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2017年9月29日 (金)

これからの時代入れ墨は医師の仕事に!?

すでに各方面で報じられているところですが、先日こんな判決が出たと言います。

「入れ墨は医療行為」彫り師に罰金15万円判決(2017年09月27日読売新聞)

 客にタトゥー(入れ墨)を施すのが医療行為に当たるかどうかが争われた医師法違反事件で、大阪地裁(長瀬敬昭裁判長)は27日、「医療行為に当たる」との判断を示し、医師法違反に問われた大阪府吹田市の彫り師・増田太輝被告(29)に罰金15万円(求刑・罰金30万円)の有罪判決を言い渡した。
 判決によると、増田被告は2014~15年、吹田市内のタトゥー施術店で女性客3人にタトゥーを施した。

 増田被告は15年9月、吹田簡裁で罰金30万円の略式命令を受けたが、「医師免許が必要とされるのは納得できない」として正式裁判を求めていた
 医師法は医師以外が医療行為を行うことを禁じているが、何が「医療行為」に当たるかは明示していない。


医師免許なしで客にタトゥー入れた墨彫師に有罪判決 違憲の主張退け「医業に該当」 大阪地裁(2017年9月27日産経新聞)

 医師免許なしに客にタトゥー(入れ墨)を入れたとして、医師法違反の罪に問われた彫師、増田太輝(たいき)被告(29)の判決公判が27日、大阪地裁で開かれた。長瀬敬昭裁判長は、入れ墨は医療行為に当たり、「医師が行うのでなければ保健衛生上の危害が生じる恐れがある」と述べ、罰金15万円(求刑罰金30万円)を言い渡した。
 増田被告は「彫師の仕事が、医師でなければできないとされることに納得できない」と無罪を主張。弁護側は職業選択や表現の自由の侵害だと訴えていた。

 判決理由で長瀬裁判長は、真皮に針を刺すことで必然的に出血が伴う入れ墨について「感染症の拡大など、保健衛生上の危害が生じる恐れがあることは明らかだ」と指摘。「施術の危険性を十分に理解し、適切な判断や対応を行うには、医学的知識、技能が必要不可欠だ」とした。
 そのうえで、入れ墨の施術に医師免許を要求することについて「保健衛生上の危害を防止するという重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置だ」と判示。身体に入れ墨を入れる自由が憲法上保障されるとしながらも「公共の福祉のために必要かつ合理的な制限を受ける」として、医師法に基づく規制は妥当だと結論づけた。
 弁護側は、入れ墨が医師免許のない彫師の手で長年にわたって行われ、摘発例もほとんどないため「実質的な違法性がない」と主張したが、判決はそうした現状があるとしても「違法性がないといえるほどの社会的正当性を有しているとは評価できない」と退けた。
 一方で、被告が施術の際に器具を滅菌するなど衛生管理に努め、客に健康被害が生じていないことを量刑の上で考慮した。

 判決によると、増田被告は平成26~27年、大阪府吹田市の自宅兼スタジオで医師免許を持たずに、女性客3人の腕や背中などに入れ墨を施した。
 増田被告は当初、書面審理のみで罰金刑を言い渡す略式手続きに付されたが、それを拒否して公開法廷での裁判を請求していた。

この裁判については以前にも取り上げたことがありますが、以前は黙認状態であったものが平成13年の医師法違反との厚労省通知を契機として、2010年頃から全国各地で摘発が報じられるようになってきたと言います。
とは言え一定の歴史的経緯もあることから、ほぼ例外なく罰金を支払えばそれで終わりと言う状況であったようですが、今回に関しては記事にもあるように被告側が敢えて裁判に持ち込んだ結果がこうなったと言うことで、恐らく被告側は上告することになるのでしょうか。
最終的にどのような判決として確定するかはまだ何とも言えませんが、記事からは珍しく裁判官の判決理由がそれなりに首肯できる論理の積み重ねに見える一方で、その結果出てきた結論については正直おいおい…と言いたくなる部分もあるように感じますね。
個人的には健康被害のリスクと言うことで言えば、入れ墨よりも怪しげな民間療法を取り扱う方々のほうがよほど危険性が高そうにも思うのですが、こちらに関しても彫り師と同等以上の熱意をもって取り締まりをいただければと思います。

実際に医師が施術するとなれば美容整形などで行うことになるのかですが、ざっくり検索した限りではタトゥー除去をうたう施設ばかりで、施術を行うと言う施設は見つけることが出来なかったのですが、もちろん探せば全国どこかに存在はしているのでしょう。
ただ施術希望者の件数から考えると現状ではとても手が足りないのではないかと思うのですが、今後こうした施術も美容系クリニックの大きな収入源となっていくものなのかどうか、彫り師の皆さんに何らかの救済が用意されるのかどうかも気になりますね。
ちなみに医療水準での施術を行おうとすれば既存の彫り師が手がけるよりも相当の高コストになり利用車の懐にもずいぶんと厳しくなると思うのですが、現実的な落としどころとしては滅菌など何らかの基準を整備した上での施術容認といったことになるのでしょうか。

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コメント

変態新聞ではさらに詳しく
『増田被告は「医師免許を求められれば仕事ができず、納得がいかない。闘い続けたい」と語った。』とありましたが。。。
そーだよ、やるんじゃねっつってんだよっ と突っ込むしかないような。

投稿: | 2017年9月29日 (金) 06時58分

9割が後悔だってね
http://news.nifty.com/article/economy/business/12117-7155/

投稿: | 2017年9月29日 (金) 07時38分

20代なら頑張れば医師免許取れると思うんですけどねえ・・・国も高等教育の学費を無償化するとか言ってますし・・・

彫り師のために法律改正しようなんて言ってくれる国会議員も官僚もいないような気が。
そうでなくても暴対法に抵触しないようにするのが大変そうです。

投稿: クマ | 2017年9月29日 (金) 08時54分

ピアスっていいのかなって気が。

投稿: ぽん太 | 2017年9月29日 (金) 09時33分

国内で入れ墨業全廃でも誰も困らない上、海外で入れることも可能なのに、変態新聞等なんで粘着するんでしょうかね?今回の裁判当事者も、東南アジアで移住して、日本から顧客呼んだ方が現実的に思えるのですが。

投稿: 麻酔フリーター | 2017年9月29日 (金) 10時19分

法律論やっちゃうと、アートメイクと区別できないから違法にせざるを得ない。
逆に、合法にしちゃうとこれまで刑法で違法としてきた人たちどうすんねん!となってしまうから、裁判所だけで合法になるはずがない。影響大きすぎて
新たに立法すれば、すっきりイケる(これまで違法だったのを、法律で○日より合法、とするから)

ピアスは薬を入れてないので合法(同意傷害や、採血だけなら広範囲に認められていたりする)。薬を入れるところがこれまでの運用上の一線。病院での業務にも影響するので、この一線はそうそう動かせない。

投稿: おちゃ | 2017年9月29日 (金) 13時17分

司法判断としてはまず妥当かと思うのですが、職業として彫り師を選んだ方々にはお気の毒で、医介輔の扱いなどと比べ社会的要請の差が現れているのかなとも感じました。

投稿: 管理人nobu | 2017年9月29日 (金) 13時41分

裁判官って……
http://www.sankei.com/affairs/news/170929/afr1709290008-n1.html

投稿: | 2017年9月29日 (金) 17時03分

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