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2018年6月

2018年6月20日 (水)

医師の働き方改革と応召義務の微妙な関係

厚労省では医師の働き方改革についても議論を重ねていますが、先日こんなニュースが出ていました。

自民・医師の働き方改革PT「裁量労働制」の検討方針(2018年6月15日医療維新)

 自民党の厚生労働部会「医師の働き方改革に関するプロジェクトチーム」は6月14日、全国医学部長病院長会議と日本私立医科大学協会へのヒアリングを実施した。会議後、座長を務める参議院議員の羽生田俊氏は、医師への裁量労働制の導入に関して「どういう形なら可能なのかをPTとして方向性を出したい」との見解を示した(前回のヒアリングは『「医師の働き方、ベテランと若手で意識に差」』を参照)。

 羽生田氏はヒアリングの結果について、裁量労働制について「国立大学は適用しようとしているのが多い。私立は少ない」と説明。「専門業務型裁量労働制(※)」にはさまざまな制約があるとし、医師にも適用できるかについては、「今のままだと無理。プログラマーなどとは違う。医師の場合は、生きている人間(患者)が対象で、常に連続して対応しなくてはいけない。それを考えた上で裁量労働制ができるかどうか、それは今後の課題」と説明した。
 次回以降で、若手医師や他職種からの意見をヒアリングする方針。

※専門業務型裁量労働制:業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務として厚生労働省令および厚生労働大臣告示によって定められた業務の中から、対象となる業務を労使で定め、労働者を実際にその業務に就かせた場合、労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなす制度。19業務に限り、事業場の過半数労働組合または過半数代表者との労使協定を締結することにより導入することができる。厚労省ホームページより引用。

ちょうど先日は高度プロフェッショナル制度が成立の見込みと報じられていて、幾ら残業を強いられても報酬は変わらず過労死を強いる制度だと労組等からも反発の声が根強くあるようです。
年収1075万円以上に相当する層は労働者の1%と言いますが、相対的にその中で多くを占めるはずの医師に関してはかねて高プロ制導入は難しいとされ、その理由としてやはり応召義務の存在は小さくなさそうです。
患者から求められれば診療に応じる義務が法律上課せられている以上、自分で適正な労働管理を行うことが不可能であることは自明と言え、逆に高プロ的制度導入を強いるなら応召義務撤廃も必要に思えます。
他方で昨今話題になることの多い医療現場での労基法違反の違法労働の横行と、応召義務との関連に関しては様々な解釈が成立する余地があるようで、先日こんな興味深い記事が出ていました。

医師の働き方改革は「病院管理者の働かせ方改革」、全医連シンポ(2018年6月12日医療維新)

 全国医師連盟は6月10日、「医師の働き方改革と応召義務ー勤務医の場合ー」をテーマに都内で第11回集会を開催した。登壇した4人のシンポジストは、医師の過労死防止と医療安全のために、医師の働き方改革を進めるべきであり、その責任は医療機関の管理者や行政にあると指摘。応召義務についても、撤廃するか、あるいは医師個人ではなく、医療機関の管理者の責務とすべきとの意見が出た。

 同連盟代表理事の中島恒夫氏は、「勤務医の働き方改革は、病院管理者の働かせ方改革。例えば、夜勤回数を減らすには、夜勤医師を増やすか、夜間受診を制限すればいい。診療体制というシステムを変革できるのは、病院管理者」と指摘した。長時間の時間外労働をさせる病院管理者は、その管理能力の法的責任を問うべきとし、「労使でともに進めるのではなく、病院管理者が先頭に立って、働かせ方改革を行う必要がある」と提言した。
 厚生労働科学特別研究「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」では、病院勤務医の場合、男性医師の41%、女性医師の28%が「過労死基準」(週60時間以上の勤務)を超えていることを紹介。厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」の今年2月の論点整理で、「必要な医療ニーズに対応できる医療提供体制を維持できるような上限時間とすべきではないか」としているのに対し、「逆の発想が必要ではないか」と指摘し、「できる医療提供体制に対応した医療ニーズとすべきではないか」と提言した。
 さらに働き方改革が進まない、あるいは改革を進めない理由として、中島氏は、「医師は、応召義務に応じなければならないことを挙げる病院管理者がいるものの、現状の社会状況にそぐわない」との考えを述べた。応召義務を定める医師法19条を全廃するか、「医療機関の管理者は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」とし、応召義務を、個々の医師ではなく、医療機関の管理者に課す内容に改正すべきと提案した。
(略)
 田辺総合法律事務所の三谷和歌子氏は、弁護士の立場から応召義務について解説。「応召義務は、『正当な事由』があれば、診療の求めを拒絶することができる。『時間外労働の上限超過』は、法律上では不可能であり、応召義務を免除する『正当な事由』になり得るのではないか」と私見を述べた。「応召義務は神聖不可侵とされてきたが、そうではないというところから出発して考えて行かざるを得ないのではないか。医療安全、医療勤務環境改善のためにも、医師の長時間労働は是正しなければいけない。応召義務と医師の労働時間の調和を図っていけるよう、応召義務の解釈について検討していくことが必要だろう」(三谷氏)。
(略)
 弁護士の三谷氏は、「正当な事由があれば拒否ができる。どんな場合に正当な事由があるかが問題になってくる」として、(1)医業報酬が不払であっても直ちにこれを理由として診療を拒むことはできない、(2)診療時間を制限している場合であっても、これを理由として急施を要する患者の診療を拒むことは許されない――とした厚労省の1949年9月通知を紹介。その後、1955年、同省は長野県の問い合わせに対し、「医師の不在または病気等により事実上診療が不可能な場合に限られると解される」との回答を出している。
(略)
 三谷氏は私見と断り、「救急患者の対応は病院の業務であり、病院は、勤務医に対し、36協定の上限を超える労働をさせてはならない。災害等の例外規定(労働基準法33条)の適用は難しく、時間外労働の上限を超えた医師に対して、救急患者の診療をさせることは、論理的に考えれば難しいのではないか」との見解を示した。その延長線上で考えれば、時間外労働の上限超過は、応召義務を免除する「正当な事由」に該当し、救急患者に対する診療患者に対する診療を拒否してもいいことになる。「しかし、患者を見捨てるのか、といった話にもなりかねない」とも三谷氏は指摘し、「応召義務と医師の労働時間の調和を図っていけるよう、応召義務の解釈について検討していくことが必要だろう」と提起した。

弁護士の三谷氏が最後に提示した概念が非常に興味深いのですが、その根底にあるのが応召義務規定があろうが無かろうが、労基法違反の労働を病院は医師らに強いることは出来ないと言う大前提です。
仮に医師の通常業務がすでに労基法違反の状態にまで達していた場合、さらに上限を超えて時間外救急を命じることは法律違反であり、応召義務を免除される正当な事由に該当すると言う考えです。
要するに普段から多忙な医師に関しては、時間外救急を拒否することも許容されると言うことなのですが、院内の医師全てが過剰な超過勤務を行っているわけではない場合、組織として応召義務は生じるでしょう。
当直の割当等を普段の労働時間によって決めると言うのも難しいとは思いますが、少なくとも組織管理者としてはスタッフ間の業務量の平準化を図る必要があるだろうとは言えるでしょうね。

なお医師個人ではなく組織としての義務であると言う応召義務の解釈については、すでに事実上広く採用されているものではないかと思うのですが、実臨床の現場においてそれが何を意味しているのかです。
担当医・主治医のいる患者であっても、時間外救急対応は当直医がまず診ると言うルールを導入したとしても、当直医の専門外の疾患であればやはり担当医・主治医が呼ばれてしまう可能性も高そうです。
今後新臨床研修制度の下で各診療科の横断的なスキルを身につけた先生が増えてくれば、理想的には何科であれ初期対応くらいは任せられるかも知れませんが、まだまだ10年20年と言う歳月が必要でしょう。
医師の人数の多い施設であれば、各診療科毎にグループで時間外当番を決めて対応すると言ったことも可能かも知れませんが、ベテランの先生の中には自分の患者を他人に任せるなと反対する方もおられますね。

こうして考えて見ると、院内での各スタッフ間での適正な労働の割り振りがかなり大きな課題となってくるのではないかと思うのですが、どこの職場でも同様でしょうが仕事が出来る人に仕事が集中するきらいはあります。
ただ一方で組織内での権力の無い若手スタッフにばかり仕事を押しつけると言ったことは許容されるはずもないので、特に管理職医師の方々などは積極的に当直を買って出るくらいの覚悟が必要になりそうですね。
また以前から同じ院内でも内科・外科などのメジャー診療科と、マイナー診療科での労働量格差も指摘されますが、むしろ労働量ではなく年功序列傾向の強かった医師の報酬体系を問題視すべきかも知れません。

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2018年6月18日 (月)

増える外国人無保険患者、巨額医療費は誰が負担すべきか

外国人を巡る医療費の問題が近年注目される機会が増えていますが、先日こんなニュースが出ていました。

病院悲鳴! 訪日外国人の医療費未払い続出で「経営圧迫」 一人数百万円も(2018年06月13日産経新聞)

 訪日客の増加を受け、けがや病気で病院を受診した外国人患者が医療費を支払わないケースが続出している。一人の未払い額が数百万円にのぼる例もあり、病院経営への影響を危惧する声も出始めた。2020年東京五輪・パラリンピックを控え、訪日客数が増えれば混乱はさらに深まる恐れもある。(社会部 三宅陽子)

 東京医科歯科大学病院(東京都文京区)は昨年1月、国内旅行中に倒れた20代のタイ人女性の救急搬送を受けた。病名は「虚血性心不全」。手術を含めた懸命な処置を行い、命を救った。
 だが、治療にかかった約1500万円の扱いに患者も病院側も苦慮することになった。女性は旅行保険に入っておらず、費用は自己負担となることに。タイ大使館から約800万円の立て替え払いがあり、募金なども受けて一部の返済が行われたが、帰国した今も完済には至っていない。
 「女性はタイから支払いを続けてくれているが、医療費の未回収分は病院が負担するしかない。同様の事例が続けば経営は確実に圧迫される」。大川淳病院長はこう危機感を募らせる。

 外国人患者をめぐる医療費のトラブルは各地で相次いでいる。厚生労働省の調査によると、平成27年度に外国人患者を受け入れた1378病院のうち35%で医療費未払いがあった。
 近畿運輸局が行った調査(28年5~7月)でも、回答した大阪府内の147病院のうち20病院で27人分の未払いの発生があり、未払い総額は1547万円にのぼった。1人の未払いが約800万円という例もあった。
 一方、本人や家族の所持金から医療費の一部を回収できても「帰国後に送金する」とされた残金の支払いが果たされていないケースもある。未払いの一因は旅行保険に未加入であることや、医療情報の説明不足などがあるとみられるが、現場からは「出国されてしまえば打つ手がない」「適切な対応方法が定まらない」との戸惑いの声も漏れる。

