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2017年10月

2017年10月30日 (月)

財務省筋は診療報酬の大幅な引き下げを提案

来年度診療報酬の議論が進んでいますが、今回も医療費削減が大きなテーマとなってきそうな気配のようです。

来年度予算 診療報酬引き下げなどを提案(2017年10月25日NHK)

財務省は来年度の予算編成に向けて、高齢化で膨らみ続ける医療や介護などの社会保障費を抑える見直し案を明らかにしました。医師の収入などになる「診療報酬」について、一般の賃金や物価の伸びを上回る上昇が続いてきたとして引き下げを提案し、今後、厚生労働省などと調整を進めることになりました。

見直し案は、25日開かれた財務大臣の諮問機関、財政制度等審議会で財務省が示しました。来年度の予算編成では歳出の3分の1、32兆円余りを占める医療や介護などの社会保障の伸びを抑えることが引き続き最大の課題になっています。
このため、医療分野では病院などに支払われる「診療報酬」を来年度、2%台半ば、金額に換算して1兆円以上引き下げるよう提案しました。民間企業の賃金や物価の水準がほぼ横ばいで伸び悩む中、医師の収入などになる報酬は上昇が続いてきたと指摘し、引き下げが必要だと指摘しています。
また、再来年度以降に行う見直し案として、75歳以上の高齢者の追加の負担を打ち出しました。病院にかかった際窓口で支払う自己負担を、今の原則1割から段階的に2割に引き上げるべきだとしています。

介護の分野でも、介護サービスを提供する事業者に支払われる「介護報酬」について、引き下げを提案しました。
さらに、子育て支援の分野では、中学生までの子どもがいる世帯に支給される「児童手当」について、所得が高い世帯への支給を廃止するよう提案しました。
また2020年度末までに32万人分の保育の受け皿を新たに整備するため、企業が負担している拠出金の引き上げも提案しました。
財務省は、これから年末にかけて厚生労働省などとの調整を進めますが、報酬の引き下げは日本医師会などからの反発が予想され、来年度の予算編成の大きな焦点になる見通しです。

診療報酬と介護報酬

財務省が示した社会保障費の見直し案の柱になるのは来年度、2年に1度の改定が行われる「診療報酬」です。
「診療報酬」は、医療機関や薬局が受け取る「収入」にあたります。患者が窓口で支払う自己負担や、国民健康保険や健康保険組合が徴収する保険料、それに税金で賄われています。
(略)
財務省によりますと、デフレの影響などで賃金や物価水準が、この20年余りの間、ほぼ横ばいで伸び悩む中、診療報酬の「本体部分」は15%程度、上昇しています。
医療制度を持続させるためには是正が必要だと指摘しています。
高齢化や高度な医療機器の導入などで医療費は、毎年2.6%程度、金額にして1兆1700億円の増加が見込まれることから、財務省は来年度の診療報酬改定で1兆円以上引き下げたいと提案しています。
このとおり決まれば3.16%引き下げた平成18年度以来、12年ぶりの大幅な引き下げとなります。
(略)

安倍政権の医療制度改革 診療報酬「マイナス2%台」に、財政審(2017年10月25日医療維新)

 財務省の財政制度等審議会財政制度分科会(分科会長:榊原定征・経団連会長)は10月25日、2018年度の診療報酬改定について、医療費の伸びを高齢化の範囲内にするためには、診療報酬改定1回当たり、「2%台半ば以上のマイナス改定が必要」との考えを示した。会見した成城大学経済学部特任教授の田近栄治分科会長代理は「財政審としては、診療報酬本体をマイナス改定すべきという方向だった」と紹介した。薬剤師の技術料に当たる調剤報酬についても多くの議論が割かれたと説明。「調剤報酬全体として、水準を十分に引き下げる」ことを求めた(資料は財務省のホームページ)。

 この日の資料は計144ページで、2時間の会議は主計官の説明1時間、議論が1時間だったと説明。資料では、過去10年間で国民医療費は年平均2.5%のペースで増加しているが、このうち高齢化等による要因は年1.2%と指摘。「医療費の伸びを高齢化の範囲内にするためには、1回の改定あたり2%台半ば以上のマイナス改定が必要」とした。社会保険料の引き上げを抑えるためにも「制度の持続可能性を確保するためにも、少なくともこの程度のマイナス改定とすることが求められる」と強調している。
 田近会長代理はこの日の議論の方向性について、(1)来年度に向けて診療報酬本体のマイナス改定、介護報酬についても下げるべき、(2)児童手当の特例給付は見直していくべき、(3)高齢者の自己負担についても考えるべき、(4)事業主拠出金による子育て支援は拠出率を引き上げるべき、積極的に活用すべき――と説明した。
 委員の意見としては「開業医と勤務医では働き方が違うので、両者の診療報酬のバランスを考えるべき。開業医にインセンティブを与えすぎ」「予防にインセンティブをつけるべき」「薬剤師の数が国際的に見ても多い。市場原理が機能しているのか」などの意見があったと紹介した。
(略)
 財務省は2018年度予算編成では、社会保障関連費の自然増6300億円から1300億円の削減を見込んでいる。2016年度改定では、診療報酬本体は0.49%引き上げる一方、薬価(1.22%)と材料(0.11%)を通常改定で1.33%、加えて薬価の市場拡大再算定で0.19%、合計1.52%引き下げだった。

医療から介護に高齢者を移していこうと言う時代に介護報酬引き下げを提唱するとはなかなか挑戦的な提案だとも感じるのですが、もちろんこれは財務省筋の見解がこうだと言うだけであって、今後厚労省での議論がどうなるかも見守らなければならないでしょう。
しかしいつも思うのですが、診療報酬における医師の取り分など1割強とごく一部であるにも関わらず、相変わらず医師の収入などになる云々と言う非現実的な記載をしているのは報じるマスコミとして、何かしら意図でもあるものなのかと勘ぐってしまいますね。
一般に○○社の社員収入などになる売上高は幾ら幾らなどと言う言い方はまずもって聞いたことがないし、会社の売上高が幾らあろうが社員の待遇がどうかは全く別問題なのですが、何故か医療の世界に限ってこれらを混同した議論をしたがる人が多い印象があります。
大企業は儲けすぎだと各企業の内情を盛んに暴きたがるマスコミ諸社が、医療機関の経営的内情について全く無関心なのが以前から不思議で仕方がないのですが、毎回これだけ報酬が多すぎると言われているのですからきちんとその辺りも調べて報じるべきでしょうね。

また医療の高度化による自然増を抑制し、医療費の伸びを高齢化分相当程度に抑え込もうとすれば、当然ながら今まで以上に不採算医療の切り捨てを推進しなければならず、また高度で高価な医療はなるべく行うべきではないと言う結論になります。
ガイドラインなどによる定型的な医療がますます進むのはJBM(司法判断に基づく医療)の普及もあり仕方ない側面もありますが、その結果ここまではやっておかなければ訴えられた時に負けると言う水準も引き上げられると言うことで、現場はこのバランスをどう取るべきなのかですね。
ガイドラインを策定する側もようやく高齢者などに対しては別枠で議論しようとか、医療にもコストパフォーマンスの考えを導入しようと言う動きが出てきているようですが、命はお金にかえられない式の旧来の考え方からどれだけ発想が転換出来るのかが問題でしょう。
また当然ながら患者側としては最新最良の医療を受けたいと言う欲求もあるはずで、国策上それは出来ないと言う医療機関との間に軋轢も増すのだろうし、それでも敢えて医療費削減推進すべしとなれば応招義務の免除とセットで議論する必要がありそうですね。

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2017年10月29日 (日)

今日のぐり:「麺屋和佳」

なかなか面白そうだと思うのですが、こんな展覧会が開催されているそうです。

のどに肛門がある魚、しっぽがすぐ切れ再生できないリス……「ざんねんないきもの展」が開催(2017年10月20日ねとらば)

 サンシャイン水族館(東京・池袋)が、人気書籍『ざんねんないきもの事典』シリーズとコラボレーションした特別展示「ざんねんないきもの展」を11月10日から2018年4月8日まで実施。気分次第で無意味に体色を変えるカメレオンをはじめに、同書にちなんだ生き物たちを600円で見られます。

 約20種の生き物を、「ざんねんな体」「ざんねんな生き方」「ざんねんな能力」「ざんねんな名前」の4コーナーに分類して展示。のどに肛門があるデンキウナギや、逃げるためにしっぽを簡単に切れるのにトカゲのような再生はできないシマリスなど、テーマに沿った生き物を鑑賞できます。確かに、みんなどこかしら残念。

 併設のカフェやショップでは、展示された生き物たちをかたどったケーキやグッズを提供。営業時間は10時から18時までで、水族館本館の営業に準じて変更されます。

シマリスの尻尾がそんなことになっているとは知りませんでしたが、しかしこのケーキが無駄に完成度が高くて食べて見たくなりますね。
今日は少しばかり残念な尻尾を持っているリスを励ます意味で、世界中から様々な意味でちょっと残念なニュースを取り上げてみましょう。

不適切な安全対策で業者指名停止(2017年9月6日NHK)

愛知県春日井市が発注した道路の舗装工事の現場で、歩行者や小型バイクに乗った人が相次いで現場に入ってけがをし、市は安全管理が不適切だったとして工事の受注業者を2か月間の指名停止にしました。

指名停止の措置を受けたのは春日井市の「東出建設」です。春日井市によりますと、8月24日、この業者が市から受注した春日井市藤山台の道路の舗装工事現場で、午前10時ころ、70歳の歩行者の女性が道路を横切ろうとして、段差につまづいて転倒し、頭に軽いけがをしました。
その約30分後には69歳の女性が小型バイクで現場を走行し、段差に乗り上げて転倒して、膝の骨を折る大けがをし、現在も入院しているということです。

市によりますと、現場では当時、9人が作業にあたり、7人のガードマンが配置されていましたが、工事の作業区間は100メートル余りに及び、通行人を安全に誘導していなかったということです。
市は安全管理が不適切だったとして、業者を7日から2か月間の指名停止にし、入札に参加する業者に安全対策の徹底を呼びかけています。

これだけの人数を動員したにも関わらずこれだけの事故が起こってしまったと言うのは何とも残念ですが、しかしバリケード等で封鎖はしていなかったものなのでしょうかね?
このところプロ野球の世界も盛り上がっているようですが、こちら別な意味で盛り上がりすぎた結果起こってしまった残念な事件です。

受刑者ソフト大会 打順で大モメ、乱闘し重傷者 神戸刑務所(2017年8月10日スポニチ)

 神戸刑務所(兵庫県明石市)は9日、受刑者によるソフトボール大会の打順の話し合いをきっかけに口論となり、互いに暴行を加えたとして、傷害容疑で40代の男性受刑者を、暴行容疑で50代の男性受刑者を書類送検した。50代受刑者は、鼻の骨折や眼球の打撲などで約1カ月の重傷を負った。
 40代受刑者の送検容疑は5月1日午後6時ごろ、雑居房で50代受刑者の鼻にかみついたり、顔面を殴打したりするなどした疑い。50代受刑者は40代受刑者の腰を抱えて投げるなどした疑い。

 同刑務所によると、2人は刑務所内で1年に1回開かれるソフトボール大会に出場するチームメート。自分たちのチームの打順について室内で話し合っていた際、激しい口論に発展した。普段から仲が悪く、口論や小競り合いになることがよくあったという。同刑務所の広報担当者は「気の荒い者が多いので、世間では考えられないようなことでけんかになる。今回もこんなことになるような話ではないのですが…」と話した。
 大会は刑務所内の工場別に編成されたチームによるトーナメント戦で、5月1日から6月23日まで行われた。広報担当者によると、「受刑者にとっては数少ない楽しみの一つ。2人に限らず気合の入っている者が多い」という。乱闘になるほどいれ込んでいた2人だったが、騒ぎの影響で大会への参加は禁止。打席に立つことはできなかった。

何であれ過度に入れ込んでしまう人と言うのはいるものですが、しかし打順というものはそこまで重要なものなのですね。
何かあったときにひとまず頼りにしたいのが警察ですが、こちらかんじんな時に全く頼りにならなかったと言う残念なニュースです。

交番に逃げ込むも警察官が全員出動中 男性が2人組に暴行される(2017年9月22日西日本新聞)

捜査出動のため、たまたま警察官が不在だった交番で、逃げ込んできた男性が2人組の男に暴行を受けた事件を捜査していた福岡県警柳川署は22日、福岡県柳川市の自営業の男(34)ら2人を傷害容疑で逮捕した。

逮捕容疑は、共謀して、9月15日午後11時36分ごろ、同市内の雑居ビル通路で、男性(35)の顔面を殴りつける暴行を加えた。被害男性は福岡県警柳川署西鉄駅前交番に逃げ込んだ。

ところが、通常3~4名が勤務している同交番には、たまたま別の事案捜査のため全員が出動していたため、交番内にはだれもおらず、被害男性を追いかけてきた2人は、交番で、再び男性に暴行を加え、傷害を負わせた疑い。

交番の中に追いかけてきてまで暴行すると言うからには相当なものがあったのでしょうが、これはさすがに警察も見逃すわけにはいかなかったことでしょうね。
子犬と言えばかわいいものだと言う認識が一般的ですが、先日韓国で起こったこんな事件が話題になっていました。

アイドルの犬にかまれ死亡 有名料理店の女性経営者(2017年10月22日毎日新聞)

 韓国のアイドルグループ「SUPER JUNIOR(スーパージュニア)」のメンバー、シウォンさんの飼い犬が、同じマンションに住む有名料理店の女性経営者をかみ、女性はこの傷が原因とみられる敗血症で死亡した。複数の韓国メディアが22日までに報じた。

 シウォンさんはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で謝罪した。しかし女性がかまれた後、犬の誕生パーティーの写真をSNSに掲載したほか、普段からひもをつけずに飼っていたとみられることが分かり、インターネット上で批判を浴びている。

 女性は日本人にも人気の老舗韓国料理店「韓一館」を経営していた。(共同)

よほどに運が悪かったと考えるべきなのかですが、しかし子犬と行ってもブルドッグですから噛む力は強かったのでしょうかね。
最後に取り上げるのは何ともしまらない事件の顛末なのですが、まずは記事から紹介してみましょう。

モナコ大聖堂で募金くすねた男、「赤い手」が決め手で逮捕(2017年10月15日AFP)

【10月15日 AFP】南仏コートダジュール(French Riviera、フレンチリビエラ)の富裕層が多く住むモナコ公国で、モナコ大聖堂の名でも知られる聖ニコラス大聖堂(Saint Nicholas Cathedral)の管理人の男が募金箱から現金をくすねていたことが発覚して逮捕される事件があった。

 きっかけは、昨年初めに新たに着任した司祭が、募金箱に寄せられた現金の総額がそれまでより減っていることに気付いたことだった。司祭は大聖堂の管理人が横領しているのではないかと疑い、警察に通報。警察が募金箱を開けようとすると赤い染料が噴射されるよう箱に細工したところ、手が赤く染まった管理人を発見し、管理人が募金を着服していた事実を認めたため、現行犯逮捕となった。
 管理人はモナコに隣接する仏カップダイユ(Cap d'Ail)在住のフランス人。募金箱の現金を取り出す任務を解かれる前に合鍵をつくっていたという。盗んだ募金の総額は約3000ユーロ(約40万円)とみられる。

 公判はモナコの裁判所で先週行われ、盗んだ金は息子の結婚資金に充てたと述べた管理人に対し、裁判所は禁錮5月の執行猶予付き判決と罰金1000ユーロ(約13万円)を言い渡した。
 捜査中に分かった情報によると、聖ニコラス大聖堂の募金総額は2016年が13万6000ユーロ(約1800万円)、15年は14万5000ユーロ(約1900万円)だった。(c)AFP

しかし40万円を盗んで13万円の罰金が安いのか高いのか何とも言いがたいのですが、これを見ると宗教施設につきもののお賽銭の類は結構入っているものなのだなと思いますね。
ちなみにお賽銭を投げて注連縄に刺さらせると行った行為はマナー違反で、きちんと丁寧に賽銭箱にお入れするのが正しいのだそうで、年末年始には行儀良く参拝したいものです。

今日のぐり:「麺屋和佳」

広島県は福山市北部郊外に位置するこちらのお店、特に目立たないし大繁盛店でもないのですが、以前にたまたま立ち寄ってなかなか美味しい鶏出汁のラーメンをいただいた記憶があります。
しかし一歩店内に入るとその鶏出汁の匂いがたまらんなあ…と言うほど香るのですが、お隣岡山県笠岡市の笠岡ラーメンなども鶏の出汁に煮鶏のトッピングで有名で、地域性なんでしょうかね。

メニューを見ますと醤油や味噌、担々麺につけ麺まであるようなんですが、ここはおすすめだと言う塩味の特製白ラーメンを頼んで見ました。
博多風の水炊きを思わせるスープが特徴の白ラーメンをベースに、初摘み海苔とコーンをトッピングしたもので、まあコーンはともかく最近塩ラーメンに海苔と言う組み合わせには侮れないものを感じています。
見た目は極細麺とあわせて一見とんこつラーメン風ですが、漂ってくる甘い匂いはとんこつとは全然違っていて、今どきのラーメンとしてはシンプルながら癖がなく美味しいスープだと思います。
トッピングの鶏団子は香ばしく焼いても案配よさそうにも感じましたが、こういう煮たものだと一層水炊きっぽさが感じられるもので、鍋焼きラーメンのようなスタイルでも合うのかも知れませんね。

