する依頼は増加傾向にある。子どもの受験票の代筆、小学校受験の抽選で列に並んだりと、求められるサービスが多様化してきた。

ネット上ではこうした代行で派生する問題も様々に指摘されているようですが、ともあれ確かにこうした要望はありそうに思います。
今日は世の忙しい親御さん達に敬意を表して、世界中からその発想はなかったと考える目新しいものの数々を取り上げてみましょう。

ピザの“自販機”が広島に登場!! 「3年で全国100台」目標、あなたの街にも? 設置者に聞く(2018年8月9日大人ンサー)

日本初という「ピザの自動販売機」が広島市内に登場し、行列ができるなど好評です。どのような経緯で設置されたのでしょうか。
(略)
 ピザの自販機を運営しているのは、物流会社のイーライン(広島市中区)です。中小企業を対象にした広島県の助成事業に「ピザの自動販売機」事業を応募し、2017年4月に採択。TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が採択を知り、イーラインに声をかけて「TSUTAYA 楠木店」の敷地内に設置しました。
(略)
 イタリア製の自販機2台を輸入して、対応する電圧を調整し、内蔵するシステムなどを日本仕様に改装。大きさは、街中にある証明写真の自動撮影機とほぼ同じです。冷凍したピザが入っており、電気で最高300度に温めて一気に焼き上げます。
 注文はタッチパネルで行い、約5分で焼き立てピザが完成。でき上がったピザは箱に入った状態(上部は開いた状態)で取り出し口に出てきます。ピザカッターやナプキンも無料で持ち帰れます。
 ピザは「マルゲリータ」と「4種チーズ」の2種類で、価格はそれぞれ980円、1280円(いずれも税込み)です。生地の発酵過程など本場の味にこだわり、ベネチアのピザメーカーに製造を委託。8割程度焼き上がった状態で冷凍したものを輸入し、注文が入ると自販機内で完成させる仕組みです。

 設置後の反響は大きく、ピザを購入したい人の行列ができるほど。自販機には、1回の補充で42枚ずつ計84枚を入れますが、好評で補充が追いつかないほどだそうです。
「TSUTAYA 楠木店」は1号機で、もう1台は広島市内の別の場所に設置予定。その後、ゼロから自販機を製作し、“純日本製ピザ自販機”を全国に広げるのが目標です。
 谷口さんは「3年で全国に100台を設置することが目標」と話しています。

案外とお手頃な価格で需要もありそうなのですが、しかし逆に何故自販機好きな日本でこうしたものがなかったのかとも思いますね。
愛媛では蛇口からポンジュースが出ると言う有名な話がありますが、こちら大阪からは予想外のものが出てくる蛇口があると言うニュースです。

蛇口からカフェオーレ! 無料で飲める4メートルの「超巨大カフェオーレ」が大阪・道頓堀に登場(2018年7月31日BIGLOBEニュース)

江崎グリコは、蛇口からカフェオーレが出てくる「超巨大カフェオーレ蛇口」の無料試飲イベントを、大阪・道頓堀グリコサイン前で8月1日から3日まで開催する。

お馴染みの円錐型のパッケージに蛇口が付いた「超巨大カフェオーレ蛇口」が、道頓堀の「とんぼりリバーウォーク」に登場。蛇口を回すと、3度まで冷やしたカフェオーレが出てくる仕掛けとなっている。開催期間は、8月1日から3日の12時から17時まで。期間中は無料で「カフェオーレ」を楽しむことができる。

「カフェオーレ」は、1979年の発売以来、コーヒーとミルクの優しいハーモニーで親しまれているコーヒー乳飲料。昨年、ドリップの後半部分を約3割カットし、より苦みが少なくまろやかにリニューアルしている。

蛇口以前にその衝撃的なビジュアルに圧倒されますが、残念ながらすでに無料期間が終了しているようです。
世界的に有名なあの兵器メーカーが開発すると、何気ないものもこれだけ見た目に衝撃的なものになってしまうと言うニュースがこちらです。

あのカラシニコフ社が最恐殺人ロボット「Igorek」開発! なかなかレトロでユルすぎる姿に衝撃!(2018年8月22日トカナ)

 今月21日からロシア・モスクワで開催されている軍事技術の国際的展示会「Army-2018」で、自動小銃AK-47の製造元として知られるロシアのカラシニコフ社が開発中の軍事用ロボット「Igorek」を公開した。多くの展示品の中でも一際存在感を発揮する黄金のロボットは来場者の注目を浴び、英「Daily Mail」が取り上げるなど大きな話題となっている。

 Igorekは高さ4メートルほどで重さは4.5トン。金色に塗装された機体は二足歩行が可能で、二本のアームを使って武器などを掴むこともできる。上部には防弾ガラスとシールドで保護されたキャビンがあり、内部にパイロットが乗り込んで操縦する。
(略)
 カラシニコフ社のウラジミール・ドミトリエフ氏は、そう胸を張ってIgorekをアピールする。このロボットは「エンジニアリングと戦闘のための解決策」として設計されているといい、「次に来るもの」のデモンストレーションとして今回展示されることとなったそうだ。
(略)

ええとその、何かこういうのどこかで見たことあるような気がしますね、かれこれ30年以上も昔くらいに。
最後に取り上げますのも同じくロボットのニュースですが、先行者で有名な中国からまたも衝撃的なロボットが登場したそうです。

中国人男性、人が乗れるカニ型ロボを生み出してしまう(2018年10月4日mag2ニュース)

こちらの動画では、人が乗れるロボットが収められている。
このロボットを生み出したのが、研究者などではなく普通の農家の男性というから驚きだ。

真っ赤で巨大なカニを模したロボット。100kgまでなら人を乗せて動くことが可能だ。
カニの姿だが横ではなく前に進むよう。
その場で180度旋回し方向転換することも可能。

この『ガシャン!ガシャン!』という音が古風でまた良い。ちょっと『ハウルの動く城』のような雰囲気を出している。
デザインはダサ・・・個性的だが、これはちょっと乗ってみたい!

その衝撃的すぎるビジュアルはこちらの動画から参照いただきたいと思いますが、一応観光用に開発されたものだそうです。
観光客のどのような需要に対応したものか何とも言いがたいのですが、乗っているだけでもひどく疲れるそうですからダイエットにはいいのかもですね。

今日のぐり:「炭火焼き鳥 福」

倉敷市西部の新倉敷駅にほど近く、こちらわりあい最近オープンされたお店だそうですが、すでに常時満席の人気店になっているようです。
ご主人は倉敷市内の某有名焼き鳥店で修行されたともうかがうのですが、内装などはカジュアルで女性客も気軽に利用出来る雰囲気ですよね。

まずはおまかせのコース(小鉢+串5本)を頼んで見たのですが、お通しの枝豆に続いて出てきた絹ごし豆腐はまあまあと言ったところでしょうか。
串の方は紫蘇巻き、豚、アスパラ巻き、鶏ささみと出てきましたが、いずれも塩加減焼き加減ともなかなか絶妙ですし、食感を考えられた切り方なども良く出来たものです。
同行者とシェアしながら目に付いたものを追加していったのですが、いずれも絶妙の塩加減が印象的で、これで鶏自体の質がさらに上がれば名店の仲間入りでしょうね。
一品ものでは胡瓜の薄切りと合わせた鶏酢は味加減もよくちょうど箸休めに良い感じですし、軟骨唐揚げはクリスピーで味もさることながら、やはり包丁の具合がいいですね。

今回初めてお邪魔しましたが、これはなかなかいいお店で、すでに人気店となっているだけに予め予約を入れておいた方がよさそうですね。
トイレなど設備面などは今どきのお店らしく一通り整っていて安心ですが、繁忙期にはさすがに少し手が足りていない印象もあるようです。

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2018年10月24日 (水)

意外にも?違法な海賊版漫画サイトの取り締まりがうまくいいそうな気配に

以前に漫画などの著作権出版物を違法に掲載するサイトの話題を取り上げた際、根本的対策は難しいのではないかと感じていたのですが、良い意味で予想が外れたようです。

漫画村の運営者をついに特定か!?法的措置も進行中(2018年10月10日アルケム)

著作権を無視した漫画の海賊版サイト「漫画村」の運営者とみられる人物を、日本の弁護士が特定したことがわかりました。

漫画村の運営者の身元特定が困難だった理由の一つが、「防弾ホスティングサービス」。
漫画村は、米国クラウドフレア社の提供する防弾ホスティングサービス(身元を隠すのに使う)を利用していたことが、以前から知られていました。
このサービスは、顧客の匿名性を重視しており、海外から情報開示要求を行っても、相手にしてもらえず捜査がなかなか進展していませんでした。
しかし、今回、アメリカの著作権者を通じて訴訟を行うことで、情報開示要求に応じたことが、捜査進展のきっかけになったようです。

米国で起こされた民事訴訟は、漫画村に著作権を侵されていた、米国在住の漫画家が原告となりました。
これまで「知らぬ存ぜぬ」を貫いてきたクラウドフレア社であっても、米国で起こされた民事訴訟に対しては、適切な対応をしないと罰則を受けるので、しっかりと対応される結果に。
証拠開示手続き(ディスカバリー)が行われ、クラウドフレア社から漫画村に対する、課金関係の資料が取り寄せられ、その情報をもとに漫画村運営者の特定が試みられました。
(略)
開示された情報では、クラウドフレアと契約している男性の住所は東京都内のマンションになっていたとのこと。
さらに、男性の本名や住所、男性が親族の名義でこのマンションを借りていたことも判明しました。

今後は、漫画村の運営者とみられる人物に対して、刑事告訴、民事訴訟が行われていく予定です。
とはいえ、3,000億とも見積もられる被害額に対し、漫画村の運営者が所持しているとみられる資産はスズメの涙ほど。
今回クラウドフレア社が、米国からの手続きで情報開示に素直に応じたのは、マンガ業界にとっては吉報です。
直接の権利者が、適切な法律に則った手続きを行えば、違法サイトの運営者の情報もしっかりと開示されることがわかったので、今後、同様のサイトの閉鎖の足がかりになることが期待されます。

もはや裏ビジネスにはなり得ない……「漫画塔」も一瞬で消滅! 追い詰められる海賊版サイト(2018年10月16日日刊サイゾー)

 再び登場したかと思いきや、違法海賊版サイト「漫画村」の後継と目される「漫画塔(タワー)」は、話題になった途端に消滅した。もはや、海賊版サイトでアクセスを集めることをベースにした裏ビジネス自体の崩壊は近いのか。

 今年4月、今も続くブロッキング問題などを引き起こした揚げ句に消滅した「漫画村」。その後継サイトではないかと注目を集めたのが「漫画塔」である。このサイトは「漫画村」がキャラクターとして挑発的に登場させていた「らりっくま」も用いており、サイトデザインからも後継サイトである可能性が強かった。
 さらに「漫画塔」は、公式Twitterアカウントも運用。10月4日に「フリーブックスや漫画村の代わりになる漫画無料サイトを紹介!! 漫画塔!!!」、翌5日には「速報!漫画村が漫画塔としてして復活さたよ」(原文ママ)などという挑発的な言葉で、集客を図ろうとしていた

 ところが、これがニュースサイトなどに取り上げられたことで状況は一変。10月9日には、公式Twitterアカウントは「私たちは閉じられ、永遠に閉じたままです」「永久閉鎖された!!!!」とツイートし、サイトは消滅したのである。
 この背景にあるのは、まず昨今話題になっている「漫画村」運営者が特定されたという報道である。もはや、あらゆる方面から逃げ道を塞がれていることが明らかになった中で、これ以上の継続は不可能と判断したのであろう。おそらくは、再開を焦った「漫画村」運営者の判断ミスといえる。

 これまで「漫画村」をはじめとする海賊版サイトの目的は、仮想通貨をマイニング(採掘)させるスクリプトを混入させたり、個人情報の取得が目的ではないかとされていた。運営者側には「権利者には絶対に正体はバレない」という絶対的な自信があったのだろう。
 だが、運営が国家レベルの陰謀でない以上は、正体が露見することからは逃れられないことが、わかってしまった。
 もはや海賊版サイトはビジネスにはなり得ない。その段階に突入したことが次第に明らかになっている。

今回アメリカ経由で話を進めたことが事態の急展開につながったと言うことですが、逆に言えば日本の制度上の問題点が明らかになったとも言えるでしょうし、今後同種の問題に対応可能な制度整備が求められます。
とは言え正しい手順で話を進めれば案外あっけなく解決するものだなとも感じるのですが、当然ながら特定業者なり個人なりを摘発したところで同じようなサイトは幾らでも立ち上げられる可能性はあるわけです。
ただ商売として成立するためには一定程度の集客を図らなければならず、そのためにはネット上で周知されなければ仕方がありませんが、検索サイトの上位に名前が出れば取り締まる側も容易に知れる理屈です。
その都度適切な対応を迅速に行っていけば、少なくとも3000億円の損害などと言う大きな話にはならずに済む可能性があり、今後出版業界としても対策にコストをかけていくことになるのでしょうか。

