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2017年6月 2日 (金)

うっかりボタンを押してしまうと契約成立に

未だにこういうものに引っかかる人も少なくないのでしょう、先日こんなニュースが出ていました。

金払わぬと中国に連れて行く…青森の40代女性被害(2017年5月29日毎日新聞)

 青森県警五所川原署は29日、津軽地方の40代女性が「有料サイトの登録料を払わなければ、中国に連れて行く」などと脅され、8回にわたって計816万円をだまし取られたと発表した。女性は、中国の国営新華社通信と同じ呼称の会社に未納料金があるとも言われたといい、県警は新たな手口の詐欺事件とみて警戒を呼びかける。

 女性の携帯電話に今月、「有料サイトに登録されている」と男の声で複数回連絡があった。女性は東京都内の住所などに計506万円を送金。その後「シンカシャツウシン」に電話するよう言われ、かけると片言の日本語を話す男から「310万円を払わなければ中国に連れて行く」とだまされた。知人に相談し、被害が発覚した。【一宮俊介】

しかし今さら紳士録商法に引っかかる人もそうそういないのでしょうが、こういった有料サイト云々と言われると良く判らないまま言いなりに支払ってしまう人も多いのはやはりネットが未だ身近でないと言うことなのか、年代別でこうしたものの被害の会いやすさを調べて見ると面白いかも知れませんね。
管理人などは風の噂として伝え聞くのみですけれども、怪しげなサイトでうっかりリンクを踏んでしまったところ入会に同意したものと見なされ高額な入会金を請求されと言ったワンクリック詐欺の被害者も未だ少なくないようで、こうした一方的な契約(とも言えないものですが)はそもそも無効であり、頭から無視して構わないと言うことになっています。
ところが先日報じられた民法改正に関連して、よくよく見てみるとこんな気になる話も出ていたことを御覧になった方もいらっしゃると思いますが、まずは記事から紹介してみましょう。

「同意ボタン」で契約成立、敷金は原則返還……120年ぶり民法改正で変わる“ルール”(2017年5月29日産経新聞)

 契約のルールを明確化する改正民法が26日、参院本会議で可決、成立した。取引条件を示した「約款(やっかん)」に関する規定の新設などが柱。契約に関する規定の大半は明治29(1896)年の民法制定から変わっておらず、約120年ぶりの抜本改正となる。
 周知のため施行は約3年後となる見通し。改正法では、約款が消費者が一方的に不利になる内容であれば無効となる。また、第三者の個人が企業向け融資の保証人になる際、公証人による意思確認を義務付けた。
 未払い金の消滅時効を原則「請求できると知ったときから5年」に統一することや、認知症の高齢者など判断能力がない人が結んだ契約は無効と明記することなども盛り込まれている。

 契約のルールが大きく変わることになった。今回の改正は、インターネット取引の普及といった社会の変化に対応しつつ、判例などで定着したルールを条文に明記し、国民に分かりやすい法律にするのが狙いだ。(滝口亜希)
 改正の柱の一つが、約款に関するルールの新設だ。
 「お試し価格500円の健康食品を注文したら定期購入になっていた」。国民生活センターにはネット取引をめぐる相談が多数寄せられている。商品を購入する際などに表示される取引条件が約款だが、小さな文字で書かれていて「注文時に気付かなかった」という声も少なくない

 これまでの民法には約款に関する規定がなかった。改正法では、ネット取引の「同意する」ボタンを押すなどして消費者が合意した場合や、契約内容として事前に約款が示されていた場合には、消費者が内容を理解していなくても約款が有効であると明確化する。
 ただし、消費者に一方的に不利な契約内容は無効となることも明記し、消費者保護にも配慮した形だ。
(略)

世間では簡潔に「同意ボタンを押すだけで契約成立」と報じられているこのニュース、考えてみるといわゆるワンクリック詐欺などもちょいと済みの方に約款を掲示するなどサイトの体裁を整えるだけで、形の上では契約成立の条件を整えられてしまうと言うことになってしまいそうですよね。
ここで問題になるのは「消費者に一方的に不利な契約内容」とはそもそもどのようなものなのかですが、世間一般には流通していない成人向けのケシカラヌ内容の画像や動画などを一定程度の料金で提供すると言う契約が「消費者に一方的に不利」なものと認識されるものかどうか、これはなかなか微妙なところであるような気がします。
当然ながらそうしたサイトにアクセスする時点でそうした目的を持って自ら能動的に契約締結を求めていると判断されるでしょうし、また画像の内容が料金と照らし合わせて妥当かどうかの判断も難しいところで、例えば市販されている写真集程度の健全かつ合法的な画像ばかりでも、それが何千枚とあれば市価に照らし合わせて数万、数十万程度の料金は妥当と考えられるのかも知れませんね。
実際にところは現時点でワンクリック詐欺などを展開しているサイトはこうした条件を満たしているとは到底思えませんが、詐欺と言うものの性質上法律の抜け道を突いてくるように臨機応変に変化していくはずですから、近い将来ワンクリック詐欺としても機能し、あわよくば合法的とも認定されるような体裁を整えたサイトが続々と登場してくるのかも知れませんね。

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コメント

ゴネるやつがいるから世の中おかしなことになる

投稿: | 2017年6月 2日 (金) 08時08分

>ネット取引の「同意する」ボタンを押すなどして消費者が合意した場合や、契約内容として事前に約款が示されていた場合には、消費者が内容を理解していなくても約款が有効であると明確化

病院の同意書はこれまでよりも強い意味を持つことになるのでしょうか?

投稿: クマ | 2017年6月 2日 (金) 08時50分

医療行為の場合契約内容を示す約款が不明瞭あるいはそもそも提示されていないことが問題とされそうです。

投稿: 管理人nobu | 2017年6月 2日 (金) 12時19分

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