醤油や味噌など他のラーメンもこのスープがベースなのだとすれば悪くないだろうと思うのですが、このシンプルさが一番楽しめるのはこの白スープなのでしょうかね。
接遇面ではいい意味で個人店っぽいフレンドリーさに安心感がありますし、設備も特に充実しているわけでもないのですが調理場の壁など綺麗なのは好印象でした。

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2017年10月27日 (金)

総合診療科は医師不足の特効薬か劇薬か 市中病院の場合

昨今ではテレビの影響もあって総合診療医と言うものがずいぶんと評価が高まっていて、医学生の間でも進路選択の人気トップスリーに入るのだそうですが、医師不足が喧伝される時代にあって社会的な需要も非常に大きなものがあり、国もその増員を目指しているところでです。
実際に市中プライマリケアで大きな実績を挙げている先生も少なくないのですが、これがこと総合病院の一部門として見るとあまりうまく行っていない場合も多いようで、先日総合診療医の側からの不平不満を連ねた記事が出ていましたので紹介してみることにしましょう。

ある総合内科医の独白「私はこれで病院を辞めました」 中小病院で総合内科がうまく機能しない理由(2017年10月2日日経メディカル)

 数年前、総合診療に力を入れるという方針の病院から請われ、都心部のある病院に総合内科のリーダーとして入職した内科医のA氏(当時50歳)。だが、そのA氏は先日、ひっそりとその病院を退職した。孤軍奮闘するもあえなく散ったA氏から、退職に至る経緯と心の動きを聞いた。(匿名化のため、内容の一部を改変してあります)

 私が入職し、新設された総合内科のリーダーを任されたその民間病院は、経営不振にあえいでいた。病院が経営建て直しのために講じたのが、総合的に患者を診ることができる「総合内科」の新設だった。地域の病院として機能させるために、私を招聘したのだ。加えて、受け入れ患者数を増やす目的で、積極的に救急患者を受け入れる方針を院長が打ち出した
 しかし、この急激な方針転換に多くの医師はついていけず、次第に総合内科とその他の科との間に軋轢が生じ始めた

 それまで「専門外」を理由に受け入れを断ってきた患者も、私が総合内科の立場で受け入れを許可するようになったことで、現場は忙しくなった。それまで夜間に救急搬送される患者はせいぜい一晩に2~3人だったが、それが10~20人まで増えた。その結果、「昔は、当直で眠れたのに今は眠れない」としばしば文句を言われるようになっていった。
 昼間の救急外来は私ともう1人の総合内科医で担当したが、受け入れられる数には限りがある。救急外来で受け入れた患者の振り分けを行い、他科の医師に入院患者の担当を依頼することもあった。しかし、しばしば「お前が引き受けた患者なのだからお前が見ろ」と一蹴された。やむを得ず、救急で受け入れた患者を総合内科で抱えることになり、1人で20人近い患者の主治医をするようなこともよくあった
 また、「咽喉頭の痛みは内科ではなく耳鼻科が診てきた」「頭痛は脳神経外科がこれまで診てきた」と旧習にとらわれ、自分の専門外の疾患は決して診ようとしない医師も少なくなかった。しかし、医師数は限られており、こうした医師のわがままが許される状況ではなかった。ありふれた疾患なら誰でも診られるようにする体制が必要だった。
(略)
 私が主張したいのは、私の経験したこれらのエピソードは決してあの病院だけの問題ではないということだ。ご存じのとおり、国は急性期病棟を減少させる方針を打ち出し、病床機能再編が行われている最中だ。今後、200床規模の病院は、私がいた病院と同様に総合内科診療に力を入れる方向に舵を切ることになるだろう。その際、総合内科診療に力を入れる病院の方針と、医局から派遣され専門医としての腕を磨きたい医師との軋轢は避けようがない。病院経営側が相当に強いリーダーシップを発揮しないと改革は成し遂げられないのではないだろうか。
 私は病院のために患者を広く受け入れて奮闘した。にもかかわらず、他科の専門医からは感謝もリスペクトもなく、それどころか軋轢による攻撃でモチベーションが維持できない状態に陥った。「守備範囲広く、疾患を診る能力のある医師」を理解しリスペクトする環境を作ることが総合診療医を定着させるのに重要だと痛感している。
(略)
 私が経験した問題の根本的な原因は、地域医療を担う病院への医師派遣が、いまだに専門性の高い疾患のみを診てきた大学病院の医局に頼っている状況にあるのだと思う。「提供するべき医療」と「派遣される医師が行いたい医療」に隔たりがあるのだ。これが解消されない限り、今後も地域医療を担うべき中小病院で同様の軋轢は起こり続けることになるだろう。
 地域医療におけるニーズは変えようがない。派遣される医師の意識が変わるか、派遣する大学がニーズに合った医師を派遣できるように教育体制を変えるか。それとも医師の派遣を大学に頼らず、ニーズにあった医師を地域が採用し育てるか。アンマッチを解消するには、それしか方法はない、と私は考えている。(談)

もちろんこうした各診療科間、各医師間の軋轢は何科であっても起こり得ることですが、特に総合診療科に関してはこの種の問題が発生しやすい印象がある一方で、特徴的なこととしてこのように総合診療科対全診療科的な対立に陥りやすいように感じるのですが如何でしょうか。
もちろん多くの市中病院では高度な専門性を持つ医師よりは、総合診療科的な大抵の疾患に一通り対応出来る医師により多くの需要があることは全く同意するのですが、この先生と院内他科との軋轢がそうした需要と供給のアンマッチによるものかと言うとどうなんでしょうね。
総合診療医先生の視点で見れば自分は何一つ天に恥じることなく一生懸命やっている、それなのに他科の無理解でうまくいかないのだと言いたい気持ちは理解できるのですが、医療以前に明らかに他科との人間関係が真っ当なものではないのは職場の同僚としてどうなのかです。
お互いプロフェッショナルとして仕事をしていれば普通こんな罵声が飛び交う関係など考えにくいのですが、おそらくそれなりにうまくいっていただろう病院で新任の先生が来た途端人間関係が破綻したと言われれば、やはり何かしらの理由はありそうに思えますよね。

記事を読む限りではこの先生、ファーストタッチで患者を引き受けることはしていたのですが、その後の診療に関しては他科丸投げが基本で、十分自分で診られる程度の患者でも他科に引き継いでいたようですが、さてそこに十分な合意形成なりがあったのかどうかです。
一般論として医師間、診療科間で患者をお互いにやり取りするギブアンドテイクの関係があれば問題ないのですが、他科にしてみれば総合診療科から患者をもらうことはあってもその逆はまず考えられず、勝手に一方的に仕事を増やされるだけに見えるでしょうね。
しかも仕事が増えても特に給料が増えるわけでもないでしょうから、よほど仕事に飢えているかマゾ体質の先生でなければ良い気持ちになるとも思えませんが、この辺りは総合診療を導入した経営陣側がどのような対応をしていたのかによっても話が変わってきたでしょう。
しかしこうした片務的関係との類似性では産科や小児科の先生と不妊治療の先生との関係などはどうなのかとも思うのですが、不妊外来などは見たところ開業クリニックで行われていることが多いようなので、さほどに院内での軋轢はないのでしょうか。

ともかくも総合診療科に対して各診療科が不公平だ、一方的だと感じているのが問題の根本だとすれば、それを解消するためには何でも診られる医師を増やすと言う迂遠な策よりも、各診療科からも同様に総合診療科に患者を帰す流れを作ると言うのも一つの手でしょう。
ただ外科で術後の患者を総合診療科が面倒を見られるか、内科で内視鏡やドレナージなどを行った後はお任せ出来るのかと言えば、自分の知る限りそれをやっている総合診療の先生は控えめに言ってもあまり多くはないようですし、患者心理としてもせっかく専門家がいるならそちらにかかりたいですよね。
受け持ち患者数に不公平があるなら、軽度の市中肺炎や念のための経過観察入院となった軽症救急患者などは総合診療科に優先的に担当いただくと言う手もありますが、どうも診療の診の部分には関心が高くとも地道な療の部分にはそこまでの情熱を抱いていない総合診療医の先生も少なくない印象です。
各診療科間、各医師間で業務の不公平感が出ることはある程度仕方のないことなのですが、総合診療科から際限なく送り込まれてくる患者の対応で連日四苦八苦している他科からすれば、ついつい自分達はあんたの下請けではないと言いたくもなるものかも知れません。

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2017年10月25日 (水)

厚生労働省=厚生+労働であることの意味

医療現場に対してこのところ労基署の厳しい追及が続いていますが、ある意味で今までで最大の問題にも発展しかねないのがこちらのニュースです。

無許可で宿・日直業務 富山国保病院に是正勧告 木更津労基署(2017年10月17日千葉日報)

 「南房総市立富山国保病院」(同市)が夜間や休日に急患対応するため、労働基準監督署の許可を得ず、医師に違法に宿・日直勤務を行わせていたとして、木更津労基署から是正勧告を受けていたことが16日、千葉日報の取材で分かった。勧告は2日付。

 同病院によると、9月8日と22日に同署が立ち入り調査をした。今月2日、宿・日直勤務をさせる場合には、労基署に許可を得なければならないという労働基準法施行規則第23条に違反したとして是正勧告を受けた。
 同病院の日直は休日の午前8時半~午後5時15分まで。宿直は平日・休日の午後5時15分~翌午前8時半までとなっている。

 同病院の常勤医師は2013年から院長を含む3人。それぞれ、平日の宿直を週1回、休日に24時間連続で勤務する宿・日直を月3回行っていた「宿直が週1回、日直が月1回」という同法の許可基準を上回り、その点も2日、指導を受けた
 同病院は「勧告について重く受け止める」としており、今後の対応を検討中。来月20日までに是正内容を労基署に報告する予定という。

 同病院は1948年に診療所として開院。2006年に市町村合併により同市立となった。病床は計51床。


無許可で医師に宿直・日直勤務 千葉・南房総の市立病院(2017年10月18日朝日新聞)

 南房総市立富山国保病院(千葉県南房総市平久里中)が労働基準監督署の許可無く医師に宿直・日直の勤務をさせていたとして、木更津労働基準監督署が是正勧告をしたことが17日、分かった。同監督署は11月20日までに同病院に是正内容を報告するよう求めた。

 同病院などによると、医師に宿直・日直勤務をさせる場合、労基署の許可を得なければならないのに許可を得ておらず、是正勧告を受けた。

 さらに同病院は、院長を含む常勤医師3人に平日の宿直勤務を週1回、休日に24時間連続で勤務する宿直・日直勤務を月3回行わせていた。許可基準は「宿直は週1回、日直は月1回」で、この点で指導を受けた。同病院の日直は午前8時半~午後5時15分、宿直は同5時15分~翌日午前8時半、となっている。

 同病院は「勧告を重く受け止め、市民サービスに影響が出ないように対応策を検討中」としている。

 同病院は1948年に旧平久里村の農協設立による診療所として開院。2006年の市町村合併で南房総市立となった。病床数は51。

ちなみに昭和63年3月14日に労働省労働基準局長の出した基発150号と言うものが労基法の解釈を示していて、しばしば引用される「宿直勤務については週1回,日直勤務については月1回を限度とすること」と言うルールもこれを根拠にしているようです。
試しにちょいと検索してみましたら、この手の田舎によくある小さな自治体病院そのものと言う印象なのですが、一般35床、療養型(医療)12床、感染症4床の計51床を持ち、救急告示病院かつ輪番病院であると言いますから、一応夜間も仕事があるのでしょうね。
常勤医師が3人に非常勤で週5日の診療をしていらっしゃるようで、これもこの種の病院としてはごく標準的なものですが、3人の常勤医が平日週1回の当直だと言いますから、他の2日は非常勤が担当していたとすれば計算があいそうです。
そして非常勤医のいない週末2日間と祝日は3人で交代で回していたのでしょうが、3人の医師で当直を組みなら当然こういう勤務状態になるのは判りきっている話であり、病院であり当直者を置かなければならない以上医師を増やさないことには解決不能な問題ですよね。

今回はそもそも当直をやっていい前提となる労基署の許可を得ていなかったと言う名目で是正勧告を受けたわけですが、その許可を受けるためには許可基準をクリアしなければならず、実際その点についても今回合わせて指導を受けたと言います。
さらに言えば状態として業務をほとんど労働する必要がない勤務と言う条件を満たしていなければ宿日直とは認められず、時間外労働として計算されるのですから、その場合あっと言う間に過労死水準の労働時間に達してしまう計算になり、いずれにしても詰んでいるなと言う印象です。
問題は当然ながらこの種の小病院ではこうした勤務が行われていることを知っているにも関わらず、敢えて今回是正勧告や指導を行った労基署の意図がどこにあるのかで、現実的に医師増員が不可能である以上、全国どこにでも同じ問題が出てくる可能性が極めて高そうですよね。
穿った見方をすれば当直を置く必要のない有床診療所への転換を促しているのか?とも取れる話ですが、その場合労基署よりも厚生労働省の厚生側の意図がどこまで入っているのかで、旧厚生省から医療行政が長年悲願としてきた医療資源集約化に適う話ではあるのですよね。
仮に今回の件を第一歩に同様の問題を全国的に厳しく労基署が追及していくと言う動きが出てくるとすれば、医療行政が診療報酬と言う不確実な手段以外にも強力な医療統制のための手段を手に入れたと言うことの、一つの状況証拠になるのでしょうか。

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2017年10月23日 (月)

仙台市急患センターの休憩時間設定に猛反発した人々

先日以来お伝えしているように、医師の働き方改革についての議論が為される中で、一番の抵抗勢力は医療従事者そのものであると言うことが次第に明らかになってきています。
当然ながらその主体となっているのは経営者目線で現場医師を奴隷労働させたい管理責任者などの立場にある方々が多いのですが、同じ現場に立つ医療従事者からも背中を打たれる事例があるようです。

<仙台市急患センター>救急なのに診療中止し休憩確保 午前3~4時、試験的に導入(2017年10月18日河北新報)

 仙台市急患センター(若林区)が午前3~4時を医師や看護師の休憩時間とし、診療を試行的に中止したことが17日、分かった。一部の看護師は「市民が初期救急医療を受ける機会が減る」と反発し、独自に受け入れを継続している。働き方改革の推進と現場の人員拡充要望のはざまで、医療サービスが揺れている。

 センターを運営する市救急医療事業団によると、休憩時間は10日、試験的に導入した。深夜帯の勤務時間は午後10時45分~翌日午前7時半。労働基準法上は最低1時間の休憩が必要で、休憩を取るタイミングはこれまで、看護師らの判断に委ねられていた。

 事業団の山口正浩常務理事は「平日深夜の休憩の取得状況は半分にも満たず、確実に休めるようにする必要があった。午前3~4時は統計上、最も患者が少ない時間帯。影響は最小限に抑えられる」と説明する。

 事業団の看護師による市医療事業団労働組合の新海葉子執行委員長は「(患者を最初に受け入れる)初期救急医療機関が診療を止めてはならない。休憩は取りたいが、試行は休みを取らせようという事業団のポーズ」と強く反発。一部看護師が午前3~4時、医師の協力を得て10日以降も独自に患者を受け入れている

 同組合は、平日深夜に休憩が取れない原因は「勤務人数にある」と交代要員の補充を求めている。平日深夜帯の看護師は2人。医師の診察には看護師1人が介助に付くため、その間の外来の問診などに備えて最低あと1人は必要だという。

 試行では、休憩時間に重症者が来た場合、受付職員が看護師に連絡する手順になっている。新海委員長は「医学知識のない受付職員が患者の重症度を判断できるはずがない。休憩は1人ずつ交代で取る以外にない。看護師3人態勢が必須だ」と話す。

 市の車塚明宏医療政策担当課長は「深夜帯の患者は平均10~12人で、常に休憩が取れないわけではない。他の政令市と比べ、看護師の数は遜色ない」と事業団の対応を了承している。

ちなみにこのセンター、いわゆる夜間時間外診療所的な施設であるようで、HPによれば「診療に従事するのは,主に昼間は他の医療機関などで働いている方々で,奉仕的な協力をいただくことにより運営」されているのだそうです。
過去の記事を検索すると「伸び悩む患者数を増やそうと」この9月から診療対象を16歳以上から中学生以上に広げる方針を決めたのだそうで、16年度までの1日患者数は3-4人だったと言いますから、思惑通り大幅に増えていますよね。
公的病院の医療サービス提供のあり方について色々と考え方はあるのでしょうが、スタッフの労働環境を妥当な水準に保つために受診制限も必要であるとなれば、それを行うのもやむなしと言うのは最近の流れではありますね。
その意味で今回の受診制限の内容は限りなく最低限のののであり、むしろ実効性に乏しすぎる形ばかりの不十分なものではないかと言う批判も出てきそうですし、実際ポーズだけであると言う批判も出てるようです。

ただここで注目されるのは「一部の看護師は「市民が初期救急医療を受ける機会が減る」と反発し、独自に受け入れを継続している」と言う部分であり、記事タイトルもまさにその部分を取り上げていると言えますよね。
「救急なのに診療中止休憩確保」とはずいぶんと批判的な意志を感じるタイトルだと思いますが、今回の場合医師ではなく看護師側からの動きが主であると言う点が興味深いところで、医師側の反応はどうなのかです。
休憩がよいか悪いかはともかく、医師に関して言えばここでボランティアをしても前後の日勤は普通に労働があるはずで、下手をすると30時間、40時間と連続勤務を強いられる医師も休憩時間は欲しいのではないでしょうか。
法律上は労働時間内の一定の休憩は労働者に認められた権利ですし、日中やっている病院診療所でも普通に昼休みはあるわけなので、この施設だけは断固ぶっ通しでやるべきだと言う意見も素直には首肯しにくいところですね。

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2017年10月22日 (日)

今日のぐり:「京ちゃばな 新大阪駅店」

世の中新しい商売のネタは尽きないものですが、先日こんな新しいアイデアが紹介されていました。

「人工知能で神を」 元Googleエンジニアが宗教団体を創立(2017年10月13日ハフポスト)

元Googleエンジニアのアンソニー・レバンドウスキー氏(37)が宗教団体を創立した。神は人工知能(AI)と標榜する宗教団体だ。9月27日、WIREDなどが報じた。
団体の名前は「Way of the Future(未来への道)」。ネットメディアのThe Vergeによると、宗教団体として税金の免除を受けるための書類は内国歳入庁(IRS)には提出されていないが、カリフォルニア州に提出された書類には、団体の目的が「人工知能に基づく神の実現を発展・促進すること」だと書かれていたという。

■創設者のレバンドウスキー氏ってどんな人?

