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2018年1月11日 (木)

認知症ではないとして免許を更新していた高齢者による重大事故発生

正月早々騒がしいニュースが続いているのですが、成人式の晴れ着騒動と並んでこちら若い人たちが犠牲になった痛ましい事件が起こっています。

逮捕の85歳男「気付いたら事故」 親族が目離した隙 車乗り出す 前橋の女子高生2人重体事故(2018年1月10日上毛新聞)

 「気付いたら事故を起こしていた」。前橋市内で9日朝、登校途中だった自転車の女子高校生2人が同市下細井町、無職、川端清勝容疑者(85)の運転する車にはねられ、重体となった事故。前橋署によると、2人に相次ぎ衝突、けがを負わせたとして、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで逮捕された川端容疑者はこう話し、容疑を認めている。川端容疑者の親族は「運転しないように普段から言っていた。申し訳ない」と語り、女子高生2人の親族は言葉を失った。

 事故は9日午前8時25分ごろ発生。前橋市北代田町の群馬県道前橋赤城線で、自転車に乗っていた市立前橋高1年の太田さくらさん(16)=同市高井町=と、同校3年の大嶋実来さん(18)=同市元総社町=が川端容疑者の乗用車にはねられ、頭などを強く打って市内の病院に搬送された。前橋署は同日夜、川端容疑者を逮捕した。
 川端容疑者は県道を南へ走行中、対向車線にはみ出し、路側帯を走っていた太田さんをはね、民家の塀に衝突した後、大嶋さんをはねた。さらに走行車線に戻り、渋滞で止まっていた同市の男性会社員(35)の軽乗用車に衝突した。川端容疑者は頭、男性は首にそれぞれ軽傷を負った。現場にブレーキ痕はなかった。同署は男性の負傷についても、同容疑で捜査を進める。
 川端容疑者はこの事故の直前、約150メートル北の同県道交差点で、対向車線で右折待ちをしていた同市の女性(26)の乗用車と、右のドアミラー同士が接触する事故を起こしていた。市内の老人福祉センターに向かう途中だった。

 県警によると、昨年、認知機能検査を経て免許が更新されていた
 川端容疑者の親族の50代女性によると、認知機能に不安があるなどしたため、普段から車を運転しないように伝えていたという。車で外出しようとしたのでいったんは止めたが、目を離した隙に出掛けてしまったといい、「あの時に鍵を取り上げていればよかった。(被害者が)大変心配」と涙ながらに話した。
(略)
 事故現場には、前輪が大きく変形した自転車が路上に倒れ、事故に遭った女子高生のものとみられる靴やリュックが散乱していた。事故車両は前部が破損し、右側面にこすったような大きな痕跡があった。
 「渋滞の車列に並んでいたら、ものすごい速度の車がセンターラインをはみ出して追い越していった」。事故を目撃した前橋市の60代女性はこう証言した。
 現場近くに住む60代男性は大きな物音で屋外に出たところ、女子高生が心臓マッサージを受けているのを見たという。「どれほどの衝撃だったのだろう。(運転手が)車からはうように出てきた」と振り返った。
 近所の50代女性によると、運転手は警察官に事情を聴かれても「よく分からない」と言い、ぼうぜんとしていたという。女性は「(市立前橋高は)息子も通っていた。心が痛い」と表情を曇らせた。

家族は免許返納求め…高齢男がはね2人重体(2018年1月9日日テレニュース)

9日朝、群馬県前橋市で、男(85)が運転する車が自転車に乗った女子高校生2人をはねた。2人は意識不明の重体となり、警察はこの男を逮捕した。

過失運転致傷の疑いで逮捕されたのは、前橋市の事故現場近くに住む無職の川端清勝容疑者(85)。警察などによると、9日午前8時半前、前橋市北代田町の交差点近くで、川端容疑者が運転する車が自転車に乗っていた女子高校生2人をはねた。
現場付近の高校に通う1年生と3年生で、どちらも意識不明の重体。2人は始業式に向かう途中だった。

目撃者「事故直後は女子高校生2人が倒れちゃっていて、(川端容疑者は)多少ケガをして車の中にいたから『大丈夫か』と聞いたら『大丈夫だ』と」
川端容疑者は、対向車線に車をはみ出させ、女子高生たちをはねる間にも別の車や壁に衝突し横転するなどしていて、警察の調べに、「気がついたら事故を起こしていた」と話し、容疑を認めているという。
川端容疑者の家族は、これまでも高齢なので免許を返納するよう求めていたと話していて、9日朝も「車で出かけないで」と止めていたという。

