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2018年3月

2018年3月29日 (木)

誰もが頭を悩ませているあの問題で国が方針転換

以前から多くの人々を悩ませ続け、このところ情報アップデートの必要性が言われていた問題について、とうとう国がこんなコメントを出したと報じられていました。

「パスワードの定期変更は不要」総務省が呼びかけ改める(2018年3月28日NHK)

インターネットのパスワードを定期的に変更するよう呼びかけてきた総務省は、変更のしかたによってはかえって不正アクセスを受けやすくなるとして、安全なパスワードの場合は定期的に変更する必要はないと呼びかけの内容を改めています。

総務省はインターネットの安全な利用法に関するサイトの中で、パスワードの定期的な変更を呼びかけてきました。
しかし去年11月、この呼びかけの内容を、「定期的に変更する必要はない」に改めました。
その理由について総務省は、パスワードを定期的に変更すると、かえってパスワードの作り方がパターン化したり、複数のサイトで同じパスワードが使い回されるおそれが高まったりして、不正アクセスを受けやすくなるためとしています。

これは「内閣サイバーセキュリティセンター」などが示した考え方に基づいた対応で、パスワードが十分な長さになっていることなどを前提に、定期的な変更は必要ないとしています。
一方で、情報の流出が疑われる場合はパスワードをすぐ変更するよう呼びかけているほか、複数のサイトで同じパスワードを使い回さないよう促しています。
総務省サイバーセキュリティ課の豊重巨之課長補佐は「引き続きインターネットの適切な利用方法を周知していきたい」と話しています。

パスワードの一つや二つなら凝ったものを考えられても、全てのサイトで定期的に強度の高いものばかりを更新し続けるのは無理と言うもので、次第に簡単なものばかりになるだろうことは素人でも判りますよね。
昨年夏のことですが、広く用いられている米国立標準技術研究所(NIST)のルールを策定したBill Burr氏が、自らまとめた90日毎のパスワード変更などを求める手順書が間違っていたと告白し話題になっていました。
古いルールに基づいたNISTの手順書はすでに書き改められており、なるべく長いパスワードを利用すること、変更するのは90日ごとではなくパスワードが流出した場合のみと言った新たなルールが公開されています。
とは言えBurr氏自身が語っているように、一度間違った対策が世界的に広まってしまっている以上、新たな対策が世界中で標準的なものとなるのにどれだけの年月が必要なのか、見当も付かないところでしょう。

当面は相変わらず定期的なパスワード変更を要求する管理者との地道な戦いが続くのだろうし、システム上の変更なども必要なのでしょうが、実際のところ安全なネットセキュリティーとはどのようなものなのかです。
複数のサービスで同じパスワードを使い回さないとはよく聞く対策ですが、実際にあるサービスから入手したセキュリティ情報を他のサービスで使ってみると言うことは、ハッキングの常套手段として使われているそうです。
また世の中には何億件もの流出パスワードリストと言うものがあり、これを片っ端から試して見ると言ったやり方もあるようですが、流出回数が多いとは誰でも思いつく安易なパスワードであるとも言えます。
最近は複数の方法を組み合わせた多段階認証だとか、USBメモリを差すだけでパスワードが自動入力されると言った方法もあるようですが、利便性もさることながらシステム側での対応が必要なものは汎用性に問題がありますね。
いずれにせよセキュリティの基本はハード・ソフト面での対策よりもスタッフ教育であることは変わりないので、パスワードをメモ書きして張っておく等々の残念な振る舞いにはくれぐれも注意いただきたいところです。


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2018年3月28日 (水)

法令遵守の徹底に業界団体が必死の抵抗

医師の働き方改革の推進が図られる中で、特に医療業界内部の一部の方々からは医師の特異性と言うことが盛んに叫ばれていますが、先日対照的とも言える記事が出ていたので紹介してみましょう。

「医師は長時間が当たり前」を押し付けるな 元労働基準監督官で社会保険労務士の原論氏に聞く(2018年3月24日日経メディカル)

 医師の働き方改革のあり方を巡っては、時間外労働の上限設定などを厚生労働省の検討会で議論中で、2019年3月末までに結論が示される予定だ。だが、労働基準監督署による全国の医療機関への立入調査が相次ぎ、医療界は右往左往している。かつて病院にも立入調査に入ったことのある元労働基準監督官の原論氏(原労務安全衛生管理コンサルタント事務所代表、社会保険労務士)に話を聞いた。
(略)
――2018年に入り、北里大学病院、杏林大学医学部付属病院へ労働基準監督署(以下、労基署)の立入調査が行われたことが相次いで新聞で報道された。
原 どこの病院にも労基署が入る可能性があると考えておいた方がよいだろう。労基署の立入調査は決して特別なことではなく、長時間労働がまん延している全ての医療機関は、いつ労基署が調査に入ってもおかしくない
 働き方改革の一環で、2016 年に首相官邸の意向を受けた厚労省が、月80 時間超の時間外労働の疑いがある全ての事業場を監督対象にするよう各労働局に指示を行った。80 時間以上の時間外労働を行っているという情報が寄せられれば、医療機関に限らず、労基署はその全てに監督指導を行う。医療機関の中には80 時間を超える勤務が可能となる特別条項付き36 (サブロク)協定を締結している例が多く、長年、長時間労働が常態化している。その上、昨今の医療機関での過労死問題などもあり、労基署からにらまれやすい
(略)
――病院への立入調査は、いわゆる旧労働省と旧厚生省が結託して行っているのではないかと、病院関係者は疑心暗鬼になっている。
原 私が聞いている限り、連携していることは全くなさそうだ。厚生労働省内の運営方針を定める際には両者が調整しているだろうが、 個別の病院の問題に関しては全く連携はない。

――医療界における働き方改革のあり方は、厚生労働省に2017年夏に設置された検討会で議論されている。医師の働き方改革の論点をどのように考えているか。
原 2017年3月の「働き方改革実行計画」で示された、罰則付きで時間外労働の上限を設けるという考え方は、長時間労働が常態化していた事業所にとって非常に厳しい規制となる。医師に関しては、5年間の猶予を設定することで、どうにか計画に盛り込ませた経緯がある。猶予期間設定の対象となったのは、医師の他に自動車運転手や建設業などがあるが、これらの職種は過重労働による労災請求事案が多い業種でもあり、猶予を与えている状況ではないのではないかという意見もある。また、国会での審議次第では、猶予期間がなくなる可能性もある。
(略)
 一方で医療界は、他業種と比べて労働条件整備の義務感に欠ける印象がある。特に大学病院は研修医の養成などを口実に、労働基準法遵守の意識が低いように思う。長時間労働の問題と、多数の医師の過労死問題などが表に出てくる中、結局のところ応招義務とのせめぎ合いのようになってしまっている。個人的には、「適正な医療」は「適正な勤務環境」の中からしか生まれないと思っている。医療過誤防止の観点からは、長時間労働の医師に応招義務を課すのは酷である。病院団体のトップが「医師は労働者ではない」などと言っているようでは、管理者側と勤務医側の意識のかい離はどんどん進んでいくだろう。
 最近も「地域医療を守る病院協議会」が、検討会での結論が出るまでは労基署の指導を控えるべきだと主張しており、驚いた。今の管理者クラスの医師は、研修医時代に叩き込まれた「医師は長時間が当たり前」という“洗脳”から抜け出せていない。今の医師にもそれを強要することが、さも当然であるかのように語っている状況を私は危惧している。
 厚生労働省は3月、検討会でまとめられた医師の時短のために行うべき「緊急的取り組み」の通知を出し、医師の労働時間管理の適正化に向け、医師の労働時間の客観的な把握を求めることなどを盛り込んだ(関連記事:時短に向け他職種へ委譲すべき9つの業務を明示)。この取り組み自体は非常に評価できるが、今の医療界の意識が変わらないのであれば、何らかの抜け道を探すだけになってしまうのではないかと心配している。
(略)
――大学病院で働く助教以上には「専門業務型裁量労働制」が実態に即しているとの意見が多い(参考記事)。
原 医師の場合、応招義務があるために患者最優先となり、自分の裁量などなくなってしまう。研究だけを行う者であれば、裁量労働制は法令や通達上問題ないが、診療を行い、担当患者を持つことになるのであれば事実上、専門業務型裁量労働制の採用は不可能だろう。そもそも、裁量労働制は労働時間のみなし制度であって、労働時間短縮につながるような制度ではない。仕事の進め方に裁量があったとしても、仕事量には裁量がない。さらに医師には応招義務まであることから、裁量労働制が医師の長時間労働を解決する方策ではなく、時間外手当に上限を設ける制度という経営側の救済制度にしかならない。今国会での議論の状況を踏まえても、今後、医療機関に限らず、専門業務型裁量労働制の拡大は、困難だと私は見ている。


「今の労基法はおかしい」日医今村副会長(2018年3月26日医療維新)

 日本医師会副会長の今村聡氏は3月25日の第141回日医臨時代議員会で、医師の働き方改革の議論や、その一方で労働基準監督署が次々と医療機関に指導・監査に入る現状について、「今の労働基準法はそもそもおかしい。働き方改革はそれを見直す一つの機会だ」と述べた。今後、日医内に厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」の構成員や若手医師をメンバーとする会議を設置し、医師とは何か、医師の働き方とはどのようなものかといったことについて提言していく考えを示した。
 北海道代議員の小熊豊氏、新潟県代議員の小池哲雄氏の代表質問に答えた。

 小熊氏は、医師は労基法を「守らない」のではなく、医師不足や偏在のために「守っていては患者を救えない」ことや、医療がこうした法規違反を前提に成り立ってきたとの考えを強調。労基署が地域医療や病院経営には配慮せず、労働者としての医師の権利や健康を守るのみとの考えで「公的病院や大学、大病院に見せしめ的に立ち入り調査し、巨額の賦課を課すやり方は許されるのか」と指摘。
 小池氏も、大多数の医師が研究や学会発表の準備、自己研さんを労働時間とは考えてこなかったが、労基署は病院内で行われるこうした行為や、各種会議やカンファレンスなど疑義解釈では労働時間と見なさないとされているものも全て労働時間として算定していると指摘。両者とも、こうした状況を正すために、厚生労働省や労基署への日医の積極的な働きかけを求めた。
 個人質問でも、大阪府代議員の阪本栄氏が、労基署の指導・監査や改善命令で地域医療に影響が出ていることについての日医の見解を質した。日医常任理事の市川朝洋氏は、労基署の指導や監査は、定期的に行うものと労働者の申し出によるものがあり、後者が増えている現状を紹介。これを減らすためには基本的事項を確認し、取り組むことで労働者とのコミュニケーションを密にすることが必要とし、「労基法には医師の働き方に合わない点が多いのが現実だが、現行法がある以上勤務環境改善のための方策と捉え、取り組むことが求められる」と述べた。

 今村氏は、医師の献身的な働きによって地域医療が守られてきており、応招義務や自己研さん、地域社会への貢献など、通常の労働者と性格が全く異なっているとして、「今まで、労基法で通常の労働者と同じ扱いであったことが問題なのは間違いない」と指摘。社会問題となっている「働き方改革」の中で、医師のみ厚労省で検討会が別途設けられたこと自体が、「医師の特殊性を国が認めたからに他ならない」との見方も披露した。
 一方で、「いかなる状態で働くにしても、その医師の健康を守るという労働衛生の観点は欠かせない。医療現場が最も産業保健から取り残されていたのでは、という疑問は間違いなく、医療界としても反省が必要だと考える」ことも強調した。医師の健康は安全で良質な医療を提供するための必要条件であるとして、本人任せとせず産業保健の仕組みでしっかり管理することが不可欠だと指摘。現在の医師の働き方に全く無駄がないのか、医師が行わなくてもいい仕事をしていないかなど、衛生委員会を活用して検討することが求められているとして、「労働時間短縮の工夫ができないかを考えていく必要はあると思う」と述べた。
(略)
 福島県いわき市で2017年6月に「いわき市地域医療を守り育てる基本条例」(いわき市のホームページを参照)が施行され、地域医療についての基本理念や市、市民、医療機関等の役割が条例で定められていることを紹介。「地域医療を守るには医療提供者の努力だけでは解決できない。国を始め自治体が啓発活動に積極的に取り組み、各医療機関でも工夫することで住民の十分な理解を得ることが、長時間労働の是正に寄与する」と述べた。

どちらの立場が正しいのかと言った考え方で捉えるべき問題でもないのでしょうが、しかし同じ問題を別方向から見ているにしてもこうまで見事に考え方に差があると言うのは非常に興味深いことだと思いますね。
原論氏のコメントには非常に興味深い話が多く元記事から全文を参照いただければと思うのですが、別に大病院を見せしめ的に狙い撃ちしているわけではないとは、まさに日医などからこうした声が出ているのでしょうね。
「医療界は、他業種と比べて労働条件整備の義務感に欠ける印象がある」とはまさにその通りなのですが、日医や施設管理者クラスのエライ先生方が出すコメントなどはまさにそうした印象を裏打ちするものばかりです。
その点で「今の医療界の意識が変わらないのであれば、何らかの抜け道を探すだけになってしまう」とは極めて現実的な危惧ですが、一番の抜け道になりそうなのが何が労働時間なのかと言う議論ではないでしょうか。

この点で日医代議員会で出た「大多数の医師が研究や学会発表の準備、自己研さんを労働時間とは考えてこなかった」と言うことに関して、先日紹介した調査結果はなかなか興味深い現実を示しています。
研究や学会発表の準備などについて、理事長・院長と部長以下のスタッフとの間で業務にあたるかかどうかに大きな認識の乖離があり、各種会議やカンファレンスに関してスタッフの大多数が業務と見ていると言います。
先日から土曜日休診を決めた聖路加の福井院長は何が業務にあたるか事細かに労基署や厚労省に問いただしたそうですが、明確な定義はなく「現場で判断せざるを得ない」との結論に至ったそうです。
となると判断する主体である現場とは働かせる管理者なのか、働かされるスタッフなのかで全く結論が変わってしまう道理ですが、一般論として雇用者が勝手に決めた労働時間の定義で好き放題働かせることは許容されませんよね。

しかし日医代議員会の議論などを見ても感じることですが、労基法など無視してもいいのだと堂々と主張する割に、現状の根本原因とも言える応召義務など医療法規は聖域視して疑問も抱かないようですよね。
記事の最後の部分に取って付けたように労働環境改善も検討すべきだ的なコメントも出ていますが、しかし内容を見るとあまりにどうなのでしょう、前半部分と力の入れようが全く違いすぎるとしか言いようがありません。
仮に日医が医療業界の代弁者のように振る舞いたいのであれば、大多数の労働者としての医師の立場をどう守るかと言う観点からの議論も当然必要ですが、現状でそうした現場目線を持っているようには見えませんね。
ことさらに医師の特殊性を強調するばかりで、現場の感覚と乖離した主張ばかり繰り返す組織に現場の医師がシンパシーを感じるはずもないことは、日医の勤務医加入率の低迷ぶりが物語っているように思えます。

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2018年3月26日 (月)

仕事以外の人生がない方々が労働環境を左右する職場

働き方改革の推進で各地で労基署の活動が活発化していますが、その一方で実際の職場において必ずしも働き方改革が進んでいないと言う実態も明らかになっています。
その理由として全般的には人手不足が蔓延しており、業務量がマンパワーに比して過大であると言う背景事情が見え隠れするのですが、一方で職場内の目線として興味深い指摘もあるようです。

「終わるわけない仕事量」若手488人が挙げる残業減らない理由トップ5:「上司は仕事以外の人生がない」との声も(2018年3月16日ビジネスインサイダー)

