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2017年10月20日 (金)

あの絵本は復活するまで17年かかったそうです

別に珍しくもないことなのですが、先日こんな放送事故?があったと報じられていました。

小林旭が「放送禁止用語」、フジテレビが謝罪 ネットでは「正しい表現なんだから謝る必要ない」の声(2017年10月7日J-CASTニュース)

 昭和の大スター、小林旭さん(78)がフジテレビ系情報番組「バイキング」にコメンテーターとして登場し、アメリカのラスベガスで起きた銃乱射事件に関し「キ×××」という言葉を発したためアナウンサーが神妙な面持ちで謝罪した。
 ネット上では小林さん批判が相次いだが、「言葉狩りだ!」「ほかに思いつく言葉はない」などと小林さんを擁護し、「放送禁止用語」に首を傾げる人が結構多い。

■「無抵抗の人間だけを狙う奴は、バカかキ×××しかいない」

 番組では現地時間1日に起きたラスベガスでの銃乱射事件を取り上げた。犯人はホテルの32階から窓ガラスを割り、2万人が集まったコンサート会場に9分から11分間ほど改造銃で乱射、58人が死亡し489人の負傷者を出した。「米史上最悪」とされるこの事件の感想を聞かれた小林さんは、
  「酷いよね、そりゃぁ赤ん坊をこう捻ってやるのと同じことで、無抵抗の人間だけを狙ってああゆうことをする奴ってのは、バカかキ×××しかいない
とコメントした。犯人は狩りをする感覚で撃っていて、頭の中には人間としての意識が無い。人間としての意識があったら躊躇して撃てない、とし、自身が撮影の時に本物の銃を使った時のエピソードを話した。そしてCM明けに榎並大二郎アナ(32)が、神妙な面持ちで、
  「先ほどの議論の中で、ですね、精神障害の方に対する差別を助長する発言がございました。お詫びして取り消させていただきます」
と深く頭を下げた。

 この言葉はテレビ側が自主規制している「放送禁止用語」の一つだ。かつては自由に使われていたのだが、現在は当時のドラマやアニメがDVDなどで発売される場合など、その音声部分はカットされている。小林さんの発言にネット上では当初、「小林旭が放送事故!」「老人に発言させるな!」などと激しい批判が出たのだが、途中から議論は一変する。
  「TV事業者が独自の倫理規定で自主規制しているだけなのに、視聴者がここまで『守らなければならないルール』と認識しているとは、TVは見事なまでの洗脳マシーンだと思った」
などといった意見が出て、「何が悪い?」「マスゴミは言葉狩りやめろ!」などという、フジテレビに対する疑問の声が目立つようになった。
(略)
また、謝罪に「精神障害の方に対する差別」という言葉があることに首を傾げる人が続出していて、
  「頭のおかしいやつって認識だったけど、精神障碍者のことだったのか?
  「犯罪思考の屑と精神病患者を分ける為の言葉なのにな。精神病と犯罪者が同じとでもおもってるのかウジテレビは」
などといった議論も起こっている。

精神障碍者と言う言葉自体も「言葉狩り」の結果用いられるようになったものと言う気がしますが、いずれにせよ放送中に出演者が何かしら言葉を吐いた場合、関係者が不適切でしたと頭を下げると言うのはよく見る光景ですよね。
凶悪犯罪事件に何故昭和の大スターがコメントするのかと言う疑問もあって、日本のこの種の番組のコメンテーターなる存在自体に疑問を感じる人も少なくないようですが、近ごろでは不適切発言を期待されている?コメンテーターもいらっしゃるようです。
以前から犯罪者の精神鑑定と絡めて、凶悪犯罪を起こすような人は普通の精神構造ではないと言う議論がありましたが、しかし明らかに考え方が普通ではないが責任能力があると認定されるような人をどう呼ぶべきなのかは迷うところですね。
何にしろこの種のケースは今や見慣れたものであることは確かなのですが、こうしたいわゆる放送禁止用語なるものについて、最近ずいぶんとその範囲が拡大してきていることがたびたび問題視されています。

苦情殺到で「老人」が放送禁止用語に!? 最近追加された“クレーム対象ワード3”をTV関係者が暴露(2017年10月2日トカナ)

 以前、「頑張れ」というワードが放送禁止用語に加わりそうな勢いだとの事実をお伝えし、ネットなどで議論になった。正しくは放送注意用語と呼ばれるこれらの用語は、今現在も増え続けている。そんな放送禁止の対象に最近追加されたワードがあるという。

