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2018年3月 9日 (金)

盗っ人猛々しいを地で行ったサイトが話題に

昨今ネット上での炎上騒動は珍しいものではありませんが、先日盛大に炎上したこちらの一件をご存知でしょうか。

「当然の対価」求める漫画家に注文 「無料で見せられる努力を」ツイートが炎上(2018年2月16日J-CASTニュース)

   日本漫画家協会が公式サイトで発表した「海賊版サイトについての見解」とする声明が、漫画読者の界隈で議論を広げている。
   海賊版サイトを読むことは「泥棒にもっと盗んでこいと応援してる」ようなもの――。漫画家の宮尾岳さんがツイッターでそう発信したところ、一般のあるユーザーが「そういうこと言うなら無料で見せられるよう努力してください」とリプライ。ネットでは、このツイートが物議を醸すこととなった。

   海賊版サイトは、人気の漫画や雑誌の最新号を著作者の許可なくアップロードしている。無料で読めるため2017年ごろからじわじわと注目を集めているが、漫画家からは懸念の声が続出していた。
   「こんな海賊版サイトがはびこると、いくら努力して面白い作品を描いても漫画家は仕事になりません」。『あしたのジョー』作者のちばてつやさんは、ブログでそう訴えた。「海賊版に対する反発(憎悪)を持つ作家や読者は非常に多く、その方向性は率直にアピールしていくべき」と、『魔法先生ネギま!』作者の赤松健さんもツイッターに投稿した。
   そんな中、日本漫画家協会は18年2月13日に公式サイトで「このままの状態が続けば、日本のいろいろな文化が体力を削られてしまい、ついには滅びてしまう」と声明を発表。海賊版サイトの利用に警鐘を鳴らした。

   ただ、漫画家たちのこうした切実な声には、納得できないという反応を示す声も一部から寄せられた。
   『アオバ自転車店といこうよ!』作者の宮尾岳さんが2月15日、「僕ら商業誌の漫画家は『漫画を描いて生きて行く』と決めた人間だ。(略)働いたことに対価を求めるのは全ての職業の常識だ」とツイッターに投稿し、
    「漫画の海賊版とは『創作することに何の努力も行動もしなかった奴が、無断でタダでばら撒き、作家を殺していく』という悪業だ。それを喜んで読むと言う事は『悪業の後押し』だよ。泥棒にもっと盗んでこいと応援してるんだ」
と持論を展開したところ、ある一般のユーザーが
    「そういうこと言うなら無料で見せられるよう努力してください。企業努力や作家の努力が足りません
とのリプライを飛ばしたのだ。

   このリプライをめぐっては、ツイッター上で
    「何処を読んだらそういう返答をするのか理解に苦しみますが、この世にコストの掛からないものはありません
    「失礼とかいう域を超えてるわ」
    「企業努力で無料はできても作家の努力で無料はできんでしょ」
    「読む人間の『努力=金を払うこと』が足りませんね」
批判の声が噴出。投稿者は2月16日朝までにツイッターアカウントを削除した。
   この投稿者に言及したのか定かではないものの、『最終教師』作者の漫画家・山本貴嗣さんはツイッターで「『企業努力』という単語があるけど『消費者努力』ってのもあるんですよね、言われないだけでw(たぶん)」と投稿した。

   ただ一般のネットユーザーには、削除ツイートの内容に危機感を覚えた人も少なくないようだ。ツイッターには、
    「これは本物だと頭を抱えたのでまぁいろいろ根が深いものを感じましたね」
    「本当にクールジャパンの為にはキチンとコンテンツに課金させるところから子供の教育を始めないといけないと思う」
    「知り合いも漫画はただで読むものだと思ってるので、状態はかなり深刻だと思います」
との声も巻き起こっている。

この種の海賊版に関しては昔から幾らでもある話で、ひと頃某国で買い物をすると無断コピーの偽ブランド品ばかりなどと言われていたそうですが、この場合知的生産活動に対する対価の意識が薄いと言うことでしょうか。
特に日本の場合モノに対する対価は支払っても、他人の労働行為そのものへの対価は支払いたがらない人が多いとも言い、その理由の一つにチップなどサービス料を直接支払う制度がないことを挙げる人もいるようです。
その説の真偽はともかく、漫画などはよほど売れっ子にならなければ儲からないそうで、わずかばかりの収入を海賊版でさらに目減りされたのでは、それを生活の糧としていこうと言う人が増えるはずもないのは当然ですね。

事が漫画など必ずしも生活必需品ではないものであれば、別になくなってもいいのではないかと言う意見もあるかも知れませんが、他人の労働に正当な対価を支払うと言う当たり前の行動原理が破綻した場合、世の中がどうなるのかです。
医療の世界もその大部分は知識や技能と言った目に見えないものを売り物にしていると言えますが、「今日は薬が出なかったから支払わない」と言う人も実際にいますし、そもそも医療行為そのものに対する診療報酬は極めて低く抑えられていると言う点で、全く他人事ではありません。
ただこの場合馬鹿げた考えを生産者に押しつけようとした一消費者が批判されたと言うだけに過ぎないとも言えば言えるのですが、その余波が収まることもない間に火に油を注ぐようなニュースが出てきました。

漫画村、有料版「漫画村プロ」開始へ 早くも批判の声「盗人猛々しい」「超えてはいけない領域」(2018年3月5日BIGLOBEニュース)

