« 2018年1月 | トップページ

2018年2月

2018年2月23日 (金)

安い値段で求人されているクレーム対応要員の実際は

このところの流出事件で全国に名を轟かせているあの会社が、今度は別な方面でも名を轟かせていると話題になっているのがこちらのニュースです。

ネット上で「時給1600円でクレーム対応は地獄」といった声 コインチェックがスタッフを募集(2018年2月7日ITmedia)

 仮想通貨取引所「Coincheck」を運営するコインチェック。1月26日に不正アクセスを受け、26万人の仮想通貨「NEM」約580億円分が流出。対象者全員に約460億円を日本円で返金すると発表しているが、具体的な時期は明らかにしていない。また、取引所で扱っているビットコイン以外の全ての通貨の取引を停止しており、その再開のめども立っていない状況だ。
 そうした中、数日前から、「コインチェックが時給1600円でクレーム対応をするバイト(コールセンタースタッフ)を募集している」と、ネット上で話題になっている。

 きっかけは2月3日に、求人サイト「エン派遣」に掲載された求人情報(現在は削除されている)。募集先の名前は「大手金融機関」となっていたが、募集要項には「コインチェック社に関する問合せ対応」「第三者による不正ログインや不正送金の問合せ対応」「不正ログイン、不正送金等の犯罪被害に対する対応」――などと記載されていたため、コインチェックが事業再開に向けてコールセンタースタッフを募集しているのではないかと話題になった。
 ネット上では「時給1600円でクレーム対応は地獄」「社員がやれよ」といった批判的な声や、「いよいよ事業再開か」「破産せずに済むのか」という事業継続への期待を寄せる声などが挙がっている。

 事実関係についてコインチェックに問い合わせたところ、「確かに募集は行っているが、どの求人サイトを活用しているかについては回答を控えたい」と説明。前述した募集がコインチェックの求人かどうかは不明である。
 ただ、「事業再開に向けて、新たにコールセンタースタッフの増員を掛けていることは事実」(コインチェック)としており、事業再開に向けて動き出しているようだ。

しかしこの種のクレーム対応というものは企業理念や業務内容の精通などにも精通し、非常にデリケートなスキルが求められる難しい仕事だと思うのですが、何も知らないアルバイトにそれをやらせると言うのはどうなのかですね。
確かにそうした人材が多数必要であることは理解出来るのですが、しかしこのご時世に時給1600円で相当にストレスの貯まりそうな仕事であるのは確かで、どの程度の募集があるものなのか気になります。
日本の顧客サービスが丁寧であると言う評価を国際的にも受けている一方で、このところそれがあまりに充実しすぎた結果なのか、モンスター、クレーマーと呼ばれるトンデモ顧客を増加させる一因にもなりかねないと言います。
とは言え企業としてはクレームが入れば、ひとまず土下座をさせ頭を下げるスタッフが必要であると言うことも現実なのでしょうが、先日は文字通り土下座要員を募集していた企業が話題になっていました。

【激怒】日本ツイッター社が炎上! ネット知識ない老人をクレーム係で雇用か(2018年2月13日Buzzプラスニュース)

日本のツイッター社(Twitter Inc)が炎上している。作家として活躍する如月真弘先生が、ツイッターに対して有料広告を掲載。しかし納得できない理由で広告が停止され、表示されなくなってしまった
如月真弘先生は広告停止に抗議をするためツイッター社に出向いたところ、老人スタッフが対応。老人は自社サービスであるTwitterの知識に乏しく、ネットに詳しくない人物だったという。そしてその老人は、石床に跪(ひざまず)き、ソファに座る如月真弘先生に対して対応したというのだ。
石床は冷たくて硬く、誰が見ても痛々しい状態なのは間違いない。実際にその光景を見た如月真弘先生は「異常な光景です」と語っている。以下は如月真弘先生のコメントである。

「現れた社員様は大変なご高齢で失礼な言い方をすれば明らかに定年後にクレーム係として再雇用され、twitterの仕組みに私より知識がありませんでした。そんなおじいさんがソファに座る私に対し、何十分も硬くて冷たい石の床に跪いている。座って下さいと頼みましたが、「こうすることになっています」と」
「自分の祖父ほどの老人を足元に跪かせているのです。異常な光景です。段々こちらが悪いことをしているような気になってきて、強いことが言えなくなります。無論、それが会社の作戦なのはわかっています。姑息な作戦にお年寄りを使うtwitter社の魂胆に、私は正直、何よりも腸が煮えくり返りました」
(略)
この出来事を如月真弘先生がTwittwrに書いたところ、多くの人たちがTwitter社のやり方に怒りを感じ、炎上状態となっている。Twitterで炎上することは多々あるが、まさかTwitter社自体が炎上するとは驚きだ。数多くの炎上を知っているはずなのだが、自社の防火対策は疎かにしていたようである。

もちろんこうした効果を期待して雇用されていると言うことではあるのでしょうが、それにしても言ってみれば時代の先端に近い場所に立つ企業にしては、何とも古典的なやり方をするものだと思いますね。
当然ながら世間からは非難の声が続々と寄せられているのですが、その背景にあるのは自分達も職場で当事者となれば、同様の土下座を強いられる局面があると言う気持ちも大いにあるのだろうと思います。
ちなみに当の企業に問い合わせたところ公式コメントはなしだったとのことですが、社としてはクレームはネット経由でのみ受け付けているのだそうで、直接やってきたから重く扱うと言ったことは全くないのだそうです。

気になるのは対応した人物が終始一貫して「こうすることになっている」と主張したと言う点で、仮にこうした行為を会社が従業員に強いていると言うのであれば、法に違反する可能性や人権侵害の恐れもあります。
上司が業務命令として部下に土下座を強いた場合は強要罪に問われるそうですが、会社としての就業規則等には明示しておらず、あくまで従業員個人が自主的に行った場合どうなのかですね。
さらに言えばこの人物が同社社員でも何でもなく、アルバイトの類で雇用打ち切りを恐れ自主的に行っていたのだとすればどうかですが、冒頭の記事などを見る限り一部企業ではまさにそうした要員も用意されていそうです。
最近では長時間労働の是正などに関心が高まっている中で、こうした不当な業務命令も当然許容されるものではありませんが、大前提として顧客側にも不当な要求をしないと言う事も求められるはずですね。

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2018年2月21日 (水)

やはり大学病院は……だった

多くの先生方が実感として感じているところでしょうが、大学病院と言う施設はこと労働管理の面においては業界内でも最底辺に位置すると言うことが示されたそうです。

カードで労働時間管理5% 大学病院の勤務医 ユニオンが実態調査(2018年2月19日共同通信)

 労働組合「全国医師ユニオン」が医療機関の勤務医に実施したアンケートで「(労働時間が)タイムカードなどで客観的に管理されている」と答えた大学病院の医師はわずか5・5%だったことが18日、分かった。民間病院と比べて大幅に低い上、「管理なし」と答えた人の割合は29・1%と高かった
 診療に加え、教育、研究の役割も担う大学病院は、他の病院よりも労働時間が長い傾向があるにもかかわらず、適正な労務管理ができていない実態が明らかになった。

 厚生労働省の有識者検討会がまとめた医師の働き方改革の緊急対策は、出退勤記録の適正把握も掲げており、大学病院での取り組みが急務となる。
 ユニオンの植山直人(うえやま・なおと)代表は「研究や教育の専門職をつくり大学病院内での役割分担を検討する必要があるのではないか」と話している。

 アンケートは昨年7~9月に医療関係者の労働組合やインターネットを通じて実施した。働き方や職場での負担軽減の取り組みなどを尋ね、1803人から回答を得た。
 労働時間の管理方法を「タイムカードなど」と答えた割合は民間病院の49・5%が最も高かった。日赤、済生会などの公的病院は19・1%、国公立病院は10・2%だった。
 自己申告を含め労働時間が管理されていると答えた人は、他の病院では8割以上を占めたが、大学病院は7割弱。植山代表は「自己申告では、若い医師らが長時間労働を訴えることは難しいのではないか」と指摘している。

 事務処理など業務を補助するスタッフ「医療クラーク」に関して、大学病院で「積極利用」と答えた人は16・7%。44・6%とした国公立病院とは大きな開きがあり、医師の負担軽減策が進んでいない現状が浮かび上がった。
 「労働基準法は守られていると思うか」との質問には、大学病院の59・4%が「守られていない」と回答した。回答者全体の数値を約20ポイント上回り、民間病院の2倍に近い数値となっている。

しかし大学などのエライ先生方がいくら医師の特殊性がどうのこうのと熱弁し労基法無視の体勢を維持すべしと主張したところで、こんないい加減な労働管理をしているのでは何の説得力もないのではと言う気がします。
先日は世界28カ国で日本は勤務先への信頼が最低であったと言う記事が出ていましたが、他国民からの日本企業への信頼度が下がっているようで、確かに到底スタッフから信頼されるような状況とも思えません。
特に立場の弱い若手の先生方にとっては上司から言われたとおり24時間365日働くしかないわけですから、きちんと労働管理が出来ない施設は各種研修認定施設の対象から外すべきではないかと思いますね。
こうした状況に終止符を打つことを期待されるのが一連の働き方改革ですが、先日の厚労省検討会では医師の働き方改革について議論される中で、根強い抵抗をうかがわせるものがあったようです。

次回以降「本丸」の上限規制など議論 医師の働き方改革に関する検討会(2018年2月20日医療維新)

 厚生労働省の医師の働き方改革に関する検討会(座長:岩村正彦・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は2月16日の第7回会議で、「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取り組み」と「中間的な論点整理」をまとめた。この日に出た意見も踏まえて文言の調整を行い、近く通知などの形で医療機関に実施を求める。
 厚労省医政局医事課医師養成等企画調整室室長の堀岡伸彦氏は会合後、「(検討会の)後半戦は『本丸』の(時間外労働時間の)上限規制の話に入らないといけない。具体的な時間の議論もしていただく」と述べた(資料は厚労省のホームページ、前回会議の記事は『働き方改革の緊急対策、労働時間管理など5項目は「当然」』を参照)。

 緊急的な取り組みは次の6項目から成る。
(1)労働時間管理の適正化
(2)「36協定」の自己点検
(3)既存の産業保健の仕組みの活用
(4)タスク・シフティング(業務の移管)の推進
(5)女性医師等に対する支援
(6)医療機関の状況に応じた取り組み
(略)
 厚労省の堀岡氏は会合後に報道陣に対し、特に(4)の重要性を強調。2007年12月28日付医政局長通知では「関係職種間で適切に役割分担を図り」としていたところを「原則医師以外の職種により分担して実施」と強い表現をしているとして、医療機関が推進するよう求めた。

 中間整理については、前回会議で骨子案を提示した後に構成員から厚労省に寄せられた意見を基に修正した案が提示された。「地域医療提供体制の確保の観点」の項目で「集約化の議論」との文言が削除されたことについて、千葉大学医学部附属病院病院長の山本修一氏が「集約化には微妙な問題があるのは承知しているが、小規模な自治体立病院が少人数で、かつ赤字を出しながらやっている実態がある。集約化をしなければ十分な医療ができず、医師は疲弊する」と指摘。「公的病院の集約化」などの表現で復活させることを求めた。

 次回以降の議論の主な論点となる時間外労働時間の上限規制では、順天堂大学医学部附属順天堂医院医師の猪俣武範氏が、大学の医師は臨床に加え研究、教育も担っていることを強調し、「次代の医療へのイノベーションを制限しない形でお願いしたい。特性に応じた検討をしてほしい」と要望。青葉アーバンクリニック総合診療医の三島千明氏も「診療科や専門分野で必要な時間も違う。各科や専門分野ごとに検討が必要だ」と述べた。
(略)

ちなみに上限規制に反対の論陣を張った猪俣武範先生の順天堂医院(大学病院)と言えば、院長が堂々と「手術時間が6時間だったら、労働時間として評価するのは、その3~4分の1くらいでいい」と公言している施設です。
その根拠として「外科医は、手術をやっている時間のうち、7割程度は、「仕事している」とは思って」おらず、「自分を高めるための時間、向学心を満たすための時間と考えている」からだと言うのですが、順天堂の外科スタッフはそうした方々ばかりなのでしょうか。
もちろん雇用者の側がそれを理由に給料無しでいいよね?では通らない理屈だし、労基法で言うところの労働時間とは就労者がそれをどう受け止めるかなど全く忖度されず規定されるもので、どこかの世界の外科医の見解は無関係です。
こうした方々が国中の基幹施設で権力を握っていて部下を過労死するまで使い潰し、厚労省にまで出向いて一生懸命医師の働き方改革に抵抗しているのだと考えると、なかなか前途は厳しいものがありそうですよね。

そもそも論として医師の働き方改革を進める前提条件として、非効率な仕事の在り方をどうやって効率化していくかと言う議論も重要で、その一つとして記事中にも出ている集約化議論は避けては通れません。
日本では諸外国と比べて病院もベッド数も多すぎるとは以前から指摘されているところで、その理由に皆保険制度の存在もあると言えますが、一方ではそれが医療制度崩壊につながり兼ねないとの声もあります。
全国的に人口減少が進み広大な田舎が拡がっていく中で、小さな町に自治体病院を維持していくのはひどく非効率であるのは確かでしょうが、一方で国は医師少数区域での勤務を推奨する方針を示しています。
全国どこでも同じ料金で同じ医療が受けられると言う皆保険制度の建前を維持しようと思えば、田舎だから診療所で我慢しろとは言いがたいのでしょうが、実際的には破綻している建前をどこまで維持すべきなのかですね。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2018年2月19日 (月)

大阪では救急搬送が職質逃れの常套手段に?

