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2017年12月22日 (金)

グリム童話は難解だと思うのです

思想信条の自由は尊重されるべきだと言う考え方は今やかなり多くの人々が共有するところとなってきましたが、見ていると面白い思想を信奉している方々も時に見かけるものです。

「地球は平ら」と主張する「地球平面論者」にイーロン・マスクが反論、平面論者からはまさかの答え(2017年12月03日GigaZiNE)

地球は平らな円盤ではなく、丸い球体であるというのは誰もが学校などで学び、人工衛星などの写真でも間違いないものとされてきた常識ですが、いまアメリカを中心に「Flat Earthers」と呼ばれる地球平面論を唱えるグループがにわかに注目を集めています。科学を完全に否定するような理論には異を唱える声が次々とあがっており、起業家で宇宙関連企業「SpaceX」の設立者であるイーロン・マスク氏もTwitterで疑問を投げかけたのですが、地球平面論者からは意外な反応が返ってきています。

古くは紀元前のギリシア哲学の時代から唱えられてきた地球球体説に真っ向から対立する地球平面論なわけですが、事実に基づく科学を完全に無視する強引な理論展開には科学者の間から異を唱える声が挙がっています。アメリカで知名度の高い天体物理学者のニール・ドグラース・タイソン博士は、月の画像とともに地球平面論を否定するツイートを投稿しています。
この論戦に参入する形になったのがマスク氏。地球平面論を唱える「Flat Earth Society (地球平面協会)」の名前になぞらえ、「どうして火星平面協会が存在しないんだ?」とツイートすることで地球平面論をやんわりと否定しています。
すると、マスク氏のツイートに対して地球平面協会の公式アカウントから返答が。その答えは「やあイーロン、質問をありがとう。地球とは違って、火星は球体であることが観測されているんだよ。いい日を!」とというもので、強引に「地球だけは平面だけど他は丸い」とする主張を唱える内容になっています。

事態はさらに盛り上がりを見せます。Reno Says So(@RenoXcore)さんは、自転する地球のGIF画像とともに「この観測結果をみたことがないのか、それとも……?」とツイート。
すると地球平面協会は、「違う!オルデランは平和で、武器を持っていません。おそらく無理でしょう?」との難回答をツイートしています。

ややもすれば強引にも受け取れる地球平面協会の反応には、はたして科学界が「マジレス」すべきかどうかも怪しい様相を見せる論争に発展。地球平面論者が掲げるスローガンの中には、メディアやエセ科学に惑わされることなく「真実を求める」というものも含まれており、地球は丸いと思い込ませようとする「陰謀論」に立ち向かうという姿勢も示されています。
現時点では、地球平面論者と地球球体論者の議論は全くかみ合うことなく平行線を保っている状態。以下の記事のように、地球は球体であることを示す明確な事象に、どのように返答するのかも気になるところです。

ちなみにこの地球平面説なるもの、実はこの2世紀ほどにわたって意外にも復活傾向にあるとも言うのですが、地球平面協会の設立もスプートニク打ち上げの前年である1956年と歴史がまだ新しい団体だそうです。
全人類の大多数にとって別に地球が平らだろうが象の背中に担がれていようがどうでもいいことではあるのでしょうが、地球が丸くないと通信衛星やGPSなど日常的に使われている技術の多くが利用出来なくなってしまいますね。
それでも公共の福祉に反しない限りにおいては誰が何を信仰しようが全くの自由と言っていいのでしょうが、今の時代時々人とは違うことを言い出すことで妙な具合に世間の注目を集める方もいらっしゃるようです。

「白雪姫」王子のキスは「準強制わいせつ」 阪大教授ツイートめぐり激論に(2017年12月13日J-CASTニュース)

 アニメ「白雪姫」の王子が、毒リンゴを食べて倒れた王女にキスをしたことは「準強制わいせつ罪」にあたる――。大阪大学の牟田(むた)和恵教授(60)がツイッターで展開したこんな持論が、インターネット上で注目を集めている。
 牟田氏は歴史社会学とジェンダー論を専門とする社会学者。今回の「白雪姫」に関する投稿の中では、主に男性に向けてか「こんなおとぎ話が性暴力を許している、との認識に至っていただきたい」とも呼び掛けている。

■「いくらなんでもその解釈は...」

 牟田氏は2017年12月11日夜のツイートで、電車内で眠っていた女性にキスをしたとして、和歌山県に住む33歳の男が準強制わいせつの疑いで逮捕されたとのニュースを紹介。その上で、「白雪姫」や「眠れる森の美女」などのストーリーについて、
  「『王子様のキスでお姫様が長い眠りから目覚めた』おとぎ話、あれも、冷静に考えると、意識のない相手に性的行為をする準強制わいせつ罪です」
との持論を披露した。同じ投稿では、「逆にこんなおとぎ話が性暴力を許している、との認識に至っていただきたいものです」とも訴えている。
(略)
 自らの持論に寄せられた否定的な意見に対し、牟田氏はツイッター上で細かく反論している。まず翌12日昼の投稿では、おとぎ話の内容を問題視したことに「文化破壊だ」との指摘が出ていたとして、

  「文化や伝統には差別に根ざすものが多々あり、それは変えられていくべきでしょう」

と説明。その上で、元TBSワシントン支局長の山口敬之氏(51)から性的暴行を受けたと告発した伊藤詩織さんのケースを挙げ、

  「詩織さんの勇気ある告発で意識無い状態での性行為はレイプであるとの認識が広がった今、おとぎ話ではロマンティックにさえ描かれてきたことに気付くのは意義あると思いませんか?」