この種の問題で過去に話題になってきたこととして、音楽の著作権を一元管理している団体による使用料取り立て問題がありますが、無論著作権物の利用に対して適正な支払いを行うことは利用者として当然です。
一方でその取り立て手法には数々の反発や反感があったことも事実ですし、ネット上に氾濫する違法な音源に対して放置しておいて取れるところからだけ取るのがいいのか式の批判もあったのは事実ですよね。
厳しい規制が消費者の反発を招き、かえって違法サイトの利用が進むと言うのでは本末転倒で、利用者が進んで制作者の権利を擁護する方向になれば最善ですが、そのためにはお金の流れも重要だと思います。
きちんとお金を払えばお気に入りの作家の元にきちんとそれが届き、それが次の作品の制作につながるとなれば双方メリットがありますが、今後ネットでの公開が主流になればこうしたシステムは作りやすくはなるはずです。

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2018年10月22日 (月)

医学部入試不正問題、絶讚炎上中

当然ながら予想された展開と言うべきなのですが、大学入試不正問題が大幅な拡大を見ているようです。

医学部入試、複数大不正か 女子や浪人の扱い不利に 文科省調査、説明求め(2018年10月12日共同通信)

 柴山昌彦文部科学相は12日の閣議後記者会見で、東京医科大の不正入試を受けて医学部医学科を置く全国の81大学の入試状況を緊急調査したところ、複数の大学で女子や浪人の受験生を不利とするなどの扱いをしていたことが判明し、不正入試が「強く疑われる」と明らかにした。各大学はこれまで不正はないとしており、説明責任が求められそうだ。

 過去6年間の入試で男女別の合格率の差が大きかった大学を中心に約30校への訪問調査をした結果、募集要項などで受験生に事前に知らせることなく、性別や浪人の期間により扱いに差をつけたり、特定の受験生を有利にしたりしたと客観的に判断できる資料などが確認された。
 柴山氏は「公正に実施されるべき大学入試で、このような事態に至っていることは問題だ」と強調。取り扱いに差を設けたことに合理的な理由があるのかどうかは、まだ不明だとして、大学名や校数は公表しなかった。不正が疑われる大学に対しては「理由、背景と合わせ、しかるべきタイミングで自主的な発表をしてほしい」と求めた。
 文科省は、さらに事実関係の確認を進め、10月中に中間報告を実施。訪問調査の対象を、東京医科大を除いた医学部医学科を置く全大学に拡大し、年内に最終結果をまとめる。

 文科省は9月、81校のうち78%に当たる63校で過去6年間の入試における女子の合格率が男子を下回っていたとの緊急調査速報を発表。全国で見ると、男子と女子の合格率には1・18倍の差があった。
 一方で各大学は文科省の書面調査に対し、女子らを不利にする得点操作などはないとの回答をしていた。
 東京医科大では既に、特定の受験生への不正加点や、女子や3浪以上の人を合格しにくくする得点操作が行われていたことが発覚している。

医学部入試、別大学も男子優遇の合格基準か 文科省調査(2018年10月17日朝日新聞

 文部科学省が、東京医科大の入試不正をきっかけに全国81大学の医学部医学科の入試を対象に実施している調査で、男女によって異なる合格基準を設定している疑いのある私立大学が出ていることが、関係者の話で分かった。追加合格者らの決定が学長や医学部長に一任されていた例もあったという。文科省は各大学に説明を求め、不正があった場合は自主的に発表するよう呼びかけている。
(略)
 ある大学では男女で異なる合格基準を設け、男子を優遇していた疑いがあるという。この大学では1次試験(学科)の結果と、2次試験(小論文・面接)を数値化し、0・5点刻みで評価した結果を組み合わせて合否判定をしているが、女子は常に男子より1レベル下に置かれていた。1次試験がトップレベルの受験生の場合、男子は2次試験の結果が2・5点以上で合格か最優先の補欠だったが、女子は3・0点以上を取らないと同じレベルにならず、2・5点であれば2番手扱いの補欠だった。
 また、追加合格の決定が学長や医学部長に一任され、面接では「不適格」とされるような点数の受験生が合格している大学もあった。年齢によって受験生に差をつけている大学や、2次試験で「同窓」「教職員」と記載のある受験生を優遇している大学もあったという。
(略)

「やはり疑わしいことが」 他大に拡大、受験控え懸念 医学部入試疑惑(2018年10月15日共同通信)

 東京医科大で発覚した女子や多浪生への入試差別が、医学部医学科を置く複数の大学でも行われてきた疑惑が新たに浮上した。多くの大学で女子の合格率が男子を下回ることが既に判明しており「やはり疑わしいことが」といぶかる声が上がる。文部科学省は調査の強化を決定。受験シーズンの到来を控え、予備校関係者は受験生への影響を懸念する。

 「各大学から『不適切な操作はない』との回答を得ていたのに、このような事態に至ったのは問題だ」。柴山昌彦文科相は12日午前の閣議後記者会見の冒頭、そう言って怒りをにじませた。
(略)
 アンケートでは、全体の78%に当たる63校で過去6年間の入試における女子の合格率が男子を下回っていたことが判明している。文科省はこれまで、女子の合格率が低い大学を中心に約30校を訪問調査。当初、調査結果を10月中にまとめる方針だったが、新疑惑の発覚を受けて調査対象を広げるため、「大車輪で」(担当者)取り組んでも最終報告には年内いっぱいかかる見通しとなった。

 大学入試は本来「公正かつ妥当に実施される」(柴山氏)のが前提。しかし、医学部専門予備校「メディカルラボ」の可児良友(かに・よしとも)・本部教務統括は「女子や多浪生に厳しい医学部があるのは常識だ」と明言する。
 同予備校では受験生の入試データを収集し、同程度の成績にもかかわらず性別や浪人回数の違いで合格率に差がある大学を分析。出願校を決める際の参考にしている。
 今後、不正入試をしていた大学名が明らかになれば、受験校を変える動きが広がる可能性もある。10月は通常、出願先を絞り込む時期だといい「入試日が近づいてきて、ただでさえ神経質になっている子も多いのに...」と懸念する。

 一方、4回目の医学部受験を控える都内の男性(24)は、自分より模試の成績が低い受験生が次々と合格し、多浪が理由ではないかと釈然としない思いを抱いてきた。「ここまで問題が広がれば、さすがに疑念を抱かれることはしないはずだ。東京医大以外にも広がり、正直ほっとした」と明かす。
 予備校の友人らとは以前から「この大学は浪人生は受けない方がいい」「あそこは女子への圧迫面接がひどい」といった情報交換をしてきた。本番まで数カ月。「公平な試験を徹底してもらい、その中で実力を出したい」と願った。

一連の入試不正問題では二つの論点があり、一つは入試要項で公表されていない選抜基準を設けることの是非、そしてもう一つは医学部学生の選抜基準としての妥当性が議論になっているわけです。
前者については知っていれば出願しなかったと言う声や堂々と公表すればよかったと言う声もあるものの、記事に見るとおり入試業界やOBらの間ではこうした選抜が行われていることは半ば常識だったとも言えます。
特に私学においては医学部に限らず、入試の点数だけで合否が決まるわけではないことは周知の事実でしょうし、受験生としてもそうした要素も込みで出願先を決めていると思いますがどうでしょうか。
面接点などは主観的な要素が極めて大きく、例えば面接での評価基準として当大学で学ぶにあたって妥当な人材かどうか云々と言った、どうとでも取れる記載をしておけば問題にならなかったのかも知れませんね。

後者については現実的に医療現場が労働環境として様々な問題を抱えているのは事実であり、若く従順で黙って奴隷労働に勤しむ人材を求めているのも事実でしょうが、それがいいのかどうかはまた別問題です。
大学としては関連病院から人材を求められる関係上、一人で二人分三人分も働く人材を揃えたいでしょうが、医師の働き方改革の観点から見るとそうした労働のあり方が正しいとは到底言えません。
むしろそうした無茶な働き方を前提として初めて成立するようなブラック名職場はどんどん潰すべきだと言う考えもあり、過剰労働をしない・出来ない人材こそそのために有用であると言う意見もあるようです。
この辺りはどこの業界でもある働く者と働かせる者との対立の構図が反映されているとも言えますが、いつまでも医師の過剰労働が必要悪だとして通用する時代ではなくなってきているとは言えると思いますね。

こうした一連の騒動を受けて全国医学部長病院長会議が先日会合を開き、公平公正な医学部入試のあり方をとりまとめる方針だそうですが、そもそも大学入試における公平公正とは何なのかです。
もっとも公平公正な入試として全国一律の試験を課し純粋に点数だけで競い合うべきでしょうが、そうした入試手法に批判的だった進歩的メディアの皆さんが今回の選抜法をどう考えるのかですよね。
性別や年齢での扱いの違い自体は珍しくないことであり、入試とは結局大学にとって有用な人材を選抜することが目的であると考えると、入試の多様性確保の観点から医学部選抜法を考えて見るのも一興でしょう。

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2018年10月20日 (土)

今日のぐり:「焼肉玉貴」

世に変態性のある事件は数えきれませんが、先日ちょっとした話題になっていたのがこちらの事件です。

男子高校生の口に指を入れる 千葉市立小教諭を逮捕(2018年9月13日産経ニュース)

 男子高校生の口に指を入れたとして、千葉北署は13日、暴行容疑で、千葉市立こてはし台小学校教諭、中村(なかむら)将(しょう)容疑者(29)=同市稲毛区=を逮捕した。調べに対し、容疑を認めているという。

 逮捕容疑は、8月11日午後5時10分ごろ、同市稲毛区の千葉大西千葉キャンパスの男子トイレで、面識のない高校2年生の男子生徒(17)の口に指を入れ、のど仏を押したとしている。中村容疑者は近くを歩いていた男子生徒に「歯並びが良いから鏡で見たほうがいい」とトイレに誘いこみ、「ここを押すとゲップが出る」とのど仏を触ったという。
 同署によると、同様の被害申告が複数あることから、同署は中村容疑者に余罪があるとみて追及する。

 同市教育委員会の磯野和美教育長は「事実を確認した上で、厳正に対処します」とコメントを出した。

何でも以前からゲップの臭いを嗅ぎたいばかりに同様の犯行を数十件も繰り返していたそうですが、注目されるのはあまりに特異なその性癖でしょうか。
本日は中村容疑者の更生を期待して、世界中からマニアックと言う点で注目されるニュースの数々を紹介してみましょう。

うつ伏せから仰向けへ…女子中学生が遭遇した「回転式露出狂」に悲鳴(2018年9月10日しらべぇ)

世の中には色んな性癖の人がいる。だが、この世界に法律がある以上、それはパートナーやプロ相手など、許される範囲でしか解き放ってはいけない。
8日、大阪府で前代未聞の露出狂が出現し、「変態のレベルが高すぎる」と話題になっている。

「ガッコム安全ナビ」によると、問題となった男が目撃されたのは9月8日午前7時30分頃。
大阪府堺市にある緑道で女子中学生が徒歩で通行していたところ、30歳から40歳くらいの男が彼女を追い越した後にズボンを下ろして、うつ伏せに転倒。下半身を露出したまま、仰向けになるという事案が発生したという。
その後、男は逃走したようで、サイトでは「不審者を見かければ110番通報お願いします」と呼びかけている。
(略)

目の前でこんなことをされれば女子中生ならずとも驚きますが、しかし素朴な疑問として痛くなかったものでしょうかね。
こちらも相当にマニアックな犯罪行為ですが、その全てが記録されていたと言うのが何とも言いがたいですね。

四つんばいで靴のにおいを嗅ぎ懐へ 登別市の小学校で犯行(2018年4月13日テレビ朝日)

男は四つんばいで他人の靴のにおいを嗅いだ後、懐に入れてそそくさと立ち去った。

北海道登別市の小学校。靴を盗まれることが相次いだことから利用者がカメラを設置したという。怪しげに身を隠す男。どういうわけか懐から取り出した靴を並べる。そして、別の靴を取り、においを嗅いだ。その後も靴を物色する男。最初に嗅いだ靴が気に入ったのか懐に入れた。下駄箱の向こうに人影。男はきょろきょろしながら出て行った。