レバンドウスキー氏はベルギー出身。14歳の時にアメリカに渡り、カリフォルニア大学在籍時、アメリカの国防高等研究計画局(DARPA)が主催するロボットコンテストで優秀な成績を収めた。
その後、「510 Systems」という会社を設立。写真の撮影情報と位置情報を結びつけるシステムを開発し、Googleに買収された。このシステムがGoogleストリートビューの撮影に使用されることになる。
その後、レバウンドスキー氏はGoogleで自動運転車開発プロジェクトに技術責任者携わった後、2016年に退社。同年1月に、Googleマップの元製品責任者リオー・ロンらとともに、自己資金でトラックの技術を手がける「Otto」を創設した。そのOttoも2016年8月、タクシーの配車アプリのUberに、6億8000万ドル(約762億円)買収された。
しかし、レバウンドスキー氏に疑惑が持ち上がる。Googleを退社する際に約1万4000ページにも及ぶ機密情報を持ち出したのではないかと、アルファベット(Googleの親会社)の自動運転車Waymoから訴えられたのだ。Uberは2017年5月、レバウンドスキー氏を解雇した。

記事を読む限りでは色々とアイデア豊富な人のようですが、ハンパな神様よりは確実な御利益が見込めるものなのかも知れませんね?
今回はレバンドウスキー氏の新団体の前途に幸多からんことを祈念して、世界中から正直その発想はなかったと小膝を叩くしかない斬新なアイデアの数々を紹介してみましょう。

タイガー魔法瓶製炊飯ジャー「JPG-X100」にオンキヨー製加振器搭載天面全体をスピーカーとして高品位な音声再生を実現(2017年3月13日産経新聞)

オンキヨー株式会社は、タイガー魔法瓶株式会社が2017年9月11日に発売した炊飯ジャー「土鍋圧力IH炊飯ジャー<THE炊きたて>JPG-X100」に当社加振器(当社「Vibtone」シリーズ※)が搭載されました。加振器を活用した音声再生を実現し、振動板を用いた従来のスピーカーユニットを使用することなく天面全体をスピーカーにして、高品質でクリアな音声/メロディーの再生を可能としています。

家電製品での音声やメロディーの再生方法としては、振動板を有するスピーカーユニットの利用が一般的であり、高音質かつクリアな音を再生する場合には通常、音の出口を設けるために製品へ穴をあけることが必要とされてきました。しかし、防水性や気密性が必要とされる製品が多く、製品自体に音の出口である穴を設けることが困難であり、スピーカーユニットが持つ本来の再生音を充分に発揮することができませんでした。このような問題を解決する方法として、加振器の振動を利用し本来の性能が発揮できない環境においても加振器を取り付けた場所から高品位な音声再生を実現することに成功しています。

このたび搭載となった加振器では、炊飯ジャーのふたにあたる銘板を振動させることで、クリアな音を再生することを可能としています。また、炊き上がり時のお知らせ音などの、再生音質についてはタイガー魔法瓶と共同開発を行い、心地よく耳障りの無い音を実現しました。

AI、IoTの拡大により今後多様化が想定される家電製品のさらなる需要へ応えるため、音声を必要とする製品およびその周辺技術の開発を促進してまいります。スピーカーユニットのみならず加振器を利用した高品質な音声・音楽再生を実現できるソリューション提案を行い、家電や住宅産業など新事業分野への事業拡大を目指してまいります。

大変に画期的で高性能な製品であることは理解出来るつもりなのですが、しかし何なのでしょうねこのこれじゃない感の半端無さは。
最近ではスナック菓子も次々と新製品を投入しなければ生き残れない時代なのだそうですが、こちら誰も挑んだことがなかった領域への新たなチャレンジが報じられています。

「逃げるわけにはいかぬ」カルビーの滋賀県ご当地ポテチは、禁断の「ふなずし味」(2017年10月11日産経新聞)

 食品大手「カルビー」は11月13日から、独特の発酵臭で知られる滋賀伝統の「鮒(ふな)ずし」味のポテトチップスを販売する。近畿2府4県で店頭に並ぶ。1袋120円を想定している。

 塩漬けにしたフナを、米と漬け込んでつくる伝統の味。粉末状にした琵琶湖産のフナを使い、調味料で独特の発酵臭を表現、酸味とコクが楽しめる。

 好みが分かれる食品だけに、試作は通常の倍の60回に達した。「滋賀といえばふなずし。逃げるわけにはいかない」と担当者。チャレンジ精神が吉と出るか。

しかし案外本格的な作りだなと感心するのですが、やはり近畿限定と言った辺りに少し腰が引けている印象も受けてしまいます。
大切に温存していたものを他人に勝手に消費されてしまうと誰しもがっかりですが、こちらそれに対する一つの解答が登場したようです。

保冷剤?アイス? 勝手に食べないでね! 竹下製菓、新パッケージ発売(2017年10月4日佐賀新聞)

 竹下製菓(小城市、竹下真由社長)は、パッケージの見た目が保冷剤のブラックモンブラン「DO NOT EAT」を発売した。冷凍庫に入れていたアイスを勝手に食べられるのを防ぐユニークなアイデア。ディスカウント店「ドン・キホーテ」で販売している(一部地域を除く)。

 同社が10~50代の500人を対象に行ったインターネット調査で、「他人に食べられた経験のある食べ物は?」との問いに80%が「アイス」と答えた。新商品はそんな悩みに応えようと、パッケージに保冷剤のデザインを印刷。商品名も日本語で「(勝手に)食べないで」と明快にした。希望小売価格は98円(税別)。

 担当者は「おそらく世界初の試みだと思う。勝手に食べられて悲しむ人が少なくなれば」と話す。

 新商品の発売に合わせ、ソニーミュージックと共同で、若者に人気の歌手トミタ栞を起用したプロモーション曲「わたしのアイス食べたでしょう?」を制作。動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信している。

写真を見る限りでもその本気ぶりは明らかですが、ここまで本格的になると自ずから別の問題も派生しそうな気がしますがどうなのでしょう。
裁判となれば誰しも必至で自分の立場を主張するものですが、こちら過去にないその斬新さが多くの関係者に衝撃を与えたようです。

「尿を飲んで覚醒剤陽性」認めず 男に逆転有罪判決 札幌高裁(2017年10月3日北海道新聞)

 覚せい剤取締法違反(使用)と傷害の罪に問われ、一審の札幌地裁浦河支部で覚醒剤使用について無罪判決を受けた日高管内新ひだか町の土木作業員の男(35)の控訴審判決が26日、札幌高裁であった。高橋徹裁判長は「明らかな事実誤認がある」として一審判決を破棄し、男に懲役4年を言い渡した。

 男は静内署の取り調べ過程の尿検査で、覚醒剤の陽性反応が出た理由について「覚醒剤を使っていた交際相手の女性の尿を飲んだ」と主張し、使用を否認していた。

 高橋裁判長は判決理由で、男から検出された量の覚醒剤を尿から摂取するには、何十リットルもの尿を飲まねばならないなど「現実的でない」と指摘。「覚醒剤検出の原因が飲尿行為にあるという被告の弁解は客観的にありえない」と結論付けた。

聞くところによれば地裁では男性の主張を科学的に覆せなかったそうなのですが、仮に無罪判決が確定していたとしても大切なものを色々と失っていたような気もします。
最後に取り上げますのは極めて深刻な問題に対して、非常に合理的かつ明快で有効な対策が見つかったと言う喜ばしいニュースです。

バイブがある絶滅危惧種を救う(2017年8月26日GIZMODO)

カメは約2億1000万年前の三畳紀後期から存在する生物ですが、淡水に住む約半分の種が絶滅の危機にひんしています。それを喰いとめるにはカメの雌雄の正確な数を知る必要があるのですが、カメの雌雄判別はとても難しいんです。
そこで、人間用大人のおもちゃが大活躍しているんだとか。どうやって使うのか気になりますよね。ええ、まさに人間に使うように患部に当てるんですって。ちょっと笑ってしまいますが、これは種族維持のための真面目なお話です。

オーストラリアのジェームズ・クック大学で博士論文のためにニシアミメガメの研究をしているドナルド・マックナイトさんらは、カメの雌雄を判別するために、振動で性感を刺激するローターを使っています。
というのも、オスの性器は尻尾の内部にあるため、どうしても雌雄を知りたいなら体にメスを入れて見てみるしかありません。しかしそれではカメは衰弱し、最悪の場合死に至ります。頭を悩ませていた時、2013年に発表された論文に「バイブを使用したカメの精子収集法」を見つけたそうです。
バイブで射精させられるなら、オスのカメの局部を露出させるのにも使えると思いました。これなら、カメの負担を最小限に抑えて雌雄鑑別できるだろうと。(クック談)

チームはオンラインで最安値のバイブを購入し、早速、4種のカメで実験を試みました。その方法とは、カメの斜めに抑え、異なる体の部位にゆっくりとバイブを当てて反応を見ます。種類によって感度が異なり、例えばスッポンは反応が早い一方、ニオイガメは鈍かったとのこと。また同じ種類でも個体によって不快感を示したり、受け入れたりとリスポンスは異なったとのこと。
この実験により、局部がしまわれている尻尾に集中的に刺激を与えるのが最も効果的だが、人間同様、カメにも前戯が必要であり、また新しい電池を入れた高速の動きに最もいい反応を見せることがわかったそうです。

なお、バイブ雌雄鑑別法は他のエコロジストにも好意的に受け入れられており、オーストラリアのチャールズ・スタート大学で教鞭をとるジェームズ・ヴァン・ダイク講師は、「雌雄鑑別は絶滅危惧種の保護活動における第一のハードルです。研究の通りにこの方法が確実かつ効果的ならば、カメの研究や保護に従事する人たちは道具箱の中にバイブを追加するべきでしょう」と話しており、自分でもオーストラリア固有のカメで試してみようと考えているそうです。
カメにバイブというのも面白い発想ですが、スッポンは感度が良い、前戯があるのが好ましい、といった発見も興味深いですね。

いやまあ、それは確かに人類の長年の研究成果を応用したとも言えるわけですから、他の動物に対しても有効ではあるのでしょうけれども、ね…
ここで敢えて最安値の品を通販でと言うところに妙な生活感が感じられるのですが、今後この手法が一般化するにあたってより容易な入手手段の確保も求められそうです。

今日のぐり:「京ちゃばな 新大阪駅店」

大阪と言えば粉ものを食べてみなければ、と考える旅行者は少なくないと思いますが、こちら大阪に限らず手広く全国展開しているチェーン店なのだそうです。
新大阪駅の一角に位置するこちらもかなり繁盛されているそうですが、入り口こそ狭く感じられるものの中は案外と広いもので、お客さんも大勢入っていますね。

ひとまず一番ベーシックそうなミックスを頼んで見ましたが、デフォルトで料理、ドリンクの順でオーダーさせると言うのはお好み焼きは時間がかかるからなのでしょうか、面白いですね。
豚、イカ、エビにキャベツと具材もそれなりに入ってはいるのですが、関西らしくこれは基本的に生地そのものを食べる料理で、同じ名前がついていても広島界隈のそれとは全くの別物ですね。
ベースになる生地部分は出汁の塩梅やソースとのバランスも頃合い、焼き加減はフワトロと言うよりはややしっかりした焼き具合ですが、場所柄外国人のお客も多そうなだけにこれは仕方がないのでしょうか。
この種の料理は好みが分かれるものではありますが、味自体は別段悪くないと思うのですが場所柄仕方ないのだろうとは言え、やはりミックス以外も含め全般的に値段は割高に感じてしまいますね。

しかしこれも場所柄なのか小さなテーブルに小さな鉄板だなと思うのですが、鉄板自体の手入れは今ひとつな感じで、この辺りは焼くためのものではなくあくまで保温のためと言うことなのでしょうか。
接遇面はチェーン店らしくマニュアル対応として標準的なものと感じましたが、面白いなと思ったのはコテも箸もサーブされるのですがコテ派はあまりいないらしく、この辺りの好みは地域内でもお店によるのでしょうかね。

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2017年10月20日 (金)

あの絵本は復活するまで17年かかったそうです

別に珍しくもないことなのですが、先日こんな放送事故?があったと報じられていました。

小林旭が「放送禁止用語」、フジテレビが謝罪 ネットでは「正しい表現なんだから謝る必要ない」の声(2017年10月7日J-CASTニュース)

 昭和の大スター、小林旭さん(78)がフジテレビ系情報番組「バイキング」にコメンテーターとして登場し、アメリカのラスベガスで起きた銃乱射事件に関し「キ×××」という言葉を発したためアナウンサーが神妙な面持ちで謝罪した。
 ネット上では小林さん批判が相次いだが、「言葉狩りだ!」「ほかに思いつく言葉はない」などと小林さんを擁護し、「放送禁止用語」に首を傾げる人が結構多い。

■「無抵抗の人間だけを狙う奴は、バカかキ×××しかいない」

 番組では現地時間1日に起きたラスベガスでの銃乱射事件を取り上げた。犯人はホテルの32階から窓ガラスを割り、2万人が集まったコンサート会場に9分から11分間ほど改造銃で乱射、58人が死亡し489人の負傷者を出した。「米史上最悪」とされるこの事件の感想を聞かれた小林さんは、
  「酷いよね、そりゃぁ赤ん坊をこう捻ってやるのと同じことで、無抵抗の人間だけを狙ってああゆうことをする奴ってのは、バカかキ×××しかいない
とコメントした。犯人は狩りをする感覚で撃っていて、頭の中には人間としての意識が無い。人間としての意識があったら躊躇して撃てない、とし、自身が撮影の時に本物の銃を使った時のエピソードを話した。そしてCM明けに榎並大二郎アナ(32)が、神妙な面持ちで、
  「先ほどの議論の中で、ですね、精神障害の方に対する差別を助長する発言がございました。お詫びして取り消させていただきます」
と深く頭を下げた。

 この言葉はテレビ側が自主規制している「放送禁止用語」の一つだ。かつては自由に使われていたのだが、現在は当時のドラマやアニメがDVDなどで発売される場合など、その音声部分はカットされている。小林さんの発言にネット上では当初、「小林旭が放送事故!」「老人に発言させるな!」などと激しい批判が出たのだが、途中から議論は一変する。
  「TV事業者が独自の倫理規定で自主規制しているだけなのに、視聴者がここまで『守らなければならないルール』と認識しているとは、TVは見事なまでの洗脳マシーンだと思った」
などといった意見が出て、「何が悪い?」「マスゴミは言葉狩りやめろ!」などという、フジテレビに対する疑問の声が目立つようになった。
(略)
また、謝罪に「精神障害の方に対する差別」という言葉があることに首を傾げる人が続出していて、
  「頭のおかしいやつって認識だったけど、精神障碍者のことだったのか?
  「犯罪思考の屑と精神病患者を分ける為の言葉なのにな。精神病と犯罪者が同じとでもおもってるのかウジテレビは」
などといった議論も起こっている。

精神障碍者と言う言葉自体も「言葉狩り」の結果用いられるようになったものと言う気がしますが、いずれにせよ放送中に出演者が何かしら言葉を吐いた場合、関係者が不適切でしたと頭を下げると言うのはよく見る光景ですよね。
凶悪犯罪事件に何故昭和の大スターがコメントするのかと言う疑問もあって、日本のこの種の番組のコメンテーターなる存在自体に疑問を感じる人も少なくないようですが、近ごろでは不適切発言を期待されている?コメンテーターもいらっしゃるようです。
以前から犯罪者の精神鑑定と絡めて、凶悪犯罪を起こすような人は普通の精神構造ではないと言う議論がありましたが、しかし明らかに考え方が普通ではないが責任能力があると認定されるような人をどう呼ぶべきなのかは迷うところですね。
何にしろこの種のケースは今や見慣れたものであることは確かなのですが、こうしたいわゆる放送禁止用語なるものについて、最近ずいぶんとその範囲が拡大してきていることがたびたび問題視されています。

苦情殺到で「老人」が放送禁止用語に!? 最近追加された“クレーム対象ワード3”をTV関係者が暴露(2017年10月2日トカナ)

 以前、「頑張れ」というワードが放送禁止用語に加わりそうな勢いだとの事実をお伝えし、ネットなどで議論になった。正しくは放送注意用語と呼ばれるこれらの用語は、今現在も増え続けている。そんな放送禁止の対象に最近追加されたワードがあるという。

