« 今日のぐり:「中華そば 浅月 本店」 | トップページ | 臨床も医療費の無駄遣いを考慮しながら行われる時代に »

2017年7月 3日 (月)

救急医療崩壊への抜本的解決策

千葉県と言えば以前に県東部地域での救急医療の連鎖的崩壊が話題になった地域で、東金病院→成東病院→銚子市立病院→成田赤十字病院と崩壊の連鎖が続き最後の砦であった旭中央病院も救急受け入れ制限開始と言う絶望的な状況を紹介したことがありますが、県西部地域においても先日こんなニュースが出ていました。

救急搬送必ず受け入れ 千葉市内3病院を指定 8月にも開始(2017年6月29日千葉日報)

 千葉県議会は一般質問最終日の28日、自民党の阿井伸也(大網白里市)、坂下茂樹(市川市)、伊豆倉雄太(市原市)、今井勝(我孫子市)、阿部紘一(千葉市稲毛区)の5議員が登壇した。県は、全国ワースト2位の救急搬送時間の短縮に向け、搬送先が決まらない患者を必ず受け入れる病院を事前に定め、病床確保の費用も援助する制度を8月に始めると明らかにした。救急需要が多く、搬送時間も長い千葉医療圏(千葉市)の3病院で試行的に開始予定。坂下議員の質問に答えた。

 消防庁が昨年12月に公表した調査(2015年分)によると、千葉県の平均救急搬送時間(119番通報から病院収容まで)は44・6分で、全国平均(39・4分)を大幅に超え、東京都に次いで長い。前年調査時(44・5分)より悪化した。
 救急車が現場に到着するまでの時間は平均で9分と比較的短いが、そこから搬送先が1回で決まらずに別の病院を探して打診したり、その病院が遠いことで時間を要しているという。
 15年の県の調査で、けが・病気の程度別の平均搬送時間は重症で44分、中等症は43・8分、軽症が43・2分と、重いほど長い傾向に。古元重和保健医療担当部長は「こうした状況を踏まえ、搬送時間短縮により救命率向上を図ることを目的に、患者を必ず受け入れる医療機関を定め、空床確保の経費を助成する」と説明。国の基金を原資に費用の3分の1を助成する方式で、提案中の補正予算案に約3千万円を計上した。

 県によると、千葉医療圏は、病院数が豊富にもかかわらず、救急隊と病院との交渉回数が多い傾向にあり、県内九つの医療圏別で搬送時間が3番目に長い。
 県や千葉市による調整の結果、公立と民間の計3病院が指定受け入れに合意しており、予算が成立後に同市消防局と改めて協定を結ぶという。専用病床は1~2を想定。搬送が決まれば即応するスタッフの人件費などが助成対象となる。
 全国的にも実施例がまだ少ないが、県は開始後の検証で効果が確認できれば他地域にも広げたい考え。
(略)

空床確保にお金を出すことにしたと言うのはそれはそれでよいことなのですが、何でも受け入れに合意と言っても病院トップや事務方が補助金欲しさに話を取ってきただけで、現場で実際に救急医療を担当しているスタッフがどういう考えはどうなのでしょうね。
搬送先が決まらない患者と言うのも微妙な表現で、時間なり問い合わせ件数などが一定以上になればと言うことなのでしょうが、どうせ黙って受けてくれるのだからと何でもかんでも送り込んでくるようなことにならないのかと言う不安はあります。
こうした話が決まれば今まで以上に業務量が増えることが確実なのですから、あらかじめ紹介無しの飛び込み新患は拒否だとか一次救急はお断りだとかやらないと破綻しかねないと思うのですが、院内ではどんな対策を講じているのか興味が湧きますね。

今春に札幌市立病院の救命救急センター勤務医12人のうち7人が一斉退職すると言う件が報じられましたが、少なくとも自己申告による退職理由としては月平均80時間と過労死ラインの長時間労働を挙げる医師は一人もいなかったのだそうです。
救命救急を志すような医師はそうしたものであると言う考え方もありますが、今回のように全例受け入れとなれば当然救急だけでなく他診療科の負担も増す理屈で、院内勤務医の誰もが激務当然の救急医のような考え方でいるとも限りません。
今後千葉県では全県的にこうした制度を広めていく予定だそうで、その結果受け入れ指定医療機関がどうなっていくのかと言うことも気になりますが、まずは仕事を増やすのであればその分きちんと酬いるシステムを用意していただきたいものです。

|

« 今日のぐり:「中華そば 浅月 本店」 | トップページ | 臨床も医療費の無駄遣いを考慮しながら行われる時代に »

心と体」カテゴリの記事

コメント

反応がないのは「搬送先が決まらない患者を必ず受け入れる病院」というネタに新鮮味がないからですかねぇ。

投稿: JSJ | 2017年7月 4日 (火) 15時43分

満床だったらどうなんのこれ?

投稿: | 2017年7月 4日 (火) 20時32分

その問題もありますので、本来受け入れよりも逆紹介ルートの整備の方が重要なはずで、診断と初期対応が済み次第市中病院に引き継ぐシステムが必要ですね。

投稿: 管理人nobu | 2017年7月 5日 (水) 14時51分

こういう病院って中から不満の声は出ないのかな
https://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201707/0010342387.shtml

投稿: | 2017年7月 5日 (水) 21時35分

↑不満を言える程の知能があるならそもそもこんなところには勤めてないかと。

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2017年7月 7日 (金) 12時47分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/519753/65480371

この記事へのトラックバック一覧です: 救急医療崩壊への抜本的解決策:

« 今日のぐり:「中華そば 浅月 本店」 | トップページ | 臨床も医療費の無駄遣いを考慮しながら行われる時代に »