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2017年8月11日 (金)

これからの時代入れ墨は医師の仕事に?

今日は非常にどうでもいい話ではあるのですが、先日報じられていたこちらの訴訟について時系列順に紹介してみましょう。

タトゥー彫り師は医師法違反か 初公判で無罪主張(2017年4月26日朝日新聞)

 タトゥー(刺青、いれずみ)を施す行為は医師法違反にあたるのかが問われた裁判が26日、大阪地裁(小倉哲浩裁判長)で始まった。大阪府吹田市の彫り師、増田太輝被告(29)は初公判で「タトゥーを入れたことは間違いないが、犯罪とされることは納得できない」と起訴内容を否認した。

 検察側の冒頭陳述によると、増田被告は医師免許がないのに、2014年7月~15年3月、客3人にタトゥーを施したとして、15年8月、略式起訴された。
 弁護側は「タトゥーを彫る行為は医業ではない」と無罪を主張。彫り師に医師法を適用するのは、憲法が保障する表現の自由や職業選択の自由の侵害だとも指摘した。

 医師法には何を医業とするか明確な規定はない。厚生労働省は01年、針先に色素を付け皮膚表面に色素を入れる行為は医師しかできないとの立場を明らかにしたが通達にとどまり、弁護側は罰せられる行為は事前に規定しなくてはならない罪刑法定主義にも反すると主張した。
 今後、弁護側証人として刑法学者や皮膚科医、客の女性らが出廷する予定だ。

タトゥー彫り師に罰金30万円求刑 医師法違反事件(2017年7月21日朝日新聞)

 医師免許がないのに客にタトゥー(刺青〈いれずみ〉)を施したとして医師法違反の罪に問われた大阪府吹田市の彫り師、増田太輝被告(29)の論告求刑公判が21日、大阪地裁(長瀬敬昭裁判長)であった。検察側は「施術によって皮膚障害などのおそれがあり、医師の資格を求めることは十分、合理的だ」として罰金30万円を求刑した。

 増田被告は2015年8月、客3人にタトゥーを施したとして医師法違反の罪で略式起訴された。一度は受け入れようとしたものの、「自分の仕事を犯罪と認めていいのか」と考えて簡裁が出した罰金30万円の略式命令を拒み、正式裁判を求めていた。
(略)


タトゥー施術は「医療行為」か-医師法違反罪問われた彫師側「医師に独占させる必要ない」と無罪訴え結審 検察側は「医療行為に当たる」(2017年8月4日産経新聞)

 医師免許なしに客にタトゥー(入れ墨)を施したとして、医師法違反の罪に問われた彫師、増田太輝(たいき)被告(29)の第8回公判が4日、大阪地裁(長瀬敬昭裁判長)で開かれた。弁護側が最終弁論を行い、「タトゥーを彫る行為は医療には当たらない」として改めて無罪を主張し結審した。検察側は罰金30万円を求刑している。判決は9月27日。

 タトゥーの施術に医師免許が必要かどうかが最大の争点。検察側は皮膚の損傷や炎症のリスクがあることから、医療行為に当たるとしている。

 最終弁論で弁護側は「タトゥーを彫る行為を医師に独占させる必要はない」と主張。増田被告は最終意見陳述で「タトゥーを彫る仕事は医師がすべきこととは思えない。彫師としての人生を返してもらえると信じている」と述べた。

まあ医師の仕事ではないと言う意見には多くの医療従事者も首肯するところではないかと思うのですが、しかしいつの間に彫り師が違法な扱いになっていたものかと調べて見ましたら、2010年に兵庫で逮捕されたケースが最初の一例であったのだそうですね。
その根拠として平成13年に厚労省が医師法十七条違反であると言う見解を示していたのですが、こちらは入れ墨よりも脱毛によるトラブルが多発していたことへの対策が主題であったようで、警察も入れ墨に関しては伝統技能としての側面もあるとして見て見ぬふりであったと言います。
それがこのところやたらに逮捕されるケースが増えていて、末端の彫り師の間でもすでに違法行為であると言う認識が広まっており素直に罰金を払うケースが大多数と言うことですが、今回のケースは敢えて法律の解釈に踏み込んだと言う珍しいケースではありますね。

入れ墨の是非などに関してはここで議論すべきところではありませんが、今回記事を見ていて気になったのが逆に医療行為でないと言う司法判断が下された場合、他人の体に傷を付ける行為は傷害罪にならないのか?と言う点です。
この場合双方合意の上でやっていることだから格闘技の試合中の怪我などと同様、傷害罪には相当しないのでは?と言う考え方もあるでしょうが、刑法の記述を文字通りに読めば合意の有無は特に言及されておらず、罪に問えないと言うことはなさそうです。
この辺りの双方納得ずくでの加害行為の違法性に関しては色々と違法性の基準があるのだそうですが、その一つに行為そのものが社会的に許容されるようなものなのかどうかと言うこともあるのだそうで、入れ墨の場合もかなり議論になりそうなところですよね。
ちなみに傷害罪の刑罰は最近引き上げられて15年以下の懲役又は50万円以下の罰金とされていて、無資格診療の罰則である3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金と比べてどちらが重いのかですが、今回の裁判結果次第では今後は彫り師に問われる罪が変わると言うこともあるでしょうか。

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コメント

美容整形との線引きは難しいのではないでしょうか。

投稿: JSJ | 2017年8月12日 (土) 09時07分

入れ墨って自費診療?病院でやったらいくらくらいになるのかしら?

投稿: | 2017年8月12日 (土) 16時57分

アートメイク違法を取り消さないといけなくなるので、刺青だけセーフはないでしょうね

投稿: | 2017年8月14日 (月) 14時20分

地裁で有罪判決でたけど、亀石倫子氏が主任弁護人だったのね。

投稿: JSJ | 2017年9月27日 (水) 16時04分

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