「若い頃は徹夜は当たり前だった」--こんな残業自慢をする上司や先輩が周囲にいると7割以上の若手・中堅社員が回答し、一方で、6割以上の若手社員が「上司や先輩は自分より残業している」と感じている。
若手・中堅の6割以上が「ほぼ毎日」か「必ず毎日」残業する一方、上の世代はさらに残業体質とみている実態が、Business Insider Japanが実施した「ミレニアル世代の残業リアルアンケート」で明らかになった。
上司や先輩が残業をする理由としては「仕事ができる人に集中する」「業務量が多すぎる」とみる回答が多いが、中には「仕事以外に人生の使い道がない」「プライベートが充実しておらず仕事に逃げているため」といった、辛らつな意見も。「働き方改革」が叫ばれながら、なぜ残業が減らないのか。ミレニアル世代が感じている理由を見てみよう。
(略)
「あなたの職場やあなたは、働き方改革に取り組んでいますか」の質問では「かけ声はあるが、実態は変わっていない」(34%)が最も多く、「取り組みは特にない」(23%)が続いた。「一切関係ない」と答えた人も1割超いた。
続いて、なぜ残業が発生すると思うか。理由を自由回答で尋ねたところ、最も多かった理由のトップ5は以下の通りとなった。(自由回答を、「その他」を除いてBusiness Insider Japanで分類。)。

5位. 繁忙期である
忙しい時期は残業、という声はそれなりにある。逆に、慢性的な残業職場ではないとも言えるかもしれない。
(略)
4位. 人手不足
人手が足りないという声は多い。「業績が悪くて、人が採用できないから残業」という指摘は深刻だ。
(略)
3位. 風土や文化
職場の同調圧力はつらい。
(略)
2位. クライアント対応
「お客様は神様」精神なのか。クライアント対応が「残業理由」とする回答は、日本企業ならでは。
(略)
1位. 仕事量が多い
堂々の1位はやはり、これだ。
    「終わるわけがない量」(25-29歳、男性、会社員・団体職員)
定時で終わらない仕事量がそもそも割り当てられているとしたら、社員の残業や「がんばり」に、依存している会社の姿勢が透けてくる。
(略)
残業ばかりする上司は「趣味や仕事以外の人生がない」と見られていることも明らかになった。
「上司や先輩は、あなたより残業していますか」に対しては、60%が「そう思う」と答えた。さらに、そう思うと答えた人だけに、その理由はなぜだと思うかを尋ねると、「仕事ばかりの人生」に違和感をもつ様子が浮かび上がってくる。
    「(一番残業している人は)中間管理職と管理職。単に仕事以外の人生がないように見えます」(30-34歳 男性 会社員、団体職員)
(略)
    「(一番残業しているのは)一番上の上司。時間は無限にあると考えていて、効率化をまるで考えていないため。 仕事=趣味となっている。二番目の上司はそれにつきあっているので必然的に残業させられている」(30-34歳、女性、会社員・団体職員)
(略)

どのような職業であれ顧客あっての業務であると考えれば客商売であると言えますが、昔からの付き合い等々顧客とのしがらみで仕事が減らせないと言う側面も確かにあるのだろうとは思います。
ただ見ていますと他の人が残業しているのに帰りづらい、先に一人だけ帰った場合に周囲の目線が痛いと言った声も根強くあるようで、この辺りは職場風土もさることながら上司の業務の割り振りにも問題がありそうですね。
一方で最も多かった残業発生の理由としてやはり仕事量の多さが挙げられているのですが、興味深いのは上司が率先して残業をこなすことが美談化するどころか、部下からは非常に冷たい目線で見られていると言う点です。
今どき自分達の若い頃は云々と奴隷労働自慢をするベテランの方々はさすがに相手にされませんが、こうした方々が過去の自分達を基準にしか今の労働環境を考えられないとしたら悲劇的ですし、あってはならないことです。
今の時代に「蟹工船」だとか「あゝ野麦峠」並みの労働環境があり得ないのは誰でも判ることですが、時代の移り変わりがスピードアップしている現在に数十年前の経験を持ち出すとはそういう感覚と受け取られかねません。

ちなみにあまり大きくは報道されていませんが、先日は労働時間を客観的に把握するよう各企業に義務づけることを、厚労省が働き方改革関連法案に盛り込むことを決めたと報じられていました。
労働時間を把握していると言うことは労基法違反かどうかも判ると言うことでもあって、もはや知らぬ存ぜぬ現場が勝手にと言う論理は通用しないと言うことですが、さてこの場合何を以て労働時間とするのかが問題です。
労基法上の労働時間とは労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間であると定義されるそうですが、例えば販売業で顧客の来店を待っている時間だとか、業務発生に備え待機している時間もこれに相当します。
逆に命令がなく、必要性がないにも関わらず自主的に居残っている場合労働時間に含まれない可能性がありますが、先のアンケートでも出た周囲の雰囲気で何となく…などはまさにこうしたケースと言えますね。
当直や待機なども医師が自主的に日程を決めるべきではなく、あくまで業務命令として決めさせるべきだと言われる所以でもありますが、まずは労働者として自分の労働時間くらいはきちんと把握しておきたいものです。

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2018年3月25日 (日)

今日のぐり:「うなりや」

このところあちらこちらでAIと言う言葉を聞くようになりましたが、その応用の一例としてこんなニュースが出ていました。

「AI裁判官」は全然公平ではなかった! 差別やミス連発で人間以下… 人工知能裁判のお粗末な実態(2018年1月29日トカナ)

 アメリカの一部の州では、裁判でコンピュータアルゴリズムが使われている。刑務所へ行くか執行猶予がつくか、懲役は何年か、保釈をするかしないか、コンピュータが計算したリスクスコアが使われているのだ。だが今月17日の「Science News」によると、その判定アルゴリズムが本当に公平なのかどうか、当のアメリカで大きな議論になっているという。

■COMPASとは

 有罪の被告を刑務所に入れるか否か、保釈申請を認めるか否かなどを裁判で決めるとき、裁判官や陪審員たちは被告の家族や友人、財産の状況から過去の犯罪歴といった大量の資料に目を通して判決を出すことが求められる。だが、アメリカのいくつかの州ではこの過程をコンピュータアルゴリズムに任せている。アルゴリズムは入力された犯罪歴、年齢、人種、雇用状況、教育レベル、薬物使用状況などに加え、家族の犯罪歴などから再犯や犯罪発生のリスクスコアを判定し、保釈・判決・仮釈放などを決定するのだという。
 アルゴリズムを開発したのは国家機関ではなく、民間企業だ。例えばウィスコンシン州で使われる「COMPAS」はNorthpointe社(現在はequivant社)が開発したもので、どのように判定が行われているのかの詳細は不明だ。このブラックボックスが本当に公平なのかは疑問が多く、白人より黒人のほうがリスクを高く判定されているという指摘もあった。過去には裁判での使用は不適切であるとの訴訟も起きている。
 そこで、米国ダートマス大学のコンピュータサイエンス研究者であるJulia Dressel氏とHany Farid氏は、COMPASと人間の予測のどちらが正しいか検証を行った。COMPASで評価されたフロリダ州の被告人1000人を無作為に抽出し、年齢や性別、家族構成、逮捕後から2年間の逮捕情報などの情報をデータベース化した。そして、クラウドソーシングサイトで集めたボランティア400人にそれぞれ被告50人分のデータを渡し、2年後までに再犯するかを予測させた。

■驚きの結果

 結果、ボランティアの予測精度はCOMPAS(約65%)とほぼ同じ(63~67%)であった。また、人間もCOMPASと同様の人種差別的な誤った推測もしていることが明らかとなった。予測の誤りを検討したところ、白人の被告では再犯しないと予測されたものの再犯したという間違いが多く、黒人の被告では再犯すると予測されたが実際には再犯していないという間違いが多かったのだ。また、COMPASに対抗する単純なアルゴリズムを独自に作成し、COMPASと同じ程度の精度で再犯を予測することに成功した。この結果をまとめた論文は今月17日付で学術誌「Science Advances」に掲載された。

 COMPASは人間とほぼ同程度の予測精度を発揮したものの、機械判定に期待される公平さにはいささか欠けている。判定における透明性にも疑問は多く、一部では基礎的なデータの更新がされていなかったなどの問題も発覚しており、COMPAS利用の難しさが示されている。
(略)

むしろ人間と全く異なる判断を下したのでは社会に受け入れられるところとならないのではと言う疑問も湧きますが、まだまだ課題はあると言うことですね。
本日は妙に人間的だったとも言えるAIの今後の発展を祈念して、世界中から未だ少しばかり足りない部分を感じる最新技術の数々を紹介してみましょう。

スーパーモンスターウルフ量産へ 「ウルトラ」にも期待(2018年3月4日朝日新聞)

 イノシシなどから農作物を守るために、千葉県のJA木更津市が昨夏から市内に設置したオオカミ型ロボット「スーパーモンスターウルフ」が効果を上げている。米や栗の食害が減り、県外でも好評という。ロボを作った太田精器(北海道奈井江町)は4月から量産を始める。

 JA木更津市は昨年7月11日、実証実験として同市矢那地区の水田にロボ1台を設置。稲刈り後の9月13日には地区内の栗林に置いて効果を試してきた。
 水田の中にはイノシシの食害などに毎年遭って収穫を断念する田もあったが、昨年はヤブに接した所で少し食害があった程度だった。約3トンの栗が採れる栗林の収穫量は近年、イノシシの食害で2トン弱に落ち込んでいたが、昨年は2トン以上の収穫があったという。
 県外では、北海道や山梨県など計7カ所で試験的に設置。農地以外でも、ゴルフ場でコースの掘り返しがなくなった、高速道路のインターチェンジでシカの侵入が減ったといった声が寄せられているという。

 一方で、「時間が経てば動物が慣れてしまうのでは」との疑念を持たれることも多い。オオカミの姿で威嚇するという手法が「子供だましだ」とからかわれることもあったという。
 これに対し、同社の太田裕治社長は「ロボの前身として音と光だけの装置を7年前につくったが、慣れたという話はない。オオカミの姿に似せたことで、イノシシなどに『天敵がいる』とすり込ませることもできる」と反論する。
 JA木更津市はロボの効果を認め、県内の販売元になることを引き受けた。先月26日には近隣市の農業担当者ら約50人を対象に、動画などを用いて実験の結果を説明した。4月には10台を購入して市内の農家に貸し出す予定だ。
 梅沢千加夫組合長は「ロボの首を360度回るようにしたり、レールを使って移動できるようにしたりするなど、さらに機能を向上させた『ウルトラスーパーモンスターウルフ』を作って欲しい」と期待している。(堤恭太)

このシリーズ、大変に期待されている新兵器であることはよく判るのですが、ともかくもそのビジュアル面でもう少し何と言いますかね…
一方でこちらはビジュアルに気を配った結果なのですが、まずは記事から御覧いただきましょう。

人手不足「サマンサタバサ」の新入社員は…(2018年3月20日日テレニュース)

アパレル業界でも人材不足が深刻化する中、女性ブランドを扱う「サマンサタバサ」が初の試み。
東京・表参道の店舗に登場したのは、サマンサタバサがこの春、社員として採用するアンドロイド。まずは研修生として店舗での接客にあたるとしている。

このアンドロイドはロボットメーカーによって開発・設計され、髪の毛をプロのヘアメークにセットしてもらうなど、より女性店員に近い見た目となっている。将来的には人工知能(=AI)を搭載することで自ら客に語りかけ、商品の提案などもできるよう開発をすすめ、人手不足解消にもつなげたい考え。

動画を見る限りでも大変にビジュアル面で気合いの入ったものであるのは理解出来るのですが、こちら機能的な面でいささか店員としてどうなのかと言う疑問が残ります。
自転車と言えば転倒のリスクがつきまとうものでもありますが、こちらそのリスクをついに解消した画期的な装置が開発されたそうです。

転倒しない自転車 初の実証実験(2018年3月1日NHK)

さいたま市の芝浦工業大学が、走行中の自転車の転倒を防ぐという装置を開発し、1日、大学生などが参加して初めての実証実験を行いました。

走行中の自転車の転倒を防ぐという装置を開発したのは、さいたま市の芝浦工業大学です。
自転車の荷台に縦横高さがいずれもおよそ40センチの箱形の装置を取り付けると、センサーが自転車の左右の傾きを感知して、中にある円盤の角度を変えることで自転車を垂直に戻す仕組みです。
1日は大学生や会社員など10人が参加して初めての実証実験を行い、実際に自転車を走らせてデータをとっていました。
参加した男性は「自転車がふらつくと自動的に戻してくれるので乗りやすかった」などと話していました。

警察庁によりますと、去年の自転車の単独事故のうち「転倒」によるものは1128件で、全体のおよそ7割に上っています。
大学では、重さが60キロある装置を4キロ程度まで小型化したり、直進以外の動きにもスムーズに対応できるよう性能を向上させたりすることを目指していて、古川修特任教授は、「お年寄りから子どもまで安全に自転車に乗れるよう、早く実用化につなげたい」と話していました。

荷台を占拠する巨大な装置の存在を前にすると、何故か「一方子供は補助輪を使った」と言う言葉が頭の中に去来するのは自分だけでしょうか。
最後に取り上げますのは最近流行りだというあの装置に関して、オカルトめいた事件が続出していると言う恐るべきニュースです。

アマゾンEchoスピーカーが唐突に笑い出す不具合発生。各地でAlexaに怯えるユーザー続出(2018年3月8日Engadget)

Amazonのスマートスピーカー Echo が前触れもなくクスクスと笑い出し、ユーザーを怯えさせるという冗談のような出来事が発生しています。
日本でも販売が始まったスマートスピーカー Amazon Echo は、クラウドベースの音声アシスタント Alexa(アレクサ)に対応しており、音声で操作やさまざまな会話ができる製品です。
会話ができるといっても、ユーザー側が特定のコマンド語、つまり「アレクサ、」「コンピューター、」「Amazon、」等を口にした時点からあとの言葉を解釈して、あくまで受け身で回答を返すのが基本的な挙動でした。
しかしSNSなどでは昨日から、Echoなどアレクサ搭載スピーカーが前置きなくいきなり笑い出したとの報告が相次いでいます。

自分一人だと思っていたら急に家の中で笑い声がして死ぬほど怯えたという報告をはじめ、ビジネス上の真剣な話し合いのさなか、重大な決断を口にした途端にいきなり笑われて一同驚愕した、寝起きにいきなり知らない人の笑い声がして飛び起きた、あるいはアレクサに照明を消して、と指示してもうまく伝わらず、三度目には従うかわりに笑い出したなどなど。
どのような状況に発生するのか、完全に前置きなしなのか、指示したつもりがないだけで何かのきっかけがあるのか等の詳細は不明。

スマートスピーカーではテレビの音声や、アシスタントに話しかけていない会話を誤認識して聞き取りモードになることがよくありますが、今回のアレクサ笑い出し案件では特に間違えるような音もなく、また応答中を示すリングライトの点灯もなくいきなり笑い出したとの報告もあります。
米Amazonによれば、問題の発生は把握しており、解決に向けて作業中。今回の件は純粋に不具合だったとして、もし唐突にスマートスピーカーを操ってユーザーを驚かせるプロモーション的な試みをする会社があれば、今回の反応を見る限り大変なバックラッシュを受けることになりそうです。

動画を見ると確かにいきなりこういう笑い声を上げられれば誰しも恐怖せざるを得ないと思うのですが、そもそも笑い声を上げる機能は必要なものなのでしょうか?
とは言え真夜中に突然さめざめと泣き始めてもさらに怖いと言うもので、機械も人間的になるほど余計な苦労も増すと言うことなのでしょうか。

今日のぐり:「うなりや」

倉敷市西部の玉島地区と言えば良寛さんで有名な円通寺で知られる土地ですが、「にぼしや」「あかり」「劉備」と名の知れたラーメン屋もあります。
良寛さんもうなったと言うスープが売りのこちらのお店、かつては静かな湖畔に位置する静かな雰囲気だったのですが、今や周りはすっかり宅地になっていますね。

その噂のラーメンは食べて見ると基本的には悪くないもので、この日はスープの劣化も少ないですし、魚系出汁の味が利いたなかなかうまいスープだと思います。
以前にお邪魔したときはスープの劣化が気になったのですが、保存法なども工夫されているのでしょうか、トッピングも特に何がいいというものでもないですが及第でしょう。
ただ硬めに茹で上げられた麺は一昔前の中華そば風の見た目で味も今一つなのですが、スープが売りなので風味だけでも癖のないものなら良かったかなと感じました。