無料で漫画などを閲覧できるサイト「漫画村」が、有料版「漫画村プロ」を開始することがわかった。
漫画村は、漫画雑誌やコミックス、写真集などが無料で閲覧できるサイト。その多くは出版社の許可を得ていないため、海賊版サイトの1つと呼ばれているが、漫画村は自らのサーバーに画像を保管していないため違法ではないなどと主張している。
漫画村には漫画家をはじめとして多くの批判が集まっているが、そのことを逆に「漫画家さんが無料で広告してくれた」と皮肉。利用者は2ヵ月で1.8倍にも増加し、向上した維持費を賄うために無料版に加え、有料版を提供するという。「漫画村プロ」では、全ての広告を除去し、アダルト作品の非表示選択、ZIP形式での画像ダウンロードなどの機能を提供。また、3人まで同時に使用ができ、無料版と分離した安定したサーバーで閲覧することができるという。「漫画村プロ」の提供は4月から5月を予定している。

これまでも問題が指摘されてきた漫画村が有料版まで開始することに、ネットでは早くも批判の声が多数寄せられている。「盗人猛々しい」「今まででもアウトなのに人の漫画で課金とな」「隣の畑から野菜取ってきたから売るぜ!生産者のことは知らないけどな!みたいなことか」「作者になんのメリットもないじゃん」「そこまでするならWEB漫画でちゃんと契約しちまえよ」「超えてはいけない領域に達した」「稼げる間に稼いで逃げきるもりかな」「利用者側も取り締まらないとだめだろ」
海賊版サイトをめぐっては、日本漫画家協会が2月に利用しないよう呼びかける声明を発表。「全く創作の努力に加わっていない海賊版サイトなどが、利益をむさぼっている」と指摘し、「このままの状態が続けば、日本のいろいろな文化が体力を削られてしまい、ついには滅びてしまうことでしょう」との懸念を示している。

相次ぐ批判が「無料の広告」に? 海賊版漫画サイト問題(2018年3月5日ITmedia)

 漫画などの違法海賊版サイト「漫画村」の運営者が3月5日、「2カ月でユーザー数が1.8倍になり、Twitterの利用者数(月間4500万人)を超えた」などとWebサイトに掲載し、“有料版”サービスの計画を発表した。ネット上では「盗っ人猛々しい」などと非難する声が上がっている。

 漫画村は漫画の単行本や雑誌を“無料”で公開しているWebサイト。こうしたサイトに掲載されている作品の多くが著作権者に許可を得ていない無断アップロードであり、著作権者や出版社の影響は甚大だ。今年に入り、日本漫画家協会が「全く創作の努力に加わっていない海賊版サイトなどが、利益をむさぼっている」と批判する声明を発表したほか、漫画家個人がTwitterなどで相次いで批判している。
 だが漫画村の運営者は「漫画家さんが無料で広告してくれたおかげで漫画村のユーザーが増えた」とうそぶく。公表したユーザー数が事実かどうかは判断できないが、著作権者や出版社の必死の訴えは、むしろ海賊版サイトの知名度を上げる結果になってしまった側面もあるようだ。

 なぜ批判がユーザー数増につながるのか。社会心理学の見地から「影響力」について説明する「影響力の武器 実践編」(誠信書房)に、示唆に富む例が挙げられている。
(略)
 漫画村に対する批判も似たような側面がある。「多くの人が漫画村を利用していて、出版社や著作権者に影響を与えている」という訴えは、むしろ「多くの人が漫画村を利用している=自分も利用してよい」と受け取られかねない。今回運営者がサービス利用者数を「Twitterを超えた」と発表したのも、「多くの人が使っている」というメッセージを発信することが狙いだろう。
 では、どのような訴えなら、このようなネガティブな影響を及ぼしにくいのか。「影響力の武器 実践編」では、「月例会議の欠席者が多いことに頭を悩ませている管理職」というケースが紹介されている。「実際には大多数の人が出席していることを指摘して、欠席者は少数派だという事実を強調する」のがポイントだという。

しかしよく堂々とやるものだと感心するのですが、ネット上ではこれだけ利用者が増えているにも関わらず、海賊版サイトの行為を擁護する声はほとんど見られないと言う興味深い現象も指摘されています。
当然ながら著作権違反の違法行為であるだけに、近く摘発の手が入りそうだという噂も出ているのですが、しかし今回たまたま特定サイトが話題になっただけで、国内外にこの種のサイトなど無数にあるわけです。
しかもネット検索をすればどんな零細サイトに収録された作品でも自由に検索して読めるだけに、特定サイトを閉鎖に追い込んだとしてもあまり意味がないと言う予想も出来ますね。

本質的な解決策について何か方法論があるのかですが、例えば児童ポルノなどと同様利用車側に対する規制の強化と言う道もありますが、当然ながらこれには反対意見も半端ないでしょう。
著作権違反があった場合、検索サイトに申告して当該サイトの削除を依頼することも出来るのですが、名前や依頼内容が公表されることに加え、そもそも大手検索サイト自身が以前から著作権違反ではないかと問題視されてきた経緯もあります。
また海賊版サイトを閲覧することで好ましからざるお土産を仕込まれてしまうと言うリスクもありますが、そもそも違法サイトを利用しているのですからこの種のリスクはあって当然で、利用する側も相応の覚悟がいると言うことでしょう。


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さっさとパクれ

投稿: | 2018年3月 9日 (金) 08時38分

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