■1、標準語

「最近も放送上NGなワードが増え続けています。最近よくいわれるのは『標準語』というワードです。いわゆる東京で使われる言葉を意味する『標準語』ですが、これを『共通語』と表現するようになっています」(放送関係者)
 共通語とは聞きなれない言葉だが、今後はこちらに切り替わっていく可能性が高いという。
「東京の言葉を『標準』とする考え方に関西など他の地域の視聴者から苦情が多いんです。そのため、言い方を変えて『共通語』としています。しかし、苦情の内容からすれば言葉を言い換えただけでは解決になっていないという意見もあり、定着するかどうかは微妙です。いっそのこと『東京語』にすればいいなどの意見もありますね」(同)
(略)
■2、ハーフ

「ハーフタレントなどで使われる『ハーフ』という言葉ですね。こちらは最近になってというより、数年前からジワジワと知らされていました。『半分』という意味が失礼に当たるということのようです。しかし、徹底されていないということで改めて『ハーフNG』というお達しがあったと聞きます」(番組制作スタッフ)
 ハーフタレントが出演する番組では当人を含め当たり前のようにハーフという言葉を使っているが、これがNGならば一体どうすればいいのか。
「テレビ局の識者は『ミックス』という言葉に言い換えることを推奨しています。しかしながら、ハーフよりもミックスのほうが余計に差別になる、生々しい言葉に聞こえるなどという意見もあるんです。そのため、この一件は数年来放置されています。ハーフタレント自身が嫌がっているわけでもないのに、言い換える必要があるのか疑問ですね」(同)
(略)
■3、老人

 また、かなり頻繁に使用されるあの単語もNGになりつつあるらしい。
「『老人』です。お年寄りを意味する『老人』という言葉が『老いた人とは何事だ』と苦情が来るんです。しかし、これまで普通に使われてきた単語まで狩るのはどうなのでしょうね」(同)
 過去の例に目を向ければ、「外人」や「黒人」などもNGな上に、魚屋や床屋は「鮮魚店」や「理髪店」と表現するなど、テレビの世界では言い換えが多い。しかし、これらの単語は辞書にも記載された日本語だ。そんな言葉を苦情がくるからと狩っていたら、使える単語はどんどん少なくなってしまうはずだ。

このところLGBTの権利拡大に関連して色々な現象が見られると話題になっていて、先日は「王さまと王さま」と言うそのものズバリな絵本があると興味深く拝見したのですが、一方で考え方の相違から様々な社会的軋轢も発生しているようですよね。
放送禁止用語が次から次へと増えて行くのもクレームを入れる人がいるからなのでしょうが、世の中様々な考え方の人もいるわけで、テレビのように不特定多数向けの放送で全ての人に不満が出ないようにと考えれば、表現の幅に大きな制限が出るのはやむなきことかも知れません。
ただしテレビ局側が言葉に注意し、不適切発言があったとわびを入れるところまでは理解出来るのですが、ゲスト出演者にまでそれらの自己規制表現を使うなと強要するならこれは問題で、むしろ言葉狩りや表現の自由の侵害と言った弊害の方が大きくなるでしょう。
ひと頃古典的な文学作品に用いられる各種表現が、現代の視点で見ると差別的であるから出版禁止、回収すべきだと言う動きがあって話題になりましたが、「今日の社会通念上時代劇は大量殺人だケシカラン」と放送禁止になるような世の中は御免被りたいものです。


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コメント

当時の記憶として、あの絵本の絶版についてはとある市民団体の貢献が大きかったと思っているのですが、
リンク先のwikiには何の言及もないのは何か意図があってのことなのでしょうかね?

投稿: JSJ | 2017年10月20日 (金) 08時00分

小林旭氏の発言については、
嫌悪を感じる対象を自分とは違う物に分類・隔離して安心するという心性を吐露していて、
その番組を観ていた大衆が抱いていたであろう感情を代弁しただけなのでしょうけれど、
観ている人が思いつくようなことをわざわざコメントする意義があるのか?とも思えますし、
イヤイヤそれこそがこの番組の存在意義なのでしょう、とも思えます。

で、この「嫌悪を感じる対象を自分とは違う物に分類・隔離して安心する」という差別の本体を問題にせずに、
その表層である言葉だけを問題にするのが、いかにも人間的な狡猾さだよなぁ、と思います。

投稿: JSJ | 2017年10月20日 (金) 09時36分

無かったことにすると同じことが繰り返されるだけなので、個展作品に見るように現代の視点で見ると云々の注釈をつけた上で、読む人間に何が問題かを考えさせる方がよほどいいと考えます。

投稿: 管理人nobu | 2017年10月20日 (金) 13時42分

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