一人きりの親父さんはまあ良く言っても愛想はないのですがこれも味なのでしょうか、静かな雰囲気を味わいたいお店ですので熱心に語りかけられても困るでしょうしね。
ちなみに過去にお邪魔した際にはいずれも他にお客がおられず、今回初めて駐車場に車があり期待したのですが、唯一のお客さんも入れ違いで出ていってしまいました。
まあいつでも待たずに食べられるのはいいことだとも言えるのですが、しかし特にまずい訳でもなく周辺人口も増えていそうなのに難しいものですよね。

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2018年3月22日 (木)

国がとうとうクレーマー対策に乗り出す

本日まずは先日話題になっていたこちらのニュースから紹介してみましょう。

「工事の騒音で園児がおびえる」 マンション建設差し止め求め、幼稚園が申し立て(2018年3月13日産経新聞)

 名古屋市中区にある幼稚園の南隣で建設が進む15階建てマンションを巡り、工事の騒音で園児がおびえているほか、完成後は日差しが遮られてしまうとして、「名古屋教会幼稚園」の職員や運営する宗教法人が13日、工事差し止めを求める仮処分を名古屋地裁に申し立てた。

 申立書によると、建設地は商業地域で、建築基準法による日影規制の対象ではないものの、実態は対象となる住居地域に当たると主張。園児が工事の騒音や振動におびえ、粉じんにせき込んだりしているほか、完成後の園庭は一日中、日光が差し込まず、園児らが被る不利益は限度を超えるとしている。

 幼稚園には3~6歳の園児約40人がおり、午後は小学生の学童保育も行う。石原ゆかり園長(57)は「足場を組んでいる隣で子どもたちは遊んでいる。なぜ子どもたちが危険にさらされなければならないのか」と訴えている。

 建設を計画した不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の名古屋支店は「申し立ての内容を把握しておらず、コメントは差し控えたい」としている。

このところ全国各地で地域の住民が中心となって、保育園の騒音がうるさいと建設取りやめを訴える動きが拡がっているのは周知の通りですが、今回のケースは言ってみればその逆バージョンのような話でしょうか。
訴訟の理由として挙げられている様々な被害に関して、どこまで本気で心配しているのかは何とも言えないのですが、想像するに最も大きな理由としては完成後にも永続する日照問題なのではないかと言う気がします。
とは言え保育園建設差し止め問題と同様、これまた世間からはそれを言い出したら何も出来なくなるのではと言う声も挙がっているのも事実ですが、さてこの種の訴えがどこまでありなのかは判断の難しいところですね。
以前から高校野球の応援がうるさいと球場に怒鳴り込む住民の存在は報じられていましたし、先日は救急隊員が水分補給で飲み物を買っていたところ市民からクレームが入ったと言う、よく判らないニュースもありました。
こうした風潮の延長線上にあると言うことでしょうか、どこの業界でもクレーマー、モンスターと呼ばれる悪質顧客対策にも頭を悩ませていると思いますが、先日とうとう国がクレーマー対策に乗り出したと報じられていました。

悪質クレームに国が対策へ 顧客暴言などパワハラ報告書明記(2018年3月15日産経新聞)

 顧客からの暴言や脅迫など「悪質クレーム」に店の従業員らが悩んでいる問題について、厚生労働省が対策の検討に着手したことが14日、分かった。月内にもまとめる職場のパワーハラスメント防止に関する報告書案の中に、同じ職場の悩みとして「カスタマー(顧客)ハラスメント」を明記する。ただ刑法などに抵触しない限り、悪質性を判断するのは難しく、規制に踏み込めるかは不透明だ。

 厚労省は昨年5月、上司や同僚らによるパワハラ防止のための有識者検討会を設置。政府の「働き方改革」の一環として、予防や解決に向けた報告書の作成を目指している。
 一方で、同省には悪質クレームに対する被害の声が多く届くようになり、労働者の安全への配慮が求められる点で、「客からの迷惑行為は職場のパワハラと類似性がある」とし、職場環境の改善に必要との認識を持ったという。

 パワハラの報告書にカスタマーハラスメントの項目を盛り込むのも、有識者から「客だから何をしてもいいと思うようなところがある。広くそれらがハラスメントの問題であることを周知する意義がある」という意見があるためだ。
 しかし、悪質クレームはパワハラと比べて実効性のある予防策を講じることは難しい。客の要望に応じないことや、客に何か対応を要求することは事業の妨げになる場合があるという。

 厚労省が今年1月までに4社を対象に聞き取り調査したところ、「何が顧客からのハラスメントに該当するか判断基準を設けることは困難」「企業と消費者のクレームに関する紛争を仲裁する第三者機関があれば企業として対応しやすい」などの声が聞かれた。その上で、職場に悪質クレームの悩みを相談する窓口を設置するなど、客からの迷惑行為にどのような取り組みが必要かを検討していくという。

 労働組合UAゼンセンが昨年11月に公表した調査によると、スーパーマーケットやコンビニなどの従業員の約7割が悪質クレームを受けていることが判明。具体的な被害として、「バカ」「死ね」などと暴言を受けたり、買い物かごや小銭を投げられたりした事例もあった。
 ゼンセンは悪質クレームが「働く魅力を阻害し働き手不足をもたらす」として、法規制の導入など対策強化を厚労省に要請していた。

しかし穿った見方をすれば、昨今国や各省庁でもさぞやクレーマーに悩まされているに違いないなどと言う声もあるやなしやですが、いずれにせよこの種のクレーマー問題が今や社会的に無視出来ない大きなものだと言えますね。
どの業界でもクレーム顧客対応に頭を悩ませた経験のあるスタッフは少なくないと思いますが、特に専門の苦情受け付け窓口のスタッフなどは心折れる仕事なのだそうで、それがために離職を余儀なくされるケースもあるようです。
もちろん企業全体として見ればそのために浪費されたマンパワーが大いに生産性を低下させているわけで、ただでさえ人材不足と厳しい価格競争で四苦八苦している企業にとってはダブルパンチの大損害でしょう。

ただ何をクレーマーと認定するのか、どうやって対策をするのかと言う問題はあるかと思うのですが、前者に関しては一定程度以上のクレームが続いた場合これ以上はクレーマー認定すると警告を与えると言うことになるでしょうか。
そうした警告自体が相手を激高させる副作用も確かにあるでしょうが、どこかで基準を設けてそれを越えた場合には通常顧客対応からクレーマー対応に切り替えると言うのは、組織防衛上仕方のないところだと思います。
国が具体的な行為などを列挙した認定のガイドラインなりを用意できればいいのでしょうが、本当のクレーマーの場合こうしたガイドラインの内容を知った上で、敢えて引っかからないように動いてくる可能性もありますね。
この辺りは反社会的団体対策で各種法律が整備されても、団体側でもそれに対応して活動の在り方を変化させてきた歴史と全く同様ですが、少なくとも一線を越えた場合厳正に対処するルールは徹底すべきでしょう。

本物のクレーマーの場合、当然ながら特定企業・団体だけでなくあちらこちらに絡んでいるもので、中にはそれによって生活の糧を得ているプロクレーマーとでも言うべき方々もいらっしゃるとも側聞します。
金融関係などのいわゆるブラックリストなどと同様、この方面でも全国的に情報を共有出来れば対策も講じやすいかと思うのですが、クレームはどこにでもつくだけに情報をどこまでの範囲に開示すべきかは難しい問題です。
例えば強要罪、脅迫罪の疑いありのケースで警察に相談があった場合など、警察の側で常習クレーマーかを検索し常習者には早期に対応すると言った使い方もありそうですが、当然世間からの反発もあるでしょう。
誰でも一歩間違えばクレーマー認定される恐さを重視するか、一人のクレーマーがいれば周囲の多くの顧客が迷惑することを重視するかですが、日常的な実例などが多く報じられるようになれば流れも変わるかも知れませんね。


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2018年3月19日 (月)

労基法無視を敢えて労基署に要求する業界

このところの働き方改革推進で日本も労働環境の見直しが進んでいますが、どうやら海外の趨勢は数歩も先を行っているらしいと話題になっていたのがこちらのニュースです。

「1週間で1度も休みを取らなかった」としてフランスの裁判所がパン職人に罰金を科す(2018年03月16日GigaZiNE)

日本ではしばしば長時間労働が問題となっており、働き過ぎによる過労死も社会問題化しています。労働者が適切な休みを取ることを義務づけているフランスでは、「1週間1度も店を閉めずに働き続けた」としてパン職人が罰金刑を受けたとして話題になっています。

人気の観光地である北フランスのリュジニー・シュル・バルスで「ブーランジェリー・ドゥ・ラ」というパン屋を経営するセドリック・ビブレ氏は、2017年の夏に1週間に1度も店を休みにせず働き続けたとして、3000ユーロ(約40万円)の罰金刑を命じられました。1994年と2000年に制定された地元の雇用法により、特殊な例外を除いてパン屋は少なくとも1週間に1度の休みを取らなければならないと定められているとのこと。
2016年まで、ビブレ氏は「夏のバカンスの間で観光客がやってくる期間のみ、1週間続けて店を開く」ことの許可を申請し、当局から開店の許可を得ていました。ところが、2017年に限って当局の職員がビブレ氏の申請を却下したそうです。結局ビブレ氏は当局の許可を得ないまま、例年通りバカンス期間に1週間パン屋を休まず開店し続けたところ、今回の罰金刑が下ったというわけ。

リュジニー・シュル・バルスは人口およそ2000人程度の小さな町ですが、町のパン屋さんであるビブレ氏と「ブーランジェリー・ドゥ・ラ」を救うため、近隣住民は署名活動をして申し立てを行っています。町長であるクリスチャン・ブランル氏は罰金刑を受けたビブレ氏を擁護し、「夏の間に町を訪れた観光客のために店を開くのは、ビジネス上必要なことです。それ以上に大事なことなどありません」と、新聞の取材に対して語っているとのこと。
ビブレ氏は今回の処分に対し、「私は1年中店を開きたいと言っているのではないのです。ただ夏のバカンス期間だけ、店を休まずに開きたいだけです」と述べています。1週間働き続けることで検挙されないようにする抜け道として、「営業時間の違うもう1つの店を持つ」という策があるようですが、そう簡単に実現できるものではありません。

フランスのテレビ局もこの事態を取り上げ、「田舎には田舎なりのルールがある。競争が激しい地域に店があるわけではなく、ただ顧客がサービスを求めている間だけ働くのだ」として、一見擁護しているようにも取れるコメントをしています。
しかし、フランスでは「1週間に1度も休みを取らない」という働き方は少数派です。2017年末にリュジニー・シュル・バルスが属するオーブ県のパン職人とパティシエ126人に行ったアンケートでは、「1週間に1度は休みを取る」という法律に賛成する人が多数だったとのこと。パリの小売組合CLIC-Pのエリック・シェラー氏も「パン屋やその他の職業には、1週間に1度は休まなくてはならないというルールがある。これは労働者と雇用者双方を守るために必要で、尊重されるべきだ」とコメントしています。

日本では考え難いニュースではありますが、自営労働者の自主的な労働活動であっても当局の厳しい規制の対象になると言う点では、被雇用者の活動が労働か否かを議論している日本とはずいぶん違いますよね。
自営業ですから健康被害のリスク云々と言われれば自己責任でと言う反論もあるかも知れませんが、例えば休みを取らず働いた場合商品の品質が落ち顧客の不利益になると言う場合を考えるとどうでしょうか。
特に日本に多い生鮮食料品などは衛生上様々なリスクがあり扱いに注意を要しますが、製造者の過労によるちょっとした行程の省略やうっかりが食中毒にでもなった場合、ビジネス上必要だからと許容されるのかどうかです。

医療の世界ではこの種の過労による労働の質的低下はすでにエヴィデンスがある話で、自己研鑽のための行為で労働ではないから規制の対象外などと言う話ではなく、休養は職業上求められる当然の義務と言えます。
昨今は全国各地で病院機能評価合格だのとアピールが盛んですが、当院では当直明けの医師には決して手術はさせませんと言った方が、わけの判らない会議てんこ盛りの機能評価などよりよほど実効性もあり、患者にも訴えると思いますね。
ともかくも最低限の遵法意識も持たない一部?医療機関に労基署の手が伸び始めているのはまさに国民の健康を守る上でも重要なことだと言えますが、これに対して未だしぶとく抵抗を続ける方々もいらっしゃるようです。

医師の働き方「検討中、労基署は控えて」、地域医療病院協議会(2018年3月15日医療維新)

 5つの病院団体で組織する「地域医療を守る病院協議会」は3月14日の会議で、厚生労働省で検討が進む「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取り組み」について協議した。会議後の記者会見で、病院に対する労働基準監督署の指導が相次いでいる状況について、「対策を検討している最中に、労基署が入るのはやめてほしい」とする決議を行ったことを明らかにした。

 全国自治体病院協議会会長の邉見公雄氏は同日の協議会で、厚労省に対して「現在、検討中である」として病院に労基署が入るのを控えるよう要望する決議を採択したと説明。邉見氏は「検討中であり、“停戦中”は紳士協定みたいなもの。今から一生懸命にやろうと検討しているのに、そこで入られたら指導待ちになってしまう。せっかく前向きに検討しているところを検討しないでいいのかと思ってしまう」と訴えた。
 医師の働き方をめぐっては厚労省で議論が進んでおり、自治体病院協議会でも会員病院に対して緊急アンケートを実施、4月中にも集計結果を公表するとしている。集計途中の結果として、「タスクシフティングをしようにも、医師以外のマンパワーもない」「皆が管理職で36協定を結んでいない」などの回答があったことを紹介した。
(略)
 協議会は全国自治体病院協議会、JA全厚連、日本慢性期医療協会、全国国民健康保険診療施設協議会、地域包括ケア病棟協会の5団体で2017年9月に設立。

「働き方改革は自治体病院へ影響多い」、全自病(2018年3月16日医療維新)

 全国自治体病院協議会は3月15日の定例記者会見で、2018年度の地方会議の共通議題を「医師の働き方改革」とすることを報告した。邉見公雄会長は「自治体病院が恐らく働き方改革の影響が一番多い病院」と説明した。

 地方会議は全国7ブロックで開催され、議論の結果を受けて予算要望や国会議員への陳情などを行う。2017年度は「新専門医制度」と「地域医療構想」の2つだった。例年はテーマを2つ設定することが多かったが、「働き方改革」は論点が広いとして、1つに絞ったという。邊見会長は「良くしようとしてもない袖は振れない現実がある。しかし、やらなかったら、悪循環でさらにスタッフが来なくなる。医療機関がなくなると人が住めず、地域が衰退していく。頑張って知恵を出し、当局にも現状を理解していただき、働き方改革、勤務環境を改善しながら地域医療が悪くならないように取り組んでいきたい」と語った。
(略)

当然ながら世間からは病院は特別扱いし違法行為にも目をつぶれと言うことかと非難囂々なのですが、例えばこれが別の業界団体の中の人が同様のコメントを出したとすれば、と言った想像力を働かせるべきだったでしょうか。
どんな業界であれ昨今は人手不足によるスタッフの過労が問題になっていて、だからこそ働かせる側の意識が問われていると言えますが、先日は過酷な労働環境で知られる某企業創業者のコメントが注目されていました。
新入社員に月140時間以上の残業を課し過労死に追い込んだ同氏は、国会で高度プロフェッショナル制度反対を唱えた過労死遺族に「お話を聞いていると、週休7日が人間にとって幸せなのかと聞こえる」と言ったと報じられています。
当然ながら世間の被雇用者側からは業種を問わずお前が言うなの大合唱なのですが、ここまで労使間での価値観が隔絶しているからこそ、法律による一定のルールに基づいた規制と言うものが必要なのだとも言えそうですね。