 こうした中、国立国際医療研究センター(東京都新宿区)は約3年前から外国人患者の対応支援に当たる専門部署を立ち上げ、成果をあげている。力を入れてきたのは未払いの“芽”を摘むことだ。
 例えば、これまでややおざなりにされてきたパスポートによる本人確認や、旅行保険加入の有無などの情報収集を徹底。医療費の高額化が予想される場合、早期の支払いを促すなど担当者が取るべき手順も明確化させていった。現場の調整に当たるコーディネーターも置き、通訳や大使館への相談といった関係機関との連携にも力を入れている。

 ただ、こうした取り組みは医療機関ごとに温度差がある。
 政府は平成32年に訪日客数を4000万人とすることを打ち出しており、「セーフティーネットの構築を含め、国や自治体、関係機関が連携して対応策を講じていかなければ、対処しきれなくなる病院も出てくる」と同センターの大曲貴夫副院長は懸念する。
(略)

今回の記事の対象になっているのは一時的な訪日を行う旅行客の話題ですが、過去には在留無保険外国人の未収金が問題になり、先日は日本の保険医療制度を利用し高額医療費を免れる外国人も報じられています。
ただいわゆる高額医療タダ乗り問題に関しては、医療機関の側としてはおおむね自己負担分も含めきちんと支払いは受けているようで、やはり未払いが多くなるのは無保険の外国人患者のケースですよね。
以前は一部の地方公立病院などを中心に、地域外国人の間に無料で診てくれると言う評判が広まってしまっていると言ったケースもあったようで、やはり意図的に支払いを拒否している事例は困ったものだと言えます。
こうした問題は政府としても把握しているようで、先日医療費未払い外国人の再入国を拒否するなどと言った対策が報じられていました。

医療費未払いの外国人 再入国を拒否へ(2018年6月15日zakzakニュース)

 訪日した外国人が病院にかかった際に医療費を支払わないまま帰国する問題に対応するため、政府は東京五輪・パラリンピックが開催される2020年度までに取り組む総合対策をまとめた。未払いの外国人の再入国を拒否することが柱。

 医療機関が保有する情報を厚労省から法務省に提供し、入国時の審査に活用。過去に一定額の未払いがある外国人は厳しく審査し、再入国を原則的に拒否する。19年度にも運用を始める方針。英国では500ポンド(約7万4000円)以上の未払いがある場合は再入国拒否の対象としている。

年々増える外国人旅行客の中から急病人も出てくるのは当然で、意図的未払いに関してはこうした対応も必要でしょうが、ただ今回のような旅行者がたまたま大病にかかった場合には再入国拒否はあまり意味がありません。
旅行者の立場からしても旅行保険等にも加入していなければ巨額の自己負担が強いられるのは当然で、また日本人が海外旅行中に同様の事例に遭遇する可能性もあり、日本だけの問題ではないとも言えますね。
意図的な未払いも含めて、外国人無保険者が社会的に問題なのであれば、入国人に税金なりの形で一定額を徴収しておいて、医療費の少なくとも保険負担分程度はこうしたプールから出すと言う方法もあるでしょう。
歴史的には明らかに支払い能力のない行き倒れ患者等への対応と言った類似の問題もあって、こちらは緊急避難的に生活保護支給を認められる場合が多かったようですが、自治体レベルでの負担は反対も多そうですね。

またこの種の問題が頻発し経営を圧迫することが増えれば、外国人無保険者の診療を実質的にお断りする施設も出てくるでしょうが、その場合最終的に誰が面倒を見るべきなのかと言う問題も出てくるでしょう。
救急患者受け入れなどと同様、地域内で最後に受け入れる施設を決めておくと言うやり方もあるでしょうが、高確率で未払いになる以上病院としてもおいそれと受け入れは出来ず、補助金なりが必要かも知れません。
外国人患者の場合言葉の問題や国毎の標準的な治療方針の違いもあって、医療行為そのものに関しても実は非常に面倒な難題が多く、単純に普段通りの対応をしていれば事足れりと言うわけにはいかないはずです。
無論大学病院などであればこうしておけばよいと言う指針なりをお持ちなのでしょうが、近ごろ日本の片田舎であっても妙に外国人受けする観光地も増えていると言いますから、地方の医療機関には課題も多そうですね。

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2018年6月16日 (土)

今日のぐり:「鳥亭」

先日多くの方々が思わず嘆息したのがこちらのニュースです。

車内に置き忘れ、発車した電車に引っ張られ(2018年4月25日神戸新聞)

 JR西日本は25日、神戸市垂水区のJR神戸線垂水駅で、電車から降りた40代の男性がひもで体とつないでいた財布を車内に置き忘れ、発車した電車に引っ張られてホーム上を約10メートル走った後に転倒して軽傷を負った、と発表した。

 JR西によると、転倒事案は同日午前0時40分ごろに発生。男性は松井山手発西明石行き普通電車からホームに降りたが、財布のひもが電車のドアに挟まったため、10メートルほど並走して転んだ。ひもは切れて電車は走り去り、男性は手や唇にすり傷を負ったという。
 男性が電車から一度離れたため、この電車の車掌はひもが挟まっていることに気付かなかったという。

 JR西はこの事案を約18時間後の同日午後6時50分ごろに発表。「男性に事実確認できたのが夕方だった。(この日で発生13年となった尼崎脱線事故の)式典などで人員も足りず、発表までに時間がかかってしまった」としている。

ドアに挟まれる事故はありがちなことではありますけれども、これは確かに危機的状況としか言いようが無いものですね。
今日は怪我を負った男性の快癒を祈念して、世界中から少しばかり痛いニュースを取り上げてみましょう。

電車が鹿→鹿→猪→鹿に衝突 「当たりすぎだろ」と騒然(2018年6月8日J-CASTニュース)

   列車が遅延する要因はさまざまあるが、JR紀勢本線で起きた遅延理由をめぐってツイッターに衝撃が広がった。
(略)
   ツイッターユーザーの「雅」さんが2018年6月6日に投稿したのは、JR東海が運行状況を発信するサイトのスクリーンショット。30分以上の遅れが発生する場合に遅延情報が掲載されるサイトだ。そこには、三重県から和歌山県にかけて紀伊半島の海岸沿いを走るJR紀勢本線における、同日21時33分現在の遅延状況がこう書かれている。

    「18時46分頃、賀田駅構内で、鹿が列車に当たった影響及び、20時14分頃、阿曽駅構内で、鹿が列車に当たった影響及び、20時44分頃、三瀬谷駅~川添駅間で、猪が列車に当たった影響及び、21時04分頃、川添駅~栃原駅間で、鹿が列車に当たった影響で、上下線の一部の列車に遅れが発生しています」

   約2時間半の間に、鹿、鹿、猪、鹿と計4度、動物に接触したのである。下り線、特急ワイドビュー南紀7号に遅れが出た。
   ツイッター上では遅延理由をめぐって、

    「鹿当たりすぎだろ」
    「こんな一斉に当たっちゃうのか」
    「夜にこんなに鹿や猪が出てきたらどうしようもないのでしょうね」

と騒然。雅さんの投稿は7700回以上リツイートされた(8日昼現在)。

   だが一方で、地元に暮らす人々と思われるユーザーからは、

    「地元では、あーまたか」
    「三瀬谷駅最寄りですが正直日常茶飯事です」
    「三重生まれですが、トンネルと動物が豊富な路線ですので『あーあるね』レベルです」

と、「よくある」ことだと受け止める声も少なくない。
(略)
   担当者は取材に対し、「ハード面での対策のほか、注意を要する区間では速度を落として運転するなど、運用の面でも衝突対策を講じています」と話していた。

昨今この列車と動物の衝突対策はトピックになっているそうですが、しかし部外者としては幾ら何でも当たりすぎと感じてしまいますね。
生き物の繁殖様式には様々なものがありますが、こちら子孫繁栄のための手段があまりに痛すぎると話題になっていました。

昆虫のナナフシ、鳥に食べられ卵を拡散か 神戸大など研究チーム(2018年5月29日産経新聞)

 昆虫のナナフシの卵は鳥に食べられても糞(ふん)に交じって排(はい)泄(せつ)され、その後孵(ふ)化(か)することを神戸大などの研究チームが発見した。飛べないナナフシは、体内に卵を持ったまま鳥に捕食されることで生息域を広げた可能性があるという。28日(日本時間29日)の米科学誌「エコロジー」電子版に掲載された。
(略)
 チームでは、移動能力の低いナナフシが孤島などに生息域をどのように拡大させたかに注目。卵は硬い殻に覆われ受精しなくても孵化することから、天敵のヒヨドリに食べさせ、糞に混じった卵を観察した。この結果、5~20%の卵が無傷で排泄され、一部が孵化することを確認した。
 チームは、ナナフシが個体ごと鳥に食べられても卵は消化されずに排泄され、離れた場所で繁殖する能力があると推定。ただ、ナナフシは捕食されないよう植物を擬態しており、鳥を“乗り物”として積極的に利用してきた可能性は低いとみている。

 研究チームの末次健司・神戸大特命講師は「今後は各地に生息するナナフシの遺伝子配列の特徴が、鳥の飛行ルートと一致するかも調べたい」としている。

植物ではままあることですが動物では極めて珍しいと言うことですが、ナナフシがその時どのような気持ちでいるのか気になりますね。
同じく生き物絡みの研究ですが、幾ら何でもそれは痛すぎると言うニュースがこちらです。

刺されたら一番痛い昆虫って? 100種以上の虫に1000回以上刺されてわかったこと(2018年6月13日ダヴィンチニュース)

 ハチとアリの知られざる一面を綴った昆虫記『蜂と蟻に刺されてみた―「痛さ」からわかった毒針昆虫のヒミツ』が、2018年6月8日(金)に発売された。
 同書は、「シュミット指数」を考案したジャスティン・シュミット博士による昆虫エッセイ。およそ100種類以上の昆虫に刺された経験を生かして、その痛みを毒液や生態と関連させながらハチとアリの知られざる一面を明かしていく。

「シュミット指数」とは、シュミット博士が自ら虫に刺された時の痛さを数値化した尺度。痛みの強度はレベル1からレベル4の4段階。セイヨウミツバチに刺されたときの痛みをレベル2として基準化し、痛みの強度を記録している。
 自ら刺されるというシュミット博士の研究スタイルは、「虫に刺されたがる物好き」と評されるほどインターネットでたちまち人気に。しかし実は他の人が刺されるように仕向けたり、もう刺されるのはうんざりとこぼしている。伝説のように語られるシュミット博士の意外な人物像が垣間見えるのも、魅力のひとつだ。
(略)
 さらに巻末の付録では、ユニークな記述が魅力の「虫刺され痛み一覧」が付いている。その他にも素朴なギモンからクスッとするトリビア、実用的な知識、不思議な生態、深遠な進化の歴史までと豊富なラインナップ。同書を読めば、ハチやアリを見る目がガラリと変わるかもしれない。
(略)

元記事を参照頂ければ実体験に基づくリアルすぎる評価が判りますが、しかし動物学とはかくも壮絶なものなのですね。
医学の世界でもその危険性に注意喚起されるものは少なくありませんが、こちらついに尊い犠牲者が出てしまったと言うニュースです。

見舞いで病院訪れた男性、MRIの磁力に引き寄せられ死亡 インド(2018年1月29日AFP)

