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2018年5月14日 (月)

医師原作の医療ドラマがあまりにデタラメすぎると話題に

本日の本題に入る前に、未だに時々発生する事故なのですが、先日長崎大でこんな一件が報じられていました。

体内にガーゼ置き忘れ 摘出し患者快方へ 長崎大病院(2018年5月11日毎日新聞)

 長崎大病院(長崎市)は10日、3月にがんの摘出手術をした県内の60代男性患者の体内に、ガーゼ(縦30センチ、横40センチ)を置き忘れる医療ミスがあったと発表した。男性が腹痛を訴えたため発覚。4月に緊急手術で取り出し、快方に向かっているという。

 同大病院によると、男性は3月上旬、肝臓とリンパ節の転移性がんの摘出手術を受けた。患部が深く当初の腹腔(ふくくう)鏡手術から開腹手術に切り替え、患部周辺を押さえるため追加で複数枚のガーゼを持ち込んだ。
 同大病院では、手術で使用したガーゼの枚数と記録を点検し、複数の医師がレントゲン画像で体内に残っている物がないか確認した上で、手術を終えることを義務付けているが、見落としていた。4月上旬、男性が転院先の病院で腹痛を訴えたため、検査したところ、ガーゼが体内に残っていることが分かった。摘出した上で男性に謝罪した。

 同大病院は「持ち込んだガーゼを数える際に枚数を誤った可能性が考えられる」とし、確認するレントゲン画像をより鮮明にするなどして再発防止を図るという。【浅野翔太郎】

長崎大学病院でガーゼを体内に置き忘れ(2018年05月10日長崎文化放送)

信じられないミスです。長崎大学病院が、がんの手術で、患者の体内にガーゼを残していたことがわかりました。

長崎大学病院によりますとミスがあったのは60代の男性の肝がんの手術です。今年3月、肝臓とリンパ節を摘出した際、患者の体内にガーゼ1枚を残したまま手術を終えました。約1ヵ月後、男性が転院先の医療機関で腹痛を訴えたことからミスがわかりました。
大学病院が手術をし、ガーゼを取り出しました。ガーゼは、30センチ×40センチの大きなものでした。この影響で男性は炎症を起こした小腸の一部を切除されました。現在は転院し治療中です。

長崎大学病院では2011年にもガーゼを残す医療ミスを起こしています。再発防止策としてX線に写るガーゼを使うようにしましたが、今回はX線で検査しながら見逃していました
今後は、手術の間、ガーゼの一部を体の外に出しておくことや、3人以上で画像チェックするなど対策を徹底するということです。

年間20件以上発生しているものを信じられないミスと捉えるかどうかは主観に依存する問題かとも思うのですが、しかし注目いただきたいのが同大では以前にも同様の事故があった結果、ガーゼカウントの徹底やレントゲンでの確認など対策を講じていた点です。
今回も枚数チェックに問題がなく、またレントゲンでも映らなかったものが何故残っていたのかと疑問に感じる向きも少なくなかったようで、全国的に同種の対策で対応する施設も多いだろうだけに気になるところですよね。
今後同大ではさらに厳重な対策を講じると言うことですが、医療機能評価機能もガーゼカウントとレントゲンを対策としているだけに、どこまで行っていれば十分な対策を講じたと言えるものなのかが問われそうです。
さて話は変わって、久しぶりにここまでのアレは珍しいと先日以来評判になっているのがこちらの一件ですが、まずは記事から紹介してみましょう。

『ブラックペアン』治験コーディネーターの描写が酷すぎ! ついには薬理学会が抗議文を送付へ!(2018年05月09日日刊サイゾー)

 現在、TBS系にて放送されているドラマ『ブラックペアン』。嵐の二宮和也が久々の連続ドラマ主演、また『陸王』『半沢直樹』といった高視聴率ドラマを生み出している日曜劇場枠での放送ということで注目度も高く、平均視聴率も12~13%台(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をキープ。今期放送のドラマの中でも、好調な作品のひとつだ。
 同ドラマは、二宮演じる“態度は悪いが手術成功率100%を誇る”天才外科医・渡海征司郎を中心に、新技術導入を巡る不正や病院と製薬会社、医療機器メーカー、そして厚生労働省との癒着問題などに立ち向かっていく医療エンターテインメントドラマ。作家であり現役医師でもある海堂尊の『ブラックペアン1988新装版』(講談社)を原作にしているだけあって、“本格的な医療現場シーン”が見られることも注目するべきところ。だが、実は、加藤綾子演じる治験コーディネーターの描き方に対し、批判の声が上がっているのだ。

「第1話放送直後から、Twitter上には医療従事者からドラマに対する批判の声が続々と上がっていました。その声のほとんどが、カトパン演じる治験コーディネーターについて。『毎晩医者と会食して、頼まれたことを調べるのが仕事じゃない。むしろあんなこと一度もしたことない』という声や、『ろくに説明もしないで、患者にお金を渡したりすることはない』『治験で負担軽減費として300万円支払っているが、実際にはあり得ない』といった、現実と違いすぎるという指摘が相次いでいます。また、ドラマのせいで『薬剤や医療機器の国内の開発に対して不信感や反発を覚える人たちが増えるかも』と危惧する声も上がっていました」(ドラマウォッチャー)
 指摘を受けた治験コーディネーターは、原作には登場しないドラマオリジナルのキャラクター。スタッフ側がストーリーに合うように作っているため、実際の仕事内容と違っているようで、ドラマ公式ホームページには小さく、『登場人物の行動は、治験コーディネーターの本来の業務とは異なるものも含まれています』と注意書きが書かれている。

