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2018年1月31日 (水)

医療の整備は自治体に委ねるはずがかえって国の統制が強まっている?

以前から医療費に最大2倍以上の大きな地域差があることが話題になっていて、国もその原因を分析し解消策を講じるとされていたのですが、その解消策は2018年度が期限とされていました。
今年がその2018年なのですが、地域間での競争を図り医療費削減を目指すと言う当初の構想通り、先日こんなニュースが報じられていました。

医療費抑制努力に地域差 初の点数化、1位新潟 厚労省、最大2倍超(2018年1月30日共同通信)

 厚生労働省が都道府県の医療費抑制や健康づくりの取り組み成果を初めて点数化した結果、最大で約2・3倍の差があることが29日、分かった。成果が一番高く評価されたのは新潟(183点)で、最下位は山口(80点)だった。4月に国民健康保険(国保)の運営主体が市区町村から都道府県に移るのに伴う財政支援で、2018年度は交付金約500億円を点数と加入者数に応じて都道府県に振り分ける。配分額は公表していない。

 財源を傾斜配分することで医療費抑制に向けた競争を促し、医療保険財政の健全化につなげる狙い。16年度から市区町村を対象に前倒しで実施している国保の「保険者努力支援制度」の一環で、18年度から制度の対象に加わる都道府県を初めて評価した。
 評価の指標は(1)15年度の1人当たりの医療費水準(2)市区町村への指導・助言状況(3)市区町村のメタボ健診実施率や保険料収納率―などで、満点は210点。
 2位は富山、沖縄(173点)で、4位愛知(154点)、5位広島、福岡(150点)の順。一方、最下位の山口に続いたのは愛媛(87点)で、茨城(101点)、千葉(105点)、山梨(106点)の順だった。全国平均は132点。

 

得点が低かった県は、1人当たりの医療費水準が高い傾向にあった。厚労省は「都道府県は、これを機に医療費の現状把握と要因分析をして、適正化に向けた取り組みを進めてほしい」としている。今後も定期的に点数を公表する。
 国保は無職の人や高齢者ら低所得者の割合が高く、15年度の実質赤字総額は約2800億円。都道府県への移管で財政基盤強化を目指す。

まあしかし医療費適正化を推進と言えば聞こえはいいですが、必ずしも点数の低かった都道府県が悪い医療をしていたとも言えないわけで、そもそも何が適正な医療なのかと言う定義を先に提示していただくのが筋かなと言う気もしますけれどもね。
とはいえ地域医療構想に基づき都道府県が独自に医療提供体制を整備していく主体的役割を果たすことになったわけですが、当然ながら住民サービスとして考えればより一層の医療の充実が望ましいわけです。
特に選挙のたびに成果なり目標なりをアピールしたい被選挙階級の方々にとっては、地域医療の充実は非常に大きなポイントにもなると側聞しますが、もちろん医療の充実には金もマンパワーも必要なのは自明ですよね。
地方自治体とは言え歳入の多くの部分を国費からの補助に依存している以上、好き放題お金を使われたのでは社会保障費削減を進めたい国としてもたまったものではありませんが、今回のニュースもそれに関連した話です。

もともと地域間で医療費削減を競い合ってもらうと言っていたわけで、こうして財政支援に傾斜をつけるのは規定の路線と言えますが、気になるのはその傾斜の根拠となる評価基準をどのように設定するかですよね。
ストレートに医療費削減達成率に応じて、となれば反発もあろうでしょうから、今回健診実施率など様々な要素も複合的に評価してと言うことですが、こうした点数主義では都道府県独自の方法はやりにくそうです。
せっかく自治体に医療体制整備の主体を委譲するのですから、地域の実情も反映した特色ある医療などが生まれれば面白いと思うのですが、結局は全国一律で同じ方向性が望ましいと言うのが国の考え方なのでしょうか。

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コメント

金を使うなってのは都道府県じゃなくて国民に言うべきじゃないかな

投稿: | 2018年1月31日 (水) 08時15分

厚労省としては保険者のみならず個人に対してもインセンティブを付与していきたい様子なのですが、自治体の努力はともかくどの程度個人の努力に反映されるものなのかは未知数ですね。

投稿: 管理人nobu | 2018年1月31日 (水) 16時28分

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