別に人それぞれの労働感があってもいいでしょうし、死ぬまで働き続けたい方も中にはいらっしゃるかも知れませんが、少なくとも雇用者側が労働管理の意義を理解していないと被雇用者は大変だとは言えるかと思います。
そうは言っても雇用者側としてはなるべく安く労働者を酷使した方が経営上有利なのも確かなので、どこの業界でもなんだかんだと理由を付けて労基法違反をさせようとするのでしょうが、それはやはりよろしくないことですよね。
これに対する一つの対策が昨今見られる労基署などの厳格な介入ですが、もう一つ労働者自身の自衛策として逃散(退職)と言う手段も知られていて、人手不足が深刻化している今の時代だからこそ有効だとは言えます。

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2018年3月18日 (日)

今日のぐり:「瑞穂」

一芸を極めた人はどこか他の方面でも人並み外れていると言う場合が見受けられますが、こちら先日その発想はなかったと話題になっていたニュースです。

浅田真央さんの最終的な夢「山に出て狩りをしてイノシシとかをさばいたり…」にネット騒然(2018年3月8日スポーツ報知)

 フィギュアスケートの元世界選手権女王・浅田真央さん(27)が7日に放送されたNHK総合「クローズアップ現代+」(月~木曜・後10時)で語った最終的な夢の内容に、ファンを中心に騒然となった。

 真央さんは引退後、小中学生らにスケートを教える機会があった。そのうちに「私、教えるのも好きなんだなと思いました。いまは自分のアイスショーが中心でやっていますけれど、スケーターとして滑れなくなった時に、次に何ができるかなと思ったときに指導かな…なんていう思いも今、頭の隅にある」と将来について語った。
(略)
 ところが、最後に語った真央さんの「最終的な夢」が“衝撃的”な内容だった。
 「自給自足をするっていうのが、私の最終的な夢なんです」
 疑問に思った同局の武田真一アナウンサー(50)が「自給自足?」と不思議そうに聞くと驚きの答えが返ってきた。
 「はい。いろんなものがやりきったなと思ったら、私は山に行って…。それこそ海の近くだったら自分で魚を捕ったり。山に出て狩りをしてイノシシとかをさばいたりとか、そういったことをしてみたいんです」
 歴戦のNHKアナもさすがにあっけにとられ「それはなんでなんですか?」と真意を尋ねると「食べることが好きだから。それが一番のぜいたくなのかなと思いますね」と答えた。

 小学校時代のクラブ活動では「原始人クラブ」に入っていたと、かつてイベントで明かしていた真央さん。武田アナから「自由でいたい?」と聞かれ「それもあるんじゃないですかね。自由にのびのびと生活してみたいなと。全てがナチュラルで解放させて、生涯を終えたいなと思います」と嬉しそうに口にしていた。
 衝撃的な番組の終わり方にネットでも衝撃が走ったよう。「さすがに想定外…」「さすが原始人クラブにいただけある」「大物すぎる」「なんてパワーワード」などと驚きの声が上がっていた。

どんな道であれプロフェッショナル意識に徹することはしばしば制約も少なくないでしょうから、こうした自由にあこがれると言うこともあるのかも知れませんね。
今日は浅田さんの前途洋々たるを祈念して、世界中からプロフェッショナリズムとは何かと言うことを考えさせるニュースの数々を紹介してみることにしましょう。

ノーベル賞作家の作品送ってみたら…全出版社がボツに ファンが「実験」(2017年12月13日AFP)

【AFP=時事】1985年にノーベル文学賞(Nobel Prize in Literature)を受賞した仏作家クロード・シモン(Claude Simon)のファンが、シモンの作品を大手を含む出版社19社に送るという「実験」をしたところ、全社から刊行を断られていたことが分かった。

 ライターのセルジュ・ボル(Serge Volle)氏(70)は、スペイン内戦を描いたシモンの1962年の作品『ル・パラス(The Palace)』の抜粋50ページを19の出版社へ送付。すると12社から出版を断られ、残りの7社からは返事すら来なかったという。
 ボル氏によると、ある編集者は「一文一文が果てしなく長く、読者を完全に突き放している」と感想を述べたという。

 シモンは「ヌーボー・ロマン(新しい小説の意)」の旗手の一人とされ、冗長な文章を書くことで知られる。また、1981年の傑作『農耕詩(The Georgics)』はしばしば1文が数ページにわたっていることでも有名だ。
 ボル氏は、出版社の反応が今の出版界の実利主義を物語っていると嘆き、仏文豪マルセル・プルースト(Marcel Proust)の言葉を引用しながら、文学作品を出版するにはすでに有名な作家である必要があると指摘した。
 ボル氏は作品の抜粋を送った出版社については言及を避けたものの、シモンがノーベル文学賞を受賞するきっかけとなった『農耕詩』ですら、多くが出版を断ったという。
(略)

時代時代の流行り廃りもあるでしょうから難しいところですが、しかしいきなり無名の新人作家として発表するにはいささか通好みすぎた仕事ぶりと言うことなのでしょうか。
日本の鉄道と言えばその正確性で世界的にも知られる存在ですが、先日こんなニュースが話題になっていました。

日本の鉄道が「20秒早い発車で謝罪」、海外メディアでも大反響(2017年11月22日MAG2ニュース)

茨城県つくば市と東京・秋葉原を結ぶ、つくばエクスプレス(TX)が「定刻より20秒早く発車し大々的に謝罪」という「不祥事」について、日本のみならず世界中のメディアで皮肉交じりに報道されました。昨今、ドアに乗客の持ち物を挟んだまま発車することを繰り返したことが問題視されるなど、マイナス報道の多いTX。しかし、メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』の著者で鉄道に造詣が深い在米作家の冷泉彰彦さん曰く、「TXは近未来の鉄道を見据えた実験線」と前置きした上で、「今回謝罪した2つの理由」について解説しています。
(略)
まず、この「20秒早かった発車」への「謝罪」問題ですが、これはTXの経営サイドが特に誠実だとか、バカ正直だということではありません。そうではなくて、2つの意味合いがあるのです。
1つは「ワンマン運転+完全ホームドア+安全確認の省人化」という運用を徹底してやっているということです。TXには車掌がいません。現在は6両編成の運用ですが、利用増に対応するために8両化が進行しても、車掌を配置する計画はないようです。ですから、発車時の安全確認は運転士がカメラとセンサーを使って行っています。
このために、全駅の全ホームにホームドアが設置されています。ホームドアの運用ですが、他社の線区と比べて「特に駆け込み乗車は自己責任でやめて頂きたい」という乗客に対する意思表示を強く行っています。その上で駅員の配置なども最小限にしているのです。
駆け込み乗車は絶対に禁止、その代わりに駅員は最小限という「合理化」を徹底的にやっている以上、「ダイヤより早く発車した」というのは、マズイわけです。「駆け込み乗車の危険性は自己責任」と言いながら、電車がダイヤより早く出発するというのでは、乗り遅れた人からのキツいクレームになる可能性があり、少なくともそのスキを見せたことになるからです。今回の事例では、特にこのために「定刻に来たのに乗り遅れた人」はいなかったというのですが、予防の意味で発表したと思われます。

2つ目は、その「発表体制」ということです。これはかなり興味深い問題なのですが、何かイレギュラーな事例が起きた場合に、このTXというのは、かなり早いレベル、あるいは微小なレベルの問題でもHPで情報開示をするようにしているようです。勿論、秋葉原駅で発生した「トイレでの自殺者の発見が遅れた」というような問題もあるわけで、大いに反省した上で情報発信の透明性が当然のように要求されるという流れもあるわけですが、それ以上に徹底して開示しているようです。
そこには、ミスが発生した場合には、HPでの開示ということで発表し、これを見た当事者なり全員が自主的にミスの削減に取り組むというスタイルを模索しているのだと思います。これを管理強化というべきなのか、あるいは自由放任というべきなのかわかりませんが、経営上の実験であることは指摘できそうです。

そんなわけで、今回の「20秒事件」だけでもTXのユニークさが分かるわけですが、一方で面白いのは「ホームドアへの挟み込み」といった「明らかに乗客に非のある事例」に関しては、積極的には発表しないのです。ここに、乗客にも「自己責任という自覚」を持ってもらおうという静かなメッセージが感じられます。
(略)

事情を聞いてみればそれなりに理由もあってのことなのだと判りますが、しかし今後自動化の進む社会において人と機械の関わり方を考えさせられる話ですね。
医療職と言えば高度な専門性を求められる職業の代表格とも言えますが、こちらオーストラリアの片田舎での一件が話題になっていました。

心臓発作の豪看護師、自分一人で応急処置し九死に一生(2018年3月8日AFP)

【3月8日 AFP】唯一の医療専門家としてオーストラリアの片田舎の診療所に勤務していた看護師の男性(44)が心臓発作を起こし、自らの応急処置で一命を取り留めた──そんな話題が7日付の米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に掲載された。

 記事によると、男性は豪西部ウエスタンオーストラリア(Western Australia)州コーラルベイ(Coral Bay)の診療所で勤務中、胸の激しい痛みとめまいを覚えた。ただ、コーラルベイは州都パース(Perth)からは1000キロ以上、隣の診療所とも150キロ以上離れており、周囲に助けを求められる人は1人もいなかったという。
 男性は自分の体を心電計につないで診断を行い、心臓発作が進行中であると確認。緊急遠隔医療サービスを通じて診断結果をメールで医師に伝え、ビデオチャットでやり取りできる救急医も見つけたという。
 また両腕の静脈路を確保してアスピリン、抗凝血剤、鎮痛剤などを投与し、不整脈の治療に使われるアドレナリンなどの薬も用意。さらに除細動パッドも自分で装着するなどした結果、心臓発作は治まったという。

 翌日、男性は空路でパースの病院に向かい、閉塞が進んでいた冠動脈にステントを挿入。その2日後に帰宅した。
 専門家によると男性が行った自己治療はかなり思い切ったもので、人にお勧めできるものではないという。

日本ではちょっと考えられないような僻地が拡がるお国柄を反映しているとも言えますが、しかしさすがにこれは良い子も真似は出来そうにないですね。
日本では一般に宗教と言えば仏教が最も一般的ですが、その仏教の聖職者が妙な事で話題になっていました。

【悲報】仏教僧は、他教徒よりも「死を恐れ、自己中」だと研究で判明!(2018年3月2日TOCANA)

多くの人にとって、死は恐ろしいものだろう。だが、日頃から死に接している仏教僧はどうなのだろうか? すべては無常であり、自己は幻想だと語る仏教僧らは死を恐れていないはずだろう。

■崩れる仏教僧のイメージ

 意識高い系海外メディア「Big Think」(27日付)によると、米・アリゾナ大学のショーン・ニコラス教授率いる研究チームは、仏教僧は死の恐怖を克服し、利他的であるという予想の下、インドのチベット僧院で修行している仏教僧数百人にアンケート調査を実施。その驚愕の結果が、科学ジャーナル「Cognitive Science」に公開された。なんと、比較対象となった、出家していないチベット人、インドのヒンドゥー教徒、クリスチャンと無宗教のアメリカ人に比べても、仏教僧が最も強く死の恐怖を感じており、利他的な精神も最低だったことが判明したのだ!
(略)
 質問の2つは、「自己の連続性と永続性」に関するものだった。事前の予想通り、「過去から未来へ続く自己」(連続した自己)という考えに最も否定的だったのは仏教僧だった。アメリカ人の場合、キリスト教徒であろうとなかろうと、自己の連続性を信じている人が多く、他の集団に関しても、出家していないチベット人も含めて、半々に収まったという。時間を通じて存続する「核となる自己」(永遠の自己)、つまり魂のようなものに対しても同様の結果だったそうだ。

●死の恐怖を感じるか?

 では、死の恐怖はどうだろうか? 仏教学者らは、仏教徒ならば、無我の教義で死の恐怖を克服するだろうと考えた。しかし、予想に反し、死の恐怖を最も強く感じていたのは仏教僧だったのだ。“死の訓練”に長けているはずの仏教徒が一般人よりも死を恐れているとはなんとも不思議ではないだろうか?

●利他的な行為に積極的か?

 驚きはこれだけではない。利他的な行為についても予想外すぎる結果が出たのだ。質問内容は、「寿命を延ばすことができるピルがある。自分に使えば半年寿命を延ばせるが、他人に使えばその人の寿命を5年延ばすことができる。自分に使うか、他人に使うか?」というものだ。その結果、実に72%の仏教僧が自分のためにピルを使うことを選んだのだ。一方、自分に使うと答えた無宗教のアメリカ人は31.2%にとどまった。

 研究チームの米・ペンシルベニア大学ニーナ・ストローミンガーは、「これまでのキャリアで最も奇妙で期待を裏切る結果」と評すなど、予想外の結果に研究チームも驚きを隠せない様子だ。
 研究チームは、このような結果になった1つの可能性として、自己という幻想を克服することは簡単ではなく、修行中の仏教僧はまだ強く自己にとらわれているのだと分析している。また、仏教では完全な涅槃は死によって成就すると考えているため、魂の永遠性を語るキリスト教よりも、強く自己の消失を感じているのかもしれないという。これに関連して「Big Think」は、研究者らが実験に参加した修行僧の瞑想レベルを考慮していないことを指摘。熟練した瞑想修業者で同じテストをすることを提案している。
(略)

文化的差異と言うのでしょうか、仏教徒の方が感情に率直であると言う言い方も出来るのかも知れませんが、米国人の抱く仏教徒へのイメージも興味深いところですね。
最後に取り上げますのは職業上それはまずかろうと言う話でもあるのですが、まずは記事から紹介してみましょう。

手品師28年目にしてうさぎアレルギーと発覚した英男性(2018年02月26日スプートニク)

英国に住む手品師のイアン・レグさん(47)は1990年から健康問題を抱えながらうさぎとともに働いていた。だが今になって、喉のかゆみと呼吸困難の原因はうさぎアレルギーによるものだと気づいた。

イアンさんは90年にベスとティブルスを飼いはじめ、手品の技術を習得し始めた。英紙デイリー・メールが報じた。
妻のスーさんと息子のダニエルさんはイアンさんの選択を支えた。イアンさんは技術の高い明るいマジック・マスターとして知られ、すべての子供に愛されている。うさぎを使ったマジックなしで終わった祝日はなく、イアンさんが喉のかゆみと呼吸困難なしで終わる祝日もなかった…。
イアンさんは「全ては、28年前にキャリアをスタートした時から始まりました。帽子からうさぎを引っ張り出すと毎回かゆみ、せき、涙が出ました」と語る。

イアンさんは様々な薬を試したが、効いたものはなかった。彼は花粉症だと考え、荷解きのあとに顔を拭くためティッシュを持ち運ぶようになった。
28年後になってようやく、アレルギー源は誇りではなく、ふわふわの仕事仲間だとイアンさんは認識。そうしてイアンさんは難しい決定をした。28年のキャリアに幕を下ろしたのだ。うさぎたちは他の人々に譲渡せざるを得なかった。

28年間も積み上げてきた立派なキャリアが何とも哀しい結末を迎えたものですが、しかしこうしたこともあるのですね。
うさぎをあきらめてハトや他の小動物を扱えばいいのかも知れませんが、イアンさんと新パートナーの今後のさらなる発展とご活躍を願うばかりです。

今日のぐり:「瑞穂」

福山市街地の一画に位置するこちらのお店、地味な目立たない店構えですが、昼は定食夜は居酒屋と言うスタイルで営業されているなかなかの人気店だそうです。
特にランチタイムはお得な定食が揃っていると言うことで満席と言うことも多いようですが、この日は少し早い時間だったせいか空いた席にすぐ座ることが出来ました。

魚系のメニューも揃っていていずれもよさそうなのですが、この日はたまたま目に付いたチキン南蛮定食を頼んで見ることにしました。
メインのチキン南蛮はややソフト系の唐揚げに酸味強め、あっさりの甘酢タルタルソースがたっぷりで、それなりに食べ応えもあり悪くない出来だと思いますね。
副菜の小鉢類が相変わらず充実しているのはこちらの売りですが、それぞれ味はまあ普通と言うところで、飯と汁も特に特記するほどの味と言うわけではありません。
全体的には特に可も無く不可も無くと言う印象なのですが、ごく普通の定食としてもボリュームと価格のバランスはかなり高めで普段使いに向くお店と言う印象ですね。