逮捕されたのは北海道苫小牧市の会社員・岡崎肇容疑者(41)。今年1月、小学校の体育館で女性の靴1足を盗んだ疑いが持たれている。岡崎容疑者は容疑を認めていて、犯行について「においそのものに興味がある。男女は関係がない」と供述しているという。
容疑者の自宅からは他人のものとみられる靴約20足が押収され、なかには28センチの男性のものとみられる靴も含まれているという。警察は余罪もあるとみて調べている。

それは余罪もないはずがありませんが、しかしにおいに興味があるなら何も学校に不法侵入せずとも機会はいくらでもありそうなものですが。
海外からも幾らでも話題はあるものですが、こちら何とも謎めいた事件として話題になっていたものです。

裸で電柱に縛られる男性が相次いで見つかる 警察が捜査に乗り出すも難航(2018年10月1日ゴゴ通信)

メキシコのハリスコ州プエルト・バジャルタで9月25日と27日に裸で電柱に縛られている男が相次いで発見された。被害者は10人ほど確認されており、中には酷い拷問を受けた男性もいる。状況は全て似ており、同一の犯行とみて進めている。
しかし警察の捜査は難航しており、その理由は被害者全員が口を閉ざしているからだ。何を聞いても「強盗にあった」、「覚えて無い」、「1人で遊んでただけ」と嘘の供述ばかり。
プエルト・バジャルタには悪名高い麻薬カルテルの拠点があり、麻薬カルテルが警告または脅迫の為に行った犯行では無いかと推測。

救助された男性の内1人は右のお尻部分に重傷を負っており、また髪の毛を切られ後頭部にRの文字が刻まれていた。
警察はこれを「盗難して捕まった」という意味だと言う。スペイン語で盗難はRから始まる「Robo」だと説明。
過去には手足を切断され路上に放置された被害者もいたが、それも同じく盗難により捕まった人物。

中南米と言えば怖い犯罪組織の犯行かと身構えてしまうのですが、関係者一同がそろって口を閉ざしている点が謎めいていますね。
最後に取り上げますのがご存知ブリ絡みのニュースですが、一体何があったのかと誰しも疑問に思わざるを得ない事件です。

英女性の性器からカメの死体を摘出=スペイン紙(2018年09月24日スプートニク)

英女性(26)はスペイン領カナリア諸島の最大の島、テネリフェ島での休暇中、病院に向かい、性感染症の疑いと腹部の裂けるような痛みを訴えた。検査の結果、信じがたいことが判明した。女性の性器からカメの死体が見つかったのだ。スペイン語紙「ABC Canarias」(電子版)が報じた。

現地メディアの報道によると、18センチものカメが性器に入った経緯を困惑した医師は尋ねたが、女性は答えられなかった。女性は前日の夜、ナイトクラブにいたという。
病院には警察が訪れた。性的暴行の可能性も除外されていない。英紙ザ・サンが報じた。女性は現在、治療を受けている。この出来事の詳細は明らかではない。

それは詳細も明らかではないでしょうが、明らかになったはなったで謎が謎を呼びそうではあるかと思います。
しかし不幸なカメが亡くなったのがどの時点であったのか気になるところですが、世の中何とも奇妙な事件もあるものですね。

今日のぐり:「焼肉玉貴」

岡山市街地南部を走る幹線道路沿いにある繁盛店で、通りすがりにずいぶんとお客が入っているなと以前から気になっていたお店です。
以前にボヤに遭われたそうで改装されて見た目に新しくはなっているのですが、基本的には昔ながらの町の焼き肉屋ですよね。

同行者と適当につまんでみたのですが、店内に入っても煙もうもうなところが昔ながらの…と言う印象で、装備も昔ながらのテーブルにプロパンのガス火です。
上ロース、ミノ、ホルモン、豚トロなど幾つか頼んで見たのですが、肉の味としては見た目通りとも値段相応とも言えるもので、特記すべきようなところはありません。
気になったのは馬肉など生肉系のメニューが一通り用意されている点で、さすがにレバ刺しはないようですがこういうものが好きな人にはたまらないのでしょうね。
サイドメニューでは石焼きビビンバは比較的しっかりした味付けで悪くない出来ですし、メニューやドリンク類の品揃えなどもまさしく見た目を裏切らない印象でした。

味はそこそこで特別のことはありませんが全体のコスパは悪くなく、店内を見回してもがっつり系目的らしき若い人達が多いのもうなずけるでしょうか。
こういうお店は着飾ってのデートには向かないでしょうが、気の合う仲間とのちょっとした会食目的でグループで楽しく利用するのがよさそうですかね。

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2018年10月17日 (水)

財務省主導の医療費抑制策、高齢者医療の在り方にも波及か

医療費抑制と言うことに関して昨今すっかり主役級の活躍?が目立つ財務省筋から、先日こんな提案が出てきたことが話題になっています。

高額新薬、保険適用除外も 医療費抑制へ財務省提案 75歳以上の負担2割に(2018年10月10日共同通信)

 財務省は9日、財政制度等審議会の分科会で中期的な社会保障改革案を示し、新たに登場した高額医薬品は経済性に応じて公的医療保険制度の適用外にすることも検討するよう提案した。保険料や公費の抑制につながる一方、患者負担が増す可能性がある。75歳以上の後期高齢者が受診時に払う医療費の割合を原則1割から2割に高めることや、介護サービスの負担増も改めて打ち出した。

 安倍政権は、高齢者雇用の拡大や疾病予防による健康寿命の延伸を社会保障改革の柱に据えている。だが財務省は「予防医療による経費節減効果は定量的に明らかでない」と指摘。給付減など痛みを伴う施策も必要だと訴えた。
 医療費は団塊世代の高齢化で急増が見込まれ、国民健康保険といった公的保険や国などの財政を圧迫する。技術の高度化も拡大要因で、ノーベル医学生理学賞を受賞する本庶佑(ほんじょ・たすく)氏の研究が生んだがん治療薬「オプジーボ」も当初は患者1人で年間3500万円かかる高さが知られた。

 財務省は、新薬が承認されるとほぼ自動的に保険適用となる現状を見直し、今後は費用対効果を検証するよう求めた。高額薬が保険から外れると財政は助かる半面、診療代は全額自己負担となって患者にのしかかる。薬価を巡っては消費税増税に伴い実施する19年度改定でも、実勢に合わせた単価引き下げを求めた。
 窓口負担は現在70~74歳が1割から2割に移行中で、これに続いて75歳以上も段階的に2割に上げる想定。風邪など軽症者の受診に定額の上乗せ負担を導入することや、病院側の収入となる診療報酬を都道府県単位で柔軟に下げられるようにする案を引き続き示した。
(略)

予防医療軽視の恣意的誘導「強い怒りを感じる」、横倉日医会長 財政審の議論に苦言、「医療費削減は健康増進の結果で実現」(2018年10月11日医療維新)

 日本医師会会長の横倉義武氏は10月10日の記者会見で、財務省の財政制度等審議会・財政制度分科会が予防医療の効果を疑問視する見方を誘導するかのような資料に基づき、社会保障制度改革として医療費の削減など給付の抑制ありきで議論を進めているとの認識を示し、「大変強い怒りを感じる」と語気を強めて苦言を呈した。「医療費削減ありきでなく、健康増進を目的とした政策の結果として削減が実現するよう、地域での取り組みを進めることが重要」とも述べ、考えを正すよう訴えた。
(略)
 地域での健康づくりについては、「(日医は)商工会議所などの経済界、医療関係団体、健保連などの保険者、自治体などと医療費適正化について、日本健康会議として取り組みを進めている。宮城、静岡、大分では、県単位で仕組みづくりが進んでいる。その他の全国の都道府県でも、関係者らと連携し、仕組みづくりを進めるようお願いしている。こうした取り組みにより、2017年度の医療費は、2011年時点の予測比で5兆円以上も下回っている。特に糖尿病予防の医療費削減効果は明らか」と説明。「大変恣意的な資料を財政審が使った、(財務省が)それに出したということだ」とも述べ、憤りを隠さなかった。
(略)
 財務省が同分科会に対し、高額医薬品について「経済性に応じて公的医療保険制度の適用外にすることも検討すべき」と求めたことについては、「(医薬品などの)開発費の回収に関しては、利用者が多いと薬価は必然的に低くなるので費用対効果は改善するが、価格が高額でも、誰しも稀少疾患の患者になり得るので、有効性、安全性が確認できた場合は、保険の対象とすべき」と主張。CAR-Tと呼ばれる白血病治療法の費用が日本円にして約5000万円にも上る可能性についての質問には、「稀少疾患の薬で、非常に高い値段を要求されていると聞くが、治るのであればそれほどありがたいものはない。対象拡大の有無で薬価も異なる。安全性、有効性が確認できるなら適用すべき。たくさん使うようであれば値段は下がるのだから」と述べた。

まあしかし超高額な新薬による医療財政破綻も懸念されている中で、どんどん使えば単価は安くなるのだから使うべきだとはなかなか斬新と言うか、一般論としては人間何事にもこういう前向きな考え方でありたいとは思いますけれどもね。
ともかくも幾つか興味深い提言があり、いずれも議論の対象になるところだと思うのですが、予防医学の位置づけに関しては健康寿命延伸はともかく、医療費抑制については議論の別れるところではないかと思います。
要は下手に予防医学を頑張って長生きするよりさっさと病気になってぽっくり逝く方が安上がりだと言う考えですが、特に生活習慣病についてはこうした考え方の方がしばしば患者の支持を得やすい現実もあります。

特に低所得労働者にとって予防医学のコスト負担は無視出来るものではなく、投資に見合う明確な見返りがなければ治療動機とはなり得ませんし、やりたくないものを保険でお金を出してまでやらせるのもどうかです。

いずれにせよ予防医学も医学的妥当性があるから保険診療で認められているはずなのですが、その判断基準としてコストパフォーマンスの考えを入れ込む場合、健康であることの価値をどのように評価するのかですね。
例えば健康であることによってその人が余計に生産出来た価値が医療費を上回るかどうかを目安にした場合、労働単価の高い人であれば意味があるが、安月給の人には意味のない医療と言うものが出てくるでしょう。
無論現実社会ではまさにそうした状況こそ多いのですが、皆保険制度とは結局貧乏人ほど利益の大きい制度であるわけで、こうした価値判断を入れてしまうことの制度への影響は小さなものではないでしょうね。
それに加えてさらに反対意見が多そうなのがこうした医療費を誰が負担すべきかと言う問題ですが、低所得時代にあって多額の資産を持つ高齢者の医療費まで負担させられる現役世代の不満感も無視出来ません。
この点ではまさに世代間対立の火だねともなりかねず、とっくの昔に引き上げが決まっているにも関わらずズルズルと先延ばしされてきた所以でもありますが、厚労省筋である社保審ではこんな話も出ていたようです。

75歳以上の負担「2割」か?「現役世代の負担は限界」「反対」医療保険部会、高額薬剤「保険外併用療養」の活用検討(2018年10月10日医療維新)

 厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所長)が10月10日、約3カ月ぶりに開催され、「経済・財政再生計画改革工程表等における医療保険関係の主な検討項目」を議論した。計7項目のうち、特に議論になったのは、これまで同部会で繰り返し議論してきた「後期高齢者の窓口負担」と、新たな議題である「新規医薬品・医療技術の保険収載」について。

 「後期高齢者の窓口負担」は、現行の1割から2割負担への引き上げが焦点の一つになる見通し。保険者の立場から、健康保険組合連合会副会長の佐野雅宏氏が、現役世代の保険料負担の重さを訴え、「今後も負担が増えていく中で、出口が見えない」として、早急な検討を求めた。全国健康保険協会(協会けんぽ)理事長の安藤伸樹氏も、「現役世代の負担は限界。2割負担について早急に結論を得る必要がある」と述べた。
 これに対し、医療者の立場から、日本医師会副会長の松原謙二氏は「多くの高齢者は、ギリギリのところで生活している」と訴え、受診時定額負担や定率負担の引き上げに反対した。
(略)
 「後期高齢者の窓口負担」は、今年6月に閣議決定した「骨太の方針2018」において、「団塊世代が後期高齢者入りするまでに、世代間の公平性や制度の持続性確保の観点から、後期高齢者の在り方について検討」とされた。70~74歳の窓口負担の1割から2割への段階的引き上げは今年度で完了する。75歳以上の後期高齢者の窓口負担は、「一般・低所得者」は1割負担、「現役並み所得者」は3割だ。
 健保連の佐野氏は、過去10年間で現役世代の平均収入は伸び悩む一方で保険料負担は増加し、その要因として高齢者支援金を挙げ、「現役世代の負担が増えていることは明らか」と訴えた。さらに2025年までに保険料は年平均2万円以上増加するとの推計を提示。「この現実を見据えて対応すべき。今後も負担が増えていく中で、出口が見えない」と問題視し、早急な検討を求めた。さらに「現役並み所得者」の判断基準の検討は支持したものの、「現役並み所得者の医療費には、公費が入っていない」と指摘し、「現役並み所得者」が増えると、現役世代の負担も増加することから、医療費への公費投入を求めた。

