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2018年5月23日 (水)

真面目に働く者ほど損をすると言う哀しい現実

飲食業界での人手不足は深刻なものがあるようですが、幾ら何でもそれはいささかどうよ?と話題になっていたのがこちらのニュースです。

「長時間労働で交通事故」元アルバイトがすき家提訴 鳥取地裁(2018年5月18日産経新聞)

 人手不足の店舗を手伝うよう指示され、3店舗掛け持ちの長時間労働に伴う睡眠不足で交通事故を起こし精神的苦痛を受けたとして、鳥取県湯梨浜町の元アルバイトの男性と家族が18日までに、中国・四国地方で牛丼チェーンを運営する「中四国すき家」に、慰謝料など計約1240万円の支払いを求め、鳥取地裁に提訴した。4月19日付。

 訴状によると、同県倉吉市の店舗に勤務していた男性は人手が足りない店舗を手伝うよう指示され、平成27年4月19日夜から20日朝にかけ岡山県津山市の店舗で約12時間半勤務。そのまま片道1時間以上かかる鳥取県境港市の店舗に直接、車で向かう途中、居眠り運転で追突事故を起こした
 原告側は「事故前の3日間、労働時間外に十分な休息や睡眠時間が確保できなかった。会社は安全配慮義務を怠った」と主張している。

 すき家を展開するゼンショーホールディングスは「提訴案件のため、コメントは差し控える」としている。

ご存じない方のために申し上げれば岡山県津山市と鳥取県境港市は100km以上離れた遠隔地にありますが、しかしアルバイト店員をこんな遠距離店舗間で使い回すと言うことをやるものなのですね。
すき家と言えばかねて何かと労使問題で話題が多いとは言え、さすがにこれはやり過ぎな労働環境だろうとは思うのですが、そもそも何故アルバイトがこんな無茶な勤務体系を強いられていたのかと言うことですよね。
すき家では人手不足を補うため、早朝や深夜を中心に他の店舗に出張する「ヘルプ勤務」を頻繁に命じられるのだそうですが、原告氏は長距離移動を伴うヘルプ勤務を3日間で5回強いられ事故に至ったそうです。
この超売り手市場の中で何故そんな現場で働いていたのかと言う疑問もあるのですが、このところ連続時給引き上げで同業他社と比べトップクラスに時給は高いそうで、その辺りも理由の一つであったのでしょうか。
法外に厳しい労働環境はどうなのかですが、せめて厳しいのに見合った報酬は求められるだろうと言うことなのですが、こちら厳しい状況で頑張った結果給料がカットされたという笑い話のような実話が報じられています。

除雪がんばったら給料カット!? 福井市職員 猛反発(2018年5月21日FNN)

今年2月の記録的な大雪による除雪費膨張の影響で、財政が危機的な状況に陥ったとして、福井市が職員の給与を削減する方針を決めたことに対し、市の職員組合は18日、反対を申し入れました。これを受け自治労福井県本部は21日、総決起集会を開き、この福井市のケースが全国的な広がりを見せないようくさびを打ち込むつもりです。
体力の限界まで頑張った見返りが給与カットとは!」「信じられない仕打ち」「来年も今年以上の積雪があったらどうなる」「除雪業務、もう頑張れない」「子育てでお金がかかるのに……」。除雪費が膨らんで財政悪化し、給与カットを打診された福井市職員の声です。

37年ぶりの記録的な大雪に見舞われた福井市。によりますと、今年2月の大雪に伴って昨年度の除雪経費は、当初見込んでいた4億円余りの10倍以上となる50億円に膨れ上がりました。
国の補助金や市の貯金にあたる「財政調整基金」全額を充てたほか、大型公共事業を先送りするなどして予算を捻出しましたがそれでも8億円が不足し、そのため▽一般職員2300人の給与や管理職手当を10%▽市長ら特別職の報酬を20%、それぞれ7月から9カ月間削減してまかなう方針を、市の職員組合に提示していました。
これに対し、組合側は「給与で被災財源を補填するのは不合理極まりない」として、▽給与削減提案の撤回▽労使合意のないまま給与削減に関する条例改正案を議会に上程しないことなどを、東村市長あてに申し入れました。

福井市職員の平均給与は月額32万円余り。10%削減されると月3万円ほど減る計算です。
17日夜の組合員の緊急集会では給与削減の提案に反対する方針を確認しました。また、福井市の提案に他の自治体も同調しないよう自治労県本部や県内のほかの市町の組合のメンバーらも応援に駆け付け反対の輪に加わりました。
福井市職員組合が加盟する自治労福井県本部は、財源不足を職員の給与で補填するといった提案が全国に波及しないよう、21日夜、総決起集会を開き、県内のほかの市町の組合員らと連携を取って、反対の方針を確認する予定です。

普段公務員と言えば社会から目の敵にされやすい傾向があって、公務員給与カットなどと政治家が訴え当選すると言ったケースもまま見られるようですが、しかしさすがにこれは気の毒と言うしかありませんね。
市側としてはもともと財政が厳しい中で同市職員の給与水準は例外的に高く、適正な水準に引き上げたいと言う意向を持っているようですが、引き下げるにしてもやり方言い方と言うものがあっただろうにとは思います。
他方で組合側としても市に金が無いと言う現実の中で不足する財源についての代案もないそうで、どこから金を捻出するかを考えなければ方針を受け入れざるを得ないだろうと思うのですが、職員にはお気の毒です。
ともかくもこうした行為が行われるとなれば当然職員の士気は下がるでしょうし、適当に手を抜いて仕事をしない方がいいのだと言う公務員体質をますます助長しかねませんが、来年以降除雪作業がどうなるのかですね。

人手不足もありどこの職場も仕事が楽と言うことはなかなかない時代で、それだけに働いた分はきちんと酬いて欲しいと言うのは労働者として当然の要求ですが、現実にはそうなっていない場合も少なくありません。
こうした場合嫌なら辞めろと言うのも一つの真理なのでしょうが、真面目でよく働くタイプほどこうした場合最後まで残りがちで、冒頭の記事のように余計な割を食ってしまうと言うのは何ともいただけない話です。
医療の世界でも似た構図はしばしば見られると思いますが、いわば組織に対する忠誠心が高い者ほど損をすると言う構図は士気を低下させるもので、組織管理者としては危機感を抱くべきところですね。
医療の場合年功序列で横並びの待遇が今どき珍しいほど強固に残っていますが、こうしたシステムがうまく機能するためには、スタッフ一人一人が自主的に滅私奉公すると言う危うい前提が求められるのでしょう。


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コメント

バイトの交通費は出てたの?まさか自腹じゃないよね?

投稿: | 2018年5月23日 (水) 08時37分

給料をちまちまカットするより、6月か12月のボーナスを全額カットした方が早いんじゃないかと思うんですけれどもねえ。
ボーナスってもともとはそういう趣旨の手当ですし。

投稿: クマ | 2018年5月23日 (水) 08時53分

以前いた病院は黒字が出たらボーナスと言うわかりやすいことやってました。

投稿: ぽん太 | 2018年5月23日 (水) 09時21分

組織にとって有用な人材を厚遇した方が長期的に得だろうと思うのですが、今のところ組織に都合のいい人材を使い潰すような流れになっているのがどうなのかなと感じます。

投稿: 管理人nobu | 2018年5月23日 (水) 17時31分

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