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2018年5月28日 (月)

外国人の健康保険不正利用疑惑が話題に

以前から断続的に報じられている件ですが、改善が見られないどころかますます広く横行しつつあると言うのがこちらのニュースです。

海を渡って日本に治療を受けに来る 「タダ乗り患者」が増殖中(2018年5月20日現代ビジネス)

 「週刊現代」が外国人による国民皆保険の「不当利用問題」について、キャンペーンを行っている。第一回目は、入国制度の盲点を突き、日本の健康保険に加入し、高額治療を安く受ける外国人の実態に迫っている。
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 いま日本の医療保険制度を揺るがしかねない事態が起きている。ビザを使ってやってきた外国人が日本の公的保険制度を使い、日本人と同じ「3割負担」で高額治療を受けるケースが続出している、というのだ。
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 日本の医療費は危機的状況にある。その要因が高齢者医療費の高騰であることは論を俟たないが、冒頭のように日本で暮らしているわけでもない外国人によって崩壊寸前の医療費が「タダ乗り」されているとなると、見過ごすわけにはいかない。
 法務省によれば、日本の在留外国人の総数は247万人('17年6月時点)。
 東京23区内でもっとも外国人が多い新宿区を例にとれば、国民健康保険の加入者数は10万3782人で、そのうち外国人は2万5326人('15年度)。多い地域では、国保を利用している4人に1人が外国人、というわけだ。もちろん、まっとうな利用ならなにも咎めることはない。だが、実態をつぶさに見ていくと、問題が浮かび上がってくる。

 そもそも医療目的(医療滞在ビザ)で日本を訪れた外国人は、国保に入ることができない
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 なぜ彼らは国保に入ることができるのか。
 一つは「留学ビザ」を利用して入国する方法だ。
 日本では3ヵ月以上の在留資格を持つ外国人は、国保に加入する義務がある(かつては1年間の在留が条件だったが、'12年に3ヵ月に短縮された)。つまり医療目的ではなく、留学目的で来日すれば合法的に医療保険が使えるのである。
 多くの在留外国人が治療に訪れる国立国際医療研究センター病院の堀成美氏が語る。
 「うちの病院で調査をしたところ、明らかに観光で日本に来ているはずなのに保険証を持っているなど、不整合なケースが少なくとも年間140件ほどありました。
 国保の場合、住民登録をして保険料を支払えば、国籍は関係なく、だれでも健康保険証をもらえます。そうすると保険証をもらったその日から保険が使えるわけです。
 来日してすぐの留学生が保険証を持って病院を訪れ、しかも高額な医療を受けるケースがありますが、普通に考えれば、深刻な病気を抱えている人は留学してきません
 来日してすぐに、もともと患っていた病気の高額な治療を求めて受診するケースでは、治療目的なのかと考える事例もあります」

 さきほど「医療ツーリズム」の話に触れたが、日本の病院を訪れる中国人の間で、とりわけ需要が高いのがC型肝炎の治療である。特効薬のハーボニーは465万円(3ヵ月の投与)かかるが、国保に加入し、医療費助成制度を活用すれば月額2万円が上限となる。
 肺がんなどの治療に使われる高額抗がん剤のオプジーボは、点滴静脈注射100mgで28万円。患者の状態にもよるが、1年間でおよそ1300万円の医療費がかかる計算になる。
 仮に100人が国保を利用し、オプジーボを使えば1300万円×100人=13億円の医療費が使われることになる。ところが、国保に入っていさえすれば高額療養費制度が使えるので、実質負担は月5万円程度(年間60万円)。たとえ70歳や80歳の「ニセ留学生」でも保険証さえあれば、日本人と同じ値段で医療サービスを受けられるのだ。
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 また、留学ビザのほかに「経営・管理ビザ」で入国する方法もある。これは日本で事業を行う際に発行されるビザで、3ヵ月以上在留すれば国保に入ることができる。
 この経営・管理ビザを取得するには、資本金500万円以上の会社を設立しなければならない。ただし、この500万円を一時的に借りて「見せガネ」として用意すれば、ビザ申請のためのペーパーカンパニーを立ち上げてくれるブローカーが存在する。さらにそういったブローカーとグルになって手引きする日本の行政書士もいるという。
 日本の医療の信頼性を求めて、自由診療をいとわない中国人の富裕層が、こぞって日本に押し寄せていることは前述した。しかし、じつはそんな富裕層のなかにも、治療費を安く抑えようと、日本の保険証を取得する中国人は少なくないという。
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 残念ながら、こうしたタダ乗りも日本では「合法」なのだ。