たまたま事故の瞬間を捉えた映像が公表されているのですが、しかし車が吹っ飛ぶような事故でよく運転手も無事だったなと感じるところで、ともかくも事故被害者二人の回復を願うばかりですね。
新年早々始業式に向かっていた何の罪もない少女二人が重大事故に巻き込まれたと言うことで、当然ながら事故について世間の関心も高いのですが、誰しも気になるのがこの運転手が車に乗ることの是非です。
家族によれば以前から認知機能に問題があり、車を運転しないように懇願されていたと言うことですが、実際に今回も事故前にも車をぶつけ、また事故後も何のことか判ってないかのような証言をしているようです。
家族が車を強制的に取り上げるなど何らかの対応が出来なかったのかですが、法的には家族と言えど勝手にそうした行為は出来ないはずで、さてこの場合誰が悪かったのかですよね。

記事を見ると昨年に免許を無事に更新していたそうで、当然ながらこの際には認知機能検査なども受けていたはずですが、特に問題なくパスしていたようですから検査自体の実効性がどうなのかと言う疑問が湧きます。
もちろん昨年の更新時から大きく認知症が進んでいただとか、あるいは日によって症状に大きな変動があると言った可能性もありますが、ご家族のコメントを聞く限りでは昨日今日の問題ではない印象ですよね。
この高齢ドライバーの運転免許問題は当「ぐり研」でも以前から取り上げて来たところですが、75歳以上の高齢免許所持者500万人のうち免許を失うのは年20万人ほどだと言い、大多数は免許所持を続けていると言えます。
改正道交法施行後半年で認知症検査で認知症の恐れありとされた高齢者が3万人、そのうち6000人余が免許を自主返納し、失効や取り消しになった人が約2000人ですから、2/3ほどは結局免許を更新しているわけです。

認知症の恐れありとされれば医療機関を受診し診断を受けなければなりませんが、この点も専門外のかかりつけ医で対応出来るのか、専門家であっても免許を失効させることへの責任が取れるのかと言う問題があります。
特に以前から指摘されている問題として、認知症診断をパスした高齢者が事故を起こした場合、問題なしと診断を下した医師が何らかの責任を問われるのかどうかですが、制度上は当然そんなことはないことになっています。
ちなみに過去に精神科病院入院中の患者が外出中に殺人事件を起こし、病院が民事訴訟で訴えられた事例(請求棄却で結審)もあるのですが、この場合犯人が責任能力ありと実刑判決が下されたこともポイントに思えます。
逆に言えば今回の事故で運転手に責任能力がないと判断された場合、責任も取れない認知症高齢者に免許を更新させた責任はどうなるのかですが、制度設計上ももう少し煮詰める必要がありそうに思われますね。
ともかくも高齢者の免許問題はともすれば高齢者の生活権を制約すると言う、いわば被害者的立場での議論が先行していただけに、加害者の立場に立った今回の事故が一石を投じることになりそうです。

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コメント

事故の影響による解離性健忘の可能性もありますが、衝突前から意識消失していた可能性も考えられますね。
いわゆる認知症が事故の原因ではないかもしれません。

投稿: JSJ | 2018年1月11日 (木) 07時55分

車転がり過ぎ

投稿: | 2018年1月11日 (木) 09時24分

御指摘の通り記事から推察する限りでは、事故の直接の原因として認知症と言うよりも何らかの一過性の意識障害があったのではないかと言う印象を受けます。

投稿: 管理人nobu | 2018年1月11日 (木) 11時54分

逮捕された方は大きな怪我もないようなので、今後検査・鑑定により事故の原因がはっきりしてくるかもしれません。
・・・未診断のてんかんとかだったらまたマスコミが騒ぎそうですけれど。

投稿: クマ | 2018年1月11日 (木) 17時27分

高齢者は原則免許更新させないってくらいじゃないと

投稿: | 2018年1月11日 (木) 19時08分

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180111-00024403-houdouk-soci
若いのがこれやったら単なるDQNだが

投稿: | 2018年1月11日 (木) 23時59分

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