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2018年6月11日 (月)

孤独な人が増えている時代に敢えて逆行する病院の姿勢が話題に

言われてみればと言う気もするのですが、先日こんなニュースが出ていたことをご存知でしょうか。

「身元保証人」がいないと 医療機関の8%余りが入院認めず2018年6月8日NHK)

患者が入院する際、「身元保証人」などを求める医療機関が全体の3分の2を占め、このうち8%余りが、保証人がいない場合、入院を認めないとしていることが厚生労働省の研究班の調査でわかりました。厚生労働省は「身元保証人」がいないことを理由に入院を拒否するのは医師法に違反するとして、こうした対応を取らないよう通知しました。

山梨大学大学院の山縣然太朗教授が代表を務める厚生労働省の研究班は去年からことしにかけて、医療機関が入院患者を受け入れる際の対応などについて調査し、全国のおよそ1400か所から回答を得ました。
その結果、入院の際、「身元保証人」などを求めると答えた医療機関は65%を占め、ベッド数が20床以上の病院では93%に上りました。
さらに、保証人を求める医療機関のうち8%余りが、保証人がいない場合、入院を認めないと回答しました。
保証人に求める役割を複数回答で尋ねると、「入院費の支払い」が最も多く、次いで「緊急の連絡先」、このほか「医療行為の同意」や「遺体・遺品の引き取り」などを挙げる医療機関が半数以上を占めました。

厚生労働省は身元保証人がいないことだけを理由に入院を拒否するのは、正当な理由なく診療を拒んではならないと定める医師法に違反するとして、こうした対応を取らないよう全国の都道府県などに通知しました。
山縣教授は「入院を拒まれて病気が悪化するようなことは絶対にあってはならない。一方で医療機関がためらうことなく患者を受け入れられるようにする制度も求められる。少子化や家族関係の希薄化で頼れる人がいない高齢者などが増える中、早急に解決策を見いだす必要がある」と指摘しています。

介護施設は3割“入所拒否”

「身元保証人」などを求める傾向は医療機関だけでなく、介護施設でも見られます。
民間の研究機関「みずほ情報総研」は、厚生労働省の補助金を受け、去年からことしにかけて全国の特別養護老人ホームや介護老人保健施設などを調査し、2300か所余りから回答を得ました。
その結果、入所の契約を交わす際、「身元保証人」など本人以外の署名を求めていると答えた施設は96%に上り、このうちの31%は署名がなければ受け入れていないとしています。

保証人に求める役割としては「事故が起きた時などの連絡先」が最も多く、「亡くなったあとの遺体や遺品の引き取り」、「入院の際の手続き」、それに「施設利用料の支払い・滞納時の保証」などが続いています。
厚生労働省はこうした介護施設についても「身元保証人がいないことはサービスの提供を拒否する正当な理由にはならない」として、受け入れを拒むことがないよう求めています。

さすがに救急患者を身元保証人がいないから入院させないと言うこともないのでしょうが、そもそも入院拒否の施設は最初から救急車を受けるような施設ではないと言う可能性もありそうですね。
実際のところ医療費未払い問題はずっと以前から医療機関を悩ませているのですから、入院コストの回収が確実に出来るようにと言う気持ちも理解出来ますし、実際当事者に支払い能力なしと言う場合もあるでしょう。
全く身寄りもなく資産もない場合は案外生保申請などで何とかなるもので、支払い能力がある踏み倒しケースの方が面倒かとも思うのですが、こうした場合も保証人がいることが一定程度心理的ストッパーになるかもですね。

介護施設などは基本的に亡くなるまで入所するわけで、月々の支払いや亡くなった後の始末も確実にあることから一段と深刻でしょうが、ただ当然ながら善意の利用者でも身寄りも友人もいないと言うケースはあるわけです。
最近ではまさにこうした事例を対象に、組織や団体が身元を保証すると言うビジネスも成立しているそうですが、深刻な病状の説明や意志決定に当たって家族の立ち会いを求めたいと言う場合もあり得るでしょう。
こうした部分でもきちんと常識的な対応をしてくれる組織であればお金を支払ってでも利用したいでしょうが、中には単に書類に名前を書いて一定の手数料を受け取るだけと言う組織もあり得ないでもないのでしょうね。
コスト的な面を担保するだけでよいのであれば、例えば診察券にキャッシュカード機能を持たせ、診察費は全てカード払いと言うことにすればいいのでしょうが、利益率の低い医療機関にカードの手数料が負担できるかと言う問題はあります。