【1月29日 AFP】インド経済の中心都市ムンバイで、親族の見舞いで病院を訪れた男性が、磁気共鳴画像装置(MRI)の強力な磁力に引き寄せられて死亡する事故が起きた。警察が29日、発表した。

 事故は27日夜、ムンバイにあるナイル(Nair)病院で発生。市警察が出した声明によると、男性は酸素ボンベを抱えて室内に入った際、磁力により装置へ引き寄せられたという。
 警察報道官はAFPに対し、「インド刑法第304条にのっとり、医師1人と職員1人を過失致死容疑で逮捕した」と明かした。
 警察は初期情報に基づき、男性が運んでいた酸素ボンベが装置にぶつかって破損し、男性がボンベから漏れた液体酸素を吸い込んで死亡したとの見方を示している。

 犠牲者のおじの話では、男性は職員からボンベを運ぶよう頼まれ、その際MRIの電源は落としていると説明されたという。「そういった事故を防ぐべき職員が、装置の電源が入っている時に私の家族らに室内に入るよう促した。私たちはショックを受け、打ちのめされている」とおじはAFPに語った。

いったい何故と疑問符がつくような事故なのですが、事故とはしばしばこうして信じがたい状況で発生するものなのでしょう。
最後に取り上げるのはこちらのニュースですが、痛いだろうに何故?と思ってしまう事件でもあります。

就寝中にヘビにかまれた母親、気付かず授乳し母子共に死亡 インド(2018年5月25日AFP)

【5月25日 AFP】インドで、就寝中にヘビにかまれたものの、それに気付かなかった母親が毒を含んだ母乳を幼児に与え、2人とも共に亡くなるという出来事が起きた。警察当局が25日、明らかにした。

 事件が起きたのは、同国北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州。35歳の母親は、目覚めた際にヘビにかまれたことに気付かないまま、娘に母乳を与えた。
 警察官のビジャイ・シン(Vijay Singh)氏はAFPの取材に対し、3歳の娘と母親は24日に体調が悪くなり、病院に着く前に亡くなったと話した。
 家族は他の部屋でヘビを見つけたが、ヘビは逃げてしまったという。
 検視解剖が行われる予定だが、警察は事故死として扱っている。

 米国熱帯医学会(American Society of Tropical Medicine and Hygiene)による2011年の報告では、世界で毎年10万人がヘビにかまれて亡くなっており、うち4万6000件がインドで発生しているという。

気づかないものなのかと思ってしまうのですが、しかし何とも悲劇的な事件と言うしかありませんね。
先の事故に続きインドではよほどに不思議な事件が相次ぐのかとも感じるのですが、何しろ国も広く人間も多いのですからこうしたものなのでしょうか。

今日のぐり:「鳥亭」

新倉敷駅近くに位置するこちらのお店、何とも賑やかしいネオンサインが特徴的ですが、なかなかうまいと人気の焼き鳥屋だそうです。
暖簾に描かれているのはお店オリジナルのキャラクターなのでしょうか、サッカーボールを蹴る鳥の意匠に妙にシンパシーを感じますね。

今回ひとまずおまかせコース(15本)から頼んで見たのですが、出てきたのはつくねにソーセージ、親鳥、キモ、焼き鳥と言ったところでしょうか。
どれも悪くはないし、日によって串の内容も変わるのかも知れませんが、好みもあるでしょうから自分で選んで頼んだ方が楽しめるかも知れませんね。
単品で頼んだワサビ焼きは無茶苦茶辛いとしか言いようが無いものでしたが、せせりはしっかりした歯ごたえと旨味がなかなか楽しめました。
サイドメニューでは酢鶏がいわゆるポン酢煮込みの系統でなかなかいけたのですが、こちらはこれを丼にも仕立ててくれるようですね。
焼き鳥に関しては肉の味はまずまずで、全体にやや焼き過ぎな傾向があるのは多忙さ故でしょうか、塩加減は控えめでちょうど頃合いでしたけれどもね。

客層を見ると若い人がほとんどで、実際に気楽に焼き鳥をつまみながらちょいとビールなど一杯と言うのに向いていそうな、肩肘張らないお店ですね。
メニューにある本数と実物が違うことがあって、どうも人数に合わせて調節してくれているようなのですが、これに限らず親父さんはフレンドリーで楽しい人でした。
年期の入った作りながらトイレは意外に設備は整っているのですが、洗面所の水の出し方がちょっと判りにくいと言うのが気になりました。

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2018年6月13日 (水)

聖地奈良県、全国に先駆けて県内診療報酬一律カットをもくろむ

今春に財務省がまとめた社会保障改革案の中で、都道府県単位での診療報酬設定を認めるではなく推進すると明記されたことが話題になりましたが、それを受けてこんなニュースが報じられています。

県単位の診療報酬は大いに試す価値あり/社説(2018年6月8日日本経済新聞)

 健康保険が利く医療サービスの公定価格である診療報酬は原則、全国一律だ。これに対し奈良県が独自の診療報酬を自ら決めたいと政府に提案している。
 医療の値段に大きな地域差が出るのは望ましくなかろう。他方、国民健康保険の運営主体が市区町村から都道府県に移り、医療費の抑制に県当局が関わりを深めるのは当然である。その利点・欠点を探るためにも県単位の診療報酬を試す価値は大いにある
(略)
 改定率に応じ厚労省は一つひとつの医療行為に値づけする。たとえば基本項目のひとつ初診料は、一般患者が通常の診察時間にかかった場合は282点、深夜だと762点だ。1点の単価が10円なので深夜に病院に駆け込んだときの初診料は7620円になる。
 奈良県はこの単価を県の判断でたとえば9円90銭に下げ、県内の医療機関に適用するよう求めた。この場合、県全体の医療費は全国水準より1%下がる計算になる。
 診療報酬を議論する審議会、中央社会保険医療協議会を所管する厚労省は否定的だ。引き下げがほかの都道府県に広がり医療政策への同省のグリップが弱まるのを心配してのことだろうか。日本医師会も認められないという姿勢だ。

 高齢者医療確保法には、医療費抑制のため必要なときは地域の実情をふまえて合理的な範囲で、ある県について他県と違う診療報酬を厚労相が決められるという趣旨の規定がある。地方主権の観点からも、この規定を尊重すべきだ。
(略)
 これはいわば社会実験である。医療費の動きや隣接府県におよぼす影響を探るためにも、実現を後押しする責務が厚労省にある。

奈良だけ「1点9円」は実現するか 地域別診療報酬、裏で糸を引く財務省(2018年6月1日医薬経済)

(略)
 荒井正吾知事は3月28日の記者会見で、もしも医療費目標より上振れするような場合には「保険料を上げるのか、診療報酬を下げるのか。二者択一というか、折衷案かもしれない。気持ちとしては保険料を抑制する方向でやりたい」と発言した。具体的には、診療報酬単価(1点10円)を一律で引き下げることをイメージしている。
個別の診療、例えば整形外科、糖尿(病関連点数)を下げるといった器用なことは県ではできない。やはり全体を一律で下げるのかなと思っている」(荒井知事)
 地元記者から「地域別診療報酬は最終手段か」と問われると、荒井知事は「そうかもしれない。発動の条件をもう少し詰めていきたい。発動ありきではない」と返答している。こうした県の方針表明を受けて、奈良県の医療関係者の間では、蜂の巣をつついたような騒ぎになっている。

 奈良県医師会は5月24日、臨時代議員会を開き、地域別診療報酬の導入に反対する決議を全会一致で採択した。懸念したのは「医療従事者の県外への流出」「医療機関の経営悪化による廃業」だ。結果として「県民が安心して良質な医療を受けられなくなる」と導く。
 冒頭の例でいけば、仮に奈良県が、地域別診療報酬の活用で「1点9円」に設定した場合、府県境にある高の原駅周辺では、京都府側の「1点10円」医療機関と、奈良県側の「1点9円」医療機関が近接することになる。同じ診療内容でも「奈良県側は10%オフ」という状況が生まれるわけだ。
(略)
 さて、地域別診療報酬を採用する場合、どんな手続きを経ることになるのか。その言葉の響きから、都道府県知事は、その権限で自由に診療報酬点数を変えられそうだが、幾多のハードルが課されているため、実際に適用するのは難しい建付けとなっている。
 都道府県が、保険者・医療関係者が参画する保険者協議会での議論も踏まえて国に地域別診療報酬に関する意見を提出。その意見に基づき、中央社会保険医療協議会での諮問・答申を経て、厚労省が検討することになるのだ。厚労省は4月19日の社会保障審議会医療保険部会に提出した資料で、留意点を示し、これまでの議論で「慎重に検討すべき」との意見が出ていることや、過去に「制度の適用事例はない」ことを強調した。

 厚労省が慎重姿勢を見せるのは、次のような危機感があるからだ。
「こちらは1点10円でなく9円、あちらは8円と広がれば、全国一律で診療報酬を決めている意味が失われる」(保険局元幹部)
 一方で、財務省は硬直化した診療報酬体系で個別の点数をいじるよりも、都道府県ごとに1点10円を下げるほうが効果的とばかりに、攻勢をかける。4月11日の財政制度等審議会で、地域別診療報酬について「具体的に活用可能なメニューを示すべき」と、厚労省に求めた。「地域別診療報酬の活用を検討するなど医療費適正化に向けて積極的に取り組もうとする都道府県も現れている」とも指摘。奈良県の名前は出さずに、奈良県の取り組みを紹介している。

 厚労省に先んじて財務省がイメージする地域別診療報酬の活用例としては、1点10円という単価の調整以外に「病床過剰地域での入院基本料単価の引き下げ」「調剤業務に見合わない供給増(薬剤師や薬局数の増加)が生じた場合の調剤技術料引き下げ」を例示した。
 ある奈良県医師会元幹部は、「奈良で地域別診療報酬を走らせて、全国に横展開しようと、財務省が糸を引いている」と憤る。
 そうした見方の根拠になっているのが、財務省から出向し、副知事に就任している一松旬氏の存在だ。一松氏は95年に大蔵省(現財務省)に入省し、主計局で厚生労働担当の主査を務めるなど、国の社会保障予算全体に目を光らせる立場にいた。15年7月に奈良県地域振興部長となり、16年6月から総務部長、17年7月からは副知事を務めている。

 その一松氏は17年5月、社会保障審議会医療部会に荒井知事(全国知事会)の代理として出席し、こんな発言を残している。
「診療報酬の全国一律の体系やその水準につきまして、都道府県のめざす方向と齟齬が生じるといったことが、生じないと思っておりますが、万が一生じた場合には、何らかの対応を検討せざるを得なくなると思っております」
 見え方とすれば、地方に“刺客”を送り込んでレールを敷き、中央でそれに基づいた提言を行う手法を取っていることになる。
 財務省の思惑どおり、奈良が蟻の一穴となるのか。それとも、奈良県医師会などの抵抗で話自体が潰れるのか。何やら反対の声が強まれば強まるほど、耳目を集め、全国的に議論が喚起されているようにも映る。
どちらに転んでも、財務省が利するという寸法か。