年々逼迫する救急搬送ですが、不要不急の搬送をどう減らして行くかが課題に挙げられる中で、先日こんな不可思議な事態が広まりつつあると言うニュースが出ていました。

救急車呼び“職質逃れ”横行 求めを無視し店に入って119番…大阪府内で昨年70件、薬物犯の新たな常套手段に(2018年2月14日産経新聞)

 警察官の職務質問を受けた対象者が119番し、救急車を呼び寄せたケースが昨年、大阪府内で約70件あったことが14日、大阪府警への取材で分かった。職務質問を逃れる目的とみられる。職務質問をめぐっては、大勢の仲間を呼び寄せる妨害行為が問題化しているが、府警幹部は「救急要請が職質逃れの新たな常套(じょうとう)手段となっている」と指摘。犯罪摘発の低下につながる恐れがあり、府警は対策を進めている。

 警察官は、覚醒剤の使用が疑われるなどの不審なことがあれば職務質問することができる。覚醒剤のケースであれば、まず相手に任意での尿の提出を要請。拒否されれば強制採尿できる令状を取得したうえで、令状の執行による尿検査で陽性反応が出ると逮捕、という流れだ。
 だが、職務質問を始めてから令状執行まではあくまで任意の活動のため、この段階で強制的に相手を従わせるのは違法。このため対象者が急病を装って救急車に乗り込んでも、止めることはできない。要請を受けた側も「急病だといわれれば、搬送しないわけにはいかない」(大阪市消防局)というのが実情だ。

 府警によると、救急要請が“職質逃れ”に使われるようになったのは数年前から。薬物事件で目立つようになったといい、府警は平成28年から該当するケースについて統計的な調査を開始。同年は40件だったが、昨年は約70件と増えており、手口としての救急要請が横行しつつある実態が分かった。
 過去には診察の間に隙をみて逃走するケースもあったといい、府警は救急搬送された場合、警察官が病院まで同行して令状取得を待つなどの対策を取っている。応援要請などを含めて難しい対応を迫られているが、府警幹部は「あらゆる手段で粘り強く対応していく。逃げ得は許さない」としている。

 捜査の端緒となる警察官の職務質問から逃れるために、救急車が悪用されている実態が浮かび上がってきた。警察当局は“職質逃れ”の新たな手口として、薬物事犯の間で広がっているとみている。悪質な救急要請が横行すれば、急病人やけが人の搬送にも支障が出る恐れがある。警察は対処法の確立を急ぐとともに、質問技術の向上を図るなど対策を進めている。
(略)
 “職質逃れ”として近年問題となったのは、電話で仲間を呼び寄せ、集団で職務質問を妨害して職務質問の対象者を逃す「奪還」と呼ばれる行為だ。
 府内では28年、職務質問約140件の現場に延べ約550人が集結。29年は約200件で約520人が集まった。妨害の方法も集団で警察官を取り囲んで邪魔するだけでなく、路地に逃走用のバイクを用意するなど多様化しているという。

 最近では、職務質問を受けた人物が大阪弁護士会館(大阪市北区)に駆け込むこともあった。
 昨年5月のケースでは、男性を追って警察官が会館内に入ったが、無断で立ち入ったとして問題視され、大阪弁護士会が抗議
 そんな中、同10月にも男が弁護士会館に逃れる事案が発生。後に覚せい剤取締法違反(使用、所持)の罪で起訴された男は産経新聞の取材に対し、以前に大阪府警が弁護士会から抗議を受けた経緯を「知っていた」と答えた。

 “職質逃れ”が広がる中、府警は若手警察官の技術向上に取り組んでいる。
 ベテランが若手にコツを教える研修を16年度から行ってきたが、26年には常設研修施設「ステップ・アップ・センター」を開設。指導官約20人が年間延べ2千人以上を実践形式で鍛えている。
 対策強化は効果をみせており、昨年8月に救急要請された冒頭のケースでは、警察官が救急搬送先まで向かい、診察中は院内で待機させてもらうことで対応。“急病人”として救急車に乗り込んだ男は、医師から「特に異常なし」と診断され、再び採尿を求めるとこれに応じ、陽性反応が出たため、覚せい剤取締法違反(使用)容疑で緊急逮捕にこぎ着けている。
(略)

しかし色々と考えるものだなと感心するのですが、これが職質逃れになると言うのは今までわざわざ病院まで付いていく警官がいなかったと言うことなのでしょうが、素人目にはどう見ても怪しそうに思えますけれどもね。
こうした搬送を受ける病院側としても困惑せざるを得ないでしょうが、夜間救急ですと医師一人、看護師一人の状況も多く付きっきりで監視するわけにもいきませんから、確かに隙を見て逃げ放題ではあったのでしょうね。
こうしたケースが増えれば今後は救急車に警官が同乗する機会も増えていくのでしょうが、採血検尿の検体などは捜査上も重要な証拠になり得るだけに、どのような形で協力すべきなのか判断が難しいところです。

この種のケースで以前からたびたび話題になることとして、救急搬送されてきた患者が明らかに違法な薬物を使用していたと言った場合、病院から警察に通報すべきなのかどうかと言う議論があります。
医療職には当然ながら守秘義務があり、職務上知り得た患者の秘密を漏らすことなど論外ですが、病院側から自主的に警察に届け出る法的な義務はなく、警察から開示請求でもない限り黙っているのが正しいとなります。
当然ながらそうした違法行為の事実を警察が知っていることが大前提になりますが、今回の大阪のようなケースではこの点はクリアしているわけで、薬物中毒疑いなどの場合むしろ証拠固めの好機とも考えられますね。

興味深いのは記事の後段にある弁護士会館に逃げ込み云々の話ですが、駆け込み当事者の証言も何故そうしたのかと言う点に関しては曖昧な部分も多く、別に会館が駆け込み寺にもなっていないとの言が信用出来るのかどうかです。
無論違法の事実が明らかになるまでは単なる一般市民であると考えれば、弁護士がその権利を守ることは何ら不自然ではないのですが、府警の会館立ち入りに弁護士会の抗議があったりで警察も腰が引けているようですね。
洋画などの定番シーンであるようにこうした場合弁護士と相談するのも当然の権利として認められていて、その点からは弁護士会館に駆け込むのが本来的だとも言えますが、だからと言って聖域化するのも違う気がします。
今後府警と弁護士会でこうした場合の対応について協議が進むのでしょうが、病院側としてもその時になって当直スタッフが慌てふためくことがないよう、早めに対応についてルールを決めておく必要はあるでしょうね。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2018年2月17日 (土)

今日のぐり:「休暇村 帝釈峡」

このところ寒い日が続いていますが、先日大きな驚きを持って迎えられたのがこちらのニュースです。

福岡の海岸でハリセンボンが大量死…なぜ?(2018年2月15日日テレNEWS24)

海岸に大量のハリセンボンが打ち上げられているのが見つかった。
15日、福岡県糸島市周辺の海岸では、何十匹ものハリセンボンが砂浜に打ち上げられ死んでいるのが確認された。

一体なぜ大量のハリセンボンが打ち上げられたのか―

マリンワールド海の中道魚類課・鈴木泰也さん「(海水温が)低い温度になっていますね。ハリセンボンなどが遊泳力が弱くなって、衰弱して風に流されて潮流に流されて打ち上げられることがある」
ハリセンボンの多くは日本海の暖かいところに生息しているため、寒波の影響で活動が鈍くなり打ち上げられた可能性があるという。

そのこの世のものとも思われない光景は元記事の動画から参照いただきたいと思いますが、彼らとしてもまさかこんなところで朽ち果てることになろうとは思いもしなかったでしょう。
今日は思わぬ寒波の犠牲になったハリセンボンを弔う意味で、世界中から生き物に関わるちょっと風変わりなニュースを取り上げてみることにしましょう。

考える人ならぬ「考えるセイウチ」の動画がとんでもない破壊力(2017年12月4日MAG2ニュース)

ロダンの傑作「考える人」は日本でも有名で、CMや広告など様々なパロディーが作られるほどスタンダードな作品ですよね。
そんな「考える人」ポーズをして水槽の中を回っている、「考えるセイウチ」がすごい破壊力だとツイッターで話題になっています。

動画を投稿したのは、ツイッターユーザーの瀕死 ⚠️みづき‏さん(@luna_miduki)。
横浜・八景島シーパラダイスにいるというセイウチ、どれだけ考えるポーズなのか、まずは当該ツイートを早速ご覧ください。
(略)
すごい、本当に考えてる、そして考えながら回ってる! 何考えてんだろ、このセイウチ!
このセイウチにはシーパラダイスで会えるみたいですが、いつも考えているとは限りませんよね。

え?本物?と思わず首を捻ってしまう様子は元記事の動画を参照いただきたいのですが、しかし何故考えながら回るのでしょうね。
日本最大の猛獣として知られるのがクマですが、こちらそんなクマの恐さが実感出来る恐ろしい光景だと話題になっています。

【動画】まさに恐怖! 突然クマが走って襲いかかってきた!(2017年12月4日MAG2ニュース)

山を通る道路は、どんな野生動物がいるかわからない。とはいえ、普段の生活で野生動物に襲われるということはなかなかないだろう。
しかしこちらの動画では違った。

ドライブをしていると、前方に子グマらしき動物が道路を横切った。
そしてその直後、道路脇から親らしきクマが道路に飛び出してきて、こちらに向かって走り出してきた!
慌てて逃げるドライバー。子どもをいじめられたと思われたのだろうか。

とんだ濡れ衣だが、こんな危険な事態に陥ってしまうこともある。山道で動物に出くわしたら油断してはいけない…

その恐怖の映像は元記事の動画を参照いただきたいですが、しかしクマ地帯では決して車を止めて降りたりしないよう注意したいですね。
言われてみればそれはそうだろうと言う話なのですが、こちら意外な新事実が明らかになったと報じられています。

キツツキの「つつき行動」、脳に損傷与えている可能性=研究(2018年2月6日ロイター)

[ワシントン 2日 ロイター] - 頭を使って連続的に木の幹をつつくキツツキについて、この「つつき行動」が脳に損傷を与えている可能性があるとの研究結果が初めて発表された。論文誌「PLOS ONE」に2日に掲載された。