 留学ビザや経営・管理ビザだけでなく、外国人が日本の公的医療保険を簡単に利用できる方法がある。本国にいる親族を「扶養」にすればいいのだ。
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 たとえば子供が日本企業で働いていた場合、本国の両親や祖父母を扶養とすると、この両親や祖父母は日本の保険証がもらえる。日本に住んでもいないのに健康保険証を所有することができるのだ。
 もし親族ががんになったとすれば、「特定活動ビザ」などを利用し、日本に呼び寄せ、日本の病院で高額な手術や抗がん剤治療を受けさせる。もちろん保険が利くので自己負担は1~3割で、高額療養費制度も使える。治療が終わればとっとと帰国しても、問題はない。
 さらに本国に戻ってから治療を継続した場合、かかった医療費を日本の国民健康保険が一部負担してくれる「海外療養費支給制度」まである。
 ほかにも日本の国保や社保に加入していれば、子供が生まれた際、役所に申請すれば「出生育児一時金」として42万円が受け取れる。これは海外で出産した場合も問題ない
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 身分や活動目的を偽って国保を利用しようとする外国人について厚労省は、「入国後1年以内の外国人が国民健康保険を使って高額な医療を受けようとした場合、『偽装滞在』の疑いがあれば入国管理局に報告するよう各自治体、医療機関に通達を出した」というが、そんな悠長なことを言っている時間はない。
 外国人用の保険を作るなど、もう一度制度を見直さないと、日本の医療制度が先に崩壊するだろう。

この外国人の医療保険タダ乗り問題についてはすでにかなり以前から報じられているところですが、記事にもあるように高額な医薬品が増えてきていると言う背景事情もその一因であろうと思います。
こうした制度の悪用?事例は外国人絡みに限らず何にでもあり得ることですが、やはり最初からそれを目的に偽装留学などを行うと言うのはやり過ぎであり、何らかの規制が求められるのではないかとも思います。
ただ日本人が海外に出かけた際もまず現地での医療事情が気になるのは当然であり、海外滞在のガイド本などにも医療保険等の制度説明は掲載されているのですから、言ってみればおあいこですよね。
例えば外国人労働者の扶養家族が保険にタダ乗りしていると言う点については、そもそも論としてこれはありなのか無しなのかと言う話で、これを問題視するなら日本人親族も同様にタダ乗りを批判されかねません。

他方で医療機関としてはむしろ無保険外国人の医療費未払いの方が大きな問題になっていた経緯があり、原則的に外国人も含め全ての患者は保険に入ってくれていた方がありがたいと言う立場になるでしょう。
民間保険会社も外国人向け商品を拡充してきており、国保加入義務が生じる期間が1年から3ヶ月に短縮されたのもこの観点からは評価すべきだとも言えますが、医療財政に負担が増しているのも事実です。
記事も新宿区の外国人国保加入者増加を取り上げていますが、興味深い話として荒川区では人口比で中国人はわずか3%なのに、出産一時金支給の1/4、海外出産では実に2/3が中国人向けだったそうです。
出産証明書なるものの書式は無論国毎に異なっているわけで、早い話が海外で産みましたと書いた紙切れでも一時金が支給されてしまうと言うことですから、悪用する気になれば幾らでも出来るとは言えますね。

仮に保険料未払いでも1年間は3割負担で受診出来ることを利用して、加入だけして保険料は支払わない外国人も少なからずだとも言い、しかも帰国してしまえば実質後日の請求は無理になってしまいます。
記事にも出ているC型肝炎の高額な抗ウイルス薬治療などは通常短期間で済むものですから、まさに医療保険制度タダ乗り目的での来日に極めて適していますし、高価な抗癌剤も利益が大きいでしょう。
実際のところこうした外国人によりどの程度医療財政に影響があるのか数字的なものは見当たらなかったのですが、国としても事態を問題視し加入や給付における審査・確認を厳重にする方針だと言います。
医療現場には期限切れの保険証による不正給付問題などもあり、保険受給資格に関するチェックはいずれにせよ厳格化、迅速化する必要があるもので、制度的な対応も急ぎ講じていただきたいですね。

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コメント

ミンスが緩和しちゃったんだよね

投稿: | 2018年5月28日 (月) 10時42分

いずれにせよ医療現場にとっては規制を強化して無保険外国人が増えるよりは、加入の審査が甘い方がメリットが大きいと言うことになると思います。

投稿: 管理人nobu | 2018年5月28日 (月) 14時44分

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