制度的に可能なことをやらせないと言うことであれば岩盤規制云々と言われても仕方がありませんが、ここで注目すべきなのは話を進める中心が医療行政を統括する厚労省ではなく、財務省であることです。
記事の末尾に何故奈良県なのかと言う裏事情も示唆されていますが、基本的に厚労省としては控えめに言っても全く乗り気ではない様子であり、今後省庁間での駆け引きも激しくなってくるかも知れません。
いずれにせよお金を出す側からすれば診療報酬を一律カットすればその分医療費が安上がりになるわけで、財政難の厳しい折にその魅力が抗いがたいものであることは言うまでもありませんが、問題はその影響です。
単純に考えれば奈良県では医療費が安上がりと言うことになれば、今後越境して他県から奈良県に通ってくる患者が増える可能性がありますが、昨今多いと言う外国人患者のケースと同様経済現象として当然のことですよね。

ただ有名な大淀病院事件などを見るまでもなく奈良県と言えば決して医療リソースの豊富な地域とは言えず、外部から患者が流入すれば単純にキャパシティーオーバーになる可能性が極めて高そうに思います。
一般に顧客が増えれば経営的には上向くはずですが、この場合診療報酬は安く切り下げられる上に、一段と過酷な労働に追い込まれるスタッフには超勤手当等も必要ですから、むしろ経営的には悪影響でしょう。
奈良県内での医療行為ではなく、奈良県居住者への医療行為に限定して割引きをすると言った方法論も考えられますが、収入は割安になる一方で業務は増えるだろうと言う点では同じ問題が発生します。
その結果奈良県内の医療機関がバタバタと連鎖倒産し地域利用は崩壊、結果的に地域内で消費される医療費が激減すると言う遠大な計画を描いているのかどうか、知事の胸中を問いただしたいところですね。

財務省としては奈良県内だけに留まらず、全国的にこうした割引き価格での営業を広めたい意向なのでしょうが、その背景に恐らくは厚労省が医療業界に配慮してか?診療報酬削減に及び腰な事情もありそうです。
厚労族や医療系団体との間で雁字搦めになっている診療報酬改定よりも、都道府県単位で勝手にコストカットをやっていただける方がよほど話が早いと言うことでしょうが、逆に診療報酬を上げると言う考えもあります。
周囲自治体より実入りが良いとなれば医療機関も進出しやすく、またスタッフに手厚い報酬も可能となれば人材招致もやりやすくなる可能性もあって、その地域内での医療リソース充実に一役買う可能性があります。
住民サービス向上に必要なコストと割り切るのであれば、特に財政的余力のある自治体が医師らの囲い込むのに有用な手段にもなり得る理屈ですが、かくして今後自治体間の格差が拡大して行くのでしょうか。

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2018年6月11日 (月)

孤独な人が増えている時代に敢えて逆行する病院の姿勢が話題に

言われてみればと言う気もするのですが、先日こんなニュースが出ていたことをご存知でしょうか。

「身元保証人」がいないと 医療機関の8%余りが入院認めず2018年6月8日NHK)

患者が入院する際、「身元保証人」などを求める医療機関が全体の3分の2を占め、このうち8%余りが、保証人がいない場合、入院を認めないとしていることが厚生労働省の研究班の調査でわかりました。厚生労働省は「身元保証人」がいないことを理由に入院を拒否するのは医師法に違反するとして、こうした対応を取らないよう通知しました。

山梨大学大学院の山縣然太朗教授が代表を務める厚生労働省の研究班は去年からことしにかけて、医療機関が入院患者を受け入れる際の対応などについて調査し、全国のおよそ1400か所から回答を得ました。
その結果、入院の際、「身元保証人」などを求めると答えた医療機関は65%を占め、ベッド数が20床以上の病院では93%に上りました。
さらに、保証人を求める医療機関のうち8%余りが、保証人がいない場合、入院を認めないと回答しました。
保証人に求める役割を複数回答で尋ねると、「入院費の支払い」が最も多く、次いで「緊急の連絡先」、このほか「医療行為の同意」や「遺体・遺品の引き取り」などを挙げる医療機関が半数以上を占めました。

厚生労働省は身元保証人がいないことだけを理由に入院を拒否するのは、正当な理由なく診療を拒んではならないと定める医師法に違反するとして、こうした対応を取らないよう全国の都道府県などに通知しました。
山縣教授は「入院を拒まれて病気が悪化するようなことは絶対にあってはならない。一方で医療機関がためらうことなく患者を受け入れられるようにする制度も求められる。少子化や家族関係の希薄化で頼れる人がいない高齢者などが増える中、早急に解決策を見いだす必要がある」と指摘しています。

介護施設は3割“入所拒否”

「身元保証人」などを求める傾向は医療機関だけでなく、介護施設でも見られます。
民間の研究機関「みずほ情報総研」は、厚生労働省の補助金を受け、去年からことしにかけて全国の特別養護老人ホームや介護老人保健施設などを調査し、2300か所余りから回答を得ました。
その結果、入所の契約を交わす際、「身元保証人」など本人以外の署名を求めていると答えた施設は96%に上り、このうちの31%は署名がなければ受け入れていないとしています。

保証人に求める役割としては「事故が起きた時などの連絡先」が最も多く、「亡くなったあとの遺体や遺品の引き取り」、「入院の際の手続き」、それに「施設利用料の支払い・滞納時の保証」などが続いています。
厚生労働省はこうした介護施設についても「身元保証人がいないことはサービスの提供を拒否する正当な理由にはならない」として、受け入れを拒むことがないよう求めています。

さすがに救急患者を身元保証人がいないから入院させないと言うこともないのでしょうが、そもそも入院拒否の施設は最初から救急車を受けるような施設ではないと言う可能性もありそうですね。
実際のところ医療費未払い問題はずっと以前から医療機関を悩ませているのですから、入院コストの回収が確実に出来るようにと言う気持ちも理解出来ますし、実際当事者に支払い能力なしと言う場合もあるでしょう。
全く身寄りもなく資産もない場合は案外生保申請などで何とかなるもので、支払い能力がある踏み倒しケースの方が面倒かとも思うのですが、こうした場合も保証人がいることが一定程度心理的ストッパーになるかもですね。

介護施設などは基本的に亡くなるまで入所するわけで、月々の支払いや亡くなった後の始末も確実にあることから一段と深刻でしょうが、ただ当然ながら善意の利用者でも身寄りも友人もいないと言うケースはあるわけです。
最近ではまさにこうした事例を対象に、組織や団体が身元を保証すると言うビジネスも成立しているそうですが、深刻な病状の説明や意志決定に当たって家族の立ち会いを求めたいと言う場合もあり得るでしょう。
こうした部分でもきちんと常識的な対応をしてくれる組織であればお金を支払ってでも利用したいでしょうが、中には単に書類に名前を書いて一定の手数料を受け取るだけと言う組織もあり得ないでもないのでしょうね。
コスト的な面を担保するだけでよいのであれば、例えば診察券にキャッシュカード機能を持たせ、診察費は全てカード払いと言うことにすればいいのでしょうが、利益率の低い医療機関にカードの手数料が負担できるかと言う問題はあります。

本来的には病院が身元保証など求めるのが間違っていると言われればその通りですが、実際に紛争化するケースが多発し病院の経営も立ちゆかないと言うことになれば、地域医療にとってより大きな損害ともなりかねません。
そうなれば次善の対応として誰かがいざと言う場合の責任を引き受けることもやむなしかなと思うのですが、利用者の立場に立って考えてもある程度公的な組織が間に立ってくれた方が安心なのは確かでしょう。
地方の自治体病院などであれば、例えば住民の入院に当たっては役所が全て責任を持ちますと言った制度にしてくれるならば、病院と患者双方にとって安心とメリットの得られる体制が出来上がる可能性がありますね。

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2018年6月 9日 (土)

今日のぐり:「さぬきうどん くうちゃん」

まさかこのところのブームに便乗してと言うわけではないのでしょうが、先日こんなびっくりニュースが出ていました。

新会社「おなら」が「うんこ」を助ける!(2018年05月08日東スポ)

「株式会社うんこ」(神奈川県横浜市)の社長が関連会社「株式会社おなら」を作ったことが分かった。「おならはうんこが出るのを助ける」と語る社長は、ゆくゆくは、うんことおならで一財産を築き上げ、地域貢献をするという。さらには、ビーチサッカークラブチームのスポンサーになったことも明かした。よく分からないが、何かが始まりそうだ。

 これまでTシャツや靴などの“うんこモチーフ商品”を作ってきた同社の野畑昭彦社長(54)が、今度は「株式会社おなら」を4月4日に設立したことを明かしたのだ。同時に「おなら」の商標も出願して登録された。
 野畑社長を直撃すると「おならはうんこを出すサポートをしている。主役を引き立て、より楽しいことができる」と胸を張った。とはいえ、おなら社の主な事業内容は広告代理店としての活動とされるが、詳しい部分は「まだ実体がないようなもの。おならだけに(笑い)」(野畑社長)とけむに巻いた。

 おなら社の初仕事としては先月中旬からユーチューブに動画をアップ。1分間の動画は「うんこを告げる」というタイトルで、何かが始まる予感を与えてくれるが、無駄にクオリティーの高い映像が印象的だ。撮影は米ニューヨークで現地俳優を雇い、2週間かけ制作費もウン百万円をかけた意欲作。
「Coming Out Poop!!(うんこを打ち明けよう)」の文字で始まる映像は、昼下がりのカフェでパソコンを開きながら約束の時間を待っていた青年が、ウンチを漏らしたことを1人で悩み、周囲の客に対し、どうやってそれを切り抜けるのかを描いた作品だ。だが、視聴回数はまだ約350回と、残念な結果となっている(7日午前)。

 それでも、全くめげない野畑社長は「赤字の会社とできたばかりの会社です。この事業が評価されるのは私の孫の代になってからかもしれない。これから『うんこホールディングス』を作りますよ。孫にはうんことおならで築き上げた『うんこ豪邸』を残したい」と真面目に言いながらも「孫が小学生くらいになったら『おまえんち、うんこ屋敷』と友達からイジメられるかも…」と多少の弱音も見せる。
(略)
「うんこやおしりの話をすると、人が笑顔になる」と崇高な志を持つ野畑社長は「まず手始めに、色違いの『おしり』と『おなら』が描かれたサイコロを作って、チンチロリンのように転がし『黒いうんこが出た』『俺は黄色いおならだ』と子供や大人まで楽しめるゲームを思いつきましたので商品化します」と、意欲を見せている。
 ゆくゆくは地域おこしにも貢献したいという。くさいものにフタをしない男から目が離せない。

社章からして公衆の面前に出すにはいささかどうよ?と思わないでもないこの会社、無駄に?クオリティが高いというその動画は同社公式サイトから参照頂ければと考えます。
本日は株式会社うんこの黄金色に輝く未来を祈念して、世界中からそれはもしかするとやっちゃいけないことではないかと言う気配が濃厚なニュースの数々を紹介してみましょう。

ダンゴムシを10倍の大きさで立体化したカプセルトイ 丸くなる体を忠実に再現(2018年6月4日ITmedia)