研究では、キツツキの一種であるセジロコゲラと、キツツキでなく、木をつつかないムクドリモドキ科のハゴロモガラスの脳繊維を調査。その結果、人間では神経変性疾患や頭部外傷による脳損傷と関連のあるタウ・タンパク質の蓄積がセジロコゲラに見られたのに対し、ハゴロモガラスでは見られなかった。
この研究に携わったボストン大学医学部の大学院生は「キツツキは脳損傷を受けていないと考えられてきたが、この研究により逆の結果が示唆されたようだ」と述べた。
科学者らは、このタウ・タンパク質がキツツキの脳損傷を示すものなのか、ある種の保護作用を持つものなのかを特定中という。

キツツキは、昆虫や樹液の餌を得たり、つがい相手を呼び寄せたりするためにつつき行動をしており、その際、最大1400Gという大きな重力加速度を受けている。人間は、60─100Gで脳震盪を起こす可能性があるが、キツツキには、くちばしや頭蓋骨、舌、脳と頭蓋骨の間にある隙間など、つつき行動による影響を緩和する機能が備わっている。

それはまあそうなのだろうなと思う状況ではあるのですが、しかし当の本人は案外平気なものなのでしょうかね。
人間世界ではLGBTの話題が最近目立っていますが、生き物の世界ではそれどころではないびっくりニュースがあるようです。

自分のクローンを作って爆発的に増える新種のザリガニ(2018年2月6日ニューズウィーク)

ザリガニ(クレイフィッシュ)の仲間のほとんどは、人間と同じ方法で繁殖する。セックスをするのだ。ところが、ペットから進化を遂げたあるザリガニは、セックスをしない。代わりに自分のクローンを生み出すことで繁殖する。クローン能力を身につけたこのザリガニは今、オスなして爆発的に数を増やしている。

2月5日付けで学術誌ネイチャー・エコロジー&エボリューションに発表された論文によると、ドイツの研究者たちは、マーブルクレイフィッシュ(通称:ミステリークレイフィッシュ)と呼ばれる新種のザリガニのゲノム塩基配列を解読した。その結果、調べた11個体すべてのゲノムがほぼ同一であることがわかった。つまり、このマーブルクレイフィッシュは交配による生殖はしないということだ。北米に生息する原種は普通にセックスで繁殖するので、それとも異なる新種だということになる。
ドイツがんリサーチセンターの後成遺伝学部門を統括するフランク・リコは本誌に対し、「きわめて短い期間で進化的な事象が発生したということだ」と述べた。「長い時間が経てば、だんだん普通の繁殖方法に変化していくかもしれないが、現在この時点においては、大変珍しい現象が起こっているということだ」

リコの説明によると、新しい種の形成には通常、数千年かそれ以上の年月をかけた進化が必要だ。だが、北米原種のクレイフィッシュがペット業界で流通するようになったのはほんの数十年前のこと。そしてその中から、これまでとは異なるたぐいまれな種が誕生したことになる。
この新種のクレイフィッシュが生まれた過程もまた驚くべきものだ。通称ファラックスと呼ばれるクレイフィッシュは最初、ペットとして北米からドイツに渡り、インターネットやペットショップ、熱帯魚店で販売されるようになった。ところが、1990年から1995年までの間に、ファラックスは新たな種へと進化した。人々は、すぐに新種だと気付いた。新種は体がマーブル模様で、メスしかいなかったためだ。
「メスしかいない。オスはどこにいるのか、とみんな首を傾げた」とリコは話す。
結局、マーブル模様のクレイフィッシュはメスしか存在せず、1年に2~3回、自分でクローン繁殖(単為生殖)をすることがわかった。

この新種のクレイフィッシュはあまりにも急激に増え、飼育していてもどんどんクローンが生まれる。そのため、ペットとして販売する分には好都合だが、水槽で1匹だけ飼いたい人にとって問題となった。
リコによれば「水槽に何匹か入れておくと、父親がいなくても1年後には数百匹に増えている」のだ。
ではどうしたらいいのか。ペットとして飼っていたものを殺すのには抵抗があり、水辺に放すことを選びたくなるのではないだろうか。しかしそうすると、クレイフィッシュは次から次へと繁殖していく。
そうした過程を経てクレイフィッシュは、ペットとして人気があったドイツやマダガスカルで侵略的外来種となった。マダガスカルでは、ユニークだが歯止めのきかないこの生物が何百万匹もうろうろし、今も倍々ゲームで増え続けているはずだ。

どんな凶暴な生物なんだよと言うものですが、しかし性を超越したザリガニが人間の脅威になる日が来るとは思いませんでしたね。
最後に取り上げますのはご存知中国からのニュースですが、さすがにと思わず感心しそうになる話でもあります。

中国の動物園「ワニ、ダチョウ、ペンギン大集合!」と金を取る→ワニ、ダチョウはおらずペンギンは人形を展示(2017年12月9日ゴゴ通信)

中国の広西省にある動物園がとんでもないイベントを行い客からの不満が続出している。
この動物園はダチョウ、ワニ、クジャク、猿はもちろんペンギンまで見ることができる。全ての動物園を15元(約260円)で見ることができる。

入場券には複数の動物の写真が一緒に映っているが、何故かペンギンだけはアニメになっている。これに疑問に思った人もいたようだ。しかし実際にアニメのペンギンが登場するとは思っては居なかっただろう。
珍しい数々の動物を見れると思い動物園を訪れた客が入園すると、ダチョウやワニ、猿の姿は一切無く、代わりに鶏とアヒルが居たという。ワニの代わりには亀が見られ、しかも水槽の中に入った状態だった。
客が一番楽しみにしていたペンギンに至ってはビニールで作られた人形だった。しかもその内1個は穴が空きボロボロの状態。この虚偽広告で多くの客が集まるも不満が続出したという。

ちょっと何を言っているのか(AA略)な状態な人は元記事の写真を参照いただきたいのですが、しかし一体これは何の展示なのでしょうかね。
これはこれで新しい動物園の在り方を追及していると言えなくもないですが、これで開園してしまうところが中国らしいとも思えます。

今日のぐり:「休暇村 帝釈峡」

広島県北部の名勝「帝釈峡」は峡谷とダム湖を中心とした観光地ですが、こちら宿泊施設のレストランではランチバイキングをやっているようです。
何でも「ご当地グルメ満載のバイキングをお楽しみいただけ」るのが売りなのだそうですが、割合に大勢のお客さんで賑わっていらっしゃるようですね。

とりあえず主だったものを一口ずつ試してはみたのですが、味はホテルの朝飯バイキングなどにも通じる無難なもので、好き嫌いが分かれないのだろうなと感じます。
ただご当地名産的なうたい文句に反して、この日並んでいたのは唐揚げにハンバーグ、焼きそばやたこ焼きなど地域性のあまりなさそうな料理ばかりと言うのが気になりました。
強いて言えば野菜系は地元の食材を中心に用意されているのかなとも思うのですが、日によっても組み合わせは違うようなので当たり外れもあるのかも知れません。
とは言え料理の種類はそれなりにありますし、特にデザート類はかなり充実しているので、老若男女問わず誰しもそれなりに楽しめ不満が出にくい内容とも言えますね。

しかし旅先ではつい地元の名物料理を食べられればいいのに…とは思うのですが、今の時代そうそう集客力のある隠れ名物と言うものもないのだろうとは思います。
最近中国山地では害獣駆除方々ジビエ料理などと言っている地域も増えているようで、コストや安定供給の面で折り合えばこういう場でも食べられればいいですけれどもね。
設備的には非常に綺麗で明るく、また都市部の狭苦しい店と違って席も広々としていますので、いい季節に庭先を眺めながらのんびりできれば気分はいいのでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年2月15日 (木)

後発医薬品問題に見え隠れする(一部)医師(団体)の薬剤師敵視傾向

本日まずは、多くの臨床医がまあそうなんだろうな…と感じるであろうこんなニュースから取り上げてみましょう。

解熱鎮痛剤後発3品目が溶出に遅れ(2018年1月31日化学工業日報)

 医薬品医療機器総合機構(PMDA)は26日、昨年8月に開催された第19回ジェネリック医薬品品質情報検討会の概要を公表した。今回は解熱鎮痛消炎剤8品目を対象に品質評価を行い、ジェネリック医薬品(後発薬)と先発品の適合性を検証。このうち大原薬品工業の「エトドラク錠」、辰巳化学の「メロキシカム錠」「アクタリット錠」について、規格には適合するものの溶出曲線が先発品と異なる結果を得た。メーカー各社は原因究明と溶出性の改善に向けた検討を行う。

 解熱鎮痛消炎剤8品目について、4種類の試験液を用いて溶出試験を行い先発品やオレンジブックの規格と比較した。このうち大原薬品のエトドラク錠100/200ミリグラム製剤と辰巳化学のアクタリット錠100ミリグラム製剤は、規格には適合するものの複数の試験液で溶出が遅く、オレンジブック、先発品の溶出曲線と類似の範囲になかった。辰巳化学のメロキシカム錠5ミリグラム製剤も規格には適合していたが一つの試験液で溶出が遅く、先発品の範囲と類似しなかった。

 メーカー側が行った試験でも同様の溶出挙動が確認され、各社は溶出性の改善に向けた検討を行う。アクタリットは評価したロットの直近2ロットでは問題がなかったため、ロット間で溶出挙動が異なった原因についても調査する。

俗にゾロとも呼ばれるこの後発医薬品問題、医療費削減を目的として政府が率先して使用を呼びかけていますが、当然ながら有効成分が同じだけ含まれているからと言って薬として同じであると言うわけではありません。
この辺りは同じ小麦粉と塩と水を使っても出来上がったうどんは同じとは限らないと言うのと同じ理屈ですが、特に問題となるのは効果が明らかに違うだとか、余計な成分のせいでアレルギーが出たりと言った場合ですよね。
以前に東京都保険医協会が「ジェネリックの中で効くものを医師と相談しましょう」と言う率直すぎるポスターを出してマスコミに批判されたことがありますが、要するにジェネリックを選ぶ=薬を選ぶのと同じだとも言えるわけです。
となると処方権と言うものの独占にうるさい某医師団体などが、薬局窓口で薬剤師と患者との間で勝手に薬を変えられることにいい顔をするはずもありませんが、先日こんな記事が出ていました。

新設の調剤報酬で「医師と薬剤師、相互理解を 」(2018年2月8日医療維新)

 2018年度診療報酬改定について、中医協の診療側委員である日本薬剤師会常務理事の安部好弘氏は2月7日に記者会見し、多剤投薬の適正化など医薬品の適正使用に関する取り組みを評価するため新たに設ける調剤報酬「服用薬剤調整支援料」について、「すぐさま取れる点数ではないこともあり、しっかり育てていかないといけない点数だ」と述べ、要件は厳しいとの認識を示した。その上で、「処方する医師に対し、薬局側が薬学的知見に基づき情報提供できるので、医師と薬剤師が互いに互いの仕事をより理解するきっかけになればいいと考えている」と付け加えた。
(略)
 新設点数の服用薬剤調整支援料は、6種類以上の内服薬処方について、薬局の薬剤師 が処方医に対して文書で処方変更を提案した結果、内服薬が2種類以上減った場合に算定できる。月1回125点。
 安部氏は会見で新設の同支援料について、医療機関側の報酬点数にある「薬剤総合評価調整管理料」と対になると説明。「わが国では処方薬剤が多い、もしくは抗生物質が使われすぎている、あるいは向精神薬やベンゾジアゼピン(BZ)系が多いなどの状況」と指摘し、「医師だけでなく、薬剤師も薬学的な観点から積極的に意見なり情報提供なりするのは重要」と述べた。「例えばBZ系は、減らせばいいだけでなく、やめるときの退薬をどうするかが大事で、失敗すると逆効果もある」と解説した上で、「(報酬に基づく)仕組みができるので、薬剤師が研修しながら、生涯学習の中で薬剤師らしい機能を発揮できればいい」とも述べ、医療の質向上で薬剤師が担う役割は重いとの認識も示した。
(略)
 今改定では、政府が掲げている後発医薬品の使用割合80%達成に向けた内容も実施。「後発医薬品調剤体制加算」の算定基準引き上げと、「後発医薬品の数量シェアが著しく低い薬局の調剤基本料の減算」規定(20%以下で2点減点)を新たに設ける(『後発品「85%以上」、入院、外来、調剤とも高評価』を参照)。
 安部氏は、処方医や患者の意向もあって薬局が後発品の使用を決められるわけでないため減算措置は厳しいと訴えた上で、妥当性もあるとの見方を示した。「国の目標は、(調剤割合が)すごく低いところがたくさんあると達成できない。医療の質と同時に、財政にも貢献するための、そういった観点から、メッセージとして、いたしかたない」と理解を示した。
(略)