 協会けんぽの安藤氏も、約50万人もが加入する「人材派遣健康保険組合」が解散した事例を挙げ、「高齢者医療費の負担が大きく、現役世代の負担が限界であることを改めて示している」と指摘。70~74歳の窓口負担引き上げが今年度に完了することを踏まえ、「後期高齢者の2割負担についても、早急に結論を得る必要がある」と訴え、負担増の影響などについて具体的なシミュレーションやデータに基づく議論を求めた。そのほか、市販類似薬については、保険適用から外すなど大胆な見直しが必要だとした。
 これに対し、日医の松原氏は、後期高齢者1世帯当たりの「公的年金・恩給」の平均額は、195万7000円であり、総所得が「公的年金・恩給」のみの世帯が約7割を占めることから、「多くはギリギリのところで生活している。負担できる金額はおのずから分かる。これ以上、負担を増やしていくのは無理」と述べ、受診時定額負担や定率負担の引き上げに反対。
 全国老人クラブ連合会理事の兼子久氏は、勤労世代が負担する制度が崩れれば、国の在り方も壊れかねないとの懸念を示したほか、早期発見、早期治療が窓口負担増で遅れかねないとし、「窓口負担の強化については、基本的に反対」と述べた。
(略)

各々の立場による利益の相反も非常に大きい問題だろうと思いますが、日医など医療系団体にとって高齢者はいわばお得意様であり、上顧客の不利益になるような話に反対する立場であることは理解できます。
ただそこに皆保険制度の永続性と言う視点がどれほど含まれているのかに疑問符がつくのですが、いずれにせよ高額薬の扱いなど給付の除外対象が議論される中で、高齢者だけが何でもありが通用するかどうかです。
小児が小さな大人ではないのと同様、高齢者もまた歳をとっただけの大人ではないわけで、高齢者医療は若い世代とはまた別のやり方があるべきですが、年齢は保険給付の在り方に反映されていないのが現状です。
以前から維持透析導入の年齢制限を求める声などもあり、例えば高額な抗癌剤などは後期高齢者には保険給付対象外とするなど、今後は年代間での給付格差についても議論することが求められるかと思いますね。

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2018年10月15日 (月)

査読もなければデタラメ論文でも掲載される学術雑誌?

少し前からこんな懸念が言われているそうですが、まずはこちらの記事から紹介してみましょう。

ネット学術誌 チェック不十分な論文急増 誤解広がる恐れ(2018年4月2日毎日新聞)

 インターネット専用の学術誌の中で、別の研究者による内容のチェック(査読)が不十分な論文を載せる質の低い学術誌が急増している。研究者から徴収する掲載料を目的として運営している業者もあるとみられ、学術的に妥当とは言えない成果に「お墨付き」が与えられることで誤解が広がる恐れもある。日本の科学者の代表機関「日本学術会議」は対応策を検討する。【鳥井真平】

 ネット専用の学術誌は「電子ジャーナル」と呼ばれる。1990年代末から急速に広がり、自然科学、人文科学など分野を問わず世界中で利用されている。誰でも論文を閲覧できるオープンアクセス(OA)型のものが多く、成果を広く共有できるメリットもある。
 一般的な学術誌は、投稿された論文を複数の専門家に査読してもらった上で掲載の可否を判断。研究者側に掲載料の負担はなく、主に読者の購読料で出版費用をまかなう。一方、一般的なOA型は研究者が支払う掲載料を運営費に充てる。しかし、首都大学東京の栗山正光教授(図書館情報学)によると、電子ジャーナルには査読がずさんで、掲載料を払うだけで論文を掲載できるものも多い。専門家は掲載料目的の粗悪な学術誌を「ハゲタカジャーナル」と呼んでいる。

 著名な研究者を無断で編集委員名簿に加えて権威付けをしたり、学術誌のランクを示す指標「インパクト・ファクター」を偽ったりしている事例もある。2013年ごろから年に数百誌以上のペースで増えているとみられるという。米科学誌「サイエンス」の編集部などが13年、内容に明らかに誤りのある論文を電子ジャーナル304誌に投稿したところ、157誌がそのまま掲載を認めた
 こうした粗悪な学術誌に日本の研究者が論文を投稿するケースも少なくない。国立情報学研究所は14年、米国の研究者が「粗悪」とみなした学術誌1300誌以上のリストに基づき、東京大や京都大などの主要大学44校の研究者の投稿状況を調べた。すると、過去1年間にOA型の電子ジャーナルに投稿した研究者の回答865件のうち、99件(11・4%)がリストに含まれる雑誌への投稿だった。
(略)

ろくな査読もなしに論文を掲載する雑誌については以前から少なからずあり、切羽詰まった院生の学位論文の投稿先に用いられるなど一定の存在価値が認められてきた一方で、当然学問的価値は低いものでした。
ただ今回問題となっているのは単に質が低いと言うだけではなく、最初から掲載料目当ての商売としてやっているとしか思えない偽学術雑誌の存在であり、内容に関わらず金さえ払えば掲載されると言うことです。
昔から著名人が金さえ出せばもらえる海外の怪しい大学の学位を誇っているのと通じるものがありますが、何ら意味のない学位と異なりこうした雑誌であれ世間の目に触れ、場合によっては引用される可能性もあるわけです。
一般的な論文にも引用される可能性がある内容がレベル云々以前に正しさすらも保障されないとなれば困った問題ですが、国内においても自主的なルール作りの動きが出てきているようです。

<粗悪学術誌>「ハゲタカジャーナル」に名大と新潟大が対策(2018年10月10日毎日新聞)

 インターネット専用で、質が十分に保証されていない粗悪な学術誌「ハゲタカジャーナル」が増えている問題で、名古屋大と新潟大は、研究者のヒアリングや論文の投稿ルール作りなど独自の対策に乗り出す方針を決めた。両大は、ハゲタカジャーナルに学内から多数の論文が投稿されていたことが毎日新聞などの調査で判明している。学問の自由は憲法で保障されているが、大学の研究実績に疑義が生じることを防ぐ狙いがある。既に九州大が研究者への指導を始めており、国内で対策が広がり始めた。【鳥井真平】

 内容チェック(査読)がずさんで、料金を払うだけで掲載されるなど多くの問題を抱える学術誌を専門家が「ハゲタカジャーナル」と呼んでいる。科学的に妥当と言えない成果でも、投稿すれば「国際誌に掲載された」とお墨付きが与えられ、世の中に広まる恐れがある。研究者が粗悪誌と知らずに投稿した例もあるが、「業績の水増しのため投稿した」と証言した研究者もいる
 毎日新聞は専門家の協力を得て、ハゲタカジャーナルを出しているとされる海外の出版社が発行する327誌に投稿された論文を調査。日本から5076本が投稿され、九州大は最多の147本、新潟大は4番目の102本、名大は5番目の99本の投稿が見つかった。
 これを受け、名大は早急に対策を取る方針。所属研究者に注意喚起した上で、粗悪な学術誌に論文がどの程度投稿されているか実態調査する。最も投稿が多かった学部を重点的に調べ、投稿経験者を抽出してヒアリングする考えで、投稿理由や査読の実施状況などを聴き、問題が見つかれば改めて対応を検討する。

 憲法は、研究成果の発表の自由など「学問の自由」を保障しており、大学が論文の投稿先について研究者から直接事情を聴くのは異例。名大の高橋雅英副学長は「査読なしで論文を掲載しているなら学術誌とは言えない。大学の信頼や研究者モラルに関わる問題で、対策をしっかり取る」と話す。
 一方、新潟大は9月、ハゲタカジャーナルへの投稿を控えるよう、年内にも学術誌への論文投稿ルールを新たに設けることを決めた。全研究者に注意喚起し、研究倫理教育セミナーでハゲタカジャーナルの存在を周知する。新潟大の担当者は「国民の信頼を失いかねない事態だ」と危機感を示している。
(略)

学問の世界は基本的に性善説で運用されている面があり、そうであるからこそ最初から虚偽の目的で論文を書き、掲載するなど論外だと言えますが、それを立証していくことは非常な労力を要するだろうことは判ります。
この種のジャーナルの存在価値としていわゆるソースロンダリングの温床となりやすいと言う指摘も当然ながらあり、特に正体の怪しい似非医療、代替医療などがこうしたもので権威付けをすると言うことはありそうですね。
ただ代替医療系の雑誌などはそもそも査読者自体がその筋の権威であり、真っ当な科学的見識を備えているのかどうかと言う問題もあって、結局何が正当で何が粗悪なのかと言う定義づけも難航するでしょう。
過去には一流紙に掲載された怪しげな論文が大々的に調査された事例もありましたが、一流紙だからこそ大々的に調査もされるわけで、末端の論文や掲載誌についてどこまで正当性を調べられるものでしょうか。

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2018年10月13日 (土)

今日のぐり:「ピザキング」

元々はコンピューター用語が起源で、今や一般的にも使われる機会が多いフラグと言う言葉ですが、先日フラグ立ち過ぎだろうと話題になっていたのがこちらのニュースです。

8歳少女、湖で1500年前の剣を発見 スウェーデン(2018年10月5日BBC)

スウェーデンの8歳少女が、湖から1500年前の剣を引き抜いた。

サーガ・バネチェクちゃんは、夏休みにヨンショーピング県にある家族の別荘に滞在中、ウィーデステン湖で泳いでいたところ、バイキング時代の古い剣を見つけた。
剣は当初、1000年前のものだと推定されていたが、地元博物館の専門家によると約1500年前に作られた可能性がある。
博物館のミカエル・ノルドシュトロムさんは、「湖に入って剣を踏むなんて、めったにないことだ!」と話した。

サーガちゃんが古代の武器を見つけられたのは、湖の水位が発見当時、干ばつによって著しく低かったためだという。
サーガちゃんは地元ラジオの取材に、「水の中で何かに触ったので、持ち上げました。取っ手があったから、お父さんのところに行って、剣みたいだよって言いました」と話した。

父親のアンディ・バネチェクさんは現地英語ニュースサイト「ザ・ローカル」に、最初はサーガちゃんが不思議な形の棒切れか木の枝を拾ったようだと思ったと話した。
その後、友人によく点検してほしいと頼んで初めて、それが古代の遺物らしいと気付いた。
発見された剣を保管している地元博物館によると、剣は驚くほど良い状態だという。
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サーガちゃんが古代の剣を引き抜くとは何が起こるのかと期待と不安に恐れおののくしかありませんが、今のところスウェーデンで何かあったと言う続報もないようです。
本日はサーガちゃんが今後どんな伝説を創造してくれるのかを期待しながら、世界中からいかにも何かが立っていそうなニュースの数々を紹介してみましょう。

キノコ採りで死亡事故も 夢中になり危険な場所に?(2018年10月4日テレ朝ニュース)

 一体、何があったのか。長野県内でキノコ採りでの事故が相次ぎ、これまでに7人が死亡している。

 長野県の南部にある喬木村。道なき道を行くと、その先には滝が。ゴツゴツとした岩場に人が倒れている…。3日午後に撮られた映像。男性は62歳の会社員で、1人で山に入り滑落したという。目的はキノコ狩りだった。
 同様な事故などが8月以降に頻発している。長野市や伊那市、松本市などで合わせて7人が死亡。うち5人が滑落だった。ちなみに去年の死者数はゼロ。それがなぜ…。

 関係者によれば、今年はキノコが豊作だ。その一方で、生えている場所は険しい斜面なども多いという。現場が他人に知られていない場所というケースも。上田市内では3日、88歳の男性が行方不明になった。大ざっぱな位置は分かっても、その先は道なき道だ。妹によれば、男性は高齢を理由にこの日でキノコ狩りを引退すると話していたという。
 キノコは大事。しかし、命はもっと大事だ。長野県警は危険な行動は慎むよう呼び掛けている。

いかにもオレこの戦争が終わったら~的なフラグびんびんだと話題になった記事ですが、ともかくも男性のご冥福を祈るばかりですね
昨今では動画サイト常連による派手なパフォーマンス動画が人気だそうですが、良い子は真似すんなと思わず言いたくなるのがこちらのニュースです。

“ファイアー・チャレンジ”で大火傷の12歳「動画を見て面白そうだったから」(2018年8月25日テックインサイト)

身体に可燃性液体をかけ、ライターを使って火をつけるという「ファイアー・チャレンジ」で、12歳の少女が身体の約50%に火傷を負った。火傷が70%に及ぶとほぼ助からないと言われているが、少女の治療は長期に及ぶようだ。『Inside Edition』『FOX 2 Detroit News』などが伝えている。