 バンダイは6月4日、ダンゴムシを1000%スケールで立体化したカプセルトイ「だんごむし」を発表した。ダンゴムシの構造を徹底的に研究。丸くなる体を再現し、カプセルレスのカプセルトイとして販売する。8月第5週に発売予定。1回500円(税込)。
 広げた状態では全長約140ミリ、丸くなった状態の直径は約74ミリで、カプセル自販機からそのまま転がり出てくるという。

 「昆虫が苦手な開発担当が、さまざまな文献や図鑑などでダンゴムシ特有の複雑な構造を徹底研究しながら試作を重ね、カプセル玩具としては異例の2年という歳月をかけてダンゴムシが丸まる様子を再現した」(バンダイ)という。
 通常の「黒いだんごむし」に加え、「青いだんごむし」「白いだんごむし」の3種類を用意した。なおバンダイによると「青いだんごむし」は実在するという。
(略)

その無駄にクオリティの高い商品化ぶりは元記事の画像からもうかがわれますが、これが自販機から出た時にはさぞや驚く人が続出しそうですね。
多くの方々が一度は困惑した経験があるだろうあの問題に関して、製造元が抜本的解決策を公開していると話題になっています。

カップ焼きそばのフタにくっつく、あのキャベツ!たたき落とします 日清食品が専用機器計画(2018年5月17日産経新聞)

 カップ焼きそばを食べるとき、ふた裏に小さなキャベツがくっつく経験は誰にしもありそうだが、そのキャベツをたたき落とす機器が、実現する可能性が出てきた。

 日清食品は17日、カップ焼きそば「U.F.O.」向けのふた裏のキャベツ落とし機器「キャベバンバン」を、インターネットを通じて不特定多数の人々から資金を募って、プロジェクトなどを実現させるクラウドファンディング(CF)での予約受付を始めると発表した。31日10時までに予約数が1千個に達した場合に、4980円で販売する。

 キャベバンバンは、湯切りしたあと、ゴムの弾性を活用して、ふたの表をバンバンとたたいて、裏のキャベツを落とすというもの。ふた裏についた微細なキャベツ81%を落とすことができるという。
 同社によれば、これまでU.F.O.で年間4・17トンのキャベツがふた裏についたままで捨てられていたとし、これを大幅に減らすことができるとアピールしている。

 CF方式の予約のため、予約数に達しなければ、製品化しないという。U.F.O.専用でほかのカップ焼きそばには対応しない。
 同社は、食のさまざま問題へのアプローチを図る「プロダクトX(ペケ)」を昨年10月に開始。第1弾の麺をすする音をカムフラージュする機能をもつフォークを発表したが、目標予約数に達しなかったことから、販売には至らなかったという。今回が第2弾になる。

その詳細はこちら公式サイトを参照いただきたいと思いますが、あまりに画期的過ぎるため実用化した際の有用性には疑問の余地が残らないでもありません。
観光振興は今や世界中どこでも大きな課題となっていますが、こちらいささか間違った方向にやり過ぎてしまったと話題のニュースです。

観光客を呼び込みたい!韓国の都市が造った巨大モニュメントが不評(2018年3月16日レコードチャイナ)

2018年3月13日、韓国・チャンネルAによると、韓国南部の大邱(テグ)に登場した「眠る原始人」像が物議を醸している。

記事によると、大邱達西(タルソ)区は2万年前の旧石器時代の遺品が出土した事実を知らせるべく、2カ月間にわたる工事を経て先月末に同像を完成させたそうだ。その姿は横向きに眠る原始人の上半身で、長さ20メートル、高さ6メートル。設置するだけで予算2億ウォン(約2000万円)がかかったとされる。区は同像と共に先史時代をテーマに通りを活性化させ、観光客を誘致しようとしているという。
しかし記事は、住民から「興味深い」「ランドマークになるだろう」など期待が寄せられる一方で、撤去を求める声も上がっていると伝えている。実際に、住民1700人が撤去の請願書を区議会に提出したとのこと。
これに対し、区役所側は「いち早くここを名所にすることが最も良い方法なのではないか」とし、引き続き住民の説得を試みているそうだ。

韓国ではこれまでもさまざまなモニュメントが物議を醸してきたが、今回もネット上では2000件近くのコメントが寄せられ、「あんなものに2億ウォンも使ったの?」「おいおい、もっと上手に造ってくれよ」「それなのに福祉に使う予算はないの?」など非難の声が相次いでいる。
また「今度は誰の懐にお金が入ったのかな」などと疑うコメントもちらほら。現地の住民だというユーザーからは「試みはいいけど、場所がね。住宅地じゃん」との声が上がった。(

その状況はこちらの画像を参照いただきたいのですが、まあ余程に心の広い人でなければこれはどうよと感じるでしょうかね。
最後に取り上げますのは世界的に注目されている中で、先日重大事故が報じられた自動運転車に関する新たなニュースです。

オートパイロットで走行中のテスラ・モデルSがパトカーに激突して全損させる事故が発生( 2018年05月30日GigaZiNE)

テスラ車に搭載されている「オートパイロット」機能を使って道路を走っていたテスラ・モデルSが、停車中のパトカーに突っ込んでしまうという事故がアメリカで起こりました。オートパイロット機能作動中の事故はこれまでにもたびたび報告されており、今回は追突されたパトカーが全損するほどの事故となっていたようです。

この事故はカリフォルニア州ロサンゼルスから50kmほど離れた場所で現地時間の2018年5月29日に発生したもの。パトカーを運用していたラグナビーチ警察に所属するジム・コータ巡査部長によると、事故が起こったのは午前11時7分で、幸いにパトカーには誰も乗っていなかったとのこと。一方、モデルSを運転していたドライバーは軽傷を負いましたが、救急搬送をかたくなに拒否していたとも伝えられています。
コータ氏によると、約1年前にも同じエリアでテスラ車両がトラックに突っ込む事故が発生していたとのことで、「なぜこの車は同じような事故を繰り返すんでしょう?」「誰もケガをしなかったのは幸運に恵まれただけです」と、たびたび起こる同じような事故に疑問を投げかけています。
(略)
これらの事故に前後して、テスラは「オートパイロットは一般の車よりも3.7倍安全である」という声明を出していました。しかし、その統計の解釈の仕方に不公平な部分があるとして、データサイエンティストが独自の見解を公表する事態にもなっています。
なお、今回の事件に対してテスラは、「テスラは常に、オートパイロットは車両の事故を起こさないようにするものではないということを明確にしており、ドライバーがオートパイロット機能を利用する際には、『オートパイロットは、中央分離帯とはっきりとした車線がある高速道路での使用を目的としたものです』という表示内容に同意することが必要とされています」とコメントを寄せているとのことです。

元記事の写真を見ても軽く接触などと言うレベルではありませんが、停車車輛に突っ込むと言うのは何かしら深刻なシステムトラブルを想像してしまいます。
もちろん自動運転車も事故を起こさないわけではないのでしょうが、しかしよりにもよってパトカーにぶつかるとは何と言うことでしょうね。

今日のぐり:「さぬきうどん くうちゃん」

岡山市街地郊外の幹線道路に位置するこちらのお店、香川で修行したという本格的なうどんを出すセルフ店です。
開店当初は失礼ながらあまり客の入りがいいと言う印象がなかったのですが、ひさすぶりに来たら繁盛されているようで大変なものですね。

冷たいぶっかけうどんを食べて見ましたが、以前初めて食べたときはかなりごつい食感の硬めのうどんで、これは岡山ではどうかなと感じさせられたものでした。
その後再訪問した際にはかなり柔らかめに変わっていた記憶がありますが、今回食べて見ると完全に岡山風と言うのでしょうか、柔らかめで舌触りなめらかなうどんになっていました。
合わせてある濃いめの汁もトッピングも岡山風ぶっかけうどんそのもので、看板にも明記するほどこだわりのいりこ出汁だったはずがカツオやサバになっていたりと、初期の味とは全く別物ですね。
天ぷらも食べてみましたが、会計でカットしてくれるげそ天は最初から切れ目をいれておけば?とも思ったのですが、まいたけ天は味はごく普通ですがクリスピーな食感が楽しいものでした。

しかし本格さぬきうどんが売りだったお店で、食べて見ても確かにうまいうどんなのですが、ぶっかけを食べる限りではもはやさぬきうどんと言うより岡山うどんになっているように見えるのは面白いです。
味が土地にフィットしてきたと言うことなのかお客の入りはずいぶんと増えていて、店内もひところ一人でやっていたのが嘘のように活気が出ていますが、今度は釜揚げなども試して見たいですね。

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2018年6月 6日 (水)

ブラック企業=ただ働き強要の認識はすでに古い?!

あまりに非常識すぎると先日大きな話題になっていたのがこちらのニュースです。

「お金を払って働いて」まさかの求人に衝撃 告知の出版社「説明不足」と謝罪(2018年6月1日J-CASTニュース)

   試用期間中は「お金を払って働いていただく」――。出版社のエムエムブックス(岐阜県美濃市)が、こんな内容の求人告知を掲載したことが、インターネット上で波紋を広げている。
   ネット上で否定的な意見が相次いだことを受け、出版社側は「説明不足だった」などとして謝罪。あわせて、告知していた条件での求人は中止すると発表した。いったい、出版社側の狙いは何だったのか。

給与の支払いは「試用期間」の終了後

   エムエムブックスは2018年5月30日、「マネージャー&アシスタント募集」などとした告知を公式サイト上に掲載した。同社は、文筆家・編集者の服部みれい氏が設立した小規模な出版社で、ライフスタイル誌「マーマーマガジン」を発行している。
   今回の求人では、「『お金を払って働いていただく』という試みを行いたいと思います」と宣言。募集する人材の条件について、次のように記載していた。

    「試用期間中(1~3か月)、『ここで学んだ』ということに対して対価を払っていただける方

   スタッフが会社側へ支払う「対価」については、「みなさまが『学んだ』と思うに見合う額を自由にお支払いください」と説明。給与は、試用期間が終わった後から支払う予定としていた。
   業務内容に関しては、雑誌編集や書籍の執筆補助のほか、「畑仕事から犬の散歩まであらゆることが含まれます」。勤務時間は平日の朝9時から17時30分までだった。また、その他の募集条件として、

    (1)過去に編集経験があること
    (2)通勤時間が30分以内の場所に住んでいること

なども設けていた。

   こうした条件で人材を募集した理由について、服部氏は求人ページの中で、「仕事は、本当に『お金がもらえるから働く』がすべてでしょうか?」との持論を展開。続けて、
    「お金がほしいのではありません。お金が惜しいのでもありません。お金を払ってでもやってみたいという意欲がほしいのです。なぜなら、今後、本気で、人間がする仕事が、そういう仕事しか残っていかないとわたしも感じているからです」
などと訴えていた。

「労働基準法に思いっきり引っかかるのでは?」

   だが、労働者側が逆に会社に金銭を支払うという条件をめぐって、ツイッターやネット掲示板では批判的な意見が相次ぐことになった。「ブラックどころの騒ぎじゃない」「やりがい搾取より酷い」といった意見のほか、
    「そもそも労働基準法に思いっきり引っかかるのでは?」
と問題視するユーザーの姿も目立っていた。ただ一方で、雑誌のファンとみられるユーザーからは、「おもしろい採用方法」「すごい発想だ」との声も出ていた。
   こうしたネット上での反響を受けて、エムエムブックス側は31日朝までに、問題の告知ページを削除し、当初の条件での求人を中止すると発表。さらに服部氏の名義で、