後発医薬品問題に関して言えば、薬局とすれば後発品比率が低ければ報酬が減るわけですから死活問題で、是非とも患者を誘導してどんどん後発品に切り替えて行きたいのは当然ですが、処方医としてはどうなのかです。
医師は処方箋上A薬を出しているつもりなのに薬局でB薬にされている、それで問題が起こった場合患者としてはB薬が悪いと思わずA薬が悪いと考えるはずで、クレームは薬局ではなく医師の方に行くことになるでしょうね。
またB薬の供給がいつまで続くかの保証がないのが後発品の問題点でもあって、今日はB薬がないからC薬でと毎回薬が変わったのでは医師も薬の効果を評価するのに四苦八苦することになるでしょう。
この辺りはメーカーによる効果の違い等後発品毎の差異を薬局が把握した上でのことならまだしもなのですが、単純に値段や在庫のあるなしだけで決めていないか?と言う不信感が拭えないのではないかと言う気がします。

記事の前段部分にある薬剤師による処方変更の提案も議論があるところですが、単純に同効薬を重複処方されていたと言ったことであればこれは当然指摘いただければいいのですが、そうでない場合がどうなのかです。
医師にしてみれば当然患者の状態や基礎疾患など様々な事情を総合的に判断して薬を出しているつもりですから、ろくに患者の状態を知りもしない薬剤師風情が何を言うかと言う気持ちもあるのだろうとは思いますね。
ただ先日は某医師団体が医師から薬剤師へ検査データを提供する厚労省の提案を拒否したと報じられていて、要するに医師側としては薬屋は黙って袋詰め作業に専念していればいいのだと言う意志表示でしょうか。
処方権の位置づけなど難しい議論もあることですが、相手が院内薬剤師であれば患者データを見て仕事をするのは当たり前のことで、敢えて情報を開示しないことに医学的なメリットがあるようには思えないのですけれどもね。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2018年2月13日 (火)

労基法無視を強いる方々の弱々しい反論

このところ全国的に労基署の動きが活発化していて、今まで半ば聖域扱いだった医療業界にもその手が伸びていることは周知の通りですが、医療現場の方では今ひとつ対応が進んでいないようです。

中核99病院、医師の違法残業などで是正勧告(2018年2月9日読売新聞)

 地域医療の中心となる全国約350の病院のうち、少なくとも99病院が2016年1月以降、医師の違法残業などで労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが、読売新聞の調査でわかった。

 病院側は長時間労働の理由を、医師不足や正当な理由なく診療を拒めない「応召(おうしょう)義務」があるためなどと説明。医師の厳しい労働実態と労務管理の難しさが浮き彫りになった。

 読売新聞は今年1月、大学病院など全国85の特定機能病院をはじめ、救命救急センターや総合周産期母子医療センター、基幹災害拠点病院(救急センターは昨年8月、その他は昨年4月現在)として認定されている計349病院にアンケート調査を実施。8日までに約8割の288病院から回答を得た。

医師、月150時間残業容認も 過労死ライン超す協定(2018年2月9日京都新聞)

 京都府南丹市の京都中部総合医療センターと綾部市立病院が過労死ライン(月100時間、複数月平均80時間超)の残業を認める労使協定(三六協定)を結んでいたことが分かった。両病院とも「医師不足の中、救急態勢を維持する」ことを理由に挙げ、センターは産婦人科医に月150時間、綾部は全医師に月90時間以内に残業時間の上限を設定していた。医師の働き方改革と地域医療確保の両立の難しさが浮き彫りとなった。

 京都新聞社が京都府、滋賀県内の自治体病院、大学病院で救急患者を受け入れる25病院に協定の有無や上限時間を調査した。京丹後市立の弥栄病院、久美浜病院、長浜市立湖北病院は協定を締結せずに残業をさせていたことも分かり、両市とも労働基準法に違反していることを認めた。
 京都中部総合医療センターの産婦人科は24時間態勢で患者を受け入れるが、常勤医は3人しかいない。「現在70時間超の残業はないが、医師が減った時に備えている。住民ニーズに応えるには仕方がない」という。綾部市立病院も「残業超過を理由に急患を断るわけにはいかない」と回答した。
 滋賀医科大付属病院は昨年1月、協定の上限を超えて残業させたとして、大津労働基準監督署から是正勧告を受けた。このため、月60時間以内だった協定を4月から過労死ラインギリギリの月100時間未満、複数月平均80時間未満に引き上げた。働き方改革に逆行する改定だが、病院は「実態に合わせないと協定が絵に描いた餅になる」。また9病院で月80時間以内に設定され、勤務医の厳しい労働実態が明らかになった。

 政府は過労死ラインや年間720時間を超える残業をさせた事業所に罰則を適用する労働基準法改正案を通常国会に提案する。この基準に当てはめると、京都市立病院など7病院の協定が超過する。日本医師会などが「地域医療が崩壊する」と慎重意見を出し、医師は5年間、適用が除外されることになった。全国自治体病院協議会は「医師不足地域で自治体病院は急患を一手に引き受けている。規制を強行すれば、診療科縮小や救急を休止する病院が続出する」と危ぶむ。
 信楽中央病院を運営する甲賀市は「調査したが、協定があるのか、ないのか分からなかった」とした上で、「常勤医は全員管理職で、非常勤の医師も残業はなく、協定は必要ない」とした。

他業界で「協定があるのか、ないのか分からなかった」などと言えばどれだけ世間の批判を浴びるのか判ったのではありませんが、この辺りにも法令違反が続く背景となる当事者意識の欠如が現れていると言うことなのでしょうか。
仕事が多いから仕方がないと言うのであれば仕事を制限すべきなのは当然で、特に自治体病院などは二重の意味で利潤を追求する必要もないのですから、妥当な状況に落ち着くまで診療体制を縮小すべきでしょう。
その方法論として救急や24時間対応がどうしても必要だと言うのなら、外来診療や予定検査・手術の枠を削って総労働時間をコントロールする手法もあるわけで、事実今や各地の病院でそうした対応が行われています。
どうしても断れない仕事があるなら不要不急の部分を削減するしかないと言うのは当然のことなのですが、この診療制限と言うことに対しての立場による意識の格差とも言える現象が見え隠れするようになってきています。

時間外労働を減らすには診療制限せざるを得ない 労働者健康安全機構理事長の有賀徹氏に聞く(2018年1月30日日経メディカル)

(略)
――2018年に入ってから、北里大学病院や杏林大学医学部付属病院に対して労働基準監督署が立ち入り調査(臨検監督)を行ったことが相次いで報じられており、医師の働き方について社会の関心も高まっている。
有賀 労基署が病院に立ち入り調査するケースが急に増えてきたという訳ではない。医療者が労基署へ通報することは昔から一定数あったようだ。マスコミで大々的に報じられているため、あたかも臨検監督が増えているように見えるだけだろう。

――初期研修医が労基署に通報しているケースが多いと、複数の関係者が指摘している。これについてどう思うか。
有賀 はっきりとしたことは分からないが、おそらく実際に初期研修医からの通報が多いのだろう。ただし、一言で研修医といっても、現在の卒後臨床研修制度が導入された2004年より以前と以後では事情が異なる。現在の制度導入前は、研修する診療科は本人の希望に基づいていた。しかし導入以降は、プログラムを選んで研修を受けるようになった。自分の希望を全て満たすプログラムでは必ずしもないだろうし、興味のない診療科をローテートしなければならないケースもあるだろう。こうしたことも労基署に通報するきっかけになっている可能性はある。
 制度として、研修医を雇う病院側は当直後の研修医を十分に休ませ、その労働時間を管理することが強く求められている。そのため、初期臨床医はとりわけ医師の中でも「労働者」として扱われてきた側面が強い
 しかし、全ての世代を通して医師の多くは自らを「労働者」と思わずに働いてきた。医師になるために必死で勉強し、そのまま医師になる。そして寝食を忘れ、患者に必要とされて24時間365日働く。そういう親の姿を見ながら医師になった人も多いだろう。患者を助けることを一心不乱に考えており、無理矢理に働くよう求められた感覚が己の中にないのではないか。自分がそうであったがゆえに、部下を無理矢理働かせているという感覚も芽生えにくいのだろう。そういう文化を背景に、「我々は一般的な労働者とは違う」と思っている医師は正直、多いと思う。
 ただし、「医師は労働者か」の議論については、厚労省に設置された検討会で「労働者であることに議論の余地なし」と決着が付いた(関連記事)。今後は労働者として十分に労働時間を管理し、上限規制を守ることが求められることになる。
(略)
――既に全国的に医師の働き方改革に着手している病院も出てきている。そうした病院に勤務する医師の中には、「仕事の総量は変わっていないが、時間外労働をしづらくなり、結果として収入だけが減った。でも研究したいしもっと学びたいから、このまま働き続けたい」と悩んでいる方もいるようだ(関連記事)。
有賀 そうした反応が現場から出てくることは、新しい仕組みが普及していく過程のプロセスの1つだ。
 昔の方が働きやすいし、給料ももらえると感じる人は多いかもしれない。しかし医師にも時間外労働時間の上限規制が適用されることは決まっている。病院長が医師らの意見を全部汲んだ上で働く分量を減らす必要がある。例えば土曜日の外来を中止するなどの診療制限を行うといった選択肢も当然あり得るだろう。
 これまで10時間働いていた人が8時間しか働かず、これまでと同じ結果を得ようとするならば、生産性を向上させる必要があるが、そもそも生産性を向上させることは容易ではない。単純に勤務時間を減らせば、その分だけ病院の収入が減る。結果的に国の医療費も抑制される方向に進む。これは必ずしも改悪というわけではない

脳外科医である有賀氏は昭和大学救急医療講座教授・病院長などを歴任していますが、2016年春の教授最終講義において救急医療逼迫をテーマとして語っていますが、この際に総力戦と言う言葉を使っています。
救急に限らず今後の医療は看護師などパラメディカルや地域のあらゆるリソースを用いなければ間に合わないが、その司令塔役である医師は全体を俯瞰し、常に優先度を考える姿勢が求められると言うことですね。
この観点で言えば今現在の医療における管理階級が医療現場の優先度をきちんと考えているとはとても思えませんが、今後は何が必要かと言う視点と同時に何が先送り、縮小できるかと言う視点も必要になると言うことです。

前述の記事で興味深いのは、こうした旧来の価値観に縛られた年配世代に対して若い世代の意識は全く異なると言うことで、初期研修医が労基署に通報しているケースが多いと言うと言うのは非常に納得出来ますね。
自分で職場を探し採用試験を受け就職すると言う、世間で当たり前の就職活動で医師となった若い先生達にとっては、古い頭の先輩方の「俺達もこうしてきたんだからお前達も同じでやれ」式は通用しないでしょう。
仮に労基法無視の違法労働の強要が通用するとすれば、それが必要であるとか有効であると言った明確なエヴィデンスが示される場合に限られるでしょうが、実際にそれが示されている職場が全国どこにあるのかです。
逆に過労は医療の質を低下させミスを誘発させると言うエヴィデンスはすでに明快になっているのですから、それに対する反論が「だって給料減るし…」だけでは「なら給料いい病院にかわれば」で終わってしまいますよね。

| | コメント (18) | トラックバック (0)

2018年2月10日 (土)