はるか昔にお邪魔した頃にはおば…もとい、お姉さん達だけでやっているお店と言う印象だったのですが、前回に続き今回も厨房には普通にお兄さんがいましたね。
接遇面でも見た目通り特に気取ったところもなくなかなか居心地も良さそうですが、こういうお店は夜にグループでお邪魔しても気軽に楽しめるのでしょうね。

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2018年3月16日 (金)

救急搬送を呼びすぎる人に意外と効果的だった対策とは

全国的に需給バランスの崩壊が懸念される救急搬送問題ですが、その対策の一環として先日横浜市からこんなニュースが出ていました。

救急車を年10回以上利用した人へ戸別訪問 横浜市消防局、適正利用に効果(2018年3月10日神奈川新聞)

 横浜市消防局は9日、年10回以上救急車を利用した人への戸別訪問を2017年度から始めたことを明らかにした。体調や生活状況を確認し、区の福祉や介護担当と連携して対応することで、救急車の適正利用に効果が出ているという。

 同局によると、16年に10回以上救急車を利用した人は168人。救急活動記録や出動隊員からの情報分析を基に、昨年8月から慢性疾患などやむを得ないケースではないとみられる59人を対象に、各消防署の幹部が戸別訪問などを実施した。

 対象者の中には「夜中にベッドから落ちた」「起き上がれない」などの理由で救急車を利用した1人暮らしの高齢者も多く、戸別訪問で本人や家族と対話し、現状を確認。了解を得た上で区の福祉担当者らと連携して対応した結果、この168人による救急車の利用回数が16年の計2945件から、17年には1337件と半減以下になったという。

 高齢化の進展で市内の救急出動回数は増加傾向にあり、救急車の適正利用が求められている。同日の市会予算第2特別委員会で民進党の酒井亮介氏の質問に、坂野満消防局長は「救急車は限りある資源。必要に応じて区役所の協力を得て、適正利用への理解を呼び掛けていく」などと答えた。

しかしこうした社会的な対策がそれなりに有効であると言うことは、やはり救急搬送に関して考え方にバラツキが大きいと言えますが、注目したいのは独居高齢者では若い人にはない理由での搬送依頼が目立つと言う点でしょう。
ちなみに横浜市の救急出動件数は2017年まで過去9年連続で史上最多記録更新を続けているのだそうですが、少なくとも2030年までこの数字は伸び続けると言う試算も示されているそうです。
市の人口はピークに達し今後減少していくそうで、増加の主因は高齢者救急搬送の急増と言うことですが、特に横浜市に限ったことではなく全国的に同様の傾向で、今や総搬送数の6割が高齢者だと言います。
要するにこの問題は今後高齢化人口の増加に伴ってますます悪化することが確実な構造的な問題で、その解決策の中心としてはやはり高齢者搬送急増の問題をどう解決するかと言う点に焦点を当てざるを得ません。

無論高齢者ほど多種多様な病気を抱えやすいと言う事情もあるのでしょうが、近年言われている死亡宣告目的の搬送や、移動の足がない独居高齢者の搬送など、何らかの対策が可能な余地はあるかも知れませんね。
先日は消防庁が救急搬送しない場合のルール作りを始めると言うニュースがありましたが、高齢者のいわゆる看取り搬送問題についても事前の意志確認の徹底と、いざその時に決めた通り遵守出来るかと言う問題があります。
一つの対策として国が施設内での看取りに報酬を増やすと報じられたような制度的対策がありますが、本人の搬送不要の意志がある程度確認出来る場合、確実に搬送をしないと言う点をどう徹底するかも課題ですね。
消防庁のルール策定も緊急性がない場合搬送しないためのルールで、命がかかっている終末期患者を搬送しないことを正当化するためのルールではないために、今後も患者や家族を前に救急隊が悩むことにはなるでしょう。

興味深い議論として先日アメリカで蘇生処置拒否とタトゥーをした患者が搬送されてきた場合、どう対応すべきかが問われるケースがあって、一件明らかな意志表示に見えるこの場合であっても医師は対応に苦慮したそうです。
トランプ大統領は良心や信仰など思想信条の観点から許容出来ない医療行為を行うことを、医療従事者の側が拒否する権利を持たせようとしているそうですが、大部分の国民はこれに反対していると言います。
医療も契約に基づく行為と言う考え方が強い米国で、双方合意していない行為を一方に強要させるべきだと多くの人が考えたのは面白いと思いますが、思想や信仰には幅があるだけに搬送された先で対応は無理だと断られる可能性もあるわけです。
要は個人の判断で生死に関わる行為を決定されることに対して、多くの国民は不安を感じているのだとも言え、やはり命に関わる問題は明確なルールに基づいて行われなければ難しいのだとは思いますね。

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2018年3月12日 (月)

老兵は立ち去るのみ、ではない場合の方が何かと

生き物の世界も調べて見ると面白い話がいろいろあるようですが、先日はこんな記事が出ていました。

老兵は死ぬリスク高い最前線で戦う…シロアリ社会を分析(2018年3月9日朝日新聞)

 シロアリの「老兵」は死ぬリスクが高い最前線で戦い、若い「新兵」は王室近くで近衛兵の役割を担う――。こんな実態を京都大の松浦健二教授(昆虫生態学)らの研究グループが実験で明らかにした。余命の短い高齢のシロアリがリスクの高い仕事を引き受け、若い命の損失を防ぐことで効率的に防御力を保っていると考えられるという。7日、英科学誌に掲載された。

 松浦さんらのグループは、野外で採取したシロアリの女王アリや働きアリ、兵隊アリを、人工的に作った巣に入れて観察した。兵隊アリは巣の防衛に特化した役割を担い、一部の働きアリが脱皮して兵隊になってから約5年間生きるとされる。

 約1カ月後、脱皮したばかりの新兵アリと脱皮から1年以上たった老兵アリの巣の中での配置の関係を調べた。その結果、女王アリの王室がある巣の中心部付近に新兵アリが集中、離れた場所は老兵アリが多かった。

 老兵と新兵では外敵に対する防御力に差はないが、老兵の方が積極的に天敵を攻撃することも別の実験で分かった。老兵がリスクの高い仕事を引き受けることで、より寿命が長いシロアリは先に死ぬ恐れが少ない。松浦さんは「能力でなく年齢による分業で巣全体の損失を少なくできている」と話す。今後、年齢による分業が生まれるメカニズムの解明にも取り組むという。(西川迅)

日本指折りの進歩的なメディアとして名高い朝日新聞が取り上げたことでどんな意図があるのかと深読みする人もいたようですが、しかしシロアリの世界はよく出来ているとは聞きますが、こうまで組織的なものなのですね。
個人的に福島で原発廃炉作業に志願した年配の作業員の方々が、若い者に被爆リスクのある仕事をさせられないと語っておられたのを思い出したのですが、いずれにしろ老兵の皆さんに頭が下がると言うしかありません。
先日は別なアリの話ですが戦いで負傷した仲間を巣に連れ帰り、傷の手当てをする行動が確認されたそうですが、興味深いことにあまりにひどい怪我を負ったアリは、仲間達に救助されることを自ら拒否するのだそうです。
ほとんど注意を払うこともないような小さな生き物の暮らしにも様々なドラマがあるのだろうと思うのですが、生き物の世界がある種倫理的とも言えるような互いの思いやりある行為で成り立っているとすれば嬉しいですね。

さて、少しばかり本題と無関係な話が長くなりましたが、このところ各方面で労基署の働きが活発化している様子が報じられていて、働き方改革がその実行面でも強力に推進されつつあることが見て取れるかと思います。
特に超売り手市場とも言われるこのところの就職戦線を反映してか、若い世代の意識改革が進み年長者世代と大きな落差を生じているのは周知の通りで、時にはこれがゆとり云々と揶揄されることにもなりますよね。
そんな世相の中で古い時代の遺物として押し流されつつある年長世代の反撃と言うべきでしょうか、先日多忙で知られる教育現場からこんな声が挙がっていると話題になっていました。

公立小の副校長が「若い教師が午後5時に帰る」「やる気がない」と投書(2018年3月2日キャリコネ)

教員のブラックな労働環境が問題になる中、17時に帰る教員を”やる気がない”と断じた、公立小・副校長の投書が話題だ。副校長は、読売新聞(2月28日付)の「先生の相談室」に、
    「先輩が仕事をしているのに午後5時には帰宅し、家でも教材研究をしない教師もいます」
    「若い教師にやる気を起こさせるには、どうすればいいのでしょうか」
と投稿し、回答者に助言を求めている。職場に残ったり、自宅で仕事をしたりするのが良いことだと思っているようだ。これに対し、ネットでは「長時間やること=素晴らしいは本当にやめてほしい」と疑問の声が噴出している。

悩み相談の回答者は、都立足立新田高校長の鈴木高弘さん。
    「日々、子どもたちに接している教師の責任は重いのです。たとえブラックと言われようが、手抜きは許されません。若い先生には、一日でも早く『教師が自分の天職だ』という意識をもって、子どもと向かい合ってほしい」
と若い教師に呼びかけ、悩みを寄せた副校長には「問題だなと思ったら、ためらうことなく動きましょう」と回答した。鈴木さんも教師は限界まで精いっぱい働くべき、と考えているようだ。
ネット上ではこれに対し、「こういう人に限って『子供のため』とだらだら遅くまで仕事をすれば偉いと思い込む」といった批判の声が上がっている。評価されるべきはあくまでも仕事のアウトプットであって、どれだけの時間を掛けたかではない、ということだろう。

教師には仕事以外の時間を持つことが大切だという声もあった。
    「5時に帰宅し、仕事から離れてプライベートを充実させることが教師の人間力を磨き、魅力ある教師へと成長させるという考えが持てないもんかな」
特に小学校や中学校の先生には、授業のスキルだけでなく、生活指導や進路指導を行うだけの人間性が必要になってくる。そのためにはプライベートの充実も大切だろう。

文部科学省の「教員勤務実態調査」によると、教員の1日当たりの平均勤務時間は、平日で小学校11時間15分、中学校で11時間32分となっている。土日は小学校で1時間7分、中学校で3時間22分だ。
名古屋大学の内田良准教授も、ヤフー!個人の記事で「『過労死ライン』(月80時間以上の時間外労働)を超える教員が、小学校で3割、中学校で6割」と学校の「ブラック」ぶりを指摘している。こうした教員の長時間労働を是正するためにも、残業を美徳とする考え方を改めて、効率の良い働き方を追求することが必要になるだろう。

また日本の教員は、労働時間は長いのに、授業に当てる時間は短いという調査もある。OECDの調査によると、日本の公立小学校から高校までの教員の労働時間は、年間1891時間(2015年)で、加盟国平均よりも200時間多いという。
しかし授業にあてる時間は小学校742時間、中学校610時間、高校511時間で、いずれも加盟国平均より短い。課外活動、職員会議など授業以外の業務に時間がかかるからだという。残業の削減のためには、授業以外の仕事を縮減していくことが求められそうだ。

ネットメディアでの記事であるだけに、オンライン上での読者層を反映してか圧倒的多数から否定的な意見が続出しているのですが、しかしこの種の価値観を振りかざす方々はリアル社会でも未だ決して珍しくありませんよね。
一般的にはベテランの方が若手よりも仕事を効率よく片付けられると思われますから、ベテランが居残って若手が帰っていく光景を見て管理職としては仕事の割り振りに問題を感じるべきでしょうが、その視点はないようです。
逆に場合によってはベテランの方がダラダラと時間だけを浪費して仕事が進まないと言うこともあるようですが、この場合そもそも業務に対する理解や士気の面で問題があると言え、これも管理職として仕事をすべき状況ですね。
そう考えると副校長氏としては新人が居残りをしないことを嘆くよりも、自分の仕事をもう少し効率的かつ実効性のある形で片付けるべき余地が相応にありそうなのですが、助言により今後どんな風に改善が進んでいくのかです。

新人からすれば副校長ははるか格上の上司なのですから、自分の考えが正当だと思っているなら新聞に投書したりせず、さっさと職場で直接指導してやればいいではないかと言うもっともな意見もあります。
この点に関連して一部企業で新人研修として行われている叱られ方研修なるものが先日話題になっていましたが、当事者と言える学生ら若い世代を中心に研修内容そのものに違和感を感じると言う声が多かったようです。
無論研修ですからいわば極端な事例ばかりを取り上げているのでしょうが、これでは先に上司が叱り方研修を受けるのが先だと言う意見もなるほどと思えるものがあって、世代間ギャップとばかりも言えませんね。
特に管理職ともなれば職場がうまく回る環境を整えることに責任を持つ立場ですから、まずは自分のやり方考え方に改めるべきところがないのかと言う視点を持たなければ、単に頭の硬い老害として扱われるだけでしょう。

ちなみに医療の世界ではすでに臨床研修制度が変更された頃からこの種の問題が言われてきましたが、例えば研修医が5時に帰ることは是か非かと言う議論も、一昔前には盛んになされていた時代もありましたよね。
この種の議論になると決まって大ベテランの先生方が出てきては、いや俺達の若い頃は毎日病院に寝泊まりするのが当たり前、そもそも満足に寝られる日など滅多になかったと、妙に自慢げに語られるのがお約束でした。
ただ自分達がそうではなかったから違うやり方は間違っていると言う考えは、時代時代の進歩に応じて仕事も変わっていくと言う当たり前の視点の前には、少なくともロジックの面からは決して太刀打ち出来ないと言えます。
さすがに半世紀前の医療を今もそのままやれと主張する先生はいないでしょうが、半世紀前の仕事のやり方が今も正しいと感じてしまうとすれば、医師として知識だけでなく考え方のアップデートも必要なのでしょうね。

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2018年3月11日 (日)

今日のぐり:「寿司 一心」

このところ切れる高齢者なるものの存在が話題になっていますが、先日もこんなニュースが出ていました。

三重で77歳が“あおり”…暴行と道路交通法違反容疑で逮捕(2018年3月6日サンスポ)

 前を走る車が遅いと腹を立てて無理やり停車させ、運転していた男性に暴行を加えたとして、三重県警四日市西署は5日、暴行と道路交通法違反(通行区分違反)の疑いで、同県菰野町の無職、松岡紀彰容疑者(77)を逮捕した。暴行は否認している。

 同署によると、松岡容疑者は1月13日午後1時ごろ、同市西村町の県道を乗用車で走行中、前を走っていた同県松阪市の男性(26)が運転する乗用車を反対車線から追い越し、進路をふさいで停止させた。
 車から降りて近づくと、「わざとゆっくり走っとんのか?」などと怒鳴り、運転席の窓から手を入れ男性の手に触れた。現場の数百メートル手前が制限速度30キロだった。

 男性の車のドライブレコーダーの映像がユーチューブに公開され、それを見た第三者が同署に通報した。

その様子は全世界に動画が公開されていますので参照いただければと思いますが、まあしかしこういう輩は自動車を持たせてはいけないのでしょうね。
本日は人生最終盤で思わぬ有名人となった松岡何某氏による教訓を噛みしめる意味で、あちこちからはた迷惑な方々のニュースを取り上げてみましょう。

女子中学生の自転車かご 市議が瀕死のハト入れる ハトのため「何かしたらなあかん」(2018年3月10日産経新聞)

 和歌山県紀の川市の男性市議(72)が2月、市立中学校の女子生徒の自転車の前かごに死にかけのハトを入れ、後に生徒の保護者らに謝罪したことが9日、市教委や学校への取材で分かった。市議は産経新聞の取材に事実関係を認め、「命の大切さを知ってもらいたかった」としたが、「ショックを受けたなら(生徒本人にも)謝りたい」と述べた。

 市教委などによると、市議は2月22日、友人と下校中の生徒を呼び止め、「(ハトのために)何かしたらなあかん」と生徒が押していた自転車の前かごに、車にはねられたハトを入れた。生徒が驚いたため市議はハトをかごから回収。ハトは間もなく死んだ。
 23日に生徒の保護者が学校に「子供が自転車のかごに鳥を入れられた。自転車に乗りたくないと言っている」と連絡。学校が他の生徒への聞き取りをし、市議が浮上した。
 校長が市議に事情を聴くと、市議は行為を認め、24日に生徒の保護者に謝罪した。