今月17日、米ミシガン州のタマイヤ・ランダースちゃん(12)は約4年前からYouTubeで流行している「ファイアー・チャレンジ」に挑戦した。タマイヤちゃんは自宅に来た友達2人と軽い食事をして遊んでいたというが、SNSにアップされているチャレンジ動画を見て「面白そうだからやってみよう」と軽い気持ちで火をつけたようだ。
母親のオーウェンスさんは、当時のことを次のように語っている。
「2階で婚約者と一緒にくつろいでいると、『ポン!』と大きな音が聞こえました。その直後、大声で『助けてー』と叫ぶタマイヤの声がしたのです。すると火だるまになった娘が私たちの寝室を通り越し、バスルームに走っていくのが見えました。私もパニックになってタマイヤの燃えている洋服を引き剥がし、シャワーで水をかけて火を消しました。」
「タマイヤは自分に火をつける前にシャワーを浴びており、可燃性スプレーやローションを身体に塗っていました。そのせいで火があっという間に広がったようです。気が付いた時には私も手に火傷を負っていました。」

身体の49%に2度~3度の火傷を負ったタマイヤちゃんは現在、小児病院で人工呼吸器につながれている。その身体は包帯で覆われ、今は言葉を発することもできない。火をつけた時はバケツに水を用意しておくことさえしていなかったようで、おふざけのつもりが取り返しのつかないことになってしまったようだ。
一緒に遊んでいた友達2人はあまりのショックに食事も喉を通らない状態で、オーウェンスさんは「SNSに面白おかしく投稿されている危険な動画は、何らかの制限をかけるべきです。娘は危険とわかっていながら、好奇心を抑えることができなかったのだと思います。これから皮膚の移植手術が必要で、完全に回復するまでにはかなりの時間がかかるでしょう」と語り、「二度と同じことが起こらないように、多くの人に娘のことを知って欲しい」と呼びかけた。
(略)

その悲惨な状況は元記事の画像からもうかがわれるところですが、訓練された人だから出来ることでくれぐれも良い子は真似をしないようお願いしたいですね。
客観的にはまあそれはそうなるのだろうなと予想されるところなのですが、主観的には大変だったろうと思わせるのがこちらの事件です。

脱出ゲームの施設に入った泥棒、脱出できず警察を呼ぶ事件発生 米国で(2018年7月12日ねとらば)

 脱出ゲームの施設に侵入した泥棒が、脱出できずに警察に助けを求めるという事件が米ワシントン州で起きました。

 事件が起きたのは、パズルを解いて制限時間内に部屋から脱出するゲームを提供している施設「NW Escape Experience」。運営元によると、泥棒は7月8日(現地時間)早朝に侵入したものの、出る方法が分からなくて、怖くなって911(緊急通報番号)に電話をかけたのだそうです。
 報道によれば、泥棒は警察を呼んだあとで外に出ることができたものの、駆けつけた警察官に逮捕されたとのこと。

 泥棒はロッカーをひっくり返すなどした他、出る方法が分からずに裏口のドアノブを壊すといった被害をもたらしました。しかし運営元は「あなたは泥棒よりも賢いですか? 泥棒が閉じ込められて自分から警察を呼んだ脱出ゲームルームを予約して確かめてみましょう」とFacebookで宣伝し、泥棒にちなんだプロモーションコード「burglar2018」を発行するなど、たくましさを見せています。

施設側としては災い転じて福となすとしたいところでしょうが、侵入先の選択にはくれぐれも用心したいものです。
スペインと言えば何故か近年妙なことで話題になるケースを見かけるのですが、その系列でまたもこんなニュースが出ているようです。

15世紀のマリア像、ど派手な色で素人が修復=スペイン(2018年9月9日時事ドットコム)

 【マドリードAFP時事】スペイン北部アストゥリアス自治州のラニャドイロ村にある小さな教会で最近、15世紀のマリア像が派手な色彩で修復され、スペイン各紙の話題をさらっている。修復前は木目がそのままの彫像だったが、今は鮮やかなピンクやスカイブルーで塗られ、殺到する批判に対し、修復した近所の女性マリア・ルイサ・メネンデスさんは「私はプロではない」と地元紙に反論した。
 メネンデスさんは教会の責任者の許可を取って修復した。「私はこういう作業が好きだし、私のできる範囲で色を塗った。私にとってはすてきな色だし、近所のみんなも気に入ってくれている」と述べた。

 スペインでは2012年にも北東部アラゴン自治州ボルハの教会で、約100年前の古いキリストのフレスコ画を近所の素人の女性が塗りつぶすような修復を行って騒ぎになった。スペイン美術保護協会(ACRE)は「こんなことを繰り返されて誰も気にしないのか。祖先の遺産を目の前で破壊されるのを傍観して、一体どういう社会なのか」と怒りの声明を出した。ボルハの教会は修復で有名になり、観光客が殺到している。

その状況は元記事の画像を参照いただきたいのですが、美的観点からはともかく観光客誘致という点ではそれなりに有効な手段ではあるのでしょうね。
最後に取り上げるのはこちらのニュースですが、何故か各方面から「映画化決定!」と言う声が上がっているようです。

シベリアの永久凍土の中で4万年も凍りついていた虫が息を吹き返す(2018年7月27日GIGAZINE)

シベリアの氷の大地で長い時間にわたって凍りついてきた線虫の一種が、実に4万2000年ぶりに息を吹き返して活動を再開していることが明らかにされました。

この成果は、ロシアのモスクワ大学やアメリカのプリンストン大学などによる研究チームによってもたらされたもの。地質学的には更新世に分類される時代の地層に残され、凍りついていた2匹の線虫を取り出して「解凍」したところ、息を吹き返しました。
(略)
2匹の線虫は、モスクワにあるThe Institute of Physico-Chemical and Biological Problems of Soil Science(土壌学における物理化学および生物学的問題研究所)の施設内で解凍され、ペトリ皿の中で活動を再開しているとのこと。約4万年ぶりに目を覚ました線虫は、餌を食べるなど元どおりの活動を行っているとのことです。

研究チームは今回の成果について報告書の中で、「更新世の線虫には、低温医学、低温生物学、および生態学などの関連科学分野に対して科学的かつ実用的に重要な適応メカニズムがあることを示唆しています。我々は、北極の永久凍土堆積物における長期間の低温生物に対する多細胞生物の能力を実証する、世界で初めてのデータを得ました」と述べています。
実に驚くべき線虫の生命力が発揮されたこの一件ですが、一方では気候変動が起こる地球では永久凍土の溶解が進んでいるといわれています。これらの線虫と同じように、永久凍土に眠る古代の虫たちが現代によみがえることにならないのか、そちらも気になるところです。

こうした生き物が生き返るなら別な生き物はどうなのかと気になるところですが、当然ながら微生物レベルでの復活は十分あり得るでしょう。
後の世になってあれが前兆であったと言われるようにならなければよいのですが、今後はこうした行為にも何かしら規制が必要になってくるのでしょうか。

今日のぐり:「ピザキング」

和気町と言えば岡山県東部に位置する平凡な田舎町ですが、その町内にあるこちらはイラン人が経営する人気のピザ屋なのだそうです。
何故極東の果て日本の片田舎で遠いイラン人がイタリア料理を提供しているのかと言う疑問も湧くところですが、しかしカラフルな内外装が何とも目を引きますね。

肝心のピザの方は大皿からもはみ出すサイズ感に驚きますが、いわゆるミックスピザに一番近いスペシャルはパブリカの風味が少し強めなのは好き好きかも知れません。
シーフード系トッピングのダリアはバジルとオリーブオイルの風味の強さがアクセントで、いずれも洗練された印象はありませんが癖の強さが引きになるタイプでしょうか。
サイドメニューも相応に揃っていますが、シーフードグラタンはペンネにたっぷり野菜をまとめるソースもなめらかで、同行者らにもそろって好評でした。
カラフルで美しい盛り付けのツナサラダは味は特にどうこうなく普通ですが結構ボリュームがあり、これらいずれも1人2人での来店ですとうっかり頼めない感じですね。
ガッツリ系にもおしゃれ系にも向き、カクテル類も充実していてランチにもディナーにも利用出来そうですが、強いていえばナイフが絶望的に切れないのが不満です。

しかし一番気になるのはとにかく賑やかな店内外の見た目なのですが、これはどこ風の装飾と言うべきものなのか、トイレなども設備は標準的ですが面白い意匠ですよね。
接遇面は仕込みの忙しさもあってかほぼ放置状態ながらレスポンスは悪くないですし、逆に気兼ねなく飲食できる気安さはありますが、来店するならグループがおすすめでしょうか。

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2018年10月11日 (木)

医療の受診抑制に関する最近の議論

医師の労働環境について議論されている中で、当然ながら供給体制の在り方だけではなく需要についても議論があってしかるべきですが、この点で日本の皆保険制度ではアクセスの自由を保障することになっています。
いつでもどこの医療機関でも自由にかかっていいと言う大前提が医療需要に大きな影響を持つことは自明の道理ですが、この点に関して以前から少しずつ自主的な受診抑制についても議論が進められてきました。

医療のかかり方を広める懇談会発足、デーモン閣下も参加(2018年10月9日医療維新)

 厚生労働省は10月5日、患者やその家族に医療のかかり方を周知・広報する方法を検討する「上手な医療のかかり方を広めるための懇談会」の第1回会議を開いた。会議では「受診前に患者の不安を解消できる情報発信が必要」「危機感を醸成できる客観的なデータで、医師の過酷な労働環境を発信すべき」などの意見が相次いだ。同省が医療機関の適切な利用方法を議論する場を設けるのは初めてで、不必要な受診を減らし、医師の負担軽減と医療の質向上につなげたい考え。今後月1回程度で会議を開き、12月に同省の「医師の働き方改革に関する検討会」に議論内容を報告する(資料は、厚労省ホームページ )。

 座長には東京大学大学院医学系研究科教授の渋谷健司氏が就任。構成員には、日本医師会常任理事の城守国斗氏や、電通でCMプランナーなどを務めた株式会社ツナグ代表取締役の佐藤尚之氏、元厚生労働省事務次官の村木厚子氏のほか、アーティストのデーモン閣下など、さまざまな立場の人が名を連ねた。
 懇談会冒頭では、小児医療に関する情報発信を行う一般社団法人知ろう小児医療守ろう子ども達の会代表理事の阿真京子氏が同会の取り組みを紹介。「知識がなく相談できる相手もおらず、不安で病院に駆け込んでしまう保護者が多い」とし、不要不急の症状やその対処方法を学んだ保護者は「不安が解消され、受診行動が変化する」と述べた。
 続いて、宮崎県延岡市の地域医療対策室総括主任の吉田昌史氏が、夜間・救急患者の増加により医師の辞職が相次いだ県立延岡病院の取り組みを発表 (『「医療崩壊地域」払拭目指した延岡市vol.1』を参照)。市民団体と啓発活動を行った結果、夜間・休日の患者数が半減したとし、「医療が限りある資源だと伝われば、地域医療を守るために覚悟が生まれ、具体的な行動に移る」と強調した。

 自由討論では、佐藤氏が官公庁のホームページで必要な医療情報が検索しにくいと指摘。「ページの奥の方に有用な情報があり、PDFなので検索にひっかからない。文章も分かりにくい」とし、「ボランティアでも情報をまとめたいプロはいる。明日からでも変えた方がいい」と訴えた。城守氏も「信用が担保されていない医療情報が氾濫している。国としてまずここを見ればいいという情報の出し方をお願いしたい」と述べた。
 討論終盤ではマギーズ東京の共同代表理事鈴木美穂氏が、「この懇談会を通じて、専門家やボランティア、タレント、メディアを入れて、信頼できる医療情報を集めて発信するサイトを作りたい」と提案。座長の渋谷氏は「ぜひやりたい」と応じた。

「危機感醸成するデータを示して」

 構成員からは医師の過重労働を危惧する声も相次いだ。株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長の小室淑恵氏は、厚労省が示した2015年度のアンケート結果で「自殺や死を毎週/毎日具体的に考える」勤務医が3.6%だったことを受け、「ショッキングだった。今までいろいろ見てきた中でも見たことがない数字」と驚きを見せた。
(略)
 患者・家族と医療をつなぐ特定非営利活動法人架け橋理事長の豊田郁子氏は「インターネットがあまり使えない、特定の地域から出ない人がどうしても頼りたくなるのが病院。『医療者が大変だから病院にかからないで』と伝えるだけでは、単にアクセス制限と誤解される」とした上で、「チーム医療として、医師や看護師以外の病院の職員がチームとして患者にしっかり対応できるような支援、理解が必要」とし、既存制度を活用した医療者支援の必要性を訴えた。
 懇談会終盤に駆け付けた根本匠厚生労働相は「閣議後の記者会見で、受診を抑制することが目的の懇談会かと問われたが、あくまで患者の視点に立ったもの」と強調。「医療を提供する質の向上や医療安全の確保につなげたい」と述べた。
(略)

