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2018年6月18日 (月)

増える外国人無保険患者、巨額医療費は誰が負担すべきか

外国人を巡る医療費の問題が近年注目される機会が増えていますが、先日こんなニュースが出ていました。

病院悲鳴! 訪日外国人の医療費未払い続出で「経営圧迫」 一人数百万円も(2018年06月13日産経新聞)

 訪日客の増加を受け、けがや病気で病院を受診した外国人患者が医療費を支払わないケースが続出している。一人の未払い額が数百万円にのぼる例もあり、病院経営への影響を危惧する声も出始めた。2020年東京五輪・パラリンピックを控え、訪日客数が増えれば混乱はさらに深まる恐れもある。(社会部 三宅陽子)

 東京医科歯科大学病院(東京都文京区)は昨年1月、国内旅行中に倒れた20代のタイ人女性の救急搬送を受けた。病名は「虚血性心不全」。手術を含めた懸命な処置を行い、命を救った。
 だが、治療にかかった約1500万円の扱いに患者も病院側も苦慮することになった。女性は旅行保険に入っておらず、費用は自己負担となることに。タイ大使館から約800万円の立て替え払いがあり、募金なども受けて一部の返済が行われたが、帰国した今も完済には至っていない。
 「女性はタイから支払いを続けてくれているが、医療費の未回収分は病院が負担するしかない。同様の事例が続けば経営は確実に圧迫される」。大川淳病院長はこう危機感を募らせる。

 外国人患者をめぐる医療費のトラブルは各地で相次いでいる。厚生労働省の調査によると、平成27年度に外国人患者を受け入れた1378病院のうち35%で医療費未払いがあった。
 近畿運輸局が行った調査(28年5~7月)でも、回答した大阪府内の147病院のうち20病院で27人分の未払いの発生があり、未払い総額は1547万円にのぼった。1人の未払いが約800万円という例もあった。
 一方、本人や家族の所持金から医療費の一部を回収できても「帰国後に送金する」とされた残金の支払いが果たされていないケースもある。未払いの一因は旅行保険に未加入であることや、医療情報の説明不足などがあるとみられるが、現場からは「出国されてしまえば打つ手がない」「適切な対応方法が定まらない」との戸惑いの声も漏れる。

 こうした中、国立国際医療研究センター(東京都新宿区)は約3年前から外国人患者の対応支援に当たる専門部署を立ち上げ、成果をあげている。力を入れてきたのは未払いの“芽”を摘むことだ。
 例えば、これまでややおざなりにされてきたパスポートによる本人確認や、旅行保険加入の有無などの情報収集を徹底。医療費の高額化が予想される場合、早期の支払いを促すなど担当者が取るべき手順も明確化させていった。現場の調整に当たるコーディネーターも置き、通訳や大使館への相談といった関係機関との連携にも力を入れている。

 ただ、こうした取り組みは医療機関ごとに温度差がある。
 政府は平成32年に訪日客数を4000万人とすることを打ち出しており、「セーフティーネットの構築を含め、国や自治体、関係機関が連携して対応策を講じていかなければ、対処しきれなくなる病院も出てくる」と同センターの大曲貴夫副院長は懸念する。
(略)

今回の記事の対象になっているのは一時的な訪日を行う旅行客の話題ですが、過去には在留無保険外国人の未収金が問題になり、先日は日本の保険医療制度を利用し高額医療費を免れる外国人も報じられています。
ただいわゆる高額医療タダ乗り問題に関しては、医療機関の側としてはおおむね自己負担分も含めきちんと支払いは受けているようで、やはり未払いが多くなるのは無保険の外国人患者のケースですよね。
以前は一部の地方公立病院などを中心に、地域外国人の間に無料で診てくれると言う評判が広まってしまっていると言ったケースもあったようで、やはり意図的に支払いを拒否している事例は困ったものだと言えます。
こうした問題は政府としても把握しているようで、先日医療費未払い外国人の再入国を拒否するなどと言った対策が報じられていました。

医療費未払いの外国人 再入国を拒否へ(2018年6月15日zakzakニュース)

 訪日した外国人が病院にかかった際に医療費を支払わないまま帰国する問題に対応するため、政府は東京五輪・パラリンピックが開催される2020年度までに取り組む総合対策をまとめた。未払いの外国人の再入国を拒否することが柱。

 医療機関が保有する情報を厚労省から法務省に提供し、入国時の審査に活用。過去に一定額の未払いがある外国人は厳しく審査し、再入国を原則的に拒否する。19年度にも運用を始める方針。英国では500ポンド(約7万4000円)以上の未払いがある場合は再入国拒否の対象としている。

年々増える外国人旅行客の中から急病人も出てくるのは当然で、意図的未払いに関してはこうした対応も必要でしょうが、ただ今回のような旅行者がたまたま大病にかかった場合には再入国拒否はあまり意味がありません。
旅行者の立場からしても旅行保険等にも加入していなければ巨額の自己負担が強いられるのは当然で、また日本人が海外旅行中に同様の事例に遭遇する可能性もあり、日本だけの問題ではないとも言えますね。
意図的な未払いも含めて、外国人無保険者が社会的に問題なのであれば、入国人に税金なりの形で一定額を徴収しておいて、医療費の少なくとも保険負担分程度はこうしたプールから出すと言う方法もあるでしょう。
歴史的には明らかに支払い能力のない行き倒れ患者等への対応と言った類似の問題もあって、こちらは緊急避難的に生活保護支給を認められる場合が多かったようですが、自治体レベルでの負担は反対も多そうですね。

またこの種の問題が頻発し経営を圧迫することが増えれば、外国人無保険者の診療を実質的にお断りする施設も出てくるでしょうが、その場合最終的に誰が面倒を見るべきなのかと言う問題も出てくるでしょう。
救急患者受け入れなどと同様、地域内で最後に受け入れる施設を決めておくと言うやり方もあるでしょうが、高確率で未払いになる以上病院としてもおいそれと受け入れは出来ず、補助金なりが必要かも知れません。
外国人患者の場合言葉の問題や国毎の標準的な治療方針の違いもあって、医療行為そのものに関しても実は非常に面倒な難題が多く、単純に普段通りの対応をしていれば事足れりと言うわけにはいかないはずです。
無論大学病院などであればこうしておけばよいと言う指針なりをお持ちなのでしょうが、近ごろ日本の片田舎であっても妙に外国人受けする観光地も増えていると言いますから、地方の医療機関には課題も多そうですね。

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コメント

支払い意思のない人間とは診療契約は締結できないわな

投稿: | 2018年6月18日 (月) 08時49分

応召義務との関連で言えば、単に支払いがないことだけでは診療拒否の理由にはならないとされているようです。

投稿: 管理人nobu | 2018年6月18日 (月) 15時19分

行旅病院扱いにしてくれると助かるのですけど、難しいかな。

投稿: クマ | 2018年6月18日 (月) 22時42分

×病院
○病人
でした。失礼しました。

投稿: クマ | 2018年6月18日 (月) 22時43分

こういう外国人にこそ生保支給すべきなのでは?

投稿: | 2018年6月19日 (火) 08時11分

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