今日のぐり:「宮島SA上り レストランも味路」

Made in Japanと言えば一般的には一定の質的担保があるイメージなのですが、こちらとんでもないものもあったと話題になっていたニュースです。

巡視船発注したら…重すぎて速度出ず 納品断念 川崎(2018年1月28日朝日新聞)

 川崎市は25日、老朽化した市の巡視船「つばめ」(約28トン)の後継船が完成したものの、船体が重すぎて市の求める速度が出ないため、業者との建造契約を解除すると発表した。当面、「つばめ」を使い続けるという。

 市によると、「つばめ」は1974年建造。湾岸部の工場地帯を海上から巡視してきた。老朽化したため市は30トン級の船の新造を決め、入札を経て2016年春、横浜市の造船会社と契約を結んだ。建造費は約2億7200万円。就航予定は17年4月で、名称も「かもめ」と決まっていた。
 同社は17年3月、市から求められた「19ノット以上」の速度が出るか試験運航をしたところ約14ノットしか出なかった。重さは30トンの計画だったが45トンあった。軽量化を試みたが昨夏の試験でも14ノット止まり。今月に入り、市に「納品断念」の連絡をしてきたという。

 同社は「建造時、重量の管理をきちんとしていなかった」と説明しているという。市が建造費を負担することはないといい、賠償金のほか、運航が続く「つばめ」の使用・維持管理の費用も同社が払うという。
 市の担当者は「こんな事態は聞いたことがない」と驚き、「新たな船を極力早く造る」と話している。(斎藤茂洋)

元記事の写真を見る限り素人目にもいささか無理があるのではないかと思えるのですが、しかしこんな適当な仕事もあるものなのですね。
今日は新船かもめの一日も早い就航を願って、世界中から思わず「無茶しやがって…(AA略)」と言いたくなるようなちょっとアレなニュースを紹介してみましょう。

野生サル「ガソリン盗み飲み」バイクのホース抜いて旨そうにゴクゴク(2017年11月15日J-CASTニュース)

   サルがチューブから何か飲んでいる。何を飲んでいるのか。オートバイのガソリンだった。インドでガソリンを狙うサルが相次いでいるという。野上慎平アナが取り上げた。

   首都のデリーから北へ90キロのパーニーパットという町の市場周辺で、住人がオートバイで帰宅しようとすると、まだ残っていたはずのガソリンが空っぽになっている。こんなことが1度や2度ではなかった。オートバイを見張っていると、どこからか野生のサルがやってきて、エンジンにガソリン送るホースを引き抜いて飲み始めた。それも、1匹や2匹ではなかった。
   東京慈恵会医科大学の柳澤裕之教授は「臭いに引き寄せられたのではないか」とみている。ガソリンの臭いは、サルにとって甘く芳しい香りがするのだ。

   とはいえ、ガソリンを飲んで害にならないのか。やはり、肝障害、腎障害、けいれんなどが起こり、最終的には死に至る。また、ガソリンには中枢神経抑制作用があるので、ちょっと心地いい気分になったり、ほろ酔い気分になったりするので、依存性になる可能性もあるという。
   そのためか、最近はこれらのサルにバナナを与えても食べなくなっている。何度追い払っても、人がいなくなると戻ってくる。

   羽鳥「対策は難しいですね」
   野上「この5年ぐらい、こんな状態が続いているそうです」

体に悪いと判っていてもついつい飲んでしまうと言うのは非常に理解出来る方々も少なくないと思うのですが、しかしガソリンがそんなにうまいものなのでしょうかね。
この種のニュースとなると昨今中国の右に出る者はありませんが、まずはこちらそれはそうなるだろうと妙に納得させられるニュースです。

20時間ネトゲをやり続けた中国の男性、下半身が麻痺(2018年2月2日ニューズウィーク)

中国・浙江省嘉興のネットカフェで20時間休まずゲームを続けた男性が、腰からの下の感覚を失くして救急車で運ばれたと、地元のメディアが報じた。

中国の動画共有サイト「ペア(梨)・ビデオ」に投稿された動画を見ると、茶色のジャケットを着た男性が、友人と救急隊員の手を借りて担架にのせられている。
友人はこう話す。「彼は完全に感覚がなくなって、まったく動けなくなった。救急車を呼ぶしかなかった」
現地メディアによると、男性はトイレに立とうとして麻痺に気付いたという。土曜の夜に入店し、日曜の午後に病院に運び込まれるまで、同じゲームをプレイし続けた。
動画の中で男性は、担架の上から友人に「ゲームの続きを頼む」と言っている。

サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国のゲーマー人口は推定5億6500万人。
中国は2008年、世界で初めてネット中毒を医学的な疾患と認めた国。数百万と言われる依存症患者を治療するため様々な方法が全国で試みられてきた。刑務所のような場所に隔離する矯正キャンプや電気ショック療法もある。
中国政府はゲーム業界の規制強化にも力を入れている。2017年7月には、中国共産党の機関紙・人民日報が、ネット大手・騰訊控股(テンセント・ホールディングス)の人気ゲーム『王者栄耀』を「有害」と批判、若者の盗みや発作、飛び降り自殺の原因にもなっていると書いた。

ネット依存症は世界的にも「病気」として認知されつつある。今年1月5日には世界保健機関(WHO)が、オンラインゲームやテレビゲームのやり過ぎで日常生活が困難になる症状を疾病として定義し、「国際疾病分類」に加える見通しだと発表した。
またフィンランドでは、ゲーム依存症を克服するための点鼻スプレーを開発している。スプレーには「快楽物質」と呼ばれるドーパミンをブロックする物質が含まれており、ゲームの快感そのものを減じる作戦だ。

何事も過ぎたるは及ばざるが如しと申しますが、しかしネット接続にあれだけ厳しい国でこういうところは野放しと言うのも面白いものですね。
こちら中国らしいと言えばらしいニュースなのですが、Made in Chinaがこんな騒動を引き起こしているそうです。

炎吹き出す「プロ用」ドライヤー、米女性が撮影(2018年02月05日スプートニク)

未使用のドライヤーが「火を噴いて」いる動画がフェイスブックに投稿され、販売元の米アマゾンは問題のドライヤーの販売を停止した。

動画を投稿したのはサウスカロライナ州に住むエリカ・シュルブレッドさん。動画には、ドライヤーが熱風どころか炎の柱が吹き出す様子が映されている。

「悪い髪の日について話しましょう!Amazon.comで販売されているOraCorpの新品のヘアドライヤー(むしろ髪を揚げるヘアフライヤー)が今朝、1回目の使用時にガスバーナーになっちゃった。私の手に小さな火傷と風呂場にすさまじい臭い-会社は私の訴えや動画に対してまだ反応なし。」

エリカさんの訴えはOraCorpにも米アマゾンにも関係した。エリカさんによると、ドライヤーは中国製で、「プロ仕様」だという。

何を言っているのか(AA略)と言う大多数の方々は動画を参照いただきたいところですが、こういうものがギャグとして成立するのは漫画の世界だけでしょうにね。
同じく中国ネタですが、昨今日本でもしばしば話題になる教育の妙な歪みを反映するニュースと言っていいのでしょうか。

中国算数テストの無理すぎる「珍問題」にネットで名答続出(2018年2月1日ニューズウィーク)

試験の珍回答は度々取り上げられるが、中国のネットで物議をかもしたのは「珍問題」だ。その日、算数の試験を受けた南充市(四川省)順慶区の学校に通う5年生は困難に直面した。出題された問題はこうだ。「船に羊26匹、ヤギ10匹が乗っています。さて、船長は何歳でしょう?」
文字通り受け止めると、何度読み返しても答えは出てこない。しかし、これは試験。生徒たちは正気に戻り、一生懸命に答えを考えたことだろう。

今週はじめにこの珍問題が中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」に出回ると、子供から大人まで多くのユーザーを巻き込み議論が起こった。
ネットにはこの難問に立ち向かう多くの猛者が現れた。まず、ある学生の答えは「未成年者は法律上、船舶を運転できないから、船長は少なくとも18歳以上でなければならない」。真面目な人柄をうかがわせる回答だ。
しかしここで取り上げたいのはネットユーザーのクリエイティビティ。「珍問題」を制するのは「珍回答」と言わんばかりに、「船長は36歳。彼は非常にナルシストで、動物の数は彼の年齢と同じ」と書き込まれた。

しかしながら、出題された問題への違和感は解消されない。一部のユーザーは、「数学の問題なのに論理的な答えがないことがおかしい」「この問題は理論的にまったく意味をなさない。教師は答えを知っているのか?」などと、試験の出題に関わった運営側を批判。「学校に26人の教師がいるとしたらそのうち10人は思考停止しています。さて、校長は何歳でしょう?」というひねりの効いた皮肉もあった。
一方で「珍問題」の意義をポジティブに捉える人もいる。学生たちを偏ったものの見方から切り離し、独立した思考がテストできるものだと、学校側を称賛した。「この設問の意義は学生自身に考えさせることにある」と書きこまれた。
この「珍問題」は、創造性を養うものだからこそ、多くの議論が生まれていると指摘する声もある。

南充教育部は1月26日、一連の騒動を受けて声明を発表し、「珍問題」には決まった答えがないことを認めた。出題の目的は固定概念を超えて考える能力をテストするためと説明した。「異なる解を導く問いで良い試験問題」と言っているが、ふと共産党の一党独裁体制が頭に浮かぶ。なるほど、これも答えのない「珍問題」なのだろう。

どのような考えの基にこのような問題が出たのかは何とも言えませんが、何かしら中国語のダジャレ的な意味合いでも隠されているのでしょうかね?
最後に取り上げるのはご存知ブリからの話題ですが、こちら中国以上に自由を謳歌しているのだそうです。

ロンドンの小学校で見かけた少年の帽子が、想像以上に自由すぎた(2017年12月7日MAG2ニュース)

常に最先端の音楽やカルチャーをリードしながら、伝統や歴史も重んじる国、イギリス。
そんなイギリスの首都・ロンドンの自由な国民性が垣間見れる、ある少年の帽子がツイッターで話題になっています。
画像をアップしたのは、ツイッターユーザーでロンドン在住のジュエリー・バイヤーのイセキ アヤコ? さん(@isekiayako)。
どれだけ自由な帽子なのか、まずは当該ツイートを早速ご覧ください。
(略)
市販品ではなさそうなので、この子のお母さんの手づくりでしょうか? それにしても奇抜です!
さすが、新しいものを常に生み出す都市、ロンドン。ザ・ビートルズや、モンティ・パイソンを生み出してきた国なだけありますね。
ロンドンで子育てしたら、どんな個性的な子供に育つのでしょうか。。。ちょっとロンドンに住んでみたくなるツイートでした。

まあしかしこれは何と言いますか、思わずいあ!いあ!と叫んでしまいそうになるような不可思議な造形なのですが、モチーフは一体どんな邪(略
ロンドンに住んでいれば誰しもこうなってしまうのか、この親子が特別なのかは判りませんが、この発想の自由さは見習いたいものでしょうかね。

今日のぐり:「宮島SA上り レストランも味路」

世界遺産宮島にほど近い山陽自動車道のSAですが、海沿いの景色が雄大な下りSAと比べると景色の点では一歩を譲るのは仕方がないところでしょうか。
とは言えこちらのレストランもなかなか面白そうなメニューがそろっていて、特にオリジナル料理の種類が豊富なのが目に付きますね。

今回は宮島めぐりなるセットメニューを頼んで見ましたが、要するにカキフライ定食の飯があなご飯になったものと言う、なかなか鉄板の構成となっています。
カキフライはまあこういう場所でよくある味だなと言うところですが、衣が厚すぎる上にドーナツのような妙な風味があって、カキの味が判らなくなってしまっているのが残念ですね。
あなご飯もさすがに宮島界隈の名店とは比較にならないですし、アサリの味噌汁はアサリの身が全部外れてしまっているのがご愛敬です。
良かった点としてキャベツにオリジナルのレモンドレッシングがかかっていることと、味噌もそうですが小鉢の切り干し大根や菜っ葉の漬物が妙にいい感じにひなびた味で救われますね。

