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2018年3月22日 (木)

国がとうとうクレーマー対策に乗り出す

本日まずは先日話題になっていたこちらのニュースから紹介してみましょう。

「工事の騒音で園児がおびえる」 マンション建設差し止め求め、幼稚園が申し立て(2018年3月13日産経新聞)

 名古屋市中区にある幼稚園の南隣で建設が進む15階建てマンションを巡り、工事の騒音で園児がおびえているほか、完成後は日差しが遮られてしまうとして、「名古屋教会幼稚園」の職員や運営する宗教法人が13日、工事差し止めを求める仮処分を名古屋地裁に申し立てた。

 申立書によると、建設地は商業地域で、建築基準法による日影規制の対象ではないものの、実態は対象となる住居地域に当たると主張。園児が工事の騒音や振動におびえ、粉じんにせき込んだりしているほか、完成後の園庭は一日中、日光が差し込まず、園児らが被る不利益は限度を超えるとしている。

 幼稚園には3~6歳の園児約40人がおり、午後は小学生の学童保育も行う。石原ゆかり園長(57)は「足場を組んでいる隣で子どもたちは遊んでいる。なぜ子どもたちが危険にさらされなければならないのか」と訴えている。

 建設を計画した不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の名古屋支店は「申し立ての内容を把握しておらず、コメントは差し控えたい」としている。

このところ全国各地で地域の住民が中心となって、保育園の騒音がうるさいと建設取りやめを訴える動きが拡がっているのは周知の通りですが、今回のケースは言ってみればその逆バージョンのような話でしょうか。
訴訟の理由として挙げられている様々な被害に関して、どこまで本気で心配しているのかは何とも言えないのですが、想像するに最も大きな理由としては完成後にも永続する日照問題なのではないかと言う気がします。
とは言え保育園建設差し止め問題と同様、これまた世間からはそれを言い出したら何も出来なくなるのではと言う声も挙がっているのも事実ですが、さてこの種の訴えがどこまでありなのかは判断の難しいところですね。
以前から高校野球の応援がうるさいと球場に怒鳴り込む住民の存在は報じられていましたし、先日は救急隊員が水分補給で飲み物を買っていたところ市民からクレームが入ったと言う、よく判らないニュースもありました。
こうした風潮の延長線上にあると言うことでしょうか、どこの業界でもクレーマー、モンスターと呼ばれる悪質顧客対策にも頭を悩ませていると思いますが、先日とうとう国がクレーマー対策に乗り出したと報じられていました。

悪質クレームに国が対策へ 顧客暴言などパワハラ報告書明記(2018年3月15日産経新聞)

 顧客からの暴言や脅迫など「悪質クレーム」に店の従業員らが悩んでいる問題について、厚生労働省が対策の検討に着手したことが14日、分かった。月内にもまとめる職場のパワーハラスメント防止に関する報告書案の中に、同じ職場の悩みとして「カスタマー(顧客)ハラスメント」を明記する。ただ刑法などに抵触しない限り、悪質性を判断するのは難しく、規制に踏み込めるかは不透明だ。

 厚労省は昨年5月、上司や同僚らによるパワハラ防止のための有識者検討会を設置。政府の「働き方改革」の一環として、予防や解決に向けた報告書の作成を目指している。
 一方で、同省には悪質クレームに対する被害の声が多く届くようになり、労働者の安全への配慮が求められる点で、「客からの迷惑行為は職場のパワハラと類似性がある」とし、職場環境の改善に必要との認識を持ったという。

 パワハラの報告書にカスタマーハラスメントの項目を盛り込むのも、有識者から「客だから何をしてもいいと思うようなところがある。広くそれらがハラスメントの問題であることを周知する意義がある」という意見があるためだ。
 しかし、悪質クレームはパワハラと比べて実効性のある予防策を講じることは難しい。客の要望に応じないことや、客に何か対応を要求することは事業の妨げになる場合があるという。

 厚労省が今年1月までに4社を対象に聞き取り調査したところ、「何が顧客からのハラスメントに該当するか判断基準を設けることは困難」「企業と消費者のクレームに関する紛争を仲裁する第三者機関があれば企業として対応しやすい」などの声が聞かれた。その上で、職場に悪質クレームの悩みを相談する窓口を設置するなど、客からの迷惑行為にどのような取り組みが必要かを検討していくという。

 労働組合UAゼンセンが昨年11月に公表した調査によると、スーパーマーケットやコンビニなどの従業員の約7割が悪質クレームを受けていることが判明。具体的な被害として、「バカ」「死ね」などと暴言を受けたり、買い物かごや小銭を投げられたりした事例もあった。
 ゼンセンは悪質クレームが「働く魅力を阻害し働き手不足をもたらす」として、法規制の導入など対策強化を厚労省に要請していた。

しかし穿った見方をすれば、昨今国や各省庁でもさぞやクレーマーに悩まされているに違いないなどと言う声もあるやなしやですが、いずれにせよこの種のクレーマー問題が今や社会的に無視出来ない大きなものだと言えますね。
どの業界でもクレーム顧客対応に頭を悩ませた経験のあるスタッフは少なくないと思いますが、特に専門の苦情受け付け窓口のスタッフなどは心折れる仕事なのだそうで、それがために離職を余儀なくされるケースもあるようです。
もちろん企業全体として見ればそのために浪費されたマンパワーが大いに生産性を低下させているわけで、ただでさえ人材不足と厳しい価格競争で四苦八苦している企業にとってはダブルパンチの大損害でしょう。

