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2018年7月23日 (月)

一瞬の躊躇が生死を分ける局面で躊躇させないための準備

豪雨被害から一転して記録的な猛暑なのだそうで、各地で熱中症に対する警戒が呼びかけられていますが、今年は特に学童学生の死者すら出るほどの劣悪な学校生活環境に関して注目が集まっているようです。
校内に(職員室を除き)ほぼ冷房設備なしと言う地域も少なくないようですが、それ以前にあり得ない校内ルールを強要し熱中症に追い込むかのような人災的側面が注目され、早急に是正すべきだとの声が高まっています。
特にこの時期猛暑の中で運動を強いられる部活動にも批判が高まっていますが、毎年この時期に高校野球全国大会を主催し動向が注目されている朝日新聞が先日こんな記事を掲載していました。

炎天下の駐車場、車内に女児 ガラス割ろうとしたその時(2018年7月21日朝日新聞)

 炎天下の駐車場で車内に置き去りにされた子どもが、熱中症などで命を落とすケースが後を絶たない。酷暑のこの時期、パチンコ店が見回りを強めるなど、あちこちで注意が呼びかけられている。

 千葉県八千代市のマルハン八千代緑が丘店。女性従業員が昨夏、駐車場の車の中でぐったりとした2歳ぐらいの女児を見つけた。
 気温は30度を超えているのに、エアコンは動いていない。窓をたたき、声をかけても反応はない。店内のアナウンスで車の持ち主を呼び出し、警察に通報。ガラスを割ろうとした瞬間、女児が寝返りをうった。
 発見から10分後、戻ってきた両親は「短時間じゃないですか」「こんなことで子どもは死にません」。いらだった様子だったという。
 当時店長だった片山晴久さん(38)=現・静岡店長=は「保護者との温度差を感じる。夏場の車内が危ないと思っている人が少なすぎるのでは」と話す。

 赤ちゃんの寝顔の下に、「救出の為(ため)、車の窓ガラスを割る場合があります」。全国で300店以上を展開するマルハンは昨春、こんなポスターをつくり、今年5月にネットで話題になった。「割っていいのか」「託児所を作れ」という批判の一方、「子どもの命はガラス1枚より重い」と賛意も寄せられた
 八千代緑が丘店の見回りに今月、同行してみた。気温は32・5度。駐車場に日陰はなく、閉め切った車内はすぐ息苦しくなる
(略)
 山崎直樹店長(45)は「従業員も体力的にきついが、かけがえのない子どもの命を守りたい一心で回っています」。

パチンコ店に入って短時間で済むはずがない、もし短時間で本当に済むのであれば無断駐車だったのではないかと言う声もあるようですが、ひとまず子供が無事だったことで最悪の事態だけは避けられたようです。
パチンコ店の皆さんも大変だと言うしかありませんが、システム的に何とかこうした事故を防ぐ手立てはないものなのかと言う意見に加えて、平然と幼児虐待行為を行う親に対する厳正な処分を望む声も少なくないようです。
管理人も窓ガラスを割った結果当事者とトラブルになった事例を目撃したことがあるのですが、当事者側は問題意識など存在しないのですから反発があるのは当然として、割る側の躊躇が重大事に結びつくのでは困りものです。
医療の世界でも善きサマリア人法の必要性は以前から言われていますが、結果的に望ましくない事態に陥った場合単純に免責するだけではなく、何かしら公的な金銭保障の制度でもあればお互いに助かると思いますね。
ただこうした点については日本はかなり世界的にも遅れている部分があるようで、先日洞窟内に少年達が閉じ込められたタイのケースでは、慌ただしい短期間の救出劇の中でこんな手配まで行われていたそうです。

タイ洞窟救出豪ダイバーに外交特権、「失敗しても訴追免除」 報道(2018年7月16日AFP)

【7月16日 AFP】タイの洞窟に閉じ込められたサッカーチームの少年らの救出活動に参加したオーストラリア人ダイバー2人が、救出活動が失敗しても訴追対象とならない外交特権を得ていたと、豪ABCが16日報じた。

 タイ語で「イノシシ」という名のサッカーチームの少年らは、タイ北部のタムルアン(Tham Luang)洞窟に18日間閉じ込められていたが、タイ海軍特殊部隊と洞窟潜水を専門とする外国人エリートダイバーらによる大きなリスクを伴う3日間の救出活動が奏功し、メンバー全員が無事脱出した。
 オーストラリアからも、麻酔医のリチャード・ハリス(Richard Harris)氏とダイビングパートナーのクレイグ・チャーレン(Craig Challen)氏という2人の洞窟潜水専門家が救出活動に加わり、重要な役割を担った。
 ABCが当局筋の話として伝えたところによると、オーストラリアとタイの当局が交渉し、危険な救出作業が失敗した場合でも訴追対象とならない外交特権を与えた上で、両氏の参加が決まったという。
 豪外務省はこの報道について肯定も否定も差し控えるとし、救出活動の計画・実行に関してはタイ当局に問い合わせるよう促している。

 ダイバーのチャーレン氏は帰国後地元メディアの取材に対し、救出活動が「まさに生死を分ける」内容で、少年12人とコーチ1人の全員を無事救い出せる確証はなかったと振り返った。
 また同氏は少年らに対し「投薬を行った」ことを認め、「あの場で子どもたちをパニックに陥らせるわけにはいかなかった。子どもたち自身が死亡し、救助者が巻き添えになる恐れもあった」と説明した。
(略)

各メディアで非常に詳しく報じられていたから現地の状況は皆さんも御覧になったと思いますが、必ずしも機材や人員等の点で満足いく環境とも言い切れない中で、こうした対応がきちんと行われていたと言う点に驚きます。
日本でも各地の災害で国内外のスタッフが大勢救助活動に参加する事例が少なくありませんが、現場での救命医療行為など技能や手段はあっても制度的に行えないことになっているケースは少なくないのでしょう。
無論違法行為として後日の訴追覚悟でやってしまう人もいるのでしょうが、現場スタッフが躊躇なく最善の行動を行えるような制度的なバックアップがとられるなら、誰もが安心して活動に従事できるのではないかと思いますね。
日本国内でも非常事態に対応した省庁の創設なども議論されているようですが、非常事態にあたって限りあるリソースが十二分に活用出来るように、こうした面でも何が出来るかを検討し準備いただきたいものです。

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コメント

車内放置親は普通に児童虐待なんだから逮捕しろよ

投稿: | 2018年7月23日 (月) 10時19分

https://news.biglobe.ne.jp/trend/0724/blnews_180724_8117254364.html

投稿: | 2018年7月24日 (火) 20時49分

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