味の方は正直もう少しどうにかならなかったのかですが、新メニューや限定メニューも色々と面白そうなものがあって、この攻めの姿勢は買いたいですね。
こちらレストランも繁盛しているようですが、お隣のフードコートもなかなか賑わっていて、寒い時期でなければ外で食べ歩きも楽しそうに思います。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2018年2月 7日 (水)

健診受診率が低い地域、低い職業

先日も紹介しましたように、各都道府県が競い合うようにして医療費削減を追い求める時代がやってきていますが、そんな中で大阪府がこんな制度を打ち出したそうです。

メタボ健診、受けたら3千円もらえる? 大阪府が検討中(2018年2月4日朝日新聞)

 「メタボ健診」(特定健診)を受けた人に3千円程度の電子マネーを付与する――。大阪府がそんな制度を2019年度から始める方針を固めた。医療費を抑えて国民健康保険の負担減をめざすため、健康に努める人に「キャッシュバック」する。

 大阪府によると、国保の被保険者が年1回のメタボ健診を受けると、3千円程度の電子マネーに交換できるポイントをもらえる。健康マイレージシステムと名づけ、19年10月からの本格運用をめざす。ポイント制の健康増進策は岡山市などであるが、電子マネーに交換できる制度は都道府県では初めてという。
 また専用アプリをダウンロードすれば1日5千歩以上でポイントがつき、ポイントがたまると抽選で3千円程度の電子マネーが当たる仕組みも検討中だ。18年度予算案にシステム開発費3億7千万円を計上する。

 大阪府内の国保の被保険者でメタボ健診を受診した割合は29・9%と全国42位(15年度)。50歳以上では未受診者ほど医療費が高くなる傾向があるという。国保は被保険者で支え合う制度で、健康な人が増えれば保険料が下がるため、「健康を意識する人にキャッシュバックしよう」と考案した。大阪府の担当者は「生活習慣の改善のきっかけにしてもらいたい」と話す。

 ポイント制の導入は国民健康保険法の改正がきっかけだ。現在は市町村が担う国保の運営に新年度から都道府県も加わり、保険料を統一できる。高齢化で医療費が増大し、現状のままでは40年度に府内の市町村間で年間19万円まで保険料の差が広がるといい、府は保険料の統一を決めた。試算では22市町で保険料が下がり、21市町村で上がる。
 ポイント制度は、保険料が上がる被保険者の負担感を減らす狙いもある。(太田成美)

メタボ健診を受診すれば健康になると言うのもいささか眉に唾をつけたくなるような話なのですが、何しろ健診で引っかかれば職場が躍起になって改善を促す仕組みになっていますから、従業員にはプレッシャーですよね。
実際にメタボ健診で引っかかり、一定期間の追跡指導を受けた場合に医療費が2割安くなったと言う調査結果もあるそうですが、残念ながら健診後にきちんと指導を受けている人は全体の2割にも満たないのだそうです。
残りの大多数は健診で引っかかっても全く無視しているわけで、しかもそもそも健診受診率自体が決して高くないことを考えますと、まだまだ改善の余地は極めて大きいものと考えざるを得ないでしょう。
全国的にも受診者に対しプレゼント等を贈ることは珍しくなくなっていますが、どのようなインセンティブが安上がりで有効な受診率向上に結びつくものなのか、全国自治体の実績を比較検討したいところですね。

ところでこうした医療にまつわるインセンティブ付与に関してはとりわけ進歩的な方々から反対意見も根強いようで、その在り方に関しては今なお様々な考え方があり手探りであるとも言えます。
無論生まれつきの体質によって起きる病気なども数多いのですから、病気であるかどうかで色分けをすることには微妙なものがありますが、今回の場合は受診するかどうかと言う純然たる努力の部分での話とも言えます。
これも健診を受けたくともブラック企業の従業員は受けられない云々と幾らでもケチは付けられるのですが、健診受診率の低い会社にはせっかくですからこの際労基署の方から強力な指導なりを講じて頂くようにすべきでしょう。
ちなみに茨城県で各種業種別に健診受診率を調べた結果、医療・福祉業界は全業種の平均をかなり下回っていたそうで、一人当たり医療費や外来受診日数も高水準と言う残念な結果であったそうで、まあ意外性はないですかね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2018年2月 5日 (月)

久しぶりに医療訴訟絡みの話題

先日から医療と司法との関わり合いでなかなか興味深い記事がいくつか出ていたのですが、まずはこちらの記事から紹介してみましょう。

◆裁判官が語る医療訴訟の実像 医療訴訟の患者側勝訴率が低下、その理由は?(2018年1月23日日経メディカル)

 今回は、医療訴訟の件数や審理期間など最近の傾向をご説明します。

 裁判所が新しく受けた医療訴訟の事件数(新受件数)は、一貫して増え続けていましたが、2004年の1089件をピークとして減少に向かい、2009年以降は年間700件台で推移してきました(図1)。現在は年間800件前後で比較的安定しているといえます(2004年に医療訴訟がピークを迎えた理由として、当時はやっていた「白い巨塔」の影響ではないかと言う人がいますが、定かではありません)。
 医療訴訟の第1審の平均審理期間は、1998年以前は3年以上かかっていましたが、その後減少に向かい、最近は2年(24か月)前後で安定しています(図1)。短縮化に向かった理由としては、2001年以降に設置された裁判所の医療訴訟の専門部が有用であったこと、専門部での取り組みや成果が専門部を持たない裁判所でも共有されたことなどが挙げられています。前回ご紹介したように、現在では、全国で10庁の地裁が医療訴訟を集中的に扱う部を有しています
(略)
 医療訴訟が終了するときの終結方法は、「判決」約35%、「和解」約50%、「その他」約15%となっており、これは、毎年多少の変動はありますが、長く変わっていません。他の訴訟と比べて和解による解決が多いのが特徴といえます。「その他」というのは、当事者間で裁判外で話し合いがまとまったりしたために、裁判の途中で訴えを取り下げたりしたようなケースが該当します。
 図2は、「判決」のうち原告(患者側)の請求が一部でも認められた割合を示したものです。近年、原告の請求が認められる割合は減少傾向にあり、2016年は20%を割り込みました。一般の民事事件で人証調べがなされた事件の認容率は約60%ですから、それと比べると、原告の勝訴率はかなり低いといえます。
 判決になるのは医療訴訟全体の約35%であり、原告の請求が一部でも認容されているのは、その中の約18%ですから、訴えを提起した中で、最終的に原告の請求が一部でも認められた割合は約6%とかなり低くなっています。被告(医療機関側)勝訴の割合は約29%と5倍近くになります。

 原告の勝訴率が下がっている点については様々な見方がありますが、各地の地裁に医療専門部ができてから裁判所が医療訴訟をより専門的な視点で取り扱うようになっているので、原告側により精緻な立証が求められ、認容率の低下につながっているように思います。
 「和解」がどのような内容であるかは、統計がありません。裁判上の和解は、証拠調べを終えて裁判所が心証を抱いた後に行われることが多く、大別すると、(1)医療機関側の過失が認められないことを前提として、解決金等の名目で医療機関側が患者側に対し数十万円程度を支払うもの、(2)医療機関側が責任を認め、患者側に対し認容額にかなり近い金額の和解金を支払うもの――がありますが、その中間的なものもあり、千差万別です。

以前と比べると裁判件数、原告勝訴率共に下がっていると言うのは司法の医療訴訟に関する理解が進んだと言う側面もあるでしょうが、件数減少に関しては訴訟のいわば入り口となる原告側弁護士の役割も小さくないものがあります。
ただ記事もテレビ番組の影響を示唆しているように、マスコミの取り上げ方やセンセーショナルな事件などで今後どのように世論が動くかは判らないところで、この辺りは直接的な国民教育も必要とされるところでしょうね。
医療訴訟の行方について判決が出るのが約35%、和解が約50%、その他が約15%と言うことで、原告の請求が一部でも認容されているのは判決の中の約18%と言いますから、原告勝訴率は約6%と言う計算です。
ただ医療の側から考えると金額に差はあれど、原告にお金を支払うことには違いがない和解は実質敗訴のイメージがありそうですから、これも含めれば56%が金銭支払いに至ると言う、決して低くはない数字になってきますね。

医療訴訟についてはかつては医療側から見てのトンデモ訴訟連発の時代があって、いわゆる弱者救済的な意味合いでの賠償命令に加えて、専門家たる鑑定人の資質の問題なども指摘されてきました。
裁判官も医療に関しては全くの素人であり、原告被告双方の立場に立つ鑑定人が医学的見地から述べる意見を元に判断するわけですが、中には医療現場の常識に照らし合わせて到底首肯できない鑑定もあったわけです。
当ぐり研としては医療側で解消すべき課題として、この鑑定人の質の担保を指摘してきたわけですが、当然ながら双方複数の鑑定が提出されるはずであり、一方の意見だけで決まるわけではないはずです。
相互に対立する鑑定のいずれを妥当とするか、非専門家である裁判官が決める根拠は理論的整合性や文面の説得力等にあるのかとも思っていたのですが、どうもそれだけではないらしいと推測させる記事が出ていました。

患者第一ならルール無視していい? 医師であり弁護士、「医療法学」大磯教授が直面した両者の違い(2018年1月20日弁護士ドットコム)

(略)
浜松医科大学医学部教授の大磯義一郎氏は、医療事故が相次ぎ、「医療安全元年」とも言われる1999年に、医師として働き始めた。その当時、病院内では「訴えてやる」という暴言が飛び交い、医療不信を肌で感じていたという。
その大磯氏は今、医師と弁護士の2つの資格を持ち、医療と法律をつなぐ「医療法学」を専門にする。「医療事故調査制度」の策定に関わったほか、「法律のリテラシーを持つ医学生」を育てている。「医師と法律家の考え方があまりに違う」と指摘する大磯氏は、医療行政には「科学に基づいた議論」が必要だと訴える。(フリーライター・片田直久)
(略)
大磯氏が医学の世界から法学へと足を踏み入れることになったのは、「時勢」が大きく関わっていた。日本医科大学を卒業し、同付属病院第三内科に入局した1999年は『医療安全元年』と呼ばれる。この年、医療事故が各地で相次いだからだ。
▽1月「横浜市大患者取り違え事故」(横浜市立大学医学部附属病院で2人の患者を取り違えて手術)
▽2月「都立広尾病院事件」(東京都立広尾病院で手術を終えた58歳女性に対し、抗生剤点滴終了後、消毒液を血液凝固阻止剤と取り違えて点滴。死亡)
▽7月「杏林大病院割りばし死事件」(綿菓子を食べていた男児が転倒、割り箸で喉を深く突き刺し、杏林大学医学部付属病院高度救命救急センターを受診後死亡)
報道は過熱。「医師叩き」「医療機関叩き」にひた走る。人々の医療不信はみるみる増大していった。
「この年、夏ぐらいになると、連日、ワイドショーで『医者は悪い』『とんでもない』と医療バッシングが続きました。そうすると、患者さんもだんだん変わってくる。『何だお前、研修医か。医者呼んでこい』『訴えてやる』『出るところへ出てもいいんだぞ』ーー。そんな言葉が病院内で日常的にあふれていたんです」