■1、標準語

「最近も放送上NGなワードが増え続けています。最近よくいわれるのは『標準語』というワードです。いわゆる東京で使われる言葉を意味する『標準語』ですが、これを『共通語』と表現するようになっています」(放送関係者)
 共通語とは聞きなれない言葉だが、今後はこちらに切り替わっていく可能性が高いという。
「東京の言葉を『標準』とする考え方に関西など他の地域の視聴者から苦情が多いんです。そのため、言い方を変えて『共通語』としています。しかし、苦情の内容からすれば言葉を言い換えただけでは解決になっていないという意見もあり、定着するかどうかは微妙です。いっそのこと『東京語』にすればいいなどの意見もありますね」(同)
(略)
■2、ハーフ

「ハーフタレントなどで使われる『ハーフ』という言葉ですね。こちらは最近になってというより、数年前からジワジワと知らされていました。『半分』という意味が失礼に当たるということのようです。しかし、徹底されていないということで改めて『ハーフNG』というお達しがあったと聞きます」(番組制作スタッフ)
 ハーフタレントが出演する番組では当人を含め当たり前のようにハーフという言葉を使っているが、これがNGならば一体どうすればいいのか。
「テレビ局の識者は『ミックス』という言葉に言い換えることを推奨しています。しかしながら、ハーフよりもミックスのほうが余計に差別になる、生々しい言葉に聞こえるなどという意見もあるんです。そのため、この一件は数年来放置されています。ハーフタレント自身が嫌がっているわけでもないのに、言い換える必要があるのか疑問ですね」(同)
(略)
■3、老人

 また、かなり頻繁に使用されるあの単語もNGになりつつあるらしい。
「『老人』です。お年寄りを意味する『老人』という言葉が『老いた人とは何事だ』と苦情が来るんです。しかし、これまで普通に使われてきた単語まで狩るのはどうなのでしょうね」(同)
 過去の例に目を向ければ、「外人」や「黒人」などもNGな上に、魚屋や床屋は「鮮魚店」や「理髪店」と表現するなど、テレビの世界では言い換えが多い。しかし、これらの単語は辞書にも記載された日本語だ。そんな言葉を苦情がくるからと狩っていたら、使える単語はどんどん少なくなってしまうはずだ。

このところLGBTの権利拡大に関連して色々な現象が見られると話題になっていて、先日は「王さまと王さま」と言うそのものズバリな絵本があると興味深く拝見したのですが、一方で考え方の相違から様々な社会的軋轢も発生しているようですよね。
放送禁止用語が次から次へと増えて行くのもクレームを入れる人がいるからなのでしょうが、世の中様々な考え方の人もいるわけで、テレビのように不特定多数向けの放送で全ての人に不満が出ないようにと考えれば、表現の幅に大きな制限が出るのはやむなきことかも知れません。
ただしテレビ局側が言葉に注意し、不適切発言があったとわびを入れるところまでは理解出来るのですが、ゲスト出演者にまでそれらの自己規制表現を使うなと強要するならこれは問題で、むしろ言葉狩りや表現の自由の侵害と言った弊害の方が大きくなるでしょう。
ひと頃古典的な文学作品に用いられる各種表現が、現代の視点で見ると差別的であるから出版禁止、回収すべきだと言う動きがあって話題になりましたが、「今日の社会通念上時代劇は大量殺人だケシカラン」と放送禁止になるような世の中は御免被りたいものです。


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2017年10月18日 (水)

いい加減医師も労働者であることくらい理解しましょう

9月21日に医師の働き方改革に関する検討会の第2回会合が開かれたそうですが、しぶとく医師は労働者ではないと主張する委員が一蹴されるなど、医師にも法規に基づいた労働管理を求める動きが主導的であるようです。

厚生労働省 第2回医師の働き方改革に関する検討会(前編) 「一般的な勤務医は労働者」に議論の余地なし(2017年10月13日日経メディカル)

(略)
 医師の働き方の議論ではこれまで、「医師は労働者か否か」が論点となることがあった。こうした議論を踏まえて厚労省の検討会事務局は検討会の冒頭、労働基準法上の労働者性として、第9条「この法律で、『労働者』とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下、『事業』という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」という法律上の定義を紹介。実務での判断基準として、「基本的には、事業に使用され、その対償として賃金が支払われている者であるか否かによって判断される」と説明した。指揮監督下の労働にあるかどうかが最も重要な判断基準となる。
(略)
 なお、医師・歯科医師・薬剤師調査に基づく医師の分類とその割合として、以下の図が示され、事務局は「青色部分の医師は一般的に労働者に該当すると考えられる」と説明した。

 続いて、今年1月20日に策定された「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」から、労働時間とは「使用者の指揮命令下に置かれている時間のこと」と定義。判断基準として(1)使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務付けられた所定の服装への着替えなど)や業務終了後の業務に関連した後始末(清掃など)を事業場内において行った時間(2)使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機などしている時間(いわゆる「手持ち時間」)(3)参加することが業務上義務付けられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習などを行っていた時間――の3点を例示した。
 これに関連して「医師の宿直」についても、「一般的に外来診療を行っていない時間帯に、医師などが入院患者の病状の変化に対処するため医療機関内に拘束され待機している状態をいい、このような待機時間も一般的には労働基本法上の労働時間となる」と説明した。
(略)
 さらに、第1回会合でも論点となった「自己研鑽」を労働時間とするか否かについても裁判例が紹介された。基本的な考え方として、自己研鑽の時間は、使用者の指示や就業規則上の制裁などの不利益取り扱いによる強制がなく、あくまで研修医が自主的に取り組んだ場合など、使用者の指揮命令下に置かれていると評価されない時間であれば、労働時間には該当しないと考える。
(略)
 この後のディスカッションで、社会医療法人ペガサス理事長の馬場武彦氏が「この労働時間制度の中に、『高度プロフェッショナル制』が挙がっていないのはなぜか? この制度は、医師についても適用の有無を議論する余地はあるか?」と質問した。高度プロフェッショナル制度とは、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案(働き方改革関連法案)」要綱に創設が盛り込まれている「特定高度専門業務・成果型労働制」のこと。職務の範囲が明確で、一定の年収(少なくとも1000万円以上)を有する労働者が、高度の専門的知識を必要とするような業務に従事する場合に、健康確保措置などを講じること、本人の同意や委員会の決議などを要件として、労働時間、休日、深夜の割増賃金などの規定を適用除外するというものだ。
 先ほどの質問に対しては、座長の岩村氏が「高度プロフェッショナル制度はまだ法律になっていないため、事務局が取り上げなかったのではないか。なお、高度プロフェッショナル制度は、業務の特殊性に基づき、労働時間を自分で決められるというところに着目した制度だ。もともと診療時間が決められており、勤務時間中は病院側に決められて診療行為などの業務を提供している一般的な勤務医は、高度プロフェッショナル制度とはそもそもなじまないと考えている。医師の業務がプロフェッショナル性が高いものということは理解しているが、労働時間の議論とは別物だ」と考えを述べた。
(略)
 また、福岡県済生会福岡総合病院名誉院長の岡留健一郎氏が「判例の資料に、『医師が労基法上の労働者であることを前提に』との表現があるが、病院団体としてはその前提は微妙なところだ。勤務医個人も、病院のために働いているという気持ちはなく、地域住民のために医療を提供するという気持ちで働いている」と発言すると、早稲田大学法学学術院教授の島田陽一氏は「勤務医が労働者であることは裁判でも争われない事実。勤務医が労働者かどうかという議論はもう続けられない」と応じた。さらに座長の岩村氏も、「一般的な病院勤務医は疑う余地なく労働者だ。勤務医が感情的に誰を対象に医療を提供しているかは関係なく、明らかに病院に対して業務を提供しているからだ」と付け加えた。

厚生労働省 第2回医師の働き方改革に関する検討会(後編) 医師の働き方改革、今後の論点は大きく4項目(2017年10月13日日経メディカル)

(略)
◆保健医療福祉労働組合協議会事務局次長の工藤豊氏
「宿直業務の扱い」という項目があるが、救急を標榜しているところとしていないところとでは実態が違うので、分けて考える必要がある。また、自己研鑽は医療において重要なので、その中身は十分精査する必要があると考える。例えば、自己研鑽といいながら診療報酬上で評価されるようなものは果たして自己研鑽なのかどうか。論文発表や学会参加は医師だけでなく他の職業でもあることなので、どのくらい医師の特殊性と言えるのか、考えた方がいい。
(略)
◆ハイズ(東京都新宿区)の裴英洙氏
経営者の意識改革はマストだと思う。経営者と話していると、これまで医師の自己犠牲に依存してやってきた部分がかなりあった。これを残業代などで支払うとなると、とても無理だという。しかし、労働の対価を支払うのは当然のこと。経営者の自助努力は必須ではあるが、現実的には原資を経営者の努力だけにかぶせるだけでは進まないと考える。ある程度、診療報酬などでガソリンとなる原資を入れていただけるとありがたい
(略)
◆東京女子医科大学東医療センター救急医の赤星昂己氏
週74時間以上の勤務を望む医師というのはほぼいないと思うが、ゼロにできていない実態があることを考えると、経営する病院側の資金繰りなどにも問題があると思うので、実態を明らかにしてほしい。若手の勤務医としては、書類の作成などでかなりの時間が取られていると感じている。タスクシフティングは昔から言われていることだが、なぜ現場で進んでいないのか、人が雇えないのか、その書類作成には医師の専門性が必須なのかといったことについて踏み込んで議論したい。

◆特定非営利法人架け橋理事長の豊田郁子氏
患者サポートの面からも考えることが重要だと思う。頼んだ書類が遅いなど、患者側が医療機関に不満を持つことがある。医師が休みの日にも診療してほしいという無謀な希望を持つ患者もいる。そこは医師が対応するというよりは、タスクシフティング、シェアリングを進めていくべき点だと思うので、医師の業務を示して、他職種がどう関われるか考えていかなければ進まないと思う。なので、医師の業務内容を具体的に示していただきたい。
(略)

記事前半部分では判例や法解釈に基づいて医師が労働者に相当するかどうかが説明されていますが、図に見られるように施設開設者や法人の代表を除き、勤務医はほぼ例外なく労働者であると言うのは妥当な見解だと思います。
そして労働者であるならば何を以て労働とするかの定義も示されているのですが、使用者の指示によるものと言う大原則を元に、宿直を含めた待機時間や研修時間なども労働時間であると明示されたことは画期的だと言えますね。
宿直業務を労働時間であると認定されると世の多くの医療機関で大変な解釈変更が求められそうなのですが、研修等の自己研鑽として放置されてきた行為をどこまで労働時間と認めるかも解釈が分かれそうです。
この定義によれば院内での勉強会やカンファレンス等は労働時間になりますが、例えば専門医資格を取得しそれが施設認定等に用いられると言ったケースは、必要な研修が労働時間に該当する可能性がありそうですね。
なお高度プロフェッショナル制度に関してはそもそも診療時間など現場医師が自己裁量で決められない以上、その対象とならないとして一蹴されていますが、自己裁量に関する諸条件が満たされる場合であれば検討する余地はあるかとも思います。

しかし特に各委員の発言を見ていると、労働環境改善に対する医療側委員の抵抗は未だに根強いものがありそうだと感じるところですが、抵抗しているのはあくまでも医師を使う側であると言う点にも留意すべきですよね。
この点で特に医療畑以外の委員から、医療の経営環境などにも注目されていることは良い傾向だと思いますが、根本的には公定価格で薄利多売を強いられていることが諸悪の根源であるとは言えるかと思います。
ただその中でも医師でなければ行えない業務以外は他業種に委ねるなど改善の余地はまだ大きいので、今後はそうした労働環境改善の努力を行った施設への診療報酬状の優遇なども検討されるべきでしょうね。
いずれにせよ医療の場合診療報酬一つ取っても岩盤規制が強いられているわけで、現場の改革を促すなら診療報酬改革とも連動しなければ意味がないはずですが、労働省側の議論が厚生省側にどこまで反映されるのかに注目ですね。

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2017年10月16日 (月)

病院内での自殺が話題に

どのように解釈するかはかなり余地に幅がありそうなのですが、先日こんなニュースが報じられ話題になっていました。

一般病院の2割で自殺者、半数はがん患者(2017年10月14日読売新聞)

 

精神科病床がない一般病院の約2割で入院患者が過去3年間に自殺していたことが、日本医療機能評価機構(東京)の調査でわかった。
 一般病院でも自殺が少なくない実態が浮き彫りになったことから、同機構は精神面の不調のチェックやケア、自殺が起きやすい設備の改修などを病院に呼びかける自殺予防の提言を公表した。

 同機構は2015年秋、全国の1376病院を対象に調査票を郵送で送り、12~14年度の自殺の発生状況などを質問した。38%の529病院が回答した。
 その結果、432の精神科のベッドがない一般病院のうち、19%にあたる83病院で計107人が自殺していた。主な病気別ではがんが52人で半数を占め、消化器や脳神経の病気がともに8人で続いた。自殺した患者のうち、46人でがんの痛みなど身体症状の悪化などがみられ、31人で「死にたい」など自殺に関連する発言があった。


病院 2割で自殺発生、半数ががん患者(2017年9月5日毎日新聞)

 精神科病床のない一般病院の2割で入院患者の自殺が発生し、約半数ががん患者だったことが、日本医療機能評価機構(東京)の認定病院患者安全推進協議会の調査で分かった。協議会は「入院患者の自殺は病院内の主要な医療事故の一つ」とし、自殺が起こりやすい場所の施錠や研修の実施など、予防や対応の提言を公表した。

 調査は2015年、同協議会の会員約1380病院を対象に行い、約40%から回答があった。同年3月までの過去3年間に自殺が発生したのは精神科病床のない一般病院では19%。計107人が自殺し、うち52人ががん患者だった。また精神科病床のある一般病院の67%、精神科病院の79%で、それぞれ74人、81人が自殺していた。
 自殺の場所は、一般病院では病棟内が半数以上を占め、病室や高所のほか、トイレなどの人目のつきにくいところでも多く起こっていた。また、自殺の直前に、痛みや呼吸のしにくさが増したり、抑うつや興奮、不安などの精神症状が悪化したりしていた。

 精神科病床のない一般病院で、自殺予防対策を実施しているのは半数にとどまり、自殺予防対策を学ぶ講習会を開いているのは約1割だった。
 提言では、多くの患者が自殺の直前に「死にたい」と口にするなど、助けを求めるサインを発しており、患者の苦しみに傾聴し、具体的な支援を開始すべきだとした。また、がん患者は告知後の自殺率が高いため、自殺予防を念頭に置いた対応が必要としている。
 調査や提言作成にかかわった河西千秋・札幌医科大主任教授(精神医学)は「一般病院でも相当数の自殺が起こっている。特にがん患者はさまざまな診療科で診ており、自殺予防対策はすべての診療科にかかわる問題だ」と話している。【下桐実雅子】

過去3年間で精神科のない一般病院のうち2割で患者の自殺が発生していると言うのが多いのか少ないのか微妙なところなのですが、わざわざ精神科の有無で分けている以上、精神科のベッドがある病院であれば自殺が減るものなのかが気にかかりますよね。
実は記事にも少し書かれているように、精神科のベッドがあれば自殺が少ないと言うことではなく、むしろ精神科で入院ベッドがあれば自殺リスクの高い患者が多くなり、より数字が高くなるので除外したのだと言うことで、それは確かにそうなのだろうなと思います。
また癌の患者が半数を占めると言うことですが、これまたどの程度の進行度の癌であったのかが問題で、明らかに完治の見込める段階の癌であるにも関わらずうつ病的な状態から自殺に至ったと言うのであれば、これは明らかに精神面でのサポート不足としか言い様がありません。
癌患者のサポートで今後精神科医がどの程度役割を果たせるかも課題となりそうですが、実際のところ精神科が主体となるのがよいのか、先日日本でも養成が始まったと報じられた宗教関係の専門家が主体となるべきなのか、患者の考え方などもあり一概には決められない問題です。

ところで日本に限らず世界的に今も議論が続いている安楽死、尊厳死の問題がありますが、これらについてはまさに自殺そのものではないかと言う意見もあり、今回のように患者自殺を否定的に見るスタンスではこれらは否定されるべき害悪であると言うことになりそうですよね。
昨年医師による安楽死幇助が合法化されたカナダで、1年間で約2000人の不治の病にかかった患者が死を選んだと報じられていましたが、当然ながらこうした法が出来ることを待っていた方々も多かったでしょうから、今後どの程度の数字に落ち着いてくるのかです。
安楽死先進国のオランダでは終末期のみならず、例えば足腰が弱って何度も転倒するようになった高齢者も希望すれば安楽死出来るそうですが、それでも全死者に対する比率では4%ほどで、世界的に見ればこれ以下の国や地域が一般的なようです。
自殺患者のうちどの程度が安楽死も考慮されるような状況だったのかは記事からは何とも言えませんが、癌患者が半数であり症状増悪があったと言う記載を見れば安楽死の需要も相応にあったと考えるべきでしょうし、それを「病院内の主要な医療事故」と切り捨てるのが正しいのかどうかは議論の余地があるところでしょう。

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2017年10月15日 (日)

今日のぐり:「朱華楼 東深津店」

今年はクマ被害が目立つようですが、先日また新たな被害があったと報じられていました。

死んだはずのクマが反撃…ハンターがケガ(2017年10月6日NEWS24)