    「不快な思いをされたかたにはたいへん説明不足だったと感じています。いずれにしても、不安感やお怒りを促してしまう結果になり、こころからお詫びをもうしあげます」

などと謝罪した。ただ、今後も求人は続けるとして、賃金や労働時間などの条件面については、
    「充分なお話し合いのなかで、適切な内容を決めさせていただけたら」
と改めて呼びかけていた。
(略)

不肖管理人は全く存じ上げなかったのですが、主力のライフスタイル誌は設立者氏のファンであれば読んでいて当然と言うものなのだそうで、意識の高い愛読者の方々からはかなり熱烈な支持を受けているようです。
同社側では社長までも含めて社内で十分に議論した上で打ち出した話だと言いますから大変なものですが、労基法上は実際に働かせた上で給料を払わなかった場合違法で、募集自体は違法ではないそうですね。
労働内容も非常にユニークで、雑誌編集部で編集経験者を求めると言えば編集業務かと思いきや、フルタイムの勤務で畑仕事から犬の散歩まであらゆることが含まれると言うのですから社畜どころの話ではありません。
現在同社では労働条件や待遇等に関しては世間には公表せず、当事者間で話し合った上で決めると言うことですが、今度は世間の目が届かない場所で何をしようとしているのかと訝しむ声もあるのは当然でしょう。
適正な労働と報酬に関して話題になることが増える中で、さすがにこうまでの話であればニュースにもなるのですが、むしろ世間的にはニュースにならないことの方が多く、先日こんないじましい記事が出ていました。

「お金の若者離れ」朝日新聞の投書が話題 「全国紙に載るようになったのは一歩前進」という声も(2018年5月7日キャリコネ)

若者の○○離れ」が聞かれて久しい。ライフスタイルや価値観の変化が影響していると見られるが、これらに加え1つの要因となっているのが「お金の若者離れ」だ。
朝日新聞に5月5日、「『お金の若者離れ』現実知って」という投書が掲載された。投稿者は20歳の大学生で、数々の「若者離れ」について「根源にあるのはお金の若者離れ」ではないかと疑問を呈している。

「高度成長期の人に『最近の若者は夢がない』と言われるのはうんざり」

国税庁の2016年の調査によると、20代前半の給与平均は258万円。投稿者はこの額を引き合いに出し、

    「月々の家賃や水道光熱費の支払いに加え、奨学金の返済がある人もいる」
    「支払われるかどうか分からない年金のことを考え、貯蓄に回す分を含めると、思うように使えるお金はほとんど手元に残らないのではないだろうか」

と、給与額の不十分さを指摘。車や旅行の需要が下がったのではなく、「若者に回るお金は少なく、車や旅行が高嶺の花」だという見方を示した。こうした状況の中で、上の世代から「若者は夢がない」と言われることについては、

    「右肩上がりに経済が成長した時代の感覚で物事を考えている人から『最近の若者は夢がない。欲がない』と言われるのはうんざりだ

と不満を爆発させている。

DeNAトラベルが10代から30代の若者を対象に実施した調査によれば、「本当はやってみたいこと」の1位は旅行だったという。自動車工業協会が若年層向けに行った調査では、「車を買いたい」「買いたくない」がほぼ半々に分かれた。買いたくない理由に、「今まで以上にお金がかかる」「貯金が少ない」など、経済的な要因を上げる人も多い
投稿者の大学生が言うように、「お金があればやりたい・買いたい」と考えている若者も相当数いることだろう。

「今は『若者』の段階を過ぎて『お金の国民離れ』に突入していると思う」

ネットでは、記事を読んだ人から様々な反応が上がっている。「10年前から言われてることじゃん」「今更感が凄い」という感想もあるが、「全国紙に載るようになったというのは一歩前進…なのかなぁ」と肯定的に受け止める声もあった。上の世代からも、
    「我々の若い頃も、お金があったわけではないけれど、親の援助が多少あったりしてもう少し余裕があったように思う。今は親子とも余裕が無く、さらに学費は高くなり、何もかも厳しい。とても若者に問題があるとは思えない」
と、共感する意見が出ていた。
(略)

雇用状況は改善傾向にあるとは言え、若い世代の節約志向は完全に定着しているようですが、ここで注目頂きたいのはマスコミがしばしば使いたがる「若者の○○離れ」式フレーズへの反発の根強さです。
大部分の○○離れに関しては、そもそも若者は離れる以前に最初から近づいてもいないと言う意見もあるそうですが、ともかくも若者自身へのアンケートでもっとも若者が離れているものに選ばれたのが車で、要するに不要不急の贅沢品扱いだと言うことですね。
これに対して車を持つことが当たり前だった年長世代からは今の若者は物欲がないとの声もあるそうですが、冗談ではない、あなた達が安月給での長時間労働を強いるから車など買えないのだと反発するのも当然です。
車の価格も年々高くなる一方ですから、安月給の中から将来のための貯蓄に回している堅実な若者ほど車離れが深刻であるとも言えるし、黙って給料を上げれば車離れなど解消すると言われればそうかとも思えますが、そもそも論として問題視すべきなのかどうかです。

元より時代とともに興味の対象が移り変わるのは当然で、若者の○○離れを嘆く年長世代もまさか自分達の若い時代に立派な太刀や豪華な鎧兜を大金を払ってでも手に入れたいとは思わなかっただろうと思います。
実際にお金があっても車など買わない、必要ないと言う人も少なくないとも言いますが、他方で若者のやりたいことのトップは旅行なのだそうで、自由になるお金や時間が乏しいのだろうなと想像させられる話ですよね。
そして若者にしろ年長者にしろ結局は時代の変化であり、無理に昔ながらの流儀を追う必要はないと言う声が少なくないのですが、その点で興味深いのは若者の○○離れと熱心に語りたがるのがほぼマスコミに限られていると言う点です。
○○離れを批判する前提として、○○に寄り添うことが正しいと言うニュアンスも感じるのですが、マスコミが本音でもっとも気にしているのが年々急速に進んでいる若者の新聞離れ、テレビ離れであるのかも知れませんね。

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2018年6月 4日 (月)

医師の働き方改革、立場による意識の差が顕著に

医師の働き方改革に対してもっとも熱心に抵抗しているのが一部医師であると言う奇妙な現実がありますが、その実態がうかがい知れる興味深い記事が出ていました。

「医師の働き方、ベテランと若手で意識に差」自民・医師の働き方改革PT、四病協と全自病にヒアリング(2018年5月29日医療維新)

 自民党の厚生労働部会「医師の働き方改革に関するプロジェクトチーム」は5月29日、四病院団体協議会と全国自治体病院協議会へのヒアリングを実施した。会議後、座長を務める参議院議員の羽生田俊氏は、「意見はかなり出尽くしている」とし、「若手とベテランの医師では、考え方や意識の違いがあり、この辺りをどう考えるかが大きな問題」との認識を示した。
 さらに「病院や地域によっても異なるため、『医師の働き方』として一括りにすることができるのか」とも述べ、現状の問題は明らかになってきたものの、その解決策を見いだすのは容易ではないと示唆した。
 次回の医師の働き方改革PTでは、全国医学部長病院長会議と日本私立医科大学協会へのヒアリングを行う。さらに次回以降、若手医師の意見も聞く方針。

 5月10日の会議では、日本医師会へのヒアリングを実施している。また羽生田氏自身、直近では秋田県と新潟県を視察したという。医療者から出てくる意見として、仕事と自己研鑽との関係、宿日直の定義とその扱い、労働時間をどのように把握するかなど。「時間外の自己研鑽でも、上司から命令された場合には時間外労働に含め、自らが実施する場合には含めない、といった考え方も出ている」(羽生田氏)。
 さらに羽生田氏は、「また医師の働き方改革をめぐる議論は現在進行中であるため、労働基準監督署の立入調査は、『少し考えてもらいたい』というのが、(厚労省)医政局の立場。一方、労働基準監督署は、医療機関に集中的に調査しているわけではないが、情報が入ってくると労基署は法律に則って、行かざるを得ない状況」と現状を分析した。

 四病協は、加藤勝信厚労相に4月18日に提出した「医師の働き方改革」についての要望を説明、「医師の働き方については、医師の労働の特殊性を明確にした上で、現行の労働法制とは異なる医師労働法制を制定する」ことなどを求めた(『「独自の医師労働法制」を要望、四病協』を参照)。
 全自病は、2017年7月から8月にかけて会員病院を対象に実施したアンケートを基に、医師の働き方の実態を紹介(『上限規制で「手術、年4000件を半減する必要」の病院も』を参照)。「医師に対する時間外労働の上限規制の適用が、地域医療の崩壊を招くことにならないよう、慎重な検討が必要」と要望。労基署に対しては、さまざまな諸課題が検討会で議論されているところであるため、謙抑的に対応するよう要請した。

「若手とベテランの医師では、考え方や意識の違いがあ」ると言いますが、この場合若手とベテランで違いがあると言うよりも、働かされる側と働かせる側では違いがあると言うべきではないかと言う気もします。
無論新臨床研修制度導入以降はかつてのような医局中心の人事ではなく、医師個人が自ら条件の良い就職先を探すと言う当たり前のやり方が主体となっているため、組織への帰属意識等は変化があるでしょう。
労働者としても世間並みの常識的な考え方がようやく滲透してきたと考えると、今どきの若手医師の考え方はどこの企業の従業員にもごく当たり前に見られる労働者としての当然の認識に近づいていそうです。
そして他人に使われる末端労働者の意識と、他人を使う管理職側の意識が異なると言うことはどこの企業でも当たり前にある話で、「どう考えるか」も何も働き方改革の目的をどこに置くかと言うだけの話でしょう。

今年2月の社保新医療部会で病院会や医師会など各医療団体からは「長時間労働でも、生きがいを持って仕事をしている医師たちは山ほどおり、そうした医師のことが考えられていない」等々のコメントが出ています。
これら業界団体の論法がまさに労基法違反で是正勧告を受けた某企業社長のコメントとあまりにも相似形で驚くほどなのですが、結局のところ何を目的とした議論かと言う認識に根本的相違がありそうに感じます。
働き方改革にももちろん二つの側面はありますが、少なくともその一面を占めているのは労基法違反の過酷な労働を強いられている労働者の権利保護で、極言すれば法律くらいは守ろうよと言うことですよね。
医療に限らず全国的に人手不足の深刻な時代だけに、そろそろ労働者を過剰酷使する以外の別なやり方も登場しそうな気配ですが、医療の世界だけはいつまでも昔ながらのやり方で続けるつもりでしょうか。

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2018年6月 3日 (日)

今日のぐり:「博多金龍 倉敷店」

人により受け取り方にかなり差が出そうなのが、先日話題になっていたこちらのニュースです。

「電車でGO!!」求人の応募資格に「クハ、モハ、サハの違いが分かる」 必要な“最低限の鉄道知識”がハードル高いと話題(2018年4月29日ねとらば)