 学校によると、生徒は現在、普段通り登校できているが、精神的なショックが大きく、教員らが心のケアを続けているという。

何を考えてこんな行為に走ったのか記事からは今ひとつ理解困難なのですが、これも暴走する高齢者の一例と言うことになるのでしょうか。
人生において一度や二度は死にたいと考えたことのある人は少なくないと思いますが、こちら死ぬに死ねなかった方の思いがけない顛末です。

自殺目的で「ガス充満」睡眠薬で死に切れず、ガスを忘れて「タバコに火」(2018年3月10日岩手放送)

先月、岩手県盛岡市内の住宅でガス爆発を起こし、住民にけがをさせたとして男が逮捕された事件で、男が自宅にガスを充満させたのは、自殺を図るためだったことがわかりました。
7日、ガス漏出傷害の疑いで逮捕された盛岡市中屋敷町の会社員 栗原義明容疑者32歳は8日午後、盛岡地検に身柄を送られました。

栗原容疑者は先月3日の午前11時ごろ、自宅内に故意にプロパンガスを充満させたあと、ライターを使って爆発を起こし、近所に住む70代の男女に軽いけがをさせた疑いが持たれています。
栗原容疑者の弁護士によりますと、栗原容疑者はガスを室内に充満させた理由として「自殺を図ろうと室内にプロパンガスを充満させて、睡眠薬を飲んだが死亡に至らなかった」という主旨の話をしていて、爆発については「目が覚めたときに、ガスが充満していることを忘れ、タバコに火をつけてしまった」と話しているということです。

また住宅を爆発させようという意図はなく「ガス漏れが起きることで、近隣に危険が生じるとは思わなかった」と話しているということです。
警察によりますと栗原容疑者は逮捕後「周辺の住民にご迷惑をおかけして、大変申し訳ありません」と謝罪の気持ちを示しているということです。
警察は栗原容疑者が、どのようにガスを充満させたかなど、事件の詳しい経緯や動機を調べています。

これは死ななくて良かったと前向きに捉えるべきか何とも微妙なニュースなのですが、人間ついうっかりと言うことは確かにあるものですね。
世の中ルール通り厳密にやらなければ駄目と言う場合も少なくありませんが、こちら一見サービス精神旺盛に見えてありがた迷惑だったと言うニュースです。

建設機械運転講習時間不足補講を(2018年03月02日NHK)

建設機械の運転教習などを行っている北九州市の教習所が、平成25年から4年間にわたり法律で定められた講習の時間を満たしていなかったとして、福岡労働局はこの教習所を2日から2か月間の業務停止処分としました。労働局はこの間に運転などの資格を取得した9200人余りは有効な資格を取得していないとして、補講を受けるよう呼びかけています。

福岡労働局によりますと、神戸製鋼グループの1つで、千葉県市川市に本社を置く建設機械の運転教習所、「コベルコ教習所」のうち、北九州市小倉北区にある教習所は平成25年から4年間にわたり、小型クレーンやフォークリフトの運転などの講習を、昼前に最大で15分早く終了していたということです。
運転資格の取得に必要な講習の時間は法律で定められていることから、この間に受講した9247人については、有効な資格を取得してないことになります。
昼間に講習を早めに切り上げた理由について、会社は、受講者の昼食時間を確保するためだったとしています。
福岡労働局はこの教習所に対し、2日から2か月間の業務停止処分にしました。
この間に資格を取得した人は教習所が行う補講を受ければ資格は有効になることから、労働局は速やかに補講を受けるよう呼びかけています。
「コベルコ教習所」は、「安全に関わる教習業務の信頼を揺るがす行為で、関係者のみなさまにおわび申し上げます。対象の受講者には個別に連絡をしているので、補講を受けていただきたい」と話しています。

こんなところまでよくチェックしているものだと思いますが、しかしこういうものは時間ではなく内容で決めてもいいような気もするのですがね。
愉快犯と言うものなのでしょうが、良い子のみんなは危ないから真似するな系の事件が報じられていました。

「百万遍」交差点のこたつ 2日連続で出現か(2018年3月9日朝日放送)

京都市で、交差点の真ん中に若者たちが、こたつを置き、鍋を囲んでいた問題で、この翌日にも同じ場所で机を囲む2人組が目撃されていました。

現場は市バスやトラックも行き交う、非常に交通量の多い片側3車線の交差点です。先月25日午後5時ごろ、京都大学前の「百万遍」交差点の真ん中で、こたつに入り、10分以上にわたって居座る男女4人が通行人などに目撃されました。4人は鍋を囲み、拡声器で「こたつの素晴らしさ」を演説していたということです。警察に注意された4人組は、こたつをリヤカーに乗せて京都大学の構内へ立ち去ったということです。その後の取材で、翌日26日の午後8時40分ごろにも、同じ場所に机を置いて居座る2人組が現れていたことがわかりました。目撃者によりますと、2人は男性で、このうち1人はヘルメットをかぶっていて、もう1人は女装をしていたということです。通行人から通報を受けた警察官が駆けつけたときには、すでに机と2人組は姿を消していました。警察は「同じような行為があった場合は、厳正に対処する」としています。

その異様な光景は元記事の画像を参照いただきたいですが、大学前とは言え交通量の多い大きな交差点の真ん中で何をしているんだですね。
最後に取り上げますのは人によって解釈の分かれそうなニュースなのですが、まずは記事から取り上げてみましょう。

アメリカで白人教師が奴隷制度を説明するために黒人の生徒を床に寝かせて足で踏みつけ実演 大炎上し問題に(2018年2月4日ゴゴ通信)

ニューヨーク州にある中学校の社会科の時間にとんでもない授業が行われた。

この授業を担当していたのはこの中学校に勤務して2年足らずの新任教師パトリシア・カミングスという白人の美人教師。教師は大西洋中央航路(Middle Passage)を説明しながらアフリカから奴隷が数百万人もアメリカに連れて行かれたと説明。
このミドル・パッセージとは、大西洋間奴隷貿易において、アフリカ人の黒人を奴隷船に乗せて南北両アメリカ大陸へと運んだ道筋を指す言葉。
教師は授業中に突然黒人生徒3人を呼んで、教室に床に寝るように指示した。続いて教師は生徒を踏みつけながら「気持ちはどう? 奴隷になってみたい?」と尋ねた。

この中学校は黒人とヒスパニック系の人の生徒がほとんどであり、白人の生徒は3%ほど。教師は一時的に授業から外されたが、次の日に学校に戻ってきた。
ニューヨーク文部科学省は「現在調査中。非常に衝撃的な事件で、このような行為は、学校や私たちの社会ではありえない」と述べた。

文字だけを見ていると今ひとつ何が何だか判らない話なのですが、元記事の画像を参照した結果「これはケシカラン」と憤慨する人々が続出したと言います。
人種差別的側面についてはともかくとしても、教室の中でこんなことが行われていると言うのもなかなか普通ではない学校なのかなと言う気がします。

今日のぐり:「寿司 一心」

瀬戸大橋線児島駅からほど近い、住宅街の一角に位置するこちらのお店、昨今回転に押されすっかり減ってしまった町の寿司屋と言ったところでしょうか。
とは言えリーズナブルな価格で地元の魚が楽しめ、特にランチタイムメニューの人気が高いのだそうで、今回も昼食時にお邪魔してみました。

一通りの料理が揃っている豪華版ランチとも言うべき一心定食を頼んでみましたが、こちらの場合順に料理を運んできてくれるのでちょっとしたコースの気分ですね。
まず出てきた天ぷらはこのところ食べた天ぷらの中で一番衣が軽く、とりわけ寿司屋であるにも関わらず(失礼)妙に野菜天がうまかったのが印象に残りました。
続いて出た刺身は時期のブリがなかなか脂の乗りが見事なもので、大ぶりの身を口に含んでみても生臭さなど全くなく、なかなかこれはいいブリですよね。
小鉢類は細々とした仕事が好印象ですが、かなり甘口の味噌を使ってある味噌汁は少し好みが分かれそうですし、茶碗蒸しももう少し切れ味が欲しい気がしました。

全体に使っている素材はそれぞれちゃんとしたものですし、仕事ぶりもなかなか綺麗なもので量も十分と、ランチメニューとして見るとお値打ち感は相当なものです。
お客がそれなりに入っている中でも接遇は意外とおっとりしたものですが、何しろ料理がどんどん出て来るので小食や食が細い人は心の準備が必要かも知れません。

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2018年3月 9日 (金)

盗っ人猛々しいを地で行ったサイトが話題に

昨今ネット上での炎上騒動は珍しいものではありませんが、先日盛大に炎上したこちらの一件をご存知でしょうか。

「当然の対価」求める漫画家に注文 「無料で見せられる努力を」ツイートが炎上(2018年2月16日J-CASTニュース)

   日本漫画家協会が公式サイトで発表した「海賊版サイトについての見解」とする声明が、漫画読者の界隈で議論を広げている。
   海賊版サイトを読むことは「泥棒にもっと盗んでこいと応援してる」ようなもの――。漫画家の宮尾岳さんがツイッターでそう発信したところ、一般のあるユーザーが「そういうこと言うなら無料で見せられるよう努力してください」とリプライ。ネットでは、このツイートが物議を醸すこととなった。

   海賊版サイトは、人気の漫画や雑誌の最新号を著作者の許可なくアップロードしている。無料で読めるため2017年ごろからじわじわと注目を集めているが、漫画家からは懸念の声が続出していた。
   「こんな海賊版サイトがはびこると、いくら努力して面白い作品を描いても漫画家は仕事になりません」。『あしたのジョー』作者のちばてつやさんは、ブログでそう訴えた。「海賊版に対する反発(憎悪)を持つ作家や読者は非常に多く、その方向性は率直にアピールしていくべき」と、『魔法先生ネギま!』作者の赤松健さんもツイッターに投稿した。
   そんな中、日本漫画家協会は18年2月13日に公式サイトで「このままの状態が続けば、日本のいろいろな文化が体力を削られてしまい、ついには滅びてしまう」と声明を発表。海賊版サイトの利用に警鐘を鳴らした。

   ただ、漫画家たちのこうした切実な声には、納得できないという反応を示す声も一部から寄せられた。
   『アオバ自転車店といこうよ!』作者の宮尾岳さんが2月15日、「僕ら商業誌の漫画家は『漫画を描いて生きて行く』と決めた人間だ。(略)働いたことに対価を求めるのは全ての職業の常識だ」とツイッターに投稿し、
    「漫画の海賊版とは『創作することに何の努力も行動もしなかった奴が、無断でタダでばら撒き、作家を殺していく』という悪業だ。それを喜んで読むと言う事は『悪業の後押し』だよ。泥棒にもっと盗んでこいと応援してるんだ」
と持論を展開したところ、ある一般のユーザーが
    「そういうこと言うなら無料で見せられるよう努力してください。企業努力や作家の努力が足りません
とのリプライを飛ばしたのだ。

   このリプライをめぐっては、ツイッター上で
    「何処を読んだらそういう返答をするのか理解に苦しみますが、この世にコストの掛からないものはありません
    「失礼とかいう域を超えてるわ」
    「企業努力で無料はできても作家の努力で無料はできんでしょ」
    「読む人間の『努力=金を払うこと』が足りませんね」
批判の声が噴出。投稿者は2月16日朝までにツイッターアカウントを削除した。
   この投稿者に言及したのか定かではないものの、『最終教師』作者の漫画家・山本貴嗣さんはツイッターで「『企業努力』という単語があるけど『消費者努力』ってのもあるんですよね、言われないだけでw(たぶん)」と投稿した。

   ただ一般のネットユーザーには、削除ツイートの内容に危機感を覚えた人も少なくないようだ。ツイッターには、
    「これは本物だと頭を抱えたのでまぁいろいろ根が深いものを感じましたね」
    「本当にクールジャパンの為にはキチンとコンテンツに課金させるところから子供の教育を始めないといけないと思う」
    「知り合いも漫画はただで読むものだと思ってるので、状態はかなり深刻だと思います」
との声も巻き起こっている。

この種の海賊版に関しては昔から幾らでもある話で、ひと頃某国で買い物をすると無断コピーの偽ブランド品ばかりなどと言われていたそうですが、この場合知的生産活動に対する対価の意識が薄いと言うことでしょうか。
特に日本の場合モノに対する対価は支払っても、他人の労働行為そのものへの対価は支払いたがらない人が多いとも言い、その理由の一つにチップなどサービス料を直接支払う制度がないことを挙げる人もいるようです。
その説の真偽はともかく、漫画などはよほど売れっ子にならなければ儲からないそうで、わずかばかりの収入を海賊版でさらに目減りされたのでは、それを生活の糧としていこうと言う人が増えるはずもないのは当然ですね。

事が漫画など必ずしも生活必需品ではないものであれば、別になくなってもいいのではないかと言う意見もあるかも知れませんが、他人の労働に正当な対価を支払うと言う当たり前の行動原理が破綻した場合、世の中がどうなるのかです。
医療の世界もその大部分は知識や技能と言った目に見えないものを売り物にしていると言えますが、「今日は薬が出なかったから支払わない」と言う人も実際にいますし、そもそも医療行為そのものに対する診療報酬は極めて低く抑えられていると言う点で、全く他人事ではありません。
ただこの場合馬鹿げた考えを生産者に押しつけようとした一消費者が批判されたと言うだけに過ぎないとも言えば言えるのですが、その余波が収まることもない間に火に油を注ぐようなニュースが出てきました。

漫画村、有料版「漫画村プロ」開始へ 早くも批判の声「盗人猛々しい」「超えてはいけない領域」(2018年3月5日BIGLOBEニュース)

無料で漫画などを閲覧できるサイト「漫画村」が、有料版「漫画村プロ」を開始することがわかった。
漫画村は、漫画雑誌やコミックス、写真集などが無料で閲覧できるサイト。その多くは出版社の許可を得ていないため、海賊版サイトの1つと呼ばれているが、漫画村は自らのサーバーに画像を保管していないため違法ではないなどと主張している。
漫画村には漫画家をはじめとして多くの批判が集まっているが、そのことを逆に「漫画家さんが無料で広告してくれた」と皮肉。利用者は2ヵ月で1.8倍にも増加し、向上した維持費を賄うために無料版に加え、有料版を提供するという。「漫画村プロ」では、全ての広告を除去し、アダルト作品の非表示選択、ZIP形式での画像ダウンロードなどの機能を提供。また、3人まで同時に使用ができ、無料版と分離した安定したサーバーで閲覧することができるという。「漫画村プロ」の提供は4月から5月を予定している。

これまでも問題が指摘されてきた漫画村が有料版まで開始することに、ネットでは早くも批判の声が多数寄せられている。「盗人猛々しい」「今まででもアウトなのに人の漫画で課金とな」「隣の畑から野菜取ってきたから売るぜ!生産者のことは知らないけどな!みたいなことか」「作者になんのメリットもないじゃん」「そこまでするならWEB漫画でちゃんと契約しちまえよ」「超えてはいけない領域に達した」「稼げる間に稼いで逃げきるもりかな」「利用者側も取り締まらないとだめだろ」
海賊版サイトをめぐっては、日本漫画家協会が2月に利用しないよう呼びかける声明を発表。「全く創作の努力に加わっていない海賊版サイトなどが、利益をむさぼっている」と指摘し、「このままの状態が続けば、日本のいろいろな文化が体力を削られてしまい、ついには滅びてしまうことでしょう」との懸念を示している。

相次ぐ批判が「無料の広告」に? 海賊版漫画サイト問題(2018年3月5日ITmedia)

 漫画などの違法海賊版サイト「漫画村」の運営者が3月5日、「2カ月でユーザー数が1.8倍になり、Twitterの利用者数(月間4500万人)を超えた」などとWebサイトに掲載し、“有料版”サービスの計画を発表した。ネット上では「盗っ人猛々しい」などと非難する声が上がっている。