北海道の白糠町の山林で6日午前、ハンターが出くわしたクマを射殺した。クマの反撃にあい、ハンターもケガをしたという。  地面に横たえられた1頭のクマ。男性ハンターを襲ったクマで、体重は100キロ以上とみられる。

6日午前8時頃、白糠町の山林でシカ猟をしていた男性ハンター2人が、親グマと子グマ2頭に遭遇した。銃を発砲したところ命中し、親グマは倒れたという。ところが時間をおき、2人がクマを確認しに近づいたところ、そのクマが襲いかかって来たのだ。  
居合わせたハンター「(発砲後)しばらくたってから見に来たときに、ぐったりしていたので、車から降りて様子を見ていたら、(クマが)わっと起き上がってきて、ガイドハンターさんがケガされた。引きずられていたので私が撃った」  襲われたハンターは手と足にかみつかれ、病院で手当てを受けた。軽傷だという。  

現場は白糠町の市街地から約20キロほど山林に入った付近。4日には6日の現場から10キロほど離れた同じ白糠町内の山林でクマに襲われた男性が遺体で見つかるなど、近辺ではクマの出没が相次いでいた。  警察や役場では、今回のクマとこれまで目撃されたクマとの関連などを調べている。

しかしクマに出会ったら死んだふりなどと俗に言いますが、クマの方でこの手を使ってくるとは恐らくハンター氏も考えていなかったでしょうね。
本日はクマに引きずられかけたハンター氏に哀悼の意を表して、世界中から動物に絡んで不幸な目に遭ったと言うニュースを紹介してみましょう。

犬連れ戻そうと踏切へ…男性が電車にはねられ死亡、岐阜(2017年6月25日産経新聞)

 25日午後2時半ごろ、岐阜市上川手の名鉄名古屋線の踏切で、犬の散歩中だった大学准教授、羽賀新世さん(52)=同市上川手=が須ケ口発名鉄岐阜行き普通電車(2両編成)にはねられ、頭などを強く打って死亡した。

 岐阜南署によると、羽賀さんは遮断機が下りた踏切内に入り込んだ犬を連れ戻そうとしていた。運転士が犬のリードを引っ張っている羽賀さんに気付き、急ブレーキをかけたが間に合わなかったという。犬も死んだ。乗客4人と乗員2人にけがはなかった。

 犬は体長約1メートルで首輪もついていた。羽賀さんはリードを引っ張っても犬が踏切から出てこないため、抱えて連れ出そうとしたとみられる。 現場は住宅街の一角で、踏切を渡る道路の幅は約2・2メートル。同線は約2時間、名鉄一宮-名鉄岐阜間で上下線の運転を見合わせた。 近所の主婦(67)は「歩行者と自転車しか通れない小さな踏切で、かなり頻繁に電車が通る場所。事故が起きたと聞くと怖い」と話していた。

どれだけ力の強いイヌなのかと言う話なのですが、よほどに踏み切りの中にいたい理由でもあったのでしょうかね。
こちらあまりに悲劇的であると同時に、もっとも経験したくない類の事件であると話題になっていたものです。

ハチ襲撃で車いす女性死亡、愛媛 50分間救出できず(2017年10月6日共同通信)

 愛媛県大洲市長浜町で9月、電動車いすの菊地チヱ子さん(87)がデイサービスの男性職員に付き添われ帰宅途中、スズメバチに約50分間にわたり刺され、死亡していたことが6日、大洲地区広域消防事務組合消防本部などへの取材で分かった。ハチが多く、約150カ所刺されていたという。付き添いの職員は救助できず、駆け付けた救急車も防護服を用意していなかった。

 消防本部によると、9月11日午後4時ごろ、菊地さんがデイサービス施設の送迎車を降り、30代の職員に付き添われて自宅に戻る途中スズメバチに襲われた。職員は、大量のスズメバチがおり、近づけなかったという。

一体何が起こったのかと思うような事件ですが、しかし想像するだけで何とも身震いするような惨劇としか言い様がありませんね。
他人事ならば笑い話で済むのですが、当事者にとっては生きた心地もしなかっただろうと言うニュースがこちらです。

米国のマラソン大会でランナーたちの前をクマが横切るハプニングが発生!(2017年06月19日AOL)

米コロラド州の公園「ガーデン・オブ・ザ・ゴッズ」で11日(現地時間)に開催された10マイル(約16km)のマラソン大会で、想定外の「参加者」が出現したため、ランナーたちは余計な体力を使う羽目になった。ランナーの集団の前を、1頭のクマが横切ったのだ。
マラソン大会に参加したドナルド・サンボーンさんは、この様子をカメラに収めフェイスブックに画像を投稿した。

「何の目的があってクマは道を横切ったって? ランナーを怖がらせて、レースの最中に貴重な時間を奪うためだ!」
「逆方向に行こうとしてるみたいだね。クマの後ろについていけばいいかも」、「だから僕はレースに出るのは嫌なんだ。クマが出るからね」など、沢山の人がすぐにこれに反応した。

画像を見るとこれがなかなか立派なクマなのですが、被害が出なかったからこそ笑い話で済んでいると言うものでしょうか。
こんなこともあるものなのだなと思うのですが、当事者にとってみればシャレにならないと言うのがこちらのニュースです。

ニンジン色のスポーツカー、ロバがガブリ 約77万円の賠償命令(2017年09月29日BBC)

ドイツ中部で昨年9月、オレンジ色もしくはニンジン色の高級スポーツカーが、馬小屋の近くでロバにかじられた。車の所有者がロバの飼い主に損害賠償を請求した結果、裁判所は28日、飼い主に約77万円の支払いを命じた。

原告のマルクス・ツァーンさんによると、ドイツ中部ヘッセン州フォーゲルスベルクで昨年9月15日、明るいニンジン色のマクラーレン・スパイダーをパドック(馬小屋に隣接する小牧場)脇の駐車場に停めたところ、「フィータス」と名前のロバに車の後ろをかじられたという。
ギーセンの民事裁判所は28日、フィータスの飼い主に、塗装代などとして5800ユーロ(約77万円)の賠償支払いを命じた。
警察は、フィータスが車をにんじんと勘違いしたかもしれないと話している。

ツァーンさんは、ロバの飼い主に対して6000ユーロ(約80万円)の損害賠償を請求していた。
飼い主は、フィータスが犯人でない可能性もあると主張。しかも、ツァーンさんはパドックの隣に高級車を駐車すべきではなかったと指摘していた。
ツァーンさんのマクラーレン・スパイダーは、時価30万ユーロ(約4000万円)相当だったとされる。

今回の事件はドイツのマスコミに広く報道され、注目を集めていた。

幾ら何でもニンジンと勘違いはしないでしょうが、それにしてもよりにもよってこんな高価な車に…と飼い主も泣きそうだったことでしょう。
最後に取り上げるのはご存知ブリからの話題ですが、これも例によって本当なのかどうか疑問符が付きそうなニュースです。

ペットのヨウムがネットで買い物 飼い主の声まねてAIスピーカーで注文(2017年9月21日AFP)

【9月21日 AFP】英国の首都ロンドン(London)で、ペットのヨウムが飼い主の声をまね、音声認識機能が搭載された人工知能(AI)スピーカーを使ってインターネットで商品を注文するという珍事が起こった。英大衆紙サン(The Sun)が20日に伝えた。

 同紙によると、ロンドン南東部に住むコリエンヌ・プレトリアス(Corienne Pretorius)さんが飼っているヨウムの「バディ(Buddy)」が、インターネット通販最大手の米アマゾン・ドットコム(Amazon.com)のAI音声アシスタント「アレクサ(Alexa)」を通じて10ポンド(約1500円)のギフトボックスを1セット注文したという。
 プレトリアスさんの家族には身に覚えのない注文が発覚して調べていたところ、バディがスピーカーとやり取りしているのを耳にして「犯人」が分かったという。
 プレトリアスさんは「バディがアマゾンで注文したとわかったときには信じられませんでした」と語っている。

 アマゾンのAIスピーカー「エコー(Echo)」は、大きな声で話しかけることで、さまざまなサービスを利用することができる。また、エコーは「アレクサ」と呼び掛けると反応する。
 サン紙の電子版に掲載された動画には、バディが「アレクサ!」と叫ぶと、鳥かごの隣に置かれたスピーカーが青く光り、呼び掛けに反応している様子が映っている。
「バディが『アレクサ』と呼び掛けた後、何か意味の分からないことを言ったら、その機械(スピーカー)は『何を注文したいのでしょう?』と答えていました」と語るプレトリアスさんだが、このやり取りについては特に気に留めていなかったという。
 しかし、金色のギフトボックス1セットを注文したという通知があり、「声を出して笑いました。それはバディの仕業に違いないと分かったから」と述べている。

だから音声認識など信用出来ないんだと言う声が聞こえてきそうなニュースですが、しかし本当にこういうことが起こる時代になったのですね。
幸い今回は価格もさほどではないもので幸いでしたが、いずれ同じような経緯でもう少し大変な騒動が起こってくるのも時間の問題でしょうか。

今日のぐり:「朱華楼 東深津店」

尾道ラーメンと言えば鶏ガラスープと豚の背脂が特徴と言いますが、もともとは醤油ダレの強いお店が多かったとも聞きます。
福山市内で数多ある尾道系ラーメンの中でもこの朱華楼東深津店と言えば、特にその圧倒的な醤油ダレの濃さで知られる人気店で、初めて食べた時には衝撃を受けた記憶があります。

間口の狭いお店を入るとまずは入り口のレジで注文をするのですが、そうは言ってもメニューは中華そばといなりだけなので迷う余地はありませんよね。
こちらの中華そばと言えば見るからに醤油辛そうな黒みがかったスープと言うイメージがあったのですが、久しぶりに来てみますと記憶にあるより色はずいぶん薄めに感じられます。
とは言え塩分濃度はかなり高くはっきり言って塩辛いですから、ベースとなっているスープ自体はすっきりした味でなかなかうまいのですが、さすがにこれを飲み干すのは身の危険を感じますね。
尾道系によく見る平打ち麺は何なんでしょう、何か乾麺のような独特の食感で実際少しぱりぱりする感じもあるのですが、この麺とスープの組み合わせも慣れるといいものです。
トッピングはネギにチャーシュー、メンマと古典的で味も特にどうこうはありませんが、スープと一緒に口に運んでいると揚げた背脂なのでしょうか、時々シャクシャクではなくジャリと言う食感は気になりました。

ともかく醤油ラーメンと言えば万人向けの無難な仕上がりのものも多い中、こちら食材自体はありきたりなのにかなり独特のラーメンで、特に初めて食べると正直少し好みは分かれそうには思います。
設備面は見ての通りラーメンをすすって帰るだけと言うスタイルのお店で、接遇面も別に愛想も何もありませんが、小さい店ながら回転はいいので行列時であっても案外待たされないのはいいですよね。

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2017年10月12日 (木)

労基署が当たり前に医療機関の不法行為を追及する時代に

政府の方針を反映してか、このところ労基署が仕事をするようになったともっぱらの評判ですが、先日こんなニュースが出ていました。

医師らの残業代1億2千万未払い 国内最大級の小児病院(2017年10月7日共同通信)

 国内最大級の小児病院、東京都立小児総合医療センター(東京都府中市)が、医師らの夜間や休日の勤務に適切な賃金を支払っていなかったことが7日、センターへの取材で分かった。センターは昨年3月、立川労働基準監督署から是正勧告を受け、今年6月までに未払い残業代計約1億2千万円の全額を支払った。

 未払いだったのは約80人の医師を含む職員計約130人に対する2014年3月から2年間の残業代。

 全国各地の病院でも同様の問題が潜んでいる可能性がある。政府も「働き方改革」を推進するが、医師への適用は5年猶予する方針で、医療現場の長時間労働対策の加速が求められそうだ。


都立病院、職員の残業代未払いで是正勧告 1.2億円分(2017年10月8日朝日新聞)

 東京都立小児総合医療センター(府中市、病床数561床)が、医師ら職員約130人の休日や深夜の勤務に十分な残業代を支払っていなかったとして、立川労働基準監督署から是正勧告を受けたことが分かった。同センターは6月までに未払い分約1億2千万円を支払った。

 都によると、勧告を受けたのは2014年度と15年度の職員の残業代。同センターは午後5時15分から翌午前8時半までの夜間や休日の勤務に原則として超過勤務分の賃金より安い宿直手当を充て、救急措置などがあった場合のみ賃金を割り増ししていた。だが、夜間や休日勤務が通常より負担が少ないとはいえないとして、労基署から超過勤務分の賃金支払いを求められ、従ったという。

 同センターの医師の夜間勤務は月平均4~5回。都によると、厚生労働省は病院での夜間や休日勤務の一部に宿直手当を充てる運用を認めており、他の都立病院でもそれに基づいているという。都の担当者は「個々の病院によって事情は異なるが、労基署などからの指摘があれば、それに応じて対応していく」とした。

今のご時世に賃金未払いなどは全く同情の余地なしと言うべきですが、ここで注目すべきは夜間休日の勤務を宿直扱いしていたものを、これを超過勤務扱いとして賃金支払いを求められたと言う点で、病院側の認識が否定された格好です。
この実質的には勤務状態であるにも関わらず、実労働をほとんど伴わないはずの宿直として扱うと言う悪習は医療業界に根強く残る問題ですが、今回明確に否定されたことで今後は勤務時間超過など派生する様々な問題も予想されるところですよね。
いずれにせよ医療の世界で労働と言うものに関する認識が世間といささかズレがあることは明らかであり、先頃研修医を過労死に追い込んだ新潟市民病院でも院長が「研修は労働時間ではない」云々と暴言を吐いて遺族を激怒させたとも報じられたのは記憶に新しいところです。
世間の企業で当たり前に行われる新入社員の研修などを「労働ではないのだから無給でいいよね?」などと社長が言えば、どれだけの騒ぎになるかと言う想像力の欠如だとも言えますが、世間の常識を測る上で最近参考になる報道も相次いでいます。

「朝礼の分も給与支給を」 バッファローに労基署が勧告(2017年9月29日朝日新聞)

 パソコン周辺機器大手のバッファロー(名古屋市中区)が、労働基準監督署からの是正勧告を受け、営業時間前に実施していた朝礼を時間内に変更した。過去の朝礼時間の賃金も支給するという。

 バッファローによると、同社は午前9時の営業時間開始前に5分間の朝礼を開き、連絡事項の伝達や仕事上の心得の唱和などにあてていた。今月、名古屋北労基署から、始業前に実施している朝礼に出席するよう指示を出している実態から勤務時間として扱うべきだとして、是正勧告を受けたという。

 勧告を受け、同社は朝礼の開始時間を午前9時からに変更。一部の部署で実施していた終業後の終礼も営業時間内に変更したという。同社によると、未払いだった朝礼・終礼時間分の賃金を支給する予定で、対象人数や支給額を調べているという。(宮沢崇志)

ここで見て取れることはその内容と言うよりも、強制性の有無を元に業務か否かが判断されていることだと思うのですが、要するに飲み会参加もそれが強制であると認定されれば残業代の支給対象となり得るのだと言うことは法律の専門家も以前から指摘していることです。
未だに過労死が出たり労基署に突っ込まれたりするたびに見苦しい言い訳をするエラい方々がいますが、他業界で社長さん会長さんが同様の局面で同じように「いやあれは労働ではないので」云々と釈明しているのを世間がどう見ているか、多少の想像力を働かせてみる必要がありそうですね。
ともかくどこの業界でも人材難が一番の問題になりつつある時代、残業代すら満足に払わない職場にスタッフが忠誠心を保てるかと考えてみれば、わずかな金を惜しんで結局大きな損をしている職場もあるのかなと言う気がしますがどうでしょうか。

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2017年10月10日 (火)

高いが効果が不確実な治療に対する一つの対案が登場

医療とは当然ながら結果の不確実なものですが、一方でどのような治療であれ副作用や合併症のリスクはあることを考えると、効果の証明されていない治療法は有害無益な可能性があると言うことになります。
もちろんプラセボ的効果を期待した乳糖処方など効果がないものでも実臨床では役に立つと言う場合はあるわけですが、それが法外な価格と深刻な副作用をもたらすものであれば問題の方が大きいと判断されやすいのは当然と言えるでしょう。

EMA、効果立証不十分ながん治療薬認可 患者に不必要な毒性も 研究(2017年10月5日AFP)

【10月5日 AFP】欧州医薬品庁(EMA)が2009~2013年に認可したがん治療新薬で、効果が立証されておらず、患者が不必要に毒性にさらされた可能性のあるものが39あったとする研究論文が5日、発表された。
 英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)に論文を掲載した公衆衛生の研究チームは、39という数は、欧州で同期間にがんの治療薬68種のうちの半数以上が患者にとって入手可能になったことを示しており、「薬剤規制の現行の基準について深刻な問題が生じている」と主張。高価なことが多いがん治療薬をEMAが認可していることにも懸念を示した。

 研究チームは、「臨床的にみて意義のある効果を欠いた高価な薬剤が認可され、公的資金による医療制度内で購入されると、個々の患者に害が及び、大切な社会的資源が浪費され、公平で経済的な負担の少ない治療の提供がおろそかになる可能性がある」と指摘している。
 こうした薬剤の多くは、患者に対して実際に効果があるかどうか予測できるまでには至らない初期段階の不十分な臨床試験結果に基づいて認可されていた。