ただ何をクレーマーと認定するのか、どうやって対策をするのかと言う問題はあるかと思うのですが、前者に関しては一定程度以上のクレームが続いた場合これ以上はクレーマー認定すると警告を与えると言うことになるでしょうか。
そうした警告自体が相手を激高させる副作用も確かにあるでしょうが、どこかで基準を設けてそれを越えた場合には通常顧客対応からクレーマー対応に切り替えると言うのは、組織防衛上仕方のないところだと思います。
国が具体的な行為などを列挙した認定のガイドラインなりを用意できればいいのでしょうが、本当のクレーマーの場合こうしたガイドラインの内容を知った上で、敢えて引っかからないように動いてくる可能性もありますね。
この辺りは反社会的団体対策で各種法律が整備されても、団体側でもそれに対応して活動の在り方を変化させてきた歴史と全く同様ですが、少なくとも一線を越えた場合厳正に対処するルールは徹底すべきでしょう。

本物のクレーマーの場合、当然ながら特定企業・団体だけでなくあちらこちらに絡んでいるもので、中にはそれによって生活の糧を得ているプロクレーマーとでも言うべき方々もいらっしゃるとも側聞します。
金融関係などのいわゆるブラックリストなどと同様、この方面でも全国的に情報を共有出来れば対策も講じやすいかと思うのですが、クレームはどこにでもつくだけに情報をどこまでの範囲に開示すべきかは難しい問題です。
例えば強要罪、脅迫罪の疑いありのケースで警察に相談があった場合など、警察の側で常習クレーマーかを検索し常習者には早期に対応すると言った使い方もありそうですが、当然世間からの反発もあるでしょう。
誰でも一歩間違えばクレーマー認定される恐さを重視するか、一人のクレーマーがいれば周囲の多くの顧客が迷惑することを重視するかですが、日常的な実例などが多く報じられるようになれば流れも変わるかも知れませんね。


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コメント

そんなことでへこたれるクレーマーはしょせん小物

投稿: | 2018年3月22日 (木) 09時38分

アメリカなどでは非常に割り切った対応をしているのだそうですが、日本もそろそろ顧客とクレーマーとの間に明確な一線を引いた対応が必要なのかもしれません。

投稿: 管理人nobu | 2018年3月22日 (木) 18時55分

呼ばれた気がしたので…w

もう7~8年前ですが、買ったばかりの車を釘かなんかで傷だらけにされた事があって、セキュリティ会社に頼んで監視カメラを導入してるんですが、先日、近所で声掛け事件があって警察が映像確認に来たんですが…映ってねぇw。

セキュリティ会社に言ったら検証の為ハードディスク引き取って言ったものの1週間くらい音沙汰なし、現状飾りじゃないかぁ!ってんで半切れしながら電話したら
「壊れてたw修理に3万8000円ww何年も経ってるし点検もしてないから当然www修理費出すなら修理してもらうはwwww」みたいな事しれっと抜かしやがるんでぷちっとキテ、

1)点検が必要なんて導入時も、2年前の夏に外で飼ってたキリギリスとアカミミガメがギられた(余所者らしき見知らぬガキの仕業だった。監視カメラにはしっかり映っていて警察にも届けたけどその後音沙汰なし)時も聞いてない。常識?そんな常識は知らん!
2)とっとと代替え品を寄越せ!それとも今泥棒に入られたらおたくが弁償してくれるのか!?
3)修理費は出してやるが上記、納得のいくように説明しろ!!!

2~3日後モニター(サムソンw)と一緒に持って来て再セット。「モニターないと今回みたく壊れの気が付かないから(今までは有事に確認すればいいやwってんで置いてなかったw)置いて行きます。最初にちゃんとお奨めすべきでした…」って帰って行きました。

修理代もモニター代も何も言わなかったから払わなくていいよねw?って思ってたら後日修理代はしっかり請求されました。まあモニターはサービスしてくれたんで今回はこのくらいで勘弁してやらぁ!!

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2018年3月23日 (金) 10時09分

ドロッポ師匠。もうちょっと住む場所を選ばないと。楽しんでおられるなら、それもありですが。

投稿: 麻酔フリーター | 2018年3月23日 (金) 12時00分

ふ…普段はのんびりした田舎町だし、目の前が小学校だし、歩いて3分でスーパー、5分で特急が止まる駅だし、目の前のドブ川でウナギやスッポンが獲れるし、自転車で5分の河口&海でスズキやチヌやウナギが釣れるし、ハヤブサやミサゴはいるし、カブトガニもいるし、100坪の豪邸(ただし築50年)だし、親父の所有物で家賃タダだし…(震え声

まあ最大の理由は河川工事に引っかかってるもんで、住んでないと立ち退き料が頂けないんですよ。尤も話が出て既に30年以上、ようやく最下流部で頑張ってた医院の立ち退き同意が取れたとかそんなレベルですから私が生存中に実現するかは正直微妙です。

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2018年3月24日 (土) 09時38分

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