« 今日のぐり:「権太呂 岡崎店」 | トップページ | 家族が継続を希望しても強制的に延命的処置終了となったケースが話題に »

2018年5月 7日 (月)

生保受給者だけに我慢を強いると言うわけではなく、皆平等に

このところ国会内が混乱してなかなか議論の進まない問題もあれば、妙にサクサクと話が決まっている問題もありで背景事情を考えると興味深いのですが、先日こんなニュースが出ていました。

生活保護法改正案が可決 野党不在、議論深まらず 与党、働き方優先(2018年4月26日共同通信)

 衆院厚生労働委員会は25日、生活困窮世帯の大学進学時の一時金支給などを盛り込んだ生活保護法などの改正案を自民、公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決した。野党は辞任した福田淳一(ふくだ・じゅんいち)財務事務次官のセクハラ疑惑に関する政府対応や、過労死があった野村不動産に対する特別指導の経緯を巡り反発。維新を除く野党は欠席した。
 働き方改革関連法案の審議入りを急ぐ与党は野党不在のまま採決。改正案は5月にも成立する見通しだが、専門家は「中身が全く検討されないままだ」と批判している。

 改正案は、保護世帯の高校生が進学する際の一時金支給(親元を離れる場合は30万円、同居の場合は10万円)や、生活保護受給者は原則として価格が安いジェネリック医薬品(後発薬)を使用することを盛り込んだ。
(略)
 生活保護費は低所得世帯の支出額とのバランスで支給額が決められ、政府は10月から一部世帯で最大5%引き下げる方針。維新を除く野党は「子育て世帯への影響が大きい」として3月末に対案を提出。保護基準の算定方法見直しや、児童扶養手当の月額1万円アップを盛り込んだものの、今月18日から審議を拒否していた。審議時間計約23時間のうち、野党に配分された約11時間は、政務三役が出席する中、何もせずに時間だけが過ぎる「空回し」で終わった。

 「生活保護問題対策全国会議」代表幹事の尾藤広喜(びとう・ひろき)弁護士はジェネリックの原則使用を「お金のない人は我慢しろと言っているようなもの」と批判。「制度の根幹に関わる保護基準の算定方法も、国会できちんと議論するべきだ」と憤った。

しかし我慢と言う言い方にはジェネリックは質の劣った悪いものと言う考えが根底にあるように思えるのですが、国としてはジェネリックは同じ成分同じ効き目で売っている以上、これは間違った考えであると言うことになるのでしょうか。
自らも法案を出した問題で審議にも加わらなかった野党の振る舞いも注目されていたようですが、75歳以上の医療費2割負担への引き上げが与党内の反発で流れたことを考えると、割合すんなり決まった印象がありますね。
ともかくも生保受給者も200万人以上もいると言いますから、保護法改正も本来それなりに社会的影響が大きいはずで、特にジェネリックが原則であるとはすでに久しく以前から何度も繰り返し言われてきたことです。
今回正式に法律に盛り込まれたとは言え相変わらず原則との表現に留まったことで、今後どの程度ジェネリック使用が進むのか疑問も残るのですが、医療費削減効果としては限定的に留まるのではないかと言う声も少なくはないようです。
結局生保受給者はいわば見せしめに使われたと言う穿った意見もありますが、国としては生保受給者に限定した話ではなく、かなり本格的にジェネリック使用を推進していくことを決めているようです。

後発薬普及へ重点地域 10都道府県を夏までに指定 厚労省、医療費抑制狙い(2018年5月1日共同通信)

 価格の安いジェネリック医薬品(後発薬)の普及を目指す厚生労働省が、後発薬の使用が進んでいない都道府県を「重点地域」として指定する。膨張する医療費に歯止めをかける狙い。今夏までに10都道府県を選び、啓発活動などの実施を促す

 後発薬は、新薬の特許が切れた後に同じ有効成分を使って製造された薬。研究開発のコストが抑えられるため、新薬の半額程度の価格で販売されている。
 高額な新薬が次々と登場し、医療費の中でも薬剤費の伸びは目立つ。政府はこの費用を抑制するため、2020年9月までに後発薬の使用割合を80%とする目標を掲げ、使用促進に力を入れてきた。その結果、17年の後発薬の使用割合は約66%と、約33%だった05年の2倍に。厚労省の推計では、15年度は後発薬使用により約9400億円の医療費が削減された。