 Twitterで指摘した人たちも、「ドラマ上の演出だとはわかっている」とのことだったが、あまりにも酷く描かれているため、「フィクションだとしてもこの描かれ方は遺憾だ」と激怒しているよう。現在3話まで放送されているが、放送のたびに批判の声が上がる状態で、一向にやむ気配はない。
(略)

臨床薬理学会がTBSに抗議文 スーツ姿で高額接待…CRCの描写は「侮辱」(2018年5月7日日本臨床薬理学会)

 日本臨床薬理学会は5月2日、TBS系ドラマ『ブラックペアン』で描かれている治験コーディネーター(CRC)像が事実とはかけ離れており、「CRCの心を折り、侮辱するもの」であるとの抗議文を、同学会フェイスブックページ上に公開した。抗議文は株式会社TBSテレビに送付するという。

 『ブラックペアン』は、海堂尊氏による小説を原作とした二宮和也さん主演の医療ドラマで、CRC役は加藤綾子さんが演じている。

 抗議文によると、問題となったのは第1話、第2話で描写されたCRCの姿だ。「治験コーディネーター」と呼ばれるこの役は、同学会が認定するCRC(臨床研究コ-ディネ-タ-)とほぼ同義と解釈できるが、製薬企業と契約するCRCがいると説明されていたり、医師たちに高額接待をしたり、高額な負担軽減費で患者に治験への参加を誘導したりするなど、誤解を招く描写があるという。

 抗議文は、CRCという職種について、「スーツを着てかっこよくこなせる業務ではありません。担当医師を高級レストランで接待するCRCも100%おりません」と指摘し、治験参加患者に支払われる負担軽減費300万円という設定についても、「ほとんどのところで1回の来院当たり7000~8000円」であり、「この額なら治験参加の誘因にならないだろうと定められた背景がある」と反論。

 こうした描写はドラマの演出という言葉で片付けられないとして、「現在、患者さんのために、医療の発展のために真摯に努力しているCRCの心を折り、侮辱するものであったと感じる」と批判した上で、「CRCの使命、現状等を正しくご認識頂き、あまりにも現実と乖離した描写を避けて頂くよう希望する」と求めている。

今どきテレビ番組などを真面目に見る方もどうかしているのであって、ましてツッコミを入れるなど野暮であると言う声も無論少なくないのですが、興味深いのが原作小説は医師であり作家である海堂尊氏であると言う点です。
原作の小説は30年前の設定でそもそもCRCなどと言う存在は登場しておらず、完全にドラマオリジナルのキャラクターなのですが、当然ながらドラマ制作スタッフの意向が濃厚に反映されたキャラ造形であることは当然ですよね。
この点で原作者の海堂氏がどのような見解を有しているのか気になったのですが、調べた限り撮影開始時に同席し役者の演技を褒めると言った記事くらいであまり目立った情報が見つかりませんでした。

ドラマ自体の出来については直接視聴していないので何とも言えないのですが、この件について医療現場からの抗議クレームは仕方ないとして、ドラマを作る側に近い立場の人々からも様々な苦言が続出しているようです。
わざわざドラマオリジナルキャラクターを登場させた以上、他の原作キャラ以上に詳しく下調べをすべきだったのに行えていなかったのは手落ちですが、この種のキャラはストーリー上の必要で登場させる場合が多いと聞きます。
言ってみれば求められた役割を果たせば用は足せる存在であるのに、あまりにリアリティを求めるとフィクションとして制約が多くなってしまうと言う意見もありますが、ただこの種のドラマの評価基準としてリアリティも大事ですよね。
現実世界にはあり得ないような展開が増えると興ざめして見る気も失せるとは関係者にこそ多いのでしょうが、その一線を越えて笑えるネタとして成立した番組も過去にあるだけに、制作陣の狙いがどこにあるのかが重要でしょう。

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コメント

ガーゼカウントしてレントゲンまで撮っても駄目ってきついですね。
大学病院でも起こるのか大学病院だから起こるのか。

投稿: ぽん太 | 2018年5月14日 (月) 08時06分

レントゲン画像のなかにガーゼが混入しているかを確認することこそ、AIがやった方がいい仕事じゃないかと思います。

投稿: クマ | 2018年5月14日 (月) 08時58分

その種のAIの活用は非常に望ましいことだと思うのですが、診療報酬上の手当でもない限り一般病院ではなかなか導入が難しそうに感じます。

投稿: 管理人nobu | 2018年5月14日 (月) 15時08分

ガーゼは丸めて患部に挿入するので、鋼線がうつるといってもクシャクシャに丸まった状態です。場所によってはかなり見えづらいわけです。
で、そのみえづらい画像をチェックするのが手術終わって疲弊している外科医なわけです。
遺残ガーゼがどのようにみえるのかという講習が体系的におこなわれているわけでなく、遺残ガーゼのレントゲン像をみたことない外科医もいるわけです。
レントゲン撮影すれば防ぐことができるという発想がリスクマネジメントができていない証拠で、チェック医師を増やしても手間が増えるだけで防ぐことは難しいかと思います。
すべて放射線科医がチェックするのが理想ですが、現実的ではなく、クマさんの意見のAI活用がある種の突破口になるのではと思います。

投稿: ぼんくら外科医 | 2018年5月15日 (火) 23時14分

パターン認識しやすいマーカーを編みこむとかやりようはあるはずだ

投稿: | 2018年5月16日 (水) 08時32分

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