●ロースクールで直面した偏見

そんな状況の中、大磯氏が働く近辺で決定的な出来事が起こる。
「僕の同級生、大学時代の友達が医療事故で警察沙汰に巻き込まれまして。25〜26歳という年齢で人生を棒に振るさまを間近で見ることになった。さすがに『これは行き過ぎだ』と感じました。医局の隅で文句を言ってるくらいなら、資格を取って土俵に乗る方が世の中をまともにするために役立つんじゃないかと」
病理学の大学院に進学しようかと考えている時期だった。だが、医局内の人事に伴う諸事情でこの話が頓挫してしまう。大磯氏は早稲田大学大学院法務研究科に進んだ。
「ロースクールの授業で今でも忘れられない思い出があります。ある講師が『医者はろくでもない』『患者のことを思っていない』と話していた。僕は反論しました。『そうじゃないでしょう。特に救急医療の現場などでは、家族のこともかえりみず、医師が気持ち一つで支えている。そんなふうに石を投げてはいけない』と。
そしたら、法学部を出たての女子院生が『ふんっ、そんなの嘘だ』と吐き捨てるように言ったんです。『何を根拠にこの子はそこまで言い切れるんだろう』と思った。当時の空気はそんなものでした」
(略)
当時、医療現場では『火事場なんだから、何をやってもいい』という考えが過剰だった。それでは単なるカオスです。日本は『黒船』が来ないと、動かない社会。強い力で殴られないと、何も変わらない。医療も叩かれたけど、その後は前向きな議論で進めていけばいい。ただ、弁護士の職業柄なのか、今だに医師叩きを続けている人もいます
(略)

大磯先生の記事全文は是非元記事から一読いただきたいと思うのですが、医療と司法との考え方も違いももちろんなのですが、少なくとも過去の一時期司法の世界に医療叩きと言う背景も根強くあったと言うことですね。
こうした思想的な敵対心とも言うべきものの背景が何に由来するものなのか、単純に文系理系それぞれの知的エリートとしての対抗意識などであればまだしもなのですが、どうもそれだけではないものがありそうにも感じます。
無論医療の側にも司法への根強い不信や反感はあるのですが、それらは主に医療目線でのトンデモ判決乱発などにより実害を被っていると言う点から来るものであるのに対して、司法は医療から実害を受けた歴史はないはずです。
そうであるにも関わらずこうまで強い敵対心を医療に対して抱いていると言うのは何とも不思議に感じられるのですが、ともかくもこうした敵対心が鑑定の取捨択一において影響がないと考える方に無理がありますよね。

裁判官は公正中立であるべき、などと言うタテマエ論はともかく、人間である以上何かしらの予断や偏見は持っていて当たり前であり、実際に医療に対して不当なほど厳しく見える判決を連発する方もいるやに聞きます。
原告側弁護士の中にはこうした裁判官の個体差を考慮して、原告側有利の判決を出しやすい裁判官を引き当てるまで提訴と取り下げを繰り返す場合もあるのだそうで、まあ依頼人のことをよほど深く思っているのでしょうね。
司法の世界も昨今若手の不満が高まっているそうで、組織として特定の主義主張に偏向し過ぎていると言う批判も根強いようですが、法廷の中にまで主義主張を持ち込むことは避けて頂きたいところですよね。
さすがに今の時代では医療訴訟の判例も蓄積され、それ専門とも言える裁判官が扱うことも多くなってきたと言いますから、今後は恣意的な判決やあまりに大きな判断の個人差などは少なくなっていくことを期待したいです。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2018年2月 4日 (日)

今日のぐり:「和食居酒屋 神門(しんもん)」

先日ちょっとした話題になっていたのが、この何とも不思議な生き物の動画です。

話題の“体を洗うネズミ” 正体が物議(2018年2月1日Aflo)

 南米ペルーで1月27日、体を洗うような仕草を見せるネズミの姿が撮影され、映像がインターネットを中心に話題になっている。一方で、米誌ニューズウィークは研究者の見解として映像の動物をネズミと同じげっ歯類の動物「パカラナ」だと指摘し、ネズミとの見方を否定している。

 動物を目撃し映像を撮影したのは、ペルー中西部アンカシュ県ワラスに暮らすホセ・コレアさんで、ホセさんによると27日朝、シャワーを浴びに浴室に入ったところネズミが石鹸水で体を洗っていたという。
 ホセさんは「まるで人間のようだった。30秒ほど体を洗った後、走り去った」などと当時の状況を説明している。

 28日にホセさんのFacebookに映像が掲載されると瞬く間に話題となり、再生回数は5500万回を超えた。
 一部メディアがFacebookのコメントにあるホセさんと質問者との意見交換一文を根拠に「フェイク動画だと投稿者が認めた」と伝えているが、本人はフェイク動画だと一言も明言していない。

 米誌「ニューズウィーク(Newsweek)」は「ネズミ」とする見方を否定。米シカゴのフィールド自然史博物館とシカゴ大学でネズミなどのげっ歯類を研究する進化生物学者のダラス・クレンツェル氏が同誌に語った見解によると「頭の大きさ、二足の位置、柔軟な前脚、短く硬い尾、一貫した毛色がパカラナの特徴にフィットしている」という。
 また、体を洗っているのではなく不快なもの(石鹸)を取り除こうとしているのが正しい見方とする米テックメディア「ギズモード(Gizmodo)」が伝えたフィンランド・ヘルシンキ大学ツォーマス・アイベ氏(都市ネズミ生物学)の見解もある。
 正体、真相やいかに。

まさに体を洗っているとしか言いようのないその様子は元記事の動画を参照いただきたいのですが、もともとこの動物はこうしたしぐさをする生き物なのだと言う説もあるようですね。
今日は南米の奇妙におっさんくさい(失礼)生き物に敬意を表して、世界中から生き物の不思議な生態を解き明かすニュースを紹介してみましょう。

蛍光に光るカメレオンを発見、原因も解明(2018年1月23日ナショナルジオグラフィック)

 カメレオンは、体の色を変え、目をぎょろぎょろと動かし、長い舌を伸ばして一瞬で獲物を捕らえることで知られている。だが、彼らが暗闇の中で光ることはご存知だろうか?(参考記事:「カメレオンの舌、重力の264倍で加速と判明」)
 このほど科学誌『Scientific Reports』に発表された新たな研究によると、カメレオンの骨が蛍光に光るという。脊椎動物の骨の蛍光発光が報告されたのは、今回が初めてだ。

 骨を構成するタンパク質や色素などは、紫外線が当たると光を発することがある。蛍光塗料を塗った顔にブラックライトを当てるのと同じことだ。これまでの研究で、深海生物の75%は暗闇の中で光ることがわかっている。海洋生物の場合、蛍光発光はさしてめずらしい性質ではない。(参考記事:「見えてきた!深海サメの光る理由」)
 しかし、陸上の脊椎動物ではめずらしく、2017年3月にアマゾンで蛍光を発するカエルが初めて発見されて話題になった。

 1月15日、ドイツの研究チームが、カメレオンの骨が紫外線の下で光るという論文を発表した。彼らは、アフリカ、マダガスカルの固有種であるカルンマカメレオン属の31種160匹に紫外線を照射した。マイクロCTスキャンにより、カメレオンの骨格が明るい青色の光を発していること、この光が皮膚を通り抜けて出ていることが明らかになった。
 カメレオンの顔面には、円形の小さな突起が点在している。また、その皮膚は4つの薄い層からなり、皮膚に含まれる各種の色素が、体色を変えるのに役立っている。科学者たちがカメレオンに紫外線を当てると、骨格で反射した光が皮膚を通って外に出て、顔面の突起が光った。
 論文の筆頭著者で、ミュンヘン動物学収集博物館の博士課程学生であるダーフィト・プレッツェル氏は、カメレオンに紫外線を当てたときには「自分の目が信じられませんでした」と話す。「ほとんどの種の頭部で、これまで見えなかった青色の発光パターンが見られました。全身が光るものもありました」

 研究チームによると、円形の突起がある部分は皮膚が薄く、紫外線が入るための「窓」になっているという。ここから入った紫外線が骨に到達して吸収され、青色の蛍光を発するのだ。
 カメレオンにとっては、この光は人間が見たときよりも明るく感じられるだろう。カメレオンの生息する森には青いものがあまりないため、暗闇の中の青い光は、緑と茶色の背景の中でよく目立つはずだ。(参考記事:「光る生き物の世界」)
(略)

何故このような性質を身につけたのかは未だ明らかではないとのことですが、紫外線で光ると言う点で何かしら特殊な意味なりがあるものなのでしょうか。
夏の季節になると何かと悩ましいあの生き物ですが、何と驚くべき性質を備えていることが明らかになったそうです。

蚊は叩こうとした人を覚えて避ける、はじめて判明(2018年1月30日ナショナルジオグラフィック)

 今度、蚊が血を吸おうと腕に止まっているのを見つけたら、絶対によく狙った方がいい。もし叩き損ねたとしても、その蚊が次にあなたを狙わなくなる可能性があるからだ。(参考記事:「蚊と人間の終わりなき戦い」)
 蚊に刺されそうなときに叩くと、蚊は死にそうになった体験とその人の匂いを結びつけて覚え、将来その人を避けられるようになるという研究結果が発表された。1月25日付けの学術誌「Current Biology」に掲載されたこの論文は、刺す相手についての学習能力が蚊にあることをはじめて示したものだ。(参考記事:「【動画】なぜ逃げられる? 蚊が飛ぶ瞬間の謎を解明」)

「パブロフの蚊みたいなものです」。論文の主要な筆者であるジェフ・リッフェル氏は、合図があると条件反射でヨダレを出すようになった有名な犬の実験になぞらえる。
 実際のところ、米ワシントン大学の神経生態学者のリッフェル氏が試したのは、この犬の場合と同じ「古典的条件付け」という学習だった。(参考記事:「“青木まりこ現象”からみた不眠の考察」)

 蚊は、人間などの美味しい獲物から漂うある種の匂いに引き寄せられる。そこで、蚊には非常に魅力的な人間の匂いが漂う中で、ネッタイシマカが刺すのを邪魔するように、叩いた際に腕を伝わるのと同程度の小さな振動を20分間にわたり繰り返した。
 すると、蚊はその後24時間以上もこの匂いを避けるようになることがわかった。その効果は、害虫忌避剤ディートを用いた市販の虫よけスプレーと同じくらいの強さである。(参考記事:「ナショジオの写真で見る100年前の蚊対策」)

 さらに、古典的条件付けによる関連性の学習には、脳内の神経伝達物質ドーパミンが関わっていることがわかっている。続けてドーパミンが機能していない蚊で実験を行ったところ、予想通り、このグループの蚊は特定の匂いが危険を意味することを覚えられず、以前と同じように飛び込んでいった。
「学習能力のおかげで、蚊は信じられないほど柔軟に行動しています」とリッフェル氏。「蚊は、刺されるのを防ぐのがうまい人とそうでない人を学習できます。もしその仕組みがわかって、逆手にとることができれば、もっと効率よく蚊を追い払えるようになるでしょう」
(略)

これが事実であれば大変な発見と言うものですが、残念ながら種類によってはこうした学習能力を持たない蚊もいるのだそうです。
鳥類の中でもあまり上等な頭を持っているようには思えないあの生き物ですが、意外と高度な能力を保持していることが立証されたようです。

単なる「鳥頭」ではない、ハトに時間と空間の識別能力 米研究(2017年12月5日AFP)

【12月5日 AFP】ハトが一般に考えられているよりも利口である可能性があるとした研究論文が4日、米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)に発表された。論文によると、ヒトや類人猿とほぼ同様にハトも時間と空間を判断できることが分かったという。
 今回の論文は、鳥や爬虫(はちゅう)類、魚などのいわゆる下等な動物が高度な意思決定能力を備えていることを示した最新の研究結果だ。

 論文を執筆した米アイオワ大学(University of Iowa)のエドワード・ワッサーマン(Edward Wasserman)教授(実験心理学)は「実際に、ハトの優れた認知能力は今や、ヒトやその他の霊長類の両方の認知能力にますます近いものとみなされるようになっている」と話す。
「鳥類の神経系は、軽蔑語の『鳥頭』が示唆すると思われるよりはるかに大きな事を成し遂げる能力を持っている」

 今回の研究ではまず、横線が2秒間または8秒間表示されるコンピューター画面をハトに見せる実験を行った。横線は24センチの長いものと5センチの短いものの2種類が用意された。
 ハトは表示される横線が長いか短いか、表示時間が長いか短いかを、4種類の視覚記号の中の一つをつついて知らせることができた。正解すると褒美の餌が与えられた。