 厚労省はさらなる普及のため、10都道府県を重点地域として指定し、改善を促す。使用割合の低さだけでなく、人口の多さや医療費の規模の大きさも考慮する。直近の使用割合が最も低い徳島県のほか、東京都、大阪府などが候補に挙がっている。
 厚労省は本年度予算に約9千万円を計上、指定した都道府県に補助金を交付する。なぜ普及が遅れているか問題点を調査し、後発薬への理解を深めてもらうためのポスター作成や、医師と薬剤師が連携する仕組み作りなどに取り組む。同省の担当者は「各地の実情に応じたアプローチで使用を促してほしい」と話している。

記事にもあるように徳島はジェネリック使用率が低い(64%)のだそうですが、トップの沖縄(83%)との間には実に2割ほども差があり、10年間で使用率がほぼ倍増する間も都道府県間の使用率格差にはさして変化はないようです。
何がこうした都道府県格差を生んでいるのか、医師の出す処方箋の問題なのか薬局あるいは患者自身の問題なのかはっきりしませんが、仮に医師の処方箋の問題であれば啓発活動にあまり効果はないかも知れませんね。
成分が同じでも製剤により効果が違うと言うことは確かにあり、特定銘柄しか処方しないと言う医師も実際にいますが、医師個人に関してもジェネリック変更許可割合などを調べて見ても面白いかも知れません。
医師としては明らかに効果に差があるなら効くものを出すと言う声もありますが、後発品に変更し患者に有害事象が発生した場合誰が責任を取るのかと言う問題はあり、同じものだと主張している国に本来的な責任はあるとも言えそうです。

ちなみに2015年の医師への調査では、ジェネリック使用について3/4がまだ増やせると回答する一方で、ジェネリックは処方しないと明言した医師も5%近くいたそうで、理由として安全性や品質への懸念が大半だったそうです。
なお調剤薬局によっても使用率に大きな差があるそうで、地域的に先発品を好む顧客が多いのか、積極的に後発品を勧めていないと言った理由なのかは不明ですが、もはや少々の診療報酬加算程度ではこれらの意志は変わらないのでしょうか。
強制的に使用率を高めようと思えば、処方箋ごとにジェネリックではいけない理由を注記させると言った嫌がらせ的対策もあり得るかと思いますが、最終的には使用率を数%引き上げるのに要するコストと費用削減との兼ね合いですよね。
また国として先発品も後発品も同じものだと主張するのなら、そもそも薬価に格差がついていることもおかしな話なので、将来的に薬価も製品毎ではなく一般名で決めると言った時代も来ることになるのでしょうか。

|

« 今日のぐり:「権太呂 岡崎店」 | トップページ | 家族が継続を希望しても強制的に延命的処置終了となったケースが話題に »

心と体」カテゴリの記事

コメント

なんでそんなにジェネリック嫌がるのがいるのかが不思議

投稿: | 2018年5月 7日 (月) 07時56分

↑そらぁ明らかに効かん奴が稀によくあるからおや誰か来た

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2018年5月 7日 (月) 10時28分

どうして先発品の価格(公定)をジェネリックに合わせて下げないのか、誰か教えてplease。

投稿: JSJ | 2018年5月 7日 (月) 12時10分

開発費を回収させるため先発品には高めの値付けを許していると言うことなのかも知れませんが、結果として高価であるが故に処方が減るのであれば損になる気もします。
いずれにせよ国は先発後発問わず同じものとして扱うべきだと言う考え方であれば、製剤によって薬価に差をつける合理的理由はあまりないように思います。

投稿: 管理人nobu | 2018年5月 7日 (月) 12時37分

>どうして先発品の価格(公定)をジェネリックに合わせて下げないのか、誰か教えてplease。

理由はともかく、ジェネリックと先発品を同じ価格にしたらジェネリックメーカーが死ぬ様な気がしますが・・・

投稿: クマ | 2018年5月 7日 (月) 13時09分

レニベースのゾロ クレストールのゾロ ノルバスクのゾロ 高額納税者がゾロ使っているのに、生保に先発処方する医者は○ね。

投稿: 麻酔フリーター | 2018年5月 7日 (月) 15時45分

そこまで言うか金の亡者め

投稿: | 2018年5月 7日 (月) 22時17分

>金の亡者め

多分褒められた!w

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2018年5月 8日 (火) 09時13分

今厚労省がすすめている一般名処方は患者さんが希望すれば先発品を受け取れますからね。
意地でもジェネリックしか受け取れないようにするのであれば、ジェネリックの商品名で処方箋を書くしかありません。

投稿: クマ | 2018年5月 8日 (火) 13時15分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/519753/66679901

この記事へのトラックバック一覧です: 生保受給者だけに我慢を強いると言うわけではなく、皆平等に:

« 今日のぐり:「権太呂 岡崎店」 | トップページ | 家族が継続を希望しても強制的に延命的処置終了となったケースが話題に »