本来的には病院が身元保証など求めるのが間違っていると言われればその通りですが、実際に紛争化するケースが多発し病院の経営も立ちゆかないと言うことになれば、地域医療にとってより大きな損害ともなりかねません。
そうなれば次善の対応として誰かがいざと言う場合の責任を引き受けることもやむなしかなと思うのですが、利用者の立場に立って考えてもある程度公的な組織が間に立ってくれた方が安心なのは確かでしょう。
地方の自治体病院などであれば、例えば住民の入院に当たっては役所が全て責任を持ちますと言った制度にしてくれるならば、病院と患者双方にとって安心とメリットの得られる体制が出来上がる可能性がありますね。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

身元保証人もいなきゃ最悪公園にでも捨ててくるしかないからな

投稿: | 2018年6月11日 (月) 08時56分

応召義務とは診療することであって入院させることではないでしょう。診察してそのうえで負担できるコストを考えて医療の内容を選ぶことに何の問題があるんでしょうか?医師法に必ず入院させることなんて規定あったかしら?諸般の事情で入院困難なので外来通院治療なんてよくある話でしょ。
この考え方だと昨今大変問題になっている無保険の外国人はどう扱えばいいんでしょうか?外国人にも住所不定無職にも公費で負担して万全の医療を受けさせる方針ならいいですけど。使用したコストをきちんと回収できなければ巡り巡って一般のきちんと対価を収める人が余分に負担することにしかならないんですけどね。

投稿: | 2018年6月11日 (月) 13時57分

まさにそうした理由によってアメリカでの医療費が高騰していると言う現実があるわけですが、日本では皆保険制度の関係上医療機関が泥をかぶることになろうかと思います。

投稿: 管理人nobu | 2018年6月11日 (月) 17時08分

↑どういう病院が調査対象になっているかですよ。
私が働いている病院の場合、入院患者の大半は急性期病院からの転院で、患者本人が入院申し込みに来るケースはたぶんほぼゼロ%ですな。
家族なり知人なりが手続きに来ますから、その人が身元保証人になってくれなければ入院はお断りでしょうね。

投稿: JSJ | 2018年6月11日 (月) 19時20分

うちは入院書類で保証人の名前は書かされますがなけりゃないで入院拒否ってこともなし。
近ごろ珍しくない孤独な高齢者に入院になるから保証人探してこいってのも無理ありますよねえ。

投稿: ぽん太 | 2018年6月12日 (火) 08時39分

 孤独死に耐えられるか?ってお題からずれていませんか?
 生涯おひとり様も増えて、孤独死耐性も普及してきたように思えます。

「使用したコストをきちんと回収できなければ巡り巡って一般のきちんと対価を収める人が余分に負担することにしかならない」 
 今更のようにそれを言うか? 70年近くそうしてきのだが。
 これからどうするか、ってことだよ。

 大金持ちの寄付、宗教団体(日本では共産党も)でやっている病院が最後の砦。
 済生会も日赤も、立ち上げは似たようなことだったはず。
 あとは 零れ落ちるに任せるのが 由緒正しきアメリカ流。

投稿: | 2018年6月12日 (火) 10時45分

そこで公立病院ですよ
最後は親方日の丸最強

投稿: | 2018年6月12日 (火) 12時59分

保険料なり税金なり、生前に集めた金で後片付けの費用をまかなうしかないな>孤独死

投稿: | 2018年6月12日 (火) 19時41分

日本は病気が重ければ重いほど本人よりも家族に治療の選択権がある状態です。
そろそろ厚労省が音頭をとって本人が治療を選択できるようにするべきだと思います。

私が勤務する病院の場合、入院同意書に身元保証人を書く欄がありますけれども、少なくともここ5年ほどはこれが何らかの役に立ったという話を聞きません。

投稿: クマ | 2018年6月12日 (火) 20時35分

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