もちろん公式には受診抑制が目的ではないと主張するしかないのですが、しかし議論の流れを見ても現実の医療需給の在り方を見ても、どうしてもこれからは受診抑制についても考えていかないではいられません。
その進め方をあくまで自主的な努力目標とするのか、それとも何らかの制度なりで強制力を発揮すべきなのかと言う点が問題になりますが、一例を挙げれば日中は混み合うから夜間にと言った方もいらっしゃるわけです。
夜間診療所が昼間と同等以上に混み合うとすれば、検査手段やスタッフの充実した昼間に来ようと言う動機にもなるでしょうが、この辺りは応招義務の定義なども含めて医療提供体制の在り方議論が必要でしょうね。

記事中にもあるように不安だからついつい病院にと言うケースは子供以外に高齢者でも日常的に見られる話ですが、この対策として医療機関以外での医療相談窓口を設けようと言う動きも各地で出てきています。
また若い世代ではとりあえずネット検索と言う方も多いはずですが、正しい情報へのアクセスが難しいと言う問題は以前にも取り上げた課題であり、ある程度の公的な認証制度のようなものも必要かも知れません。
ただこうした議論全般に関して、原理原則論に縛られずにはいられない厚労省よりもアクティブなのは財務省であるのが現実で、先日はそのものズバリとも言うべき方法論としてこんな記事が出ていました。

「かかりつけ医」以外受診は負担増…財務省提言(2018年10月10日読売新聞)

 財務省は9日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会で、かかりつけの医師以外で受診した場合に患者の自己負担を増やす制度や、新薬の保険適用の際に費用対効果の検証を導入することなどを提言した。少子高齢化で膨張する社会保障費を抑制する狙いがある。
 財政審は今後、防衛や公共事業など各分野について議論を重ね、11月にも2019年度予算編成に関する建議(提言)を取りまとめる。

 政府は、医療費を押し上げる要因となる過剰な通院や受診を減らすため「かかりつけ医」や「かかりつけ薬剤師」への受診を推奨している。改革案では「少額の受診に一定程度の追加負担を求めていくべきだ」とした。
 医療の高度化で医療費が増加する要因となっている新たな医薬品の保険適用については、承認された医薬品全てを対象とするのではなく「安全性・有効性に加え、費用対効果や財政影響などの経済性の観点から」判断することを明記した。

このかかりつけ以外での利用に関するペナルティーと言う話、生活保護に絡んで議論されてきた経緯があることは周知の通りですが、今回は広く全体にかかりつけ医をいわば強制するもので、影響は大きいはずですね。
アクセスの自由を保障する立場に立ってきた医師会としては原理原則論に則って反対すべきか、会員への配慮から容認すべきなのか微妙なところですが、実際にどこがかかりつけになるのかと言うことが問題です。
特に数多くの疾患を抱えた高齢者の場合、一人の医師が全てを診るのは現実的に難しい場合が多いですが、医療費の観点からすれば総合病院よりも市中のクリニックのような施設がかかりつけになって欲しいでしょう。

そうした患者の場合必ず議論になるのが、専門外の基礎疾患を多数持つ患者を一人のかかりつけに押しつければ見落としや過誤も増えると言う危惧ですが、全てにおいて完璧を期せば医療費は増えるばかりです。
特に高齢者の場合どこまでやるかと言う見切りが重要であり、きちんと高齢者医療を理解しているかかりつけの先生なら総合的に判断していらっしゃるはずですが、大勢で診ればその辺りの線引きも難しいでしょうね。
当然ながら国としてもそうした部分も込みでかかりつけが責任を持ってやってもらいたいと言う気持ちがあるでしょうが、ガイドライン全盛の時代にあっては意図的に手を抜いたと言われかねない診療も難しいものがあります。
せっかく後期高齢者医療制度と言うものがあるのですから、高齢者における診療報酬や保険適応の範囲を現役世代とは別枠で設定すれば大部分片付く問題ですが、政治的には難しい判断でもあるのでしょうね。

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2018年10月 9日 (火)

免疫療法がノーベル賞を受賞したと言って回る人々の思惑

先日本庶先生のノーベル賞受賞が大々的に報じられる中、免疫療法免疫療法と連呼されていることに危ういなと一抹の危惧を感じておりましたら、やはりすでにそうした風潮があるようです。

ノーベル賞受賞で相談殺到 誤解してほしくない免疫療法(2018年10月3日BuzzFeed)

日本中がお祝いムードに包まれた京都大学特別教授、本庶佑(ほんじょ・たすく)さんのノーベル医学生理学賞受賞。
その研究成果は、免疫療法の一種であるオプジーボなどの「免疫チェックポイント阻害剤」開発に結びつき、がん治療に新たな道を開いたと華々しく報じられた。
ところが、研究成果や受賞会見の報道で、患者を含めた一般の人に、免疫療法に対して危うい誤解が広がっているのではないかという懸念が患者団体や医療者からあがっている。
(略)
問題は、臨床試験で効果が証明された「免疫チェックポイント阻害剤」とは別に、効果不明な「免疫細胞療法」なども、「免疫療法」という名前で一括りにされていることだ。
自由診療のクリニックが効果が証明されていない治療を高額な自己負担で行い、患者が標準治療を受ける機会を逸したり、副作用が出ても放置されて体調が悪化したりというトラブルが相次いでいる。
卵巣がん体験者の会「スマイリー」代表、片木美穂さんのもとにも、一夜明けた2日、「免疫療法をしたら再発しないですか?」と患者から相談の電話があった。ノーベル賞報道を見て、「オプジーボ 再発予防」というキーワードでネット検索し、自由診療のクリニックが再発予防をうたう説明を見たようだった。
「最初の治療として標準治療を受けている最中の人だったのですが、まだ子供が小さいので死ねないと検索して行き着いたようです。これはインチキですと伝えると、とてもがっかりしていました」
(略)
最近では、自由診療のクリニックが、効果の証明されていない免疫細胞療法だけでなく、通常の2~3割の量でオプジーボを投与して副作用が少ないとうたったり、オプジーボと免疫細胞療法を組み合わせて『アクセル+ブレーキ療法』と効果が強化されているように見せかけることもある。
勝俣さんは、保険診療では免疫チェックポイント阻害剤を受けられないがんの患者が、ノーベル賞報道で期待を持ち、適切でない形で免疫チェックポイント阻害剤を提供するクリニックに引き寄せられるのを心配している。
「免疫チェックポイント阻害剤は効果が出るように使うのが難しいですし、副作用に対応するためにも、製薬会社が施設要件や医師要件を定めています。こうした要件を満たさないクリニックでは適正な使い方もしませんし、副作用が起きた時の対応もできません。患者を食い物にしており非常に無責任です」

日本臨床腫瘍学会は、2016年7月に、不適切な施設が免疫チェックポイント阻害剤を個人輸入して、効果が証明されていないがんにも使っていることに注意を促している。
製薬会社も効果不明な免疫細胞療法と免疫チェックポイント阻害剤を併用し、重い副作用で死亡した患者が出たことを医薬品医療機器総合機構に報告している。
(略)

「オプジーボは万能ではない」患者団体が注意呼びかけ(2018年10月5日朝日新聞)

 ノーベル医学生理学賞に本庶佑(ほんじょたすく)京都大特別教授が決まり、その研究をもとに開発されたオプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤に注目が集まる中、全国のがん患者団体でつくる「全国がん患者団体連合会」は5日、これらを含む免疫療法への注意を呼びかける声明を出した。

 声明は免疫チェックポイント阻害剤について、「現状で効果の期待できるがんの種類が限られ、特有の副作用もある」と指摘。一方、科学的根拠が明らかでない免疫療法の情報も広がりつつあり、「一部クリニックで、有効性や安全性を担保できない危険な治療が行われている」とした。
 患者や家族に、不確かな情報に惑わされないよう、主治医らに相談する▽自費診療で行っている免疫療法の情報や、がんが消える、治ったなどの安易な情報に注意▽デメリットについても十分な情報を集める――などを求めている。
(略)

自由診療クリニックなどで長年行われてきたいわゆる免疫療法なるもの、このところ単に有効性が確認されていないと言うだけではなく、その有害性が盛んに言われるようになっていますが、未だにハマる人もいるようです。
様々な理由から標準治療を受けられなくなった患者さんがイワシの頭的に使う分にはいいのでは?と言う意見もあり、実際に一部の真っ当な病院でそうした条件に限って施行もされているようですが、非常に例外的と言うべきでしょう。
ただこうした有効性の確認されていない治療にハマりお金を失い、適切な治療を受ける時間やタイミングも失してしまう例が目立つ点が問題ですが、そこに輪をかけたのが今回のノーベル賞受賞です。
そもそも論として言えば免疫チェックポイント阻害剤と言う名称が誤解を招く恐れがあるなと感じていたところですが、案の定免疫療法免疫療法と言い始めた途端にいわゆる免疫療法が活気付いているようですね。
無論彼らも商売でやっているわけですから、宣伝に使えるものは何でも使って当然と言えば当然なのですが、商売とは別な面から現行の標準治療に噛み付いていらっしゃる方々ももいらっしゃるように見受けられます。

本庶氏ノーベル賞で浮き彫り、医学界の「免疫療法」への歪んだ評価(2018年10月4日ダイヤモンドオンライン)

本庶祐・京都大学特別教授のノーベル賞受賞に日本中が沸く中、にわかに免疫療法が誉め称えられるという現象が起きている。無論、インチキな免疫療法もあるが、エビデンスに固執するがあまりに、免疫療法の持つ可能性を否定してきた日本の医療界は、大きな問題を抱えているのではないか。(ノンフィクションライター 窪田順生)

「ノーベル賞詐欺」の毒牙にかかる人が現れてしまうのだろうか。
 本庶佑・京都大特別教授がノーベル医学生理学賞を受賞したことで、にかわに「免疫療法」に注目が集まっているが、それに乗じて「インチキ免疫療法詐欺」が増加すると一部医療関係者から警鐘が鳴らされているのだ。

 ご存じのように、ネット上には既に、怪しげな免疫療法をうたう自由診療のクリニックが溢れている。キノコを食べて免疫力アップ、水素水でがんが消えたなどなど、本庶氏が発見した免疫を抑制する効果をもつ分子・PD-1などと接点ゼロの「民間療法」だ。
 そんな怪しいクリニックが「ノーベル賞で世界も注目」「あの本庶佑氏も認めた」などとブームに便乗した虚偽広告を行い、がん治療に悩む方たちを餌食にするのではないかというのである。
(略)
 ただ、その一方で、医療関係者の方たちは「あれはインチキだ」「これは怪しい」という詐欺の啓発に力を入れることよりも、もっとやらなくてはいけないことがあるのではないのかという気もしている。
 それは、抗がん剤が効かない患者やその家族に対して、免疫療法という選択肢があるということを説明し、この治療をもっと多くの人が受けることができるよう啓発に務めていただくことだ。
 本庶氏がノーベル賞を受賞してから、マスコミは免疫療法について「最新のがん医療」だと盛んにヨイショしているが、実はちょっと前までは「エビデンスがない治療」と、イロモノ扱いをしていた。
(略)
 例えば、本連載で少し前、東京・有明にある公益財団法人がん研究会「がんプレシジョン医療研究センター」の中村祐輔所長のことを取り上げた(『世界が注目する最先端がん医療が日本では「怪しい治療」扱いの理由』を参照)。リキッドバイオプシーと、ネオアンチゲン療法という、最新の免疫療法を引っさげて、6年ぶりにアメリカから帰国をした中村氏は、こう述べている。
「シカゴにいる間もメールなどで、多くのがん患者やその家族の方からの相談を受けましたが、気の毒になるほど救いがない。原因は国の拠点病院。標準治療のガイドラインに固執するあまり、“がん難民”をつくり出している自覚がありません。こういう人たちが医療界のど真ん中にいることが、日本のがん患者にとって最大の不幸です」(中村氏)

