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2018年9月23日 (日)

今日のぐり:「和彩もとしま」

毎年この時期になると恒例となっているあの賞につき、今年も日本人が受賞したというニュースが飛び込んできました。

座って大腸検査「苦痛少ない」自ら試しイグ・ノーベル賞(2018年9月14日朝日新聞)

 人々を笑わせ、考えさせた研究に贈られる今年のイグ・ノーベル賞の発表が13日(日本時間14日)、米ハーバード大(マサチューセッツ州)であった。座った姿勢で大腸の内視鏡検査を受けると苦痛が少ないことを自ら試した昭和伊南(いなん)総合病院(長野県駒ケ根市)の堀内朗医師(57)が、医学教育賞を受けた。日本人の受賞はこれで12年連続となった。
 受賞理由は「座位で行う大腸内視鏡検査―自ら試してわかった教訓」。堀内さんは内視鏡の専門医で、同病院消化器病センター長。13日夜(日本時間14日午前)にハーバード大の劇場で開かれた授賞式に出席した。堀内さんは渡米前、取材に「地域から大腸がんをなくしたい、その試行錯誤を評価してもらったと思う」と語った。

 大腸がん検診などで受ける内視鏡検査は、通常は横に寝た状態で肛門(こうもん)から管状の内視鏡を体内に入れていく。堀内さんは、痛みや不快感を減らす方法を探していて、座った姿勢のままで受ける方法を思いついた。イスに腰掛けて少し股を開き、口径の小さな内視鏡を自分の肛門にゆっくり入れてみたところ、「驚くほど容易にできた」という。
 2006年、米消化器内視鏡学会誌に体験談を発表。腸内をきれいにする前処置をした上で、右手で内視鏡の端をつまんで肛門に挿入しながら、左手でカメラを動かすつまみを操作。モニターに映し出された自分の腸内を見つめる姿をイラスト付きで紹介した。計4回試し、内視鏡の入れにくさと、感じる痛みや不快感がそのたびに異なることも発見した。
 堀内さんによると、内視鏡検査で見つかった大腸ポリープを切除すれば、大腸がんの発症を9割抑えられるという。堀内さんたちの病院では、日帰りで手軽に検査を受けてもらおうと覚めやすい鎮静剤を用いるなど工夫。検査数は地方の病院としては異例の年1万5千人に達し、全国的に注目されている。ただ、座った姿勢で医師が内視鏡を入れる検査は、恥ずかしがって受けたがらない人が多く、採用していないという。

確かに大変な工夫だとは思うのですが、元記事の検査の様子を示した限りでは、受けたがらない人が多いと言うのも何となく理解出来る気がします。
本日は新たな内視鏡検査の地平を切り開いた堀内先生に敬意を表して、世界中から人類社会の新たな知識を開拓する新境地の研究成果を紹介してみましょう。

ハダカデバネズミ、女王のフン食べると「世話ネズミ」に(2018年9月3日朝日新聞)

 アフリカの地中に生息するハダカデバネズミの群れは、女王のフンを食べたメスが赤ちゃんの「世話役」になることを、麻布大などの研究チームが突き止めた。フンに含まれる女性ホルモンの作用とみられ、ユニークな群れの生態に迫る成果という。米科学アカデミー紀要に論文を発表した。

 ハダカデバネズミは東アフリカの半乾燥帯で、アリのように地下に巣穴を掘り、数十匹の群れですむ。体毛が少なく、目はほとんど見えない。老化しにくく数十年も長生きするなど生態にはなぞが多い。

 群れには赤ちゃんを産む女王1匹と数匹のオス、赤ちゃんは産まないメスの「働きネズミ」がいる。このメスはふだんはトンネルを掘り、エサの植物の根などを集めているが、女王が出産すると一部が赤ちゃんを暖めたり、掃除をしたりするようになる。

ハダカネズミと言えば元記事にもあるような衝撃的なビジュアルで有名な生き物ですが、そうですかネズミのくせに何十年も生きやがりますか。
長年慣習的に行われてきた行為がむしろ有害無益であったと言うケースはあるものですが、こちら社会的影響も大きそうなニュースです。

クロールのバタ足、速くなる効果なし むしろ水の抵抗増(2018年7月4日朝日新聞)

 水泳のクロールで速く泳ごうとすればするほど、キック動作(バタ足)は前に進む力に貢献しにくくなる――。
 こんな研究結果を、筑波大と東京工業大の研究チームがまとめた。