 漫画村は漫画の単行本や雑誌を“無料”で公開しているWebサイト。こうしたサイトに掲載されている作品の多くが著作権者に許可を得ていない無断アップロードであり、著作権者や出版社の影響は甚大だ。今年に入り、日本漫画家協会が「全く創作の努力に加わっていない海賊版サイトなどが、利益をむさぼっている」と批判する声明を発表したほか、漫画家個人がTwitterなどで相次いで批判している。
 だが漫画村の運営者は「漫画家さんが無料で広告してくれたおかげで漫画村のユーザーが増えた」とうそぶく。公表したユーザー数が事実かどうかは判断できないが、著作権者や出版社の必死の訴えは、むしろ海賊版サイトの知名度を上げる結果になってしまった側面もあるようだ。

 なぜ批判がユーザー数増につながるのか。社会心理学の見地から「影響力」について説明する「影響力の武器 実践編」(誠信書房)に、示唆に富む例が挙げられている。
(略)
 漫画村に対する批判も似たような側面がある。「多くの人が漫画村を利用していて、出版社や著作権者に影響を与えている」という訴えは、むしろ「多くの人が漫画村を利用している=自分も利用してよい」と受け取られかねない。今回運営者がサービス利用者数を「Twitterを超えた」と発表したのも、「多くの人が使っている」というメッセージを発信することが狙いだろう。
 では、どのような訴えなら、このようなネガティブな影響を及ぼしにくいのか。「影響力の武器 実践編」では、「月例会議の欠席者が多いことに頭を悩ませている管理職」というケースが紹介されている。「実際には大多数の人が出席していることを指摘して、欠席者は少数派だという事実を強調する」のがポイントだという。

しかしよく堂々とやるものだと感心するのですが、ネット上ではこれだけ利用者が増えているにも関わらず、海賊版サイトの行為を擁護する声はほとんど見られないと言う興味深い現象も指摘されています。
当然ながら著作権違反の違法行為であるだけに、近く摘発の手が入りそうだという噂も出ているのですが、しかし今回たまたま特定サイトが話題になっただけで、国内外にこの種のサイトなど無数にあるわけです。
しかもネット検索をすればどんな零細サイトに収録された作品でも自由に検索して読めるだけに、特定サイトを閉鎖に追い込んだとしてもあまり意味がないと言う予想も出来ますね。

本質的な解決策について何か方法論があるのかですが、例えば児童ポルノなどと同様利用車側に対する規制の強化と言う道もありますが、当然ながらこれには反対意見も半端ないでしょう。
著作権違反があった場合、検索サイトに申告して当該サイトの削除を依頼することも出来るのですが、名前や依頼内容が公表されることに加え、そもそも大手検索サイト自身が以前から著作権違反ではないかと問題視されてきた経緯もあります。
また海賊版サイトを閲覧することで好ましからざるお土産を仕込まれてしまうと言うリスクもありますが、そもそも違法サイトを利用しているのですからこの種のリスクはあって当然で、利用する側も相応の覚悟がいると言うことでしょう。


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2018年3月 7日 (水)

消防救急、搬送しない場合のルールを策定

以前からその必要性が言われていることですが、先日こんなニュースが報じられていました。

緊急性なければ搬送せず 消防庁、判定マニュアル作成へ(2018年3月6日朝日新聞)

 全国的に出動が増えている救急車を有効活用するため、総務省消防庁は、救急現場で緊急性がないと判断された人を搬送しない際の、隊員の対応マニュアルや教育体制の整備を新年度から進める。こうした対応は一部の地域で取り組んでいるが、トラブルを懸念する声が出ていた。今年度末にまとめる検討会の報告書に方針を盛り込む。

「緊急でない」判断、誤りだったら…搬送現場のジレンマ

 2016年の救急出動は10年前より97万件多い621万件、増加傾向が続く。10年で救急隊も全国で約300隊増えたが、現場到着にかかる時間は約2分延びている。出動数が多い都市部や1回の出動に時間がかかる過疎地などは、一刻を争う患者搬送が遅れかねず、地域によっては全ての救急車が出払う事態が起きている
 こうした中、緊急度の高い人を把握し、出動態勢を手厚くしたり、適切な医療機関を選んだりする、緊急度判定を導入する消防本部が増えてきている
 総務省消防庁の昨年度の調査では、全国の消防本部の74・9%が、救急現場で緊急性が低いと判断された人に、救急車以外の手段を勧める取り組みが「必要だと思う」と回答。同庁は昨年度の報告書で「緊急度を判定し、救急搬送の要否を判断することが求められる」と対応を促した。

 ただ、救急搬送が必要な人への「判断ミス」があった地域もあり、運ばない判断への慎重論は根強い。同庁の昨年度の調査でも、96・7%の本部が、後で容体が悪化した際の責任問題を不安に挙げた
 こうした状況から、18年度に患者への説明、搬送しなかったときのアフターケア、記録の残し方などのマニュアルをつくるとともに、職員の教育体制づくりを目指す。速くて正確な判定のための技術開発も同庁の研究班(班長=森村尚登・東京大教授)が進める。19年度にいくつかの消防本部と協力してモデル地域で検証する方針だ。(阿部彰芳)
     ◇
 〈救急の緊急度判定〉 119番通報の時は通信指令員が患者の訴えや状態をもとに判断し、救急現場では隊員が患者を観察し、呼吸、脈拍などの情報も踏まえて決める。判定の過程や留意点をまとめた手順書を総務省消防庁が公表しているほか、独自に手順を決めている地域もある。同庁の報告書では、緊急度が低ければ「時間的余裕があるため、自力での受診が可能」としている。

まあしかしどう見ても救急搬送の対象ではないケースも数多いので、こうした明らかな事例をお断り出来るようになるだけでもずいぶんと違うのではないかと言う気がしますけれどもね。
ただ近年救急搬送業務の逼迫が言われていることは周知の通りで、その是正策の一環であることは言うまでもないのですが、個別の判断での対応ではなく全国一律の公定マニュアル化であることに意味があります。
家が丸焼けになっても消防隊が何故訴えられないのかと言う話がありますが、救急搬送も搬送遅れや搬送漏れなど様々なトラブルが時折報じられるものの、搬送ミスだと隊員が訴えられると言うケースはあまり聞きませんよね。
その理由の一つに消防救急は個人ではなくあくまで組織として活動していると言うことも挙げられると思いますが、組織として判断し組織として活動した結果なのだから、文句があるなら消防庁に言えと言うことになるのでしょうか。
とは言え医賠責などと同じように搬送業務についての賠償保険もちゃんとあるのだそうですが、ともかくも救急隊としては徹底的に組織としてのルールを策定し、それに従って動くと言う姿勢を貫くようですね。

ひるがえって医療の世界ではガイドラインなどと言うものに対する反発も未だに多く、医療現場は何事もルール通りにはいかないのが当たり前で、何でも杓子定規に決められては困ると言う声がともすれば挙がってきます。
医療訴訟絡みでガイドラインに外れていれば負けると言う誤解がありますが、ガイドラインに外れていても根拠や妥当性があれば大丈夫なのだそうで、ガイドライン通りにやっていれば負けることはないと言う方が正しいのだそうです。
ひと頃の救急医療崩壊と騒ぎになったことがありましたが、これも何でもかんでも受けられるわけがないのは当然で、本来ならルールを策定し公表した上でそれに従ってお断りすると言う形であれば混乱が少なかったでしょうね。
ルールを決めるだけでなく、それをきちんと公表して世間に周知してもらうと言うことは余計なトラブルを回避する手段としても有効ですし、結局は現場の無駄なストレスの軽減にもつながるのではないかと言う気がします。

こうしたルールは必ず安全性のマージンを織り込んで策定されるはずですが、当然ながらこれに従った判断であっても結果的に間違っていたとか、逆に過剰なマージンの取り過ぎで業務軽減にならないと言うこともあり得るでしょう。
進歩的なメディアの中の人などは万に一つでも何かあれば鬼の首を取ったかのように大騒ぎするのが常で、ルールに従い事故でも起ころうものなら必ずそれみたことかと猛批判するでしょうが、一定の間違いは必ず起こるでしょう。
結果的にどの程度の不利益が新たに起こり、それに対してどの程度過密な業務改善が進んだかを検証し改訂していく作業が必要ですが、救急隊に余裕が出来れば搬送が効率化し、結果的に助かる命も出てくる理屈です。
稀なレアケースに備えて日常的に不具合が多発するよりは、一定の不利益はあっても日常的に大きなメリットをとった方がいいとは思うのですが、当然レアケースに対しての補償なりもセットで用意しておくべきでしょうね。

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2018年3月 5日 (月)

開業医にも働き方改革の波が?

医師の働き方改革と関連して各地で労基署が病院現場に踏み込む事例が相次いでいますが、勤務医以外でもこんな話があると言うニュースが出ていました。

「当番医強制は違法」提訴 津久見の開業医「診療の自由制限(2018年3月1日西日本新聞)

 大分県津久見市で診療所を開業する40代男性医師が、市医師会が休日や夜間に救急患者を輪番で受け入れる当番医制度を会員に強制するのは「独占禁止法などに違反する」として、規定の無効確認を求めて大分地裁に提訴したことが28日分かった。

 訴状などによると、市医師会は昨年7月、当番医について「特段の事情がない限り、受けなければならない」という規定を決議した。
 これに対し、男性医師は当番医制度は必要としつつも「医師には診療の時間や場所を決める自由が保障されている。当番で医療スタッフの確保を迫られるなど、強制による負担は極めて大きい」と主張。医師会の規定は、事業者団体は、構成事業者の活動を不当に制限してはならないと定めた独禁法(8条4号)に抵触するとして提訴した。現在は、当番医の輪番から外れている

 市医師会などによると、市内には15医療機関があり、眼科などの単科や70歳以上の医師を除いた11機関が当番医の対象。診療所は平日夜間(午後5~10時)と、日祝日(午前8時半~午後5時)の当番医を1カ月に3、4回担当する。報酬は、市の委託料を分配する形で夜間は7千円、休日は8500円が支払われる
 市医師会事務局は「訴状が届いていないため詳細は分からないが、当番医への協力を引き続き依頼したい」と困惑。市医師会に所属する他の医師は「津久見市は医師が少なく、任意にして離脱者が増えれば、当番医制度が立ちゆかなくなる」と懸念を示した。

■医師不足や高齢化背景 若手、地方を敬遠

 大分県津久見市の開業医が当番医の強制を「違法」と訴え、輪番を外れた背景には、医師の偏在や高齢化という地域医療の疲弊がある。九州では医師の負担を考慮し、小児科の夜間救急対応を縮小する動きも。現場からは「どこも同じ状況だ」と悲痛な声が上がる。
 「うちの病院は私1人で当番医を務めており、このままでは医療事故のリスクが高い」。提訴した男性医師は訴状で危機感を吐露する。津久見市医師会に所属する医師は、15機関の28人。市の人口はピーク時の半分以下の約1万7千人に減っており「今後、医師が増える見込みはない」(市健康推進課)状況だ。
 同県竹田市の救急病院、竹田医師会病院では「マンパワーが不足している」として、救急受け入れを断る例が増え、市民が不安を訴える事態になっている。
(略)
 宮崎市では、夜間の小児患者に対応する市夜間急病センター小児科を運営する同市郡医師会が、医師不足や高齢化を理由に「将来的な継続が難しい」として市などと協議している。
 センターは、地域の小児科の開業医約20人と宮崎大病院小児科の医師約10人が月1、2回の当直を交代で担当する。開業医の平均年齢は50代半ば。センターの高村一志所長は「4月以降は当直勤務を組むのも厳しい。続けたいが、自分たちの健康に関わる」と話す。

 小児科医の不足は都市部も例外ではない。福岡市は「医師不足で当直の頻度が高くなり、ゆとりがなくなった」として16年4月に、市内6カ所の急患診療施設のうち3カ所で小児科の診療を取りやめた
 地域医療に詳しい原土井病院(福岡市東区)の原祐一医師は「当番医の問題は今後、他の地域でも間違いなく顕在化する」と指摘。行政の補助金を増やし、医師数に比較的余裕のある地域から当番医を招くなど、早急な対策の必要性を訴えた。

10時までとは言え夜間の診療と、休日丸々一日を潰しての診療が月3、4回とはなかなか大変だと思いますし、当然ながらこうした不満の声が出てくるのは理解出来るのですが、何やら大きな話になったものですね。
記事を読んで誰しも感じるのがこの強制的な当番医制度のあまりに安い報酬で、1万円にも届かないとは桁が一つ間違っているのではないかと思うのですが、これではスタッフへの手当にも足りないのではないかと思います。
地域によっては行政からの補助金もなく、医師会からの雀の涙の報酬だけでやりくりしている当番医もあるそうですが、医師会の予算の元も会費なのですから、これでは自腹で奉仕活動をしているのと変わりません。
当然ながら診療所であっても医療スタッフはどこも不足気味ですから、こんな業務に駆り出されて雀の涙のような手当ではスタッフ受けも最悪でしょうが、引き受けている医師会が市と交渉すべきではないかと思いますね。

この年代でこれだけの時間外業務を負担するのはかなりきついと思いますが、開業医の場合自営業であり自分で労働を管理している建前ですから、いくら働いて体を壊そうが自己責任で何の補償もないわけです。
逆に言えば自分の健康は自分でしっかりと管理し、責任を持って安定的で持続可能な経営体制を続けていかなければならない理屈で、その障害になるのであれば赤字確定の業務を断ることは当然選択肢に上るでしょう。
問題はその場合地区医師会を完全に敵に回しかねないと言うことですが、この種の不利益にしかならない業務が回ってくるばかりであれば敢えて媚びを売る必要もないのでしょうし、医師不足地域なら患者は来るのでしょう。
一般に田舎の場合地域のコミュニティから排除されると暮らしにくいと聞きますが、こと医療に関しては医師の独立性が高く、ネットなど宣伝媒体もある時代に敢えて医師会所属にこだわる必要もないのかも知れませんね。

裁判自体は独占禁止法違反としては微妙な印象もあるのですが、少なくとも輪番制を見直す動きにはつながるだろうし、同様の不満を抱いている先生方は全国的に多いだけに反響も大きくなりそうな気配もあります。
設備的なリソースがある地域の中心医療機関で開業医が交代勤務するとか、常設の夜間診療所を医師会なりが用意した方が各施設のスタッフの負担は減るでしょうが、その場合も医師の負担感としては変わらないと言う問題は残りますね。
医師会に政治力があればそこでアルバイトで働いてくれる医師を外部から呼べる可能性がありますが、全国的に見れば大学や大規模病院が近隣に全く無い地域も少なくなく、実際どこから呼べばいいのか悩ましいところです。
極論すれば夜間休日の診療報酬が何倍かになれば手を挙げる先生も出るでしょうが、電話相談窓口を設けるだけでも不要不急の時間外受診を様子を見させたり、時間内受診に誘導する効果はかなりあるそうで、地域の状況次第で工夫出来る余地はまだあるのかも知れませんね。

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2018年3月 4日 (日)

今日のぐり:「葦の花」

昨今お役人の不祥事には事欠かない世の中ですが、先日いささか毛色の異なる不祥事が報じられていました。

苦労せず後任が使用許せぬ…データ消去 滋賀、市職員処分(2018年1月12日京都新聞)

 滋賀県栗東市は12日、昨年3月まで所属した部署のファイルにアクセスし、後任の職員に無断で1414件の書類データを消去したとして、係長級の男性職員(45)を戒告処分にした。

 市総務課によると、男性職員は旧所属のファイルへのアクセス権限がなくなった6月以降、アクセスを繰り返し、庁内事務で使う書類データを消去した。システムに設定ミスがあり、男性職員は9月中旬まで旧所属のファイルにアクセスできたという。