 日本のがん医療では、外科治療(手術)、放射線治療、化学療法(抗がん剤治療)の3つが「標準治療」と定められている。免疫療法は今回、本庶氏の受賞によって掌返しで、「第4の治療」などとおだてられるようになったが、実はがん医療現場ではいまだに、「標準」から大きく外れた「怪しい治療」扱いされているのだ。
(略)
 なぜこんなことになってしまうのかというと、免疫療法は抗がん剤ほどには、「有効性が確立されていない」からだ。薬の「有効性」というのは極端な話、何万人にワッと飲ませたら、そのうち2割には効かなかったが8割くらいには効いた、といった具合にデータを取るという、「統計学」である。
 世界のがん医療の現場では当たり前のように免疫療法の効果が認められ、本庶氏はノーベル賞も受賞したのだが、免疫療法はこの統計上の問題がクリアできていない。なぜかというと、今回の受賞に端を発する”免疫療法ブーム”の中で報じられているように、これは「化学薬品ががんを殺す」のではなく、「個々の人間が持つ免疫ががんを殺す」からだ。

 免疫は個人によって違う。よって、免疫チェックポイント抗体の効き方も当然、個人差が出てくる。そうなると、膨大な数の人に化学薬品を飲ませて経過観察をする大規模治験のように、スパッとイエス・ノーが出ない。「統計上の問題」がなかなかクリアできないのである。。

 そういう理屈を聞けば、免疫チェックポイント抗体に「有効性が確立されていない」というのがかなり不毛な話だということがわかるが、一部の医療関係者はこの「統計上の問題」を取り上げて、「エビデンスのない怪しい治療」とディスってきた。
(略)
 インチキ免疫療法に引っかかる人たちの多くは、抗がん剤が効かず、自分の医師から「免疫療法なんかエビデンスのない怪しいものです」と諭され、誰にも頼れなくなった「がん難民」である。その弱みにつけ込む詐欺師が悪いのは当然だが、ではそこまで患者や家族をまともな判断ができなくなるまで追いつめたのは、いったい誰なのかという問題もある。
 あっちの免疫療法はインチキだ、本庶氏の免疫療法は本物だ、騙されないように気をつけようと触れ回るだけでは「がん難民」を救うことはできない。エビデンスに代表される、「数字で証明できる有効性」のみに固執するのではなく、今そこでがんで苦しむがん患者やその家族に、どうにか手を差し伸べる方法を考えることが、「医療」のやるべきことなのではないだろうか。

内容に関して敢えて論評は避けますけれども、今回の件に限らず何かしら大きなニュースが出るたびに同様の話はよく聞くところで、別に目新しい論点ではないようには感じるでしょうか。
一般論として言えば一方では多くの人に有効と言う治療があり、他方ではごく少数の人にしか効果がないと言う治療があれば前者が標準治療とされるのは当然であり、少なくとも保険診療であればまず前者から使えと言われるのは当たり前でしょう。
それを敢えて後者から始めて見るのは前者が何らかの理由で使えないと言う場合と、その患者に関してだけは明らかに後者の方が効くだろうと言う確証に近い根拠が必要で、それを抜きにして何でも使えるものは使えと言う主張こそ無責任です。

現在進行形で遺伝子の変異などを検索した上でのオーダーメード治療が研究されているところですが、将来的に有効無効の判断基準が明確になった時に、始めて各治療の有効性が本当に明らかになるのでしょう。
ただ本来的にどういう条件であれば効くのかと言った情報は、その治療法を使いたい側に立証責任があるはずで、特定条件下であればどんな治療より効くと言った話であれば喜んで使いたい医師は幾らでもいるのではないでしょうか。

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2018年10月 7日 (日)

今日のぐり:「冨久美味(ふくみみ)

このところフランスでは肉屋襲撃が相次ぐなど動物愛護団体なる存在の活動が活発化していますが、こちらそうした団体から激賞されそうなレストランのニュースです。

「ロブスターを茹でるのはマリファナを吸わせてから」米レストラン(2018年10月3日TABI LABO)

米メディア「Mount Desert Islander」の記事によれば、メイン州にあるシーフードレストラン「Charlotte’s Legendary Lobster Pound」は、調理する前のロブスターにマリファナを吸わせると決めたそうです。
お客さんがハイになれるような料理を提供するという意味ではありません。なんでも動物愛護の観点からマリファナを使用することにしたそう。ハイにさせることでロブスターが感じるだろう痛みを軽減するのが目的です。

生きているカニやエビを調理する行為に反対している人が多くいるのも事実ですからね。余談ですが、スイスでは「甲殻類は気絶させてから調理しなければいけない」という法律があるほど。
とは言っても、マリファナがこのような使われ方をするとはちょっと意外でした。

動物愛護なるものも今ひとつ理解しにくい部分があって、彼らは仮に病院に来ても殺菌消毒や抗菌薬など全て拒否する方針なのでしょうか。
ともかくも本日はロブスター達に幸い多かれと祈るばかりですが、世界中からなるほど主義主張とは極めればこうなるのかと言う顛末を伝えるニュースをご紹介しましょう。

最新セックスロボットは「気分が乗らないとSEXしない拒否機能」搭載!(2018年6月19日トカナ)

 人工知能搭載の一般向けセックスロボットとして販売される予定のサマンサに驚愕の機能が備わっていることが明らかになった。
 英紙「Daily Star」(6月17日付)によると、サマンサの生みの親で、スペイン初のセックスロボット売春宿の経営者でもあるセルジ・サントス氏が、人工知能セックスロボットサマンサに「セックス拒否機能」があることを明かしたという。

 開発段階からサマンサには「家族モード」、「ロマンチックモード」、「セックスモード」があることが知られていたが、まさか性玩具であるセックスロボットに性行為拒絶機能が搭載されるとは驚きの事態だ。サントス氏によると、サマンサの皮膚には圧力を感知するセンサーが搭載されており、乱暴に扱うとそのことにサマンサは拒絶反応を示すという。また、敬意を払っていない場合にも性行為を拒絶し、ただのプラスチックの塊と化してしまうそうだ。
 とはいえ、敬意を持って適切に扱えばサマンサは要求に答えてくれる上、嬉しいことに(?)、「セックスモード」の上位互換として「超淫乱モード」まで搭載されるとのことだ。さらに、サマンサには人工知能が搭載されているため、卑猥な会話を楽しむことも可能であり、たとえば、「セックスモード」のサマンサに愛の言葉を囁けば、「そのことを行動で示してくれる?」と、性的に煽ってくれるというからたまらない。

 セックスロボットをただの性奴隷にしないよう、サントス氏は性行為拒絶機能を倫理的な観点から導入したと語っているが、セックスロボットに反対する「Campaign Against Sex Robots」創設者のキャスリーン・リチャードソン氏は、「この機能はポルノや売春の延長であり、お金の無駄です。他のもっとマシなことに費用を割くべきでしたね」と、辛辣に批判している。
(略)

色々と言いたいことは人それぞれにあるのでしょうが、ひとまず「他のもっとマシなことに費用を割くべきでしたね」との見解には完全に同意いたします。
日本でも定期的に話題になるあのサービスの是非ですが、こちらオーストラリアでは大騒ぎになっているそうです。

オーストラリアでレジ袋使用禁止に、スーパーは顧客対応に追われる(2018年7月3日ロイター)

[シドニー 1日 ロイター] - オーストラリアで1日、ごみ削減策の一環として使い捨てのレジ袋が使用禁止となった。2州を除く全州で、レジ袋を提供した大手小売店は罰金を科される。
これを受け、大手スーパーは苛立ちを店員にぶつける顧客への対応に追われている。ウェスト・オーストラリアン紙によると、男性客が店員の首に手をかけるケースが発生したほか、食品店では顧客が変更に慣れるのを支援するため従業員を増員するなどしている。

コールズは1日、レジ袋を店舗から撤去。これより先の6月20日には、ウールワースがレジ袋使用を禁止している。
業界労組が今週行った調査によると、回答した132人の組合員のうち、レジ袋禁止に関連して暴力などを受けたと答えた人は57人いた。

国連環境計画(UNEP)の統計によると、世界の海には毎年800万トンを超えるプラスチックが流入している。国連は、2022年までに使い捨てプラスチックの使用をなくしたい方針で、これまでに60カ国以上がそれに向けた措置を講じている。

しかしレジ袋廃止で半数近くの従業員が暴力沙汰に巻き込まれたと言うのは穏やかではありませんが、ここは例の古典的ジョークを思い出しておくべきなのでしょうか。
宗教と言うものはしばしば金満を批判されるものでもありますが、こちらかなり自由な信仰に生きておられる宣教師のニュースが話題になっていました。

「神のお告げでプライベートジェット買う」、米宣教師が信者に寄付呼び掛け(2018年5月31日CNN)

(CNN) テレビに出演して福音を伝えることを職業とする米国のテレビ宣教師が、プライベートジェットを購入するためとして信者に寄付を呼び掛けている。キリストからのお告げで、具体的な機種名とともに購入を促されたという。

自身の公式ビデオで寄付を呼び掛けて話題となっているのは、ルイジアナ州出身のテレビ宣教師、ジェシー・デュプランティス氏。すでに3機のプライベートジェットを所有している同氏だが、このほどキリストと神聖な対話を行った際、信者から寄付を募り新品の仏ダッソー製「ファルコン7X」を購入するよう求められたという。
同機の価格はおよそ5400万ドル(約59億円)。

デュプランティス氏は、プライベートジェットがあればキリストに文字通りの意味で近づけると説明。自分自身のために所有するのではなく、あくまでも聖職者として、世界中で信者を増やすことを目的に使用するのだと強調した。
また「もしキリストが現代に生きていたなら、間違ってもロバに乗って布教するなどということはないはずだ」と、笑みを浮かべながら付け加えた。

ジェット機や高級車などのぜいたく品を所有することについて、一部のキリスト教徒は、信心深い生活に対する神からの祝福だとしてこれを受け入れている。そうした富を教会と分け合う信者には、さらなる神の加護がもたらされるとしている。
2015年には別のテレビ宣教師が、プライベートジェット購入のため6000万ドルの寄付を信者に呼び掛けて物議を醸した。

しかしすでに3機のジェットを所有していると言うのも驚きですが、具体的な機種名を挙げてのお告げと言うのも珍しいですね。
最後に取り上げますのがご存知ブリからのニュースですが、さすがにとかなり話題になっていたものです。

イギリスのフェミニスト団体が新iPhoneの発表を受けて訴えを起こす(2018年9月18日ゴゴ通信)

イギリスのフェミニスト団体が13日に行われた発表会を受けて批判し訴えを起こしている。最新の『iPhone Xs』、『iPhone Xs MAX』、『iPhone XR』はいずれも大きく、一番小さな『iPhone Xs』で5.8インチ、『iPhone Xs MAX』は6.5インチとなっている。

そのようなアップルの新iPhoneのスペックが公開されると女性団体のメンバーは一般的に男性の手の方が女性よりも大きく、女性に考慮していない、反女性製品だと非難した。

イギリスの女性団体の会員でもある、キャロライン・クライも現地メディアのインタビューで「女性の手は男性よりも約2.5センチ小さいので、女性に小さな機器を利用することが可能なように選択を与えるべき」と主張。また大きなスマホを使っていたせいで運動損傷症候群(Repetitive Strain Injury/IT機器を過度に使用する際に現れる症状)にかかったとしており、そのときは『iPhone 6』を使用していたが、サイズが小さい『iPhone SE』に変更したところその症状が消えたという。

イギリスの政党である女性の平等党の代表、ソフィーウォーカーは「アップルイギリス支社の男女賃金格差は24%に達しており、それだけでなく男性従業員のボーナスが女性に比べて57%高い。このような状況で、デザインを決定するのに女性に考慮するはずがない。アップルは女性と男性を同等に見ていない」と指摘した。

フェミな方々も色々と大変なのだと思うばかりですが、しかし小型端末の販売終了を受けて小さなものを販売してくれと言う意見は根強くあるようです。
思惑はそれぞれでもそうした主張の目的自体に共感する人を集めればそれなりの数になると思いますので、リンゴマークの会社も善処を期待したいところですね。

今日のぐり:「冨久美味(ふくみみ)」

高知市外にある有名観光地の桂浜と言えば近隣は基本的にあまり飲食店がない場所ですが、こちら駐車場前で長年営まれている料理旅館さんです。
高知市内も観光地化してお店も混み合うので、こちら方面に来た際には時々利用させていただくのですが、海沿いで眺めの良い客室に案内いただきました。

今回はランチメニューからD定食を頼んで見ましたが、メインが鰹のたたきに天ぷら、小鉢2品、椀物やデザートもついてなかなか豪華な内容です。
たたきの焼き加減が定評あるだけになかなかいい感じですが、こちらの場合料理旅館を名乗るだけにむしろサイドメニューの方がよく出来ている印象ですね。
値段を考えてもそれほど食材にお金がかけられるわけでもないでしょうが、地元の小魚なども利用して安価でありながら華やかな見た目に仕立て、味も真っ当なものです。