 秒速1・3メートル(100メートルのタイムで76秒92に相当)より速くなると、足の動きで生じる水の抵抗が大幅に増えるという。
 生体工学の専門誌「ジャーナル・オブ・バイオメカニクス」(https://doi.org/10.1016/j.jbiomech.2018.05.027)に論文が掲載された。

しかし事実だとすれば大変な問題ですが、エリートスイマーほどこうした無駄を避ける技術があると言うことなのでしょうかね。
個人的にはあまり意識したことがなかったのですが、言われてみればそんな気もすると言う問題が克服されたそうです。

「スパゲッティの乾麺は必ず3つ以上に折れる」という現象を乗り越えて研究者が2つに折ることに成功( 2018年08月14日GigaZiNE)

カチカチに乾燥したスパゲッティの乾麺を両手で持ってアーチ型に曲げて折ろうとすると、まず間違いなく3つ以上に折れてしまうという不思議な現象が存在します。誰がどれだけ頑張っても決して逃れられなかった「スパゲッティ折りのミステリー」をついに乗り越え、スパゲッティをキレイに2つに折ることに成功した研究者が現れました。

「スパゲッティの乾麺は必ず3つ以上に折れる」という不思議な現象は、ノーベル賞科学者のリチャード・P・ファインマンが見つけて世界に問いかけたものです。鉛筆や木の棒など、細長いものを曲げると大抵の場合は真ん中あたりから真っ二つに折れるものですが、ことスパゲッティに関しては「誰がやっても絶対に2つに折ることはできない」ということが明らかにされていました。
「なぜスパゲティだけが?」というこの現象の謎は2005年、パリにあるピエール・アンド・マリー・キュリー大学の物理学者バジル・オードリー氏とセバスチャン・ノイキルヒ氏によって解明されています。両氏は「カタパルト実験」と呼ばれる実験を繰り返すことで、スパゲティが最初に折れた時に生じる「たわみ」が伝わる時に波が合成されて強くなり、新たな折れ目が作られているという実態を明らかにして、「ひびの連鎖による細い棒の破砕――なぜスパゲティは半分に折れないのか」という論文を発表。この発表の翌年、2006年にオードリー氏とノイキルヒ氏はイグノーベル賞を受賞しています。

その論文では「スパゲッティは必ず3つ以上に折れる」ことの原因が解明されたのですが、今度は逆に「2つに折る方法はないのか」という謎に取り組んだ科学者が現れました。それはコーネル大学の大学院生であるロナルド・ハイザー氏とマサチューセッツ工科大学(MIT)の大学院生であるビシャール・パティル氏らのチームです。
日常の会話の中から「スパゲッティを2つにある方法があるのではないか」と考えた2人は、まずスパゲッティを手で持ってさまざまな方法で曲げることでその折れ方を検証。その後、専用の「折り曲げ機」を開発することで、より詳細なスパゲッティの折れ方を調査するに至りました。そして研究の結果、2人がたどり着いた答えは「スパゲッティを一定以上の角度にねじっておいた状態で曲げていくと2つに折ることができる」という結論でした。
(略)
研究チームでは、この現象を数学的に解明することにも成功しているとのこと。上記のように、通常のパスタが3つ以上に折れるのは曲がっていたスパゲッティにかかっていた「ひずみ」の力が解放されて真っ直ぐに戻ろうとする時の「たわみ」の波が合成されることで力が大きくなり、そこで新たな折れ目ができるというものでしたが、「ねじり」を加えたスパゲッティでも「ひずみ」が存在するのは同じ。しかしそこに「ねじり」の力が加わることで、スパゲッティが元の状態に戻ろうとする際の挙動が変化するといいます。
曲がったスパゲッティが元の直線に戻ろうとする時に力の伝わる速度と、ねじられたスパゲッティが元の状態に戻ろうとする時に力の伝わる速度は、後者の方が早いことが今回の研究で明らかにされています。この速度の違いによって、大きな「曲げ」を解消しようと働く力の強さが、「ねじり」を元に戻そうとする力が合成されることで、スパゲッティを折ってしまうほどの力が生じない状態になるというのが、研究者が導き出した答えであるというわけです。

2006年の論文に負けず劣らずの「イグノーベル賞候補」といえそうな今回の研究結果ですが、2人の研究者はこの成果により「亀裂形成の理解を高めることや、多繊維構造、人工ナノチューブ、または細胞の微小管などの他の棒状材料の骨折を制御すること」などの、単なる料理的好奇心を超える用途があると述べています。
(略)