とも続けた。そのほか、牟田氏が「白雪姫」などの規制を求めていると誤解したユーザーに対して、「『おとぎ話を取り締まれ』なんて言ってませんよ。冷静にお願いします」と返信する一幕もあった。
 さらに牟田氏は、こうした作品を子供に読み聞かせることについても、

  「親御さんの本の選択はもちろんご自由ですが、王子というだけで突然女性にキスする、なんて話、気持ち悪くないですか?男の子にそんなDV男に育ってほしくないし、女の子にはそんな無力な被害者になってほしくないですよね?」

と否定的な見方を示していた。

弁護士「強制わいせつ罪の成立の心配はない」

 また、物語では当事者の王女がキスを受け入れているのだから問題ないのではないか、との指摘に対しては、

  「そのように『結果オーライ』を捏造してどれだけ性暴力が見過ごされてきたか考えてみてください。レイプでも女性は結局は快感を得る、みたいな話と同じです」

と反論。この観点では、プレミア法律事務所(神奈川県横須賀市)の杉山程彦弁護士も、「白雪姫は愛し合う者とのキスで目覚めたのだから、強制わいせつ罪の成立の心配はないと考える」とツイート。しかし、これに牟田氏は、

  「このリプ、ホントに弁護士さんなんだったら心配になるレベル」

などと返答していた。

この種の議論は誰しも小中学生の頃には一度は考えたことがあると思いますが、せいぜいが周囲に得意げに吹聴するくらいで済んでいたものが、今の時代うっかりすると世間の批評を浴びることになるのは興味深いですね。
思考実験的に考えれば白雪姫は王子到着時には死んでいたので、王子の行為はネクロフィリアであり世間的にあまり好意的に受け入れられないことは事実としても、法的に言えば死者にタイしてレイプの罪は成立しません。
また王子の行為が準強制わいせつ罪に当たると言う主張に関しては、法の不遡及の原則から当時そのような法規定が存在しない以上、現在の視点で過去の罪を問おうとする誤った考えと言うしかありません。

残念ながら牟田氏の見解は冷静に考えると成立しないものだと言うしかないのですが、とは言えこの種の行為をキモチワルイと感じることは自由であり、こんなキモチワルイ物語を子供に読ませるなと言う自由もあるとは言えます。
ただ一方で何をもってキモチワルイかと言うのもまた個人の見解の自由ではあるので、いい年をした大人が大まじめにこんなことを主張していることにキモチワルさを感じた人もまた大勢いたようですね。
ちなみに現代的視点に立てば白雪姫も子供向きにはとても思えないグロい描写が多いのは事実で、市中に出回っているものは多くが今風のアレンジを受けて社会的に受け入れられるように改変されているのは周知の通りです。
牟田氏も単なる批判屋に留まるのではなく、自分的には現代に受け入れられる白雪姫のストーリーとはかくあるべきだと考えていると代案の一つでも示していたならば、また世間の受け取り方も違っていたかも知れないですね。

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コメント

>元TBSワシントン支局長の山口敬之氏(51)から性的暴行を受けたと告発した伊藤詩織さんのケースを挙げ、

あっ(察し

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2017年12月22日 (金) 09時32分

この牟田和恵氏は以前から各方面で精力的に活躍?されている著明な方ですので、こうした方のコメントでなければそんな考え方もあるね程度の話で済んでいたのではないかとも感じます。

投稿: | 2017年12月22日 (金) 12時55分

↑のコメントは不肖管理人のものでした。

投稿: 管理人nobu | 2017年12月22日 (金) 13時01分

 トランプ氏は多様性がお嫌いで、歴史の必然たるキリスト復活への過程を促進するため、パレスチナ人とイスラエル人が殺しあうことを促進すると決意なさったようです。 グリムもディズニーもピクサーもイロニーとして笑える人、今は生存を許されてますが、時間の問題かもしれませんンw

投稿: | 2017年12月22日 (金) 16時20分

ぐり研とグリムって関係あんの?

投稿: | 2017年12月22日 (金) 21時15分

スウェーデン議会は、性行為に及ぶ前に男性が女性から明確な同意を得ることを義務付ける法案を承認した。
明確な同意を得なかった場合、男性は双方の合意によるセックスの場合であっても強姦罪に問われる可能性がある。

ドイツのマスコミによると、同法律は2018年7月に施行される予定。
女性が性行為に明確な合意をしなかった場合、その行為はレイプと見なされる可能性があるという。
また同法律は、成り行きの関係だけでなく、恋人や夫婦にも適用される。

ドイツのフォークス誌によると、スウェーデン議会は、米国で巻き起こった一連のスキャンダルを受けてこのような措置に出た。
先に米国の映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン氏や複数の俳優ならびに政治家らがセクハラ行為で訴えられた。

https://jp.sputniknews.com/europe/201712214405844/

投稿: | 2017年12月22日 (金) 22時36分

ここに伊耶那岐の命詔りたまひしく、「我が身は成り成りて、成り余れるところ一処あり。故この吾が身の成り余れる処を、汝が身の成り合わぬ処に刺し塞ぎて、国土生みなさむと思ふはいかに」とのりたまへば、伊耶那美の命答へたまはく、「しか善けむ」とまをしたまひき。

投稿: JSJ | 2017年12月24日 (日) 20時23分

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