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2018年9月27日 (木)

病院の儲けにならない行為は全て自己研鑽と言う驚くべき主張

このところ医師の働き方改革が議論されている中で、今なお抵抗勢力が必死の抗戦を続けている様子が報じられていましたが、見ていますとびっくりするような主張が平然となされているようで驚きます。

「急速な働き方改革で医療崩壊、誰が責任を取るのか」医療部会、病院団体トップから懸念の声も(2018年9月26日医療維新)

 厚生労働省の社会保障審議会医療部会(部会長:永井良三・自治医科大学学長)は9月26日、同省の「医師の働き方改革に関する検討会」の検討状況について議論、病院団体の代表者からは、「働き方改革を急速に進めて、医療現場が崩壊した時に誰が責任を取るのか」(日本精神科病院協会会長の山崎学氏)など、医療提供体制の維持を念頭に置いて、改革を進めるよう求める意見が相次いだ

 山崎氏は、労働基準監督署の立ち入り調査を受けて、土曜日の外来診療など診療時間の縮小を実施した聖路加国際病院の例を挙げて、働き方改革を急速に進めることで、医療現場が崩壊することに懸念を呈したほか、「今まで医師の過重労働の中で、医療現場が回っていた。労働量を少なくすれば、それに代わる人を配置しなければ、医療は成り立たない。医師不足、かつ後期高齢者が増え、医療ニーズが増えていく中で、その関連について議論しているのか」と質した。日本医療法人協会会長の加納繁照氏も、山崎氏の意見を支持、医師の働き方と医師需給の問題を関連させて議論することが必要だとした。
(略)
 日本病院会会長の相澤孝夫氏は、「今の議論で抜けているのは、次の時代を担う若い人を育てていかなければならないという視点だ。机上ではなく、実際に患者を診て、指導していくことが大事で、そのために皆が時間を使っていることを忘れないでほしい」と訴えた。例として専門医取得のための経験症例数を例に挙げ、「(勤務時間外に)経験すべき症例の患者が来た時に、その患者を診るのは強制か、自己研鑽かだが、その中間になるのだろう」と相澤氏は述べ、労働時間と自己研鑽を切り分ける難しさを指摘した。

 山崎氏は自己研鑽についても発言。「病院は、医師と労働契約を結んでいる。病院の収入に直結しない行為は契約外であり、自己研鑽に当たるのではないか」との考えを述べた。

(略)
しかし全国各地の基幹病院で土曜診療をしているところはむしろ少ない方ではないのかと言う印象を持っていたのですが、聖路加が土曜診療の縮小をしたことが医療崩壊の象徴になるとはちょっと予想していなかったですね。

病院の収入に直結しない行為は契約外であり自己研鑽にあたるとはまことに卓見であると言うべきですが、この筆頭が無意味で無駄な会議やカンファレンスと称される行為になるのでしょうかね。
記事中にある山崎氏にしろ相澤氏にしろ同族経営の病院理事長と言う立場であり、当然ながら勤務医を労基法無視で安くただ働きさせることの利益が大きい方々ですから、立場上こうした見解は予想されることです。
ただ問題はこうした方々の意見ばかりが医療業界の声として取り上げられ、当事者が求めているのだからと働き方改革が後退していく事態で、メンバー選定を見れば出来レースと言う批判も出来る話ですよね。

こうした業界団体の抵抗勢力化に対し、元内科医の平岡諦氏は日医の態度を批判し勤務医の脱退を呼びかけ、「過労死ラインを超えて、医療安全は守れない」をスローガンに掲げるべきと主張しています。
そもそも論として日医に加入する意味があるのかと言う議論は置くとしても、厚労省がこうした方々の意見ばかりを聞いて議論を進めようとするのであれば、働かされる立場の現場医師はどう考えていくべきなのかです。
医師は労働者としては強い立場であり、もっと権利を主張すべきであるとは言われるところですが、周囲が必死で働いている中で自分だけ労働の制限を主張するのは気が引けると言う方も多いのでしょう。
昨今流行りの女性医師問題に絡めて男女差別なく労働環境改善を図るであるとか、労基署に告発するなど様々な方法論はありますが、ひとまずもっとも手っ取り早いのは逃散と言うのは今も世の真理なのでしょうか。


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心と体」カテゴリの記事

コメント

本音ダダ漏れw

投稿: | 2018年9月27日 (木) 08時18分

>「病院は、医師と労働契約を結んでいる。病院の収入に直結しない行為は契約外であり、自己研鑽に当たるのではないか」
斬新な意見ですねえ。病院の収入に直結しない行為、というのが具体的に何を想定しているのかが気になりますが。
勉強的なものが病院の収入に直結しない行為とするのであれば、研修医を指導することすべてが自己研鑽扱いになりそうな・・・

投稿: クマ | 2018年9月27日 (木) 08時24分

医療現場が崩壊した時に誰が責任を取るのかは存じませんが、被雇用者の過労により労災や顧客トラブルが発生した場合に責任を取るのは雇用者であると確信します。

投稿: 管理人nobu | 2018年9月27日 (木) 10時13分

そもそも、医療現場が崩壊は、どのような状態を指すのでしょうか?労働者の立場からすれば、1)失業や賃金未払い もしくは 2)違法な長時間労働や労働災害を被る などであって、病院経営が苦しくなったり、患者が受診できなくなることではありませんわ。だいたい、日本の健康保険は全国に通用するから、自分の県の病院崩壊したら、他の県に行け、で終了。なんで医者が異動せなあかんねん。

投稿: 麻酔フリーター | 2018年9月28日 (金) 10時25分

病院の収入に直結しない行為に給料は不要というのであれば、収入への貢献度(診療報酬売上)に給料を連動させるべきですね。
当直も病棟もなく週1~2回の外来だけしているような年配の先生方の給料は大幅削減でお願いします。

投稿: | 2018年9月28日 (金) 23時04分

病院側が専門医イラネならそれでいいじゃん

投稿: REX | 2018年10月 1日 (月) 21時23分

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