 研究チームは次に、課題をより複雑なものにした。空間または時間に関して無作為にハトをテストできるように、横線の長さのバリエーションを増やしてテストに変化を持たせた。
 論文によると「ハトは、横線が長いほど表示時間も長くなることを判断でき、表示時間が長い横線ほど長さも長くなることを判断できた」という。ヒトとサルを対象としたこれまでの実験でも同様の結果が示されていた。

 だが、ヒトの脳でこの種の判断処理を行う部位の頭頂葉皮質は、ハトには存在しないように見える。
 これは、複雑な処理がハトの脳の別の部位で行われていることを示唆している。
 論文の共同執筆者で、アイオワ大学神経科学研究所の大学院生のベンジャミン・デ・コルト(Benjamin De Corte)氏は「空間と時間の判断は大脳皮質だけに限られたものではない」と指摘。「ハトは時間的・空間的な長さの認識を可能にする別の脳システムを持っている」と続けた。

確かに伝書鳩の地理把握力は素晴らしいものがありそうですが、こうした能力がその裏付けになっていると言うことなのでしょうか。
一方でこちら鳥類の中でもかねて賢さには定評のあるあの生き物ですが、かなり義理堅い生き物でもあることが明らかになっています。

カラスは親切な少女に贈り物をするのか?(2018年1月26日ナショナルジオグラフィック)

 金色のビーズ、パールのイヤリング、ねじ、赤いレゴブロック、ニワトリの骨……。米国シアトルに住む8歳の少女ガブリエラが、カラスからもらった贈り物だ。
 ガブリエラはこれらの品々をプラスチックの宝石箱に入れて大事にしている。彼女はその箱を開けると「一番のお気に入り」を二つ選び、私の手に載せてくれた。一つはパールピンクのハート形の飾り、もう一つは「BEST」という単語が彫られた四角い銀色の飾りだ。
「私のことが大好きなのよ」とガブリエラは言う。確かに意味ありげにも見える。「私がおもちゃや光るものが好きだと、カラスはちゃんと知ってるの。スパイみたいに、いつも私を見ているんだから」

 ガブリエラの弟は、このカラスに「ベビーフェイス」という名前をつけた。この日の朝も贈り物があった。裏庭に続く階段の目立つ場所に置かれていたのは、トゲウオの死骸だった。きっとベビーフェイスの仕業だ。「死んだ魚は2回目だわ。どうしてかな」とガブリエラは言う。「これは好きじゃないけど、まだましね。前の魚は頭がなかったもの」
 同じ日の午後には、ガブリエラに言わせると「もっとちゃんとした」贈り物があった。弟と一緒に裏庭の餌台に行き、殻付きピーナッツとドッグフードを皿に補充した後のことだ。2羽のカラスが針葉樹の木立に飛来した。1羽はベビーフェイスで、オレンジ色のものをくわえている。そして、裏庭の真上の電線に移動し、ガブリエラの足元にそれをぽとりと落とした。「見て! おもちゃよ!」とガブリエラは叫んでゴム製の小さなイカのおもちゃを拾い上げ、小躍りした。それをベビーフェイスはじっと眺めている。

 まるで人間さながらの行動だが、カラスは本当に、自分に親切な人に贈り物をしているのだろうか? カラスに限らず、鳥にそんな判断ができるのか?
 カラス科の鳥の研究者に言わせれば、答えはイエス。
 なぜ人間の少女に贈り物をするのだろう?
「これは双方向のコミュニケーションですね」と、ワシントン大学の野生動物学者マーズラフはいう。「ガブリエラはいつも食べ物をくれる。カラスはそれを贈り物と見なして、お礼をしているんでしょう」
 人間に物を差し出す行動は、野生の鳥ではカラス以外に見られない。しかもカラスは、ガブリエラの顔もわかっている。マーズラフが大学キャンパス内で学生たちと行った実験では、カラスは人の顔を決して忘れないことがわかった。営巣場所で何年も前に自分たちに嫌がらせをした人間を覚えていて、その情報をひなやほかのカラスにも伝えていたのだ。

 その後ガブリエラは一家で東海岸のニューヨーク州に移った。転居が完了するまで何度かシアトルに戻る用事があったが、そのたびにガブリエラは隣家にカラスの食べ物を置いていった。そのときもベビーフェイスやその仲間を見かけたし、自分が戻ってきたことを認識していたとガブリエラは言う。「車でわかったみたい」。立ち去るときには、ベビーフェイスたちにさよならを言い、これからの幸福を祈った。きっとカラスたちも、新しい土地でガブリエラにたくさん友達ができて、きらきら光る宝物や木の実を集められるよう願っているに違いない。

しかしカラスは光り物が好きだとはよく聞くところですが、記事の写真にある贈り物を見ますと確かに彼らにとっては価値のあるものなのでしょうね。
最後に取り上げるのはこちらのニュースですが、動物の世界にもジェンダーフリーの波が押し寄せつつあると言う話題です。

祖父、父に続く快挙達成。3代続けて雄ヤギから乳が出た!(2017年11月10日週プレニュース)

淡路島で父子2代にわたり、乳を出す特異体質の雄ヤギを発見――。本誌がそんな摩訶(まか)不思議なニュースを伝えたのは今年の6月のこと。
その奇跡の2頭は、ネギ(父、14年に死亡)と息子のコタロウ(3歳)。雄ヤギが乳を出すケースは世界的にも珍しく、いまだに原因はよくわかっていないというのだが、このたび、なんとコタロウの息子のヒカリ(1歳)からも乳が出たのだ!

現地在住の山崎博道獣医師が興奮気味にこう証言する。
「飼い主から『ヒカリのおっぱいが大きくなってきた!』と連絡を受け、指4本分ほどの長さに膨らんだ左乳房を搾ってみると、真っ白なミルクがほとばしったんです。これで3代続けて。信じられません」
甘くてクリーミーだったコタロウの乳と比べると、ヒカリの乳はやや苦くてしょっぱかったが、それもご愛嬌(あいきょう)。
ヒカリには4月に生まれたばかりの雄の子ヤギが1頭いる。もし、この子が将来乳を出せば、4代続けてのミラクル達成だ。こうなると、もう立派な新種? 乳を出す優れモノの雄ヤギとして繁殖させ、世界に大々的に売り出しては?

ご先祖の話は以前にも噂に聞いていたのですが、しかし子孫代々こうした性質を備えているのは遺伝なのか、それとも何かしら環境素因なのでしょうか。
しかし普通雄ヤギの乳房を絞ってみようと言う気にはならないだろうと思うのですが、最初にこの事実を発見した人は相応に好奇心旺盛な人だったのでしょうかね。

今日のぐり:「和食居酒屋 神門(しんもん)」

出雲駅前からすぐの場所にあるこちらのお店、なかなか立派な店構えの大店なのですが、昼はランチで夜は居酒屋と言うよくあるタイプのお店であるようです。
ちなみに同じ市内にある蕎麦の名店「神門(ごうど)」さんとはあまり関係がなさそうですが、出雲に昔存在した神門郡は「かんど」と読むそうですからややこしいものです。

ランチメニューのうち揚げ物は時間がかかると言うことで、一番待ち時間が少なそうなメニューとして海鮮丼を選んでみましたが、これも普通には待つ感じでしょうか。
これが見た目も綺麗なのですが、食べて見ますとネタも思ったよりいいですし相当ボリュームもあって、なかなか居酒屋のランチと言うものも侮れないものだと思います。
サイドメニューの茶碗蒸しと豆腐はまあこんなものかですし、おかわり自由と言う味噌汁もまあ一杯でいいかですが、お値段を考えると十分お値打ち感がありました。

接遇面ではマニュアル対応で丁寧なのですが、ランチタイムも終わり頃で客足も減っている時間ながら、料理提供にかなり待たされるのは急いでいる時には微妙ですね。
ちなみにトイレも小綺麗なのですが、今時のお店のトイレとは思えない寒さで、下手すると戸外よりも底冷えするんじゃないかと言うのはちょっと残念でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年2月 2日 (金)

医療施設内での撮影録画に規制

先日は読書サークルの学生がつぶやいた作品批評に対し、当の作家が暴言を返して騒ぎになると言う一件がありましたが、SNSは利用の容易さから不用意な発言を招きやすく、馬鹿発見器とも言われる所以ですよね。
最近では写真共有アプリも非常にポピュラーになっているようで、各方面で写真共有映えする画像をとシャッターチャンスを狙う方々が目立ってきていますが、それに対してもこんな思いがけないリスクが指摘されています。

ちょっと待って!その画像(2017年12月22日NHK)

    ツイッターなどで検索すると、「病院なう」などというコメントとともに病院内で撮影したと見られる画像が多数見つかります。そのほとんどが診察を待つ自分の姿や入院中に出された食事など一見差し障りのないものばかりです。
    実は今、こうした画像がSNSに掲載されることへの対応に苦慮する医療機関が増えているんです。

   撮影で押し問答も

    埼玉県川越市の総合病院「三井病院」は2年ほど前、院内での撮影や録音を一切禁止にしました。きっかけは、ある患者の付き添いの人が診察の様子を撮影してブログに載せようとしたことでした。病院側は撮影しないよう求めましたが「どこにそんな決まりがあるのか」と言われて押し問答になりました。説得の結果、撮影はされませんでしたが、病院側は深刻な問題と受け止めました。
    ツイッターなどに掲載されている病院内で撮影したと見られる画像の中には、明らかに撮影者と無関係な患者や家族などが映り込んでいるとわかるものがあります。

    これについて、医療社会学が専門で東京大学医科学研究所の武藤香織教授は、医療機関には極めて機微な情報があふれているとしたうえで、「患者の中には、自分がどんな病気にかかっているのかを知られたくない人、病気によって容姿が変わってしまって他人に見られたくないと考えている人もいる。プライバシーの保護が、より重要になる」と話しています。

しかし世界的にも自撮りが行きすぎて重大事故が発生しただとか、ところ構わず撮影する方々によって迷惑を被る事例があったりで、昔ながらのカメラ撮影と同様に最低限の常識やマナーは求められるものですよね。
撮影に絡むトラブルでは自動速度取り締まり装置がプライバシー侵害だと訴えられたケースもあり、最近では街角の防犯カメラ設置を問題する向きもありますが、これらは一定の公益性もあると考えられるものです。
一方で今回の場合はあくまで個人的な目的で何らの公益性も認められず、しかも他人のプライバシーを侵害する恐れがあると言うことですが、注目したいのは院内での撮影だけでなく録音も一切禁止とした点でしょう。

診療中の医師とのやり取りなどを録音したいと言う人も昨今珍しくなくなっていますが、全体の一割程度の患者が録音をしていると言うアメリカでは州毎に法律で録音の可否やルールなども決まっているそうです。
興味深いのは診察後には必ず録画を渡すと言う施設もあって、これにより医療訴訟コストを1割削減出来たと言うのですが、とは言え無断で録音録画をし止めても聞かないような人は施設側も警戒せざるを得ませんね。
プライバシー保護のために無断録音禁止なら、密室の診察室内で許可を得ての録音は構わないじゃないかと言う反論も当然ありそうで、今後どこまで許容すべきかは各施設で対応を考える必要がありそうです。

なお無断撮影がどの程度プライバシー侵害になるのかですが、一例として机の上に置かれたカルテの表紙から病名が流出する可能性もあり、また医師やスタッフの何気ない会話が重大情報になる場合もあるでしょう。
不用意に公開した写真1枚で住所氏名から学校や勤務先まで判明してしまう時代で、見る人が見ればどこまでの情報が知られるか判りませんから、院内での無断録音撮影禁止は仕方ないかなとも思いますね。
では一歩病院玄関を出れば構わないのかと考えると、受診自体を秘匿したい類の診療科施設から出てくる写真を撮られては困ると言っらことも十分あり得る話で、どこまでが許容範囲かと言う線引きは難しそうです。
最近は医薬分業のせいか薬局での患者説明が詳細になっていて、周囲にも丸聞こえの大声で何の薬か細々と説明しているのはどうかとも思うのですが、医療機関側の意識も改めていく必要はありそうですね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2018年1月 | トップページ