 後任の職員が消去に気づいて発覚した。男性職員は「苦労して作ったデータを、後任に何の苦労もなく二次使用されることが許せなかった」などと話しているという。

うんまあ…人間誰しも面倒臭い仕事を嫌がるもので、こうしたことを考えてしまう気持ちは判らないでもないのですが…ねえ…
今日は公僕としての人生を全うするにはいささか心が狭かったと思われる男性職員の今後の人生に幸い多かれと願って、世界中からまあ気持ちは判らないでもないと言う微妙なニュースを紹介してみましょう。

子供にはやし立てられて逆ギレ 捨て台詞吐いて逃げ出した露出男 荒川区(2018年01月15日ハザードラボ)

 東京・荒川区の公園で13日午後、遊んでいた子供たちの前で、公然わいせつ事件が発生した。犯人は男性器を露出して見せたのち、騒ぎ立てた子供たちに向かって「死ね!」などと恫喝したという。

 事件があったのは、13日午後3時ごろ、荒川区東尾久3丁目の児童遊園で小学生らが遊んでいたところ、髪の毛に白髪が混じった50、60代の男が近づき、履いていたズボンから突然男性器を露出して子供たちに見せた。

 子供が騒ぎたてたところ、男は突然激昂して、「死ね!」などとわめきながら、その場を立ち去ったという。犯人は年齢50〜60歳くらい、身長160センチ前後、中肉体型で黒いジャンパーを着ていて、髪の毛には白髪が混じっていたという。

 現場は、都電荒川線「東尾久三丁目駅」から数十メートルほど離れた住宅街の中の公園で、警察が公然わいせつの容疑で男の行方を追っている。

どちらが悪いのか何とも言いがたいような微妙な事件なのですが、しかし精神年齢的には互いに対等であったのだろうなと感じるところです。
訴訟大国アメリカと言えば数々のトンデモ訴訟の伝説もある国ですが、そんな中でもこれはまあ仕方がなかろうと多くの人が感じた事件がこちらです。

補助便座の縁で3歳児のペニスがちぎれる事故 高額訴訟へ(2017年12月30日テックインサイト)

米カリフォルニア州のある家庭で少し前、幼児が使用するトイレトレーニング用補助便座が原因となる深刻な事故が起きた。このような危険なものを製造、販売した者が悪いとして、メーカーと大手スーパーマーケットチェーンが訴えられたことを『CBS Los Angeles』が報じている。

陰茎に重傷を負ったのは、カリフォルニア州リバーサイド郡に祖父母や両親と暮らしている3歳の男の子(子供の将来とプライバシーを考慮し、名前などは明らかにされず)。トイレトレーニング用の補助便座を使うようになっていた今年6月、補助便座と本便座の間に陰茎がはさまった状態で手で体重をかけてしまい、驚いて立ち上がろうとしたことから陰茎があわや切断の寸前となった。病院の治療においては、神経や血管が豊富で非常に敏感な領域につき縫合ではなく専用の接着剤が用いられ、幸いにも接合に成功したが違和感ほかダメージは永久的に残るであろうという。

この幼児用補助便座は米スーパーマーケットやオンラインショッピングで購入が可能な“WeePOD/Basix Potty Ring”で、値段も日本円にして1,300~1,900円ほどと手頃。『Amazon』などでも評価は軒並み高いもようだ。このプラスチック製補助便座の裏側は硬質なエッジがむき出しになっており、この上から力をかけて押せば柔らかいものなら容易に切断されるであろう。
事故を重く見た両親と祖父母は、このほどリバーサイド郡高等裁判所にて販売者である大手スーパーマーケットチェーンの「ターゲット(Target)」と、補助便座を製造したメーカーの「プリンス・ライオンハート(Prince Lionheart)」社を相手に損害賠償を請求する訴えを起こした。商品の注意事項にその危険性について触れていないメーカーの責任は重く、また2015年までにこの補助便座に関する複数のクレームがありながら顧客にその危険性を知らせることなく販売を続けていたターゲットの責任は大きいとしている。

もっとも、今なおターゲットのオンラインショッピングサイトでこの商品は入手可能である。原告側の弁護士を務めるジョン・クリステンセン氏は、「商品の危険性を知りながら製造、販売を続けるとは無謀としか言いようがない。2015年5月にバージニア州でも同様の事故があったことがわかっており、その時にも同製品のリコールは行われなかった。両社の責任を徹底的に追及したい」と語っている。損害賠償金請求額は相当なものになるとみられ、裁判に向け着々と準備を進めている様子だ。
この“WeePOD/Basix Potty Ring”については、質そのものに問題があるという声も。同メディアの取材にある母親は「2~3か月使用したところプラスチックが消耗して亀裂が入り、はさんだり突き刺さったりしたらお尻に大怪我をすると思いました。体重が軽いうちは強力接着剤で何度か補修しましたが、それも限界が来ました」と話している。

しかし値段相応の品質と言うことであるようにも思うのですが、この種のシンプルな構造のものでも破損してしまうと言うのは製造上の問題があったのでしょうか。
昔から偽のお金を見分けるための手段として活用されてきたあの方法ですが、現代の最先端機器に応用することはやめるべきだと感じさせるのがこちらのニュースです。

iPhone爆発の瞬間が動画撮影される / バッテリーに加圧したのが原因(2018年1月28日バズプラスニュース)

とんでもなく恐ろしい事故が発生した。iPhoneに使用されているリチウムイオンバッテリーをかじったところ、突如として大爆発を起こしたのである。その瞬間が撮影されており、爆発の凄まじさを見ることができる。

・リチウムイオンバッテリーをかじった
爆発が発生したのは、中国のショッピングセンター内のスマートフォン売り場。ここでは有料でiPhoneのリチウムイオンバッテリーを交換することができ、やってきた男性は本物のiPhoneのリチウムイオンバッテリーかどうか調べるため、実物をかじった。

・爆発に巻き込まれた人々
かじって1秒も経たないうちにリチウムイオンバッテリーが大爆発。スマホ売り場には複数の人がいたが、その爆発に巻き込まれた。爆発後、ケガをしている人たちの姿はなかったが、動画は爆発後数秒で終了しており、本当の被害状況は不明なままだ。

・加圧され爆発に至った
リチウムイオンバッテリーは衝撃や加圧に弱く、極端なエネルギーを加えると爆発する恐れがある。おそらく、男性がリチウムイオンバッテリーをかじったため、加圧され、爆発に至ったと推測されている。決して、リチウムイオンバッテリーをかじってはいけない。

・故障の原因につながる
ちなみに、アップル社はiPhoneの電池交換を星期天以外の店でやることを推奨しておらず、一度でもiPhoneを開封(解体)した場合は保証対象外となるだけでなく、故障の原因につながるとしている。

その見事なまでの爆発の様子は動画を参照いただきたいところですが、しかしバッテリーの真贋も囓って判明するものだとは知りませんでしたが、本物であればこうなるのでは判明しても無意味な気がします。
最後に取り上げますのはご存知ブリからですが、伝統を大事にする国の伝統の守護者とも言うべき立場の方もこうした見解は持っているのだそうです。

英女王、金の馬車の乗り心地は「ひどい」と告白 異例の番組出演で(2018年1月9日AFP)

【1月9日 AFP】英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II、91)が、BBCのドキュメンタリー番組に異例の出演を行い、戴冠式の際に使用された金の馬車について、実は乗り心地が悪いと告白した。8日に放送された番組の予告編で明らかになった。

 1821年のジョージ4世(George IV)の戴冠式以来、全ての英君主が即位の際に使用してきた「ゴールド・ステート・コーチ(Gold State Coach)」の乗り心地についてエリザベス女王は、「ひどいものです! ばねの上に革が張ってあるだけ。あまり乗り心地の良いものではありません」と明かした。
 18世紀に金をふんだんにあしらって製造されたこの馬車は、2002年の女王即位50周年記念式典など、戴冠式以外の公式行事でも使用されてきた。
 番組予告編によると、女王はこの他「クラウンジュエルズ(Crown Jewels)」と呼ばれる、王冠などの宝器にも言及。「クラウンジュエルズには欠点がいくつかありますが、それを別にすれば非常に大切な物です」と話している。

「戴冠」と銘打ったこのドキュメンタリーは、父親のジョージ6世(George VI)の崩御を受けて現女王が即位した歴史的な日である1953年6月2日に焦点を当てている。
 エリザベス女王は世界最高齢の国家元首であると同時に、英歴代最長の在位期間を誇る。

確かに古い乗り物だけに乗り心地はあまり良くないのでしょうが、しかし何とはなしに夢を壊すような話でもありますね。
日本でも皇居に賓客を迎え入れる馬車があるそうなのですが、幸いにもここまで古いものではないようで多少は乗り心地も良いのでしょうか。

今日のぐり:「葦の花」

琵琶湖の湖畔に位置するこちら、いわゆるスーパー銭湯に相当する施設なのでしょうか、しかしたまたまこの日がそうだったのかは判りませんが大変な繁盛ぶりですね。
その中で飲食する場が色々と用意されているのですが、こちら主に和食系統の料理を提供するもので、ありがちですが様々な和風の料理が用意されています。

何やら名物っぽくも見えた天ざるそばを頼んで見たのですが、蕎麦はまあ蕎麦っぽさが幾らか感じられるものですし、味蕎麦つゆも一応出汁の味はするしで、まあこんなものでしょうか。
天ぷらは揚げ自体はそこまで悪くないし、野菜天などはまずまず天ぷららしいのですが、エビ天になると途端に冷凍の既製品っぽくなるのはどうしたものかで、ちょっとこれはいただけません。
同行者のとんかつ定食もつまんでみたのですが、まずは味噌カツと言うのが意外だったのですが、これも肝心のトンカツの味が冷凍食品と大差ないレベルで、正直自分には区別が付きませんでした。
味噌汁やご飯もまあ贅沢は言わなければ特に問題ないものなのですが、一応キャベツの線切りは水準の内容で、この辺りは少しだけとんかつ定食らしいのかなと言う気がします。

料理の味はこの種の温泉施設の食べ物屋と言う範囲を一歩も出ていないのですが、こちらの場合問題なのは接遇面で、限りなく放置プレーなのは初心者には優しくないですね。
施設の利用システムの説明も掲示も何もないので、こちらは入館早々右往左往することになったのですが、どうしてそんなことも知らないのか(意訳)と真顔で言われたのはむしろ笑えました。

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2018年3月 2日 (金)

医師の長時間労働、患者の命を危険にさらす

このところ医療現場に労基署が立ち入るケースが相次いで報じられていますけれども、実態としてもかなり広範囲に及んでいると言うニュースが出ていました。

医師の長時間労働 特定機能病院7割に勧告(2018年2月24日東京新聞)

 大規模病院で違法残業や残業代の未払いが相次ぎ発覚している問題で、高度医療を担う全国八十五の特定機能病院のうち、七割超の六十四病院で労働基準法違反があったとして労働基準監督署が是正勧告し、少なくとも二十八病院に複数回の勧告をしていたことが二十三日、明らかになった。
 共同通信が二〇一三~一七年の関係資料を入手した。藤田保健衛生大病院(愛知県)など五病院に関しては勧告が四回繰り返され、労使協定(三六協定)の未締結や労基署への無届けを指摘された病院も六病院あった。勤務医らの長時間労働の根深さが裏付けられ、医師の働き方改革の議論に影響がありそうだ。

 勧告を受けた病院や運営法人の中には、三六協定の上限時間を引き上げることで違反状態を解消しようとする病院もあった。がん研究会有明病院(東京都)を運営するがん研究会は、三六協定に基づく医師の残業上限(月八十時間)を超える残業をさせたなどとして一六年十二月に勧告を受け、「過労死ライン」とされる百時間を大幅に上回る百五十五時間を上限とする協定を結び直していた。
 四回の勧告があったのは藤田保健衛生大、奈良県立医大、山口大、愛媛大、長崎大の各病院。長崎大病院は、時間外労働に関する労使協定の上限時間(月八十時間)を超える月九十五時間の残業をさせたなどとして一三年三月に是正勧告を受け、一七年六月までほぼ毎年、違法残業か割増賃金の未払いで勧告を受けた。未払い分は既に支払ったという。
 藤田保健衛生大のほか、千葉大、日本医大(東京都)、横浜市立大、京都府立医大の各病院と静岡県立静岡がんセンターは、医師らとの間に三六協定を結んでいなかったり労基署に届け出ていなかったりしたにもかかわらず残業させたとして勧告を受けた。いずれも現在は協定を結び、届け出もしているとしている。

 医師の長時間労働は、診療の求めを原則拒めないと医師法が規定する「応召義務」も一因とされ、厚生労働省の検討会が在り方について議論。患者への説明など一部の業務を他の職種に任せるタスク・シフティング(業務移管)の推進を柱とした緊急対策をまとめた。
(略)

リストアップされた名前を見れば全国大学病院クラスがずらりと並んでいますけれども、最も医師数が揃っているはずのこれら大規模病院においてこれだけの違法労働が行われていると言うのは困ったものです。
この労基署の医療現場への介入、もちろん昨今の働き方改革に沿った動きでもあるのですが、一説には厚生省と労働省が合併したことで、それまで他省庁の管轄であった医療に労働省側が介入しやすくなったとも言います。
かつての労基署は相談相手が医師と判った途端電話をガチャ切りされたなどと言う噂もありましたが、最近はこうした不介入の対象は同様に違法労働の蔓延する学校が主体だそうで、こちらは文科省管轄ですよね。
何にせよ法律が何故設けられているかと言えば過労死など労働者自身の健康を守ることに加え、特に医療現場では患者への不利益が怖いからで、そうした不利益を示すこんな記事も出ていました。

勤務医 当直明けでも通常勤務 集中力低下でミス増加も(2018年2月24日NHK)

病院に勤務する医師のうち、当直明けでも通常の勤務を続けているという人が全体の80%近くに上り、集中力が低下してミスが増えると答えた医師も多数いたことが労働組合の調査でわかりました。
この調査は医師で作る労働組合「全国医師ユニオン」が去年7月からの2か月間に実施し、1800人余りの勤務医から回答を得ました。

この中で当直が明けた後でも通常の勤務を行っているという医師は78.7%に上り、こうした長時間勤務によって集中力や判断力が低下し、電子カルテの誤入力や治療のミスなどが通常より増えていると答えた医師は67.7%に上りました。

1か月当たりの当直勤務の平均回数は救急科が最も多く5.2回となっているほか産婦人科は3.5回などとなっています。また診療科別に時間外労働の平均時間を調べたところ、最も長かったのは救急科で94.4時間、次いで産婦人科が82.7時間となり、いずれも過労死ラインとされる月80時間を上回りました。

全国医師ユニオンは「長時間勤務によって医療の安全が脅かされかねない事態になっているにもかかわらず国は対策をとっていない。患者のためにも医師のためにも実態を把握して実効性ある対策を打ち出すべきだ」と話しています。

ほんの10年前には当直明け医師の96%が通常勤務をしていたことを思えば、逆に全体の2割は当直明けは通常勤務をしていないと言うのが事実だとすれば大変な進歩だと思うのですが、世間的にはこれでも驚きだそうです。
当然ながら皆さんが大病を患って入院と言うことになったとき、執刀する先生が前日朝から泊まり込みで仕事をしていてろくに寝てもいないとなると嫌だろうと思うのですが、実際にこれだけ能力も低下していると言うことですね。
当然ながら医療訴訟にでもなった場合に「いや当直明けで眠かったから」などと言い訳が通用するはずもないのですが、この点で当然ながらそうした過酷な勤務をさせている病院側に責任はないのかと疑問に思うところです。

2003年に大学院生が自損事故で死亡した際、事故原因の原因が極度の過労によるものと認められ大学病院に賠償が命じられた判決がありましたが、患者相手に事故を起こした場合も同様の判断が行われるかです。
ただこの裁判においても当然ながら大学側は本人が希望してやっていたことだと責任を認めようとしなかったわけで、この種の裁判にしばしばあるように雇用主と被雇用者の利害対立は当然発生することでしょうね。
医療訴訟になった場合病院側は全く守ってくれないとは多くの経験者の先生方も言及するところですが、過労死のリスクを負ってまで病院のために働く先生に追い打ちをかけるような真似はさすがにどうなのかとは思います。


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