大変な実用性も秘められているかも知れないと言う研究成果なのですが、しかし束になったスパゲッティを見事二つ折りにすると言う課題は未だ克服されていないと言えましょう。
最後に取り上げるのは昨今何かと話題になっているロボット関係の、意外とも納得とも言える最新知見です。

「命乞いするロボットの電源を切るのは難しい」ことが最新の研究から明らかに( 2018年08月03日GigaZiNE)

(略)
ドイツの研究者たちがオープンアクセスジャーナルのPLOS ONEに掲載した論文では、89人のボランティアを集め、小さなヒューマノイドロボット「NAO」の助けを借りながら1対1で指定の作業を行ってもらうという実験が行われています。作業中、NAOは「パスタとピザのどちらが好き?」などの質問を被験者たちに投げかけたそうです。
被験者には「NAOの学習アルゴリズムを改善するための実験」と伝えられていたそうですが、実際は別の目的がありました。それは、作業が終了した後に被験者へ「ロボットの電源を切ってください」と頼み、どれだけの被験者が電源を切ることができるかを調べるというもの。

被験者がロボットの電源を切ることができるかをただ調査するだけでなく、89人の被験者の半分に対しては、NAOが「ノー!どうか僕の電源を切らないで!」と懇願するように条件を設定したそうです。すると、NAOの言葉を聞いた43人の被験者のうち13人は、最後まで電源を切ることができませんでした。また、残りの30人もNAOの訴えを聞かなかった人と比べると、平均で2倍も電源をオフにするのにかかった時間が長くなったそうです。
ロボットの電源をオフにすることを拒否した被験者は、「ロボットがお願いしてきたことに驚いたから」や「電源を消さないでとお願いしてきたから」とその理由を記しています。被験者たちの反応を受け、研究チームは「人々はロボットを機械としてではなく現実の人間として扱う傾向があり、(嘆願により)電源を消すことをやめるか、少なくともその行動について深く考えるようになる」と記しています。

これは1996年に心理学者のバイロン・リーブス氏とクリフォード・ナス氏が書いた著書で初めて登場した「メディアの方程式」と呼ばれる理論に基づいていると考えられています。メディアの方程式というのは、人間以外のメディア(TV、映画、コンピューター、ロボットなど)を人間であるかのように扱う傾向を理論化したものです。
2人の心理学者がメディアの方程式を提唱して以降、多くの研究で「人間の行動がメディアの方程式にどのような影響を受けているか?」が調べられてきました。特にロボットとのやり取りは顕著で、人間は人間と同じような人格を持つボットとのやり取りを楽しむ傾向があることなどが研究から明らかになっています。
(略)

想像するに見るからに高価そうな装置を用いて研究に協力しているのですから、電源を切るなと言われれば切らないでおこうと考える人もいて不思議ではない気もします。
とは言えロボットが精巧になるほどその声に耳を傾けたくなるのは理解出来る話ですが、動物をかわいがるのと同様人間扱いとはまた微妙に違う行動なのかも知れませんけれどもね。

今日のぐり:「和彩もとしま」

福山駅前の繁華な一画から一本入った裏通りに位置する、こちらなかなか雰囲気があるお店ですね。
掘りごたつ形式の個室がメインとなっているようで、単品メニューもありますが各種コースも揃っていて、今回は鰻蒲焼・虎魚唐揚げコースを頼んで見ました。

先付の湯葉あんかけから始まってデザートまで一通りのものをいただきましたが、この時期の定番である松茸とハモの土瓶蒸しなどはうまいに決まっています。
お造りではヒラメやマグロなど定番ネタに加えてイワシが身が厚く嫌な臭みも無くありがたいものでしたが、とうもろこしの茶碗蒸しなどは最近よく見かけるメニューですね。
ウナギの蒲焼きは天然物なのでしょうか、香ばしい焼き加減でなかなかですが、それ以上に感心したのがオコゼの唐揚げで、なかなかここまで立派なものは見かけません。
料理の方は全体にどれもなかなか立派なもので満足感の高い内容ですし、このお値段でこれであれば文句を言えないと言うものですよね。

トイレも広さや設備面は及第で、ともかく基本的に個室で気兼ねなく飲食出来ると言うのがありがたいですが、さすがに繁盛されているようですよね。
強いてけちを付けるとすればアルバイトっぽい接遇面で、レスポンスなどは決して悪くはないのですが、少し店の格に合っていない印象です。

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