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2018年8月13日 (月)

東京医大女子冷遇問題、女医達からは意外な?反応も

先日以来延焼が続いている東京医科大学の入試問題ですが、先日興味深い調査結果が出ていました。

女性医師の6割「東京医大の女子減点に理解」背景に無力感か(2018年8月8日NHK)

東京医科大学の入試で女子が一律に減点されていた問題について、女性医師を対象にアンケート調査をした結果、大学の対応に何らかの理解を示す人が6割を超えたことがわかりました。専門家は、医師の長時間労働に女性医師が無力感を感じていることの表れだと指摘しています。

東京医科大学は10年以上前の入試から女子の受験生の点数を一律に減点し、合格者を抑制していたことが明らかになりました。
この問題について、女性医師向けのウェブマガジンを発行している企業がネット上でアンケートを行い、103人から回答を得ました。
このなかで、大学の対応について、意見を聞いたところ「理解できる」と(18.4%)「ある程度理解できる」を(46.6%)合わせた回答は65%に上りました。
その理由を聞くと「納得はしないが理解はできる」とか「女子減点は不当だが、男性医師がいないと現場は回らない」といった意見、さらに「休日、深夜まで診療し、流産を繰り返した。周囲の理解や協力が得られず、もう無理だと感じている」など大学の対応がおかしいと感じながら厳しい医療現場の現状から、やむをえないと考える女性医師が多いことがわかりました。

これについて、産婦人科医で、日本女性医療者連合の対馬ルリ子理事は「医療現場はそんなものだという諦めが強い。医師は24時間人生をささげなくてはいけないと信じられてきたので、少しでも戦力から離脱するとキャリアを諦める医師が多かった。働き方の工夫で男女問わず早く帰れるようにすることは可能だ。今回の事をきっかけに、医療現場を変えなければならない」と話しています。

今回の騒動が医療現場を変えていく一助になればもちろん良いのでしょうが、現場の状況にしんどさを感じているのは別に女医だけではなく、男性医師も全く同じように感じていることは各方面から聞こえてきます。
要するに女医に限らず医療現場全体の問題であることは明白なのですが、その現状に対する対策として何らかの入り口での規制なり誘導なりについて、少なくとも現場当事者からは一定の理解は得られそうだと言うことでしょうか。
今回の東京医大の方法論はさすがにいささかどうよですが、当の女医の側からも男女間の不平等な取り扱いに一定の理解を示す発言はあるようで、先日はこんなコメントが賛否両論を呼んでいました。

西川史子、東京医科大学の女性一律減点は「当たり前」と発言し物議 賛同の声も(2018年08月05日しらべぇ)

5日放送の『サンデージャポン』(TBS系)で、東京医科大学が女性受験者の点数を一律に減点していた問題について、西川史子が独自の見解を展開。
その内容が物議を醸している。

■一律減点は「当たり前」
池田エライザや壇蜜が東京医科大学の対応を批判するなか、話を振られた西川史子は、「当たり前ですこれは。(医科大に限らず)全部がそうですよ」と発言。スタジオを驚かせる。
続けて西川は、
「上から採っていったら女性ばかりになってしまうんですよ。女の子のほうが優秀なんで。だから眼科医と皮膚科医だらけにになってしまうんですよ世の中が。重たい人の股関節脱臼を背負えるかといったら女性は無理なんですよ」
と指摘し、さらに、
「外科医は少ない。やっぱり外科医になってくれるような男手が必要なんですよ。お腹が大きくては手術はできないんです。だからやっぱり女性と男性の比率は考えておかなければいけないんです」
と語った。科によって「少ない、多い」があり、男女で採用比率を考えなければならないため、女性受験生の一律減点は「ある程度仕方ないのではないか」と持論を展開した。

