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2018年5月16日 (水)

トラック業界では事業者に寝不足チェックを義務付け

ちょうど働き方改革関連法案の審議が進んでいる中で、興味深いニュースが報じられています。

睡眠不足は乗務禁止 トラックやバス、6月から義務化(2018年5月14日朝日新聞)

 トラックやバスの運転手は6月から、乗務前に必ず睡眠状態のチェックを受け、不足の場合は乗務できなくなる。輸送業界は人手不足が深刻で、運転手が過酷な勤務を強いられ睡眠不足による事故も目立つことから、国土交通省が事業者への義務化を決めた。

 貨物自動車運送事業法などに基づく省令を改め、事業者がドライバーを乗務させてはならない項目に「睡眠不足」を新たに盛り込む。「疾病」や「疲労」などはあったが、睡眠不足は明記されていなかった。

 事業者は、乗務前に運転手の健康状態や飲酒の有無などを確認する「点呼」の際に睡眠が十分かを確認することが義務となる。睡眠時間には個人差があるため具体的な時間についての基準は定められていないが、睡眠不足のまま乗務を許可したと認定されれば運行停止など行政処分の対象となるため、事業者は厳しい対応を求められる。具体的には、運転手と対面などでやり取りし、睡眠不足による集中力低下など安全に支障がでる状態にないか丁寧に確認して結果を記録として残さなければならない。

 ドライバー側に対しても、睡眠不足についての正直な申告を義務化する。

バス・トラックで「睡眠不足」は乗務禁止へ…“人手不足”と“明確な基準”が課題か(2018年5月14日IRORIO)

バス・タクシー・トラック事業で6月1日から、「睡眠不足」状態の運転手を乗務させることが禁止される。
旅客自動車運送事業運輸規則などを改正し、「睡眠不足の乗務員を乗務させてはならない」ことを明確化。また、点呼簿の記録時刻に「睡眠不足」の状況を追加する。
事業主に対して、乗務員を乗務させてはならない事由等に「睡眠不足」を加え、乗務前などに行う点呼の確認事項に「睡眠不足で安全な運転をすることができないおそれの有無」を追加。点呼時の記録事項にも「睡眠不足の状況」を加える。
(略)
睡眠不足の運転手を乗務させてはならないと明確化することで、「睡眠不足による事故防止」と「働き方改革」に繋げる狙いだ。

国土交通省が2017年に行ったアンケートによると、バス運転手の4分の1は睡眠時間が1日5時間未満
また、全日本トラック協会によると、トラックドライバーの年間労働時間は全産業平均より約2割長く、常態化した長時間労働が睡眠不足や休養時間不足になり健康に悪影響を及ぼしているという。
睡眠不足に起因するとみられるバスやトラックの事故もたびたび発生しており、運転手の労働環境の改善が課題とされている。
(略)
高速バスなどを運行する「WILLER EXPRESS(ウィラーエクスプレス)」は2016年から、走行中の運転手の脳波を計測し、自分でも気づかない疲れや眠気の予兆を検知して本人に知らせる運転者用眠気検知機器「FEELythm(フィーリズム)」を導入。
導入後、事故による車両損傷額が74%低下するなどの効果が出たという。
同社は他にも、乗務員の宿泊棟を新設するなど、さまざまな角度から安心・安全なサービスの提供に取り組んでいる。
事業主の確認だけでなく、同社のような取り組みを検討しても良いかもしれない。

交通事故の原因は多種多様ですが、業務で日常的に運行しているプロドライバーが睡眠不足であれば周囲も不安でしょうし、ましてや大型車両となれば事故時の影響も小さくないものがあります。
「睡眠不足で安全な運転をすることができない」状態を客観的に定義することが難しく、事業所によってその判断は分かれそうですが、睡眠不足による事故を起こした場合今後事業者が責任が問われるのでしょうか。
いずれにせよ単に労働者の自主的な努力に委ねるのみならず、雇用者側への義務として課した点で睡眠不足状態をどう解釈するのか、各事業所がどのように対応するのかは注目されます。

このニュースで注目されるのはプロドライバーの労働環境が厳しく、また過労や睡眠不足によって重大な社会的影響が起こり得ることが規制強化の理由になっている点ですが、同様の事情があるのは他業界も同じです。
ドライバーに対してはこうした保護政策を打ち出しておいて、他業種での睡眠不足をスルーするのでは職業間の平等性が問われますが、医療業界などまさに導入が待望される業界の一つと言えますよね。
誰しも寝不足でふらふらの医師に診療して欲しくないのは当然で、各病院に睡眠不足のチェックを義務づければどうかと思うのですが、この場合どの時点でチェックするのが妥当なのかと言う問題があります。
業務開始時では日勤・当直・日勤の連続勤務をしている多くの医師にとって、当直明けの一番眠い時間帯がスルーされかねないわけですが、各業界の事情に沿った実効性ある対策は一律の手法では難しそうです。

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コメント

大学病院で奴隷研修医やっていた20数年前、スッチー(当時既にCAだっけかw?)がバイトおkにしよう!って提言がなされた際、建設大臣(当時)の亀井静香さんが「保安要員たる客室乗務員がバイトなのは如何なものか?」みたいな事をおっしゃってまして、それテレビで見てたオーベンの先生方、「オレ達はいいのかw?」

今も昔も厚生労働省は意識低いっつーか3流省庁っつーか…。

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2018年5月16日 (水) 09時45分

医者のほうが運ちゃんよりずっと多くの人を死なせてるのは事実

投稿: | 2018年5月16日 (水) 12時12分

↑だったらなおの事、医者の睡眠不足が野放しなのはマズイのでわw?

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2018年5月16日 (水) 12時51分

医師に関するこうした規制導入に一部医療系団体などがどう反対するかを予想するところ、それでは現状の医療体制を維持できないと言ったものになるのではないかと言う気がします。
医療に限らず時代に合わせて物事は変化していくのが当然であり、現状維持をそこまで金科玉条とすべきほど素晴らしい状況であるとも思えないのですが。

投稿: 管理人nobu | 2018年5月16日 (水) 19時33分

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