 スクウェア・エニックスが掲出している「電車でGO!!」のプランナー募集の求人広告が、その珍しい内容で話題になっています。とにかく鉄道好きを求めていることはわかった。

 公式サイトの求人情報では、電車運転ゲーム「電車でGO!」シリーズの最新作「電車でGO!!」のプランナーを募集。その応募資格には「エクセルの基本操作ができる」に加えて、必要なスキルとして「最低限の鉄道知識がある方」という言葉が。例として、
    クハ、モハ、サハの違いが分かる、ATS、ATCの違いが分かる、等
 と、当たり前のように車両形式を表す記号(カタカナ)や、保安装置の略称が書かれています。“最低限の鉄道知識”ならばこんなところなのかもしれません……。

 なお業務内容の説明では、「新規ミッションの制限速度や到着時刻などの仕様書作成」や「バランス調整」などが挙げられ、適正に応じて「鉄道に関する取材、収録」「鉄道関連企業とのやり取り」といったことも担当するようです。
 Twitterでは同求人広告を発見した人がツイートしたのをきっかけに注目を集め、「そんな要件はじめて見た」「鉄ヲタしか入れない」という声から「面白そう」「それくらいならわかる」といった声までが上がり、やはり鉄道の詳しさによって“最低限”かどうかの意見はわかれている様子。もし「これは最低限の鉄道知識だな」と思った人は、雇用形態などを確認してエントリーしてみるのもありかもしれません。

これをマニアックと取るか常識と取るかが分かれ目と言うことなのでしょうが、しかし最低限の鉄道知識というものもなかなかハードルが高そうですね。
本日は鉄ヲタの方々に敬意を表して、世界中から本物の専門家とはどのようなものなのかが問われると言う見識の高いニュースを取り上げてみましょう。

マイケル・ジャクソンのありえないダンスの動き、医者が解説(2018年05月24日BBC)

神経外科医が、マイケル・ジャクソンが「スムース・クリミナル」のミュージックビデオで成し遂げた生体力学的に有り得ないダンスの動きを詳細に解説する。

1987年に発表されたこの楽曲で、マイケルは棒のように体を伸ばしたまま、45度の角度でかかとから体を傾けている。
大勢が真似しようとしてきたが、あれは実は特別設計の靴と、マイケルの体幹の強さによって現実となったイリュージョンだ。
度肝を抜かれる動きだが、けがにつながるかもしれないので、やめたほうがいいと脊柱の専門家は警告している。
インドのチャンディーガルにある医学教育研究大学院研究所のマンジュル・トリパティ氏と同僚は、脊柱と神経外科学の学術誌「Journal of Neurosurgery: Spine」に発表した論文で「強い体幹を持つ最も訓練されたダンサーでも、この前傾の動きの角度は最大25度から30度だ。一方でMJ(マイケル・ジャクソン)の傾斜は45度。重力をものともしない、とてもこの世のものとは思えない動きだった」と書いている。
(略)
特許取得済みの履物が発明される前には、マイケルは補助ケーブルと腰に巻き付けたハーネスに頼って幻想的な動きを作っていた。
マイケルは、仕事仲間のハリウッド関係者2人と一緒に、米国の宇宙飛行士が履いていたブーツを参考にした。宇宙飛行士が無重力下で作業する際、固定レールにつなぐことができるブーツだ。

しかし、特別に設計された履物や接続器具の助けを借りても、この動きは非常に難しいと、医師たちは言う。強い脊椎と下肢の筋肉が作り出す、しっかりした体幹が必要なのだ。
研究チームは「筆者を含めた何人ものMJファンが、この動きを真似しようとしては失敗してきた。けがすることも多い」と警告する。
トリパティ博士は「かかとをけがする可能性はかなり大きい。強い体幹筋肉と、かかとの周りにしっかりとした支えが必要だ。決して簡単なトリックではない」と念を押す。

元記事の解説画像とともにこちらの動画(3:40付近)も参照頂ければと思いますが、この短い映像一つをここまで解析するのが専門家と言うことなのでしょうね。
多くの人間にとっていわば夢と言っていい技術を、ブリではかなりのところまで開発に成功していると言う驚くべきニュースがこちらです。

目からレーザービーム!将来は生体認証やセキュリティー機能に活躍するウェアラブル半導体レーザー(2018年5月8日ディスカバリー)

スーパーヒーローみたいに目からレーザービームを放つ、そんなスゴ技が近いうち現実になるかもしれない。もっとも、あたりを焼きつくすほどの破壊力は期待できないみたいだが。

スコットランドのセント・アンドリューズ大学の研究チームが薄くて軽く、自在に折れ曲がる性質を持った分布帰還型有機半導体レーザー(distributed feedback organic semiconductor laser)の開発に成功したそうだ。
わずか200ナノメートルという世界初の薄さは、回路基板を必要としない画期的な構造により実現した。薄い膜のようにどんな表面にも自在に貼りつけることができるので、これまでになかったデータ通信機器やウェアラブルセンサーの開発に役立つと期待されている。
例えば有機半導体レーザーをコンタクトレンズと合体させたらどうだろう。虹彩認識と併用すれば、非常に高度な生体認証技術になりうるという。研究に携わったセント・アンドリューズ大学のマーカス・カール博士研究員によれば、レーザーの材質や回折格子の設計を変えることで特定の波長の光を増幅できる。このような有機半導体レーザーから発せられるレーザー光線を平坦な背景に当てれば、増幅された光を1、されなかった光を0とみなしてデジタルなバーコードが成立し、個人認証に使えるという。まるでSF映画さながらだ。

セント・アンドリューズ大学の実験では、実際牛の目に半導体レーザーを張りつけたコンタクトレンズを装着してパルス状の青い光を当て、レーザーから緑色の光が発せられたのを確認している。なお、実験で使われたレーザー光線は閾値が低いため、目には悪影響を及ぼさないそうだ。
(略)
実用化にはまだほど遠いが、未来にまた一歩近づいた。

ブリの思い描く未来がどのようなものであるのかはともかく、目からビームを放てる機会があるなら是非一度と志願する者が決して少なくないようです。
技術開発系に比べて人文系の専門家の議論はどうなのかですが、先日こんなニュースが大きな議論を呼んでいました。

「おむつ替え時に赤ちゃんの許可を得るべき」 “専門家”の意見がネット上で物議(2018年5月13日テックインサイト)

子供への性的虐待や暴行が増えている昨今、子供が生まれた時から“同意”を求める文化を学ばせ習慣づけするために「おむつ替え時には、赤ちゃんの許可を得ることが大切」とある専門家が発言した。しかしこの発言がソーシャルメディアで物議を醸している。『The Independent』『Mirror』などが伝えた。

自身のツイッターアカウントで「性教育専門家・作家・演説家」とPRしているディーン・カーソンさんは、このほど米メディア『ABC』に出演し「赤ちゃんのおむつ交換時に、親は赤ちゃんに『今からあなたのおむつを替えるけれど、いい?』と尋ねるべき」と話した。3歳以上の子供たちと関わる仕事をするカーソンさんは、専門家として次のように述べている。
「まだ言葉がわからない赤ちゃんは、尋ねられても『うん、いいね。ママ、替えてほしいな』とは言いませんし、こちらもそんな同意を期待することはないでしょう。ですが親がそう問いかけた時、一呼吸おいて赤ちゃんの反応をうかがうことが大切なのです。そして赤ちゃんの身振りを観察してアイコンタクトを取り、赤ちゃんに許可を求められた時には同意することが大切なのだと習慣として教え込むことが重要なのです。同意の大切さを習慣づけておくと、成長していくうえで子供にも意見や質問に対する答えを言う権利があることを学ばせることができ、良い会話環境を作り出すことができます。」

カーソンさんは、早い段階で子供たちに同意の重要さを教えておくことを親たちにもアドバイスしているという。しかしこの発言は、ネット上で物議を醸すこととなった。
(略)
カーソンさんのFacebookには発言に対してだけでなく、容姿までを批判する声が集中したようで、現在アカウントは削除されてしまった。このニュースを知った人からも「じゃあ、もし赤ちゃんが“NO”と受け取れるようなジェスチャーをしたらどうするの? 汚れたおむつを替えないっていうの?」「私は子供の時、自分の同意なんかなく学校に行かされたわ。でもそれは親が決めることであって、そういうものだと思っていたからよ。それと同じことなのでは? 子供も親が自分のために最善を尽くすということを知るべきだと思うけど」「こういうことをテレビで発言する人がいる世の中になったということが怖い」といった声があがっている。

カーソンさんの見解に関する是非はともかく、元記事の画像を見る限り確かに容姿も話題になるのだろうなと言う気がしないでもありません。
宗教的な見地が絡むとさらに話はややこしくなると言うことですが、こちら専門家のコメントが大きな実害をもたらしたと言うびっくりニュースです。

スマホ火に投げ爆発か ユダヤ教の祭典で30人超けが(2018年5月3日テレ朝ニュース)

 スマートフォンを火に投げ入れて爆発したとみられています。

 大勢が取り囲むなかで起きた突然の爆発。ロンドン北部で3日未明、ユダヤ教の祭りが執り行われるなか、中心に据えられたかがり火で爆発が起きました。現地メディアによりますと、30人以上が負傷し、10人が病院に運ばれたということです。爆発は、指導者が「携帯電話は危険だ」と語り、それに従った信者がスマートフォンを火に投げ入れた際に起きたという情報もあります。一方で、祭りの主催者は「爆発の原因は別のものだ」と否定しています。

宗教的な見解が現実世界に大きな影響を及ぼすと言うことは世界的には珍しくないようですが、比較的宗教的縛りの緩い国に住んでいる幸せも感じるニュースですね。
最後に取り上げますのもなかなかに議論の余地がありそうなニュースなのですが、まずは記事から取り上げてみましょう。

「セックスドールに人権を与えよ」法学者が主張! (2018年4月9日トカナ)

 専門の売春宿が生まれるなど、世界的に盛り上がりを見せているセックスドールだが、ここに来て、倫理的な観点から待ったの声がかかった。

 セックスドールにはロボットならではの楽しみ方ができるとして、少々アブノーマルな嗜好の人々から特別な期待を受けている。たとえば、以前トカナでもお伝えしたように、AI搭載のセックスドールならば、ユーザーの好みに合わせてロリキャラから純粋無垢なキャラにも設定することができるため、生身の人間相手にはできない小児性愛願望やレイプ願望を実現することも可能だ。
 そして、このことはすでに現実になっている。英「BBC」(2017年9月22日付)によると、昨年2月、スペイン・バルセロナにオープンしたセックスドール専門売春宿「Lumidolls」の人気嬢サマンサ(約40万円)が、オーストリアで開催された「Arts Electronica Festival」で、多数の男性から“暴行”を受け、全身を汚された上、指2本を故障するという痛ましい事故があったのだ。
(略)
 そしてこの度、このような事態を前に、英ウェストミンスター大学で法学を教えるヴィクトリア・ブルックス氏が、セックスロボット(セックスドール)への見方を変える必要があると語り、話題になっている。