 2015年に発表された別の論文では、2008~2012年の間に米食品医薬品局(FDA)によって認可されたがん治療薬の大半が、同じく患者の生存率の向上や生活の質の改善が証明されないまま認可されていたことが明らかになった。
 論文の執筆者の1人、米オレゴン健康科学大学(Oregon Health and Science University)のビナイ・プラサド(Vinay Prasad)氏は、米国の平均的ながん治療薬は、患者1人当たり年間10万ドル(約1100万円)以上かかると指摘。
 がん治療薬の有毒性や高価格であることを考慮すれば、患者には「延命や生活の質の向上が合理的に期待できるとき」のみにこうした薬剤を使用すべきと語っている。

こうした治療に関しても当然ながら「患者によっては効く」と言う反論もあるはずなので、場合によっては全否定し難いケースも出てくる可能性もありますが、ここで問題視されているのは効果の未確認でありながら極めて高価な薬が使われること自体よりも、公的保険に導入されることによる弊害です。
日本においてもまさに高額すぎる新規抗癌剤が問題になっていますが、当然ながら医療費増大はいずれ財政的な上限に突き当たった結果、その他の効果が立証されている医療についても抑制的な運用を求める政策が実施される可能性が出てきかねません。
抗癌剤など直ちに命に関わるような薬の場合大多数の患者に対しては効果が乏しくても、一部の患者にでも劇的な効果があるなら使用を認めるべきだと言う意見も当然ながらあって、問題はそうした場合に健康保険で行うべきなのかどうかであると言う考えもあります。
昨今高額だが効果の確認されていない医療などは混合診療で行うと言う方法が考えられ、賛否両論もある中で制度的な整備も図られてきていますが、そんな中で製薬会社の立場から非常に画期的とも言える提案がなされていることが報じられています。

効いた患者だけ薬代支払い ノバルティスが新方式 18年にも国内発売の超高額薬(2017円10月5日日本経済新聞)

 医薬品世界2位のノバルティス(スイス)は薬が効いた患者にのみ支払いを求める「成功報酬型」薬を日本で販売できるよう政府に働きかける。高額の新型がん免疫薬が対象で、医療保険の適用を受ける形で早ければ2018年中に発売を目指す。厚生労働省も導入可能かを検討する。医療の高度化が進む中、硬直化した日本の薬価制度のあり方が問われている。
 医薬品開発部門トップで、18年2月に同社の最高経営責任者(CEO)に昇格するバサント・ナラシンハン氏が日本経済新聞社のインタビューで表明した。「患者が欲しい薬を手に入れる方法として、成功報酬型が適切であればそれを使うのが良い」と述べた。実現すれば国内初となる。

 対象となる薬は8月に米国で承認された小児・若年者の急性リンパ性白血病の新薬「キムリア」。遺伝子を操作したヒト免疫細胞(CAR―T)を使う薬で、1回の治療ですみ、患者の8割で効果を示した。米国では47万5千ドル(約5300万円)で、一部患者向けに成功報酬制度を導入した。1カ月後に腫瘍が検出されない場合に効果があったとみなして薬価の支払いを求める
 日本での効果判定や支払いの方法について「まだ具体的な議論は始まっていない」(ナラシンハン氏)としており、今後、厚生労働省などと議論を進める方針だ。

 バイオ医薬や遺伝子治療薬など高い技術を応用した医薬品が登場している。にもかかわらず、日本では政府が主導する形で既存の類似薬の薬価を基に新薬の値付けをするなど硬直化している。東京大学大学院の五十嵐中特任准教授は「日本の薬価制度は再考する時期にきている」と指摘する。
 ノバルティスは18年1~6月にキムリアを保険対象薬として厚生労働省に申請する方針。希少疾病の薬は、申請から7~9カ月で承認が下りることが多く、その2カ月後に薬価が決まり、発売できる。薬価は成功報酬型になるかどうかで、変わる可能性がある。
 厚労省は成功報酬型の薬価を「相談があれば門前払いはせず、まず省内で検討する」(幹部)としている。導入にあたり従来制度との整合性など議論すべき点は多く「国民的議論になる」(同)ことになりそうだ。

 15年度の国民医療費は過去最高の42兆4千億円に上る。うち薬剤費が2割強を占め、全体を上回るペースで増加を続ける。高額薬剤の相次ぐ登場が要因の一つ。成功報酬薬が導入されれば、薬価を巡る制度を問い直すきっかけになりそうだ。

簡単に調べて見るとこの話、むしろ医療業界以外の畑違いの業界の方々から注目されているようにも見えたのが興味深いのですが、いずれにせよ今までにない画期的な報酬体系であり、認められるものなのかどうかが注目されるところですよね。
薬価の設定などをどうすべきかなど疑問は多数ありますが、現在行われた医療行為に対しての報酬であるものが結果に対する報酬である以上、事後の診療報酬査定なども今までとは異なり、より詳細に診療内容に踏み込んで行う必要があると言うことが挙げられます。
支払い側としては当然少しでも支払いを減らすべく厳しく考えたいところでしょうが、一方で製薬会社の立場としては報酬に結びつかない使用は可能な限り減らしたい道理で、場合によっては使用基準など今まで以上に厳しく厳密なものとなる可能性もあります。
ただこの点に関して高い薬価の大部分は開発コストであり、製造コストはさほどではないとすればむしろ使用制限を緩くしてトータルの使用数を最大化した方が収入が増えるはずですから、製薬会社がどのような販売戦略を取ってくるかにも注目したいところです。

いずれにしてもこうした報酬体系が認められるとなれば治療手技などについても同様に成功報酬をと言う話も出かねませんが、メリットとして考えれば以前から皆保険制度の矛盾として挙げられる「腕の悪い医者ほど高い報酬を得られる」ことへの一つの解決策にもなっているとも言えます。
治療に成功すれば報酬を得られるが、失敗すれば報酬なしと言った制度は、支払いを行う患者側からすれば理解も納得もしやすい制度かも知れませんが、治療が計算通りに行かない場合の方が余計なコストがかかる場合が多く、病院側としては全くシャレになりませんよね。
その点からすると今回の新薬なども診療報酬は成功報酬でよいとして、病院の仕入れ値も失敗すればタダになるのかと言う点の方が重要だと思うのですが、ではその損害を誰がかぶるのかと考えた場合、卸なども巻き込んでのかなり面倒臭い摺り合わせが必要になりそうです。

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2017年10月 8日 (日)

今日のぐり:「地魚料理 恵比寿」

肝心なところでやらかしてしまった経験と言えば誰しもあるものですが、先日日本3アニキとも呼ばれるあの方に関係したこんな事件があったと話題になっていました。

霊長類最強女子・吉田沙保里がニホンザルに負ける波乱「鍛え直してきます」(2017年8月27日スポーツ報知)

 女子レスリングで五輪3大会連続金メダルで“霊長類最強女子”の異名を持つ吉田沙保里(34)=至学館大職=が、26日深夜に放送された日本テレビ系「24時間テレビ40 愛は地球を救う」内で放送された「嵐にしやがれ」のコーナーに登場した。
 吉田が挑戦したのは、全長8メートルの雲梯(うんてい)早渡り。他に嵐の相葉雅紀(34)、ボルダリングで過去4度W杯総合優勝の日本のエース・野口啓代(あきよ、27)=茨城県連盟=、ニホンザルが挑んだ。

 まず1番手の相葉が15秒でクリア。そして吉田は12秒で渡りきって貫禄を見せつけた。レスリングでは使わない筋肉を使っての動きに「手がちぎれそう」と感想を口にしていた。
 しかし、その直後に五輪3連覇女王も驚く展開が舞っていた。なんとニホンザルが、たった7秒で渡りきってしまった。足を使っていたことを吉田が“抗議”するも認められず。“霊長類最強女子”が、ニホンザルに負けた瞬間だった。予想していなかった黒星に吉田は「サルに勝てなかったことが残念なので、鍛え直してきます」とリベンジを誓い、笑いを誘っていた。
 ボルダリングの野口は12秒で渡りきり、“人類代表”として吉田とともに世界の第一線で戦う女子アスリートの実力の高さを見せつけていた。

しかし霊長類と言えば身体能力的にはゴリラなどよほど人間より強そうですけれども、どんな勝負であれ負けてしまったのは残念だったでしょうね。
本日は思わぬ敗北に失意だとも伝え聞く吉田アニキに哀悼の意を表して、世界中からそれをやらかしてしまったのはいささかどうよ?と言う残念なニュースの数々を紹介しましょう。

海釣り中に海中転落し死亡 大船渡、81歳の男性(2017年9月25日岩手日報)

 24日午後5時45分ごろ、大船渡市三陸町越喜来の浪板海水浴場付近のテトラポットで釣りをしていた同市三陸町の若林稔さん(81)が海に転落した。若林さんは同市の県立大船渡病院に搬送されたが、約4時間後に急性硬膜下血腫のため死亡した。

 大船渡署と大船渡消防署によると、若林さんがテトラポットからテトラポットへ跳び移ろうとした際に足を踏み外し、岸壁から約3メートル下の海中に転落したとみられる。

 近くにいた男性が転落直後に110番通報し、駆け付けた救急隊員が若林さんを岸壁に引き上げ搬送した。若林さんは1人で釣りに来ていた。

お亡くなりになられたことは残念と申し上げるしかないのですが、色々とこれは突っ込まれる余地が多すぎだろうと世間でも話題になっていたようです。
日食と言えば日食以外で使いようがない怪しげな観察用グラス使用がお約束ですが、こちらそれを怠るとどうなるかを身をもって示した人物がいるそうです。

日食を裸眼で見つめた米ラッパー、視覚異常訴え公演キャンセル(2017年8月24日AFP)

【8月24日 AFP】21日に「皆既日食」がほぼ100年ぶりに国土を横断した米国で、ラッパーのジョーイ・バッドアス(Joey Bada$$)さん(22)が、広く呼び掛けられていた警告を無視して、観察用グラスを用いずに日食を凝視した結果、視覚異常を訴えて公演をキャンセルした。

 米ニューヨーク(New York)・ブルックリン(Brooklyn)出身で、「Unorthodox(型破り)」というタイトルのシングル曲でデビューしたバッドアスさんは、日食観察用グラスをかけずに空を見つめる自身の画像をソーシャルメディアに投稿。
 バッドアスさんはツイッター(Twitter)に「これは初めての日食じゃない。間違いなく先祖たちは手の込んだメガネなんて持ってなかったし、全員目が見えなくなることなんてなかったはずだ」とツイートした。
 だがその後、バッドアスさんは「予見しなかった状況」のためにクリーブランド(Cleveland)、シカゴ(Chicago)、カナダのトロント(Toronto)で行われる予定だった3公演をキャンセルすると発表し、自身の視覚に問題があることを示唆した。

ご本人が事に於いて後悔しなかったかどうかは存じ上げませんが、やはりあれは直接見てはいけないものであったのでしょうね。
詐欺のネタが尽きないのはどこの国でも同じですが、こちら幾ら何でもそれに引っかかるのは…と話題になっていた方のニュースです。

【動画】中国人女性「ATMにコーラを注いだらお金が出てくる」と騙されATMを破壊 修理費100万円(2017年5月13日ゴゴ通信)

中国の女性がATMにコーラを注ぐという奇妙な出来事が起きた。
5月8日、中国メディアは「フィッシング詐欺にあった女性が銀行のATMにコーラを注いだ」と報じた。

報道によると、女性Aさん(33)は昨年の11月にフィッシング詐欺にあったという。彼女は自身のカードが悪用されることによって電話の多額請求がきたと説明をうけた。その請求額は1300元(約2万1000円)。
彼女はこれ以上のカード悪用や被害を防ぐために、口座のお金を別の場所に移動させようとしていた。実はこれも命令によって指示されていた。指定口座に5300元(約8万7000円)を移した。
翌日、おかしいと思った女性はお金を引き出すために指示した人に連絡したところ、「引き出すためにはATMにコーラを注げ」と言われた。言われた通りにATMにコーラを注いだが、領収書や現金は出てこず、更にATMは壊れてしまった。彼女は別の支店に行き再度ATMにコーラを注いだ。

一般のATM利用者から「いたずらでATMにコーラが注がれてる」という通報を受けた警察は、5月6日に女性を拘束。
地元警察は、この女性を指示していた者を詐欺容疑で調査。ATMの故障費用100万円だが、罪に問わないとしている。
ちょっとばかりややこしい事件だが、フィッシング詐欺にあい個人情報が流出した女性にさらに詐欺師が騙したという珍事ということになる。
そして何故この女性はペプシを選んだのか不明。

ペプシであろうがゼロコーラであろうが結果には大差なかっただろうと思いますが、元記事の動画共々全世界にその蛮行?は拡散しているようです。
絶対に失敗してはいけない局面に限って人間は失敗するものですが、こちらその失態はさすがにクビもやむなしか…と納得されているニュースです。

国王の隣にヨーダ鎮座… 教科書掲載写真にミスで責任者クビ サウジ(2017年9月28日AFP)

【9月28日 AFP】サウジアラビアで使用される教科書にSF映画「スター・ウォーズ(Star Wars)」シリーズのキャラクター、ヨーダ(Yoda)が元国王の隣に鎮座する加工写真が誤って掲載された事態を受け、同国の教育省次官が解任された。

 問題となった写真は、故第3代ファイサル国王(King Faisal)が1945年、国連憲章(Charter of the United Nations)に署名した際の白黒写真を、国王とヨーダが並んで座っているように加工したもの。政府は先週、急いで回収したものの、インターネット上には嘲笑のコメントがあふれた。
 この事態を受け、政府は教科課程の責任者だったムハンマド・ビン・アティヤ・ハリティ(Mohammad Bin Atiyah al-Harithi)教育省次官を解任。「不注意によるミスだった」として、改訂版を印刷中だと明らかにした。

 加工写真を制作した同国のアーティスト、アブドラ・シェフリ(Abdullah al-Shehri)氏(26)は両者を並べた意図について、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に対し、両者とも知的であることに加え、ヨーダの肌とライトセーバーの緑色がサウジアラビア国旗の緑と調和するからだと説明。国王を侮辱する意図はなかったと強調した。

世が世なら文字通り首が飛んでいた不敬罪ものの事件ですが、しかし元記事の画像を見てもこれが教科書に載るとはシュールな光景だったでしょうね。
最後に取り上げるのはすでに現役を引退して久しいあのかつてのチャンピオンが、壮大にやらかしたと話題になっていたニュースです。

フォアマン68歳の挑戦、65歳セガールに対戦要求(2017年10月4日日刊スポーツ)

 68年メキシコ五輪金メダリストで元プロボクシング世界ヘビー級王者ジョージ・フォアマン氏(68=米国)が2日、米国の俳優で合気道7段のスティーブン・セガール(65=米国)に対戦要求した。同日、米メディアが報じた。

 フォアマン氏はツイッターで「私は1対1で君に挑戦する。私はボクシングで、君は何でも構わない。10回戦で、ラスベガスでやろう」とコメントした。フォアマン氏は73年1月に37戦全勝でWBA・WBC統一ヘビー級王座を獲得。その後94年11月に20年ぶりに王座復帰を果たした。97年11月を最後に戦っていない。

セガール氏も思わずなんでやねん!と突っ込んだとも突っ込まないとも噂されるこの対戦要求ですが、しかし一体どこからこんな話が出てきたのでしょうか。
ちなみに世間的にはセガール氏はナイフなりを持参するだろうとかコックとして料理対決だとか様々に噂されていますが、いずれにせよフォアマン氏の思うような挑戦になるのかどうかです。

今日のぐり:「地魚料理 恵比寿」

鳥取県は大山町の小さな漁港に併設された鮮魚直売所「お魚センターみくりや」二階に位置する、こちら見た目通り魚料理を中心にするお店です。
この種の施設は昨今珍しくありませんが、こちら幹線道路からも外れた辺鄙な(失礼)場所だけに営業的にどうかと思えば、これが繁盛していらっしゃるのですね。

メニューはありふれたものばかりだが、みくりや定食(日替わり)を始めお得感は高そうな値付けで、今回は無難に海鮮丼を頼んで見ました。
トッピングはタイにサーモン、イカ、エビ、イクラなどありきたりなものですが、注目すべきはサワラのタタキが乗っている点でしょうか。
本場にも負けないと現地で売り出し中のネタらしいのですが、確かに魚も焼きもなかなかいい感じで、瀬戸内などサワラを食べ慣れた地域のお客でも大丈夫そうですね。
他のネタもいずれも悪くないし飯の炊き加減も及第で、全体的にこの価格からすると十分お値打ち感があると言いますか、街中の料理屋ではこの値段では到底食べられない内容です。
しかしこの味噌汁はかなり甘口なんですが、個人的にはもうちょっとしゃっきりした辛口の方が魚には合いそうに思うのですけれども、これも地元伝統の味なのでしょうかね。

セルフのお店なので接遇面ではさほどにどうこうと言うことはないのですが、いかにも地元のおばちゃんがやっている風でこういう素朴なノリは嫌いではないけどね。
設備面でも見た目通り最低限のごく簡素なものですが、窓から目の前に拡がった日本海の眺めだけはなかなか雄大でちょっとしたお値打ちだと思います。

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2017年10月 6日 (金)

国が保育士に対する露骨な依怙贔屓を推進

一般的に職業的な地位に基づいて何らかの利益を得る行為と言えばあまり良い印象がないもので、政治家などがそんなことをやれば進歩的メディアの方々が大変な騒ぎになりかねません。
そんな中で先日非常に露骨な特権的待遇が報じられていて、しかも公的な制度としてそれをやると言うのですから注目されるのも当然ですが、まずは記事から紹介してみましょう