こちら海の見える眺めの良い客室でいただけるのもなかなかポイント高いのですが、休日のランチタイムでも待たされず食べられ、高知市内で並ぶよりもよほど確実ですよね。
接遇面も手慣れている上になかなかよく気がつくもので、料理も含めて満足感がありますし、ちょっとした贅沢気分をリーズナブルに味わえるのがありがたいところです。

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2018年10月 2日 (火)

国が全国一律の医師偏在指標を設定

医師の働き方改革についてこのところ議論が続いていますが、その前提とも言えるこんな調査が行われるそうです。

医師6000人に勤務状況調査、厚労省、改定結果検証で(2018年9月26日医療維新)

 厚生労働省が診療報酬の観点から医師の勤務状況の調査に乗り出す。「勤務時間」や「診療時間」、「オンコール回数」、「勤務状況を改善する必要性」などについて聞く調査票を1500施設の医師計6000人に配り、協力を求める。2018年度の「診療報酬改定の結果検証に係る特別調査」として実施する。9月26日、中医協総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)が同特別調査の内容を承認した。10~11月に調査を実施し、来年1~2月に結果を公表する計画だ。

 同特別調査は、2年に1度の診療報酬改定後に毎回実施している。今年度は、▽かかりつけ医機能等の外来医療▽在宅医療と訪問看護▽医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進▽後発医薬品の使用促進策――の4調査を実施する。
 医師の勤務状況については、2018年度の改定で医療従事者の常勤配置や勤務場所に関する診療報酬要件を見直したほか、「医師事務作業補助体制加算」など医師や看護職員の負担軽減を目的にした点数を充実した効果を検証する。

 「医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進」の調査対象は、「医師事務作業補助体制加算」を算定している医療機関と算定していない医療機関それぞれ750施設ずつ計1500施設を無作為抽出し、調査票を施設と医師個人の双方に配る。医師の対象は1施設当たり4人で、外科系1人、内科系1人、その他2人で構成するよう求める。対象医師数は6000人に上る。
 医師個人に対する主な質問は、(1)医師経験年数や役職、勤務形態、主治医制の状況などを聞く「ご自身について」、(2)1週間の勤務時間、診療時間、事務処理時間や1カ月の当直回数・オンコール回数などを聞く「勤務状況等」(下記参照)、(3)医師の増員状況や勤務間インターバルの導入、予定手術前の当直免除の有無などを聞く「業務とその負担感等」、(4)「病棟薬剤師による業務の負担軽減等」、(5)勤務状況を改善する必要性などを聞く「あなたの勤務状況に関するご意見等」――で構成する。
(略)

正直今さら感が少なからずあるのですが、今回に関して言えば診療報酬との関連づけと言う文脈での調査である点がポイントと言え、今までと同様診療報酬による医療の誘導を図っていく考えなのだろうと思います。
この点で負担軽減に関連する項目を見てみると、基本的に大きな基幹病院を対象にした項目に偏っている印象で、当然そうした大病院ほど多忙な場合が多いわけですが、実態把握と言う点でやや不満も残ります。
調査として考えれば毎回同じ項目で調べなければ改善、増悪の判断もし難いはずですが、むしろ医師の負担軽減と言う点ではこちらのニュースの方が注目に値するのではないかと言う気もしますがどうでしょうか。

医師偏在指標、全国一律に「医師多数区域」「医師少数区域」を設定(2018年9月30日医療維新)

 厚生労働省は9月28日の「医療従事者の需給に関する検討会」の第23回医師需給分科会(座長:片峰茂・長崎大学前学長)で、2019年度から都道府県で策定作業が始まる医師確保計画で設定される「医師少数区域(仮称)」と「医師多数区域(仮称)」を決めるための「医師偏在指標」の計算方法を提示、大筋で合意を得た。診療科別の偏在指標も必要とし、まずは産科・産婦人科、小児科で取り組む考えを示した。

 2018年7月に成立した改正医療法・医師法では、▽新たな医師の認定制度の創設(2020年4月施行)、▽医師確保計画の策定(2019年4月施行)、▽外来医療機能の可視化/協議会における方針策定(2019年4月施行)、▽都道府県知事から大学に対する地域枠/地元枠増加の要請(2019年4月施行)、▽都道府県への臨床研修病院指定権限付与(2020年4月施行)――が予定されている。
 都道府県ごとに策定する医師確保計画では、二次医療圏を基本として「医師少数区域(仮称)」と「医師多数区域(仮称)」を設定し、医師の派遣調整を行うことが求められる。ただし、「医師の確保を特に図るべき地域」の定義には「医師少数区域」だけでなく、二次医療圏より小さい区域で「無医地区」「準無医地区」「知事が厚労大臣と協議の上で定める地域(離島や山間部等のへき地)」も指定できるようにする考えを示している。
 区域の設定に当たっては、全国共通の指標を使って一律に比較し、一定の上位、下位の地区を指定する方針で、その基準は今後、同検討会で議論していく。

 そこで、重要になるのが、「統一的・客観的に把握できる、医師偏在の度合いを示す指標」の導入だ。現在、一般的に使われている「人口10万対医師数」では診療科や年齢分布、患者流出入などが考慮されておらず、統一的な「ものさし」にはなっていないという指摘があった。新たに導入する指標は、医師の性別、年代による労働時間の違いを調整した「標準化医師数」と、人口10万人対医師数をベースに地域ごとに性年齢階級による受療率の違いを調整したもので勘案するというもの。
 計算式については概ね合意が得られ、厚労省は2018年度中に結果を公表する。慶應大学教授の権丈善一氏は「ニーズに基づくのは一歩も二歩も前進。ニーズの代理指標は人口と年齢がベースになり、同じ年齢の人たちは、どこに住んでいても同じアクセシビリティを保障していこうという考え。標準的な平均値が普通で、そこから外れる地域は、挙証責任として理由を言ってもらうようにすべき」と指摘した。聖路加国際大学学長の福井次矢氏は「理想的な分布、受療行動をグランドビジョンとして考えていただき、理想に向けての働きかけも必要」と述べた。厚労省は「基本的には全国均一の受療率があり得るべきものとして平均化する。それが理想かどうかは難しいところだが、過剰な受療行動があれば是正しなくてはならない」と説明した。
(略)
 同検討会では、医師偏在指標以外についても、医学部における地域枠、地元出身者枠の在り方、外来医療提供体制、医師少数区域勤務認定制度などについても議論し、2019年3月までに取りまとめる予定。
(略)

これも印象レベルの議論で徳島では医師が余っているとか言っていても仕方がないことなので、具体的な数字比較が出来ることにこしたことはないのですが、不足だけではなく過剰な受療行動の是正云々もポイントでしょうか。
具体的な計算式の内容がわからないので何とも言いがたいのですが、都道府県毎に地理的要因の影響も大きく、県土の広さや交通網の整備度合い、雪など自然災害の有無など様々な要因が絡みそうです。
ただそうは言っても地域医療構想は都道府県単位で策定されるものであり、県内での医師分布を検討する上では有用な指標になる可能性がありますが、問題は偏在をどう解消するのかと言う方法論です。

僻地に医師が少ないからと強制配置をしようと思えば当然反発も大きいのですが、自治体の権限が及ぶ医師派遣や病床数コントロールでどれだけ対応出来るのか、診療報酬のあり方にまで踏み込むべきなのかです。
ちょうど先日は聖地奈良県が県内の診療報酬一律カットを主張していましたが、地域内での医師配置是正を図る上で診療報酬の柔軟な設定が有効な可能性もあり、主体的に決めたい自治体もあるでしょう。
他方で都道府県単位を越えた医師偏在の是正はどうすべきかですが、偏在是正とはつまりは医師の引き抜き合戦であるとも言え、余っているからと医師を引き抜かれていく側にとっては全くありがたくない話ですよね。
医師が減ることによるデメリットの軽減や、そもそも医師が少ないほどメリットが大きくなる提案などが為されない限り、地域内であれ地域間であれ偏在是正とはそれなりに大きな騒動の火種になりそうには思います。

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2018年10月 1日 (月)

患者が来院しない場合、来院しても検査レポートが出ていない場合

以前から疑問に感じるところであったのですが、ちょうど医師免許を持つ弁護士として著名な田邊昇が関連した話題で記事を書いていたので紹介してみましょう。

偶発腫瘍を見逃したら法的責任を問われる?(2018年9月28日日経メディカル)より抜粋

(略)
 さて、本論とは少しずれるかもしれないが、医師は予約日時に来ない患者に、いちいち連絡する義務があるのかどうかを考えてみたい。
 私の担当事件で、腹部CTで膵臓癌の疑い所見があった患者が受診をすっぽかして診療が遅延した事案では、医師側の無責前提で和解をしたことがある。

 裁判例では高松高裁平成28年11月30日判決(判例秘書搭載)がある。これは集団検診での胸部の結節影の増大を認識した医師が、患者に影が増大していることを説明。放射線科専門医の読影を待って詳細を説明することを伝え、ゴールデンウィークを挟むため、3週間後に予約を入れて受診するようよう指示をした事案だ。
 裁判所は「医師のかかる説明は、通常人が、医師から放射線科専門医のCT画像の読影を踏まえた診断結果についてさらに詳細な説明を受けるために再診が必要であることを理解するに、十分で適切な内容のものというべきであって、医師に説明義務違反や過失は認められない。また、医師は、亡患者に対し、肺癌の可能性が疑われることを説明していないが、放射線科専門医の読影結果を待って、あるいは、さらに検査のしかるべき段階でより確定診断に近づいた判断が判明するのを待って説明すれば足り、疑診を告知することによって患者の不安をいたずらにあおる必要はないというべきである」と適切な判示をしている。

 だが控訴人(患者側)が、主治医が放射線科専門医の読影結果を確認し、かつ患者が再診予約を入れていないことを認識した時点で、来院しない患者に対して電話を掛けるなどの方法で再診を促すことを試みるフォロー義務があると主張する点に対しては、「医師が、本件精密検査の際、再診が必要であることを通常人が理解できるような十分で適切な内容の説明をしたと認められ、また、放射線科専門医の目から見ても画像診断だけでは肺癌か否かの判断はつかないものと判断したものであり、…(中略)…状況の変化は見られず、相当の緊急性が認められるような病状ではなかったものと認められるのであるから、再診のために来院しない患者に対し、再診を促すことを試みるなどの何らかの積極的行動を行うまでの法的義務があるとまではいうことはできない」としている。
(略)

後日の再診を指示していながら患者が現れないと言うケースは決して少なくないと思うのですが、風邪など明らかに一過性の症状で受診した場合などは軽快して来なかったのだなとスルーする場合も多いでしょう。
ただ検査結果を説明すると言う場合、当然ながら説明し今後どうするかも判断させるべきなのでしょうが、健診精査で受診し異常なしと言ったケースでは紹介元に報告書を送っておけばいいかと流す場合もありそうです。
ただ検査結果で何かしら気になる点があった場合、後日日を改めて受診するまで黙って待つべきか、それともこちらから電話連絡等すべきなのか、異常の程度なども含めしばしば悩ましい場合もありますよね。

記事に示されている髙松高裁のケースでは、医師は患者側に適当な時期に再診するよう指示したと言うことですので、具体的にいつ受診しろと指示したわけではないと言う言い訳が成り立つ余地がありそうです。
ただ昨今では多くの病院で電子カルテシステムが導入されていますが、この場合担当医がその場で次回予約も入れ、そして当日受診しない患者は即座に判ると言う点で少しばかり昔とは事情が変わっていますよね。
無論重大な異常が疑われる場合は電話入れておこうと言う気になるでしょうが、多忙さ故に来院されない患者のカルテまでは詳細には確認しないと言う先生の場合、他科のレポート等を見逃す可能性もありそうです。
知っていた異常をスルーしたと言うならともかく、そもそも見ていない情報についてまで責任を問われるのかが気になりますが、仮にそこまで責任を持ってチェックせよとなった場合さてどこまで責任を負うべきなのかです。

昨今は検査レポートなどもダブルチェックをすべきと言う建前が広まっていますが、直接の検査担当者がひとまず一次所見をつけ、後日改めて上級医が再度確認し最終所見をつけると言ったことも行われていますよね。
急ぎの場合などひとまずさっと一次所見だけを見て診療をしている先生も多いと思いますが、後日の最終レポートで全く別の所見が付けられていた場合にいつ誰がそれを確認し患者に伝えるべきなのかでしょう。
本来全ての所見が確定してから患者に説明すべきだと言われればその通りですが、患者来院日までに所見が揃っていない場合上級医にさっさと所見を付けろと急かすのか、急かせばすぐ所見が付くのかどうかです。
検査施行後○日までに必ず最終レポートを返すと言った約束でもあればいいのですが、長期出張などで不在となって所見が遅れると言った場合もあって、各施設でどのような工夫がなされているものでしょうかね。

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