■男性のデーブ・スペクターが反論
これに反論したのが、男性のデーブ・スペクター。
「これは悪いけど、6万円の受験料も取っていて、不正ではなくて詐欺です。そのために勉強しているわけですよ。そういう(労働)問題は、すぐ辞めていくとか、妊娠したら休むとか、日本だけじゃなくて欧米でも起きている問題で、医療現場の働き方改革が必要。
男性だって100時間働かされて、寝不足で判断力が鈍って男性も問題になっている
と指摘する。西川はこれにも「男性と女性でできることは違うから、それは比率として…」と反論するが、デーブは「でも受験段階で(減点)は良くないですよ」とバッサリ。
なお細野弁護士によると、東京医科大学の措置は提訴があれば「人権侵害になる可能性が高い」とのこと。テリー伊藤が「事前に言っておけば大丈夫?」という質問には「それなら不公平ではない」とコメント。
西川史子も、「事前に比率をアナウンスする」という提案には賛同。東京医科大の対応がすべて正しいとは考えていないようだ。
(略)
西川史子の意見に賛同するか否かは個人によって判断が分かれるところだが、医療の現場に「男性と女性でできることは違う。男性も必要」と考えている人が存在することは、間違いない様子。
一方で、「入学試験で女性だけ一律減点する」東京医科大学のやり方は、理解を得られていない
「医療の現場で何が起きているのか」を踏まえ、今後医師を目指す若者をどのように採用していくのかなどを、感情に流されず冷静に議論し、現場に則したシステムを構築する必要があるのではないだろうか。

西川氏の発言自体も取り上げられ方に賛否両論あるようでかなり報道バイアスが加わっているようですが、全体として解釈すれば方法論に問題はあるものの、現状ではいわゆる必要悪であると言ったところでしょうか。
厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師調査(2016)」によれば、医療施設に従事する医師は男が240,454人で女は64,305人ですが、興味深いのは増加率が男1.7%に対して女は6.3%と差が大きい点です。
この理由として若年層ほど女医比率が高く、29歳以下では34.6%となっていることが上げられますが、医学部学生の男女差は各大学で極端な差があり、私学に限らず国公立でも格差が大きい場合があるようです。
例えば東大、京大、阪大などの一流大学では女性比率が2割以下と極端な差が見られますが、これらが東京医大同様の忖度の結果なのかどうかで、事実過去には年齢による差別的対応も報じられていますよね。

こうした極端な男女差に関しては厚労省も今回問題視し、緊急に全医学部に男女差の理由を確認するとのことですが、昔は医学部志望の女子自体少なかったことを考えれば隔世の感があります。
ちなみに診療科の偏在ですが、比較的に男女差があるのが内科(21.2対15.5)、外科(5.6対1.3)、整形外科(8.4対1.6)、小児科(4.6対9.0)、産婦人科(2.9対6.0)、皮膚科(2.0対6.7)、眼科(3.4対7.8)などです。
救命救急などにも大いに関係する麻酔科も2.3対5.5と女性上位で、必ずしも女性がメジャー診療科を回避しているとか当直のない診療科ばかり選択していると言うわけでもないようですが、外科系忌避とは言えそうですね。
体力的に厳しい科を避けるのはケシカランと考えるか、出産や妊娠など生理的な理由でキャリアが中断することを見越しての選択と受け取るのか、女性に限らず医師にも個人差があることを前提にした議論が必要でしょう。

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コメント

>重たい人の股関節脱臼を背負えるかといったら女性は無理なんですよ

これはまあ女性医師の方だと無理かもしれないとは思いますけれども、
そんなに女性医師だと対応できないシチュエーションが他にありますか?

投稿: クマ | 2018年8月14日 (火) 13時15分

対応できないシチュエーションは、極めて限られますが、対応しない選択を積極的にされますよ。善悪は別として。

投稿: 麻酔フリーター | 2018年8月14日 (火) 20時34分

個人的に感じている女医の遭遇しがちなトラブルとしては、夜間当直で女医と看護師しかいない現場で患者が暴れると言ったケースですが、看護師を男性にしたり警備員を常駐させるなど配慮が要りそうですね。
今現在はまだ試験的運用に留まっていますが、仮に将来的に機械的な物理力サポートの利用がごく当たり前のものとなった場合、女医の進路選択にも変化が出るものなのでしょうか。

投稿: 管理人nobu | 2018年8月14日 (火) 20時49分

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