保育士子供を優先し保育園へ(2017年10月03日TBSニュース)

 働くことのできる保育士を増やすため、政府は、保育士の子どもを優先的に保育園に入れるよう全国の自治体に通知しました。

 厚生労働省によりますと、保育士の資格を持っていても働いていない保育士は、全国におよそ80万人いると推計されています。一方で、新たな保育士は7万7000人必要と見込まれていて、政府は、3日までに保育士の子どもを優先的に保育園に入れるよう自治体に通知を出しました。

 保育士の住居や勤務地に関係なく各地の自治体で受け入れること、保育士が実際に勤めている保育園でも優先的に受け入れること、などとしています。(03日11:27)

保育士の子ども、優先して保育園へ 待機児童対策(2017年10月03日ハフポスト)

政府は、保育士の子どもが2018年度から最優先で認可保育施設に入れるようにすることを全国の自治体に要請した。内閣府と厚生労働省、文部科学省が9月29日付で都道府県などに通知し、管内の自治体への周知を求めた。朝日新聞デジタルなどが報じた。
保育士不足が待機児童問題の要因のひとつとなる一方、資格がありながら保育所で働いていない「潜在保育士」は約80万人いるとされる。この人たちの現場復帰を促し、出産や子育てによる保育士の離職を防ぐ狙い。

共同通信によると、親が働いている保育所への入所も認めるよう自治体に通知したという。多くの自治体では、親の勤務する保育園への入所を制限している。
待機児童が増え続ける都市部を中心に、保育士不足は深刻化している。政府は20年度末までに、新たに7万7000人の保育士を確保する必要があると見込んでいる。

■「保育園に入りたい」待機児童問題

4月1日時点での待機児童数は2万6081人。前年に比べて2528人増えている。
10月4日には、保活を経験した有志たちによって「みんな #保育園に入りたい 」を題したイベントが衆議院第1議員会館で開催される。

全国的におよそ1/4の保育所で保育士が足りないと言う事ですが、保育士自体が資格職であること、保育に携わるには必ず保育士である必要があること、そして定数が決まっているなどの規制が敷かれています。
実際には配置基準通りの数では不足で、まともに運用するにはその1.5倍から2倍程度の数が必要であると言うことなのですが、そうした事情もあって保育士不足が待機児童発生の一因と言うのも理解出来る話です。
看護婦と同様に保育士も資格を持ちながら働いていない人が多く、これらの就労を促すためにも対策が必要なのは理解出来るのですが、子供の入所優先権とは落選した方々にとっては心中穏やかではないかも知れません。
理屈の上でそうした方が結局自分の利益になるとは理解出来るはずですが、現場で何らかの余計なトラブルが増加する懸念もあることですから、自治体や施設でスタッフを守るための十分な広報と対策を講じることが必要でしょう。

ところで記事を読んでてむしろ気になったのが、今まではむしろ親の勤務先への入所に制限があったと言い、その理由が公平性を損なうと言うものであるそうですが、公平に皆が不幸になるのも哀しいことですよね。
また現場からはどんな対策よりもまず給料あげろ、待遇を改善しろと言うシンプルな要求も強いようで、実際自治体間で手当増額などによる争奪戦も発生しているやに聞きますが、食っていけない仕事に人材が集まるはずもありません。
どこの業界でも今や深刻な人手不足で、人材確保に知恵を絞っている時代ですが、有資格職に関しては供給数の設定を始め公的縛りも強いだけに、国や自治体は現場の需給状況など結果に対しても一定の責任を持つべきだと言えます。
とは言え過去には歯学部や法科大学院など足りなければ数を増やせば良いで大失敗した先例もあり、急場しのぎでかえって状況を根本的に悪化させないためにも、まずは現場の声を十分に聞いた上での実効性ある対策が望まれるところですね。

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2017年10月 4日 (水)

免疫療法、思わぬ拡がりを見せていることが判明

どう受け止めるべきかは人それぞれだと思うのですが、先日NHKがこんなニュースを出したことが話題になっています。

効果未確認の免疫療法 12のがん拠点病院が実施(2017年10月2日NHK)

厚生労働省が地域のがん治療の中核に指定している拠点病院のうち全国の少なくとも12の病院が、がん治療の効果が国よって確認されておらず保険診療が適用されていない免疫療法をおととし実施していたことが、NHKの取材でわかりました。厚生労働省は「拠点病院の治療としてふさわしいかどうか議論を始めたい」としています。

免疫療法は、患者自身の体の免疫の働きを高めることでがん細胞を減らそうという治療です。
このうち、患者の血液の細胞から作ったワクチンをその患者に投与する治療法などは、国が医学的な効果や安全性を確認しておらず、保険診療が適用されないため、治療費は患者が全額自己負担となります。
この、効果が確認されていない免疫療法について、厚生労働省が地域のがん治療の中核に指定している拠点病院のうち、全国の少なくとも12の病院がおととし実施していたことが、NHKの取材でわかりました。
がん診療の拠点病院は、質の高い診断や治療を行う医療機関として厚生労働省が全国434の病院を指定し、治療の診療報酬が加算されたり国や都道府県から補助金を受けたりしています。

免疫療法を実施していた医療機関にNHKがアンケート調査をした結果、その理由について「患者が希望しているから」や「患者によっては効果があると考えられるため」などと回答しています。
一方、がん拠点病院の指定を議論する厚生労働省の検討会のメンバーで国立がん研究センターの若尾文彦医師は「拠点病院は有効性や安全性が確認された標準治療を提供するところで、科学的な根拠のない免疫療法は、臨床研究以外では実施すべきではない」と指摘しています。
厚生労働省はこうした実態を把握しているとし、「拠点病院の治療としてふさわしいかどうか議論を始めたい」としています。
(略)
鹿児島市にあるがん診療の拠点病院、国立病院機構鹿児島医療センターでは、平成21年からワクチンを使った免疫療法を100人余りの患者に実施してきました。
このワクチンは「樹状細胞ワクチン」と呼ばれるものです。
がん患者の血液から特定の細胞を取り出したあと薬剤を加えるなどして作った「樹状細胞」が成分で、同じ患者に投与します。
鹿児島医療センターの花田修一医師によりますと、樹状細胞に患者のがん細胞の特徴を覚えさせることで、体内でがん細胞を狙って攻撃する効果が期待されるということです。
(略)
効果が確認されていない治療を行っていることについて、花田医師は「私自身は、患者によっては樹状細胞ワクチンは効果があると考えており、患者が希望した場合に限って治療を行っている。拠点病院で行ってはいけない治療だとは考えておらず、患者が希望する治療を行うのは医療者として重要なことだと思う」と話しています。
(略)
日本臨床腫瘍学会は、去年12月、免疫療法のガイドラインを作成し、オプジーボなど医療保険が適用された一部の治療法以外で推奨できる免疫療法はないとしています。
(略)
専門医「実施するべきではない」
一部のがんの拠点病院が国が効果を確認していない免疫療法を実施していることについて、拠点病院の指定を議論する厚生労働省の検討会のメンバーで国立がん研究センターの若尾文彦医師は「拠点病院は有効性や安全性が確認された標準治療を提供することになっていて、科学的な根拠が確認されていない免疫療法は、臨床研究として行う以外、実施するべきではない」と指摘しています。
また、こうした免疫療法を受けたいと考えている患者がいることについては「がんを治したいという強い気持ちはわかるが、効果が認められていないことを正しく理解し、治療を受けるかどうか冷静に判断してほしい」と話しています。

この「いわゆる免疫療法」については先日も取り上げたことがありますが、このところそれなりの根強い需要があるのだそうで、各方面で話題になる実際の利用者にはいくつかの類型があるように思えます。
一つには既存の治療が継続出来なくなり、いわば最後の希望として免疫療法を希望する方ですが、実際にこうした患者に限って免疫療法を実施している施設もあるようですね。
また古来少なくないのがいわゆる医療不信的な考え方から既存の治療を拒否し、代替医療として免疫療法に走るもので、この場合各種民間療法の類を一通り経験すると言う方も少なくないようです。
そしてもう一つはきちんと標準治療を受けながら追加治療として免疫療法の上乗せを希望する方ですが、お金を出せばもっと良い治療があると考える原因に標準治療と言う呼び名がよくないと言う声もありますね。
また先日はこんなタイムリーな記事が出ていましたが、実際に免疫療法を選択するかどうかの議論はさておいても、必ずしも標準治療を拒否する患者=理解度が足りないor冷静な判断が出来ない患者と言うわけでもない場合もありそうです。

乳がん治療中の南果歩さんの講演 「責められるべきは本人ではない」(2017年10月3日Buzzfeed)

昨年3月に乳がんの手術を受けた女優の南果歩さんが、乳がんの啓発を目的とする「ピンクリボンシンポジウム2017」(日本対がん協会、朝日新聞社主催)で講演し、その内容を報じた記事が患者や医療関係者の間で波紋を呼んでいる。
問題となっているのは、「南果歩『見本にして』抗がん剤ストップ中と明かす」と見出しのついた日刊スポーツの記事。日本乳癌学会の乳癌診療ガイドラインで推奨されている術後の抗がん剤治療やホルモン療法をストップし、糖質制限などの代替療法を行なっていることが報じられたのだ。
(略)
記事では、まず、南さんは「今、ハーセプチンという抗がん治療をストップしています。抗女性ホルモン剤の投薬もストップしています。これは俗に言う、代替治療に切り替えたということです」と述べたと紹介している。
一方で、「標準治療というのはデータに基づいた揺るぎないものだと、重々承知しています。(抗がん剤を止めたのは)個人的な決断です」と話し、あくまでも個人の決断で、万人に当てはまるわけではないということを強調したとも書かれている。
(略)
講演内容から推測するに、南さんのがんは女性ホルモンもHER2も影響するがん。診療ガイドラインでは、こうしたがんには手術後にハーセプチンを抗がん剤と併用し、ホルモン療法を最低5年続けることが推奨されている。
記事や会場にいた医師らによると、南さんは少なくともホルモン療法を中断した理由について、副作用で血圧が上がったことを挙げたそうだ。主治医とじっくり話し合い、他の医師の意見も聞いた上で決断したという。ハーセプチンや抗がん剤については、そもそも投与されていたのかは明らかでない。
そして、医学的には最善の選択肢とされる標準治療を選ばなかった代わりに、サプリメントを飲み、「がん細胞は低体温で繁殖しやすい」として「代謝を上げて冷え性を治す」ようにしたり、「がん細胞が糖質を好む」として「炭水化物を控え」たり、放射線治療の皮膚への影響を抑えるため「エミュー鳥のオイル」を使ったりしていると発言したことを記事では詳細に紹介している。
(略)
同じシンポジウムで講演したがん研有明病院乳腺センター長の大野真司さんは、会場の座席で南さんの講演を聞いた。
「ホルモン療法の副作用が非常に強く出る人もいますし、ハーセプチンは脱毛を伴う抗がん剤と併用するのが基本ですから、確かに副作用を避けて受けないという選択肢もあると思います」
手術だけで7~8割が治り、再発率は2~3割という時に、再発率を半減させる効果と副作用を天秤にかけ、十分リスクを理解して、納得の上で受けないと決めることはあり得るという。
「自分のがんがどの治療によって治るか、または治らないかはわからないのですから、女優であることや副作用のつらさなどを踏まえて、彼女がそう選択したなら、医療者はその意思決定を支えるべきでしょう。ただ、個人の選択は尊重するにしても、聞いた人にはどのように伝わるか、またメディアはどのように報じるかは十分考慮しなくてはいけません
大野さんが問題だと感じたのは、南さんが行なっている代替療法を詳細に伝えたメディアの報じ方だ。
「エミュー鳥の油はさすがに信じないでしょうけれども、低体温ががんを増殖させるから体を温めるとか、糖質を制限するというのは科学的根拠は全くありませんが、医学との境目がわかりにくい。信じた人が実践すれば健康を害する可能性もあります」
(略)
同協会広報・がん教育担当マネジャーの本多昭彦さんは、「協会は代替療法などエビデンス(科学的根拠)のない治療法は推奨していなく、そうした立場であることは出演にあたって事前にお伝えしていました」と説明。
それにもかかわらず、南さんは代替療法について詳しく話し、当日の会場で主催者側から、こうした代替療法に科学的根拠はないと注釈が伝えられることもなかったという。
本多さんは、南さんが標準治療の中止や代替療法について話すかどうかは、「シンポジウムの担当者も事前に把握していなかった」としているが、「あくまで主治医との相談の上での個人的な判断によるもので、他人に勧めているものではないことを強調していた。当日会場で聞いていた人にはわかってもらえたと思っているし、人選や話した内容について問題があるとは考えていない」としている。

これに対し、疑問を投げかけるのは、乳がんサバイバーで、患者・家族支援団体代表の桜井なおみさん。「事前に医療の視点で、こういう話はするべきではないということを主催者側が徹底すべきで、講演を聞いた人が影響を受ける可能性やこうしたメディアの報じ方を見ても問題があった」と指摘する。
ただ、本人の選択は責められるべきではないとも釘を刺す。
「精神的にも一番辛い時に治療され、副作用にも苦しんで、一人でとても不安を感じたのではないでしょうか。医師は治す確率を上げるために標準治療を勧めるでしょう。でも、とにかく、患者は『今』が一番辛い。頑張っても、これから自分の命がどうなるかもわからない。彼女のそんな不安に寄り添う人がいなかったのではないでしょうか。そこに代替療法がつけ込んできたとしてすがったとしても無理はないです」
(略)

このハーセプチンと言う抗癌剤、効く人には劇的に効くと話題になったものですが、この場合は免疫療法と違ってどのような患者に効くかと言うことが明確になっていて、効果が期待出来る患者には重要な治療選択肢の一つです。
言い換えれば効果が期待出来るのに使わないと言うのは非常にもったいないとも言えるわけですが、今回のケースではそうした事情を全て承知し冷静に判断した上で敢えて使わなかったと言う点も一つのポイントでしょう。
そしてそれに加えて、いわば「真面目な」癌治療の会で延々と非標準的医療の話ばかりしているのがいいのかと言う議論もありますが、個人の経験談としてはともかく著名人おすすめのように大きく報じられるべきではなかったと言う意見もごもっともです。
この辺りは広く代替医療全般についてのマスコミの取り上げ方も常に問題視されるところですが、癌のような疾患に関しては大多数の利用者が期待した結果を得ていないと言う点は強調されてしかるべきだとは思いますね。

こうした広報的な観点から冒頭の記事に帰って考えると、やはり真っ当な癌診療拠点で代替医療をやっていると言うことは、いわばそれにお墨付きを与えた形になるのではないかと言う懸念はあるでしょう。
無論お金の切れ目が縁の切れ目とばかり平気で患者を放り出す民間クリニックにやらせるよりも、きちんと最後まで面倒を見る真っ当な医療機関でやるべきだと言う考え方もあるでしょうが、先に治療実施ありきにも聞こえます。
百歩譲って癌診療拠点病院で免疫療法を手がけるべきかはさておくとしても、今回の記事を見ていて個人的に感じたのは昨今医療も何かと面倒臭くなり、抗癌剤レジュメ一つ通すにも大変ではないかと言うことです。
特に治療効果が実証されておらず、きちんとした大規模試験等も行われていないような実験的な医療に関しては、一般に院内倫理委員会等での審査が必要ではないかと思うのですが、どういう議論があったのか興味深いですね。
ともかくも免疫療法など効果の定かではない治療を行う先生方も、治験や臨床研究として行うなりきちんと筋は通して行うべきだろうし、その結果どうなったのかと言うことを還元してこそ次につながるのではないかなと言う気がします。

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2017年10月 2日 (月)

NHKの集金って人件費の方が高いのでは?といつも思うのですが

世の中には何かと面倒な問題があって、その解決に様々な対策やアイデアも出てくるものですが、理屈はどうあれ実効性に優れ確かな効果がありそうだと言う対策は現場にとってありがたいもので、先日こんなささやかなニュースが出てました。

<給食費>自治体が徴収…教員の負担軽減狙い 文科省方針(2017年8月6日毎日新聞)

 文部科学省は現在、全国の4分の3の市区町村で学校がしている給食費の徴収業務を自治体が直接するよう求める方針を決めた。未納の保護者への督促や多額の現金を扱うことが教職員の心理的負担と長時間勤務の一因になっており、業務を移すことで負担を軽減する狙いがある。

 文科省が昨年実施した調査では、全市区町村のうち74%で学校が給食費を徴収し、自治体が直接行うケースは23%にとどまった。学校では担任が児童・生徒から現金を受け取り、事務職員や教頭に手渡すことが多い。100人に1人とされる未納者の保護者には電話などで督促し、必要があれば家庭訪問する。

 全国公立小中学校事務職員研究会が一昨年にまとめた報告書によると、給食費の徴収業務を負担に感じる教員は小学校で64.2%、中学校で64.3%。一方、文科省が昨年、1週間あたりの教員の平均勤務時間を調べたところ、中学校63時間、小学校57時間で、それぞれ6割と3割が「過労死ライン」を超えた。

 こうしたデータを受け、文科省は「給食費の徴収は、自治体が自らの業務として責任を負うことが望ましい」と判断し、来年度の概算要求に徴収方法のガイドラインを策定するための経費(4700万円)を計上した。