 英紙「Star」(7日付)が報じたところによると、ブルックス氏は、セックスロボットを禁止することは選択肢にないが、人間とロボットの関係を考え直す必要があると訴え、先述したサマンサへの乱暴な扱いは、我々のセックスロボットに対する倫理的な問題を喚起するものだとしている。
「確かにサマンサは機械です。しかし、そのことが彼女を破壊して良い正当な理由になりますか? サマンサが人間の形をしていることで、明らかに彼女には人間的なセクシャリティが投影されています。これは未来の人間のセクシャリティの象徴なのです」(ブルックス氏)
 さらに、ブルックス氏は法的にロボットを人間として扱い、ロボットと性行為を行うためにはロボットとの“合意”が不可欠になる時代が来るだろうと予言している。最近では、サウジアラビアが人型ロボットのソフィアに市民権を認めたが、このような動きが世界中で広がっていくのだろうか。

 とはいえ、ロボットを人間として扱うならば、人々がセックスドールに求めるものは実現されないだろう。人間(としてのロボット)が増えるだけ、アブノーマルな趣味に理解を示してくれるパートナーとの遭遇確率は上がるかもしれないが、全世界から「そうじゃない!」という悲痛な叫びが聞こえてきそうだ……。

この種の議論は動物の権利など様々な議論を誘発する可能性がありますが、人間よりも人形の方に愛情を感じる人は少なく内ようですね。
元記事の画像からも現代のその種のものがどれほど精巧かが理解出来るかと思いますが、近い将来こうした議論がより大きなものになりそうな気はします。

今日のぐり:「博多金龍 倉敷店」

倉敷市街地の一角に位置するこちらのお店、ずいぶんと以前にお邪魔したときはごく当たり前のとんこつラーメンのチェーン店だと思っていました。
改めて訪店してみますとずいぶんとメニューも増えたように思うのですが、しかし店の方向性としてどこを目指してるんだと言う気もしますね。

そのとんこつラーメン以外のメニューとして味噌野菜ラーメンを頼んで見たのですが、中細麺はまあ普通ですし味噌ダレが強すぎないスープのバランスはわりと好きです。
ただ商品としての見た目が何と言うのでしょう、安い中華チェーン店で出てくるような残念さで、最近のチェーン店の盛り付けは綺麗なものも多いと思うのですけれどもね。
野菜の火の通し加減も良く言えば家庭的とも言えますが、ベースになるラーメン自体はそれほど悪くないのに、野菜ラーメンとしての完成度は少し残念なものでした。

割合に繁盛されているのですが、今どきのチェーン店らしく接遇面は標準的なマニュアル対応で、教育はちゃんとしてるなと思います。
かなり広い店内はそれなりに立派な本棚が置かれているのですが、ラーメンの提供も早いのであまり読んでいる暇はなさそうなのが残念ですね。

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2018年6月 1日 (金)

例えば1%の顧客が10%のリソースを消費し0.1%の利益にしかならない場合に

不肖管理人もネット通販はよく利用するし、今まで商品トラブルで返品と言う経験は幸いなかったのですが、世の中そうではないと言う場合も少なくないようで、先日こんな興味深いニュースが出ていました。

Amazon、返品しすぎるユーザーを追放(2018年5月23日フロントロウ)

 オンラインサービスのアマゾン(Amazon)が返品を繰り返すユーザーに対して、注文できなくする措置を取っていることに批判が殺到している。

 世界中で3億人以上が利用するアマゾン(Amazon)には、届いた商品に問題があった場合に、無料で交換や返金が出来る返品サービスがある。
 このサービスを利用しすぎると警告を受けるほか、アカウントを閉鎖される厳しい処置がとられることに対して、不満の声が上がっている。

 ある利用者は1年間に返品サービスを6回利用しただけで警告書が届き、ほかの利用者は343のアイテムを購入し、そこから37のアイテムを返品したところ、アカウントが閉鎖されたという。
 さらに、The Wall Street Journal紙によると、何の通知もなく突然アカウントを閉鎖させられたユーザーもいるといい、こうした返品に関するクレームはSNSに多く投稿されている。

 アマゾンの返品ポリシーには、返品サービスの過剰利用を禁止するようなルールは存在しない。それにもかかわらず、「返品のしすぎ」によりアマゾンから何かしらの措置を受けるユーザーの声が多く上がり、波紋が広がっている。
 そんななか、Amazonの広報担当が声明文を発表。

 「すべてのユーザーがAmazonを使えるようになってほしいと思いますが、弊社のサービスを過剰利用しているケースが稀にあります」と説明し、返品サービスを過剰利用したユーザーに対してなんらかの措置を取っていることを認めた。
 そのうえで、不公平な対応をされたユーザーについては、問い合わせをすればアカウントを見直すということも声明で発表した。

 無料で返品できるからこそ、より多くの人が気軽に利用したこのサービス。世界中に3億人以上のユーザーを抱えるAmazonにとっては、その負担は思った以上に大きかったのかもしれない。

契約関係である以上、規定に示されていない対応を取られると言うのは愉快なものではありませんが、実際にこの種の通販サービスで過剰な返品問題は以前から問題になっていたと言いますね。
もともと日本では2009年に通販商品は原則8日間返品可能となる法改正がなされましたが、世界的に見ると通販業者にとってはしばしば4割にもなる返品率の高さが大きなコスト負担になっているそうです。
実物を見ずに取引する以上店頭販売より返品率が高まるのは理解出来るし、実際詐欺紛いとは言わないまでも実物が写真と違いすぎると言った事例も未だ少なくないのですが、利用者側も全く無問題としません。
半ば試着目的で大量に注文しほとんど返品してしまうとか、人によってはいわゆるインスタ映えする写真を撮るためだけに次々と注文と返品を繰り返すと言ったケースもあるそうで、利用者モラルも問題となりそうです。

明らかに法律違反レベルのトラブルはお断りしても仕方ないと思いますが、この種の微妙な顧客の足切りラインの線引きを曖昧にしてきた日本社会においても、最近取引お断り事例が散見されるようになっています。
冒頭の記事にあるようなケースでは微妙な判断になるとも思うのですが、業者側からすれば返品を繰り返す顧客とは確かに利益率の低い顧客であり、下手すれば赤字になる以上縁を切りたいのが本音でしょう。
当然ながら取引お断りとなれば新たな顧客トラブルになりやすく、現場スタッフの個々の判断ではなく組織としての明確なルールに基づいての対応が望ましいはずですが、先日はこんなニュースが出ていました。

タクシーの「合法的に乗車拒否」広まるか 背景に乗務員へのモラハラ、セクハラ問題(2018年5月23日乗り物ニュース)

「運送約款」に具体例とその対処を明文化

 タクシー乗務員が、客からモラルハラスメント、セクシャルハラスメント行為を受ける事例があるといいます。
 東京、横浜を中心にタクシー事業を展開する国際自動車(東京都港区)によると、たとえば禁煙車内での喫煙や、無理な要求を迫りドライバーを罵倒する行為のほか、女性ドライバーがお釣りを渡す際に手を握られたり、運転中に後ろから髪を触られたりするなどの事例があったそうです。
 同社はこのような事態に対応すべく、運送行為において企業と利用者のあいだのルールを定めた「運送約款」を2016年2月に変更し、乗務員が利用者からハラスメント行為などを受けた際の乗車拒絶や慰謝料請求、喫煙された際の清掃代請求などを明文化したといいます。
(略)
――どのような経緯で運送約款を変更したのでしょうか。
 職場環境を整えていく過程で、「乗務員の声」を集めたところ、乗務員がハラスメント行為に我慢を強いられていた実態が明らかになりました。たとえばお客様からセクハラ行為を受けても、営業所から「仕事しにくくなるから我慢しろ」と言われた経験を持つ者もいます。「それはよくない」ということになり、乗車拒否などの対処が合法的に可能になるよう、約款を変更しました。

――約款変更後、乗車拒否などを実際に行ったことはあるのでしょうか?
 いえ、約款変更から現在に至るまで、実際に乗車拒否などに及んだことはなく、お客様によるハラスメント行為も顕在化していません。変更から半年間は、具体的なハラスメント行為をイラストで示したお知らせを運転席ヘッドレストの裏に掲示しました。これによりお客様の理解が深まったこともありますが、犯罪行為が抑止できている要因は約款の内容だけでなく、車内を撮影するドライブレコーダーの存在も影響しているでしょう。どちらかが欠けていては、抑止効果が薄いのではないかと考えています。

被害者は本当に多い? それでも約款変更が相次ぐワケ

 国際自動車は、約款変更の効果が最も実感されるのは、利用者への対処というよりも、「安全に働ける職場であると外部にアピールできたこと」だと話します。同社では2010(平成22)年から約款を変更した2016年までに新卒の乗務員を300人近く採用したといい、運送約款の変更は、若者を含むすべての人が安心して働ける環境を整える目的があったそうです。
 運送約款の変更には、その地域を管轄する運輸局に届け出て認可を受ける必要がありますが、国際自動車によると、同社が約款変更を発表して以後、東京都内を拠点とする事業者の6割がその届け出を行ったとのこと。大阪や広島など、他府県のタクシー協会からも問い合わせを受けたといいます。実際に同社へ詳細を問い合わせたという広島県タクシー協会の担当者は、次のように話します。
「もともと、各社の運送約款にはたいてい、『運送の引き受け及び継続の拒絶』といった項目があります。ただその内容には『公序良俗に反する行為があった場合』といったあいまいなものがあり、たとえば乗務員がお客様から暴言を受けた際、これに反しているのかどうか、その場では判断できないという声がありました。そこに、具体のハラスメント行為や、それへの対処を明記した条文を付け加える形で運送約款を変更しているのです」(広島県タクシー協会 担当者)
 担当者によると、県内のタクシー事業者から乗務員がセクハラ、モラハラ行為を受けた話は耳にするものの、実際の事例としてはそれほど多くはないとのこと。それでも、乗務員を守るために、運送約款の変更を運輸局に届け出る事業者が増えているといいます。
(略)

非常に興味深い話だと思うのですが、特にその効果として実際のトラブル減少と言うよりも、従業員採用の面での効果が大きいと期待されていると言うのは、この人手不足の時代にあって理解出来る話ですね。
特にありそうな話だと思うのが、明文化されたルールがなかった時代にはたとえ顧客から問題行為を受けても、上司から我慢しろなどと不当な対応を強いられたと言う点で、何処の組織でもあり得る話だと思います。
現場の危機感に対して鈍感な組織は当然ながら他の面でもスタッフに配慮が行き届いているはずもないので、トラブル対策のあり方も職場の働きやすさを評価するための重要な指標になり得ると言うことですね。

こうしたルールを決めると顧客差別とはケシカラン式のことを言い出す人もいらっしゃるようですが、利用マナーレベルならまだしも明らかに問題ある行為は許容されざることは当然で、むしろ今までが甘すぎたと言えます。
こうして明文化しなければ現場も対処に困ると言うことであればルールを決め、それに同意いただいた顧客にご利用いただくと言うことで良いのでしょうし、拒否されるなら他にもタクシー会社の選択肢は多いわけです。
うるさいことを言い出した結果売り上げが減って会社の経営が傾くのか、意識の高い会社であると利用者にかえって好評とともに迎えられるのか、今の時代むしろ後者の可能性もありそうに思いますけれどもね。

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