 直接徴収している自治体は税金に関する業務の一環として、口座引き落としや振り込み、児童手当からの天引きで対応している。引き落としや天引きは保護者の同意が必要となる。

 政令市では横浜、大阪、福岡の3市が既に移管し、千葉市は来年4月から始める。同市は1校あたり年間190時間の負担が軽減できると試算している。

 給食費を巡っては、無料にする自治体も増えており、文科省の調べでは、昨年時点で人口の少ない自治体を中心に全国61市町村に上っている。【伊澤拓也】

しかし医療なども近年同様にメディカルクラークの導入など、委託出来る業務は委託して本来業務に専念させることで医師の士気を高めるやり方が導入されていますが、高くない経費負担で現場での苦労が大きく改善されるのなら大歓迎ですね。
実際にどの程度教員の負担が減るのかは何とも言えませんが、教師の本来業務とは全く無関係であり、またその性質上面倒臭い案件が極めて多いだろうこうした業務から開放することが、特に心理的な面で負担感を大きく軽減するだろうことは想像に難くありません。
そもそも論としては最初から給食費を公費負担にした方が回収コストもかからないのでしょうが、ともかくも費用的にもさほど高くならずに現場の士気を高められるならいいアイデアだと思いますし、他にも探せば同様に他に委託出来る業務もあるだろうと思えます。
こうして見ると広く世間に目を向ければ公的に負担した方がかえって安上がりであったり、色々と面倒が減りそうだと言うことは多々あるのだろうとも思うのですが、先日出ていたこんなニュースなども注目される試みだと言えそうです。

認知症徘徊、公費で保険料 高齢者事故で賠償支払い(2017年9月27日共同通信)

 認知症の高齢者が徘徊(はいかい)中に電車事故に遭い、鉄道会社から高額の損害賠償を請求される事案があったことから、神奈川県大和市は、高齢者を被保険者として公費で保険料を負担する制度を導入する。家族の不安を解消するのが狙いで、支払われる賠償金は最大3億円。市は、自治体によるこうした取り組みは全国初としている。
 市議会は26日、約1年分の保険料として約320万円が計上された補正予算案を可決。市は保険を扱う業者を選定した上で、11月から制度を始める方針だ。

 対象は、徘徊の恐れがある認知症高齢者の保護のために市や関係機関でつくる「はいかい高齢者等SOSネットワーク」の登録者。7月末現在で237人おり、登録者を被保険者として契約する。
 自転車とぶつかって相手にけがを負わせたり、物を壊したりした場合の損害賠償にも対応。事故で登録者が死亡した場合や、けがをした際も保険金が支払われる。

 認知症の高齢者を巡っては、愛知県大府市のJR駅構内で2007年、徘徊していた当時91歳の男性が電車にはねられ死亡した事故で、JR東海が約720万円の損害賠償を家族に求めて提訴。一、二審は家族に支払いを命じた
 最高裁は昨年3月、「家族だからといって監督義務があるわけではなく、介護の実態などを総合的に考慮し、賠償責任の有無を判断すべきだ」との初判断を示し、このケースでは家族に責任はないとしてJR東海の請求を棄却した。
 ただ、状況によっては賠償金を支払う可能性がある。大和市内には小田急線などの八つの駅と32カ所の踏切があり、市の担当者は「本人や家族の不安は大きい。この制度で少しでも安心してもらえれば」と話している。

この認知症徘徊老人問題については記事にもあるJRとの訴訟を以前にも取り上げたことがありますが、医療業界からも批判の声が出るなど各方面で小さくない波紋を広げたのは当然と言えば当然でしょう。
件の裁判では最高裁で家族の監督責任がある程度限定されたと言う収穫はあったにせよ、思わぬところで思わぬ損害賠償責任を負わされる恐怖は残ったままで、これではいくら国が旗を振ろうと地域で高齢者を受け入れることなど出来ないと言われても仕方がありません。
今回の制度は高齢者を対象としたものですが、最近同様に増えているのが子供の自転車に絡んでの重大事故による巨額賠償問題で、全国的に自転車保険義務化の動きも拡がっていますが、これまた無保険者のリスクを考えれば最初から公費負担でもいいのではと言う考え方もあるでしょう。
この辺りは実際にどの程度の財政的負担でどの程度の利益があるのかと言う検証も必要になりますが、安心はお金で買えないと言う言葉もあるくらいで、自治体レベルにおいては有力な住民サービスの一つとしてアピールポイントになるのかも知れないですね。

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2017年10月 1日 (日)

今日のぐり:「バーミヤン 和歌山打田店」

先日ちょっとした話題になっていたのがこちらのニュースです。

ビル・ゲイツ氏、「Ctrl+Alt+Delete」を後悔(2017年9月21日CNN)

ニューヨーク(CNNMoney) 米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は20日にニューヨーク市内で行った講演で、キーボード上の3つのキー「Control」「Alt」「Delete」を同時に押してウィンドウズコンピューターにログインするかつての方式について、あまりにやりにくくて残念だったと告白した。

ゲイツ氏は同日、ブルームバーグ・グローバル・ビジネスフォーラムのパネルディスカッションでこの問題に触れ、「もしも書き直すことができるなら、キーは1つにする」と言明した。

同氏は2013年の時点で3つのキー問題について失敗を認めていたが、この時はIBMに矛先を向け、「ボタン1つにすることも可能だった。しかしIBMのキーボードを設計した人物が、ボタン1つにしたがらなかった」と語っていた。

ちなみにアップルのMacでは、ユーザーはキーを1つ押すだけでログインできる。

(略)

まあうっかり再起動になってしまうのも困りものですからある程度誤作動を防ぐ仕掛けも必要なのでしょうが、この不思議なコマンドに関してはなかなか興味深い誕生秘話もあるのだそうです。
今日は素直に反省したビルに今後も早急な改善努力を期待して、世界中からそれをやったら確かに後々後悔するだろうと思われる残念なニュースの数々を紹介してみましょう。

ミヤコカナヘビの保護対策強化へ(2017年9圧23日NHK)

宮古島と周辺の離島に生息し、絶滅のおそれが高いとされるミヤコカナヘビが、農業被害を減らすため人によって持ち込まれたニホンイタチに食べられる被害が確認され、県は駆除などの対策を強化することにしています。

ミヤコカナヘビは、宮古島とその周辺の離島のみに生息する、全長およそ30センチの緑色をしたトカゲの仲間で、環境省のレッドリストで絶滅の可能性が最も高い「絶滅危惧1A類」に指定されています。

外来種の影響について、県が去年からことしにかけて調査したところ、50年ほど前にクマネズミなどによる農業被害を減らすため、4500頭あまりが宮古島などに持ち込まれたニホンイタチに食べられていたことが明らかになりました。
県が採取したニホンイタチのふんの中から、ミヤコカナヘビの歯や後ろ足の骨が見つかったということで、これまで可能性が指摘されてはいたものの、初めて確認されたということです。

県は、ニホンイタチの駆除を強化するとともに、ほかの生き物への影響も調べることにしています。

しかし沖縄と言えばマングースとアマミノクロウサギの一件があると言うのに、未だにこういうことをやると言うのはどういうことなのでしょうかね。
先日多くの人々が瞠目したのがこちらのニュースですが、これはもう悲劇とも何とも言いがたいような事件です。

プロポーズ成功直後…男性が橋から転落死(2017年9月4日日テレNEWS24)

4日未明、沖縄県宮古島市の伊良部大橋で男性が誤って海に転落し、死亡した。男性は橋の上で交際中の女性にプロポーズした直後だった。

警察によると、4日午前0時ごろ、沖縄県の宮古島と伊良部島を結ぶ伊良部大橋の中央付近から、市内に住む介護士の32歳の男性が約30メートル下の海に転落した。
海上保安部のダイバーらが海中を捜索し、7時間後、深さ約18メートルの海底に沈んでいた男性を発見して引き揚げたが、死亡が確認された。

男性は3日夜、橋の上に車を止め、同僚の女性にプロポーズして、承諾の返事をもらった後、ふざけて橋の欄干を乗り越えて外側の縁に立ち、足を滑らせたという。また男性は酒を飲んだ後だったという。

2015年に開通した伊良部大橋は、全長3540メートルの無料で渡れる橋としては国内最長で、観光スポットとしても人気を集めている。

確かに思わずやらかしたくなるほど立派な橋なのですが、飲酒と悪ふざけとプロポーズは同時にやるべきことではないと言うのが事件の教訓でしょうか。
日本同様アメリカでも今年はハリケーン被害が大変だったそうですが、そんな中で何を○○○ったのかこんなことを言い出した人々がいたそうです。

「ハリケーンへの発砲は駄目」 ネット拡散の悪ふざけに保安官が警告 米 (2017年9月11日AFP)

【AFP=時事】ハリケーン「イルマ(Irma)」に向かって銃を発砲するというアイデアがインターネット上で拡散されていることを受け、銃の愛好家が多いことで知られる米フロリダ(Florida)州の保安官がそうした行動を控えるよう地元民に注意を呼び掛けている。
 同州西海岸に位置するパスコ(Pasco)郡の保安官事務所は、ハリケーンがフロリダ州に上陸した9日夜、ツイッター(Twitter)に「はっきり言っておく。#Irmaに向けて発砲しないこと」とハッシュタグ付きで投稿。進路が予測できないイルマの経路で発砲が相次ぐ恐れがあることから、「(イルマを)迂回(うかい)させることはできないし、非常に危険な二次災害をもたらすことになる」と述べている。同州には合法的な銃の所有者が多数いることから、改めてはっきり注意しておく必要があると考えたという。

 事の始まりは、フェイスブック(Facebook)にジョークで書き込まれた「イベント」だ。イルマへの発砲を呼び掛けるイベントをフェイスブック上で公開した同州デランド(DeLand)在住のライアン・エドワーズ(Ryon Edwards)さん(22)は英BBCに対し、「ストレスと退屈」のあまりにひらめいたと語っている。
 10日午後時点で、このイベントに対して「興味あり」をクリックした人々は約5万4000人に。
 多くの人々がエドワーズさんが冗談のつもりで投稿した奇妙なアイデアに関心を示し、中には、下着や迷彩服を着た姿で銃を振りかざす画像を投稿した人や、イルマを「懲らしめる」ために火炎放射器を使ったらどうかと提案する人もいた。一方で、犠牲者も出ているハリケーンがフロリダ州に接近している中で、このアイデアにはユーモアのかけらもないと見なし、エドワーズさんを「ばかげている」と一喝したり、彼のせいで死者が出かねないと危惧したりする人もいた。

 エドワーズさんはその後、フェイスブックの同イベントページに「みんなの反応、クールだったぜ」と投稿。「ついでに言うと、世の中の約半分の人々は、命を救うために言った皮肉が理解できないんだと分かった」と付け加えている。

しかし何しろアメリカであるだけに、中には真面目に銃を振りかざす人もいたのかどうかですが、いずれにせよハリケーンの最中にこういうことをやるのは危ないですね。
AK47と言えば世界で最も多用されている自動小銃として有名ですが、その祖国ロシアでよりにもよってこんなミスがあったそうです。

カラシニコフ氏の像にナチス・ドイツの突撃銃、彫刻家ミス認める(2017年9月23日AFP)

【9月23日 AFP】ロシアの首都モスクワ(Moscow)で22日、世界各地で広く使用されている自動小銃「AK47」の設計者、ロシア人の故ミハイル・カラシニコフ(Mikhail Kalashnikov)氏の除幕されたばかりの像から、ナチス・ドイツ(Nazi)の銃を描写したものと確認された部分が取り除かれた。
 像の建立を支援してきたロシア軍事史協会(Russian Military History Society)は国営タス通信(TASS)に対し「われわれは間違いについての情報を調べ、間違いであることを確認した。像を制作した彫刻家サラバト・シェルバコフ(Salavat Shtsherbakoff)氏が自身のミスを認めた」と語った。
 誤って彫られていた銃はアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)が直々に命名したという説もあるStG44(シュトゥルムゲベーア、ドイツ語で突撃銃の意)。StG44は東部戦線(Eastern Front)の血みどろの戦いで、ナチス・ドイツの前線に立つ兵士たちに使用された。
 AK47の歴史をたどる部分にStG44の図が彫られていた。AFPのカメラマンは、作業員がアングルグラインダーを使ってStG44の図が彫られていた部分を消すのを見た。

 AK47――AK47の名称はカラシニコフが1947年に開発した自動小銃を意味する「アフトマット・カラシ二コバ1947」の略――が開発されたのは第2次世界大戦(World War II)後。同銃はソ連軍や世界中の革命勢力の標準的な装備となった。テロリズムや虐殺と結びつけられるなど悪いイメージもつきまとう。
 高さ7メートルのカラシニコフ像はモスクワ中心部の大通りに設置され、19日に除幕式が行われた。式典では軍の兵士らが行進し、ロシア政府高官も出席。ロシア正教会(Russian Orthodox Church)の聖職者が像に聖水をふりまいた。ウラジーミル・メジンスキー(Vladimir Medinsky)文化相は、カラシニコフ氏の功績をたたえ、世界中で1億丁以上複製されているとみられるAK47を「ロシアの文化的ブランド」と称した。
 像の本体はAK47を手にしているカラシニコフ氏を正確に表現している。

しかしよりにもよってドイツの突撃銃とは間違った相手が悪かったと言うものですが、一説にはAK47自体StG44の設計思想を引き継いで作られたとも言いますからまんざら間違いとも言い切れないのでしょうか。
最後に取り上げますのはご存知ブリからの話題ですが、まずは記事から引用してみましょう。

別れた彼女と「ヨリを戻したい」 ピアノを弾き続ける男性に世間は呆れ(2017年9月22日テックインサイト)

恋人と破局した経験がある人は少なくないだろうが、別れた交際相手とヨリを戻すために24時間ノンストップで気持ちを伝え続けるという手段に出る人はストーカー以外あまりいない。このほど恋人に去られて未練タラタラな男性が、「本気の気持ちを知って」と元彼女が戻って来てくれるまでピアノを弾き続ける誓いを立てた。見ようによってはロマンチックにもとれる行為だが、世間からは「気持ち悪い」と非難の声があがっている。『Bristol Post』『Mirror』など複数のメディアが伝えた。

英バースに暮らすルーク・ホワードさん(34歳)は、4か月間交際していた女性(名前は公表されず)と破局した。しかしルークさんは彼女への思いを断ち切れず、もう一度やり直したいという気持ちを伝えるためにある手段に出ることにした。
9月2日、ブリストルにある公園「カレッジグリーン」にピアノを持ち込んだルークさんは、そこで24時間ノンストップでピアノを弾き続けることにしたのである。元彼女の心を再び掴むための「いちかばちかの賭け」を決断したルークさんはこのように話している。
「彼女と別れて、僕は悲しみのどん底にいます。彼女とは特に喧嘩別れしたというわけでもなく、すれ違いが生じてしまったのが破局の原因です。酷い別れ方をしていたのなら、ピアノを弾いて気持ちを伝えようなどとは思いません。普通は花を贈ったりメールや手紙で思いを伝えるのでしょうが、それをしても事態が悪化するだけのような気がして。だから僕は、彼女が実際に目にすることができる何かをして、どれだけ彼女を愛しているかを伝えたいと思ったのです。滑稽に聞こえるかも知れませんが、彼女に出会って僕の人生は変わりました。今は悲し過ぎてどうしたらいいのかわからず、ピアノを弾くことしかできませんが、もう一度チャンスを与えてほしい。まだ諦めたくはないのです。」
(略)
ルークさんは「ピアノを弾いている僕を見た彼女がどのような反応をするかはわかりませんが、交際を真剣に考えているということを伝えたい。その上で彼女にやり直すか去るか決めてほしい」と述べているが、すでに関係は終わっているため容易にはいかなさそうである。なお元交際相手からは、今のところ何の連絡もないという。

いやまあ、それは失敗に終わるのは目に見えているとも思うのですが、しかしこの種の行為は程度の差はあれ誰しも経験があるのではないでしょうか。
何故か当人が真剣で情熱的であればあるほど第三者的にはイタさが増すようにも思うのですが、どのような反応をするかも判らないと言う時点で少し他人への忖度が足りない気はします。

今日のぐり:「バーミヤン 和歌山打田店」

こちら全国展開している中華料理のチェーン店ですが、ひと頃は割合にあちこちで見かけたものが最近すっかり減った気もしますね。
ファミレス風のスタイルで深夜営業もしているので入りやすいと言うことが売りなのでしょうが、こちらもそれなりに繁盛していらっしゃるようです。

同行者と適当にシェアしながらつまんで見たのですが、点心類は小籠包は全く小籠包ではないし、焼き餃子は焦げ臭いしとあまり感心しませんがまあ、こんなものなのでしょうか。
ユーリンチーや酢豚など定番料理は揚げ物のシャクシャク食感はまあ及第なのですが、共通してソースの味が今三つと言うところで満足度を落としている気がします。
チャーハンや天津飯などご飯ものはまあ普通で比較的ましかなと思うのですが、他店舗でも感じたのですがともかくスープの味に全く期待できないのがグループ各店共通する欠点でしょうか。

しかし往年の化学調味料もりもりの安い中華料理から化学調味料を抜くとこうなるのかなと言う味ですが、調理技術自体はそこまでひどくはないので食べるには助かりますね。
設備的にはおおむねこの種のファミレス相当ですが、オーダーミスもありサーブも遅く、接遇面では残念ながらアルバイトレベルを脱していないようです。

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